生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液及びそれを用いたタンパク質染色方法
出願番号:2003578523
年次:2006
IPC分類:G01N 33/68,G01N 21/78,G01N 27/447


特許情報キャッシュ

カン チョルフン ソ ミョンク JP 2006503262 公表特許公報(A) 20060126 2003578523 20030324 アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液及びそれを用いたタンパク質染色方法 カン チョルフン 504329171 山口 朔生 100082418 カン チョルフン ソ ミョンク KR 10-2002-0015847 20020323 G01N 33/68 20060101AFI20051222BHJP G01N 21/78 20060101ALI20051222BHJP G01N 27/447 20060101ALI20051222BHJP JPG01N33/68G01N21/78 ZG01N27/26 315GG01N27/26 315F AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NI,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW KR2003000571 20030324 WO2003080793 20031002 13 20040830 2G045 2G054 2G045BB24 2G045DA36 2G045FB05 2G054BB03 2G054CA23 2G054CE01 2G054EA06 本発明は、アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液及びそれを用いた染色方法に関するものであって、さらに詳細には、CBB(Coomassie Brilliant Blue)染色試薬によりタンパク質を染色する時に使用する、アルミニウムイオンを含む処理溶液及びそれを用いたタンパク質染色方法に関するものである。 染色(staining)は、プロテオミクス(proteomics)における実験結果を解析するに重要なものであって、二次元空間にタンパク質を可視化する段階を意味する。以下、明細書上の用語‘染色’と‘ステイン’は、同じ意味として使用する。 また、二次元ゲル電気泳動(2-dimentional gel electrophoresis;以下、2−Dゲル電気泳動)は、二次元空間に、タンパク質固有の特性である分子量と電荷量との差を利用し、細胞内の全てのタンパク質を展開してみせるものであって、様々な環境におけるタンパク質発現の差を比較分析する基礎となる。 一般に、プロテオミクスにおいて、2−Dゲル電気泳動を基にするタンパク質染色は、シルバー(silver)染色液、蛍光を用いた染色液及びG250またはR250のようなCBB染色液など、通常の吸収型染色液により行われてきた。 この中でシルバー染色液により行われるシルバーステインの場合、優れた感度を示すが、タンパク質タイプに依存するという短所がある。 その反面、CBB染色液は、他の染色液に比べ、経済的に有利で、高価の装置を使用する必要がなく、容易な実験過程により行われて、且つ、タンパク質タイプに依存しないという長所を有するため、2−Dゲル電気泳動によりタンパク質を分析するか、その他の毛細管電気泳動によりタンパク質を分析するなど、様々な条件におけるタンパク質の分析時、染色に有効に適用されてきた。 しかしながら、CBB染色液は、プロテオミクスにおいて最も代表的に使用されるものではあるが、検出限界が約30ng/バンド以上であってその感度が低いだけではなく、ステイン及びデステインするに1〜2日程度の時間が所要されることから分かるように、時間がたくさんかかるという問題があった。 一方、従来のCBB−ステイン時、染色液とタンパク質との疎水性の相互作用を向上させることにより染色感度を高めるために、アンモニウムイオンを含む処理溶液を使用したことがある。 本発明の目的は、CBB−ステインによりタンパク質を染色する際、検出限界を低めて感度を向上させると共に染色時間を短縮させるために、アルミニウムイオンを含む処理溶液及びこれを用いたタンパク質染色方法を提供することにある。 前記目的を達成するために、本発明では、アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液及びこれを用いたタンパク質染色方法を提供する。 以上説明したように、本発明により、アルミニウムイオンを含む処理溶液を使用しタンパク質をCBB−ステインすると、検出限界が低くなってその感度が向上し、且つ、染色時間が短縮されるだけではなく、デステイン(destaining)過程を省いてもよいという長所を有する。 以下、本発明を詳細に説明する。 まず、本発明では、CBB−ステインによりタンパク質を染色する時に使用するアルミニウムイオンを含む処理溶液を提供する。 これは、3価のカチオンのアルミニウムイオンを使用することで、溶液のイオン強度を増加させて、タンパク質と染色液との相互作用を強化させる働きをする。 前記アルミニウムイオンは、アルミニウム塩から提供されるが、このアルミニウム塩は、硫酸アルミニウム(aluminium sulfate)、塩化アルミニウム(aluminium chloride)及び酢酸アルミニウム(aluminium acetate)からなる群から選択されることが好ましく、特に、硫酸アルミニウムを使用することが最も好ましい。 このようなアルミニウム塩の使用量は、全体処理溶液に対し1〜40%の含量で含まれることが好ましい。アルミニウム塩の使用量が1%より少ないと、染色時間及び程度に係わる効果が減少し、40%より多いと、バックグラウンド部分の染色が強くなり、タンパク質の確認が不可能になる。 また、前記処理溶液は、アルコール化合物を5〜40%の含量で含むが、アルコール化合物は、適切な染色のための必須的な構成成分であって、その使用量が5%より少ないと、染色が遅延されて、40%より多いと、染色がうまくできない。 前記アルコール化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及びイソブタノールからなる群から選択されることが好ましく、最も好ましくは、エタノールを使用する。 さらに、本発明は、前記アルミニウム塩を含む処理溶液を用いたタンパク質染色方法を提供する。 本発明によるタンパク質染色方法は、次の段階を含む: (a)所定の精製されたタンパク質にドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)を行って得られたゲルを脱イオン水により洗浄する段階; (b)前記結果物を第1の溶液及び第2の溶液により処理する段階; (c)前記結果物を、アルミニウムイオンを含む第3の溶液により処理する段階; (d)前記結果物に、CBB染色試薬を含む第4の溶液を添加する段階。 まず、(a)段階では、所定の精製されたタンパク質をドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した後、ガラスプレートから除去されたゲルを脱イオン水により簡単に洗浄する。 次に、(b)段階では、前記(a)段階から得られたゲルを、第1の溶液である30%のエタノール及び2%のリン酸を含む水溶液により3回ずつ処理した後、第2の溶液である2%のリン酸を含む水溶液により3回ずつ処理する。 次に、(c)段階では、前記(b)段階から得られたゲルを第3の溶液である1〜40%のアルミニウムイオン、5〜40%のアルコール化合物及び2%のリン酸を含む水溶液に沈殿させる。 最後に、(d)段階では、前記(c)段階から得られた結果物である、ゲルの沈殿された第3の溶液に、第4の溶液であるCBB染色試薬として2%のG250及び0.2g/Lのアジ化ナトリウム(sodium azide)を含む水溶液を添加するが、第4の溶液の最終濃度が0.5〜2%となるように調節する。 この際、ゲルの大きさが7×10cmである場合は、前記第1乃至第4の溶液の使用量を50mlにして、20×24cmである場合は、250mlにする。また、前記第1乃至第3の溶液での処理時間は、各々30分にして、CBB染色液を含む第4の溶液での処理時間は、30分〜48時間にする。 図1a〜図1dは、本発明の効果を表すために、うさぎ、大腸菌、牛または卵などから抽出した様々な種類のタンパク質を二次元空間でゲルで電気泳動した後染色したものを示した図面である。 図1aの場合、本発明によるタンパク質染色方法により、アルミニウムイオン15%を含む処理溶液を使用しCBB−ステインした結果を示しており、図1bも、本発明によるタンパク質染色方法により、アルミニウムイオン5%を含む処理溶液を使用しCBB−ステインした結果を示している。 一方、図1cは、従来のアンモニウムイオンを含む処理溶液を使用しCBB−ステインした結果を示して、図1dは、酸性の銀を使用しシルバー−ステインした結果を示している。 ここで、図1a〜図1dに表れているレーン(lane)は、それぞれのタンパク質分子量(単位:kDa)を表するものであって、上から順に、うさぎ骨格筋肉のミオシン(200kDa)、大腸菌のガラクトシダーゼ(116kDa)、うさぎ筋肉のホスホリラーゼb(97kDa)、牛血清のアルブミン(66kDa)、卵白のオバルブミン(45kDa)及び牛のカーボニックアンヒドラーゼ(31kDa)を示す。また、図面上端の数字は、タンパク質が希釈された程度を表するものであって、その数値が大きくなるほど希釈の程度が大きくなることを意味する。 本発明により、アルミニウムイオンを含む処理溶液を使用しCBB−ステインした結果を示す図1a及び図1bの場合は、アンモニウムイオンを含む処理溶液を使用しCBB−ステインした結果を示す図1cに比べ、薄く希釈された時も優れた染色度を示すことから、検出限界が低くなったことが分かる。 本発明におけるタンパク質検出限界は、0.5ng/バンド以下であって、アンモニウムイオンを含む処理溶液を使用した場合に比べ、染色感度が約2倍〜10倍くらい向上する。 さらに、本発明により、アルミニウムイオンを含む処理溶液を使用しCBB−ステインした結果を示す図1a及び図1bの場合は、シルバー−ステインした結果を示す図1dと比較してみると、シルバー−ステインの場合、一番上のミオシンタンパク質の場合は染色がほとんどされていないなど、タンパク質タイプに依存する様相を示すが、本発明の溶液は、使用された全てのタンパク質が検出されたことから、タンパク質タイプに依存しないことが分かる。 また、図2は、タンパク質の染色時間の経過による相対的な強度変化を示すグラフであって、本発明によりアルミニウムイオンを含む処理溶液を使用してCBB−ステインした場合の染色強度が、アンモニウムイオンを含む処理溶液を使用してCBB−ステインした場合の染色強度より遥かに優秀であるため、染色にかかる時間が短縮されたことが分かる。 本発明によると、アンモニウムイオンを含む処理溶液を使用した場合に比べ、染色時間が10%程度短縮されるだけではなく、90%程度の染色が完成されるまで2時間程度の時間が所要される。 最後に、図3は、マウスの脳細胞から得られた100μgのタンパク質を、本発明によりCBB−ステインした結果を示す図面であって、図面から見られる鮮明なスポットから、本発明のアルミニウムイオンを含む処理溶液を使用することで、CBB−ステインによるタンパク質の染色が優秀に進行されたことが分かる。 一方、タンパク質がない状態でも染料がゲルに結合してバックグラウンドを形成するが、本発明においては、アルミニウムイオン、アルコール化合物及びCBB染色液の量を前述の量に調節することにより、デステインを行うことなくタンパク質の位置や量を測定することができるようになる。 以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこの実施例に限定されるものではない。 うさぎ骨格筋肉のミオシン、大腸菌のガラクトシダーゼ、うさぎ筋肉のホスホリラーゼb、牛血清のアルブミン、卵白のオバルブミン及び牛のカーボニックアンヒドラーゼからなる精製されたタンパク質を、大きさ7×10cmのドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した後、ガラスプレートから除去されたゲルを脱イオン水により簡単に洗浄した。その後、第1の溶液である30%のエタノール及び2%のリン酸溶液50mlを使用し30分間3回ずつ処理して、さらに第2の溶液である2%のリン酸溶液50mlを使用し30分間3回ずつ処理した。 その後、第3の溶液である15%の硫酸アルミニウム、20%のエタノール及び2%のリン酸溶液50mlに30分間沈殿させた後、第4の溶液である2%のG250及び0.2g/Lのアジ化ナトリウム(sodium azide)溶液を添加し第4の溶液の最終濃度が1%となるように処理して、この際の染色時間は、120分となるように調節し、本発明によりタンパク質にCBB−ステインを行った。本発明における、15%のアルミニウムイオンを含む処理溶液を使用しゲルで電気泳動した各種タンパク質をCBB−ステインした結果を示す図である。本発明における、5%のアルミニウムイオンを含む処理溶液を使用しゲルで電気泳動した各種タンパク質をCBB−ステインした結果を示す図である。アンモニウムイオンを含む処理溶液を使用しゲルで電気泳動した各種タンパク質をCBB−ステインした結果を示す図である。ゲルで電気泳動した各種タンパク質をシルバ−ステインした結果を示す図である。染色時間の経過による染色の相対的強度の変化を示すグラフである。マウスの脳細胞から得た100μgのタンパク質を本発明に従いCBB−ステインした結果を示す図である。 CBB(Coomassie Brilliant Blue)染色試薬によりタンパク質を染色する時に使用されることを特徴とする、アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 前記アルミニウムイオンは、硫酸アルミニウム(aluminium sulfate)、塩化アルミニウム(aluminium chloride)及び酢酸アルミニウム(aluminium acetate)からなる群から選択されるアルミニウム塩から提供されることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 前記アルミニウムイオンは、全体染色液に対し1〜40%の含量で含まれることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 前記染色液は、アルコール化合物を5〜40%含量で含むことを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 (a)所定の精製されたタンパク質にドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)を行って得られたゲルを脱イオン水により洗浄する段階と; (b)前記結果物を第1の溶液及び第2の溶液により処理する段階と; (c)前記結果物を、アルミニウムイオンを含む第3の溶液により処理する段階と; (d)前記結果物に、CBB染色試薬を含む第4の溶液を添加する段階と、を含むことを特徴とする、タンパク質染色方法。 前記アルミニウムイオンは、硫酸アルミニウム(aluminium sulfate)、塩化アルミニウム(aluminium chloride)及び酢酸アルミニウム(aluminium acetate)からなる群から選択されるアルミニウム塩から提供されることを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質染色方法。 前記アルミニウムイオンは、第3の溶液に対し1〜40%の含量で含まれることを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質染色方法。 前記第3の溶液は、アルコール化合物を5〜40%含量で含むことを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質染色方法。 本発明は、アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液及びそれを用いた染色方法に関するものであって、さらに詳細には、CBB(Coomassie Brilliant Blue)染色試薬によりタンパク質を染色する時に使用する、アルミニウムイオンを含む処理溶液及びそれを用いたタンパク質染色方法に関するものである。 本発明により、アルミニウムイオンを含む処理溶液を使用しタンパク質をCBB−ステインすると、検出限界が低くなってその感度が向上し、且つ、染色時間が短縮されるだけではなく、デステイン(destaining)過程を省いてもよいという長所を有する。 20040513A16333全文3 CBB(Coomassie Brilliant Blue)染色試薬によりタンパク質を染色する時に使用されることを特徴とする、アルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 前記アルミニウムイオンは、硫酸アルミニウム(aluminium sulfate)、塩化アルミニウム(aluminium chloride)及び酢酸アルミニウム(aluminium acetate)からなる群から選択されるアルミニウム塩から提供されることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 前記アルミニウムイオンは、全体染色液に対し1〜40w/v%の含量で含まれることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 前記染色液は、アルコール化合物を5〜40v/v%含量で含むことを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムイオンを含むタンパク質染色用処理溶液。 (a)所定の精製されたタンパク質にドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)を行って得られたゲルを脱イオン水により洗浄する段階と; (b)前記結果物を第1の溶液及び第2の溶液により処理する段階と; (c)前記結果物を、アルミニウムイオンを含む第3の溶液により処理する段階と; (d)前記結果物に、CBB染色試薬を含む第4の溶液を添加する段階と、を含むことを特徴とする、タンパク質染色方法。 前記アルミニウムイオンは、硫酸アルミニウム(aluminium sulfate)、塩化アルミニウム(aluminium chloride)及び酢酸アルミニウム(aluminium acetate)からなる群から選択されるアルミニウム塩から提供されることを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質染色方法。 前記アルミニウムイオンは、第3の溶液に対し1〜40w/v%の含量で含まれることを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質染色方法。 前記第3の溶液は、アルコール化合物を5〜40v/v%含量で含むことを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質染色方法。


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