生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_メチルトランスフェラーゼ活性を有する遺伝子配列及びそのための使用
出願番号:2003562295
年次:2011
IPC分類:C12N 15/09,C12N 9/10,A01H 1/00,A01H 5/00,A01H 5/02,C12N 5/10,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,A01K 67/027,A01K 67/033,A23L 1/221,A23L 1/30,A23L 2/52,A23L 2/58,A23L 2/00


特許情報キャッシュ

ブリュグリエラ,フィリッパ デメリス,リンダ コース,ロナルド 田中 良和 JP 4641723 特許公報(B2) 20101210 2003562295 20030124 メチルトランスフェラーゼ活性を有する遺伝子配列及びそのための使用 インターナショナル フラワー ディベロップメンツ プロプライアタリー リミテッド 502356137 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 西山 雅也 100082898 ブリュグリエラ,フィリッパ デメリス,リンダ コース,ロナルド 田中 良和 AU PS 0174 20020125 20110302 C12N 15/09 20060101AFI20110209BHJP C12N 9/10 20060101ALI20110209BHJP A01H 1/00 20060101ALI20110209BHJP A01H 5/00 20060101ALI20110209BHJP A01H 5/02 20060101ALI20110209BHJP C12N 5/10 20060101ALI20110209BHJP C12N 1/15 20060101ALI20110209BHJP C12N 1/19 20060101ALI20110209BHJP C12N 1/21 20060101ALI20110209BHJP A01K 67/027 20060101ALI20110209BHJP A01K 67/033 20060101ALI20110209BHJP A23L 1/221 20060101ALI20110209BHJP A23L 1/30 20060101ALI20110209BHJP A23L 2/52 20060101ALI20110209BHJP A23L 2/58 20060101ALI20110209BHJP A23L 2/00 20060101ALI20110209BHJP JPC12N15/00 AC12N9/10A01H1/00 AA01H5/00 AA01H5/02C12N5/00 103C12N5/00 101C12N1/15C12N1/19C12N1/21A01K67/027A01K67/033 501A23L1/221 CA23L1/30 BA23L2/00 FA23L2/00 MA23L2/00 B C12N 15/00-15/90 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq UniProt/GeneSeq 米国特許出願公開第2002/0081693(US,A1) Database swissprot[Online],ACCESSION NO.P93711 ,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?3023432:OLDID:5125080>,01-Feb-1998 uploaded,Kawai,S. et al,DEFINITION:Trans-caffeoyl-CoA 3-O-methyltransferase Plant Molecular Biology,1998,Vol.37,p.663-674 Theor Appl Genet,1983,Vol.66,p.349-355 Phytochemistry,1982,Vol.21,No.10,p.2457-2459 Planta,1984,Vol.160,p.174-179 Archives of Biochemistry and Biophysics,1998,Vol.351,No.2,p.243-249 27 AU2003000079 20030124 WO2003062428 20030731 2005514950 20050526 86 20051109 六笠 紀子発明の分野: 本発明は一般的に、メチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子配列、及び植物の1又は複数の表現型特徴を修飾するためへの前記遺伝子配列及び/又はポリペプチドの使用に関する。より特定には、本発明のメチルトランスフェラーゼはフラボノイドに対して作用し、好ましくはここで前記フラボノイドはアントシアニンである。 さらにより特定には、本発明は、S−アデノシル−L−メチオニン:アントシアニン3’−O−メチルトランスフェラーゼ又はS−アデノシル−L−メチオニン:アントシアニン3’、5’−Oメチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドに関する。さらに、本発明は、ペチュニア、トレニア、フクシア又はルリマツリ、又は植物学的に関連する植物に由来するメチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子配列を提供する。さらに、本発明は、対象の遺伝子配列のすべて又は一部に対応するアンチセンス又はセンス分子、及び遺伝子的に修飾された植物、並びにそのような植物からの切花、一部、抽出物及び生殖組織にも関する。従来技術の記載: 本明細書における著者により言及される出版物の引用文献の詳細は、本明細書の最後に添付されている。 本明細書におけるいずれの従来技術に関する参照も、この従来技術がいずれかの国において通常の一般的知識の一部を形成する、知識又はいずれかの形の提案として取られるべきではない。 花又は観賞植物産業は、新しく且つ異なった種類の花及び/又は植物の開発に努力している。そのような新規種を創造するための効果的手段は、花の色彩の操作を通してである。従来の育種方法が、今日入手できる市販の種類の花及び/又は植物についての広範囲の色彩を生成するために、いくらかの成功を伴って使用されて来た。しかしながら、このアプローチは、特定種の遺伝子プールの制限により限定されており、そしてこのために、単一の種が十分な範囲の着色された種を有することはまれである。例えば、新規種の種類の植物又は植物部分、例えば花、葉及び茎の開発が、切花及び観賞植物市場において有意な機会を提供する。花又は観賞用植物産業においては、新規色の種類の主要開花種、例えばバラ、キク、チューリップ、ユリ、カーネーション、ガーベラ、ラン、リシアンザス、ベゴニア、ゼラニウム、ペチュニア、ニエランベルギア、ペルゴニウム、ホウセンカ及びシクラメンの開発が非常に興味の対象である。より特定の例は、切花市場に関して青色のバラ又はガーベラの開発である。 さらに、新規色の種の直物部分、例えば野菜、果物及び果実の開発は、農業において有意な機会を提供する。例えば、新規色の果実は、植物のための専有の標識として有用である。さらに、ベリー、例えばブドウ及びそれらのジュース、例えばワインに共通するフラボノイドに対する修飾は、そのような果物及び副産物産業に、変更されたスタイルの価値ある特徴を付与する可能性を有する。 花の色は、主に3種の型の色素、すなわちフラボノイド、カロテノイド及びベタレインによるものではある。それらの3種のうち、フラボノイドが最も通常のものであり、そして黄色〜赤色〜青色の範囲に寄与する。花の色に主に寄与するフラボノイド分子は、シアニジンのグリコシル化された誘導体であるアントシアニン及びそのメチル化された誘導体ペオニジン、デルフィニジン及びそのメチル化された誘導体ペチュニジン、マルビジン及びペラルゴニジンである。アントシアニンは、花弁の表皮細胞の液胞、又は葉の表皮細胞の液胞に位置する。 フラボノイド色素は、フェニルプロパノイド経路の二次代謝物である。フラボノイド色素についての生合成経路(フラボノイド経路)は、十分に確立されており(Holton and Cornish, Plant Cell 7 : 1071-1083,1995 ; Mol など., Trends Plant Sci. 3 : 212- 217,1998 ; Winkel-Shirley, Plant Physiol. 126 : 485-493, 2001a 及び Winkel-Shirley, Plant Physiol. 127 : 1399-1404,2001b)、そして図1A及びBに示されている。3種の反応及び酵素が、フラボノイド経路における最初の目的基質の1つであるp−クマロイル−CoAへのフェニルアラニンの転換に関与する。前記酵素は、フェニルアラニンアンモニア−リアーゼ(PAL)、シンナメート4−ヒドロキシラーゼ(C4H)及び4−クマレート:CoAリガーゼ(4CL)である。 前記経路における最初の開始された段階は、p−クマロイル−CoAの1つの分子と、マロニル−CoAの3種の分子(アセチルCoA及びCO2に対するアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)の作用により供給される)との縮合を包含する。この反応は、酵素カルコンシンターゼ(CHS)により触媒される。この反応の生成物2’, 4, 4’, 6’−テトラヒドロキシ−カルコンは通常、酵素カルコンフラバノンイソメラーゼ(CHI)により異性化され、カリンゲニンが生成される。ナリンゲニンは続いて、フラバノン3−ヒドロキシラーゼ(F3H)により中心環の3位でヒドロキシル化され、ジヒドロケンフェロール(DHK)が生成される。 DHKのB−環は、3’又は3’及び5’位のいずれかでヒドロキシ化され、それぞれジヒドロクエルセチン(DHQ)及びジヒドロミリセチン(DHM)が生成され得る。B−環のヒドロキシル化のパターンは、赤煉瓦色のペラルゴニジン基材の色素の生成を一般的に誘導するDHK、赤/ピンク色のシアニジン基材の色素を一般的に誘導するDHQ、及び青/紫色のデルフィニジン基材の色素を一般的に誘導するDHMを伴って、花弁の色の決定においてキー役割を演じる。 ジヒドロフラボノール(DHK, DHQ及びDHM)はまた、ルラボノールケンフェロール、クエルセチン及びミリセチンを生成するためにフラボノールシンターゼにより作用され得る。フラボノールは、無色であるが、しかし花の色を増強するためにアントシアニンと共に共通色素をして作用する。 ジヒドロフラボノールからの着色されたアントシアニンの生成を導く、前記経路における次の段階は、ロイコアントシアニジンの生成と共に、ジヒドロフラボノール4−レダクターゼ(DFR)を包含する。それらのフアボノイド分子は、正常な生理学的条件下で不安定であり、そしてグリコシルトランスフェラーゼの作用を通しての3−位でのグリコシル化がアントシアニジン分子を安定化し、従ってアントシアニンの蓄積を可能にする。 一般的に、グリコシルトランスフェラーゼは、UDP糖から糖成分を移行し、そしてグリコシル化の位置についての高い特異性及び受容体基質についての比較的低い特異性を示す(Seitz and Hinderer, Anthocyanins. In: Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants. Constabel, F. and Vasil, I. K. (eds.), Academic Press, New York, USA, 5 : 49-76,1988)。アントシアニンは、3−モノシド、3−ビオシド及び3−トリオシド、並びに糖グルコース、ラムノース、アラビノース及びキシロースに関連する、3, 5−ジグリコシド及び3, 7−ジグリコシドとして存在することができる(Strack and Wray, In: The FlavonoidsAdvances in Research since 1986. Harborne, J. B. (ed), Chapman and Hall, London, UK, 1- 22,1993)。 アントシアニジン分子の安定化に関与するグリコシルトランスフェラーゼは、アントシアニジン3−O−グルコシドを生成するために、アントシアニジン分子の3−O−位にUDPグルコースからのグルコース成分を移行するUPPグルコース:フラボノイド3−グルコシルトランスフェラーゼ(3GT)を包含する。 ペチュニア及びパンジー(中でも)においては、次にそれらのアントシアニンは、アントシアニジン3−ルチノシドを生成するために、アントシアニン分子の3−O−結合されたグルコースにラムノース基を付加する、もう1つのグリコシルトランスフェラーゼ、UDPラムノース:アントシアニジン3−グルコシドラムノシルトランスフェラーゼ(3RT)によりグリコシル化され得、そしてアシル化されると、さらにUDP:グルコースアントシアニン5−グルコシルトランスフェラーゼ(5GT)により修飾され得る。 多くのアントシアニジングルコシドは、ポリアシル化された誘導体の形で存在する。アシル化は、Hopp and Seitz (Planta 170: 74-85, 1987) により示されるように、液胞中へのアントシアニンの摂取のために重要である。アントシアニジングルコシドを修飾するアシル基は、それらの構造に基づいて、2種の種類に分割され得る。脂肪族アシルグループはマロン酸又は琥珀酸を包含し、そして芳香族の種類は、ヒドロキシ桂皮酸、例えばp−クマリン酸、カフェイン酸、及びフェルラ酸、並びに安息香酸、例えばp−ヒドロキシ安息香酸を包含する。 p−クマリン酸又はカフェイン酸のいずれかによるアントシアニジン3−ルチノシドのアシル化(Griesbachなど., Phytochemistry 30: 1729-1731, 1991)は、ペチュニア・ヒブリダ(Petunia hybrida)において生じる。他の植物系においては、脂肪族酸、例えばマロン酸、琥珀酸及び酢酸によるフラボノイドのアシル化がまた、生じる(Goto, Tetrahedron 27 : 2413-2416, 1987; Stafford, Flavonoid Metabolism. CRC Press, Inc. Boca Raton, Florida, USA, 1990)。 アントシアニジン3−(p−クマロイル)ルチノシド−5−グルコシドのB環の3’及び3’, 5’位でのメチル化がペチュニアにおいて生じる。S−アデノシル−L−メチオニンがメチルドナーであり、そしてO−メチルトランスフェラーゼがアントシアニジン3(p−クマロイル)ルチノシド−5−グルコシドに対して作用することが、P.ヒブリダの花芽の細胞フリー抽出物において示されている。使用される条件下で、メチル化活性は、アントシアニジン、アントシアニジン3−グルコシド、アントシアニジン3−ルチノシド、カフェイン酸又はp−クマリン酸が基質として使用される場合、検出されなかった(Jonssonなど., Phytochemistry 21 (10): 2457-2460, 1982)。 アントシアニンのB環のメチル化は、ペチュニアにおいては、Mt1, Mt2, Mf1及びMf2遺伝子座により調節される(Jonssonなど., Theor. Appl. Genet. 68: 459-466, 19846)。個々の遺伝子によりコードされると思われる4種の酵素が記載されている。それらは、B環の3’及び5’ O−メチル化を触媒する。3’, 5’メチル活性は、Mf1及びMf2コードの酵素により、より明白である(Jonssonなど., 19846, 前記)。 Mt遺伝子座は、S−アデノシル−L−メチオニン:アントシアニン3’−O−メチルトランスフェラーゼ(3’FMT)をコードし、そしてMf遺伝子座は、S−アデノシル−L−メチオニン:アントシアニン3’−O−メチルトランスフェラーゼ活性(3’, 5’ MFT)をコードすると思われ、そして前記酵素はアントシアニン3−(p−クマロイル)ルチノシド−5−グルコシドをメチル化する(Jonsson など., 1982 supra ; Jonsson など., Planta 160 : 174-179,1984a ; Jonsson など., 1984b,前記)。 遺伝子Mf1及びMf2は、遺伝子Mt1又はMt2の少なくとも1つがその優勢対立遺伝子により表される場合、単にそれら自体を発現すると本来思われている。しかしながら、生化学研究は、両酵素がインビトロアッセイにおいて、その対応するマルビジン色素にデルフィニジン3−(p−クマロイル)−ルチノシド−5−グルコシドをメチルかできるこをを示すことによって、それらの発現を否認して来た(Jonssonなど., Theor. Appl. Genet. 66: 349-355, 1983)。さらに、Mf1及びMf2の作用は、花冠身に制限されると思われた(Wiering, Hort. Genen. Phaenen. 17: 117-134, 1974)。 メチル化されたアントシアニン色素の存在は、次の植物において報告されている:ペチュニアsp. (Sink (ed), Petunia, Springer-Verlag, Berlin, 1984; Ando et al., Biochemical systematics and ecology, 27 : 623-650, 1999), ルリマツリsp. (inter alia, Harbome, Phytochemistry, 6 : 1415- 1428,1967 ; Harbor, Arch Biochem Biophys, 96 : 171-178, 1962), ブドウsp. (Cachio et al., American J of Ecology and Viticulture, 43 : 244-248,1992), バビアナ・ストリクタ(Babiana stricta) (Toki et al., Phytochemistry, 37: 885-887,1994), マツsp. (Andersen, Biochemical systematics and ecology, 20 : 145-148,1992), ハリモミsp., Larix sp., Phaseolus sp. (Hungria et al., Plant Physiology, 97 : 751-758,1991 ; Takeoka et al., Journal of Agricultural and Food Chemistry, 45 : 3395-3400,1997), ナスsp. (Lewis et al., J. of the Science of Food and Agriculture, 77: 45-57,1998), コケモモsp. (Ballington et al., Can. J. of Plant Sci., 68 : 241-246,1988 ; Skrede et al., Jof Food Science, 65 : 357-364,2000), シクラメンsp. (Webby and Boase, Phytochemistry, 52 : 939-941, 1999), アヤメsp. (Yabuya et al., Euphytica, 98 : 163-167,1997 ; Yabuya and Noda, Euphytica, 103 : 325-328,1998), テンジクアオイsp. (Mitchell et al., Phytochemistry, 47 : 355-361,1998 ; Kobayashi et al., Breeding Science, 48 : 169-176,1998), ゼラニウムsp. (Andersen et al., Pytochemistry, 38 : 1513-1517,1995), エンドウsp. (Crowden, Phytochemistry, 21 : 2989-2990,1982), スイートピーsp. (Rat'kin et al., Zh Obshch Biol, 41 : 685-699,1980), クリトリア(Clitoria) sp (Srivastava and Pande, Planta Med, 32: 138-140,1977)., ニチニチソウsp. (Carew and Krueger, Phytochemistry, 15 : 442, 1976), マルビジンsp. (Takeda et al., Phytochemistry, 28: 499-500,1989),ムクナ( Mucuna) sp. (Ishikura and Shibata, Bot Mag (Tokyo), 86 : 1-4, 1973), ソラマメsp. (Catalano et al., J. Agricultural and Food Chemistry, 49 : 4568-4570,1998 ; Nozzolillo et al., Canadian Journal of Botany, 67 : 1600-1604,1989), セントポーリアsp. (Griesbach, Phytochemistry, 48 : 829-830,1998), サルスベリsp. (Toki and Katsuyama, J. Jap Soc Hortic. Sci., 63 : 853-861,1995), チボウチナ(Tibouchina) sp. (Francis et al., JAm Soc Hortic Sci, 107 : 789-791,1982, Terahara et al., J. Natural Products, 56 : 335-340,1993), ヒポカルイプタス(Hypocalyptus) sp. (Van Wyk et al., Biochemical systematics and ecology, 23: 295-297,1995), シャクナゲsp., アマsp., マクロプチリウム(Macroptilium) sp. (Imrie and Hutton, J. Hered., 69 : 54-56 1978), ハイビスカスsp. (Kim et al., Phytochemistry, 28 : 1503-1506,1989 ; Kim and Fujieda, J. Kor. Soc. Hortic. Sci., 32: 247- 255,1991), アジサイsp. (Takeda et al., Phytochemistry, 29: 1089-1091,1990), サツマイモsp. (Saito et al., Phytochemistry 41 : 1607-1611,1996), シンビジウムsp. (Woltering and Somhorst, J. Plant Physiol., 136 : 295-299,1990), ドクフジsp. (Parvez and Ogbeide, Phytochemistry, 29 : 2043-2044,1990), イワオウギsp. (Chriki and Harbor, Phytochemistry, 22: 2322-2323,1983 ; Chriki, Agronomie, 10 : 553-540,1990), レスペデザ(Lespedeza) sp., アンチゴノン(Antigonon) sp. (Tiwari and Minocha, Vijnana Parishad Anusandhan Patrika, 23: 305- 308,1980) 及びエンドウsp. (Crowden, Phytochemistry, 21 : 2989-2990,1982)。 この列挙は、メチル化されたアントシアニン色素が報告されている種を記載する。しかしながら、それらの色素は多くの他の種にも存在するであろうことが予測される。 植物S−アデノシル−L−メチオニン−依存性O−メチルトランスフェラーゼ(SAM−OMT)は、代謝経路、例えばフェニルプロパノイド及びフラボノイド合成におけるキー酵素である。それらの酵素は、生成物としてそのメチルエーテル誘導体及びS−アデノシル−L−ホモシステインの形成を伴って、受容体分子のヒドロキシル基へのS−アデノシル−L−メチオニン(SAM)のメチル基の移行を促進する。メチル移行反応の化学機構は同一である。しかしながら、SAM−OMTは、メチル受容体分子の立体化学、及びそれらのフェノールヒドロキシル基の置換パターンに関して、それらの選択性において異なる。異なった基質のメチル化は一般的に、明確なSAM−OMTにより触媒される。しかしながら、いくつかの酵素は、それらは通常、化合物の特定基質又は基に対する選択性を有するが、広い基質範囲を有する。 現在、GenBankデータベースには、SAM−OMTをコードする、87種以上の植物由来の配列が存在する。実際的に、それらの配列のすべては、特定の空間配置を示す3種の高く保存されたコンセンサスモチーフ(モチーフA、B及びC)を含む(Joshi and Chiang, Plant Mol. Biol. 37 : 663-674,1998 ; Ibrahim and Muzac, In Recent advances of phytochemistry. Evolution of metabolic pathways. Elsevier Science Ltd. 34 : 349-385, 2000)。それらのモチーフは、基質特異性にかかわらず、ほとんどの植物SAM−OMTに存在するので、それらはSAM結合のために必須であると思われる。 モチーフA及びBとモチーフB及びCとの間のコードされるタンパク質の長さ及び空間関係を考慮することによって、植物SAM−OMTは、2つの明確なクラスにグループ分けされ得る。グループIは、すべてのCCoAOMT(カフェオイル−Coa SAM-OMT)を含み、そしてモチーフAとBとの間の19個のアミノ酸、及びモチーフBとCとの間の24個のアミノ酸の特定の空間は位置を示す。グループIIは、モチーフAとBとの間の52個の残基及びモチーフBとCとの間の30個の残基の距離を有するタンパク質を含む。 グループII SAM-OMTは、中でも、COMT(カフェイン酸OMT)、F3’OMT(フラボノイド3’−OMT)(Gauthierなど., Plant Mol. Biol. 32: 1163-1169, 1996)、IOMT(イソフラボンOMT)(He and Dixon, Plant Mol. Biol. 36-43-54, 1998)、2’OMT(イソリキリチゲニン2’−OMT)(Maxwell, Plant J. 4(6):971−981、1993)、IMT(イソシトールOMT)(Rammesmeyerなど., Arch. Biochem. Biophys. 322 (1): 183-188, 1995)、及びF70MT(フラボノイド7−OMT)(Christensenなど.,Plent Mol. Biol. 36: 219-227, 1998)を包含する。 基質分析が取られ、そして機能が割り当てられているそれらの酵素は通常、制限された範囲の基質により試験されていることが、この点で注目することは重要である。今日までに単離されているフラボノイドSAM-OMT配列はすべて、防御反応に包含されており、そしてアントシアニンに対する活性を有することは示されず、そしてグループII SAM-OMTに属する。 CCoAOMTタンパク質又はグループI SAM-OMTは、231〜248個のアミノ酸の長さにおいて変化し、しして通常、触媒活性のために二価のカチオン、例えばMg2+を必要とする。グループII SAM-OMTは一般的に、約344〜383個の長さのアミノ酸であり、そして二価のカチオンを必要としない。それらの2種のグループは、約20〜30%のアミノ酸同一性を共有する。 上記修飾の他に、pH、及び他のフラボノイド、例えばフラボノール及びフラボンによる同時着色が花弁の色に影響を及ぼすことができる。フラボノール及びフラボンはまた、芳香族をアシル化され得る(Brouillard and Dangles, In: The Flavonoids-Advances in Research since 1986. Harbor, J. B. (ed), Chapman and Hall, London, UK, 1-22,1993)。 フラボノイドメチルトランスフェラーゼ(本明細書においては、この後、“FMT”と言及する)、特にアントシアニンメチルトランスフェラーゼの活性を調節する能力は、花弁の色を操作する手段を提供し、それにより、広範囲の花の色の単一種による発現を可能にする。そのような調節は、固有の酵素の生成レベルを変調することによるか、又は非固有の酵素の導入によることができる。発明の要約: 本明細書を通して、特にことわらない限り、用語“含んで成る(comprise)”、又はその変法、例えば“含んで成る(comprises)”又は“含んで成る(comprising)”は、言及される要素又は整数、又は要素又は整数のグループの包含を意味するが、しかしいずれの他の要素又は整数、又は要素又は整数のグループの排除も意味しないことが理解されるであろう。 ヌクレオチド及びアミノ酸配列は、配列識別子番号(配列番号)により言及される。配列番号は、配列識別子<400>1(配列番号1)、<400>2(配列番号2)、等に数的に対応する。配列識別子の要約は、表1に提供される。配列の列挙は、請求の範囲の後に提供される。 本発明によれば、マルビジン基材の色素が、同じ花弁バックグラウンドにおいて、デルフィニジン基材の色素よりも“より青色”であるように思われることが決定されている。フラボノイド及び特にアントシアニンに対して作用する種類のメチルトランスフェラーゼが単離され、そして文献から推定されるように、クラスII SAM-OMTの代わりにクラスI SAM-OMTグループに属することが、驚くべきことには見出されている。それらは、本明細書においては、フラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT又はFMTs)として言及される。それらの新規メチルトランスフェラーゼの例は、3’FMT及び3’5’FMTを包含するが、但しそれらだけには限定されない。それらの新規FMTは、多くの種、例えばペチュニアsp., トレニアsp., ルリマツリsp. 及びフクシアsp. から誘導され得る。 従って、本発明は、FMT又はその変異体、誘導体、一部、フラグメント、相同体又は類似体をコードする配列をコードするか、又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る単離された核酸分子を提供する。 前記変異体、誘導体、一部、フラグメント、相同体及び類似体は、機能的であっても又はそうでなくても良い。しかしながら、好ましくは、それらは機能的である。 本発明のFMTをコードする単離された核酸分子は、植物又は植物部分、例えば花、果物、果実、根、茎、葉及び種子の色の操作において有用であることが提案されている。本発明の核酸分子による植物の遺伝子修飾はさらに、変更された植物を可能にし、ここでその変更された植物の抽出物は、調味剤又は食品添加物又は健康製品、例えば飲料水又はジュース製品として有用である。そのような飲料水は、ワイン、スピリット、茶、コーヒー、ミルク及び酪農製品を包含するが、但しそれらだけには限定されない。 特に、例示される核酸分子は、ペチュニア(配列番号1, 4, 6及び26)、トレニア(配列番号11)及びフクシア(配列番号21, 41及び43)からである。その対応するアミノ酸配列は、配列番号2,5及び7(すべてのペチュニア)、配列番号12(トレニア)及び配列番号42及び44(両フクシア)により示される。 従って、好ましい態様においては、本発明は、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43に定義されるようなヌクレオチド配列、又はそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するか又は1又は複数のそれらの配列に対してハイブリダイズすることができるヌクレオチドを含んで成る核酸分子を提供する。 本発明の核酸分子は好ましくは、配列番号2, 5, 7, 12, 22, 42又は44で示されるようなアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする。 本発明はさらに、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43、又はその相補形で示されるヌクレオチド配列を有する分子の一部又は領域に対しての実質的な類似性又は相補性を有する、5〜50個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドを提供する。 本明細書を通して使用される配列識別子の要約は、表1に提供される。 本発明のさらなる観点は、FMTを合成できるトランスジェニック植物の生成方法を提供し、ここで前記方法は、前記FMTをコードするヌクレオチドの配列を含んで成る核酸配列により、前記核酸配列の結果的な発現を可能にする条件下で、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして前記トランスジェニック植物を、前記核酸配列の発現を可能にするのに十分な時間及び条件下で成長せしめることを含んで成る。それにより、トランスジェニック植物は、比較できる非トランスジェニック植物において発現される量に比較して、高められたレベルで非固体のFMTを生成することができる。 本発明のもう1つの観点は、低められた生来の又は存在するFMT活性を有するトランスジェニック植物の製造方法に関し、ここで前記方法は、FMT活性をコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子により、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして必要な場合、前記トランスジェニック植物を、前記核酸の発現を可能にするのに十分な条件下で成長せしめることを含んで成る。 本発明のさらにもう1つの観点は、低められた生来の又は存在するFMT活性を有する遺伝子的に修飾された植物の製造方法の関し、ここで前記方法は、植物中に導入された、適切に変更されたFMT遺伝子、又はその誘導体又は一部からの相同組換えによる固有の配列の修飾を通して、FMT遺伝子を変更し、そして前記細胞から遺伝子的に修飾された植物を再生することを含んで成る。 本発明のさらにもう1つの観点は、変更された花序性質を示すトランスジェニック植物の生成方法に関し、ここで前記方法は、本発明の核酸配列により、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして前記トランスジェニック植物を、前記核酸配列のFMT中への発現を可能にするのに十分な時間及び条件下で成長せしめることを含んで成る。 本発明のさらにもう1つの観点は、変更された花序性質を示す植物の生成方法に関し、ここで前記方法は、植物中に導入された、適切に変更されたFMT遺伝子、又はその誘導体又は一部からの相同組換えによる固有の配列の修飾を通して、FMT遺伝子を変更し、そして前記細胞から遺伝子的に修飾された植物を再生することを含んで成る。 本発明のさらにもう1つの観点は、FMT又はその一部をコードするか、又はFMTの調節をもたらすのに必要とされる場合、任意には転写できるmRNA分子のすべては又は一部に対して実質的に相補的である核酸配列を担持する組換え遺伝子を発現することができるトランスジェニック植物の製造方法に関し、FMTをコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る単離された核酸分子により、適切な植物の安定して細胞を、必要な場合、前記単離された核酸分子の結果的な発現を可能にする条件下で安定して形質転換し、そして前記細胞からトランスジェニック植物を再生することを含んで成る。 本発明のさらにもう1つの観点は、本発明の核酸配列のすべて又は一部、又はそのアンチセンス形及び/又はそのいずれかの相同体又は関連する形を含むトランスジェニック植物のすべて、又はその一部又はその子孫、及び特に変更された花序性質を示すそれらのトランスジェニック植物に関する。 本発明のさらにもう1つの観点は、本発明の核酸配列のすべて又は一部、又はそのアンチセンス形及び/又はそのいずれかの相同体又は関連する形を含むトランスジェニック植物のすべて、又はその一部又はその子孫、及び特に植物の変更された空中部分、例えば萼片、ほう葉、葉柄、花柄、子房又は茎性質を示すそれらのトランスジェニック植物に関する。 本発明のもう1つの観点は、本発明の核酸配列のすべて又は一部を含むトランスジェニック植物又はその植物部分又はその子孫からの抽出物、及び特に、調味又は食品添加剤又は健康製品又は飲料又はジュース又は着色剤として使用される場合、それらのトランスジェニック植物からの抽出物の使用に関する。 本発明のさらなる観点は、FMTの組換え形に向けられる。 本発明のもう1つの観点は、FMTを発現できるか、又は植物における固有のFMT酵素をダウン−レギュレーションできる遺伝子構造体の製造への本明細書に記載される遺伝子配列の使用に関する。 本発明のさらなるもう1つの観点は、FMTをコードする遺伝子配列を、プラスミド形で染色体外に担持する、原核又は真核生物に関する。 本発明のさらにもう1つの観点は、配列番号2, 5, 7, 12, 22, 42又は44で実質的に示されるようなアミノ酸配列、又は配列番号2, 5, 7, 12, 22, 42又は44に対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列を含んで成る組換えポリペプチド、又は前記ポリペプチドの誘導体にも及ぶ。好ましい態様の特定の記載: 本発明によれば、メチルトランスフェラーゼ及びより特定には、フラボノイドメチルトランスフェラーゼ(この後、“FMT”として言及される)をコードする遺伝子配列は、同定され、そしてクローン化されている。組換え配列は、それがフラボノイド分子に結合される場合、メチルトランスフェラーゼの変調を可能にする。基質は、その分子に結合されるヒドロキシル基を有するアントシアニン、例えばアントシアニジンデルフィニジン、シアニジン及びベツニジン、例えばデルフィニジン3−グルコシド、シアニジン3−グルコシド、ペチュニジン3−グルコシド、デルフィニジン3,5−ジグルコシド、シアニジン3,5−ジグルコシド、ペチュニジン3,5−ジグルコシド(但し、それらだけには限定されない)に基づいてのアントシアニンを包含し、それにより、花弁の色を操作する手段を提供する。 従って、本発明は、本発明の配列を導入することによって、存在するFMT活性のレベルを高めるか又は低める(すなわち、変調する)ことを包含する、植物におけるFMT活性の変更に関する。FMT活性のレベルの低下はまた、ダウン−レギュレーションとしても言及される。さらに、本発明は、植物及びその生殖又は成長活性部分、例えば花、種子、野菜、葉、茎、等、及びより特定には、遺伝子的に修飾されたか又は観賞用トランスジェニック植物に及ぶ。 “トランスジェニック植物”とは、いずれかの遺伝子的に修飾された植物を包含し、そして用語“トランスジェニック”及び“遺伝子的に修飾された”とは、本明細書を通して交換可能的に使用され得る。 従って、本発明の1つの観点は、FMT又はその酵素の機能的誘導体をコードする配列をコードするか、又はその配列に対して相補的な単離された核酸分子を提供する。 本発明は、本明細書に開示される発明の実施のために、現在まで、特に便利で且つ有用なフラボノイドメチルトランスフェラーゼであるFMTをコードする遺伝子配列の同定、クローニング及び操作により、本明細書において記載され、そして例示される。しかしながら、これは、本発明がすべてのFMT酵素及びそれらの機能的誘導体に及ぶ理解を伴って、実施される。 便利さのために及びショートハンド表記法のみにより、フラボノイドメチル酵素に関しては、フラボノイド、例えばアントシアニン、フラボノール及び/又はフラボンに対して作用するFMTを包含する。好ましくは、フラボノイドメチル化酵素は、FMTである。FMT酵素はまた、FMT活性又はFMT様活性を有するポリペプチド又はタンパク質を包含すると思われ得る。後者は、変更されたFMT活性を有する誘導体を包含する。 従って、本発明の好ましい観点は、FMT、又はその機能的変異体、誘導体、一部、フラグメント、相同体又は類似体をコードする配列をコードするか、又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る、単離された核酸分子に向けられる。 用語“核酸分子”とは、天然に依存しない条件下での遺伝子配列を意味する。一般的に、これは、その天然の状態から単離されるか、又は天然に存在しない環境下で合成されるか又は誘導されることを意味する。より特定には、それは、インビトロで形成されるか又は維持される核酸分子、例えばゲノムDNAフラグメント組換え又は合成分子、及び異種核酸と組合しての核酸を包含する。それはまた、FMT又はその一部を、それ自体又はもう1つのプロモーターに対して逆配位でコードする、ゲノムDNA又はcDNA、又はその一部にも及ぶ。さらに、それは、他の核酸配列に対する少なくとも部分的な精製に続いての天然に存在する配列にも及ぶ。 用語“遺伝子配列”とは、その最も一般的な常識で本明細書において使用され、そして直接的に、又は相補的な一連の塩基を通して、FMT酵素におけるアミノ酸の配列を特定するいずれかの一連の連続したヌクレオチド塩基を包含する。そのようなアミノ酸配列は、配列番号22又は42で示されるような一部のFMT、又は配列番号2, 5, 7, 12又は44で示されるような十分な長さのFMT、又はその切断された活性形を構成することができるか、又は特定の領域、例えば酵素のN−末端、C−末端又は内部部分に対応することができる。遺伝子配列はまた、ヌクレオチドの配列又はヌクレオチド配列としても言及され、そして複数の配列の組換え融合体を包含する。 本発明の遺伝子配列はまた、特定の宿主細胞において発現を改良するか又は他方では、促進するために、修飾されたコドン使用法を受けることができる。 本発明の上記観点によれば、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で実質的に示されるようなヌクレオチド配列又は相補的ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそれに対して少なくとも約50%の類似性を有すか、又は配列番号1で示される配列に対して、低い緊縮条件下でハイブリダイズできる核酸分子が提供される。 本発明により包含される他の%類似性は、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%又はそれ以上、例えば約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%を包含する。 特に好ましい態様においては、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で実質的に示されるようなヌクレオチド配列又は相補的ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するか、又は配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で示される配列、又は相補鎖に対して、低い緊縮条件下でハイブリダイズできる単離された核酸分子が提供され、ここで前記ヌクレオチド配列はFMT活性を有すポリペプチドをコードする。 配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43に対してハイブリダイズすることができる核酸分子を定義するための緊縮性のレベルを決定するためには、低い緊縮性が包含され、そしてハイブリダイゼーションに関しては、少なくとも約0%〜少なくとも約15%(v/v)のホルムアミド及び少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩、及び洗浄条件に関しては、少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩を包含する。 一般的に、低い緊縮性は、約25〜30℃〜約42℃である。温度は変更され得、そしてより高い温度が、ホルムアミドを置換し、そして/又は他の緊縮条件を得るために使用される。他の緊縮条件、必要なら、例えばハイブリダイゼーションに関して、少なくとも約16%〜少なくとも約30%(v/v)のホルムアミド及び少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9Mの塩及び洗浄条件に関しては、少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9Mの塩を包含する中位の緊縮性、又はハイブリダイゼーションに関して、少なくとも約31%〜少なくとも約50%(v/v)のホルムアミド及び少なくとも約0.01M〜少なくとも約0.15Mの塩、及び洗浄条件に関しては、少なくとも約0.01M〜少なくとも約0.15Mの塩を包含する高い緊縮性が適用され得る。 一般的に、洗浄は、Tm=69.3+0.41(G+C)%で行われる(Marmur and Doty, J. Mol. Biol. 5: 109, 1962)。しかしながら、二本鎖DNAのTmは、ミスマッチ塩基対の数において1%の上昇ごとに、1℃低下する(Bonner and Laskey, J. Biochem. 46:83, 1974)。ホルムアミドは、それらのハイブリダイゼーション条件において任意である。従って、特に好ましい緊縮性レベルは次の通りである:低い緊縮性は25〜42℃での6×SSC緩衝液、1.0%(w/v)のSDSであり;中位の緊縮性は20℃〜65℃の温度での2×SSC緩衝液、1.0%(w/v)のSDSであり;高い緊縮性は少なくとも65℃の温度での0.1×SSC緩衝液、0.1%(w/v)のSDSである。 本発明のもう1つの観点は、配列番号2, 5, 7, 12, 22, 42又は44で実質的に示されるようなアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的なヌクレオチドの配列を含んで成る核酸分子を提供する。 用語、類似性とは、本明細書において使用される場合、ヌクレオチド又はアミノ酸レベルでの比較される配列間の正確な同一性を包含する。ヌクレオチドレベルで同一性が存在しない場合、類似性は、構造、機能、生化学及び/又はコンホメーションレベルでお互い関連している異なったアミノ酸をもたらす配列間の差異を包含する。アミノ酸レベルで同一性が存在しない場合、類似性は、構造、機能、生化学及び/又はコンホメーションレベルでお互い関連しているアミノ酸を包含する。特に好ましい態様においては、ヌクレオチド及び配列比較は、類似性よりもむしろ同一性のレベルで行われる。 複数のポリヌクレオチド又はポリペプチド間での配列関連性を記載するために使用される用語は、“参照配列”、“比較窓”、“配列類似性”、“配列同一性”、“配列類似性の%”、“配列同一性の%”“実質的に類似する”及び“実質的な同一性”を包含する。“参照配列”は、ヌクレオチド及びアミノ酸残基の少なくとも12、但し時折15〜18及びしばしば少なくとも25又はそれ以上、例えば30個の長さのモノマー単位である。2種のポリヌクレオチドはそれぞれ、(1)それらの2種のポリヌクレオチド間で類似する配列(すなわち、完全なポリヌクレオチド配列の一部分のみ)、及び(2)2種のポリヌクレオチド間でお互い異なる配列を含んで成るので、2種(又はそれ以上)のポリヌクレオチド間での配列比較は典型的には、配列類似性の局部領域を同定し、そして比較するために“比較窓”に対して2種のポリヌクレオチドの配列を比較するこをによって行われる。 “比較窓”とは、参照配列に比較される、典型的には12個の連続した残基の概念的セグメントを言及する。比較窓は、2種の配列の最適な一列整列に関して、参照配列(付加又は欠失を包含しない)に比較して、約20%又はそれ以下の付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含むことができる。 比較窓を一列整列するための配列の最適な一列整列は、コンピューター処理されたアルゴリズムの実施(GAP, BESTFIT, FASTA, and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0, Genetics Computer Group, 575 Science Drive Madison, WI, USA)により、又は観察及び選択された種々の方法のいずれかにより生成される最良の一列整列(すなわち、比較窓に対して最高の%相同性をもたらす)により行われ得る。例えば、Altschulなど. (Nucl. Acid Res. 25: 3389, 1997) により開示されるようなBLAST種類のプログラムがまた言及される。配列分析の詳細な論議は、Ausbelなど. (Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc, 1994- 1998, Chapter 15,1998)のUnit19.3に見出される。 用語“配列類似性”及び“配列同一性”とは、本明細書において使用される場合、比較窓に対して、ヌクレオチド×ヌクレオチド又はアミノ酸×アミノ酸に基づいて、同一であるか、又は機能的又は構造的に類似する程度を言及する。従って“配列同一性の%”は、比較窓に対して、2種の最適に一列整列された配列を比較し、同一の核酸塩基(例えば、A, T, C, G, I)又は同一のアミノ酸残基(例えば、Ala, Pro, Ser, Thr, Gly, Val, Leu, Ile, Phe, Tyr, Trp, Lys, Arg, His, Asp, Glu, Asn, Gln, Cys 及び Met)が、適合された位置の数を得るために、両配列において存在する位置の数を決定し、前記適合された位置の数を、比較的窓における位置の合計数(すなわち、窓サイズ)により割り算し、そして配列同一性の%を得るために、前記結果に100を掛け算することによって計算される。 本発明のためには、“配列同一性”とは、ソフトウェアを伴っての参照マニュアルにおいて使用されるような標準デフォールとを用いて、DNASISコンピュータープログラム(ウィンドウズのVersion 2.5: Hitachi Software engineering Co. , Ltd. , South San Francisco, California, USAから入手できる)により計算される“適合%”を意味することが理解されるであろう。類似する説明が、配列類似性に対して適用できる。 本明細書において企画される核酸配列はまた、増幅反応のための遺伝子プローブとして、又は植物におけるその対応する遺伝子の発現を調節することができるアンチセンス又はセンス分子として有用なオリゴヌクレオチドを包含する。アンチセンス分子は、本明細書において使用される場合、構造ゲノム又はcDNA遺伝子又はその一部を、その又はもう1つのプロモーターに対して逆の配向で含んで成る遺伝子構造体も包含する。それはまた、相同遺伝子配列も包含する。アンチセンス分子はまた、遺伝子の発現が低められるか又は排除されるよう、FMT活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の末端又は内部部分、又は上記の組合せにも向けられる。 本発明のこの観点に関しては、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で示されるヌクレオチド配列又はその相補形を有する分子の一部又は領域に対する実質的な類似性又は相補性を有する、5〜50個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが提供される。本明細書における実質的な類似性又は相補性とは、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションに対して特異的な、低い、他方では及び好ましくは、中位の、及び他方では及び最も好ましくは、高い緊縮条件下でハイブリダイズできる類似性を意味する(Sambrook など., Molecular Cloning : A Laboratory Manual. (2nd edition), Cold Spring Harbor Laboratory Press, USA, 1989)。そのようなオリゴヌクレオチドは、種々の源からのFMT遺伝子配列のスクリーニングにおいて、又はトランスジェニック植物における導入された遺伝子配列のモニターのために有用である。好ましいオリゴヌクレオチドは、保存されたFMT遺伝子配列、又は植物属、植物種及び/又は植物種類内に保存される配列に向けられる。 本発明の1つの観点においては、オリゴヌクレオチドは、FMT遺伝子配列の5’又は3’末端に対応する。便利さのために、5’末端は本発明書においては、構造遺伝子の開始コドンと遺伝子の中心部分との間の領域を実質的に定義すると思われ、そして3’末端は、遺伝子の中心部分と構造遺伝子の末端コドンとの間の領域を実質的に定義すると思われる。従って、オリゴヌクレオチド又はプローブが、5’末端又は3’末端に、又は5’末端及び3’末端の両者に共通する領域にハイブリダイズすることができることは明白である。本発明はそのようなすべてのプローブに及ぶ。 1つの態様においては、FMT又はその種々の機能の誘導体をコードする核酸配列は、内因性FMTのレベル(例えば、同時抑制を通して)、又はRNAiを包含する他の後−転写遺伝子サイレンシング(PTGS)工程を低めるために使用されるか、又は他方では、この酵素、又はその種々の誘導体又は一部をコードする核酸配列は、FMTのレベルを低めるためにアンチセンス配向で使用される。センス鎖、二本鎖又は部分的一本鎖、例えばヘアーピンループを有する構造体の使用は、PTGS応答の誘発において特に有用である。さらなる態様においては、リボザイムが、標的核酸配列を不活性化するために使用され得る。 さらに、追加の態様は、ポリペプチド材料の翻訳を低めるために後−転写阻害を包含する。 FMT活性の変更は、正常な内因性又は存在する活性レベルの30%まで、又はより好ましくは30〜50%、又はさらにより好ましくは50〜75%、又はさらにより好ましくは75%又はそれ以上の活性の上昇又は低下にも関係する。そのような上昇又は低下は、FMT酵素活性の変調として言及され得る。一般的に、変調は、FMT遺伝子配列の転写又は翻訳のレベルで存在する。 本発明の核酸は、リボ核酸又はデオキシリボ核酸、一本鎖又は二本鎖及び線状又は共有閉環された環状分子であり得る。好ましくは、核酸分子はcDNAである。本発明はまた、低い、好ましくは中位及び最も好ましくは高い緊縮条件下で、本発明の核酸分子と、及び特に、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で示されるヌクレオチドの配列又はその一部又は領域にハイブリダイズする他の核酸分子にも及ぶ。 その最も好ましい態様においては、本発明は、配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子、又は配列番号1, 4, 6, 11, 21, 26, 41又は43で示される配列の少なくとも1又は複数の領域に対して、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも45%、さらにより好ましくは少なくとも55%、さらにより好ましくは少なくとも65〜70%、及びさらにより好ましくは、85%以上の類似性を、ヌクレオチド又はアミノ酸配列のレベルで有する分子に及び、そして前記核酸は、FMT活性を有する酵素をコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的である。 しかしながら、ヌクレオチド又はアミノ酸配列が上記に与えられた%以下の類似性を有し、そしてさらに、FMT活性をコードし、そしてそのような分子が、配列保存の領域を有する場合、本発明の範囲に考慮され得ることは注目されるべきである。本発明はさらに、上記で企画された核酸分子の一部、及び特に、配列番号1、及び/又は配列番号4、及び/又は配列番号6、及び/又は配列番号11、及び/又は配列番号21、及び/又は配列番号26、及び/又は配列番号41、及び/又は配列番号43で示されるそれらの分子に対して、低い、好ましくは中位の、及び最も好ましくは高い緊縮条件下でハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブの形での核酸分子に及ぶ。 好ましくは、前記部分は、遺伝子の5’又は3’末端に対応する。便利さのために、5’末端は本明細書においては、構造遺伝子配列の開始コドンと遺伝子の中心部分との間の領域を実質的に定義すると思われ、そして3’末端は、遺伝子の中心部分と構造遺伝子配列の停止コドンとの間の領域を実質的に定義すると思われる。従って、オリゴヌクレオチド又はプローブが、5’末端又は3’末端、又は5’末端及び3’末端の両者に共通する領域にハイブリダイズすることでできることは明白である。本発明は、すべてのそのようなプローブに及ぶ。 用語、遺伝子は、その最も広い意味で使用され、そして遺伝子のエキソンに対応するcDNAを包含する。従って、遺伝子に関する本明細書における参照は、下記のものを包含することが言及されるべきである: (i)転写及び/又は翻訳調節配列、及び/又はコード領域及び/又は非翻訳配列(すなわち、イントロン、5’−及び3’−未翻訳配列)から成る従来のゲノム遺伝子;又は (ii)遺伝子のコード領域(すなわち、エキソン)及び5’−及び3’−未翻訳配列に対応するmRNA又はcDNA。 用語“遺伝子”はまた、発現生成物のすべて又は一部をコードする合成又は融合分子を記載するためにも使用される。特定の態様においては、用語“核酸分子”及び“遺伝子”は交換可能的に使用され得る。 核酸又はその相補形は、十分な長さの酵素又はその一部又は誘導体をコードすることができる。“誘導体”とは、天然に存在する酵素に対してのいずれかの単一又は複数のアミノ酸置換、欠失及び/又は付加を意味し、そしてこれはFMT活性を保持する。これに関しては、核酸は、FMTをコードする天然に存在するヌクレオチド配列を包含するか、又は天然に存在する配列に対する単一又は複数のヌクレオチド置換、欠失及び/又は付加を含むことができる。本発明の核酸又はその相補形はまた、活性であろうと又は不活性であろうと、FMTの“一部”をコードすることができ、そしてそのような核酸分子は、ポリメラーゼ鎖反応のための又は種々の突然変異誘導技法における、又はアンチセンス分子の生成のためのオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーとして有用であり得る。 本明細書において言及される核酸分子、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の“一部”とは、適切な場合、少なくとも約10個の連続したヌクレオチド又は5個の連続したアミノ酸を含む分子を言及する。 本発明のFMTのアミノ酸挿入誘導体は、アミノ及び/又はカルボキシル末端融合体、及び単一又は複数のアミノ酸の配列内挿入体を包含する。挿入アミノ酸配列変異体は、ランダム挿入はまた、得られる生成物の適切なスクリーニングにより可能であるが、1又は複数のアミノ酸残基がタンパク質における予定された部位中に導入されているそれらの変異体である。欠失変異体は、配列からの1又は複数のアミノ酸の除去により特徴づけられる。実質的なアミノ酸変異体は、その配列における少なくとも1つの残基が除去され、そして異なった残基がその場所に挿入されているそれらの変異体である。典型的な置換は、表3に従って製造されたそれらの置換である。 FMTがアミノ酸置換により誘導される場合、アミノ酸は一般的に、例えば疎水性度、親水性度、電気陰性度、大きな側鎖及び同様のもののような性質を有する他のアミノ酸により置換される。アミノ酸置換は典型的には、単一残基のものである。アミノ酸挿入は通常、約1〜10個のアミノ酸残基の程度で存在し、そして欠失は約1〜20個の残基の範囲であろう。好ましくは、欠失又は挿入は、隣接する対、すなわち2つの残基の欠失又は2つの残基の挿入で行われる。 上記に言及されるアミノ酸変異体は、当業界において良く知られているペプチド合成技法、例えば固相ペプチド合成(Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85: 2149, 1964)及び同様の方法を用いて、又は組換えDNA操作により容易に製造され得る。既知の又は一部、既知の配列を用いてDNAにおける予定された位置で置換突然変異を行うための技法は、良く知られており、そして例えばM13突然変異誘発を包含する。置換、挿入又は欠失変異体として現れる変異体タンパク質を生成するためのDNA配列の操作は、例えばSambrookなど., (1989)、前記において便利に記載されている。 本発明のFMT酵素の組換え又は合成変異体及び誘導体の他の例は、酵素に関連するいずれかの分子、例えば炭水化物、脂質及び/又はタンパク質又はポリペプチドの単一又は複数の置換、欠失及び/又は付加を包含する。 用語“類似体”及び“誘導体”とはまた、FMTのいずれかの機能的化学同等物、及びまた上記に記載されるいずれかのアミノ酸誘導体にも及ぶ。便利さのために、FMTに関する参照は、いずれかの機能的変異体、その誘導体、一部、フラグメント、相同体又は類似体に関する参照を包含する。 本発明は、ペチュニア、トレニア、又はフクシア由来の核酸配列を用いて例示される。なぜならば、それらは今日まで、最も便利且つ好ましい材料源を表すからである。しかしながら、当業者は、類似する配列がいずれかの数の源、例えば他の植物又は一定の微生物から単離され得ることを、すぐに理解するであろう。FMTを直接的に又は間接的にコードするすべてのそのような核酸配列は、それらの源にかかわらず、本発明により包含される。 FMTをコードする遺伝子の他の適切な源の例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ペチュニアsp., ルリマツリsp., ブドウsp., バビアナ・ストリクタ(Babiana stricta), マツsp., ハリモミsp., カラマツsp., インゲンマメsp., ナスsp., コケモモsp., シクラメンsp., アヤメsp., テンジクアオイsp., ゼラニウムsp., エンドウsp., スイートピーsp., クリトリア(Clitoria) sp., ニチニチソウsp., マルビジンsp.,ムクナ( Mucuna) sp., ソラマメsp., セントポーリアsp., サルスベリsp., チボウチナ(Tibouchina) sp., ヒポカルイプタス(Hypocalyptus) sp., シャクナゲsp., アマsp., マクロプチリウム(Macroptilium) sp., ハイビスカスsp., アジサイsp., サツマイモsp., シンビジウムsp., ドクフジsp., イワオウギsp., レスペデザ(Lespedeza) sp., アンチゴノン(Antigonon) sp.及びエンドウsp.。 本発明によれば、FMTをコードする核酸配列は、いずれかの配向でトランスジェニック植物中に導入され、そして発現され、それにより、植物細胞において合成される場合、適切な基質を、究極的には、ペオニジン、ペチュニジン又はマルビジン誘導体又は他のメチル−フラボノイドに転換するか、又は他方では、内因性又は存在するFMT活性を低めるか又は排除することによって、代謝物のそのような転換を阻害するための手段を提供する。それらのアントシアニン又は他のフラボノイドの生成は、花弁の色を変性し、そしてより青色の生成に寄与することができる。植物における核酸配列の発現は、構成的、誘発性又は発生的であり、そして組織−特異性でもあり得る。用語“発現”とは、RNA、又はRNA及びタンパク質の両者の生成を誘発するために、その最も広い意味で使用される。それはまた、核酸分子の部分発現にも及ぶ。 用語“遺伝子的に修飾された植物”及び“トランスジェニック植物”とは、分子生物学技法を用いての新規核酸配列の導入の後、形質転換するように成っている、いずれかの植物又はそれらからの子孫又は続く子孫、又は植物的に繁殖された新規植物を言及する。それらの2種の用語は、本明細書を通して交換可能的に使用される。核酸配列は、形質転換される植物と同じか又は異なった種の植物に由来することができる。核酸は、ポリペプチドをコードするか、又はポリペプチド、又はその変異体、誘導体、一部、フラグメント又は一部分をコードする配列に対して相補的であることが企画される。他方では、核酸配列は、ゲノムの非コード領域からであり得る。 本発明の遺伝子的に修飾された又はトランスジェニック植物は、園芸用及び農業用種を包含する。 用語“園芸用植物種”は、草花栽培植物(例えば、切花、鉢植え開花植物)、観賞用植物(例えば、観賞用葉状植物)及びすべての他の形の園芸植物(例えば、花壇用草花、鉢植え植物、園芸植物)を包含するが、但しそれらだけには限定されない。 用語“農学用植物種”とは、広い田畑の食料用及び非食料用収穫物(例えば、小麦、トウモロコシ、綿花、トウモロキシの実、牧草)、果物、果実及び野菜収穫物(例えば、リンゴ、オレンジ、バナナ、アーモンド、クルミの実、マカダミアン、ニンジン、マメ、ジャガイモ、ナス、ブドウ、トマト)、及びブドウ栽培を包含するが、但しそれらだけには限定されない。 現在の理解によれば、園芸用植物種と農業用植物種との間にいくつかの重複部分が存在する。 本発明のこの観点によれば、FMTを合成できるトランスジェニック植物、例えばトランスジェニック開花植物(但し、それだけには限定されない)を生成するための方法が提供され、ここで前記方法は、前記FMTをコードするヌクレオチドの配列を含んで成る核酸配列により、前記核酸配列の結果的な発現を可能にする条件下で、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして前記トランスジェニック植物を、前記核酸配列の発現を可能にするのに十分な時間及び条件下で成長せしめることを含んで成る。それにより、トランスジェニック植物は、比較できる非トランスジェニック植物において発現される量に比較して、高められたレベルで非固体のFMTを生成することができる。 本発明のもう1つの観点は、低められた生来の又は存在するFMT活性を有するトランスジェニック植物の製造方法に関し、ここで前記方法は、FMT活性をコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子により、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして必要な場合、前記トランスジェニック植物を、前記核酸の発現を可能にするのに十分な条件下で成長せしめることを含んで成る。 本発明のさらにもう1つの観点は、低められた生来の又は存在するFMT活性を有する遺伝子的に修飾された植物の製造方法の関し、ここで前記方法は、植物中に導入された、適切に変更されたFMT遺伝子、又はその誘導体又は一部からの相同組換えによる固有の配列の修飾を通して、FMT遺伝子を変更し、そして前記細胞から遺伝子的に修飾された植物を再生することを含んで成る。 “固有の”酵素とは、本明細書において使用される場合、特定細胞において生得であるか、又は天然において発現される酵素である。“非固有の”酵素とは、細胞に対して生得ではないが、しかし植物細胞中への遺伝子材料の導入を通して、例えばトランスジーンを通して発現される酵素である。“内因性”酵素とは、細胞により生成されるが、しかしその細胞に対して固有であっても、又は固有でなくても良い酵素である。 好ましい態様においては、本発明は、変更された花序性質を示すトランスジェニック植物、例えばトランスジェニック開花植物の生成方法に関し、ここで前記方法は、本発明の核酸配列により、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして前記トランスジェニック植物を、前記核酸配列のFMT中への発現を可能にするのに十分な時間及び条件下で成長せしめることを含んで成る。他方では、前記方法は、本発明の核酸配列又はその相補的配列により、適切な植物の細胞を安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして前記トランスジェニック植物を、前記固有の又は存在するFMT活性レベルを変更するのに十分な時間及び条件下で成長せしめることを含んで成る。 好ましくは、変更されたレベルは、比較できる非トランスジェニック植物における固有の又は存在するFMT活性レベルよりも低いであろう。本発明を制限することを所望しないが、作用の型の1つの理論は、固有のFMT活性の低下が導入された核酸配列又はその相補的配列の発現を必要とすることである。しかしながら、導入された遺伝子配列又はその補体の発現が所望する効果、すなわち変更された花序性質を示す開花植物を得るために必要とされない。 用語“花序”とは、本明細書において使用される場合、植物の開花部分を言及する。上記に示されるように、“トランスジェニック植物”とはまた、“遺伝子的に修飾された植物”として解釈され得る。 関連する態様においては、本発明は、変更された花序性質を示す植物、例えばトランスジェニック開花植物(但しこれだけには限定されない)の生成方法に関し、ここで前記方法は、植物中に導入された、適切に変更されたFMT遺伝子、又はその誘導体又は一部からの相同組換えによる固有の配列の修飾を通して、FMT遺伝子を変更し、そして前記細胞から遺伝子的に修飾された植物を再生することを含んで成る。 好ましくは、変更された花序は、受容体植物の遺伝子型及び生理学的条件に依存して、青又は赤色の花又は他の色の異なった色調の生成に関与する。 従って、本発明は、FMT又はその一部をコードするか、又はFMTの調節をもたらすのに必要とされる場合、任意には転写できるmRNA分子のすべては又は一部に対して実質的に相補的である核酸配列を担持する組換え遺伝子を発現することができるトランスジェニック植物の製造方法の関し、ここで前記方法は、FMTをコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る単離された核酸分子により、適切な植物の細胞を、必要な場合、前記単離された核酸分子の結果的な発現を可能にする条件下で安定して形質転換し、そして前記細胞からトランスジェニック植物を再生することを含んで成る。 “適切な植物”とは、アントシアニジン3−グルコシドを生成でき、そして所望する色の進行のために必要とされる適切な生理学的性質を有することができる植物を意味する。適切な植物の例は、トレニア、ベゴニア、シクラメン、ニエレンベルギア、カサランザス、ペラルゴニューム、ラン、ブドウ、ユーホルビア又はフクシアを包含するが、但しそれらだけには限定されない。 当業者は、異なった色調、例えば青、紫又は赤の異なった色調を導く標的植物において天然で存在する酵素の発現を高めるか又は低める本発明の方法に適用できる変法をすぐに理解するであろう。 従って、本発明は、本発明の核酸配列、又はそのアンチセンス形及び/又はその相同体又は関連する形のすべて又は一部を含むすべてのトランスジェニック植物、又はその一部又はその子孫、及び特に、変更された花序性質を示すそれらのトランスジェニック植物に及ぶ。トランスジェニック植物は、FMTをコードする配列をコードするか又はその配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る、導入される核酸分子を含むことができる。一般的に、その核酸は、植物ゲノム中に安定して導入されるが、但し、本発明はまた、自律的に複製する核酸配列、例えば植物細胞内で複製できるDNA又はRNAウィルス内へのFMTヌクレオチド配列の導入にも及ぶ。本発明はまた、そのようなトランスジェニック植物からの種子にも及ぶ。そのような種子は、特に着色される場合、植物のための専有標識として有用である。植物細胞中に遺伝子材料を導入するためのいずれかの及びすべての方法が、本発明により包含される。 本発明のもう1つの観点は、本発明の核酸配列のすべて又は一部を含むトランスジェニック植物、又はその植物部分、又はその子孫からの抽出物、及び特に、調味又は食品添加剤、又は健康製品又は飲料水又はジュース又は着色剤として使用される場合、それらのトランスジェニック植物からの抽出物の使用に関する。 本発明により企画される植物部分は、花、果物、果実、根、茎、葉又は種子を包含するが、但しそれらだけには限定されない。 本発明の抽出物は、多くの異なった手段、例えば化学的抽出、加熱抽出、濾過、圧搾又は微粉砕により、植物又は植物部分から誘導され得る。 植物、植物部分又は抽出物は、調味剤(例えば、食品エッセンス)、食品添加物(例えば、安定剤、着色剤)、健康製品(例えば、酸化防止剤、錠剤)、飲料水(例えば、ワイン、スピリット、茶)、ジュース(例えば、フルーツジュース)、又は着色剤(例えば、食品着色剤、布用着色剤、顔料、ペイント)の製造のために、いずれかの数の異なった手段で使用され得る。 本発明のさらなる観点は、組換え形のFMTに向けられる。酵素の組換え形は、より活性的な酵素を開発するための研究のための材料源を提供し、そして着色される化合物の製造のためのインビトロシステムの開発において有用である。 さらに、本発明のさらなる観点は、植物においてFMTを発現できるか、又は固有のFMT酵素をダウンレギュレーションできる遺伝子構造体の製造への本明細書に記載される遺伝子配列の使用に関する。 本発明のもう1つの観点は、FMT分子をコードする遺伝子配列を、プラスミド形で染色体外に担持する原核又は真核生物に向けられる。 さらに、本発明は、配列番号2, 5, 7, 12, 22, 42又は43で実質的に示されるようなアミノ酸の配列、又は配列番号2, 5, 7, 12, 22, 42又は43に対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列を含んで成る組換えポリペプチド、又は前記ポリペプチドの誘導体に及ぶ。 “組換えポリペプチド”とは、ヒト介在により直接的又は間接的に細胞中に、又は細胞の親又は他の親近体又は前駆体中に導入されるヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを意味する。組換えポリペプチドはまた、細胞フリーのインビトロ転写システムを用いても製造され得る。用語、“組換えポリペプチド”は、単離されたポリペプチドを包含するか、又は存在する場合、細胞又は細胞調製物である。それはまた、前記ポリペプチドを生成する細胞から再生される植物、又はその植物の一部においても存在することができる。 “ポリペプチド”とは、ペプチド又はタンパク質を包含し、そして用語“酵素”により包含される。 組換えポリペプチドはまた、複数の異種アミノ酸配列を含んで成る融合分子でもあり得る。 本発明は、次の非制限例によりさらに記載される。 例1.植物材料: 使用されるペチュニア・ハイブリダ栽培品種が、表4に示されている。 OGBペチュニア植物を、10,000ルクスの光強度及び22〜26℃の温度で、14時間の日中の長さを伴った、特殊化された成長室において成長せしめた。OGB花を、次の通りに定義される進行段階で収穫した: 段階1:着色されていない、閉じた芽(長さ25mm以下)。 段階2:着色された、閉じた芽(長さ25〜35mm)。 段階3:出現する花冠を伴っての暗紫色の芽(長さ35mm以上)。 段階4:暗紫色の開いた花、前−葯の裂開(長さ50mm以上)。 段階5:裂開されたすべての葯を有する、十分に開いた花。 例2.一般的な方法: 一般的に、次の方法は、Sambrookなど. (1989)、前記に記載される通りであった。E. コリ形質転換: 使用されるE. コリ株は次のものであった: DH5a supE44, Δ (lacZYA-ArgF) U169, (フィー801acZΔM15), hsdR17 (rk-, mk+), recAl, endAl, gyrA96, thi-1, relA1, deoR. (Hanahan, J. Mol. Biol. 166 : 557,1983 and. Bethesda Res. Lab. Focus. 8 (2) : 9,1986). XL1-Blue supE44, hsdR17 (rk-, mk+), recA1, endAl, gyrA96, thi-1, relAl, lac-, [F'proAB, lacIq, lacZΔM15, TnlO(tetR)] (Bullock et al., Biotechniques 5 : 376,1987). PLK-F'recA, hsdR17 (rk-, mk+), mcrA-, mcrB-、lac-, supE44, galK2, galT22, metBl, [F'proAB, lacIq, lacZΔM15, TnlO (tetR)] (Stratagene). M15 E. コリはE. コリ K12から誘導され 、そして表現型 Nals, Strs, Rifs, Thi-, Ara+, Gal+, Mtl-, F-, RecA+, Uvr+, Lon+を有する。 クローニングベクターpBluescript, pBluescribe 及び PCRscriptを、Stratageneから入手した。pCR2.1を、Invitrogenから入手した。 細菌発現ベクターpQE-30及び、pREP4を、QLAGENから入手した。 E. コリ株の形質転換を、Inoueなど., (Gene 96: 23-28, 1990) の方法に従って行った。DNA連結: DNA連結を、Amersham Ligation Kitを用いて、その製造業者により推薦される方法に従って行った。フラグメントの単離及び精製: フラグメントを一般的に、1%(w/v)アガロースゲル上で単離し、そしてQLAEX II Gel Extraction キット(QLAGEN)を用いて精製した。制限消化後のオーバーハング末端の修復: オーバーハング5’末端を、DNAポリメラーゼ(クレノウフラグメント)を用いて、標準のプロトコール(Sambrookなど., 1989, 前記)に従って修復した。オーバーハング3’末端を、T4 DNAポリメラーゼを用いて、標準のプロトコール(Sambrookなど., 1989, 前記)に従って修復した。核酸からのホスホリル基の除去: 典型的には、エビアルカリホスファターゼ(SAP)(USB)を用いて、その製造業者の推薦に従って、クローニングベクターからホスホリル基を除去し、再環化を妨げた。DNAプローブの32P-ラベリング: DNAフラグメント(50〜100ng)を、Gigaprimeキット(Geneworks)を用いて、50μCiの[α-32P]-dCTPにより放射性ラベルした。組み込まれなかった[α-32P]-dCTPを、Sephadex G-50 (Fine)カラム上でのクロマトグラフィー処理により除去した。プラスミド単離: ヘルパーファージR408(Stratagene)を、増幅されたλZAP cDNAライブラリーから、製造業者により記載される方法を用いて、ペチュニアcDNA挿入体を含むpBluescriptファゲミドを切り出すために使用した。E. コリXL1-Blueを、ファゲミド混合物によりトランスフェクトし、そしてコロニーを、100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート(Sambrookなど., 1989, 前記)上にプレートした。単一のコロニーを、アンピシリン(100μg/ml)(又は他の適切な抗生物質)を有するLBブイヨン(Sambrookなど., 1989, 前記)において増殖し、そしてアルカリ−溶解方法(Sambrookなど., 1989, 前記)又はWizardPlus SV minipreps DNA精製システム(PROMEGA)を用いて、プラスミドを単離することによって、cDNA挿入体について分析した。cDNA挿入体の存在が決定されるとすぐに、多量のプラスミドDNAを、QIAfilter Plasmid midiキット(QLAGEN)を用いて、50mlの一晩の培養物から調製した。DNA配列分析: DNA配列決定を、Applied BiosystemsからのABI PRISM (登録商標)BigDye(商標)Primer Cycle Sequencing Kitを用いて行った。製造業者により供給されるプロトコールは次の通りであった。サイクル配列決定反応を、Perkin Elmer PCR機械(GeneAmp PCR System 9600)を用いて行った。配列決定試験を、オーストラリアのメルボルンにあるWEHI(The Walter and Eliza Hall Institute of Medical Research)で、AGRF(Australian Genome Research Facility)により行った。 Genbank, SWISS-PROT及びEMBLデータベースに対する相同性研究を、FASTA及びTFASTAプログラム(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 : 2444-2448,1988)又はBLASTプログラム(Altschul など., J. Mol. Biol. 215 : 403-410, 1990)を用いて行った。%配列類似性を、LFASTAプログラム(Pearson and Lipman, 1988, 前記)を用いて得た。すべての場合、ヌクレオチド配列比較について6のktup値及びアミノ酸配列比較について2のktup値を、特にことわらない限り、使用した。 複数の配列一列整列及び系統樹プロットを、ClustalW (Thompsonなど. Nucl. Acids Res. 2: 4673-4680, 1994) を用いて生成した。 例3.植物形質転換アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)形質転換 使用される武装解除されたアグロバクテリウム・ツメファシエンス株は、AGLO(Lazoなど., Bio/technology 9:963-967, 1991)であった。 プラスミドDNAを、50mlのLB培養物(Sambrookなど., 1989, 前記)を接種し、そして28℃で振盪しながら、16時間インキュベートすることにより調製されたコンピテントAGL0細胞100μlに5μgのプラスミドDNAを添加することによって、アグロバクテリウムツメファシエンス株AGL0中に導入した。次に、細胞をペレット化し、そして85%(v/v)の100mMのCaCl2/15% (v/v)のグリセロール0.5mlに再懸濁した。DNA−アグロバクテリウム混合物を、液体窒素における2分間のインキュベーションにより凍結し、そして次に、37℃での5分間のインキュベーションにより融解した。次に、DNA/細菌混合物を、さらに10分間、氷上に配置した。 次に、細胞を、1mlのLB(Sambrookなど., 1989, 前記)培地と共に混合し、そして28℃で16時間、振盪しながらインキュベートした。プラスミドを担持するA. ツメファシエンスの細胞を、適切な抗生物質、例えば50μg/mlのテトラサイクリン又は100μg/mlのゲンタマイシン又は40μg/mlのカナマイシンを含むLB寒天プレート上で選択した。A. ツメファシエンスにおけるプラスミドの確認を、構成物質耐性形質転換体から単離されたDNAの制限エンドヌクレアーゼマッピングにより行った。ペチュニア・ハイブリダ形質転換: Holton など. (Nature, 366 : 276-279,1993) 又は Brugliera など., (Plant J. 5, 81-92,1994)に記載のようにして、当業界において良く知られているいずれかの他の方法により行った。(a)植物材料: P.ハイブリダcv VRの成熟植物からの葉組織を、1.25%(w/v)の次亜塩素酸ナトリウムにより2分間、処理し、そして次に、無菌水により3度すすいだ。次に、葉組織を、25mm2に切断し、そして0.05mg/lのキネチン及び1.0mg/lの2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)により補充されたMS培地(Murashige and Skoog, Physio. Plant 15 : 73-97,1962)上で24時間、予備培養した。(b)アグロバクテリウム及びペチュニア組織の同時培養: 二元ベクターを含むA. ツメファシエンス株AGLO(Lazoなど., 1991, 前記)を、適切な抗生物質を含むMG/L(Garfinkel and Nester, J. Bacteriol. 144 : 732-743,1980)又はLB寒天(Sambrookなど., 1989, 前記)プレート上で4℃で維持した。単一のコロニーを用いて、1%(w/v)のBacto−ペプトン、0.5%(w/v)Bacto−酵母抽出物及び1%(w/v)NaClを含む液体培養物を一晩、接種した。5×108個の細胞/mlの最終濃度を、次の日、B5ビタミン(Gamborg など., Exp. Cell Res. 50 : 151-158,1968)及び3%(w/v)のスクロース(BPM)を含む液体MS培地への希釈により調製した。 葉ディスクを、上記のようにして、形質転換されたAGLOを含むBPM中に2分間、浸潤した。次に、その葉ディスクを、吸着乾燥し、そして同時培養培地上に4日間、配置した。その同時培養培地は、0.05mg/lのキネチン及び1.0mg/lの2,4−Dにより補充されたSH培地(Schenk and Hildebrandt, Can. J. Bot. 50 : 199-204,1972)から成り、そしてタバコ細胞懸濁液の上部に配置されるフィルター紙により、同時培養培地上に広げられたタバコ細胞の供給層を含んだ。(c)トランスジェニックペチュニア植物の回収: 同時培養の後、葉ディスクを、3%(w/v)のスクロース、1mg/lのα−ベンジルアミノプリン(BAP)、0.1mg/lのα−ナフタレン酢酸(NAA)、2μg/lのクロルスルフロン(Chem Service)、350mg/lのセフォタキシム及び0.3%(w/v)のGelrite Gellam Gum (Schweizerhall)により補充されたMS培地(選択培地)に移した。再生外植体を、4週間後、新鮮な選択培地に移した。 クロルスルフロン選択を生存した偶発的な苗条を単離し、そして2μg/lのクロルスルフロン(Chem Service)及び200mg/lのセフォタキシムを含む、根誘発のためのBPMに移した。すべての培養物を、23±2℃で、16時間の光期間(60μモル・m-2, s-1の冷白色蛍光灯)下で維持した。根が2〜3cmの長さに達した場合、そのトランスジェニックペチュニア苗木を、8cmの管における、オートグレーブ処理されたDebco 51410/2鉢植用混合物に移した。4週間後、植物を、同じ鉢植用混合物を用いて15cmの鉢中に移し、そして23℃で、14時間の光期間(300μモルm-2、S-1水銀ハロゲン灯)下で維持した。ローザ・ハイブリダ形質転換: アメリカ特許第542,841 号(PCT/US91/04412) 又は Robinson and Firoozabady (Scientia Horticulturae, 55 : 83-99,1993), Rout など. (Scientia Horticulturae, 81 : 201-238, 1999) 又は Marchant など. (Molecular Breeding 4 : 187-194,1998)に記載のようにして、又は当業者において良く知られているいずれか他の方法による。 ローザ・ハイブリダの挿し木を、一般的にVan Wyk and Son Flower Supply, Victoria, Australia 又は Keisei Roses, Japanから得た。色彩コード: The Royal Horticultural Society's Color Chart (Kew, UK)を用いて、観察される色を説明した。それらは、観察される色の表現型を記載する他の手段を提供する。しかしながら、命名される番号は、みとめられる色のガイドとしてのみ取られるべきであり、そして得られる可能な色彩の制限として見なされるべきではない。構造体調製: 例4.前駆体又は最終生成物と共に切除された花弁のインキュベーション: 文献における報告は、天然において見出される、6種の主に存在するアントシアニジン(表6)のうち、個々のアントシアニジンの“青色”度が、アントシアニン“B”環におけるヒドロキシル化及び/又はメチル化パターンにより影響されることを示唆する。しかしながら、0.01%のHCl /MeOH(v/v)溶液においては、デルフィニジンがペオニジン又はマルビジンよりも高いλmaxを有し、そしてその結果、6種のアントシアニジンの最大青色であると思われる。 データは、Haslam (Practical Phenolics. From structure to molecular recognition and physiological action. Cambridge University Press, UK, 1998)により再考された。 実験を設定し、デルフィニジン又はそのメチル化された誘導体、すなわちマルビジンの生成がバラの花弁に新規の色を導くかどうかを決定した。バラの花弁がジヒドロミリセチンのデルフィニジンへの転換のために必要な酵素を含むかどうかを決定するために、ジヒドロミリセチンによる前駆体−供給実験を開始した。 バラの市販の栽培種(Toplesse, Lambada, Medeo, Pamela, Sonia, Oceana, Mystique)の選択の花弁セグメントを、2〜2mg/mlのジヒドロミリセチン又は水の溶液に入れて、そして約23℃の温度で、成長室において約16時間インキュベートした。ピンク/紫色を、花弁の切断縁近くに観察した(表7)。ピンク/紫セグメントにおけるアントシアニジンのTLC分析は、デルフィニジンの生成を示した。それらの結果は、バラのアントシアニン経路の酵素がまた、ジヒドロミリセチンをデルフィニジンに転換することを確かめた。 Toplesse及びLambadaからのバラ花弁を、続いてマルビジン3,5−ジグルコシドと共にインキュベートし、この新規アントシアニンが、デルフィニジン基材の色素の生成のためにフラボノイド3’5’−ヒドロキシラーゼ遺伝子及びマルビジン基材の色素への続く転換のためにフラボノイド3’5’−メチルトランスフェラーゼ遺伝子(又はフラボノイド3’−メチルトランスファーゼ及びフラボノイド5’−メチルトランスフェラーゼ遺伝子)の導入を通してバラにおいて生成される場合に得られる色を決定した。 バラの花弁セグメントを、1〜2mg/mlのマルビジン3,5−ジグルコシド、1〜2mg/mlのジヒドロミレクチン又は水のみの溶液に入れ、そして約23℃の温度で成長室において、約16時間インキュベートした。紫色範囲での色の生成を、ジヒドロミレクチン又はマルビジン3,5−ジグルコシドとのインキュベーションに基づいて花弁の切断縁近くで観察した(表8)。しかしながら、同じバラのバックグランドにおけるマルビジンの蓄積に対しての、バラの花弁におけるデルフィニジンの生成により観察される色の直接的な比較は、マルビジン色素がより青の強い色をもたらしたことを示した。再構成実験: バラの花弁抽出物及び種々のアントシアニンによる再構成実験を行い、デルフィニジン又はマルビジン基材の色素の生成に基づいてバラに生成される色を予測した。 バラ栽培種Medeoは一般的に、クリーム色〜淡柑子色の花を生成する(RHSCC 158C〜159A)。Medooバラ花弁に蓄積するアンドシアニジン及びフラボノールのHPLC分析は、花弁が高レベルのフラボノール(2.32mg/gのケンフェロール、0.03mg/gのクエルセチン)、及び非常に低レベルのアントシアニン(0.004mg/gのシアニジン、0.004mg/gのペラルゴニジン)を蓄積することを示した。 Medeo花弁の推定される液胞pHは、約4.6である。Medooバラの花弁ジュースを、水50μlと共に1枚の花弁を、乳鉢及び乳棒を用いて微粉砕することにより抽出した。花弁ジュースを集め、そして10〜20μlの1〜2mg/gのでフィニジン3−グルコシド、デルフィニジン3,5−ジグルコシド及びマルビジン3,5−ジグルコシドと共に混合した。観察される色を、Royal Horticultural Society Color Charts (RHSCC) (The Royal Horticultural Society, London)に従って記載した(表9)。 λmax 値(表6)に基づいて、バラ花弁におけるデルフィニジン色素の生成が、マルビジン色素の生成よりも、より青の色をもたらすことが推定される。しかしながら、上記に詳細された供給及び再構成実験から、バラ花弁におけるマルビジン基材の色素の生成が、デルフィニジン基材の色素の生成よりも、より青の色を誘導するであろうことは明白である。 例5.ペチュニア・ハイブリダからの部分S−アデノシル−L−メチオニン:フラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)cDNAクローンの単離P. ハイブリダcv. V26花弁cDNAライブラリーの構成及びスクリーニング: cDNAライブラリーを、V26(An1+)(Kroonなど., Plant J. 5-69-80, 1994)の花冠周辺組織からのmRNAに基づいて構成した。約30,000pfuのV26植物cDNAライブラリーを、90mmのプレート当たり800pfuの密度でプレートした。それらの重複リフトを、Hybond-N膜(Amersham)上に取り、そして製造業者により推薦されるようにして処理した。フィルターを、An1+(V26)及びan1+系(W162)からの第1鎖cDNAによりハイブリダイズした。 ハイブリダイゼーションは、50%(v/v)のホルムアミド、5×SSPE、5×Denhardt’s, 0.1% (w/v)のSDS、100μg/mlのニシン精子DNAにおける42℃での3時間のプレハイブリダイゼーション段階を包含した。ハイブリダイゼーションのために、1.0×108cpmの32P−ラベルされた第1鎖cDNA及び100μgのポリ(A)を添加し、そしてインキュベーションを42℃で16〜48時間、続けた。フィルターを、1×SSC/0.1% (w/v)のSDSにより60℃で30分間、洗浄し、そして次に、Kodak XARフィルムに3〜4日間、暴露した。30,000のうち270のプラーク形成単位(pfu)が、an1- cDNAプローブに対してよりもAn1+ cDNAプローブに対して実質的にハイブリダイゼーションを示した。 それらのうち、前もってクローン化された色素形成遺伝子(chs, chi及びdfr)に対してハイブリダイズしなかった35を、均質性まで精製した。対様交差−ハイブリダイゼーションは、それらの35のクローンが7種の異なった遺伝子−difA, difC, difE, difF, difG, difH及びdifIを表すことを示した。続いて、difG遺伝子は、ペチュニア・ハイブリダのRt遺伝子を表すことが示された(Kroonなど., 1994, 前記)。残る6種の発現プロフィールは、difGの空間的、一時的及び遺伝子制御に類似するそれらを示すことが示された(kroonなど., 1994, 前記)。 続いて、difCクローンは、ペチュニア・ハイブリダのアントンアニジン3−ルチノシドアシルトランスフェラーゼ(AR-AT)遺伝子を表すことが示された(国際出願番号PCT/AU01/00358号;国際公開番号WO001/72984号)。 difEクローンは、約1kbであることが示されており、そしてプラスミドはpCGP1903として割り当てられた(図2)。difE cDNAクローン(配列番号1)(pCGP1903に含まれる)の完全な配列を、ランダムにオーバーラップするクローンの生成のための標準方法を用いて得られる異なったpUC18サブクローンからの配列の編集により決定した(Sambrookなど., 1989, 前記)。GenBankデータベースにおける配列に対する研究は、カフェオイル−CoA O−メチルトランスフェラーゼmRNAに対する類似性を示した(例えばメセンブリアンサーマム・クリスタリナム(Mesembryanthenum crystallinum)カフェオイル−CoA O−メチルトランスフェラーゼ(AF053553)の92bの範囲に対して84%の同一性)。 RFLP分析は、difEクローンが染色体V上のHf2及びPo遺伝子座(Po遺伝子座を有する33の植物のうち5つの交差及びHf2を有する34の植物のうち8つの交差)に対して連結され、そしてその結果、Mt2又はMf2遺伝子のための候補体であったことを示した。続いて、RNAゲルブロットを、種々のMf及びMt変異体に対して行い、そして4種の二重変異体(mf1-, mf2-, mt1-, mt2-)がdifEにハイブリダイズする転写体を欠いており、そして1又は複数のそれらの遺伝子座のために優占した系はdifE転写体を含んだことが示された。これは、difEクローンがフラボノイドメチルトランスフェラーゼをコードし、そして異なったFMT転写体がクロスハイブリダイズすることを示唆した。difEクローンをさらなる分析のために選択した。 例6.ペチュニア・ハイブリダcv. Old Glory Blue (OGB)からの十分な長さのFMT cDNAクローンの単離:OGB花弁cDNAライブラリーの構成: 全RNAを、Turpen and Griffith (BioTechniques 4: 11-15, 1986) の方法を用いて、P. ハイブリダcv. Old Glory Blue (OGB) 段階3〜4の花の花弁組織から単離した。ポリ(A)+ RNAを、前記全RNAから、オリゴ−dTセルロースクロマトグラフィーの3回のサイクルにより選択した(Aviv and Leder, Proc. Natl. acad. Sci. USA 69: 1408, 1972)。 2μgのポリ(A)+RNAを、1×Superscript(商標)反応緩衝液、10mMのジチオトレイトール、500μMのdATP, 500μMのdGTP, 500μMのdTTP, 500μMの5−メチル−dCTP、 0.75μgのオリゴヌクレオチド(5’ GAGAGAGAGAGAGAGAGAGATCTCGAGTTTTTTTTTTTTTTTTTT)[配列番号3]、及び2μlのSuperscript(商標)逆転写酵素(BRL)を含む反応体20μlにおいて逆転写した。その反応混合物を、37℃で50分、44℃で10分インキュベートし、そして次に、氷上に置いた。 第2鎖反応混合物(140μl)を、第1鎖反応混合物に添加した。前記第2鎖反応混合物は、21mMのトリス−HCl、104mMのKCl、5.3mMのMgCl2、171μMのβ−NAD、11.4mMの (NH4)2SO4, 214 μMのdATP, 642μMのdCTP, 214μMのdGTP, 214μMのdTTP, 4mMのDTT、10μCiの32P−dCTP (3000Ci/mモル)、15単離のE. コリDNAリガーゼ、40単位のE.コリDNAポリメラーゼI(Boehringer)及び0.8単位のRNアーゼHから構成された。最終混合物を、16度で150分間インキュベートした。二本鎖cDNAをフラント末端化するために、10単位のT4 DNAポリメラーゼを添加し、そして反応を16℃でさらに15分間、続けた。反応を停止し、そしてcDNAを、フェノール/クロロホルム抽出、続いてのクロロホルム抽出及びエタノール沈殿により精製した。 EcoRIアダプター(Promega)を、cDNAに連結し、そして次に、製造者により推薦される条件を用いてキナーゼ処理した。酵素を、熱(70℃、20分)により変性し、そしてDNAを、フェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿により精製した。cDNAを、100μlの反応体積での50単位のXho1制限エンドヌクレアーゼ(Boehringer Mannbeim)により、製造業者により推薦される条件を用いて消化した。酵素を熱殺害し(70℃、20分)、そしてその混合物を、STE緩衝液により平衡化されたS400回転カラム (Pharmacia)に通した(Sambrookなど., 1989, 前記)。溶離物を、フェノール/クロロホルム抽出し、そしてエタノール沈殿した。4℃での30分の超小型遠心分離の後、得られるcDNAペレットを、70%(v/v)エタノールによりすすぎ、空気乾燥し、そして10μlのTE緩衝液(1mMのトリス−HCl(pH7.5)、1mMのEDTA)に再懸濁した。 再懸濁されたcDNA混合物の2.5μlアリコートを、50mMのトリス−HCl(pH7.0)、10mMのMgCl2、10mMのジチオトレイトール、1mMのATP及び2単位のT4 DNAリガーゼから成る反応緩衝液5μl中、1μgのλZAPII EcoRI/XhoI/CIAP (ウシ腸アルカリホスファターゼ)処理されたベクター(Stratagene)により連結した。反応は、4℃で4日間、行われた。 室温での2時間の続くインキュベーションの後、連結反応混合物を、Packageneシステム(Promega)を用いてパッケージングした。組換え体の合計数は、1×106pfuであった。 PLK-F細胞のトランスフェクションの後、パッケージングされたλZAPII/cDNAを、15cmの直径のペトリプレート当たり50,000pfuでプレートした。プレートを、37℃で8時間インキュベートし、そしてファージを、100mMのNaCl、8mMのMgSO4、50mMのトリス−HCl(pH8.0)、0.01%のゼラチン(Phage Storage Buffer (PSB))に溶出した。クロロホルムを添加し、そしてファージを、増幅されたライブラリーとして4℃で貯蔵した。 増幅されたライブラリーの40,000pfuを、XL1−Blue MRF細胞をトランスフェクトした後、15cmのプローと当たり20,000pfuの密度でNZYプレート(Sambrookなど., 1989, 前記)上にプレートし、そして37℃で8時間インキュベートした。4℃での一晩続くインキュベーションの後、重複リフトを、Colony/Plaque Screen(商標)フィルター(DuPont)上に取り、次に製造業者により推薦されるようにして処理した。OGBライブラリーのスクリーニング: ハイブリダイゼーションの前、重複プラークリフトを、予備−洗浄溶液(50mMのトリス−HCl、pH7.5、1MのNaCl、1mMのEDTA、0.1%(w/v)のサルコシン)により、65℃で30分間、洗浄し;0.4Mの水酸化ナトリウムにより65℃で30分間、停止し;次に0.2Mのトリス−HCl、pH8.0、0.1×SSC、0.1%(w/v)のSDSの溶液により65℃で30分間、洗浄し、そして最終的に、2×SSC、1.0(w/v)のSDSによりすすいだ。 OGB花弁cDNAライブラリーからの重複リフトを、pCGP1903からのEcoRI/XhoI difEフラグメントの32P−ラベルされたフラグメントによりスクリーンした(図2)。 ハイブリダイゼーション条件は、50%(v/v)のホルムアミド、1MのNaCl、10%(w/v)の硫酸デキストラン、1%(w/v)のSDSにおける、42℃での少なくとも1時間のプレハイブリダイゼーション段階を包含した。次に、32P−ラベルされたフラグメント(1×106cpm/mlでの)を、ハイブリダイゼーション溶液に添加し、そしてハイブリダイゼーションを42℃でさらに16時間、続けた。次に、フィルターを、2×SSC、1%(w/v)のSDSにより42℃で2×30分間、洗浄し、続いて、0.2×SSC、1%(w/v)のSDSにより65℃で30分間、洗浄し、そして−70℃で4時間、増幅スクリーンを伴って、Kodak XARフィルム暴露した。 45のハイブリダイジングプラーク(E1〜E45として命名される)を、PSB中に採取した。それらを、cDNAライブラリーの初期スクリーニングについて記載のようなハイブリダイゼーション条件を用いて、再スクリーンし、純粋なクローンを単離した。λZAPバクテリオファージベクターに含まれるプラスミドを獲得し、そして配列データを、cDNA挿入体の3’及び5’末端から生成した。それらのうち、E20及びE33は、最長のcDNAクローン(それぞれ、約1.0kb又は9.9kb)を表し、そしてプラスミドをpCGP1907及びpCGP1908と命名した(それぞれ、図3及び4)。 E20及びE33 cDNAクローンの完全なヌクレオチド配列(配列番号4及び6)(それぞれ、pCGP1907及びpCGP1908を含む)を、特定のペチュニアMTプライマー1903F(5’ CTT GCT TTG CCA GAA GAT GG 3’)[配列番号8]と共に、市販のM13逆プライマー及びM13-21プライマーを用いて生成された配列の編集により決定した。E20 cDNAクローンは、888bpの長さであり、そして263個のアミノ酸の推定上のポリペプチド(配列番号5)をコードする、789塩基の推定上の読み取り枠を含んだ。E20配列は、difE配列に比較して、追加の27bpの5’未翻訳配列及び96bpの3’未翻訳配列の削減を有するE20 cDNAクローンと822pbにわたってdifE配列と同一である。 E33配列は、1076bpの長さであり、そして位置469でイン−フレーム停止コドンを含んだ(配列番号6)。E20配列は、ヌクレオチドレベルでE33配列と797bpにわたって82%の同一性を共有する。E33ヌクレオチド配列とE20配列との一列整列は、イン−フレーム停止コドンをもたらすE33配列に明らかな2つのヌクレオチド(“CT”)欠失を示した。OGB栽培種におけるE33クローンは突然変異誘発された遺伝子から誘導された。E33クローンにより表される突然変異誘発されていない遺伝子の推定されるアミノ酸配列を試験するために、2つのヌクレオチド(”CT”)を、E33配列に付加し、E33−補正されたヌクレオチド配列(配列番号26)を生成した。推定されるアミノ酸配列は、配列番号7により表される。E33−補正されたアミノ酸配列は、243個のアミノ酸オーバーラップにわたってE20配列と82%の同一性を共有した。 GenBankデータベースにおける配列に対するE20の翻訳されたヌクレオチド配列の比較は、種々のカフェオイル−CoA 3-O-メチルトランスフェラーゼに対する類似性を示した。例えば、ポプラス・キタカミエンシス(Populus kitakamiensis)(GenBank受託番号AB000408)からのカフェオイル−CoA 3-O-メチルトランスフェラーゼと227個のアミノ酸にわたって60%の同一性、及びペトロセリナム・クリスパム(Petroselinum crispum)(Genbank受託番号A40975)からのトランス−カフェオイル−CoA 3-O-メチルトランスフェラーゼ(CCOFMT)(CCOAOMT)の238個のアミノ酸にわたって53%の同一性が示された。 例7.E.コリにおいて発現されるペチュニアFMT(E20)cDNAクローンのメチルトランスフェラーゼ活性: ペチュニアE20 cDNAクローンが機能的FMTをコードするかどうかを確かめるために、それを、E. コリ発現システムにおいて発現し、そしてFMT活性についてアッセイした。pQE30 E. コリ発現ベクター中へのE20のクリーニング(pCGP3086の構成): E. コリ発現ベクターpQE30 (QLAGEN)中にペチュニアE20クローン(PFMT)をクローン化するためには、BamHI制限エンドヌクレアーゼ部位が翻訳開始ATGで必要とされ、そしてPstI制限エンドヌクレアーゼ部位が推定上の停止コドンのすぐ3’側で必要とされる。 オリゴヌクレオチド1907BamHI F (配列番号9)及び1907 PstI R (配列番号10)(表9)を、プライマーとして、及びpCGP1907を鋳型として使用し、開始AUGの代わりにBamHI制限エンドヌクレアーゼ認識部位、及び推定上の停止コドンのすぐ後のPstI制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有するペチュニアFMTクローン(E20)を増幅した。PCR条件は、次のものを包含した:5μlの10×PfuTurba DNAポリメラーゼ緩衝液(Stratagene)、2μlの10mMのdNTP, 2μlの20μg/μlの1907BamHI F(配列番号9)、2μlの20μg/μlの1907PstI R(配列番号10)、1μlの1μg/μlのpCGP1907鋳型、37μlの純粋水及び1μlのPfuTarbo DNAポリメラーゼ(Stratagene)。PCRを、95℃で5分、続いて94℃で30秒、60℃で30秒及び72℃で1分間(30サイクル)インキュベートし、そして次に、最終的に、72℃で10分間インキュベートし、続いて4℃で貯蔵した。 得られるPCR生成物を、1%(w/v)アガロースゲルを通して電気泳動し、そして0.72kbのバンドを単離し、そしてQLAEX II Gel Extractionキット(QLAGEN)を用いて、製造業者の推薦に従って精製した。次に、単離された生成物を、制限エンドヌクレアーゼPstIにより消化した。その消化生成物を、QLAquick PCR精製キット(QLAGEN)を用いて精製し、そして次に、制限エンドヌクレアーゼBamHIにより消化した。最終的に,BamHI/PstI消化された生成物を、QLAquick PCR精製キット(QLAGEN)を用いて精製し、そして続いて、DNA Ligationキット(Amersham)を用いて、製造業者の推薦に従って、pQE30ベクター(QLAGEN)のBamHI/PstI端により連結した。形質転換体を、BamHI/PstI制限エンドヌクレアーゼ消化を用いて、特定の0.72kbの挿入体の存在について分析した。挿入体の配列を、pQE Sequencing-Primer Set (QLAGEN)を用いて、配列分析により確かめた。得られるプラスミドを、pCGP3086 (pQE30におけるmut-E20) として命名した(図5)。 1907BamHI(配列番号9)及び1907PstR(配列番号10)オリゴヌクレオチドを、PCRにおけるプライマーとしての使用、及びpQE30中への生成物の続くクローニングの結果として、ペチュニアE20クローンの配列を、コードされるポリペプチドの推定上の開始メチオニン近くに変更した。結果として、その推定上の開始メチオニン近くの予測されるアミノ酸を、“M T G K T A H P”から“M R G S H H H H H H G S T G K T A H P”に変更した。 製造業者によれば、6×His−標識は、ほとんどの他の親和性標識よりも小さく、そして生理学的pHで電荷されていない。それは、タンパク質免疫原性をめったに変更せず、又はそれに寄与せず、タンパク質構造又は機能をめったに妨げずに、分泌を妨げず、プロテアーゼ分解による除去を必要とせず、そして変性緩衝システムと適合できる。(QLAGENウェブサイト、http://www.qiagen.com)。 E20クローンのメチルトランスフェラーゼ活性の分析のために、pCGP3086を続いて、E. コリM15(pREP4)(QLAGEN)細胞中に、Inoueなど., 1990, 前記の方法に従って導入した。 100μg/mlでアンピシリンを含むLB(LB/Amp100)10mlを、M15/pREP4細胞中、単一コロニーのpCGP3086により接種し、そして振盪しながら37℃で16時間インキュベートした。次に、この培養物1mlを用いて、25mlのLB/Amp100を接種した。培養物を、600nmでの吸光度(A600)が0.5〜0.7になるまで、約2時間、振盪しながら37℃でインキュベートした。次に、IPTG(イソ−プロピル−β−D−チオガラクトシド)を添加し、1mMの最終濃度し、そして培養物をさらに、振盪しながら、37℃でインキュベートし、そしてIPTGの添加後、0, 1, 2及び5時間で、1.5mlのアリコートを除いた。 続いて個々のアリコートに含まれる細胞を、遠心分離によりペレット化し、そして次に、8Mのウレア変性緩衝液(8Mのウレア、0.1MのNaH2PO4、0.01Mのトリス−HCl、pH8)50μlに再懸濁した。溶解物を、室温で10分間、14.000rpmで遠心分離し、細胞残骸をペレット化した。粗タンパク質抽出物を、10%グリセロール、3%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3%β−メルカプトエタノール(BME)及び0.025%のブロモフェノールブルーにおける煮沸により変性し、そして次に、25mMのトリス−HCl、pH8.3、192mMのグリシン、0.1%(w/v)のSDSから製造される実験用緩衝液中、前もって形成されたSDS PAGEゲル(12%分解、4%積層ゲル)(Ready Gels, BIORAD)を通して、120Vで80分間、電気泳動した。標準は、116kDa, 80kDa, 5.8kDa及び34.7kDaの標準タンパク質サンプルを含む、前もって染色されたLow Rangeマーカー(BIORAD)を含んだ。 タンパク質を、クーマシーブリリアントブルー(CBB)(0.25%(w/v)のCBB, 45%(v/v)のメタノール、10%(v/v)の酢酸)による染色により可視化した。ペチュニアFMT(E20)タンパク質のHis−標識融合体について予測されるサイズの強く染色するバンドを、27.5kDaで検出した。重複SDS−PAGEゲル上でのタンパク質をまた、25mMのトリス−HCl、pH8.3、20%メタノール及び292mMのグリシンの緩衝液において、4℃で60分間、100VでImmun-blot PVDF膜(BIORAD)にエレクトロトランスファーした。pCGP3086におけるE20 cDNAクローンによりコードされる特異的タンパク質に融合されるHis−標識の存在を、製造業者の説明書に従ってのNi-NTA-AP接合体(QLAGEN)による検出により確かめた。27.5kDaであると推定される強く染色するタンパク質バンドを検出し、組換えE20タンパク質の存在及びその高いレベル発現を確かめた。それらの検出条件下で、pQE30対照においてはバンドは見えなかった。粗タンパク質抽出物の調製: 100μg/mlでのアンピシリン及び25μg/mlでのカナマイシンを含むLB(LB/Amp100+Kan25)10mlを、M15(pREP4)細胞中、単一コロニーのpCGP3086又はpQE30により接種した。培養物を、振盪しながら、30℃で16時間インキュベートした。次に、この培養物2.5mlを、25mlの新鮮なLB/Amp100+Kan25に添加し、そして新しく接種された培養物を、0.5〜0.7のA600に達するまで、振盪しながら、30℃でインキュベートした。次に、IPTGを添加し、1mMの最終濃度にし、そして培養物をさらに、振盪しながら、30℃で8時間インキュベートした。 細胞を、4℃で10分間、3500rpmでの遠心分離によりペレット化した。ペレットを、0.1MのNaPi, pH7.5, 4mMのMgCl2溶液1mlに再懸濁した。次に、新しく調製されたリゾチームを添加し、1mg/mlの最終濃度にし、そしてその混合物を30分間、氷上でインキュベートした。次に、その混合物を、出力2〜3で、10秒の2回のバーストにより音波処理し、そして次に、30分間、氷上でインキュベートした。細胞残骸を、4℃で20分間、14,000rpmでの遠心分離によりペレット化した。上清液を、NAP-10カラム(Pharmacia)に通し、そしてサンプル1.5mlを、0.1MのNaPi, pH7.5, 4mMのMgCl2溶液に集めた。メチルトランスフェラーゼ活性: pCGP3086に含まれるペチュニアE20クローンの酵素活性をまず、Jonssonなど. (1983)前記に記載のようなアッセイ条件下で、基質デルフィニジン3−グルコシド及びデルフィニジン3−ルチノシドを用いて評価した。 メチルトランスフェラーゼアッセイを、50μlの合計反応体積において、表11に従って設定した。 アッセイ反応を、30℃で30分間インキュベートした。50μlのクロロホルム混合物(CHCl3:メタノール/1%HCl、2:1)を添加し、そして次に、その混合物をかき混ぜ、反応を停止した。相を、13,000rpmでの15分間の遠心分離により分離し、そして上部相50μlを、きれいな管に移し、そして続いて、内容物を、12.5μlの10MのHClの添加により加水分解した。次に、管を、煮沸水浴に30分間、配置し、そして続いて、内容物を真空下で乾燥した。残留物を、2〜3μlのメタノール/1%HClに再懸濁し、そしてペチュニジン、マルビジン及びデルフィニジンの標準サンプルと共に、TLCプレート上にスポットした。アントシアニジンを、Forestalシステム(HOAc:水:HCl;30:10:3)(Markham, Techniques of flavonoid identification., Academic Press, London, 1982)において分離し、そしてTLCを、オートラジオグラフィーフィルム(Kodak)に、-70℃で16時間、暴露した。 ペチュニジン及びマルビジン、すなわちデルフィニジンのメチル化された誘導体を、基質D3R又はD3Gと共に、pCGP3086細胞からの粗均質物を用いて、アッセイ反応において検出した(管8及び9、表12)。pQE30細胞からの粗均質物を用いての(管1〜5、表12)又は添加される粗均質物を有さない(管6及び7、表12)アッセイ反応において、又は14C−SAMの添加を伴わないでの(管10及び11、表12)アッセイ反応において、ペチュニジン及びマルビジンの検出できる生成は存在しなかった。E.コリ発現システムにおけるE20 cDNAクローンの発現により得られる結果は、ペチュニアからのE20 cDNAクローンが、3’−メチル化された誘導体、ペチュニジン及び3’5’−メチル化された誘導体、マルビジンを生成するために、メチルドナーとしてSAMを用いて、デルフィニジン3−グルコシド及びデルフィニジン3−ルチノシドをメチル化できるFMTをコードすることを示唆する追加の証拠を提供する。 例8.植物におけるFMTのアンチセンス発現: ペチュニアFMTクローン(E20及びE33)をそれぞれ、Macプロモーター(Comaiなど., 1990, 前記)の後に、アンチセンス配向でクローン化し、そして紫色の開花したVRペチュニアハイブリッド系中に導入した。pCGP40の構成: pCGN7334からのBamHI−SacI制限エンドヌクレアーゼフラグメントとしてGUS遺伝子(Jeffersonなど., EMBO J. 6(13): 3901-3907, 1987)を除去し、そしてそれを、複数クローニング部位を含むpBluescribe M13-からのBamHI−SAcI制限エンドヌクレアーゼフラグメントにより置換することによって、プラスミドpCGP40を構成した。Calgene Inc. (CA, USA) から入手されたプラスミドpCGN7334を、Mac: GUS: mas 3’遺伝子融合体を含むフラグメントを、pCGN7329 (Comaiなど., Plant Molecular Biology 15: 373-381, 1990)のXhoI制限エンドヌクレアーゼ部位中に挿入することによって構成した。pCGP1910及びpCGP1911の構成: プラスミドpCGP1910及びpCGP1911を、pCGP1907及びpCGP1908(図3及び4)からのそれぞれのcDNA挿入体を、pCGP40のMacプロモーター(Comaiなど., 1990, 前記)の後にアンチセンス配向でクローニングすることによって構成した。pCGP40におけるGUSコード領域を、SacI/Asp718制限エンドヌクレアーゼによる消化により除去した。Macプロモーター及びmasターミネーターを含むベクターを、GeneCleanキット(Bresatec)を用いて精製し、そしてそれぞれpCGP1907及びpCGP1908から開放されるペチュニアE20及びE33 cDNAフラグメントのSacI/Asp718制限エンドヌクレアーゼ端により連結した。pCGP1910及びpCGP1911におけるE20及びE33挿入体の正しい挿入を、クロラムフェニコール耐性形質転換体から単離されたDNAのSacI/Asp718制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。 プラスミドpCGP1918(図6)及びpCGP1919(図7)を、プラスミドpCGP1910及びpCGP1911からのそれぞれMac:ペチュニアE20:mas 3’及びMac:ペチュニアE33:mas 3’発現カセットを、Ti二元ベクターpWTT2132 (DNAP)中にクローニングすることによって構成した。ペチュニアE20及びE33キメラ遺伝子を、BglIIによるプラスミドの制限エンドヌクレアーゼ消化に基づいて、pCGP1910及びpCGP1911から単離し、そして得られる5’オーバーハングを、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを用いて修復した。ペチュニアE20及びE33キメラ遺伝子を、Bresaclean Kit (Bresatec)を用いて精製し、そして次に、二元ベクターpWTT2132の脱リン酸化されたSmaI末端により連結した。フラグメントの正しい連結を、テトラサイクリン耐性E. コリ形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ消化により確立した。得られるプラスミドを、それぞれpCGP1918(図6)及びpCGP1919(図7)として命名した。P. ハイブリダにおけるFMT活性のアンチセンス抑制: プラスミドpCGP1918(図6)及びpCGP1919(図7)をそれぞれ、アグロバクテリウム・ツメファシエンス株AGLO中に別々に導入した。プラスミドpCGP1918(図6)及びpCGP1919(図7)に含まれるT−DNAを、P.ハイブリダcv. VR中に、アグロバクテリウム介在性形質転換により、別々の実験において導入した。pCGP1918/VR及びpCGP1919/VRペチュニア植物のトランスジェニック分析: 独立したトランスジェニック植物を生成し、そして開花まで成長せしめた。植物の選択は、紫色のVR対照とは異なる、濃桃色の花を生成した。トランスジェニック植物の花に蓄積する色素を、HPLCにより分析した(表13)。アントシアニジンの抽出: HPLC分析の前、花弁及び雄ずい抽出物に存在するアントシアニン及びフラボノール分子を、酸加水分解し、アントシアニジン又はフラボノールコアーからグリコシル成分を除去した。アントシアニジン及びフラボノール標準を用いて、植物抽出物に存在する化合物の同定を助けた。 反応混合物におけるアントシアニジンを、次のグラジエント条件を用いてのグラジエント溶離によるHPLCにより分析した:50%B〜60%B、10分、次に、60%B、10分及び最終的に、60%B〜100%B、5分;ここで溶媒AはTFA:水(5:995)から成り、そして溶媒Bはアセトニトリル:TFA:水(500:5:495)から成る。Asahi Pac ODP-50カートリッジカラム(250mm×4.6mm ID)を、逆相クロマトグラフィー分離のために使用した。流速は1ml/分であり、温度は40℃であった。アントシアニジン化合物の検出を、400〜650nmで、Shimadzu SPD-M6A三次元検出器を用いて行った。 アントシアニジンピークを、既知の標準、すなわちデルフィニジン、ペチュニジン、マルビジン、シアニジン及びペオニジンにより同定した。 ペチュニアE20(pCGP1918における)及びE33(pCGP1919における)のアンチセンス発現は、アントシアニン組成物における付随する変化を伴って、紫色から濃桃色又は赤−紫色への花の色の変化を導いた。一般的に、VR対照ペチュニアの花は、マルビジン(デルフィニジンの3’, 5’メチル化された誘導体)を優先的に蓄積する(合計アントシアニジンの約80%)(表14)。アンチセンスペチュニアE20遺伝子を含むトランスフェニック系9724は、デルフィニジンである優先的なアントシアニンを有する濃桃色の花を生成し、このことは、アンチセンスE20遺伝子の発現が3’5’−メチルトランスフェラーゼ活性に影響を及ぼしたことを示唆する。アンチセンスペチュニアE33遺伝子を含むトランスジェニック系10177は、デルフィニジン及びペチュニジンである優先的なアントシアニンを有する赤−紫色の花を生成し、このことは、アンチセンスE33遺伝子の発現がまた、3’5’−メチルトランスフェラーゼ活性に影響を及ぼしたことを示唆する。 例9.トレニアからのFMT cDNAクローンの単離:トレニア花弁cDNAライブラリーの調製: λZAPII(EcoRI/XhoI指向的な)キット(Stratagene)を用いて、トレニア・ハイブリダcv. Summerwave (Suntory Ltd.)の新芽の花弁から単離されたRNAからcDNAライブラリーを、製造業者により推薦される条件に従って調製した。 約200,000のpfuを、Tanakaなど., (Plant Cell Physial 37: 711-716, 1996) により記載されるような低い緊縮条件を用いて、pCGP1907 (図3)からのDIG−ラベルされたペチュニア(E20)cDNAクローンによりスクリーンした。20のハイブリダイズするプラークをPSBに採取した。それらをcDNAライブラリーの初期スクリーニングについて記載されるようなハイブリダイゼーション条件を用いて、再スクリーンし、精製されたプラークを単離した。λZAPIIバクテリオファージベクターに含まれるプラスミドを獲得し、そして配列データを、cDNA挿入体の3’及び5’末端から生成した。それらのうち、TFMTは最長のcDNAクローン(約1kb)を表し、そしてそのプラスミドをpTMT5として命名した(図8)。 トレニアFMT cDNAクローン(TFMT)の完全な配列(配列番号11)を、ランダムにオーバーラップするクローンの生成においての標準の方法(Sambrookなど., 1989, 前記)を用いて得られた種々のpUC18サブクローンからの配列の編集により決定した。その配列は、1021個の長さの塩基であることが決定され、そして240個のアミノ酸の推定上のポリペプチドをコードする読み取り枠を含む(配列番号12)。TFMTクローンは、ヌクレオチドレベルでペチュニアE20配列(配列番号4)と50%の同一性、及びペチュニアE33配列(配列番号6及び26)と51%の同一性を共有した。トレニアFMTクローン(TFMT)の推定されるアミノ酸配列は、ペチュニアFMT(E20)クローン(配列番号5)のアミノ酸配列と、アミノ酸レベルで56%の同一性及び70%の類似性を共有した。トレニアFMTクローン(TFMT)の推定されるアミノ酸配列は、ペチュニアFMT(E33−補正された)クローン(配列番号7)のアミノ酸配列と、アミノ酸レベルで69%の同一性及び82%の類似性を共有した。E. コリにおいて発現されるトレニアFMT cDNAクローンのメチルトランスフェラーゼ活性: トレニアFMT cDNAクローン(TFMT)をまた、E. コリ発現システム(例7において使用されるそれに類似する)において発現し、そしてFMT活性についてアッセイした。pQE30 E. コリ発現ベクター中へのトレニアFMTのクリーニング(pCGP3090の構成): E. コリ発現ベクターpQE30 (QLAGEN)中にトレニアFMT cDNAクローンをクローン化するためには、BamHI制限エンドヌクレアーゼ部位が翻訳開始ATGで必要とされ、そしてPstI制限エンドヌクレアーゼ部位が推定上の停止コドンのすぐ3’側で必要とされる。 オリゴヌクレオチドTMT5.BamHI F (配列番号13)及びTMT5.PstI R (配列番号14)(表14)を、プライマーとして、及びpTMT5を鋳型として使用し、開始AUGの代わりにBamHI制限エンドヌクレアーゼ認識部位、及び推定上の停止コドンの3’ 側にPstI制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有するトレニアFMT cDNAクローンを増幅した。 PCR条件は、次のものを包含した:5μlの10×PfuTurba DNAポリメラーゼ緩衝液(Stratagene)、2μlの10mMのdNTP, 2μlの20μg/μlのTMT5.BamHI F(配列番号13)、2μlの20μg/μlのTMT5.PstI R(配列番号14)、1μlの1μg/μlのpCGP1907鋳型、37μlの純粋水及び1μlのPfuTarbo DNAポリメラーゼ(Stratagene)。PCRを、95℃で5分、続いて94℃で30秒、60℃で30秒及び72℃で1分間(30サイクル)インキュベートし、そして次に、最終的に、72℃で10分間インキュベートし、続いて4℃で貯蔵した。 得られるPCR生成物を、1%(w/v)アガロースゲルを通して電気泳動し、そして0.72kbのバンドを単離し、そしてQLAEX II Gel Extractionキット(QLAGEN)を用いて、製造業者の推薦に従って精製した。次に、単離された生成物を、制限エンドヌクレアーゼPstIにより消化した。その消化生成物を、QLAquick PCR精製キット(QLAGEN)を用いて精製し、そして次に、制限エンドヌクレアーゼBamHIにより消化した。最終的に,BamHI/PstI消化された生成物を、QLAquick PCR精製キット(QLAGEN)を用いて精製し、そして続いて、DNA Ligationキット(Amersham)を用いて、製造業者の推薦に従って、pQE30ベクター(QLAGEN)のBamHI/PstI端により連結した。形質転換体を、BamHI/PstI制限エンドヌクレアーゼ消化を用いて、特定の0.72kbの挿入体の存在について分析した。挿入体の配列を、pQE Sequencing-Primer Set (QLAGEN)を用いて、配列分析により確かめた。得られるプラスミドを、pCGP3090 (pQE30におけるmut-TFMT) として命名した(図9)。 TMT5.BamHI F(配列番号13)及びTMT5.PstI R(配列番号14)オリゴヌクレオチドを、PCRにおけるプライマーとしての使用、及びpQE30中への生成物の続くクローニングの結果として、トレニアFMTクローンの配列を、コードされるポリペプチドの推定上の開始メチオニン近くに変更した。結果として、その推定上の開始メチオニン近くの予測されるアミノ酸を、“M K D K F Y G T”から“M R G S H H H H H H G S K D K F Y G T”に変更した。 トレニアFMTのメチルトランスフェラーゼ活性の分析のために、続いて、プラスミドpCGP3050を、E. コリM15 (pREP4)(QLAGEN)細胞中に、Inoueなど., 1990, 前記の方法に従って導入した。 粗タンパク質抽出物の組換えタンパク質発現の確認及びメチルトランスフェラーゼの続く決定は、ペチュニアE20 cDNAクローン(PFMT)(上記例7に記載される)の分析について記載される通りであった。 pCGP3090におけるトレニアFMT cDNAクローンによりコードされるタンパク質及びpCGP3086におけるペチュニアFMT(E20)クローンのそのタンパク質の酵素活性を、Jonssonなど. (1983)、前記及び本明細書の例7に記載されるようなアッセイ条件下で、基質デルフィニジン3−グルコシド及びデルフィニジン3−ルチノシドを用いて評価した。 メチルトランスフェラーゼアッセイを、50μlの合計反応体積において、表16に従って設定した。 反応条件は前に記載される通りであった(例7)。 ペチュニジン及びマルビジン、すなわちデルフィニジンのメチル化された誘導体を、pCGP3090(TFMTを含む)及びD3R又はD3G(管12、表16)からの粗均質物を用いて、アッセイ反応において検出した。pQE30細胞からの粗均質物を用いての(管1〜5、表16)又は添加される粗均質物を有さない(管6及び7、表16)アッセイ反応において、又は14C−SAMの添加を伴わないでの(管10、11及び13、表16)アッセイ反応において、ペチュニジン及びマルビジンの検出できる生成は存在しなかった。pCGP3086(PFMTを含む)からの粗均質体を、正の対照(管8及び9、表17)として使用した。 E.コリ発現システムにおけるテロニアFMT cDNAクローンの発現により得られる結果は、TFMT cDNAクローンが、3’−メチル化された誘導体、ペチュニジン及び3’5’−メチル化された誘導体、マルビジンを生成するために、メチルドナーとしてSAMを用いて、デルフィニジン3−グルコシドをメチル化できるFMTをコードすることを示唆する追加の証拠を提供する。 例10.ペチュニア及びトレニアFMTクローンのメチルトランスフェラーゼ活性のHPLCアッセイ: それぞれpCGP3086及びpCGP3090におけるペチュニア及びトレニアFMT cDNAクローンによりコードされるペプチドの酵素活性をさらに、基質デルフィニジン3−グルコシド及びデルフィニジン3−ルチノシド及びデルフィニジン3,5−ジグルコシドを用いて、前に記載されるようなアッセイ条件下で(表16、例9)、評価した。但し、14C−ラベルされたSAMを、2mg/mlでの非放射性SAM及び2mg/mlでの基質(デルフィニジン3−グルコシド及びデルフィニジン3−ルチノシド及びデルフィニジン3,5−ジグルコシド)により置換した。 アッセイの条件下で、pCGP3086に含まれるペチュニアFMT(E20)cDNAクローンは、優先的にペチュニジン及びそれよりも低い程度のマルビジンを生成するために基質としてデルフィニジン3−グルコシド、デルフィニジン3−ルチノシド又はデルフィニジン3,5−ジグルコシドを使用するフラボノイドメチルトランスフェラーゼ活性を誘導した。ペチュニアの花の粗タンパク質抽出物におけるメチルトランスフェラーゼ活性についてのこれまで公開されたデータは、ペチュニアメチルトランスフェラーゼが、アントシアニジン3−グルコシド又はアントシアニジン3−ルチノシドを基質として使用できないことを示唆する(Jonssonなど., 1982, 前記)。 しかしながら、本発明者のアッセイ条件下で、pCGP3086におけるペチュニアE20クローンにより生成されるペチュニアメチルトランスフェラーゼ活性は、デルフィニジン3−グルコシド、デルフィニジン3−ルチノシド及びデルフィニジン3,5−ジグルコシドの個々をメチル化することができた。 pCGP3090に含まれるトレニアFMT cDNAクローンはまた、優先的にマルビジン及びそれよりも低い程度のペチュニジンを生成するために基質としてデルフィニジン3−グルコシド、デルフィニジン3−ルチノシド及びデルフィニジン3,5−ジグルコシドを使用するフラボノイドメチルトランスフェラーゼ活性をもたらした。 例11.マルビジン基材の色素を生成するためのバラの形質転換 商業的に成長されたバラにおける優性アントシアニンは、シアニジン又はペラルゴニジンの3−グルコシド又は3,5−ジグルコシドである傾向がある(Mikanagi など., Biochem. System and Ecol. 23 : 183-200, 1995, Mikanagi など., Biochem. System and Ecol. 28 : 887-902,2000)。それらのバラにおけるマルビジン基材の色素を生成するためには、F3’5’H遺伝子は、マルビジン色素、デルフィニジン3−グルコシド又はデルフィニジン3,5−ジグルコシドの前駆体を最初に生成するために導入される必要がある。次に、マルビジン色素への転換を可能にするために、3’及び5’活性及びデルフィニジンの3−グルコシド又は3,5−ジグルコシドを利用する能力を有するフアボノイドメチルトランスフェラーゼが必要とされる。 従って、ペチュニア又はトレニアFMT遺伝子共にF3’5’Hキメラ遺伝子を含む、二元ベクタープラスミドpCGP3254 (図13)、pSPB1534 (図15)及びpSPB1532 (図18)を、ペチュニジン及び/又はマルビジン基材の色素の導入を可能にし、そしてそれにより、花の色を変性するために、バラ中に導入されるよう構成した。それらの二元プラスミドをまた、デルフィニジン基材の色素を通常生成せず、そしてアントシアニジン、特にデルフィニジンをメチル化できるフラボノイドメチルトランスフェラーゼを含まない種中に導入する。そのような植物は、カーネーション、キク、ガーベラ、ラン、ユーホルビア、ベゴニアを包含するが、但しそれらだけには限定されない。 二元ベクターpCGP3254 (35S5’: TFMT: 35S3’: 35S5’:ビオラ F3’5’H:35S3’:35S5’:SuRB)の構成: プラスミドpCGP3254は、35S5’:ビオラ F3’5’H:35S3’発現カセット(pCGP2092からの)(図14)及び35S5’:トレニアFMT:35S3’発現カセット(pCGP3099からの)(図11)を、Ti二元ベクターpCGP1988(図12)の選択マーカー遺伝子と共にタンデム配向で含む。 (1)pCGP3254への中間体プラスミドの構成: (i)pCGP3097 (35S5’: TFMT:35S3’発現カセット)の構成: プラスミドpCGP3097 (図10)を、CaMV 35S発現カセット中にpTMT5からのトレニアFMT cDNAクローンをクローニングすることによって構成した。 プラスミドpRTppoptcAFPを、CaMV35Sプロモーター及びターミネーターフラグメントの源として使用した。それを最初に、XbaIにより消化し、オーバーハンギング5’末端を修復し、そして次に、プラスミドをEcoRIにより制限し、CamV 35S発現カセットを含む3.3kbのベクターを開放した。その3.3kbベクターを単離し、そして精製した。 pTMT5を最初に、制限エンドヌクレアーゼAsp718により消化し、そしてその得られる5’オーバーハング末端を修復した。次に、線状化されたプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼEcoRIにより制限し、1.0kbのトレニアFMT cDNAフラグメントを開放し、それを単離し、精製し、そして次に、pRTppoptcベクター(上記に記載される)のXbaI(ブラント)/EcoRI末端により連結した。フラグメントの正しい連結を、アンピシリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HinDIII 、ClaI、XhoI、PstI及びSphI)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP3097(図10)として命名した。(ii)pCGP3099 (35S5’: TFMT: 35S3’: 35S5’: SuRB発現二元)の構成: プラスミドpCGP3099 (図11)を、Ti二元ベクターpCGP1988中に、pCGP3097 (図10)からのキメラトレニアFMT遺伝子をクローニングすることによって構成した。二元ベクターpCGP1988(図12)は、二元ベクターpWTT2132 (DNAP)に基づかれるが、しかしpNEB193 (New England Biolabs) からの多−クローニング部位を含む。 pCGP3097 (図10)からの35S5’:トレニアFMT:35S3’発現カセットを、制限エンドヌクレアーゼPstIによる消化により開放した。続いて、キメラ性トレニアFMT遺伝子を含む1.66kbのフラグメントを単離し、そしてpCGP1988のPstI末端により連結した。pCGP3099の35S5’:SuRB遺伝子とのタンデムでのキメラ遺伝子の正しい連結を、テトラサイクリン耐性形質転換から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HinDIII 、XhoI、PstI、Asp718、EcoRI及びEcoRV)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP3099(図11)として命名した。(iii)pCGP2092 (35S5’: ビオラF3’5’H (BP#40): 35S3’発現カセット)の構成: プラスミドpCGP2092 (図14)を、pCGP1961からの1.6kbのXbaI/EcoRIフラグメンとしてビオラ sp. から単離されたF3’5’H cDNAクローンを、pRTppoptcに含まれるCaMV 35Sプロモーターの後にクローニングすることによって構成した。 プラスミドpCGP1961 (オーストリア仮特許出願番号2002951088及び2002952835, 2002, 前記)を最初に、制限エンドヌクレアーゼAsp718により消化し、そしてオーバーハング5’末端の修復の後、制限エンドヌクレアーゼEcoRIにより消化し、F3’5’Hキメラ遺伝子を含む1.6kbのフラグメントを開放した。フラグメントを単離し、そして3.3kbのpRTppoptcベクター(上記に記載される)のXbaI(ブラント)/EcoRI末端により連結した。CaMV 35S発現カセット中へのビオラF3’5H cDNAクローン(BP#40)の正しい連結を、アンピシリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HinDIII 、XhoI、PstI)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP2092(図14)として命名した。pCGP3254の構成: 続いて、キメラF3’5’H遺伝子を、制限エンドヌクレアーゼPstIによる制限によりpCGP2092から開放し、続いてオーバーハンギング3’末端を修復するためにT4 DNAポリメラーゼにより修理した。フラグメントを単離し、そしてpCGP3099(上記に記載される)のSmaI末端により連結した。35S5’:SuRB遺伝子及び35S5’:トレニアFMT:35S3’発現カセット遺伝子とのタンデムでのF3’5’Hキメラ遺伝子の正しい挿入を、テトラサイクリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HinDII、XhoI、NcoI、SalI、EcoRI、EcoRV)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP3254(図13)として命名した。pCGP3254による植物形質転換: 二元ベクターpCGP3254(図13)を、A.ツメファシエンス株AGLO中に導入し、そして続いて、pCGP3254に含まれるT-DNAを、アグロバクテリウム介在性形質転換によりバラ栽培種Medeo及びSonia中に導入した。 (2)二元ベクター(a)pSPB1534 (e35S5’: BP#40: pet D83’: e35S5’: PFMT: nos3’)及び(b)pSPB1532 (e35S5’: BP#40: petD83’: e35S5’: TFMT: nos3’)の構成: (a)二元ベクタープラスミドpSPB1534(図15)は、e35S: PFMT: nos3’発現カセット(pSPB1531 (図17)からの)と、タンデム配向でe35S5’: ビオラF3’5’H (BP#40): pet E83’発現カセット(pSPB580 (図16)からの)を含む。両キメラ遺伝子は、Ti二元ベクターpBINPlus (van Engelenなど., Transgenic Research, 4:288-290, 1995) のnos5’: nptII: nos3’選択マーカー遺伝子カセットとタンデム配向で存在する。 (b)二元ベクタープラスミドpSPB1532(図18)は、e35S: TFMT: nos3’発現カセット(pSPB1530 (図19)からの)と、タンデム配向でe35S5’: ビオラF3’5’H (BP#40): pet E83’発現カセット(pSPB580 (図16)からの)を含む。両キメラ遺伝子は、Ti二元ベクターpBINPlus (van Engelenなど., Transgenic Research, 4:288-290, 1995) のnos5’: nptII: nos3’選択マーカー遺伝子カセットとタンデム配向で存在する。pSPB1534及びpSPB1532への中間体プラスミドの構成:(i)pSPB580(e35S5’: BP#40: pet D83’)の構成: プラスミドpSPB580 (図16)は、増強されたCaMV 35Sプロモーターフラグメント(e35S5’)とペチュニアPLTPターミネーター(pet D83’)フラグメントとの間にビオラF3’5’H cDNAクローンを含む。 (1)ビオラsp. からのF3’5’Hクローンの単離: ビオラsp. 栽培種ブラックパンジーからのF3’5’H cDNAの単離は、オーストリア仮特許出願番号2002951088及び2002952835, 2002, 前記に記載されている。プラスミドpCGP1961 (オーストリア仮特許出願番号2002951088及び2002952835, 2002, 前記)を、制限エンドヌクレアーゼBamHIによる消化により線状化した。ビオラsp. cv. ブラックパンジーからのF3’5’H cDNAクローン(BP#40)を含む約1.7kbのDNAフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼXhoIによる部分消化により回収した。 (2)増強されたCaMV 35Sプロモーターフラグメントの単離: 二元ベクターpBE2113-GUSは、アグロバクテリウムのナポリンシンターゼ遺伝子(nos 3’)からのターミネーター領域と共に、増強されたCaMV 35Sプロモーター(e35S5’)の制御下でのGUS遺伝子を含む(Mitsuhashi et al., Plant Cell Physiol. 37 : 49-59, 1996)。プラスミドpBE2113-GUSを、制限エンドヌクレアーゼSnaBIにより消化し、そして次に、BamHIリンカー(5’-GGGATCCC-3’)(配列番号45)を、オーバーハング末端により連結し、pBE2113-ΔGUSを得た。次に、増強されたCaMV 35Sプロモーター(e35S5’)を含む約0.7kbのフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼHindIII 及びBamHIによるpBE2113-ΔGUSの消化により開放した。 (3)ペチュニアPLTP(D8)遺伝子(petD83’)からのターミネーターフラグメントの単離: ペチュニアリン脂質トランスファータンパク質(PLTP)遺伝子(petD83’)(Holton, 1992, 前記)からのターミネーターフラグメントを、PCRにより増幅した。プラスミド鋳型pCGP13ΔBam (Holton, 1992, 前記)と共にプライマーpetD8#1 (配列番号28)(表19)及びpet D8#2(配列番号19)(表19)を用いて、ペチュニアPLTPターミネーターフラグメント(petD83’)を増幅した。次に、約0.8kbの増幅されたフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼEcoRI及びXhoIにより消化した。 (4)pUCAPAsc (シャトルクローニングベクター)の構成: プラスミドpUCAPは、クローニングベクターpUC19 (NEB) に基づかれているが、しかし延長された多クローニング部位を含む(VanEngelen など., Transgenic Res. 4 : 288-290,1995)。pUCAPを制限エンドヌクレアーゼPacIにより消化した。オーバーハング末端を修復し、そして次に、AscIリンカー(5’-GGCGCGCC-3’)(配列番号46)により連結し、pUCAPAsc(PacI認識部位を有さず、そして多クローニング部位のいずれかの末端で2つのAscI認識配列を有するpUCAPに類似する)を生成した。 (5)pSPB580 (e35S: BP#40: pet D83’)の構成: ビオラF3’5’H(BP#40)cDNAクローン(上記に記載される単離)を含む1.7kbのBamHI/XhoIフラグメントを、pUCAPAsc(上記に記載される)から得られたBamHI/EcoRIの2.7kbベクターフラグメント、及びペチュニアPLTPターミネーター(petD83’)(上記に記載される)を含むEcoRI/XhoIフラグメントにより連結した。フラグメントの正しい挿入を、アンピシリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析より確立した。得られるプラスミドを、pSPB51と命名した。 増強されたCaMV 35Sプロモーター領域(上記に記載される)を含む0.7kbのHindIII /BamHIフラグメントを、プラスミドpSPB51のHindIII /BamHI末端により連結した。フラグメントの正しい挿入を、アンピシリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。得られるプラスミドを、pSPB580 (図16)として命名した。(ii)二元ベクターpSPB176 (e35S5’:GUS: nos3’: nos5’: nptII: nos3’)の構成: 二元ベクターpSPB176 (図20)は、Ti二元ベクターpBINPlus (van Engelenなど., 1995, 前記)の選択マーカー遺伝子に対してタンデム配向でe35S5’: Gus: nos3’発現カセットを含む。 プラスミドpBE2113-ΔGUS(上記に記載される)を、SacIにより消化した。オーバーハング3’末端を修復し、そして次に、SalIリンカー(5’-GGTCGACC-3’)(配列番号47)により連結し、pBE2113-ΔGUSを生成した。e35S5’: Gus: nos3’発現カセットを含むフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼHindIII 及びEcoRIによる消化に基づいてpBE2113-ΔGUSから開放した。次に、HindIII /EcoRIフラグメントを、Ti二元ベクター、pBinPLUS (VanEngelen など., 1995, 前記)のHindIII /EcoRI末端により連結した。フラグメントの正しい挿入を、カナマイシン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。得られるプラスミドを、pSPB176(図20)として命名した。(iii)中間体二元ベクターpSPB1531(e35S5’: PFMT: nos3’: nos5’: nptII: nos3’)の構成: 二元ベクタープラスミドpSPB1531 (図17)は、増強されたCaMV 35Sプロモーターフラグメント(e35S5’)とnosターミネーターフラグメント(nos3’)との間に、Ti二元ベクターpBINPlus(van Engelenなど., 1995, 前記)のnos5’; nptII: nos3’選択マーカー遺伝子とテンデムに、ペチュニアFMT cDNAクローン(E20クローンに比較して短くされた5’非コード領域を有する)を含む。 pCGP1907 (図3)に含まれるペチュニアFMT cDNAクローンの5’領域を、プライマーPMT-F(配列番号30)及びPMT-R(配列番号31)及び鋳型としての10ngのプラスミドpCGP1907を用いて、PCRにより増幅した。オリゴヌクレオチドPMT-F(配列番号30)は、配列番号4の位置43〜66から増幅するよう企画され、そしてクローニングの容易さのためのBamHI認識配列を組み込んだ。PMT-R(配列番号31)プライマーは、配列番号4の位置192〜173から増幅するよう企画され、そしてクローニングの容易さのためにHindIII 認識配列を組み込んだ。 次に、増幅されたペチュニアFMT5’部分フラグメントを、制限エンドヌクレアーゼBamHI及びHindIII により消化し、そしてプラスミドpCGP1907(図3)から単離された0.7kbのHindIII /XhoIペチュニアFMT3’部分フラグメント、及びTi二元ベクターpSPB176 (図20)のBamHI/SalI末端により連結した。フラグメントの正しい挿入を、カナマイシン耐性形質転換から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。得られるプラスミドを、pSPB1531 (図17)と命名した。(iv)中間体二元ベクターpSPB1530(e35S5’: TFMT: nos3’: nos5’: nptII: nos3’)の構成: 二元ベクタープラスミドpSPB1530 (図19)は、増強されたCaMV 35Sプロモーターフラグメント(e35S5’)とnosターミネーターフラグメント(nos3’)との間に、Ti二元ベクターpBINPlus(van Engelenなど., 1995, 前記)のnos5’; nptII: nos3’選択マーカー遺伝子とテンデムに、ペチュニアFMT cDNAクローン(TFMTクローンに比較して短くされた5’非コード領域を有する)を含む。 pTMT5に含まれるトレニアFMT cDNAクローンの5’領域を、プライマーTMT-F(配列番号32)及びTMT-R(配列番号33)(表19)及び鋳型としての10ngのプラスミドpTMT5を用いて、PCRにより増幅した。オリゴヌクレオチドTMT-F(配列番号32)(表19)は、配列番号11の位置34〜53から増幅するよう企画され、そしてクローニングの容易さのためのBamHI認識配列を組み込んだ。TMT-R(配列番号33)(表19)プライマーは、配列番号11の位置214〜190から増幅するよう企画され、そしてクローニングの容易さのためにHindIII 認識配列を組み込んだ。次に、増幅されたトレニアFMT5’部分フラグメントを、制限エンドヌクレアーゼBamHI及びHindIII により消化し、そしてプラスミドpTMT5から単離された約0.6kbのHindIII /XhoIトレニアFMT3’部分フラグメント、及びTi二元ベクターpSPB176 (図20)のBamHI/SalI末端により連結した。フラグメントの正しい挿入を、カナマイシン耐性形質転換から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。得られるプラスミドを、pSPB1530 (図19)と命名した。(v)二元ベクターpSPB1534 (e35S5’: BP#40: petD83’: e35S5’: PFMT: nos3’: nos5’: nptII:nos3’)の構成: e35S5’: ビオラF3’5’H (BP40): petD83’発現セットを含む約3.1kbのDNAフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼAscIによる消化に基づいてプラスミドpSPB580 (図16)から単離した。精製されたフラグメントを、Ti二元プラスミドpSPB1531 (図17)のAscI末端により連結した。ペチュニアFMTカセット及び選択マーカーカセットとのタンデム配向でのフラグメントの正しい挿入を、カナマイシン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。得られるプラスミドをpSPB1534(図15)として命名した。pSPB1534による植物形質転換: 二元ベクタープラスミドpSPB1534(図15)を、A.ツメファシエンス株AGLO中に導入し、そしてpSPB1534に含まれるT-DNAを、アグロバクテリウム介在性形質転換を通してローザ・ハイブリダ栽培種WKS124中に導入した。二元ベクターpSPB1532 (e35S5’: BP#40: petD83’: e35S5’:TFMT: nos3’: nos5’: nptII:nos3’)の構成: e35S5’: ビオラF3’5’H (BP40): petD83’発現セットを含む約3.1kbのDNAフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼAscIによる消化に基づいてプラスミドpSPB580 (図16)から単離した。精製されたフラグメントを、Ti二元プラスミドpSPB1530 (図19)のAscI末端により連結した。トレニアFMTカセット及び選択マーカーカセットとのタンデム配向でのフラグメントの正しい挿入を、カナマイシン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析により確立した。得られるプラスミドをpSPB1532(図18)として命名した。 二元ベクタープラスミドpSPB1532(図18)を、A.ツメファシエンス株AGLO中に導入し、そしてpSPB1532に含まれるT-DNAを、アグロバクテリウム介在性形質転換を通してローザ・ハイブリダ栽培種WKS124中に導入した。バラ花弁のトランスジェニックの分析: 独立したトランスジェニック植物を生成し、そして開花まで成長せしめた(表21)。花弁の花色を、その色相及び反射率を得るために、ソフトウェアSpedtraMagic (Minolta, Japan) を備えた分光計CM-2002(Minolta, Japan)により測定した(表22, 23及び24)。色相(0〜360°)は、対象の基本的色、例えば赤、緑、紫、等であり、そして円柱状の色の空間におけるその角の位置により、又はClor Wheel上で定義される。純粋な赤及び青色は、それぞれ、0及び270°である。色相に近いほど、270°に接近し、より青色である。 反射率(%)は、対象から反射される光の%である。分光計は、対象の色彩スペクトル曲線を決定するために、可視スペクトルにそって、種々の間隔での対象の反射率を測定する。低い反射率値はより暗い色を示す。Royal Horticultural Society Colour Chart (RHSCC) をまた、花弁の色を定義するために使用した(表22, 23及び24)。RNAブロット分析を、トランスジェニック転写体の存在を確かめるために、花の選択に基づいて行った。トランスジェニックバラの花弁に蓄積するアントシアニジンのHPLC分析を用いて、バラの花における新規アントシアニン、ペチュニジン及びマルビジンの生成を検出した(表22、23及び24)。 トランスジェニックバラの花のアントシアニンを抽出し、そしてアントシアニン由来のアントシアニジンを、Fukuiなど., (Phytochemistry, 47:1409-1416, 1998)に記載のようにして、HPLCシステムにより分析した。デルフィニジン、マルビジン及びペチュニジンのメチル化された誘導体を、変性された花色を有するトランスジェニックバラの花の数に検出した(表22、23及び24)。ペオニジン、すなわちシアニジンのメチル化された誘導体をまた、トランスジェニックバラの花に検出した(表22、23及び24)。 コード:トランスジェニック植物の受託番号: Del, Cya, Pet, Pel, Poe, Mal (mg/g) は、mg/gで検出される特定のアントシアニジンの量を言及し、ここでDelはハデルフィニジンであり、Cysはシアニジンであり、Pet はペチュニジンであり、Pelはペラルゴニジンであり、Peoはペオニジンであり、Malはマルビジンであり; DPM(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表される、デルフィニジン又はそのメチル化された誘導体、ペチュニジン及びマルビジンであり; Mal(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表されるマルビジンであり; メチル(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表されるメチル化されたアントシアニジン(ペチュニジン、ペオニジン、マルビジン)であり; 合計とは、mg/gでの検出されるアントシアニジン(デルフィニジン、ペチュニジン、マルビジン、シアニジン、ペオニジン、ペラルゴニジン)の合計量であり; RHSCCは、Royal Horticultural Society Color Chartsに従って記載される、観察される色であり; 色相とは、SpectraMagicソフトウェア(Minolta, Japan)を伴って分光計により測定されるような程度での基本的色を記載し; Ref(%)は、SpectraMagicソフトウェア(Minolta, Japan)を伴って分光計により測定されるような反射光の%を記載する。 コード:トランスジェニック植物の受託番号: Del, Cya, Pet, Pel, Poe, Mal (mg/g) は、mg/gで検出される特定のアントシアニジンの量を言及し、ここでDelはハデルフィニジンであり、Cysはシアニジンであり、Pet はペチュニジンであり、Pelはペラルゴニジンであり、Peoはペオニジンであり、Malはマルビジンであり; DPM(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表される、デルフィニジン又はそのメチル化された誘導体、ペチュニジン及びマルビジンであり; Mal(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表されるマルビジンであり; メチル(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表されるメチル化されたアントシアニジン(ペチュニジン、ペオニジン、マルビジン)であり; 合計とは、mg/gでの検出されるアントシアニジン(デルフィニジン、ペチュニジン、マルビジン、シアニジン、ペオニジン、ペラルゴニジン)の合計量であり; RHSCCは、Royal Horticultural Society Color Chartsに従って記載される、観察される色であり; 色相とは、SpectraMagicソフトウェア(Minolta, Japan)を伴って分光計により測定されるような程度での基本的色を記載し; Ref(%)は、SpectraMagicソフトウェア(Minolta, Japan)を伴って分光計により測定されるような反射光の%を記載する。 コード:トランスジェニック植物の受託番号: Del, Cya, Pet, Pel, Poe, Mal (mg/g) は、mg/gで検出される特定のアントシアニジンの量を言及し、ここでDelはハデルフィニジンであり、Cysはシアニジンであり、Pet はペチュニジンであり、Pelはペラルゴニジンであり、Peoはペオニジンであり、Malはマルビジンであり; DPM(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表される、デルフィニジン又はそのメチル化された誘導体、ペチュニジン及びマルビジンであり; Mal(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表されるマルビジンであり; メチル(%)は、検出される合計のアントシアニジンの%として表されるメチル化されたアントシアニジン(ペチュニジン、ペオニジン、マルビジン)であり; 合計とは、mg/gでの検出されるアントシアニジン(デルフィニジン、ペチュニジン、マルビジン、シアニジン、ペオニジン、ペラルゴニジン)の合計量であり; RHSCCは、Royal Horticultural Society Color Chartsに従って記載される、観察される色であり; 色相とは、SpectraMagicソフトウェア(Minolta, Japan)を伴って分光計により測定されるような程度での基本的色を記載し; Ref(%)は、SpectraMagicソフトウェア(Minolta, Japan)を伴って分光計により測定されるような反射光の%を記載する。RNAブロット分析: 7種類のトランスジェニックWKS124/pSPB1532植物(5-1, 5-2, 7-1, 7-4, 12-1, 12-3系)及び7種類のトランスジェニックLavande/1532植物(13-2, 13-3, 13-5, 17-1, 24-2, 34-1)の花、及びトランスジェニックでないWKS124及びLavande対照からの花を、導入されたビオラF3’5’H及びトレニアFMTトランスジーンの転写体の存在について分析した。 合計RNAを、製造業者のプロトコールに従って、RNAeasy (Qiagen)を用いて、トランスジェニックバラ花弁から単離した。20μgのRNAを、1.2%アガロースゲルを通して分離し、そしてInstruction Manual of DIG Northern Starter Kit (Roche) に従って、Hybond-N(Amersham)にブロットした。ビオラF3’5’H(BP#40)及びトレニアFMTのmRNAとハイブリダイズしたRNAプローブを、Instruction Manual of DIG Northern Starter Kit (Roche) に従って、転写鋳型として、制限エンドヌクレアーゼBamHIにより消化された。プラスミド、pCGP1961 (ビオラF3’5’(BP#40)cDNAクローンを含む)(オーストリア仮特許出願番号2002951088及び2002952835, 2002, 前記)及びpTMT5 (図8)、及び転写プライマーとして、T7オリゴヌクレオチドを用いて調製した。さらなるハイブリダイゼーション及び検出をまた、Instruction Manual of DIG Northern Starter Kit (Roche) に従って行った。 使用される条件下で、約1.7kbの転写体を、分析されたほとんどの系におけるビオラF3’5’Hプローブにより検出したが、但し34−1系(Lavande/pSPB1532)を除く。使用される条件下で、ハイブリダイズする転写体を、ビオラF3’5’H及びTFMTプローブにより、WKS124及びLavandeの対照花弁に検出した。WKS124トランスジェニックバラ: バラ栽培種WKS124は一般的に、柑子色の花(RHSCC38b)を生成する。アントシアニジンのHPLC分析は、ペラルゴニジン(0.07mg/gのペラルゴニジン)が蓄積する優先的なアントシアニジンであり、そして低いレベルのシアニジンも存在する(0.01mg/gシアニジン)ことを示す(表22)。 トレニアFMTと共にビオラF3’5’Hキメラ遺伝子の導入は、生成される花の色及び花弁におけるアントシアニジン組成に対して劇的な影響力を有した。最も劇的な色の変化を有する花弁の選択においては、3’5’ヒドロキシル化された色素(デルフィニジン、ペチュニジン及びマルビジン)が優先し、そしてマルビジンが最も優先的なアントシアニンである(表22)。 ペチュニアFMTと共にビオラF3’5’Hキメラ遺伝子の導入は、3’5’ヒドロキシル化されたアントシアニジン、すなわちバラの花弁の選択においてデルフィニジンの生成を誘導した。導入されたビオラF3’5’Hの活性は、比較的高いレベルのデルフィニジンの生成を導いた(表24)。しかしながら、WKS124花弁における導入されたペチュニアFMTのその得られる活性は低く、そしてわずかな少量のメチル化されたアントシアニジン、すなわちペチュニジンが蓄積した(表24)。WKS124バラ花弁内の生理学的条件は、効果的に作用するペチュニアFMTのためには理想的でない。 WKS124 (WKS124/pSPB1534)の花弁バックグラウンドにおける優先的デルフィニジン色素の生成は、生成される合計のアントシアニジンの上昇を導いた(対照の花における0.08mg/gからトランスジェニック花における0.5〜1.9mg/gへの)。WKS124花弁における優先的なデルフィニジン色素のこの生成は、柑子色(対照の花)から濃桃色〜赤紫色の範囲の色までの色の変化をもたらした(表24)。合計のアントシアニジンにおける類似する上昇が、トランスジェニックWKS124/pSPB1532花弁において観察された(表22)。しかしながら、生成されるデルフィニジンは、メチル化されたペチュニジン及びマルビジン基材の色素に転換され、そしてこれは紫色の範囲の色への花の色のさらなる青色化を導き、新規色のバラの花をもたらした。 WKS124/1532花弁の色相値は一般的に、WKS/1534花弁の色相値よりも、270°に近く、このことは、マルビジン生成又はアントラアニンのメチル化が花の色の青色化に寄与していることを示す。換言すれば、FMT遺伝子は、花の色、特にこれだけには制限されないが、青色の方への花の色の変性のために有用である。 WKS124/1532花弁の反射値は一般的に、WKS/1534花弁の反射値よりも低く、このことは、マルビジン生成、又はアントシアニンのメチル化が花の色の暗色化に寄与していることを示す。換言すれば、FNT遺伝子が、花の色、特にこれだけには限定されないが、暗色の方への花の色の変性のために有用である。それらの花の色の変化の他に、多量のマルビジンを蓄積するWKS124/1532系は、外観的には、鮮明で且つ光沢があった。そのような花の色の変性はまた、RHSCCの変化によっても示される。それらの結果は明確に、FMT遺伝子が花の色を変性するために有用であることを示す。ラバンデ トランスジェニックバラ: バラ栽培種ラバンデは一般的に、桃色の花(RHSCC186b)を生成する。アントシアニジンのHPLC分析は、シアニジン(0.08mg/gのシアニジン)が蓄積する優先的なアントシアニジンであることを示す(表23)。 トレニアFMTと共にビオラF3’5’Hキメラ遺伝子の導入は、生成されるトランスジェニックラバンデの花の色及び花弁におけるアントシアニジン組成に対して劇的な影響力を有した。最も劇的な色の変化を有する花弁の選択においては、3’5’ヒドロキシル化された色素(デルフィニジン、ペチュニジン及びマルビジン)が優先し、そしてマルビジンが最も優先的なアントシアニンである(表23)。 ラバンデにおけるビオラF3’5’H及びトレニアFMT遺伝子の導入は、バラ花弁に蓄積するアントシアニジンの合計レベルの上昇を導いた(対照の花における0.08mg/gからトランスフェニック植物における0.11〜0.36mg/gまで)。 この花弁バックグラウンドにおいては、青色(紫77b)への最も劇的な色の変化及び移行が、高い割合(その合計アントシアニジンの90%)のデルフィニジン基材の色素(デルフィニジン、ペチュニジン及びマルビジン)を含む花に観察され、そして蓄積する合計のアントシアニジンの52%がマルビジンである。 34-1系においては(表23)、デルフィニジンが生成されず、このことは導入されたF3’5’H遺伝子の活性の欠失を示す。RNAブロット分析は、この系におけるハイブリダイズするビオラF3’5’H転写体を示さなかった。しかしながら、より強くハイブリダイズするトレニアFMT転写体が検出され、そしてトレニアFMT活性がペオニジン(シアニジンのメチル化された誘導体)の生成により確かめられた。この結果は、トレニアFMTがまた、シアニジン基材の色素をメチル化できたことを強調した。 例12.フクシアsppからのFMT cDNAクローンの単離:フクシアからのFMT配列のPCR: フクシアからのFMT配列のPCRのためのプライマーのCODEHOP企画: フクシアからFMT配列を単離するために、オリゴヌクレオチドプライマーを、ペチュニアFMT(本明細書)と公開された(GenBankデータベース)カフェオイルCoA OMT [V. ビニフェラ(V. vinifera)(Z54233)、S. ロンギペス(S. longipes)(L22203), P. トレムロイデス(P. tremuloides)(U27116)、P. キタカミエンシス(P. kitakamiensis)(AB00048)、P. クリスパム(P. crispum)(Z54183)、E. グンニ(E. gunnii)(Y12228)、N. タバキューム(N. tabacum)(U38612)、M. クリスタリナム(M. crystallinum)(AF053553)、A. タリアナ(A. thaliana)(L46031)]との間のアミノ酸配列類似性の領域に企画した。 CODEHOP(COnsensus-DEgenerate Hybrid Oligonucleotide Primers)方策(Roseなど., Hucl. Acids Res. 26: 1628-1635, 1998)(http://blocks.fhcrc.org/codehop.htmlで概略される)を使用した。CODEHOPプログラムは、3’変性“コアー”領域のためのすべての可能な11−又は12−マーを含み、そして5’非変性“クランプ”領域における個々の位置について推定される最も可能なヌクレオチドを有するプライマーのプールを企画する(表25)。 全RNAを、Plant RNAeasyキット(QLAGEN)を用いて、フクシア花弁芽から単離した。1μgのRNAを、製造業者により推薦されるような条件下で、Superscript II(Stratagene)及びdT(17)Ad2Ad1(配列番号19)(表26)オリゴヌクレオチドを用いて、cDNAを合成するための鋳型として使用した。cDNAを、それをPCR精製カラム(QLAGEN)に通し、そして10μlの10mMのトリス−HCl、pH8.5の溶液により溶離することによって精製した。続いて、cDNAを、製造業者により推薦される条件下でウシ胸腺末端トランスフェラーゼ(Boehringer Mannbeim)を用いてC−末端化した。次に、C−末端化されたcDNAを、PCR精製カラム(QLAGEN)を通して精製し、そして50μlの10mMのトリス−HCl(pH8.5)により溶離した。 C−末端化されたcDNA(1μl)を、2.5μlの10×HotSTAR(商標)Taq DNAポリメラーゼ緩衝液、4μlの1.25mMのdHTP、5μlの50ng/μlのプライマーOMTIf2(配列番号15)、5μlの50ng/μlのAd1プライマー(配列番号27)(表26)、2μlの純粋水及び0.5μlのHotSTAR(商標)Taq DNAポリメラーゼ(QLAGEN)を用いてのPCRにおいて、鋳型として使用した。反応を、95℃に15分間、加熱し、次に94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で90秒(35サイクル)、続いて72℃で10分間、加熱した。 PCR生成物を、1%(w/v)アガロースゲルを通して電気泳動し、そして長さ約0.8kbの予測される生成物を切除し、精製し、そしてpCR2.1 (Invitrogen)により連結した。形質転換体のランダム選択を、制限エンドヌクレアーゼEcoRIによる消化により挿入体の存在について分析した。0.8kbの挿入体を含む形質転換体を、M13 逆方向及びM13前方向−21プライマーを用いて決定した。FMTに対する類似性を示す、得られるフクシア配列の例は、pCGP3267 (図21)と称するプラスミドに見出される。 pCGP3267に含まれるフクシアFMT(配列番号21)は、部分フクシアFMTクローンの長さと、対応するコード配列とを比較する場合、ペチュニア(配列番号4)及びトレニアFMT(配列番号11)と、ヌクレオチドレベルで、66%の同一性を示した。pCGP3267におけるフクシアFMTクローンによりコードされる推定されるアミノ酸配列は、部分フクシアクローンの長さに相当する領域のみを考慮して、ペチュニア(配列番号5)及びトレニアFMT(配列番号12)の両者と81%の類似性を示した。十分な長さのフクシアFMTクローンの生成: ゲノム方策を使用して、プラスミドpCGP3267(図21)に含まれるフクシアFMT cDNAクローン(配列番号21)の上流の配列を生成した。フクシアからのゲノムDNAの単離: プラスミドゲノムライブラリー構成: ゲノムDNA(gDNA)を、フクシア・ハイブリダ栽培種Derby Impの新鮮な若葉材料1gから、Qiagen DNeasy maxiキットを用いて、製造業者の説明書に従って抽出した。次に、約1.2μgのgDNAを、制限エンドヌクレアーゼTagIにより消化した。次に、消化されたゲノムDNAフラグメントを、ベクターpBluescript II(Stratagene)の脱リン酸化されたEcoRV末端により連結した(Amersham連結キットを用いる)。次に、その連結混合物を、PCRにおける鋳型として使用した。 pCGP3267に含まれるアクシアFMT cDNAクローンに対して企画されたプライマーFucR1(配列番号34)(表27)と共に、プライマーOMTIf1(配列番号23)を、鋳型としてフクシアゲノムDNAを用いてのPCRにおいて使用した。増幅された生成物を精製し、そしてベクターPCR2.1中に連結した。274bpのフラグメント(“OMTIf1/FucR1増幅されたフラグメント”として命名される)の配列分析は、このフラグメントが、プラスミドpCGP3267におけるフクシアFMT cDNAクローンを有する、51bpのオーバーラッピング配列、この点の上流の追加の74bpの新規コード配列、長さ88bpであるイントロン、及び前記イントロンの上流の追加の61bpの新規コード配列を含んだことを示した。 この他に、ネスティドプライマー対組合せ(FucR5(配列番号36)及びFucR6(配列番号37))をイントロンから上流に存在する配列に対して企画した。プライマーFucR5(配列番号36)及びFucR6(配列番号37)を、制限エンドヌクレアーゼTaqIにより消化されたフクシアgDNAに対して使用した。増幅された生成物を、ベクターpBluescript KS (Stratagene) のAccI末端により連結した。第1回目のPCRによる増幅を、プライマーFucR5(配列番号36)及びM13rev(NEB)、及び鋳型としてのフクシアgDNAを用いて行った。生成物を、Qiaquickカラム(QLAGEN)を用いて精製し、そして次に、プライマーFucR6(配列番号36)及びT3(Stratagene)による第2回目のPCR増幅に鋳型として添加した。増幅された生成物を精製し、そしてベクターpCR2.1中に連結した。 247bpのフラグメント(“FucR6/T3増幅されたフラグメント”と称する)の配列分析は、“OMTIf1/FucR1増幅されたフラグメント”により得られる配列の上流の追加の24bpの新規コード配列を表した。配列の残りは、223bpの長さであるもう1つのイントロンから成り、そして追加のコード配列はこの上流に同定されなかった。追加の51〜54bpの配列(すなわち、17又は18個のアミノ酸)が、トレニア及びペチュニアFMT配列との比較により決定される場合、推定されるメチオニン開始に達するために必要とされた。従って、トレニアFMT cDNAクローンの5’配列を利用し、そして最長のフクシアFMT PCR生成物と連結し、十分な長さの且つ機能的なフクシアFMT cDNAクローンを生成する方策が開発された。 プライマー(FucF1)(配列番号38)を、FucR6/T3増幅されたフラグメント(上記に記載される)に見出されるコード配列の5’末端に対して企画した。FucF1プライマー(配列番号38)及びAd1プライマー(配列番号27)を、鋳型としてのフクシアcDNA(上記に記載されるフクシアcDNAの合成)と共に、PCRに使用した。増幅された生成物をpCR2.1中にクローン化し、そして得られるプラスミドをpCGP3282として命名した。プラスミドpCGP3282を、Ad1(配列番号27)及びTor-5’pos(配列番号39)プライマー及びTaq DNAポリメラーゼHotSTAR taq (QLAGEN) と共に、PCRにおいて鋳型として使用した。Taq DNAポリメラーゼHotSTAR taq (QLAGEN)の使用は、増幅された生成物上に3’-Aオーバーハングを残す。次に、得られる増幅された生成物(“Tor-5’ pos/Ad1増幅されたフラグメント”として定義される)を、制限エンドヌクレアーゼSpeIにより消化した(SpeI認識配列は、cDNAクローンの3’末端でのAd1プライマー内に位置する)。 プライマーTor-5’ pos(配列番号39)及びTor-5’neg(配列番号40)を一緒に、75℃での5分間のインキュベーション、続いて30分間にわたって37℃にゆっくりと冷却することによってアニーリングした。それらのプライマーを、アニーリングされるとすぐに、配列の3’末端で“T”オーバーハング、及び5’末端でEcoRI認識配列と適合できるオーバーハング配列が存在するよう企画した。アニーリングされたオリゴヌクレオチドを、“Tor-5’ pos/Ad1増幅されたフラグメント”のSpeI末端により連結した。次に、この連結された生成物を、オリゴヌクレオチドTor-5’ pos (配列番号39)及びAd1(配列番号27)をプライマーとして用いてのPCRにおいて鋳型として使用した。次に、PCR生成物を、クローニングベクターpCR2.1により連結した。得られるプラスミドを、pCGP3289(図22)と命名した。 pCGP3289に含まれるフクシアFMT(配列番号43)は、それぞれペチュニアE20(配列番号4)、ペチュニアE33(配列番号26)及びトレニアFMT(配列番号11)と、ヌクレオチドレベルで51%、48%及び56%の同一性を示した。pCGP3289(配列番号44)におけるフクシアFMTクローンによりコードされる、推定されるアミノ酸配列は、それぞれペチュニアE20(配列番号5)、ペチュニアE33(配列番号37)及びトレニアFMT(配列番号12)と67%、80%及び82%の同一性を示した。pCGP3292(35SS’:FFMT:35S3’:35S5’:ビオラF3’5’H:35S3’:35S5’:SuRB二元ベクター)の構成: 二元プラスミドpCGP3292 (図25)を構成し、メチル化されたデルフィニジン誘導体、例えば通常、デルフィニジン色素を生成せず、且つデルフィニジン基材のアントシアニンをメチル化できるフラボノイドメチルトランスフェラーゼを含まない系におけるペチュニジン及びマルビジンの生成を可能にした。 二元プラスミドpCGP3292(図25)は、35S5’:FFMT:35S3’発現カセット(プラスミドpCGP3290(図23)からの)、及び35S5’:ビオラF3’5’H:3S3’発現カセットを、pCGP1988(図12)のTi二元ベクターの35S5’: SuRB選択マーカーカセットとタンデムに含む。中間体プラスミドの構成: (i)pCGP3290 (35S5’: FFMT:35S3’発現カセット)の構成: プラスミドpCGP3290 (図23)を、CaMV 35S発現カセット中にpCGP3289(図22)からのトフクシアFMT cDNAクローンをクローニングすることによって構成した。 プラスミドpRTppoptcAFPを、CaMV35Sプロモーター及びターミネーターフラグメントの源として使用した。それを最初に、制限エンドヌクレアーゼXbaIにより消化し、オーバーハンギング5’末端を修復し、そして次に、プラスミドを制限エンドヌクレアーゼEcoRIにより制限し、CamV 35S発現カセットを含む3.3kbのベクターを開放した。その3.3kbベクターを単離し、そして精製した。 プラスミドpCGP3289 (図22)を最初に、制限エンドヌクレアーゼSpeIにより消化し、そしてその得られる5’オーバーハング末端を修復した。次に、線状化されたプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼEcoRIにより制限し、1.0kbのフクシアFMT cDNAフラグメントを開放し、それを単離し、精製し、そして次に、pRTppoptcベクター(上記に記載される)のXbaI(ブラント)/EcoRI末端により連結した。フラグメントの正しい連結を、アンピシリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HinDIII 、XhoI、及びPstI)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP3290(図23)として命名した。(ii)pCGP2788 (35S5’: ビオラF3’5’H: 35S3’: 35S5’: SuRB二元ベクター)の構成: 二元プラスミドpCGP2788(図24)は、35S5’: ビオラF3’5’H:35S3’発現カセット(pCGP3254 (図13)からの)を、Ti二元プラスミドpCGP1988(図12)の35S5’:SuRB選択マーカーカセットとタンデムで含む。 二元プラスミドpCGP3254 (図13)を、制限エンドヌクレアーゼPstIにより消化し、35S5’:トレニアFMT:35S3’発現カセット及び発現二元ベクター主鎖を解放した。得られるフラグメントをエタノール沈殿せしめ(Sambrookなど., 1989, 前記)、そしてそのフラグメントの混合物を再連結した。35S5’: SuRB遺伝子及びキメラ性ビオラF3’5’H遺伝子を含むが、しかし35S5’: トレニアFMT: 35S3’カセットを有さないベクター主鎖の正しい連結を、テトラサイクリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HinDIII 、EcoRV、PstI、EcoRI及びNcoI)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP2788(図24)と命名した。pCGP3292(35SS’:FFMT:35S3’:35S5’:ビオラF3’5’H:35S3’:35S5’:SuRB発現二元ベクター)の構成: プラスミドpCGP3292(図25)を、pCGP3290(図23)からのキメラ性フクシアFMT遺伝子を、Ti二元ベクターpCGP2788(図24)にクローニングすることによって構成した。 pCGP3290(図23)からの35S5’:FFMT:35S3’発現カセットを、制限エンドヌクレアーゼPstIによる消化により開放した。キメラ性フクシアFMT遺伝子を含む1.66kbのフラグメントを単離し、そして二元ベクターpCGP2788(図24)のPstI末端により連結した。34S5’: SuRB遺伝子及びpCGP2788のキメラ性F3’5’H遺伝子とタンデムにあるキメラ遺伝子の正しい連結を、テトラサイクリン耐性形質転換体の単離されたプラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析(HidDIII 、XhoI、PstI、EcoRI及びNcoI)により確立した。得られるプラスミドを、pCGP3292(図25)と命名した。pCGP3292による植物形質転換: 二元ベクタープラスミドpCGP3292を、A. ツメファシエンス株AGLO中に導入し、そしてpCGP3292に含まれるT-DNAを、ローザ・ハイブリダ中に、アグロバクテリウム介在性形質転換により導入し、ペチュニジン及びマルビジン基材の色素を生成し、そして変性した花の色を誘導した(例11に詳細されるように)。 例13.植物メチルトランスフェラーゼの系統樹: 系統樹を、ソフトウェアパッケージClustalW (Thompsonなど., 1994, 前記)を用いて構成した(図26)。ペチュニア(pCGP1907.aa)、トレニア(pTMT5.aa)及びフクシア(pCGP32677.aa)FMTの推定されるアミノ酸配列を、GenBankデータベースに見出されるクラスI及びIIの両者の十分な長さの他の植物O−メチルトランスフェラーゼにより連結した。その系統樹(図26)は、それらの配列間のクラスター関係を示す。すべてのクラスI SAM-OMT配列は、配列類似性のそれらの全体的レベルのために一緒にグループ分けされる。トレニア及びフクシアFMT配列は、クラスI SAM-OMTにより分類される。しかしながら、それらは主要クラスターから離れて設定される。 これは、それらの配列がお互い連結しているが、しかしこのクラス内の他のSAM−OMTと低レベルの配列同一性及び類似性を共有することを示す。すべての他のクラスI SAM-OMTは、カフェイン酸に由来するCoA−活性化されたフェニルプロパノイド基質により、対応する酵素活性について試験することによって、又はデータベースエントリーとの配列類似性により、CCoAOMTとして同定されている。A.タリアナCCoAOMT (GenBank L40031)及びポプラス・キタカミエンシスCCoAOMT (GenBank AB000408)の配列は、本明細書に記載されるFMTの配列に隣接するクラスターに見出されている。それの配列は、他のCCoAOMTよりもFMTにより類似する。しかしながら、酵素活性又はメチル化される基質に関するそれらのクローンについての実験証拠は存在しない。系統樹の残るブランチは、クラスII SAM-OMTのグループ分けにより形成される。 それらは、中でも次のものを包含する:COMT(カフェイン酸OMT)、F3’OMT(フラボノイド3’-OMT; Gauthierなど., 1996, 前記)、IOMT(イソフラボンOMT;he and Dixon, 1998, 前記)、2’OMT(イソリクイリチゲニン2’-OMT; Maxwellなど., 1993、前記)、IMT(イノシトールOMT;Rammesmeyerなど., 1995, 前記)、及びF70MT(フアボノイド7−OMT;Christensenなど., 1998, 前記)。クラスII SAM-OMTのメンバーにより利用される基質の種類、及びアントシアニンに構造的に関係するフラボノイド化合物に対して作用するそれらのいくつかのタンパク質の能力が与えられる場合、ペチュニア、トレニア及びフクシアから単離されたFMTは、SAM-OMTのこのカテゴリーに分類されない。 文献(Ibrahim and Muzac, 2000, 前記 ; Schroder など., Phtochemistry, 59 : 1-8, 2002)における再考は、フラボノイドに対して及び特にアントシアニンに対して作用するメチルトランスフェラーゼがクラスII SAM-OMTに分類されることを示唆する。驚くべきことには、本明細書に開示されるFMT配列は、クラスII SAM-OMTのメンバーよりもクラスIにおけるCCoAOMTに類似する。CCoAOMTは、1対のCoA−活性化された基質、すなわちカフェオイルCoA(CCoA)及び5−ヒドロキシフェルロイル−CoA(HFCoA)を効果的に利用することが知られている。それらのフェニルプロパノイド化合物は、クラスII SAM-OMTのCOMTタンパク質により効果的に利用される、カフェイン酸(CA)及び5−ヒドロキシフェルラ酸(HFA)から直接的に誘導される。 それらのフラボノイド及びアントシアニンの基本的環構造は類似し、アントシアニンとの主な差異は、分子への付加を形成する糖及びアシル側基の存在である。それらの基は、例えばフラバノン及びイソフラボノイド分子に比較して、アントシアニンの変性に関与する酵素に対する異なった立体的必要条件を改良すると思われる。従って、アントシアニン化合物に関しては、糖及びアシル側基は、それらに対しては作用するSAM-OMTタンパク質に対して類似する必要条件を付与するそれらの分子に結合される大きなCoA基を模倣する。 例14.他の種からのFMT cDNAの単離: メチル化されたアントシアニン、例えばペニジン、ペチュニジン及びマルビジンは、次の植物において生成されるが、但しそれらだけには限定されない:ペチュニアsp., ルリマツリsp., ブドウsp., バビアナ・ストリクタ(Babiana stricta), マツsp., ハリモミsp., カラマツsp., インゲンマメsp., ナスsp., コケモモsp., シクラメンsp., アヤメsp., テンジクアオイsp., ゼラニウムsp., エンドウsp., スイートピーsp., クリトリア(Clitoria) sp., ニチニチソウsp., マルビジンsp.,ムクナ( Mucuna) sp., ソラマメsp., セントポーリアsp., サルスベリsp., チボウチナ(Tibouchina) sp., ヒポカルイプタス(Hypocalyptus) sp., シャクナゲsp., アマsp., マクロプチリウム(Macroptilium) sp., ハイビスカスsp., アジサイsp., サツマイモsp., シンビジウムsp., ドクフジsp., イワオウギsp., レスペデザ(Lespedeza) sp., アンチゴノン(Antigonon) sp.及びエンドウsp.。 多くのそれらの植物は、フラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)を含むことが予測される。 まれなメチル化されたアントシアニン(例えば、5−メチルデルフィニジン、5−メチルペンチュニジン及び5−メチルマルビジン)が、イソマツ科における植物の花から単離されている(Harborne, 1967, 前記)。ルリマツリの花は、マルビジンの5−O−メチル化されているまれなアントシアニンを含むことが報告されている。この分子は、カペンシニン(5−O−メチルマルビジン)として記載されている(Harborne, 1962, 1967, 1967, 前記)。 存在するフラボノール捕色素が、アザレイン(クエルセチン5−メチルエーテル3−O−ラムノシド)として記載されている(Harborne, 1962, 1967, 前記)。通常の園芸用プルンバゴ・カプセンシス(Plumbago capsensis)(また、プルシバゴ・アウリキュレータ)(Plumbago anriculata)としても知られている)のさらなる分析は、メチル化されたアントシアニンが5,7−ジ−O―メチルマルビジンであることを示した(S. Bloor, 未公開の結果)。イソマツ科、例えばルリマツリにおける植物からの花は、位置3’, 5’, 3’及び5’、並びに5−O及び7−O−位置でアントシアニンをメチル化するFMTをコードするFMT配列のための適切な源であることが予測される。 上記に列挙される植物及び他の植物からのFMT cDNaの単離は、低い緊縮ハイブリダイゼーション、例えば例9又は本発明の序説に記載される条件を用いて、配列番号1、及び/又は4、及び/又は6、及び/又は11、及び/又は21、及び/又は26、及び/又は41、及び/又は43による、それぞれのcDNAライブラリーのスクリーニングにより達成される。 他方では、FMT cDNAフラグメントの単離は、表25(例11)に列挙されるようなCODEHOPプライマー、又は下記表28に列挙されるような変性プライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖反応により達成される。使用され得るプライマー対組合せの例は、下記表29に表示される。増幅生成物は、菌類プラスミドベクター中にクローン化され、そしてDNAフラグメントがより長い及び十分な長さのFMT cDNAクローンを単離するためにそれぞれのcDNAライブラリーをスクリーンするためのプローブとして使用される。cDNAクローンの機能性及び特異性は、例7, 8, 9, 10及び11に記載される方法を用いて確かめられる。 予測されるサイズのフラグメントの評価は、ペチュニアFMT(E20)配列(配列番号4)に基づかれる。異なった種からの鋳型としてcDNAを用いて得られるサイズは、変化することが予測される。 例15.FMTの使用: デルフィニジン基材の色素を通常生成せず、そしてアントシアニジン、特にデルフィニジンをメチル化できるフラボノイドメチルトランスファラーゼを含まない植物においてメチル化されたデルフィニジン色素を生成するために、F3’5’H遺伝子(例えば、キメラ性ビオラF3’5’H遺伝子、但しこれだけには限定されない)及びFMT遺伝子(例えば、ペチュニア、フクシア、トレニア、ルリマツリから単離されたそれらの遺伝子、但しそれらだけには限定されない)の組合せを含む構造体を、デルフィニジン基材の色素を通常生成しない種中に導入する。そのような植物は、カーネーション、キク、ガーベラ、ラン、ユーホルビア、ベゴニア及びリンゴを包含するが、但しそれらだけには限定されない。 デルフィニジン又はシアニジンを生成するが、しかしそれらのアントシアニンをメチル化できるフラボノイドメチルトランスフェラーゼを有さない種、又は種の栽培種においてメチル化された色素を生成するために、FMT遺伝子を、メチル化されたアントシアニン色素を生成しない植物種又は種の栽培種中に導入する。そのような植物は、パンジー、ニエレンベルギア、リシアンガス、ブドウの木の栽培種及びユリを包含するが、但しそれらだけには限定されない。 固有のメチル化された色素の生成を低めるか又は阻止するために、種々の方策、例えばPTGS、RNAi、アンチセンス、同時抑制技法が使用され得るが、但しそれらだけには限定されない。方策は、メチル化されたアントシアニン色素、例えばペチュニジン、マルビジン、ペオニジン、カプセニジン又は他のメチル化されたアントシアニンを生成する植物種、又は種の栽培種中へのFMT配列の導入を包含する。そのような種は、例14に記載されるそれら、例えばホウセンカ、カサランザス、シクラメン、トレニア、ペチュニア、フクシア、ルリマツリ、ペラルゴニウム及びブドウの木の栽培種を包含する。 当業者は、本明細書に記載される発明が特異的に記載される変更及び修飾以外のそれらに影響されることを理解するであろ。本発明はすべてのそのような変更及び修飾を包含することが理解されるべきである。本発明はまた、本明細書に、個々に又は集合的に言及されるか又は示されるすべての段階、特徴、組成物及び化合物、並びにいずれか複数の前記段階又は特徴のいずれか及びすべての組合せも包含する。ビブリオグラフィ: Altschul など., Nucl. 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V26からのdifE cDNAクローンを含むプラスミドpCGP1903の図示である。0.9kbのEcoRI/XhoIフラグメントの32P−ラベルされたフラグメントを用いて、Old Glory Blue花弁cDNAライブラリーをプローブした。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;f1 ori(+)=複製のf1線状ファージ起源;ColE1ori=複製のプラスミド起源;rev=配列分析に使用されるM13−20プライマー部位のおおよその位置;-20=配列分析に使用されるM13逆プライマーのおおよその位置。選択された制限酵素はまた、印が付けられている。図3は、P.ハイブリダcv. OGBからのE20 cDNAクローンを含むプラスミドpCGP1907の図示である。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;f1 ori(+)=複製のf1線状ファージ起源;ori=複製のプラスミド起源;ColE1ori=複製のプラスミド起源;rev=配列分析に使用されるM13逆プライマー部位のおおよその位置;-20=配列分析に使用されるM13−20プライマーのおおよその位置。選択された制限酵素はまた、印が付けられている。図4は、P.ハイブリダcv. OGBからのE33 cDNAクローンを含むプラスミドpCGP1908の図示である。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;f1 ori(+)=複製のf1線状ファージ起源;ori=複製のプラスミド起源; rev=配列分析に使用されるM13逆プライマー部位のおおよその位置;-20=配列分析に使用されるM13−20プライマーのおおよその位置。選択された制限酵素はまた、印が付けられている。図5は、細菌発現ベクターpQE30におけるP.ハイブリダからの突然変異誘発されたE20 cDNAクローンを含むプラスミドpCGP3086(pQE30におけるmut E20)の図示である。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;Col E1 ori=複製のE. コリプラスミド起源。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図6は、二元プラスミドpCGP1918の図示である。pCGP1910からのキメラ性アンチセンスE20遺伝子が、キメラSuRB遺伝子とタンデム配向で二元ベクターpWTT2132 (DNAP)中にクローン化された。略語は次の通りである:TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S=カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)35S遺伝子からのプロモーター領域;Mac=mas遺伝子からのプロモーター及びCaMV 35Sエンハンサー領域から成るハイブリットプロモーター;mas3’=アグロバクテリウムのマンノピンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサ(Pseuodomonas aeruginosa)からのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図7は、二元プラスミドpCGP1919の図示である。pCGP1911からのキメラ性アンチセンスE33遺伝子が、キメラSuRB遺伝子とタンデム配向で二元ベクターpWTT2132 (DNAP)中にクローン化された。略語は次の通りである:TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S=カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)35S遺伝子からのプロモーター領域;Mac=mas遺伝子からのプロモーター及びCaMV 35Sエンハンサー領域から成るハイブリットプロモーター;mas3’=アグロバクテリウムのマンノピンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサからのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図8は、トレニアからのTFMT cDNAクローンを含むプラスミドpTMT5の図示である。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;f1 ori(+)=複製のf1線状ファージ起源; rev=配列分析に使用されるM13逆プライマー部位のおおよその位置;-20=配列分析に使用されるM13−20プライマーのおおよその位置。選択された制限酵素はまた、印が付けられている。図9は、細菌発現ベクターpQE30におけるトレニアからの突然変異誘発されたTFMT cDNAクローンを含むプラスミドpCGP3090(pQE30におけるmut TFMT)の図示である。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;Col E1 ori=複製のE. コリプラスミド起源。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図10は、プラスミドpCGP3097の図示である。pTMT5からのトレニアFMTクローン(TFMT)が、CaMV35S発現カセット中にクローン化された。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域。選択された制限酵素部位はまた印が付けられている。図11は、二元プラスミドpCGP3099の図示である。pCGP3097(図10)からのキメラ性トレニアFMT遺伝子(TFMT)が、キメラSuRB遺伝子とタンデム配向で二元ベクターpCGP1988(図12)中にクローン化された。略語は次の通りである:TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサからのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図12は、二元プラスミドpCGP1988の図示である。二元ベクターpWTT2132(DNAP)の多クローニング部位が、pNEB193(New England Biolabs)からの多クローニング部位により置換された。略語は次の通りである:TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサからのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図13は、二元プラスミドpCGP3254の図示である。pCGP2092(図14)からのキメラ性F3’5’H遺伝子(TFMT)が、キメラSuRB遺伝子及びキメラ性TFMT遺伝子とタンデム配向で二元プラスミドpCGP3099(図11)中にクローン化された。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン;TFMT=トレニアFM cDNAクローン;TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサからのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図14は、プラスミドpCGP2092の図示である。pCGP1961からのビオラF3’5’HクローンがCaMV35S発現カセット中にクローン化された。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン;Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図15は、二元プラスミドpSPB1534の図示である。pSPB580(図16)からのキメラ性ビオラF3’5’H遺伝子が、キメラ性ペチュニアFMT遺伝子、及びTi二元プラスミドpSPB1531(図17)の選択マーカー遺伝子とタンデム配向でクローン化された。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン; PFMT=ペチュニアFMT cDNAクローン;nptIII =抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼIII 遺伝子;nptII=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシントランスフェラーゼII遺伝子;e35S5’=CaMV35S遺伝子からの増強されたプロモーター領域;petD8 3’=ペチュニアPLTP遺伝子からのターミネーター領域;nos5’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域;nos3’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;ColE1=E. コリ プラスミドColE1起源;RK2=広い宿主範囲のグラム陰性プラスミドRK2起源;LB=左側境界;RB=右側境界。選択された制限酵素はまた、印により示される。図16は、プラスミドpSPB580の図示である。ビオラF3’5’H(BP#40)cDNAクローン(pCGP1961からの)が、増強されたCaMV 35Sプロモーターフラグメント(pBE2113-GUSからの)とペチュニアPLTP(D8)ターミネーターフラグメント(pCGP13ΔBamからの)との間にクローン化された。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン;Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;e35S5’=CaMV35S遺伝子からの増強されたプロモーター領域;ColE1=E. コリ プラスミドColE1起源。選択された制限酵素はまた、印により示される。図17は、二元プラスミドpSPB1531の図示である。キメラ性ペチュニアFMT(PFMT)cDNAクローンが、PCRにより増幅され(pCGP1907からの)(図3)、そして二元プラスミドpSPB176 (図20)のGUSコード領域を置換した。略語は次の通りである: nptIII =抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼIII 遺伝子;nptII=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシントランスフェラーゼII遺伝子;e35S5’=CaMV35S遺伝子からの増強されたプロモーター領域; nos5’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域;nos3’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;ColE1=E. コリ プラスミドColE1起源;RK2=広い宿主範囲のグラム陰性プラスミドRK2起源;LB=左側境界;RB=右側境界。選択された制限酵素はまた、印により示される。図18は、二元プラスミドpSPB1532の図示である。pSPB580(図16)からのキメラ性ビオラF3’5’H遺伝子が、キメラ性ペチュニアFMT遺伝子、及びTi二元プラスミドpSPB1531(図17)の選択マーカー遺伝子とタンデム配向でクローン化された。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン;TFMT=トレニアFMT cDNAクローン;nptIII =抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼIII 遺伝子;nptII=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシントランスフェラーゼII遺伝子;e35S5’=CaMV35S遺伝子からの増強されたプロモーター領域;petD8 3’=ペチュニアPLTP遺伝子からのターミネーター領域;nos5’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域;nos3’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;ColE1=E. コリ プラスミドColE1起源;RK2=広い宿主範囲のグラム陰性プラスミドRK2起源;LB=左側境界;RB=右側境界。選択された制限酵素はまた、印により示される。図19は、二元プラスミドpSPB1530の図示である。キメラ性トレニアFMT(TFMT)cDNAクローンが、PCRにより増幅され(pTMT5からの)(図8)、そして二元プラスミドpSPB176 (図20)のGUSコード領域を置換した。略語は次の通りである: nptIII =抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼIII 遺伝子;nptII=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシントランスフェラーゼII遺伝子;e35S5’=CaMV35S遺伝子からの増強されたプロモーター領域; nos5’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域;nos3’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;ColE1=E. コリ プラスミドColE1起源;RK2=広い宿主範囲のグラム陰性プラスミドRK2起源;LB=左側境界;RB=右側境界。選択された制限酵素はまた、印により示される。図20は、二元プラスミドpSPB176の図示である。キメラ性GUS遺伝子(pBE2113-GUSからの)が、Ti二元ベクターpBINPlusのnptII選択マーカー遺伝子にタンデム配向でクローン化された。略語は次の通りである: nptIII =抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼIII 遺伝子;nptII=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するネオマイシントランスフェラーゼII遺伝子;e35S5’=CaMV35S遺伝子からの増強されたプロモーター領域;petD8 3’=ペチュニアPLTP遺伝子からのターミネーター領域;nos5’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域;nos3’=アグロバクテリウムのナパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;ColE1=E. コリ プラスミドColE1起源;RK2=広い宿主範囲のグラム陰性プラスミドRK2起源;LB=左側境界;RB=右側境界。選択された制限酵素はまた、印により示される。図21は、プラスミドpCGP3267の図示である。フクシアFMTの一部クローンが、PCR、及び鋳型としての一本鎖cDNA(フクシア花弁から単離された合計のRNAから調製された)を用いて増幅され、そしてプラスミドpCR2.1中にクローン化した。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;Kan=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するカナマイシン耐性遺伝子;Col E1 ori=複製のE. コリプラスミド起源;rev=配列分析に使用されるM13逆プライマー部位のおおよその位置;-21=配列分析に使用されるM13−21プライマーのおおよその位置。選択された制限酵素はまた、印が付けられている。図22は、プラスミドpCGP3289の図示である。十分な長さのバージョンのフクシアFMT(フクシアFMTfull)を、プラスミドpCR2.1中にクローン化した。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;Kan=抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与するカナマイシン耐性遺伝子;f1 ori(+)=複製のf1線状ファージ起源;Col E1 ori=複製のE. コリプラスミド起源;rev=配列分析に使用されるM13逆プライマー部位のおおよその位置;-21=配列分析に使用されるM13−21プライマーのおおよその位置。選択された制限酵素はまた、印が付けられている。図23は、プラスミドpCGP3290の図示である。pCGP3289(図22)からのフクシアFMT cDNAクローン(FFMT)が、CaMV 35S発現カセット中にクローン化された。略語は次の通りである:Amp=抗生物質アンピシリンに対する耐性を付与するアンピシリン耐性遺伝子;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図24は、二元プラスミドpCGP2788の図示である。35S5’:トレニアFMT: 35S3’発現カセットが、二元プラスミドpCGP3254(図13)から除去され、35S5’:SuRB選択マーカー遺伝子とタンデムに25S5’:ビオラF3’5’H:35S3’発現カセットを有する二元ベクターが得られた。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン; TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサからのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図25は、二元プラスミドpCGP3292の図示である。pCGP3290(図23)からの35S5’:FFMT:35S3’発現カセットが、Ti二元プラスミドpCGP2788(図24)の35S5’:SuRB及び35S5’: F3’5’H:35S3’発現カセットにタンデム配向でクローン化された。略語は次の通りである:F3’5’H=ビオラからのフラボノイド3’, 5’ヒドロキシラーゼcDNAクローン;FFMT=フクシアFMT cDNAクローン;TetR=抗生物質テトラサイクリンに対する耐性を付与するテトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左側境界;RB=右側境界;SuRB=タバコからのアセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコード領域及びターミネーター配列;35S5’=CaMV 35S遺伝子からのプロモーター領域;35S3’=CaMV 35S遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサからのプラスミドからの複製の広い宿主範囲起源;pACYC ori=E. コリからのpACYC184からの修飾された複製。選択された制限酵素部位はまた、印が付けられている。図26は、GenBankデータベースに見出されるクラスI及びクラスIIの両者の他の十分な長さの植物O−メチルトランスフェラーゼ(OMT)と共に、ペチュニア(pCGP1907.aa)、トレニア(pTMT5.aa)及びフクシア(pCGP3267.aa)FMTの推定されるアミノ酸配列間の一群の関係を示す系統樹を示す。データベースにおける個々のSAM−OMTのGenbank受託番号が括弧で示されている。 配列番号:12に示すアミノ酸配列を含んでなるフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)をコードする核酸。 配列番号:12に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、アントシアニンに作用するフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)をコードする核酸。 フラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)をコードし、そして配列番号:11に示すヌクレオチド配列を含んでなる核酸。 アントシアニンに作用するフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)をコードし、そして高い緊縮条件下で配列番号:11に示すヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んでなる核酸。 請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸を含んでなる核酸構造体。 プラスミドである、請求項5に記載の核酸構造体。 請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸又は請求項5もしくは6に記載の核酸構造体を含んで成る、遺伝子的に修飾された植物もしくはその一部、又はそれからの細胞。 前記植物又はその一部、又はそれからの細胞が、切花種からのものである請求項7に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 前記植物又はその一部、又はそれからの細胞が、園芸用植物種からのものである請求項7に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 前記植物又はその一部、又はそれからの細胞が、農業用植物種からのものである請求項7に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 前記植物が変更された花又は花序を示す、請求項7〜10のいずれか1項に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 前記修飾された部分が、萼片、ほう葉、葉柄、花柄、子房又は葯柄である請求項7〜11のいずれか1項に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 前記修飾された部分が、葉、根、花、種子、果物、果実、ベリー又は野菜である請求項7〜11のいずれか1項に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 前記植物が、バラ、カーネーション、リシアンザス(lisianthus)、ペチュニア、ユリ、パンジー、ガーベラ、キク、トレニア、ベゴニア、シクラメン、ニエレンベルギア(Nierembergia)、カサランザス(Catharanthus)、ペラルゴニューム、ラン、ブドウ、ユーホルビア又はフクシアから選択される、請求項7〜13のいずれか1項に記載の遺伝子的に修飾された植物又はその一部又はそれらからの細胞。 請求項7〜14のいずれか1項に記載の植物から切断されたか又は分離された花。 請求項7〜15のいずれか1項に記載の遺伝子的に修飾された植物の子孫、その子孫からの子孫、又は植生増殖体系。 請求項7〜16のいずれか1項に記載の遺伝子的に修飾された植物又は植物の一部からの抽出物。 前記抽出物が、調味又は食品添加剤、又は健康製品又は飲料物又はジュース又は着色剤である請求項17に記載の抽出物。 FMTを合成することができる遺伝子的に修飾された植物の製造方法であって、請求項1〜4のいずれか1項記載のFMTをコードする配列又は請求項5もしくは6に記載の核酸構造体あるいはそれらの配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子により、適切な植物の細胞を、前記核酸配列の結果的な発現を可能にする条件下で、安定して形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして前記トランスジェニック植物を、前記核酸配列の発現を可能にするのに十分な時間及び条件下で成長せしめることを含んで成る方法。 アントシアニンに作用するフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)をコードする核酸であって、 (i)配列番号11で示されるヌクレオチド配列; (ii)配列番号11に対する最適な一列整列の後、少なくとも90%の類似性を有するヌクレオチド配列; (iii)配列番号11又はその相補形に対して、高い緊縮条件下でハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列; (iv)配列番号12で示されるアミノ酸配列をコードすることができるヌクレオチド配列;又は (v)配列番号12に対する最適な一列整列の後、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードすることができるヌクレオチド配列; を有する核酸を使用することを特徴とする、請求項19に記載のトランスジェニック植物製造方法。 請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸分子にコードされる、組換えフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)。 前記組換えFMTが、複数の異種アミノ配列を含んで成る融合分子である請求項21に記載の組換えフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)。 複数の異種ヌクレオチド配列の融合体を含んで成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の単離された組換えフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)核酸分子。 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)分子をコードする遺伝子を、プラスミド形で染色体外に担持する原核生物。 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラボノイドメチルトランスフェラーゼ(FMT)分子をコードする遺伝子を、プラスミド形で染色体外に担持するヒト以外の真核生物。 遺伝子的に修飾された植物の製造のための請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸分子の使用。 前記遺伝子的に修飾された植物が変更花又は花序を示す請求項26に記載の使用。配列表


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