生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ニトリルを水素化することによって第一アミンを製造する方法
出願番号:2003569597
年次:2013
IPC分類:C07C 209/48,B01J 27/232,C07C 211/07,C07C 211/21,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

ゴボロス・シャンドル ファシ・アンドラス マルギットファルヴィ・ヨジェフ ミリアン・ラセロネ JP 5294368 特許公報(B2) 20130621 2003569597 20030213 ニトリルを水素化することによって第一アミンを製造する方法 クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 597109656 江崎 光史 100069556 鍛冶澤 實 100111486 ゴボロス・シャンドル ファシ・アンドラス マルギットファルヴィ・ヨジェフ ミリアン・ラセロネ DE 102 07 926.9 20020223 20130918 C07C 209/48 20060101AFI20130829BHJP B01J 27/232 20060101ALI20130829BHJP C07C 211/07 20060101ALI20130829BHJP C07C 211/21 20060101ALI20130829BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130829BHJP JPC07C209/48B01J27/232 ZC07C211/07C07C211/21C07B61/00 300 C07C209/48 B01J25/00-25/04 B01J27/232-27/236 JST(JDream2) 特公昭40−13842(JP,B1) 特公昭46−8283(JP,B1) 特開平6−48996(JP,A) 9 EP2003001407 20030213 WO2003070688 20030828 2005526041 20050902 14 20060209 2010008982 20100427 中田 とし子 村守 宏文 木村 敏康 本発明は、ニトリルを触媒作用下に水素化することによって第一アミンを製造する方法に関する。 ニトリルを水素化してアミンを製造する方法は、アミンが幅広い用途、例えば有機溶剤、農薬、医薬、界面活性剤、及び特にポリアミド−6,6の中間物としての用途を有する故に、工業的に非常に重要である。この水素化は、一般的に、高められた温度及び水素圧の下に液相中でラネーニッケル触媒上で行われ、この際、第二アミン及び第三アミンの生成を阻止することによって第一アミンの収率を高めるために、アンモニアを存在させる。 ニトリルを水素化して第一アミンを得る方法は、例えば、以下に挙げる特許文献及び論文に説明されている。 E.J. Schwoegler及びH. Adkins(J. Am. Chem. Soc. 61, 3499 (1939))は、ニトリルの水素化の際に十分なアンモニアを加えることによって第二アミンの生成が強力に阻止され、その結果、第一アミンへの選択性が著しく向上されることを、予期しそしてそれを実証している。 米国特許第2 165 515号明細書には、コバルト、またはバリウムもしくはマンガンで促進されたコバルトを使用して、ニトリルを触媒作用下に水素化することによって第一アミンを製造する方法が開示されている。 S.サカキバラら(J. Chem. Soc. Japan, Ind. Chem. Sect., 56, 497 (1953))は、ラウロニトリルなどのニトリルを、ラネーニッケル触媒を用いてアンモニアの存在下に水素化することによって、ドデシルアミンなどの第一アミンを製造する方法を開示している。 米国特許第3 574 754号明細書には、ラネーニッケル触媒を用いて、アンモニアの存在下にニトリルを水素化することによって第一アミンを製造する方法が開示されている。 米国特許第4 739 120号には、ロジウム触媒を用いてニトリルを水素化して第一アミンを得る方法が開示されている。この反応は、水性相及び水と非混和性の有機相を有する二相溶剤系の存在下に行われる。 M. Bessonら(Stud. Surf. Sci. Catal., Band 59, “Heterogeneous Catalysis and Fine Chemicals II (不均一系触媒反応及びファインケミカルズII)”、編者 M. Guisnetら、1991, 113-120頁)は、モリブデンもしくはクロムでドーピングしたラネーニッケル触媒を用いて、シクロヘキサンの存在下にニトリルから第一アミンを製造する方法を開示している。 ヨーロッパ特許出願公開第0 547 505号明細書には、キャリア上に共析出させたマグネシウム−ニッケル触媒を用いて、アンモニアの存在下にラウロニトリルを触媒作用下に水素化することによってドデシルアミンを製造する方法が開示されている。 ポーランド特許第51 350号明細書では、脂肪族ニトリル、特にラウロニトリルを水素化するために、ニッケル触媒を使用している。第二アミンの生成を抑制するために、アンモニアを存在させている。 特開平7-941 804号公報には、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物及びクロムで変性したラネーニッケル触媒の存在下に、低級アルコール及び環状炭化水素からなる混合物中でニトリルを水素化することによって第一アミンを製造する方法が記載されている。 特開平6-032 767号公報には、アンモニアの存在下にラネーニッケル触媒を使用して、ニトリルを水素化して第一アミンを得る方法が記載されている。 D. Djaouadiら(Catal. Org. Reactions, 423 (1995))は、Ni40Al60またはNi25Al75から出発して金属間合金のアルカリ浸出によって、クロム及び鉄でドーピングしたラネーニッケル触媒を製造している。対応する第一アミンを与えるバレロニトリルの選択的水素化は、攪拌オートクレーブ内でシクロヘキサン中で行われた。ドーピングにより得られた第一アミンへの選択性の向上は、中間生成物として生じた第二イミンの水素化速度が減速し、それによって逆反応が優先されるということによって主に説明される。 S. Xieら(Appl. Catal. A: General, 189, 45 (1999))は、僅かな活性の低下が観察されるけれども、アンモニア添加剤によって、非晶質Ni-B/SiO2触媒上でのステアロニトリルの選択的水素化において第一アミンへの選択性が著しく向上したことを報告している。上記触媒及び合金化ホウ素の非晶質構造は、第一アミンを与える水素化活性及び選択性の促進において鍵となる役割をする。しかし、KNO3でドーピングしたSiO2では、実質的な促進効果は観察されなかった。 有機ニトリルの水素化においてアミンへの選択性を向上させるために、アルカリ金属水酸化物添加剤も既に使用されている。Laut T.A. Johnsonら(Proceedings of the “18th Conference on Catalysis of Organic Reactions”(有機反応の触媒作用についての第18回コンファレンスの議事録), 編者M. E. Ford, 2000, レポート13)は、水酸化リチウムで変性されたニッケル及びコバルトスポンジ状触媒を用いて選択的なニトリル水素化を行え得たことを報告している。 米国特許第5 874 625号明細書には、ラネーニッケル触媒及び水性アルカリ金属水酸化物を含むスラリーを使用して、有機ニトリルを触媒作用下に水素化して第一アミンとする方法が記載されており、この際、ラネーニッケル触媒及び水性アルカリ金属水酸化物は、約0.1〜約0.3%の水を供する。オートクレーブ装入物は、水素で圧し、次いで約110℃の最終温度に加熱する。 米国特許第5 777 166号明細書には、ニトリルを水素化してアミンを得る方法が開示されており、この方法では、a)ラネーニッケルタイプの触媒を、元素周期律表の第IVb族から選択される少なくとも一種の追加の金属元素でドーピングし、但しこの際、冶金学的な(metallurgischen)Ni/Al/ドーピング元素前駆合金から出発し、そしてドーピング元素/Ni重量比は0.05〜10%とし、そしてb) ニトリルが可溶性の液状反応媒体中で、LiOH、NaOH、KOH、RbOH及びCsOHからなる群から選択される少なくとも一種の無機塩基と一緒に上記触媒にニトリルを作用させて、このニトリルを水素化する。 米国特許第5 869 653号明細書には、アンモニア不含条件下においてコバルトスポンジ状触媒の存在下にニトリルを水素と接触させてニトリル基を第一アミンに転化させることを含む、触媒作用によるニトリルの水素化方法であって、この水素化方法の改善点が、触媒作用量の水酸化リチウムで処理したコバルトスポンジ状触媒の存在下に水素化を行いかつ反応を水の存在下に行う点にある方法が記載されている。 国際公開第01/66511号パンフレットは、ニトリルを水素化してアミンを得る方法を開示しているが、但しこの方法では、水素化の前の水素化触媒の変性は行わない。 アンモニアもしくはアルキルアミンをアルコールでアルキル化するにあたってアミンの製造のためにラネーニッケル触媒の選択性を促進させる目的で、アルカリ金属炭酸塩も既に使用されている。フランス特許出願公開第2 351 088号明細書、ドイツ特許出願公開第26 21 449号明細書、ドイツ特許出願公開第26 25 196号明細書及びドイツ特許出願公開第26 39 648号明細書には、水素化−脱水素化触媒、例えばラネーニッケルもしくはラネーコバルト、及び一種または二種以上の塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属化合物の存在下に、液相中で、水の分離を行いながら第二アミンをアルコールでアルキル化することによって第三アミンを製造する方法が記載されている。例えば、n-ドデカノール774kg、エチルベンゼン500kg、Na2CO310kg及びラネーニッケル300kgからなる混合物を130-5℃に加熱し、そして水を除去(Auskreisen)しながら水素及びジメチルアミンを、H2Oの理論量が分離されるまで供給し、その後、触媒を濾別しそしてその濾液を蒸留して、80%RNMe2、15%R2NMe及び5%R3N (R = n-ドデシル)を得ている。 ドイツ特許出願公開第26 45 712号明細書には、水素化−脱水素化触媒及び塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属化合物の存在下にアンモニアをアルコールでアルキル化することによって第二アミンを製造する方法が記載されている。例えば、ステアリルアルコール、ラネーニッケル及びNa2CO3を仕込んだデフレグメーター反応器に、大気圧下に90〜140℃の温度で、連続的にH2Oを除去しながらアンモニアを導入して、>95%のジステアリルアミンを得ている。 M. Kalina及びYu. Pashek (Kinetika i Kataliz, 10, 574, 1969)は、パルミチン酸ニトリルの液相水素化のために、Na2CO3で変性したコバルト及びニッケル触媒を使用することについて報告している。炭酸ナトリウムを、150℃及び50bar水素圧下に5/5/100のNa2CO3/触媒/ニトリルの重量比で反応混合物に加えると、第二アミンへの選択性が低下する。50%の転化率で測定した第二アミンへの選択性は、Co触媒、Ni触媒、Co+Na2CO3触媒、Ni+Na2CO3触媒上でそれぞれ17.4、 20.1、11.0または12.2%である。 非対称の脂肪族第二アミンの製造のためには、ニッケル及びアルカリ炭酸塩含有担持型触媒系が使用されている。米国特許第5 254 736号明細書及びヨーロッパ特許出願公開第0 526 318号明細書には、アルコールとモノアルキルアミンとの間のアミン化反応によって、一般式R-NH-CH3(式中、Rは脂肪族C10-C22鎖を意味する)で表される第二メチルアルキルアミンを製造する方法が記載されている。このアミン化反応は、アルカリ炭酸塩(炭酸カリウムが最良)の存在下に、1:4〜1:1の炭酸カリウム/ニッケル触媒の重量比及び10〜50barの水素圧においてニッケル担持型触媒を用いて行われる。典型的な例の一つでは、ドデシルアミン422g(2.3mol)、メタノール1460g(45mol)、ニッケル担持型触媒(Harshaw Ni 1404T)38.6g及びK2CO357.1gを、180℃、40bar水素圧及び1800rpmで6時間オートクレーブ処理する。得られた反応生成物は、RNH20%、RNHMe85.9%、RNMe21.3%、R2NH6.0%及びROH6.8%からなり、これに対し、未変性の触媒では、各々の濃度は、15.0%、17.2%、44.9%、13.8%または9.1%となる。なお、Rは、n-ドデシルで、Meはメチルである。 ニトリルを水素化することによって第一アミンを製造するための従来技術に従前開示された方法は、以下の欠点を有する。(i) 第二アミン及び第三アミンへの選択性を低下させるために、アンモニアを使用しなければならない。(ii) アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ金属炭酸塩を加えることによって向上された第一アミンへの選択性が達成されはするが、この添加剤と触媒との間の再現可能で制御された相互作用が保証され得ない。(iii) 添加剤としてのアルカリ金属化合物を、触媒と同等の量で使用しない限り、反応混合物中に或る定められた量の水が存在することが必要である。それによって、触媒の再利用及び反応生成物の分離が困難になる。 欠点(ii)及び(iii)は、ニッケル担持型触媒上でかつ反応混合物に加えられた多量のアルカリ金属炭酸塩の存在下に、アルコール及び第一アミンから第二アミンを製造する方法にも関係する(米国特許第5 254 736号明細書及びヨーロッパ特許出願公開第0 526 318号明細書)。 本発明は、ニトリルを触媒作用の下に水素化することによって第一アミンを製造するための従前開示された方法に付随する上記欠点を克服するという課題に基づくものである。それ故、この課題は、第一アミンを得るためのニトリルの水素化において第二アミン及び第三アミンの生成を抑制することにある。更に本発明は、アンモニアの使用を無しで済ませるか、またはニトリル水素化の際のその分圧をできるだけ低くすることも目的とする。 驚くべきことに、アンモニアの不存在下でのニトリル、例えばラウロニトリルなどの脂肪酸ニトリルの水素化では、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩、特にK2CO3が、第二アミンへの選択性をせいぜい2%まで抑制するための最良の水素化触媒用変性剤であることが見出された。第二アミンへのこの低い選択性は、アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩を用いて99%のニトリル転化率まで維持される。アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩、例えばK2CO3またはKHCO3を用いた水素化触媒の変性は、溶剤として蒸留水を使用してスラリー中で行うことができる。 それゆえ、本発明の対象は、次の成分、すなわち(a) 少なくとも一種のニトリル、(b) 水素、(c) 場合によってはアンモニア、及び(c) アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩の吸着によって域外(ex situ)で変性された少なくとも一種のコバルトもしくはニッケル触媒、を含む反応混合物を反応させることを含む、ニトリルの水素化による第一アミンの製造方法である。 本発明の更に別の対象の一つは、通常のコバルトもしくはニッケル触媒上にアルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩を吸着させることによって得ることができる、変性されたコバルトもしくはニッケル触媒である。特に好ましいものはラネーニッケル触媒である。 触媒の変性は、アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩を用いて行われる。アルカリ金属としては、Na、K、Rb、Csが挙げられる。好ましいものは、アルカリ金属炭酸塩、特にK2CO3またはKHCO3である。吸着は、好ましくは10g/l〜400g/lの濃度のアルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩の溶液から行う。好ましくは、水溶液、特に濃度が50〜200g/lの水溶液から吸着を行う。 本明細書において「域外で(ex situ)」とは、触媒が、それによって触媒作用を受けるアミンを与えるニトリルの水素化反応の域の外で、特に事前に、変性されたことを意味する。 アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩の溶液に対する乾燥触媒の重量比は好ましくは50〜350 g/lである。 未処理の触媒は、好ましくは、コバルト、ニッケル、ラネーコバルトまたはラネーニッケルである。触媒は促進剤無しでまたは促進剤と共に使用することができる。促進剤は、例えば、Fe、Mo、Cr、Ti、Zrである。触媒はキャリア材料上に担持させることができる。このようなキャリア材料は、例えば、SiO2、 Al2O3、 ZrO2、 MgO、 MnO、 ZnO、 Cr2O3である。 特に好ましい態様の一つは、−促進剤無しまたはFe、 Mo、 Cr、 Ti、 Zrの促進剤を供したラネーニッケル、−SiO2、 Al2O3、 ZrO2、 MgO、 MnO、 ZnO、 Cr2O3のキャリア材料に担持させたニッケル、−促進剤無しまたはNi、Crの促進剤を供したラネーコバルト、−SiO2、 Al2O3、 MgO、 MnOのキャリア材料上に担持させたコバルト、である。 未処理の触媒を、好ましくは、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩の溶液中にスラリー化し、そして水素または不活性ガス(例えば窒素)雰囲気下に約1〜16時間攪拌する。 上記溶液の過剰分は、吸着処理後に、不活性ガス、好ましくは窒素雰囲気下に濾過して除去する。吸着処理後に得られた触媒を、アルコールで洗浄し、次いで炭化水素で洗浄することが有利である。 変性された触媒は、好ましい態様の一つでは、デカンテーションした後に、触媒をエタノールで三回、シクロヘキサンで二回洗浄することによってスラリーから得られる。 アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩は、変性された触媒中に、好ましくは約2〜12重量%の量で存在する。特に好ましい態様の一つでは、変性された触媒は、K2CO3またはKHCO3を約6〜7重量%の量で含む。 本発明の方法は、任意のニトリルの水素化に適している。好ましいものは、式R−CN(式中、Rは、炭素原子数1から32、好ましくは4から24、特に8から22の飽和もしくは不飽和炭化水素基である)で表されるニトリルである。Rは、更に好ましくは、アルキル基、特に線状アルキル基を表す。変性された触媒は、一般的に、ニトリルを基準にして約1〜10重量%の量で反応混合物中に存在する。 反応混合物は溶剤も含むことができる。この溶剤としては、好ましくは短鎖アルコール、特にメタノール、エタノール及びプロパノール、並びに炭化水素、例えばヘキサン、シクロヘキサン及びトルエンが好適である。溶剤は、反応混合物を基準にして約0〜90重量%の量で混合物中に存在することができる。 反応混合物にアンモニアを加える場合は、反応混合物中のアンモニアの量は、ニトリルを基準にして1〜10重量%であるのがよい。 該変性触媒上でのニトリルの水素化は、好ましくは1〜200、特に2〜30barの水素圧下に行われる。 該変性触媒上でのニトリルの水素化は、好ましくは60〜250℃、特に100〜150℃の範囲の温度下に行われる。触媒の変性例1〜14の触媒はラネーニッケル触媒である。例1 炭酸カリウム2gを、蒸留水20ml中に溶解し(濃度c=100g/l)、そしてこの溶液に、含水触媒1.4g(乾質で1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は2.4重量%であった。例2 炭酸カリウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に、含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は、3.2重量%であった。例3 炭酸カリウム4gを蒸留水20ml中に溶解し(c=200g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで2回洗浄した。触媒のカリウム含有率は4.1重量%であった。例4 炭酸カリウム8gを蒸留水20ml中に溶解し(c=400g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は4.6重量%であった。例5 炭酸カリウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションした。触媒のカリウム含有率は7.1重量%であった。例6 炭酸カリウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液を窒素雰囲気下に濾過した。触媒のカリウム含有率は3.2重量%であった。例7 炭酸カリウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させそして窒素雰囲気下に室温で16時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションしそして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は3.3重量%であった。例8 炭酸カリウム1.3gを蒸留水5ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションしそして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は3.1重量%であった。例9 炭酸カリウム4kgを蒸留水28L中に溶解し(c=143g/l)、そしてこの溶液に含水触媒2kg(乾質1.4kg)を懸濁させ、そして窒素雰囲気下に室温で2時間攪拌した。20時間後、触媒が沈殿し、そして炭酸カリウム溶液の過剰分を減圧下に除去した。触媒を炭酸カリウム溶液の薄い層の液面下に保置した。使用の前に、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は3.8重量%であった。例10 炭酸カリウム140gを蒸留水610ml中に溶解し(c=229g/lアルカリ金属炭酸塩溶液)、そしてこの溶液に含水触媒300g(乾質210g)を懸濁させ、そして窒素雰囲気下に室温で2時間攪拌した。この変性処理後、一晩で触媒が沈殿し、そして溶液の過剰分を減圧下に除去した。この変性されたラネーニッケル触媒を、窒素雰囲気下に濾過した。触媒のカリウム含有率は3.9重量%であった。例11 炭酸水素カリウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のカリウム含有率は2.3重量%であった。例12 炭酸ナトリウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。この触媒のナトリウム含有率は、2.4重量%であった。例13 炭酸ルビジウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/l)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のルビジウム含有率は4.8重量%であった。例14 炭酸セシウム3gを蒸留水20ml中に溶解し(c=150g/lアルカリ金属炭酸塩溶液)、そしてこの溶液に含水触媒1.4g(乾質1g)を懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒をエタノール20mlで三回、シクロヘキサン20mlで二回洗浄した。触媒のセシウム含有率は5.9重量%であった。例15 炭酸カリウム30gを蒸留水200ml中に溶解した(c=150g/l)。この溶液に、SiO2(珪藻土)/MgOに担持させた乾燥ニッケル触媒(セラニーズ社の粉末状Ni55/5TS)10gを懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、触媒をエタノール20mlで五回洗浄し、そして減圧下に乾燥した。触媒のカリウム含有率は3重量%であった。例16 炭酸カリウム30gを蒸留水200ml中に溶解した(c=150g/l)。この溶液に、珪藻土/Al2O3に担持させた乾燥ニッケル触媒(セラニーズ社の粉末状Ni62/15TS)10gを懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、触媒をエタノール20mlで五回洗浄し、そして減圧下に乾燥した。触媒のカリウム含有率は3.5重量%であった。例17 炭酸カリウム30gを蒸留水200ml中に溶解した(c=150g/l)。この溶液に、珪藻土に担持させた乾燥コバルト触媒(セラニーズ社製の粉末状Co45/20TS)10gを懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、触媒をエタノール20mlで五回洗浄し、そして減圧下に乾燥した。触媒のカリウム含有率は3.3重量%であった。例18 炭酸カリウム30gを蒸留水200ml中に溶解した(c=150g/l)。この溶液に、14gの含水ラネーコバルト触媒B2112Zを懸濁させ、そして室温で1時間攪拌した。この変性処理後、この懸濁液をデカンテーションし、そして触媒を窒素雰囲気下に圧濾過した。触媒のカリウム含有率は3重量%であった。ニトリルの水素化比較例19(本発明外の例) ステンレススチール製の300ml容積反応器に、ラウロニトリル100ml(0.447mol)及び含水未変性ラネーニッケル触媒1.4gを仕込んだ。これを、125℃の温度で2時間、10barの水素圧の下に反応させた。この際、反応混合物を1500rpmで攪拌した。ドデシルアミンの収率は、99.7%の転化率において83.2%であった。比較例20(本発明外の例) 上記反応器に、ラウロニトリル100ml(0.447mol)、含水未変性ラネーニッケル触媒1.4g及びアンモニア2.28g(0.134mol)を仕込んだ。これを125℃の温度で4時間、10barの水素圧下に反応させた。この際、反応混合物は1500rpmで攪拌した。ドデシルアミンの収率は、99.8%の転化率で93.6%であった。例21 反応器に、ラウロニトリル100ml、及び150g/lのK2CO3溶液で例2に従い変性した含水ラネーニッケル触媒1.4gを仕込んだ。これを、125℃の温度で2時間、10barの水素圧下に反応させた。この際、反応混合物は1500rpmで攪拌した。ドデシルアミンの収率は99.8%の転化率で97.2%であった。例22 反応器に、ラウロニトリル100ml、150g/lのK2CO3溶液で変性したラネーニッケル触媒(例2)1.4g、及びアンモニア2.28g(0.134mol)を仕込んだ。これを、125℃の温度で2時間、10barの水素圧下に反応させた。この際、反応混合物は1500rpmで攪拌した。ドデシルアミンの収率は、99.6%の転化率で99.4%であった。例23 例21と同様に行ったが、但し、ラネーニッケル触媒は、100g/lのK2CO3溶液で例1に従って変性した。二時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.9%の転化率で95.9%であった。例24 例21と同様に行ったが、但し、ラネーニッケル触媒は、200g/lのK2CO3溶液を用いて例3に従って変性した。二時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、93.0%の転化率で91.0%であった。例25 例21と同様に行ったが、但し、ラネーニッケル触媒は、400g/lのK2CO3溶液を用いて例4に従って変性した。二時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、69.9%の転化率で68.3%であった。例26 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、150g/lのK2CO3溶液を用いて例5に従って変性した。4時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、61.7%の転化率で60.5%であった。例27 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、150g/lのK2CO3溶液を用いて例6に従って変性した。2時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.8%の転化率で95.8%であった。例28 例21の通りに行ったが、ラネーニッケル触媒は、150g/lのK2CO3溶液を用いて例7に従って変性した。2時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.5%の転化率で96.1%であった。例29 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、150g/lのK2CO3溶液を用いて例8に従って変性した。2時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.9%の転化率で95.4%であった。例30 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、143g/lのK2CO3溶液を用いて例9に従って変性した。2時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、94.3%の転化率で92.3%であった。例31 反応器に、ラウロニトリル20ml、シクロヘキサン80ml、及び150g/lのK2CO3溶液で変性したラネーニッケル触媒1.4gを仕込んだ。これを、125℃で10barの水素圧下に反応させた。この際、反応混合物は、1500rpmで攪拌した。ラウロニトリルの転化率は99.6%に達し、そしてドデシルアミンの収率は95.0%であった。例32 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、100g/lのKHCO3溶液を用いて例11に従って変性した。1時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.4%の転化率で93.6%であった。例33 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、100g/lのNa2CO3溶液を用いて例12に従って変性した。1時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、98.9%の転化率で84.2%であった。例34 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、150g/lのRb2CO3溶液を用いて例13に従って変性した。2時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.7%の転化率で96.3%であった。例35 例21と同様に行ったが、ラネーニッケル触媒は、150g/lのCs2CO3溶液を用いて例14に従って変性した。2時間の反応時間の後、ドデシルアミンの収率は、99.2%の転化率で97.3%であった。例36 反応器に、ラウリン酸ニトリル100ml、珪藻土/MgO上に担持させた150g/lのK2CO3溶液で変性したニッケル触媒(例15)1g、及びアンモニア2g(0.12mol)を仕込んだ。これを、125℃の温度で3時間、15barの水素圧の下に反応させた。この際、反応混合物は、1500rpmで攪拌した。ドデシルアミンの収率は、99.5%の転化率で99.2%であった。例37 反応器に、オレイン酸ニトリル100ml、珪藻土/Al2O3に担持させた150g/lのK2CO3溶液で変性したニッケル触媒(例16)1g、及びアンモニア2g(0.12mol)を仕込んだ。これを、120℃の温度で2時間、10barの水素圧下に反応させた。この際、反応混合物は、1500rpmで攪拌した。第一アミン(オレイルアミン)の収率は、99.7%の転化率で99.3%であった。例38 反応器に、オレイン酸ニトリル100ml、珪藻土に担持させた150g/lのK2CO3溶液で変性したコバルト触媒(例17)1g、及びアンモニア3g(0.12mol)を仕込んだ。これを、140℃で4時間、60barの水素圧下で反応させた。この際、反応混合物は1500rpmで攪拌した。第一アミン(オレイルアミン)の収率は、99.8%の転化率で99.6%であった。例39 反応器に、ラウリン酸ニトリル100ml、150g/lK2CO3溶液で変性したラネーコバルト触媒(例18)1g、及びアンモニア2g(0.12mol)を仕込んだ。これを、160℃の温度で4時間、50barの水素圧下に反応させた。この際、反応混合物は1500rpmで攪拌した。ドデシルアミンの収率は、99.2%の転化率で98.8%であった。例40〜43 ラネーニッケル触媒をラウロニトリルの水素化に繰り返し使用した際の活性を試験した。 オートクレーブ(容積10L)に、ラウロニトリル5kg、ラネーニッケル触媒100g、及び場合によってはアンモニア250gを仕込んだ。反応は、10barの水素、125℃の温度、及び1000rpmの攪拌速度で行った。ラウロニトリルの転化率及びドデシルアミンへの選択性を、再利用及び試料採取に由来する損失によって減少した量の触媒を用いて様々な反応時間で求めた。測定は、変性触媒及び未変性触媒を用いて行った。触媒の変性は例10に従い行った。次の成分、すなわち(a) 式R−CN(式中、Rは、炭素原子数8〜22の炭化水素基である)で表される少なくとも一種のニトリル、(b) 水素、及び(c) アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩の吸着によって水素化反応の域の外で変性され及びアルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩を2〜12重量%の量で含む、少なくとも一種のラネーコバルトまたはラネーニッケル触媒、を含む反応混合物を反応させることを含み、変性された触媒が、未処理の触媒をアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩の溶液中にスラリー化し、そして水素または不活性ガス雰囲気下に攪拌することによって得られる、ニトリルの水素化によって第一アミンを製造する方法であって、ニトリルの水素化を100〜150℃の範囲の温度下に行う方法。前記の撹拌が1〜16時間行われる、請求項1の方法。変性された触媒が、10g/l〜400g/lの濃度の水溶液から吸着させることによってアルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属炭酸水素塩を用いて製造される、請求項1または2の方法。触媒が、50〜200g/lの範囲の濃度を有するK2CO3の水溶液を用いて変性される、請求項3の方法。変性された触媒が、変性されたラネーニッケル触媒である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。触媒が、ニトリルを基準にして1〜10重量%の量で反応混合物中に存在する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。ニトリルの水素化を、ニトリルを基準にして1〜10重量%の量のアンモニアの存在下に行う、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。ニトリルの水素化を、シクロヘキサンの存在下に行う、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。ニトリルの水素化を、1〜200barの水素圧の下に行う、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る