タイトル: | 特許公報(B2)_治療上の処置 |
出願番号: | 2003546915 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 31/716,A61P 35/00,C08B 37/00,A61K 36/02 |
ジャン−クラウド・ビン ヴァクラブ・ヴェビカ JP 4633361 特許公報(B2) 20101126 2003546915 20021129 治療上の処置 ラボラトワール・ゴエマー 500362523 村山 靖彦 100108453 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 実広 信哉 100110364 ジャン−クラウド・ビン ヴァクラブ・ヴェビカ US 09/999,202 20011130 20110216 A61K 31/716 20060101AFI20110127BHJP A61P 35/00 20060101ALI20110127BHJP C08B 37/00 20060101ALN20110127BHJP A61K 36/02 20060101ALN20110127BHJP JPA61K31/716A61P35/00C08B37/00 CC08B37/00 QA61K35/80 Z A61K 31/33-33/44 C08B 1/00-37/18 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平02−289523(JP,A) Br J Cancer,1996年,73,10,1183-1186 Experimental Cell Research,1981年,131,121-129 9 EP2002013512 20021129 WO2003045414 20030605 2005510543 20050421 17 20051020 福井 悟 本発明は治療上の処置に関する。 とりわけ本発明は、ラミナリン、特に海産グルカンとして周知の可溶性ラミナリンの、免疫刺激活性、抗腫瘍活性、サイトカイン合成誘導活性、及びサイトカイン促進活性に基づく治療上の処置に関し、前記活性は、過度且つ徹底的な研究及び探索の過程で本出願人により驚くべき且つ予期せぬことに発見され、前記活性に基づいて、以下に開示され特許請求の範囲に記載される応用および使用が見出された。 問題となる治療上の処理は、ガン、ウイルス性、細菌性、及び真菌性疾患、並びに患者、即ちヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患を治療するために企図される。 本出願人の発見は、とりわけ以下の点でより重要且つ予期せぬことである:− 以下に開示される比較試験により、マッシュルームから抽出され、日本では25年間にわたり抗腫瘍治療において補助剤として使用されているグルカン、即ちレンチナンに対して、特にラミナリンの可溶性形態の効力の観点で優越性が示されるため;及び− 「抗腫瘍陽性」、即ち腫瘍に作用すると考慮されているレンチナン、カードラン、スキゾフィラン、及びパキマラン(三重ヘリックス形態)を含むファミリーのグルカンと比較して、ラミナラン及びパキマンタイプ(単一ヘリックス形態)のグルカンが、「抗腫瘍陰性」、即ち抗腫瘍特性を有さないものとして考慮されていたため(G. CHIHARA, National Cancer Research Institute, Tokyo, Japan, 文献名"Immunopharmacology of Letinan and glucans", EOS-Riv. Immunol. Immunopharmacol., 5: 85, 1983参照)。 本発明の別の特徴点は、古典的な方法によってはしばしば治療できない抗生物質耐性の院内感染の増大する発生に対抗することを可能にする治療上の処置を入手可能とするという事実から由来し、サイトカインのような免疫調節剤によるこれらの疾患の治療は、有効ではあるが、これらの物質の固有の毒性と関連しているのである。 ラミナリンは褐藻類から抽出され、そのため海産グルカンと称されており、約2500から約6000の分子量を有する。 ラミナリンは、アセタール性β-(1,3)結合によって結合した15から35のグルコピラノース単位の主直鎖からなり、それに低い割合の側鎖、特に主に1位のβ-D-グルコピラノース単位がβ-(1,6)結合によって結合しており、これらのβ-D-グルコピラノース単位のいくつかは主鎖に結合している。 平均重合度は25に近い。 主鎖の末端単位は、グルコースまたはマンニトールからなり、かくしてGまたはMとそれぞれ称される二つのタイプの分子を提供する。 完全な加水分解により、グルコース及びマンニトールが生成する。 二つの形態のラミナリンが同定されている:これらの形態の一方は好ましくはここで使用される可溶性形態であり、他の一方は水中に不溶性であり、後者は数個または全く側鎖を有さないことによっておそらく特徴づけされるであろう。 可溶性形態及び不溶性形態の両者が、例えばラミナリア種からの抽出によって得られて良い;これらの種の二つはlaminaria digitata及びlaminaria hyperboreaである。 可溶性ラミナリンは、無臭で無味の白色からベージュのパウダーの形態で存在する;可溶性形態は非常に吸湿性であり水溶性であり(60g/lまで)、エタノール、2-プロパノール、及びアセトンに実質的に不溶性である。 可溶性ラミナリンの同定は、例えば電流検出器を含む装置を使用して、液体クロマトグラフィーによって実施されて良い。 方法は以下のものを使用して以下のように実施されて良い:− 約5μmの粒径を有する非孔性のポリマー状樹脂を供えた、250mmの長さと4mmの内径を有するアニオン交換カラム;− 金電極を備えたパルス化電流検出器;− A溶液とB溶液の混合物からなる移動相であって、A溶液は最初30%を占め、B溶液は70%を占め、後者は4分後Aと等しくなり、それは移動相がAのみからなることを意味する。 溶液Aは、粒子を含まない950mlの水に41gの酢酸ナトリウムを溶解し、46-48%の8.2mlのNaOHを導入することによって得られる。 溶液Bは、粒子を含まない990mlの水と、47%の8.2mlのNaOHを混合することによって得られた150mMのNaOHの溶液である。 試験される50mlの溶液の量を注入し、15分間1ml/分の速度で溶出する。 かくして得られたクロマトグラムは、5.8分と12分の間に含まれるリテンションのガウスピックを含み、約8分で位置する最大振幅を有する。 10mlに揃えた二酸化炭素を含まない水中に1gの可溶性ラミナリンの溶液のpHは6.5から7.5である。 1gの可溶性ラミナリンの燃焼残余物は5%以下である。 可溶性ラミナリンの全加水分解によって得られた産物のフカン含量を与える、液体クロマトグラフィーによって得られた可溶性ラミナリンのフカン含量は5%未満であるようである。 前述のように、ラミナリンは、Pheophyceaeタイプの褐色マクロファイト海産藻類、特にfucalesまたはlaminarialesから抽出される。 各種の抽出方法が使用できる。 例えばBlack等, Appl. Chem. 1951, 1, 505-517頁に記載された方法が参照されて良い。 より一般的にはラミナリンは、ラミナリン以外の構成成分(壁部ポリサッカリド、塩等)を連続して除去可能にするいずれかの抽出方法によって、褐藻類から得ることができる。 特にこれらの方法は、粉砕、酸性または塩基性媒体における沈降、限外濾過、及び透析を含む工程を使用する。 かくして得られた産物は、ラミナリンの可溶性形態と不溶性形態の混合物からなり、それぞれの割合は選択された藻類によって異なる。 例えばlaminaia digitataまたはlaminaria saccharinaは、約90重量%の可溶性形態を含む混合物を提供し、laminaria hyperboreaは、約80重量%の不溶性形態を含む混合物を提供する。 後者は沈降によって分離される。 以下の非制限的な実施例は、可溶性ラミナリンの抽出方法を説明する。実施例1Laminaria Saccharinaからの可溶性ラミナリンの抽出方法 オーガスタで収穫されたLaminaria saccharinaタイプの300gの新鮮な藻類を、仏国特許第74 35162に記載された方法によって凍結破砕(-40℃)にかける。 かくして得られた産物は、50から100μmの間の平均粒径を有し、10-12%の固体含量を有する。0.3%硫酸の0.9lの量を、300gのこの産物に段階的に加える。約80℃の温度で1時間、攪拌しながらウォーターバスで抽出を実施する。 この操作を二度繰り返す。 中和後、得られた抽出物を、約1重量%の量のポリビニルピロリドンで処理する。99mlの抽出物の容量に9gのポリビニルピロリドン(PVP)を導入することによってこれを実施する。約2時間放置してPVPを増粘する。生成した溶液に約0.9リットルの抽出物を加え、混合物を30分攪拌し、次いでWharman GF/Aフィルターで真空下で濾過する。 かくして得られた液体を、50.000ドルトンの孔度を有する"Carbosep"タイプの炭素-セラミックチューブ状膜で垂直限外濾過にかける。操作の間で濾過カラムに1バールの圧力を維持する。 これにより、約0.8リットルの容量で5.5のpHを有する濾液が得られる。濾液を約一晩約4℃で維持する;沈降したラミナリンの不溶性形態を濾過によって除去し、次いでかくして処理された濾液を、500または1000ドルトンの孔度を有するSPECIRA Poreタイプのセルロースエステル膜で透析する。次いで透析物を凍結乾燥し、純粋な可溶性ラミナリンに対応する7gの乾燥パウダーを得る。 特に可溶性ラミナリンに関して実施された前述の研究及び調査の過程で、本出願人は特に、細胞毒性に関与する防御反応に対して作用する能力を測定する実験を実施した。 この点で本出願人は、標準的な方法によりBalb/cマウスの脾臓から単離した脾臓細胞に対するin vitro細胞毒性アッセイを初めて実施した。 これらの試験は、マウスのNK(ナチュラルキラー)細胞の細胞毒性に対する可溶性ラミナリンの効果を評価し、以下の2種類の既知のグルカンについての効果とこれらの効果を比較するために実施した:1. Biopolymer Engineering, Inc., St. Paul, MN, USAから購入した、BEIと称される酵母由来のグルカン;及び2. Sigma St. Louis, MO, USAから購入した、Lentinius edodesと称される食用マッシュルームから単離できる1,3-β-D-グルカンである前述のレンチナン。 前述のBalb/cマウスから単離した脾臓を、5重量%のFCS(Life Technologies USAから得た胎児ウシ血清)を補った、Life Technologies USAから得たRPMI 1640培地を含むペトリ皿内に配置した。脾臓を小さな断片に切断し、PBS(Biowhittaker Inc, 8830 Biggsford Road, Walkersville, MD21793 USAから得たリン酸緩衝生理食塩水)を含むペトリ皿の底に対してミンチした脾臓を押し付けることによって懸濁物を調製した。かくして得られた組織の断片を、5mlのシリンジのプランジャを使用してステンレススチールスクリーンに対して穏やかにそいだ。氷上で10分間、3mlの熱不活性化FCSに対して細胞懸濁物を層状化することによって、大きな破片と細胞凝集物を除去した。蒸留水で10秒間のインキュベーションし、冷却PBSで5回洗浄して赤血球を除去した後、かくして得られた脾臓細胞と称される細胞をPBSに再懸濁してカウントした。 方法は以下の通りであった。 0.25mlのトリパンブルー(Sigmaから得た)溶液(水中に0.4%w/v)の量を、0.15mlのPBSと0.1mlの前記細胞懸濁物(2.6×106細胞/mlを含む)と混合した。 生成した混合溶液を、室温で5分間放置した。 次いで少量の懸濁物を、血球計算版またはカバーグラスのいずれかに移し、顕微鏡下で細胞をカウントした。 非生存細胞は青色に染色されるため、容易に同定できた。 V%によって表される細胞の生存率を、下式を使用して測定する: 95%より高いV%が見出された細胞懸濁物のみを、以降の実験で使用した。 これらの細胞懸濁物の細胞毒性の評価を、Promega, Madison, WI, USAにより商標名CYTOTOX 96で市販されている非放射性活性細胞毒性アッセイを使用することによって実施した。 これらの実験のために、「エフェクター細胞」とも称される脾臓細胞を、可溶性ラミナリン、レンチナン、及びBEIグルカンのそれぞれと細胞を含む懸濁液を混合することによって30分間事前処理した;その後混合物を、正常な不活性化NK細胞に比較的耐性であることが知られている腫瘍細胞系YAC-1の標的細胞の懸濁液とインキュベートした。 アッセイの特異性を、10:1、50:1、及び100:1の三種の異なる比のエフェクター細胞/標的細胞(ETと称される)を使用することによって確立した。 各比について、3のカウントを実施し、異なる日で実験を3回繰り返した。 コントロールはPBSのみでインキュベートしたエフェクター細胞からなった。 とりわけ、上記脾臓細胞(エフェクター細胞)の細胞懸濁液を106細胞/mlに希釈し、0.1ml/ウェルの濃度でV型96穴ミクロタイタープレートの個々のウェルに配置した。 パウダーの形態で存在するラミナリン、レンチナン、及びBEIグルカンを、PBS中に2μg/mlの同一濃度でPBSへの溶解の後に加え、プレートを加湿CO2インキュベーターにおいて37℃で30分インキュベートした。 インキュベーション後、プレート、即ちウェルに含まれるインキュベートされた細胞を、RPMI 1640培地で3回洗浄し、標的細胞系YAC-1の50μl懸濁液を各ウェルに加え、10:1、50:1及び100:1の前記「エフェクター細胞/標的細胞比」またはETとした。 各比のそれぞれについて、3の個々のウェルを使用し、標的細胞の数はそれぞれ104、2×103、及び1×103であった。 さらに、自発的放出コントロールのための標的細胞、最大放出コントロールのための標的細胞、及びエフェクター細胞放出放出コントロールを、適切なウェル、即ち使用された各濃度についての3の個々のウェル内に導入した。 用語、「自発的放出コントロール」、「最大放出コントロール」、及び「エフェクター細胞放出コントロール」はそれぞれ以下のものを意味する:− 標的細胞の自発的LDH放出;− 溶解バッファーの添加の後のみの標的細胞を有するウェルからのLDH放出;− エフェクター細胞(NK細胞)の自発的LDH放出。 基本的に、標的細胞及びエフェクター細胞の両者から自発的放出の値を得ることが必要であり、これらの値はバックグランドとして機能する。最大の放出コントロールは100%として機能する。 プレートを遠心分離機において250gで5分間回転させた後、プレートを加湿CO2インキュベーターにおいて35℃で4時間インキュベートした。 エフェクター細胞またはNK細胞の細胞毒性活性の評価のため、製造者PROMEGAの説明書を使用して以下の方法を実施した。 ここで再び、PROMEGAによりCYTOTOX 96の商標名で市販されている非放射性活性細胞毒性アッセイキットを使用した。 キットに含まれている10μlの溶解溶液の量を、適切なコントロールウェル内、即ち最大の放出コントロールを有するウェル内に、インキュベーションの終了の45分前で添加した。 次の工程で遠心分離機で250×gで5分間プレートを回転させ、次いで平底96穴ミクロタイタープレートのウェルに50μlの上清を移した。 50μlの再構成化基質(基質ミックスのビンに加えられ、再構成化基質として使用される12mlのアッセイバッファー)の量を各ウェル内に加えた;次いでプレートをカバーし、暗所で室温で30分間インキュベートした。 次いで各ウェルの光学密度を、STL ELISAの商標名でTecan U.S., Research Triangle Park, NCにより市販されているキットからなるリーダーを使用して492nmで測定した。 特異的な細胞介在性の細胞毒性を、キットに含まれている製造者の説明書に開示されている以下の式を使用して計算した:式中、− 「OD492実験」は、エフェクター細胞の存在下で溶解された標的細胞の492nmで測定された光学密度である;− 「OD492自発的」は、自発的放出、培地単独でインキュベートされた標的細胞の懸濁液の492nmで測定された光学密度である;及び− 「OD492最大」は、最大の放出、キットで提供される溶液で溶解した標的細胞の492nmで測定された光学密度である。 ラミナリン、BEI、レンチナン、及びコントロールのそれぞれについて、上記同定される3種の「エフェクター細胞/標的細胞」比のそれぞれで、3種の実験を実施した。 各場合で3種の実験の平均値から、殺害細胞の平均パーセンテージを測定した。 かくして測定されたパーセンテージは、以下の表Iに集約されている。 ここに添付された図1の棒グラフでは、表Iに集約された殺害細胞のパーセンテージがY軸にプロットされている;X軸には、試験された各産物、即ちラミナリン、BEI、レンチナン、及びコントロールと結びついた前記の3種の比が記載されている。 以下にコメントされる結論は、図1の実験から引き出すことができる。 ETの値の増大の関数として、コントロール(PBSのみでインキュベートされたエフェクター細胞)は、標的細胞の殺傷の一定の増大を示した。 可溶性ラミナリンによって誘導された殺傷とコントロール、即ち非刺激化NK細胞によって誘導された殺傷の比較は、P 0.05のレベル(これは各図が+/-5%で提供されていることを意味する)で有意な差異を示す;かくしてコントロールと比較して、ET10:1では、可溶性ラミナリンで刺激されたNK細胞は、245%より大きい細胞毒性であり、ET50:1では、196%より大きい細胞毒性であり、ET100:1では、180%より大きい細胞毒性であった。 同様に、可溶性のラミナリンで刺激したNK細胞の殺傷を、レンチナンで刺激したNK細胞の殺傷と比較した場合、可溶性のラミナリンでは再び、P 0.05のレベルでより有意な活性が見出された:レンチナンと比較して、ET10:1では133%、ET50:1では123%、ET100:1では130%のより高い活性であった。 BEI刺激化細胞の殺傷と比較すると、可溶性のラミナリンでは再び、P 0.05のレベルでより有意な活性を示した:BEIと比較して、ET10:1では132%、ET50:1では122%、ET100:1では129%のより高い活性であった。 従ってラミナリンは、3種の試験されたグルカンの中で最も高い活性を示すようである。 これらの結果は、可溶性のラミナリンがナチュラルキラー細胞に対する非常に強力な刺激効果を有することを示し、それは腫瘍細胞の増大した殺傷による刺激に応答している。 前述のデータは、in vivoでの腫瘍の増殖に対する可溶性のラミナリンの効果を評価した更なる実験によって確認されている;酵母由来のグルカンBEIを比較として使用した。 これらの更なる実験では、マウス乳がん細胞系64Ptasでマウスをインキュベートした。実験的処置は、PBSで希釈した可溶性ラミナリンとBEIの2種の投与量の14日間の毎日の腹膜内注射によって達成された;前記2種の投与量は、それぞれ注射当たり100及び250μgのラミナリンであった。 14日目の処置の最後で、マウスを殺害し、腫瘍を取り出して計量した。 可溶性ラミナリンで処理されたマウスの場合、コントロールで処理されたマウスの重量に対して、腫瘍の重量は28%を占め、BEIの場合では、コントロールで処置された腫瘍の重量に対して41%を占めた。 これらの結果は、ラミナリンで処理されたマウスにおけるガンの増殖の優位な阻害を示し、BEIで得られた効果に対して優れていることを明らかに示す。 結論として本発明の目的は、腫瘍、またはガン、またはウイルス疾患、細菌性疾患、真菌性疾患、免疫系の疾患、自己免疫疾患、ヒトまたは動物における免疫刺激欠損に関連する疾患に罹患しているヒトまたは温血動物に対して、ラミナリン及び製薬学的に許容可能なキャリアーを含む組成物内に含まれる、ある量のラミナリン、特に可溶性ラミナリンを投与することを含む治療方法であって、ラミナリンの量が腫瘍またはガンまたは前記疾患を治療するのに有効である方法に関する。 本発明の目的はまた、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガンの治療のための、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の治療のための、有効量の特に可溶性ラミナリンの患者への投与を含む治療方法に関する。 用語「有効量」は、本明細書を通じて、許容しがたい毒性の症状を生ずることなく、ガン細胞またはウイルス感染細胞の制御または破壊のような企図される医学的目的を達成できるラミナリンの濃度または量またはレベルを指す;前記有効量は、治療される特定の状態、患者の肉体的状態、及び治療の継続期間のようなファクターにより変化するであろう。 本発明の別の目的は、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガンの、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の、患者のNK細胞の刺激化による治療の治療方法であって、特に可溶性ラミナリンの有効量の患者への投与を含む方法に関する。 本発明の別の目的は、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガンの、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の、患者のNK細胞の刺激化による治療の治療方法であって、前記ラミナリン及び製薬学的に許容可能なキャリアーを含む組成物内に含まれる、ある量のラミナリン、好ましくは可溶性ラミナリンの患者への投与を含み、ラミナリンの量が腫瘍、ガン、及び前記疾患を治療するのに有効である方法に関する。 本出願人は、THF-α、即ち単核球/マクロファージ及びTリンパ球のそれぞれによって主に分泌される多面発現サイトカインである腫瘍壊死因子アルファの生産に対するラミナリンの効果も調べた。 TNF-αは、腫瘍所有マウスにおいて腫瘍の壊死を誘導するBacillus Calmette-Guerin-処理マウスの血清に存在する因子としてもともと記載された。 TNF-αは、グラム陰性細菌に対する天然の免疫の主となるメディエーターであり、炎症応答及び敗血症ショックの鍵となるメディエーターである。 更に、特定の標的細胞及び腫瘍に対する細胞毒性効果、標的細胞上のMHC(「腫瘍組織適合複合体」)クラスI及びII分子の誘導、多形核白血球の活性化、並びにT及びBリンパ球に対する共刺激効果を含む、多くの他の活性を有する。 TNFレセプターの細胞外形態は隠れており、TNF活性のレギュレーターとして潜在的に作用する生物学的液体で出現する;TNF活性はいずれかの生物学的活性を意味し、TNFは生物学的システム上に有するはずである。 TNF-αに対する古いバイオアッセイは、標的細胞に対する細胞毒性効果に基づいた。最近、非常に特異的な市販のキットが、TNF-αの生産のより容易で信頼できる評価を実施した。 かくして結論として、TNF-αの生産を刺激することに興味が持たれ、TNF-αの作用を通じて特にガンに対する天然の防御が改良されている生物を、ラミナリン、特に可溶性ラミナリンで処理した場合、そのような刺激が可能となることを、本出願人は驚くべき且つ予期せぬことに見出した。 その結果、本発明の別の目的は、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガンの治療のための、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の、TNF-αの生産の刺激による治療のための治療方法であって、有効量の好ましくは可溶性ラミナリンの患者への投与を含む方法に関する。 前記記載の好ましくは可溶性ラミナリンは、前記ラミナリン及び製薬学的に許容可能なキャリアーを含む組成物内に含まれ、ラミナリンの量は、腫瘍、ガン、または前記疾患の治療に有効なものである。 本出願人によりこの点で実施された実験と関連して、PBS中に250mgのラミナリンまたはレンチナン(Sigma St. Louis, MO, USAから購入した)で、Balb/cマウスを腹膜内で注射した。 コントロール群のマウスはPBSのみで処理した。 各種の時間間隔(それぞれ10、30、60、及び90分)の後、ラミナリン、レンチナン、及びPBSのみの注射後に、マウスを殺害して血液をエッペンドルフチューブに回収した。 その後、回収された血液の血清を分離し、回収し、1週間以下で-80℃で貯蔵した。 血清サンプル中のTNF-αのレベルを、Pharmingen, San Diego, CA, USAによりOptEIA Mouse TNF-α(Mono/Mono)セットとして販売されている市販のキットを使用して評価した;製造者の説明書は以下の通りであった。 この点では、96穴プレートのウェルを、コーティングバッファー(前記キットで提供される)に希釈された0.1ml/ウェルのキャプチャー抗体(前記キットで提供される)で被覆した;用語「キャプチャー抗体」は、ウェルのコーティングのために使用される第一の抗体を指す;この抗体は溶液から試験されるサイトカインを捕獲する;このアッセイでは、それは抗マウスTNF-αモノクローナル抗体であった。 プレートを密封し、4℃で一晩インキュベートした。 個々のウェルをアスピレーションにより空にし、300μl/ウェルの洗浄バッファー(キットで提供される)で3回洗浄した。 200μl/ウェルのアッセイ希釈液(キットで提供される)で、室温で60分インキュベートすることによって反応をブロックした。 再び個々のウェルをアスピレーションにより空にし、300μl/ウェルの同じ洗浄バッファーで3回洗浄した。 スタンダード(キットで提供される)及び血清サンプルをアッセイ希釈液(キットで提供される)で希釈し、適切なウェルにピペッティングした(100μl/ウェル);溶解速度に関する範囲で、スタンダード(キットの一部)を、1000pg/ml、500pg/ml、250、126、62.5、31.3、及び15.6pg/mlの濃度に説明書に従って希釈した。 プレートをプラスチックホイルで密封し、室温で60分インキュベートした。個々のウェルをアスピレーションにより空にし、300μl/ウェルの同じ洗浄バッファーで3回洗浄した。 100μ/ウェルの基質溶液(キットで提供される)の量を各ウェルに加え、プレートを室温で暗所で30分インキュベートした;「基質溶液」は、過酸化水素を含む基質試薬Aと、有機溶媒中に3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンを含む基質溶液Bとを混合することによって形成される;共に混合した場合、試薬はペルオキシダーゼラベル化接合物と反応し、青色を発色する。 キットで提供され、反応を停止するために適応する50μl/ウェルの停止バッファーの量を各ウェルに加え、570nmでの補正で450nmでSTL ELISAリーダー(Tecan U.S., Research Triangle Park, NCによって市販される)を使用して、光学密度を測定した。 前記開示されたように処理されたマウスの血液中のpg/ml単位でのTNF-αの濃度を、可溶性ラミナリン、レンチナン、及びコントロールの注射の10、30、60、及び90分後で測定した。 得られた値は表IIに集約されている: 図2は、可溶性ラミナリン、レンチナン、またはコントロールのいずれかの作用の、分単位で表される継続時間「t」の関数としての、実験マウスの血液中のTNF-αのμg/ml単位で表される濃度の変化を表すグラフである。 図2では、可溶性ラミナリン、レンチナン、及びコントロールの存在下でのTNF-αの変化が、それぞれ曲線A、B、及びCによって表されている。 表IIに集約されたデータ及び図2から引き出すことができる結論は、TNF-αの分泌の増大として測定されたマクロファージ及び細胞毒性Tリンパ球の間接的な活性化が、レンチナンの代わりに特に可溶性ラミナリンを使用した場合有意に高いということである。 前記記載の二つのセットの実験から、可溶性ラミナリンが、NK細胞の活性化を介して特異的に、及びTNF-αの生産の刺激を介して非特異的にの両者の免疫反応に対する二重の効果を有することが分かる。 その結果、可溶性ラミナリンの治療薬が、ガン、及び細菌性、ウイルス性、真菌性、または日和見疾患のような感染性疾患、免疫疾患、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、及び哺乳動物における免疫系が刺激される必要のある全ての疾患を含む他の疾患を含む、各種の疾患の前途有望な治療を構成することを、本出願人は示した。 企図される治療薬は、以下に開示される薬量学的及び製薬学的形態を含む。 投与量は、特に投与の形態に依存して広範囲で変化する。 この点で、静脈内で投与される場合、可溶性ラミナリンの投与量は一日当たり約0.1から10mgである。 腹膜内での態様の場合、投与量は、5から15日の期間の間で一日当たり約0.1から約50mg/kgである;この期間は繰り返すことも可能である。 経口投与によって、投与量は、約1から約100mg/kgまで変化し、好ましくは約10mg/kgであり、伸張された期間に亘り有利には一週間に二度で、患者の全人生で可能である。 この点で本発明の目的は、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガン、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の、好ましくは可溶性のラミナリンの一日当たり0.1から10mgの量の静脈内投与による治療方法に関する。 本発明の別の目的は、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガン、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の、好ましくは可溶性のラミナリンの5から15日の期間の間一日当たり0.1から約50mg/kgの腹膜内投与による治療方法に関する。 本発明の別の目的は、腫瘍、より一般的には乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群のガン、並びにウイルス性、細菌性、及び真菌性の疾患、並びにヒト及び温血動物の免疫刺激欠損に関連する疾患の、好ましくは可溶性のラミナリンの有利には長期間に亘って一週間に二度で、1から100mg/kg、好ましくは約10mg/kgの経口投与による治療方法に関する。 特に可溶性形態でのラミナリンは、安全なものと考慮される。 そのLD50は高く、ラットにおいて経口的に与えて2000mg/Kgより高いと測定された;更に特別な操作の必要性は存在しない。 本発明に係る医薬製剤は、有効量の可溶性ラミナリン、及び有利には製薬学的に許容可能なキャリアーと一般的に混合される増強剤とを含む。 用語「増強剤」は、ラミナリンの効力を改良または増大する、あるいは免疫調節剤のような免疫系に対して機能する医薬を指し、ラミナリンと組み合わせて使用される。 「製薬学的に許容可能なキャリアー」は、製薬学的に許容可能な溶媒、懸濁剤、またはビヒクルを含む群から選択され、投与のために選択された経路の機能において、標準的な製薬学的実施を可能にする;「許容可能」は、キャリアーが製剤の他の成分と適合的であり、患者に有害ではないことを意味する。 より一般的には、「製薬学的に許容可能な成分」は、毒性、刺激、及びアレルギー応答のような過度の副作用を提供または誘導せず、合理的な利益/リスクの比に対応すべきである。 本発明と結びつけた使用に適した経口製剤は、カプセル、ゲル、カシェー剤、起泡性または非起泡性パウダー、錠剤、及び顆粒を含む;それらは、溶液、水性または非水性の液体の懸濁物、水中油型液体エマルション、あるいは油中水型エマルションからなっても良い。 ラミナリンを投与する製薬形態は、ボーラス、なめ薬、またはペーストとして提供されても良い。 一般的に前記製剤は、活性成分、即ち特に可溶性ラミナリンを、液体キャリアーまたは細かく分割された固体キャリアー、または両者と均一に混合し、必要な場合は製品に成型することによって調製されて良い。 適切な固体キャリアーは、ラクトース、スクロース、ゼラチン、アガー、及びバルクパウダーを含む。 適切な液体キャリアーは、水、製薬学的に許容可能な脂肪または油、アルコール、またはエステルを含む他の有機溶媒、エマルション、シロップ、またはエリキシル、懸濁物、溶液、及び/または懸濁物、並びに非起泡性顆粒から再構成される及び溶液及び/または懸濁物、並びに起泡性顆粒から再構成される起泡性調製物を含む。 それらはまた、防腐剤、乳化剤、懸濁剤、希釈液、甘味剤、増粘剤、及び溶融剤を含んで良い;好ましい液体キャリアーは、食用油、例えばコーン油またはキャノーラ油、並びにポリエチレングリコールまたはPEGである。 経口投与を企図した治療形態は、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、シクロデキストリン、及びシクロデキストリン誘導体から選択される、非毒性で製薬学的に許容可能な不活性キャリアーを含む。 本発明に係るラミナリンを含有するカプセルまたは錠剤は好ましくは、飲み込むことまたは噛むことが容易であるべきであり、キャリアー、バインダー、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香料、流動誘導剤、または溶融剤を含む;それらは、任意に一つ以上の古典的な添加成分と共に押出しまたは成型によって生産されて良い。 錠剤は任意に被覆されており、活性成分の遅延放出または制御放出を提供するように製剤化されて良い。錠剤はまた任意に、胃以外の消化管の部分での放出を提供するように、腸溶性コーティングで提供されても良い。 ラミナリンは更に、組み合わせ治療を提供するために、化学療法剤または増強剤と組み合わせても良い。 組み合わせ治療は連続的であることができ、第一の一つの薬剤で治療が実施され、次いで第二の薬剤で実施されることを意味する;または両剤で同時に治療を実施することができる。連続的治療は、第一の治療の完成の後で、第二の治療の開始の前に、合理的な時間内で実施することができる。同時での両剤での治療は、同じ毎日での投与形態または別個の投与形態で実施できる。 例えば:− レトロウイルス感染の場合、組み合わせ治療は、可溶性ラミナリンと、AZTのようなヌクレオシド類似体(逆転写のインヒビター)と共に、またはRitnavirのようなプロテアーゼインヒビターと共にする治療であっても良い;− ガン性疾患の場合、組み合わせ治療は、可溶性ラミナリンと、Topotecamのようなトポイソメラーゼインヒビター、Antracycline、またはCytarabine、Fluorouracil、及び他のもののような代謝拮抗剤と共にする治療であっても良い。実施例aラミナリンを含有する錠剤 投与量単位が錠剤当たり100mgの活性成分であるように、従来の方法により多数の錠剤を調製する:− 凍結乾燥形態の可溶性ラミナリン 100 mg− コロイド状二酸化ケイ素 0.2mg− ステアリン酸マグネシウム 5 mg− マイクロクリスタリンセルロース 270 mg− デンプン 10 mg− マンニトール 98.8mg 適切なコーティングを適用し、風味を増大し、吸収を遅延することが可能である。実施例bラミナリンを含有する顆粒 75gの可溶性ラミナリンを含む1lの水溶液の量を、10gのデキストリンと混合し、かくして得られた混合物を食料ベース、即ちデンプン、ソルビトール、カルボキシメチルセルロース、ラクトース、マンニトール、グアゴム、バニリンに吸収させる。 生成したパウダーを押し出し、1mmのネットを使用して押し出し顆粒を形成する。この顆粒を12メッシュの篩で篩い分けし、生成した顆粒をドライヤーで60℃で一晩乾燥し、約25重量%のラミナリンと約3%の水分を含む顆粒を提供する。 これらの顆粒を飲料等に添加剤として使用する。例えばこれらの顆粒について、成人について一日当たり6から9のティースプーンの投薬量、子供たちについて一日当たり2または3のティースプーンの投薬量が推奨される。実施例c不溶性ラミナリンを含有する経口投与のための製薬形態:1. ロゼンジは以下のものよりなる:− 不溶性のラミナリンパウダー 5重量部− 風味キャリアーとしてのマンニトール 20重量部− デンプン 25重量部− ソルビトール 30重量部− スクロース 20重量部2. うがい薬− ラミナリン 1%− キシリトール結晶、ナトリウムシクラマート、 アルコール、ソルビン酸、ミントアロマ、メンソール ユーゲノール、パラヒドロキシ安息香酸ナトリウム、 及び精製水実施例d可溶性ラミナリンを含有する膣内投与のための製薬形態;1%の可溶性ラミナリンを有する膣内クリーム:− ナトリウムラミナリン 1%− 賦形剤:ワセリン、非イオン性エマルション形成 ワックス、流動パラフィン、グリシン、適宜pH=4 または5の水酸化ナトリウム濃縮溶液、 ソルビン酸、精製水実施例e座薬当たりで表される製剤である座薬として提供される可溶性ラミナリンを含有する直腸投与のための製薬形態:− 可溶性パウダー状ラミナリン 8mg− レチノール濃縮物または 1500UI 油性形態の合成ビタミンA− 賦形剤:半合成グリセリド実施例f鼻孔スプレーとして、形態形態で投与されて良い、可溶性ラミナリンを含有する鼻孔投与のための製薬形態− 可溶性ラミナリン 1%− 安息香酸 200mg− 賦形剤:硫酸カリウム、水酸化カリウム、 塩化ベンザルコニウム、アルコール、 ローズマリー精油、適量の精製水実施例g1mlのアンプルのための注射溶液としての、可溶性ラミナリンを含有する全身投与のための製薬形態− 可溶性ラミナリン 2mg− 賦形剤:適宜pH5.0から7.5の塩酸または 水酸化ナトリウム、注射用USP水実施例h可溶性ラミナリンを含有する獣医製剤、例えば5%の可溶性ラミナリンを有する乳腺ゲル− 可溶性ラミナリン 5%− サリチル酸 1%− 賦形剤:プロピレングリコール、ヒプロメロース、 ソルビン酸カリウム、精製水図1の棒グラフでは、表Iに集約された殺害細胞のパーセンテージがY軸にプロットされている;X軸には、試験された各産物、即ちラミナリン、BEI、レンチナン、及びコントロールと結びついた前記の3種の比が記載されている。図2は、可溶性ラミナリン、レンチナン、またはコントロールのいずれかの作用の、分単位で表される継続時間「t」の関数としての、実験マウスの血液中のTNF-αのμg/ml単位であらわされる濃度の変化を表すグラフである。 ガンの治療用医薬の調製のための、非硫酸化水溶性ラミナリンの使用であって、前記ラミナリンが - 2500から6000の分子量を有し、 - β-(1,3)結合によって結合した15から35のグルコピラノース単位の主直鎖からなり、前記主直鎖は、β-(1,6)結合によって主鎖に結合するグルコピラノース単位で分枝されてもよく、かつ主鎖の末端単位が、グルコースまたはマンニトールからなり、かつ - 無臭で無味の白色からベージュのパウダーの形態で存在し、その可溶性形態は吸湿性であり、60g/lまで水に溶けるが、エタノール、2-プロパノール、及びアセトンに不溶性である、使用。 前記ガンが、乳ガン、肺ガン、食道ガン、胃ガン、小腸ガン、及び大腸ガンを含む群から選択される、請求項1に記載の使用。 水溶性ラミナリンの、一日当たり0.1から10mgの量の静脈内投与のための、請求項1または2に記載の使用。 水溶性ラミナリンの、5から15日の期間の間一日当たり0.1から50mg/kgの腹膜内投与のための、請求項1または2に記載の使用。 水溶性ラミナリンの、長期間に亘って一週間に二度の1から100mg/kgの経口投与のための、請求項1または2に記載の使用。 水溶性ラミナリンの、長期間に亘って一週間に二度の10mg/kgの経口投与のための、請求項5に記載の使用。 前記水溶性ラミナリンが、トポイソメラーゼインヒビターまたは代謝拮抗剤と連続的にまたは同時で使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。 前記トポイソメラーゼインヒビターが、トポテカン及びアントラサイクリンを含む群から選択される、請求項7に記載の使用。 前記代謝拮抗剤が、シタラビン及びフルオロウラシルを含む群から選択される、請求項7に記載の使用。