生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_不飽和有機化合物のグリニャール製造
出願番号:2003582100
年次:2010
IPC分類:C07C 1/32,C07C 11/12,C07B 49/00,C07F 3/02


特許情報キャッシュ

グエン,ビン ティー. ベッドベリー,カーティス ジェイ. JP 4584588 特許公報(B2) 20100910 2003582100 20030331 不飽和有機化合物のグリニャール製造 ダウ コーニング コーポレーション 590001418 DOW CORNING CORPORATION 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 古賀 哲次 100087413 永坂 友康 100111903 西山 雅也 100082898 グエン,ビン ティー. ベッドベリー,カーティス ジェイ. US 10/117,425 20020404 20101124 C07C 1/32 20060101AFI20101104BHJP C07C 11/12 20060101ALI20101104BHJP C07B 49/00 20060101ALN20101104BHJP C07F 3/02 20060101ALN20101104BHJP JPC07C1/32C07C11/12C07B49/00C07F3/02 B C07C 1/32 C07C 11/12 特開平08−253431(JP,A) 特開平07−206870(JP,A) 特公昭37−016023(JP,B1) 特公昭41−011094(JP,B1) 特開2001−288194(JP,A) 国際公開第99/029699(WO,A1) 特開昭60−126292(JP,A) 特開平11−302287(JP,A) 6 US2003009803 20030331 WO2003084901 20031016 2005521738 20050721 8 20060207 太田 千香子 本発明は、不飽和有機化合物の製造のためのグリニャール型方法に関する。該方法は、エーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒との混合物中で不飽和有機ハライドをマグネシウム金属と接触させ、反応工程からの反応生成物を濾過し、そしてその後濾過工程からの反応生成物濾液を処理して所望不飽和有機化合物を得ることを含む。 伝統的なグリニャール反応用溶媒であるエーテルと共にハロゲン化溶媒の使用が、より低い反応温度、副生成ハロゲン化マグネシウムから所望不飽和有機化合物を容易に分離する能力(より純粋な不飽和有機化合物のより高い収率をもたらすことになる)をもたらすことになる、ということを本発明の発明者は見出した。 典型的にはグリニャール試薬と称される反応性錯体を形成させるための、ジアルキルエーテルのような酸素化溶媒の存在下での有機ハライドとマグネシウム金属との反応は周知である。グリニャール試薬の生成及び反応は、書物及び数多くの報告記事の主題となってきた。かかる報告書は、たとえば、Coates等,ORGANOMETALLIC COMPOUNDS,Vol.1,pp.76〜103(1967),Methuen and Co. Ltd,ロンドン,英国に並びにKirk/Othmer,ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY,Vol.10,721〜734(1966),The Interscience Encyclopedia, Inc.,ニューヨーク州ニューヨークに与えられている。グリニャール試薬の構造は確実には決定されていないが、しかしグリニャール試薬は溶解状態の錯体として存在すること並びに溶媒がかかる錯体形成に決定的に重要な役割を果たし得ることが一般的に信じられている。グリニャール試薬の形成及び反応性に対する溶媒の予想され得ない効果が上記に引用された報告記事に論考されており、そして本願における発明者は、アリルクロライドを有機ハライド反応体の例として用いると、次の反応式が実際のメカニズムであり得ると信じるが、しかしかかる理論に縛られるべきでない。 グリニャール試薬を中間体として用いる方法による1,5−ヘキサジエンのような不飽和有機化合物の製造は知られている。たとえば、Turk等,Organic Synthesis,Vol.27,7〜8,1947は、無水エーテル中のアリルクロライドとマグネシウム削り屑との反応により1,5−ヘキサジエンを製造する方法を教示する。Turk等は、この反応が撹拌不能になる濃厚なスラリーの形成をもたらすことになると教示する。この撹拌不能なスラリーは、次いで、クロライド副生成物の十分な量が溶解状態になりそして次いでスラリーが撹拌されるのに十分に流動性になるまで、塩酸溶液で処理される。 Turk等により教示されたような方法は、一般的には商業的方法として容認され得ない。反応中の撹拌不能なスラリーの形成は、減少された物質移動及び熱移動並びにそれ故減少収率の原因となり得る。更に、スラリーの特質は、スラリーを可溶化して生成物の単離を可能にする試薬でスラリーを追加の工程において処理することを必要にする。典型的には、生成物の大部分は、撹拌不能なスラリーに捕捉される。加えて、スラリーの非流動性特質は、反応が大規模又は連続法として行われることを可能にしない。 不飽和有機化合物を製造するためのグリニャール技術の使用に関しての更なる開示は、Turk等の方法の欠点を克服すべき試みが成されるところの、1997年1月21日にBank等に発せられた米国特許第5,596,120号明細書に見られ得る。そこにおいて、Bank等は、アリルクロライドのモル当たり約1から15モルの7個未満の炭素原子を含むジアルキルエーテルと該ジアルキルエーテルのモル当たり約0.05から2モル未満の液状芳香族炭化水素溶媒とを含む共溶媒中で、約5℃から200℃の範囲内の温度にて、マグネシウム金属を有機ハライドとハロシランとを含む混合物と共に用いて、オルガノシランが製造され得ることを教示する。教示された炭化水素溶媒はトルエンである。この開示において、塩素化炭化水素溶媒の使用及びグリニャール技術におけるそれらの使用により達成される利益については言及されていない。 別の開示は、Hayes II等の欧州特許第0,729,931号明細書に見られるものであり、しかして1,5−ヘキサジエンの製造のための一工程グリニャール型方法が開示されている。該方法は、マグネシウム金属を、アリルクロライド、アリルクロライドのモル当たり1から15モルの7個未満の炭素原子を含むジアルキルエーテル及び該ジアルキルエーテルのモル当たり0.05から2モル未満の液状芳香族炭化水素溶媒を含む混合物と、5℃から200℃の範囲内の温度にて接触させることを含む。液状芳香族炭化水素溶媒はトルエンであると開示され、そしてこの開示において、不飽和有機化合物を製造する際の使用について、塩素化炭化水素溶媒の使用に関しては言及されていない。この方法は容易に撹拌されるスラリーを与え、しかしてこの方法の実施中物質移動及び熱移動を改善する及び生成物スラリーからの不飽和有機化合物のより容易な分離を可能にする、と主張されている。更に、該明細書において、その方法は該方法が連続法として行われることを可能にすると記されている。 かくして、本発明は、グリニャール型反応技術を用いて不飽和有機化合物を製造する方法において、エーテル及び極性ハロゲン化炭化水素共溶媒又はエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒の混合物との混合物の存在下で、マグネシウム金属を不飽和有機ハライドと接触させる方法に関する。 かくして、本明細書において開示されそして特許請求の範囲に記載されるものは、不飽和有機化合物の製造方法であって、該方法がエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒との混合物又はエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒の混合物との混合物中で不飽和有機ハライドをマグネシウム金属と接触させて不飽和有機化合物を生成させることを含む方法である。その後、反応生成物を濾過し、そして反応生成物濾液を処理して所望不飽和有機化合物を得る。 本発明の更なる具体的態様は、不飽和有機化合物の製造方法であって、該方法がエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒との混合物又はエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒の混合物との混合物中で不飽和有機ハライドをマグネシウム金属と接触させることを含み、しかも温度が5℃から200℃の範囲(最も好ましい範囲は50℃から100℃である)にありそして圧力が周囲圧から約200psig(1.38MPag)の範囲(最も好ましい範囲は0psigから約125psig(0.86MPag)である)にある方法である。 これらの具体的態様の両方共、不飽和有機化合物の製造のための「一工程」法として知られ、何故ならこの方法において中間体グリニャール型試薬を単離しそして次いで更にこのグリニャール型試薬を不飽和有機ハライドと反応させて不飽和有機化合物を形成させることは必要でないからである。更に、不飽和有機化合物の回収を容易にするために、生じた生成物スラリーに別個の可溶化工程を行うことは必要でない。 本発明において用いられるマグネシウム金属は、グリニャール型反応用に現在用いられるところの該金属の公知形態のいずれかであり得る。たとえば、該金属は、粉末、フレーク、顆粒、チップ、ランプ(「塊」)、削り屑、等の形態にあるところの当該技術において知られたもののいずれかであり得る。 マグネシウム金属と不飽和有機ハライドとの接触は、グリニャール型反応を実行するのに適した標準型反応器中で行われ得る。反応器は、回分、半回分又は連続型の反応器であり得る。好ましい反応器は、連続反応器である。本方法が行われる環境は、最良結果のためには不活性であるべきである。それ故、好ましい方法において、反応器は、たとえば窒素又はアルゴンのような不活性ガスでパージ及びガスシールされる。 一般に、マグネシウム金属が、共溶媒混合物を含有する反応器中に置かれる。次いで、追加の共溶媒中の不飽和有機ハライドが、該反応器に制御速度にて供給される。マグネシウム対反応器に供給される不飽和有機ハライドのモル比は決定的には重要でなく、そして広範囲内で変動され得る。回分法において、マグネシウム対不飽和有機ハライドの最終モル比は、マグネシウム塩へのマグネシウムの本質的に全部の転化を確実にするのに十分な過剰にて不飽和有機ハライドを与えることが好ましい。本方法が連続法として行われる場合、マグネシウム金属は、典型的には、反応器に供給される不飽和有機ハライドに対して過剰にて存在する。かかる場合において、反応器への不飽和有機ハライドの供給速度は、不飽和有機化合物への不飽和有機ハライドの転化の容認され得るレベル及び未反応ハロゲン化不飽和マグネシウム錯体の最小量の存在を確実にするように制御され得る。いかなる過剰の不飽和有機ハライドも、捕獲されそして反応器に再循環され得る。 本発明において有用な不飽和有機ハライドは、式RX(ここで、Rは約1から12個の炭素原子を含む不飽和炭化水素基であり、そしてXは塩素及び臭素原子から成る群から選択される)により表される。不飽和有機ハライドについての好ましい置換基Xは、塩素原子である。置換基Rは、1から12個の炭素原子を含む置換又は非置換不飽和炭化水素基であり得る。置換基Rは、たとえば、アルケニル又はシクロアルケニルであり得る。R置換基の特定例は、ビニル、アリル、ヘキセニル、ペンテニル、シクロペンチル及びシクロペンテニルを包含する。本発明にとって好ましいものは置換基アリルであり、しかして最も好ましい不飽和有機ハライドはアリルクロライドである。 本発明において有用なジアルキルエーテルは、たとえば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、n−ブチルメチルエーテル、n−ブチルエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、イソブチルメチルエーテル、イソブチルエチルエーテル、等を包含する。好ましいエーテルは、ジエチルエーテルである。共溶媒混合物中のエーテルの量はできる限り少ないことが好ましく、そしてそれ故エーテル対極性ハロゲン化炭化水素共溶媒の比率は約0.2:2から0.5:2の範囲にあることが好ましい。 極性ハロゲン化炭化水素溶媒は、プロセス条件下で液体であるいかなる極性ハロゲン化炭化水素溶媒でもあり得る。極性ハロゲン化炭化水素溶媒は、たとえば、ハロゲン化芳香族溶媒若しくはそれらの組合わせ又は脂肪族ハロゲン化溶媒若しくはそれらの組合わせ又は芳香族及び脂肪族ハロゲン化炭化水素の組合わせであり得る。本発明にとって好ましいものは芳香族ハロゲン化溶媒であり、そして最も好ましいものはクロロベンゼンである。いずれの脂肪族ハロゲン化溶媒が用いられる場合も、それは形成されたグリニャール試薬より遅くマグネシウムと反応する脂肪族ハロゲン化溶媒であるべきであり、何故なら脂肪族ハロゲン化化合物は芳香族ハロゲン化化合物よりも反応性であるからである、ということが留意されるべきである。 ジアルキルエーテル対極性ハロゲン化溶媒のモル比は、本方法にとって決定的に重要である。本方法は、存在するエーテルの量ができる限り低量であることを要求し、しかしてこれはハロゲン化溶媒対エーテルの高率が所望されることを意味する。これは、ハロゲン化炭化水素溶媒が反応中に形成される非常に微細なMgCl2の沈殿を援助する及びかかる塩の除去を実質的に援助すると本願における本発明者により信じられる故である。かくして、本方法の目的にとって、全エーテル対ハロゲン化溶媒の比率は、約0.5:2から1:1の範囲にあるべきである。 本方法はMgCl2が容易にかつ本質的に完全に分離され得るところの非常に低粘度のスラリーをもたらし、しかして先行技術の方法と比較される場合それは物質移動の実質的改善に通じる及び反応に必要とされる溶媒の全量の有意な低減を可能にする、ということを本願における発明者は見出した。加えて、本方法は、不飽和物質の異性化又は重合を引き起こさない。一般に、本方法は、反応用の開始剤を必要としない。実施例グリニャール試験 グリニャール試験試薬は、ベンゼン50ml中の2,2′−ビキノリン100mgの無色溶液である。反応混合物中のアリルグリニャール試薬の存在を、トルエン溶液中のこの物質の指示薬溶液(0.2cc)に反応混合物(0.2cc)を添加することにより確認した。アリルMgClが存在する場合、赤色混合物が観察される。グリニャール試薬のすべてが反応又は消失した場合、無色の混合物が観察される。1,5−ヘキサジエン形成の分析 反応からの1,5−ヘキサジエンの形成を、オクタンを内部標準とするガスクロマトグラフィーにより周期的に監視した。グリニャール装置 1,5−ヘキサジエンを製造するための装置は、29/40の1リットル三つ口丸底ガラスフラスコであり、しかも該ガラスフラスコは、該ガラスフラスコの内容物を撹拌するための空気撹拌機構と共に、10球構造を有する30インチアリーン還流凝縮器、該還流凝縮器の上に置かれたドライアイス凝縮器、不活性窒素を反応環境に供給する窒素パージシステム、該ガラスフラスコ用の加熱マントル、及びガーズマン(Gardsman)温度制御ユニットに連結された熱電対を備えていた。例1 エーテルを唯一の溶媒として用いる先行技術に対する比較例 エーテル対アリルクロライドの最終モル比は16:1であった。n−オクタン(3.07グラム,0.08モル)と共に、マグネシウム金属(1.82グラム,0.08モル)及び無水ジエチルエーテル(33.6グラム,0.47モル)を1リットル三つ口ガラスフラスコ中に充填した。開始時に、マグネシウム金属を有する清澄溶液が観察された。この溶液を次いで加熱して、約32℃にてエーテルを還流させた。1リットル添加漏斗から、アリルクロライド(16.59グラム,0.21モル)とジエチルエーテル(84.73グラム,1.17モル)の溶液を還流エーテル混合物に、発熱を制御するように約8〜10滴/5secの速度にてゆっくり添加した。添加は、約30分にて完了された。反応混合物の「増粘」が観察され、そして撹拌は非常に困難になった。添加が完了された後おおよそ30分して、MgCl2若しくはジエチルエーテルの錯化又はジエチルエーテル−>Mg<−R−Clに因る「ペースト」が得られた。反応混合物は、撹拌不能になった。例2 3.21/14.88/1.05のエーテル/トルエン/アリルクロライドのモル比における共溶媒としてのエーテル/トルエンに対する比較例 マグネシウム金属(12.15グラム,0.5モル)、無水ジエチルエーテル(178.4グラム,2.41モル)、トルエン(1295.68グラム,14.07モル)及びn−オクタン(26.33グラム)を、1リットル三つ口フラスコ中に充填した。開始時に、マグネシウム金属を有する清澄溶液が観察された。この溶液を次いで加熱して、約32℃〜34℃にてエーテルを還流させた。1リットル添加漏斗から、アリルクロライド(81.85グラム,1.05モル)、ジエチルエーテル(59.5グラム,0.80モル)及びトルエン(74.5グラム,0.81モル)の溶液を還流エーテル/トルエン溶液に、発熱を制御するように約10〜12滴/5secの速度にてゆっくり添加した。この時点において、数分内に反応温度は36〜37℃に増加し、そして曇った溶液が観察された。添加後おおよそ8分して、濁った/曇った溶液は清澄になり始めた。反応混合物は色変化し続けて乳白色混合物になり、しかしてこれはアリルクロライドとマグネシウムとの反応からのMgCl2の形成に起因した。この物質は、反応混合物から沈殿した。この時点におけるグリニャール試験により、アリルMgClの存在が示された。ガスクロマトグラフィー分析により、約20%の1,5−ヘキサジエンが形成されていたことが示された。添加を完了するのにおおよそ0.5時間かかり、そして反応温度は依然約34℃のままであった。 グリニャール試験を用いて、アリルMgClの消失を周期的に検査し続けた。反応からの1,5−ヘキサジエンの形成もまた、オクタンを内部基準とするガスクロマトグラフィー分析により周期的に監視した。1,5−ヘキサジエンの収率は、5.7時間後91%より大きかった。これらの条件下で形成されたMgCl2塩は自由に流動し得る固体であり、しかしてこの固体は溶液からすぐに沈殿し、しかも室温にて作業台の上板上で数日間放置した後でさえ容易に分散され得た。室温にて数日間放置すると、非常に微細なMgCl2の第2の層が溶液からゆっくり沈殿した。この沈殿物はこの方法の実施の間中溶液中に担持され、そしてその存在により蒸留上の及び他の操作上の問題を引き起こした。例3 3/3/1のエーテル/クロロベンゼン/アリルクロライドのモル比における共溶媒としてのエーテル/クロロベンゼン マグネシウム金属(12.15グラム,0.5モル)、無水ジエチルエーテル(178.4グラム,2.4モル)、クロロベンゼン(239.62グラム,2.12モル)及びn−オクタン(26.33グラム,0.23モル)を、1リットル三つ口ガラスフラスコ中に充填した。開始時に、マグネシウム金属を有する清澄溶液が観察された。この溶液を次いで加熱して、約32〜34℃にてエーテルを還流させた。1リットル添加漏斗から、アリルクロライド(81.85グラム,1.05モル)、ジエチルエーテル(59.5グラム,0.08モル)及びクロロベンゼン(91.2グラム,0.81モル)の溶液を還流溶液に、発熱を制御するように約10〜12滴/5secの速度にてゆっくり添加した。この時点において、数分内に反応温度は36〜37℃になり、そして曇った溶液が観察された。添加中おおよそ8〜10分して、濁った/曇った溶液は清澄になり始めた。反応混合物は色変化し続けて乳状混合物になり、しかしてこれはアリルクロライドとマグネシウム金属との反応からの塩化マグネシウムの形成に起因し、そしてこの塩化マグネシウムは溶液から沈殿した。この時点におけるグリニャール試験により、アリルMgClの存在が示された。添加を完了するのにおおよそ5.5時間かかった。 グリニャール試験を用いて周期的に検査して、アリルMgClの消失を決定した。反応からの1,5−ヘキサジエンの形成を、オクタンを内部基準とする反応混合物のガスクロマトグラフィーにより周期的に監視した。 これらの条件下で形成されたMgCl2塩は自由に流動し得る固体であり、しかしてこの固体は溶液からすぐに分離し、しかも室温にて数日間の放置後容易に分散され得た。室温にて数日間放置すると、形成されていた非常に微細なMgCl2の第2の層は消失した。ガスクロマトグラフィー分析により、反応はアリルベンゼンを作らなかったことが示された。 不飽和有機化合物の製造方法であって、 (I)エーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒との混合物又はエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒の混合物との混合物中で式RX(式中、Rは、炭素原子1〜12個を含む不飽和炭化水素基であり、又、Xは塩素及び臭素からなる群から選択される。)を有する不飽和有機ハライドをマグネシウム金属と接触させ、 (II)工程(I)からの反応生成物を濾過し、 (III)工程(II)からの反応生成物濾液から前記反応により反応した不飽和有機化合物を得ることを含む方法。 不飽和有機化合物の製造方法であって、 (A)エーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒との混合物又はエーテルと極性ハロゲン化炭化水素共溶媒の混合物との混合物中で、式RX(式中、Rは炭素数1から12を含む不飽和炭化水素基であり、そしてXは塩素原子及び臭素原子から成る群から選択される)により表される不飽和有機ハライドをマグネシウム金属と接触させ、しかも (i)温度が5℃から200℃の範囲にあり、そして (ii)圧力が周囲圧から200psig(1.38MPag)の範囲にあることを含む方法。 有機ハライドがアリルクロライドであり、エーテルがジエチルエーテルであり、そして極性ハロゲン化炭化水素共溶媒がクロロベンゼンである、請求項2に記載の方法。 エーテル対全ハロゲン化共溶媒対有機ハライドの比率が1:5:1から4:2:1である、請求項1に記載の方法。 極性ハロゲン化炭化水素共溶媒が、 (i)芳香族ハロゲン化炭化水素、 (ii)脂肪族ハロゲン化炭化水素、及び (iii)(i)と(ii)との混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。 エーテル対極性ハロゲン化共溶媒の比率が0.2:2から0.5:2である、請求項1に記載の方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る