生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_フラボノイド誘導体
出願番号:2004030588
年次:2005
IPC分類:7,C07D311/30,A61P31/04,A61K31/352


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木田 克彦 JP 2005220086 公開特許公報(A) 20050818 2004030588 20040206 フラボノイド誘導体 学校法人重里学園 399079081 高良 尚志 100095522 木田 克彦 7C07D311/30A61P31/04A61K31/352 JPC07D311/30A61P31/04A61K31/352 2 OL 8 4C062 4C086 4C062EE49 4C086AA03 4C086BA15 4C086MA01 4C086ZB35 本発明は、抗菌作用を示す新規なフラボノイドに関する。 フラボノイドとは、ベンゼン環2個を3個の炭素原子でつないだジフェニルプロパンを基本構造とする一群の化合物の総称で、2個のベンゼン環をつなぐ3個の炭素原子の構造の違いにより、フラボン、フラボノール、イソフラボン、フラバン、フラバノール(カテキン)、フラバノン、フラバノノール、カルコンなどに分類することができる。また、フラボノイドは植物やその他の生物に含まれる色素の一種で、現在、自然界から非常に多くのフラボノイドが単離されており、その数は4000種以上と言われている。これらフラボノイドには抗菌性や抗酸化作用、抗アレルギー作用、更には抗ウイルス作用などの生理作用があることが確認されている。 そのため、フラボノイドを必要に応じて単離し、医薬、食品、化粧料等として利用することは、従来から広く行われている。 フラボノイドの一種であってお茶に含まれるカテキンにはDNA損傷の原因とされている活性酸素をなくす抗酸化作用や細菌に対する殺菌作用などがあることが知られている。また、タマネギの皮に含まれるケルセチン(フラボノールの一種)には、脂肪吸収抑制作用や抗アレルギー作用などの薬理効果があることが知られており、薬剤として多用されている。更に、ケルセチンを含むポリフェノール(フラボノール誘導体)の多くが植物資源から抽出されており、最近その炭素置換体に抗がん作用があることが確認されている。 例えばCancer Lett., 154, 101-105 (2000) , Y. Iwase他(非特許文献1)には、81種類のカンキツ果皮エキスについてEpstein-Barrウイルスを用いた発がんプロモーション抑制活性試験を実施し、活性を示した品種について成分検索を行い、3,5,6,7,8,3',4'- heptamethoxyflavone、すなわちが強い活性を示すことを証明したこと、マウスを用いた皮膚二段階発がん抑制実験においても結果は良好で、抗発がんプロモーターとしての有効性を実証したこと、また、モリン,ケルセチンのペンタアリルエーテル誘導体は更に強い活性を示したことが記載されている。 但し、豊富な植物資源からこれまでに単離されたフラボノイドは上述の通り多数存在するが、有用性が期待されていながらも、未だ炭素置換(アルキル化)されたものが得られていないフラボノイドが多数存在するのが現状である。Cancer Lett., 154, 101-105 (2000) , Y. Iwase他 本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、フラボノイドに属する化合物であるフラボノール類のアルキル化によって得られる、抗菌作用を示す新規なフラボノイドを提供することにある。 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フラボノール類のアルキル化によって、下記一般式で表される新規なフラボノイドを合成し、単離することに成功し、本発明を完成した。 すなわち上記目的を達成する本発明のフラボノイドは、下記一般式(1)で表される。・・・・(1)[式(1)中、R1及びR2の何れか一方は炭素数2以上のアルコキシ基であり、他方は水素原子である。] また本発明のフラボノイドは、上記R1及びR2の何れか一方が炭素数2乃至4のアルコキシ基であり、他方は水素原子であるものとすることができる。 本発明のフラボノイドは、抗菌作用を示し、食品、化粧料、医薬等を始めとする各種用途に用いられることが期待され、産業上の利用可能性は大きい。 本発明のフラボノイドを表す上記式(1)中のR1及びR2の何れか一方は、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数2以上のアルコキシ基、好ましくは炭素数2乃至4のアルコキシ基(エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)であり、他方は水素原子である。 上記式(1)で表される本発明の新規フラボノイドは、例えば、3−ヒドロキシフラボン又は6−ヒドロキシフラボンの水酸基部分をアルキル化剤でアルキル化し、反応生成物を酢酸エチルで抽出した後、シリカゲルを充填したカラムを用いて分離し、これを精製することにより得ることができる。このようなアルキル化剤の例としては、硫酸ジアルキル、ハロゲン化アルキル等の他、スルホン酸アルキル、アルキル亜鉛等を挙げることができる。得られた式(1)で表されるフラボノイドは、例えば食品、化粧料、医薬等にそれぞれ適量を添加して抗菌等の用途に用いることができる。 以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。 合成例1(3−エトキシフラボンの合成) 水酸化ナトリウム水溶液15mL(リットル)中に、3−ヒドロキシフラボン0.1gと硫酸ジエチル1.5mLを加え、90℃で約1時間攪拌した。次いで、その反応溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mLで抽出した。その抽出液の有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、溶媒を留去することにより、《注:3−エトキシフラボンの粗生成物約0.1gを得た。その赤外吸収スペクトルを第1図に示す。?》 合成例2(3−プロポキシフラボンの合成) 水酸化ナトリウム水溶液15mL中に、3−ヒドロキシフラボン0.1gと硫酸ジプロピル0.2mLを加え、80℃乃至90℃で約1時間攪拌した。次いで、その反応溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mLで抽出した。その抽出液の有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、溶媒を留去することにより、《注:3−プロポキシフラボンの粗生成物0.1gを得た(収率85%)。その核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、及び高速液体クロマトグラムを、それぞれ第2図、第3図、及び第4図に示す。?》 合成例3(3−ブトキシフラボンの合成) 水酸化ナトリウム水溶液15mL中に、3−ヒドロキシフラボン0.1gと硫酸ジブチル0.2mLを加え、80℃で約1時間攪拌した。次いで、その反応溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチル50mLで抽出した。その抽出液の有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、溶媒を留去することにより、粗生成物を得、《注:この粗生成物から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて3−ブトキシフラボン0.05gを得た(収率42%)。その赤外吸収スペクトルを第5図に示す。?》 合成例4(6−プロポキシフラボンの合成) 水酸化ナトリウム水溶液15mL中に、6−ヒドロキシフラボン0.1gと硫酸ジプロピル0.2mLを加え、80℃乃至90℃で約40分間攪拌した。次いで、反応溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mLで抽出した。その抽出液の有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、溶媒を留去することにより、粗生成物を得、《注:この粗生成物から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて6−プロポキシフラボン0.05gを得た。その赤外吸収スペクトル及び高速液体クロマトグラムを、それぞれ第6図及び第7図に示す。?》合成例1の赤外吸収スペクトルである。合成例2の核磁気共鳴スペクトルである。合成例2の赤外吸収スペクトルである。合成例2の高速液体クロマトグラムである。合成例3の赤外吸収スペクトルである。合成例4の赤外吸収スペクトルである。合成例4の高速液体クロマトグラムである。 下記一般式(1)で表されるフラボノイド。・・・・(1)[式(1)中、R1及びR2の何れか一方は炭素数2以上のアルコキシ基であり、他方は水素原子である。] 上記R1及びR2の何れか一方は炭素数2乃至4のアルコキシ基であり、他方は水素原子である請求項1記載のフラボノイド。 【課題】 フラボノイドに属する化合物であるフラボノール類のアルキル化によって得られ、食品、化粧料、医薬等を始めとする各種用途に用いられることが期待される、抗菌作用を示す新規なフラボノイドの提供。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるフラボノイド。 【化1】・・・・(1)[式(1)中、R1及びR2の何れか一方は炭素数2乃至4のアルコキシ基(例えばエトキシ、プロポキシ、ブトキシ)であり、他方は水素原子である。]【選択図】 なし


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