生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_モノクロル酢酸の製造方法
出願番号:2003549293
年次:2009
IPC分類:C07C 51/487,C07C 53/16


特許情報キャッシュ

クーイマン,コルネリス アールデリング,ヤコブス,テオドルス,ヨゼフ JP 4210600 特許公報(B2) 20081031 2003549293 20021119 モノクロル酢酸の製造方法 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ 390009612 Akzo Nobel N.V. 松井 光夫 100085545 クーイマン,コルネリス アールデリング,ヤコブス,テオドルス,ヨゼフ EP 01204651.2 20011204 20090121 C07C 51/487 20060101AFI20081225BHJP C07C 53/16 20060101ALI20081225BHJP JPC07C51/487C07C53/16 C07C 51/487 C07C 51/285 C07C 53/16 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開昭63−051351(JP,A) 特開平05−345132(JP,A) 特開昭60−139641(JP,A) 特開昭60−081142(JP,A) 9 EP2002012944 20021119 WO2003048098 20030612 2005511678 20050428 5 20051118 水島 英一郎 本発明は、新規なモノクロル酢酸(MCA)の製造方法に関する。MCAを製造する公知の方法は、塩素化工程及び水素化工程を含む2段方法である。第一工程において、無水酢酸の存在下で酢酸が塩素と反応させられ、インシチュでこの反応の触媒、塩化アセチル、に転換される。主な反応生成物はMCA、塩化水素及びジクロロ酢酸(DCA)であり、それは6重量%までの量で反応生成物混合物中に存在する。第二工程で、第一工程の反応生成物混合物で、MCA、DCA及び酢酸を含む混合物が、DCAをMCAに転換するために水素化に付され、それにより最終生成物中のDCAの量を典型的には約0.05重量%に減らす。 この方法の不利な点は、水素化工程の間、いく種かのアルデヒドが形成されることである。その結果、最終のMCAが着色されたものになり得る。さらに、種々のプロセス流(ストリーム)中のアルデヒドの存在は、工業規模でのMCAの製造に使用される装置を部分的に汚染する。それは、製造場所の環境への放出にも追加される。 そこで、工業規模でのMCAの製造分野におけるこれらの問題の解決が必要である。 本発明は、上記問題への解決、及び、透明且つ無色のMCA最終生成物を提供する。本発明の、MCAを製造する塩素化工程及び水素化工程を含む方法は、パーオキシカルボン酸を用いる酸化反応により、プロセス流からアルデヒドを除くことを特徴とする。 ところで、特開平04−338357号公報は、酢酸に過酸化水素を加えて、得られる物を蒸留することを含む、酢酸の精製方法を開示する。この方法によって、還元性不純物、特にアセトアルデヒド、が除去されることが記載されている。 さらに、特開平07−326738号公報は、反応混合物の還流温度にほぼ等しい温度で、塩化アセトアルデヒドを過酸化水素で酸化することを含む、モノクロロ酢酸の製造方法を開示する。 先行技術文献は、しかし、塩素化工程及び水素化工程を含むMCAの製造方法に関するものではない。さらに我々は、驚くことに、過酸化水素は要求される選択性を与えないことを見出した。というのは、上記MCAの製造方法におけるその利用は、塩化水素及び/又はMCAからの塩素を生成し、それが塩素化アルデヒド、例えばクロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、及びトリクロロアセトアルデヒド、の形成につながるからであり、それは好ましくない。加えて、過酸化水素はアルデヒドの酸化が、本発明に従い使用されるべきパーオキシカルボン酸よりもずっと遅い。 いかなるパーオキシカルボン酸も本発明の方法に適し得る。好ましくは、パーオキシカルボン酸は、上記MCAを製造する方法に適合できるもの(コンパチブル)でなければならない。例えば、パーオキシカルボン酸の水性溶液は、本発明の方法における使用にあまり適していない。好適なパーオキシカルボン酸の例には、過酢酸、パープロピオン酸、ジパーオキシドデカンニ酸、ジパーオキシイソフタル酸、モノパーオキシフタル酸、デシルブタンパーオキシカルボンニ酸、3−クロロパー安息香酸及びパーオキシドデカン酸が包含される。好ましくは、パーオキシカルボン酸は、C1〜C24のモノパーオキシカルボン酸である。より好ましくは、パーオキシカルボン酸は、C1〜C12のモノパーオキシカルボン酸である。最も好ましくは、パーオキシカルボン酸は、過酢酸を含む。過酢酸は、酢酸、過酸化水素、過酢酸、及び水を含み、過酢酸を40重量%以下で含む平衡混合物として、市販されている。 本発明の方法において使用されるべきパーオキシカルボン酸の量は、典型的には、処理されるべきプロセス流中に存在するアルデヒドの量に依存する。実際上は、存在するアルデヒドのモル量に対して約当モル量のパーオキシカルボン酸が使用される。仮に過剰モル量が使用された場合は、未反応のパーオキシカルボン酸は分解されなければならない。当モル量よりも少ない場合には、プロセス流からのアルデヒドの除去が完全では無い可能性がある。 本発明の方法に従い使用されるパーオキシカルボン酸は、任意の慣用の方法によりプロセス流に添加される。反応条件は、パーオキシカルボン酸の蓄積が防止されるようなものでなければならない。 本発明に従う酸化反応は、広い温度範囲、典型的には−20℃〜150℃、で行うことができる。酸化を行うための実用的な温度範囲は、60℃〜100℃である。好ましい温度は、70〜90℃、より好ましくは約80℃である。 本発明の方法は、広い圧力範囲で、減圧下でも、10×105 Pa(即ち10バール)以下の圧力においても行ってよい。好ましくは、本発明の方法は、6×105 Pa以下、より好ましくは3×105 Pa以下で行われる。最も好ましくは、本発明の方法は大気圧で行われる。 本発明に従う方法は、工業規模のMCA製造プロセスにおける、アルデヒドを含む任意のプロセス流を処理することができる。典型的には、上述の製造工程の水素化工程の反応生成物が減圧蒸留に付され、酢酸を含む最軽蒸留分(ライトエンドフラクション)が、塩素化ユニットにリサイクルされる。酢酸リサイクルプロセス流は、本発明を適用するための実際的な選択である。他の適したプロセス流には、水素化プロダクト流及び最軽蒸留塔の(吸収された)オフガスが包含される。本発明を以下の実施例で説明する。 実施例として、Flukaから入手した過酢酸(酢酸中39重量%の過酢酸、3重量%の過酸化水素、及び14重量%の水を含む平衡混合物)を使用した。比較例として、過酸化水素(水中70重量%)を使用した。 総ての実験は、加熱ジャケット、還流管、及び4−ピッチブレードのガラス攪拌機が備えられたバッチ反応容器中で、80℃、圧力1バール(即ち1×105 Pa)で行った。過酢酸又は過酸化水素をペリスタリックポンプにより反応容器中に入れた。 工業MCAプラントの酢酸リサイクルプロセス流から以下の典型的な組成を有する試料を取った:80〜95重量%の酢酸、0〜15重量%のMCA、1〜5重量%の水、0.5〜1重量%の塩化水素及び0.5〜1.5重量%のアルデヒド。塩化水素は、過酢酸または過酸化水素の添加が行われる前に、60℃、100ミリバール(即ち1×104Pa)におけるストリッピングにより大部分除去された(最終濃度約70ppm)。 間欠的に採取した過酢酸または過酸化水素による処理反応混合物中のアセトアルデヒド(ACA)、クロロアセトアルデヒド(CAA)、ジクロロアセトアルデヒド(DCAA)、及びクロトンアルデヒド(CA)の存在を、当業者に公知のHPLC方法により分析した。 2.2倍モル過剰量の過酢酸を、16分かけて、ポンプにより、80℃に加熱された約400gの酢酸リサイクル試料が入った1リットルの攪拌されたバッチ反応容器中に入れた。 30分後に、実際上、総てのアルデヒドが転換され、反応混合物から除去された。 5倍モル過剰量の過酢酸を、16分かけて、ポンプにより、80℃に加熱された約400gの酢酸リサイクル試料が入った1リットルの攪拌されたバッチ反応容器中に入れた。本実施例では、塩化水素をストリッピングにより除去しなかった酢酸リサイクル試料を使用した。 ここでも、又、たった50分後に、実際上、総てのアルデヒドが転換され、反応混合物から除去された。 比較例A 4.5倍モル過剰量の過酸化水素を、17分かけて、ポンプにより、80℃に加熱された約400gの酢酸リサイクル試料が入った1リットルの攪拌されたバッチ反応容器中に入れた。 CAA量の大量増加及びより少量のDCAAの増加が4〜30分間の間に観察された。70分後、ACAがほぼ完全に転換され、反応混合物から除去されたが、未だ相当量のCAA及びいくらかのDCAAが存在した。150分後、ほぼ総てのCAA及びDCAAが転換された。 結論として、本発明に従うパーオキシカルボン酸である過酢酸によるMCA製造プラントのプロセス流からのアルデヒドの除去は、過酸化水素を使用した場合よりも、速く進み、選択性であり、少量の酸化剤で済む。 追加の利点は、パーオキシカルボン酸が非水溶液もしくは、水性溶液の形態でのみ入手可能な過酸化水素の配合物(フォーミュレーション)よりも水が少ない配合物として入手できることである。従って、水が、非水プロセスであるモノクロロ酢酸の製造プロセス中により少量で導入され、もしくは、全く導入されない。 塩素化工程及び水素化工程を含むモノクロロ酢酸を製造する方法において、パーオキシカルボン酸を用いる酸化反応により、プロセス流からアルデヒドを除くことを含むことを特徴とする、モノクロロ酢酸を合成する方法。 パーオキシカルボン酸がC1〜C24のモノパーオキシカルボン酸であることを特徴とする請求項1記載の方法。 パーオキシカルボン酸が過酢酸を含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。 パーオキシカルボン酸が、プロセス流中に存在するアルデヒドのモル量に対して当モル量で使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。 酸化反応が、60〜100℃の温度で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。 酸化反応が、70〜90℃の温度で行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。 酸化反応が、6×105 Pa以下の圧力で行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。 酸化反応が、大気圧で行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。 プロセス流が、酢酸リサイクル流であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。


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