生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_腸管洗浄製剤
出願番号:2003539642
年次:2010
IPC分類:A61K 31/77,A61K 33/06,A61K 33/00,A61P 1/10


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杉山 隆之 鈴木 麻由美 JP 4535234 特許公報(B2) 20100625 2003539642 20021029 腸管洗浄製剤 味の素株式会社 000000066 草間 攻 100083301 杉山 隆之 鈴木 麻由美 JP 2001330626 20011029 JP 2001330627 20011029 20100901 A61K 31/77 20060101AFI20100812BHJP A61K 33/06 20060101ALI20100812BHJP A61K 33/00 20060101ALI20100812BHJP A61P 1/10 20060101ALI20100812BHJP JPA61K31/77A61K33/06A61K33/00A61P1/10 A61K31/77 A61K33/00-33/14 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平04−198126(JP,A) 特開平05−306221(JP,A) 特開2001−181181(JP,A) 特開平11−079974(JP,A) 8 JP2002011188 20021029 WO2003037298 20030508 2005507407 20050317 9 20050915 佐々木 秀次 本発明は、大腸内視鏡検査や、大腸手術等の前処置などに使用する腸管洗浄製剤に関する。 従来から、大腸内視鏡検査や、大腸手術等の前処置などに使用する腸管洗浄製剤が知られていた。これらの製剤は、例えば、水溶性高分子としてポリエチレングリコール4000(PEG4000)、および電解質との組合せからなるもの(Gastroenterology 84, 1512, 1983:WO87/00754号:特開平1-125319号:特開平1-132527号:特開平2-292223号);水溶性高分子としてPEG4000またはマンニトールと、電解質との組合せからなるもの(Gastroenterology 78, 991, 1980);水溶性高分子としてPEG4000およびキシロースと電解質との組合せからなるもの(Gastroenterology 79, 35, 1980)、PEG4000、デキストラン、デキストリン、ヒドロキシエチルスターチ、ポリデキストロース、アラビアゴムおよびペクチンから選ばれる少なくとも一種の水溶性高分子と、電解質の組合せからなるもの(特開平2-25424号:特開平3-206046号);水溶性高分子としてエリトリトールおよび/またはキシリトールと、電解質との組合せ組成からなるもの(特開平3-284620号);およびクエン酸マグネシウム・5水和物を使用した製剤(日本特許第3,047,143号)などが知られている。 これら従来の腸管洗浄製剤は、通常2〜4Lと大量に服用する必要があり、患者にとっては嘔気、嘔吐等を伴うものであり、その大量服用が困難なものである。したがって、その服用量を減らした製剤の開発が望まれている。 したがって本発明の一つの目的は、優れた腸管洗浄効果を有し、嘔気、嘔吐のない腸管洗浄製剤を提供することである。また本発明の別の目的は、従来の経口腸管洗浄製剤に比較して、満腹感および膨満感を伴わず、少ない服用量でありながら、その優れた洗浄力により、十分な洗浄効果を有する腸管洗浄製剤を提供することである。 本発明者等は、上記の目的を達成するべく腸管洗浄製剤に関する種々の検討を行った。その結果、水溶性高分子と共に、電解質として通常含有されるナトリウムイオン、カリウムイオン、重炭酸イオンに加えて、更に硫酸イオン(SO42−)、リン酸イオン(PO43−)およびマグネシウムイオン(Mg2+)からなる群から選ばれる1以上のイオンを含有させることによって、より優れた腸管洗浄効果が得られることを見出した。特に、マグネシウムイオンをマグネシウムとして0.1〜3.0g/dL、特に0.2〜1.6g/dLをさらに製剤に含有させることにより、優れた腸管洗浄力を有する腸管洗浄製剤となることを見出した。 従来、腸管洗浄製剤には、血液や組織間液に含まれている電解質量とほぼ同量の電解質が水溶性高分子と共に用いられている。したがって、マグネシウムイオンとしても3mEq/L程度のものが使用されている。しかしながら、本発明では、大量のマグネシウムを含有させる点に特徴を有するものである。 さらに本発明者らは、腸管洗浄製剤に使用されている水溶性高分子について検討を加えた。その結果、本発明の腸管洗浄製剤中に使用される水溶性高分子として、従来から使用されている平均分子量約2600〜3800のポリエチレングリコール(マクロゴール(登録商標)4000)と比較してより高分子量のポリエチレングリコール、例えば、平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、更に具体的には、平均分子量約7300〜9300のポリエチレングリコール(マクロゴール(登録商標)6000)を用いることにより、従来の腸管洗浄製剤と比較して服用量を減じること、すなわち従来のほぼ半分の服用量にすることより、優れた洗浄効果が得られることを見出した。本発明はこれらの知見により完成されたものである。 すなわち、本発明の第一の基本的態様は、水溶性高分子、および電解質としてナトリウムイオン30〜150mEq/L、カリウムイオン3〜20mEq/L、重炭酸イオン10〜30mEq/Lを含有する腸管洗浄製剤において、さらに硫酸イオン、リン酸イオンおよびマグネシウムイオンからなる群から選ばれる1以上のイオンを電解質として含有する腸管洗浄製剤である。 この場合にあって、硫酸イオン0.1〜50mEq/L、リン酸イオン0.1〜50mEq/L、またマグネシウムイオンがマグネシウムとして0.1〜3g/dL含有する腸管洗浄製剤である。 これらのイオンの中でも、マグネシウムイオンが好ましいものであり、したがって、最も好ましい本発明は、水溶性高分子、および電解質としてナトリウムイオン30〜150mEq/L、カリウムイオン3〜20mEq/L、重炭酸イオン10〜30mEq/Lを含有する腸管洗浄製剤において、さらにマグネシウムイオンがマグネシウムとして0.1〜3g/dL含有することを特徴とする腸管洗浄製剤である。 本発明にあって、電解質として含有するマグネシウムイオンのためのマグネシウムとしては、クエン酸マグネシウムが好ましく使用される。したがって、より好ましい具体的な本発明は、マグネシウムイオンとしてクエン酸マグネシウムを含有する腸管洗浄製剤である。 また、本発明のさらに別の基本的態様は、水溶性高分子、および電解質を含有する腸管洗浄製剤において、水溶性高分子として平均分子量約5000以上のポリエチレングリコールを用いることを特徴とする腸管洗浄製剤である。 より具体的には、平均分子量約7300〜9300のポリエチレングリコールが好ましく使用され、その水溶性高分子は10〜160g/Lの範囲で用いられる。 したがって、最も好ましい本発明は、水溶性高分子として平均分子量約7300〜9300のポリエチレングリコール10〜160g/L、電解質としてナトリウムイオン30〜150mEq/L、カリウムイオン3〜20mEq/L、重炭酸イオン10〜30mEq/Lを含有し、さらにマグネシウムイオンがマグネシウムとして0.1〜3g/dL含有することを特徴とする腸管洗浄製剤である。 なお、これら腸管洗浄製剤においては、さらに消泡剤を含有することにより、製剤の調製時、服用時の泡立ちを押さえることができる。したがって、本発明は、さらに具体的なものとして、消泡剤を含有することを特徴とする腸管洗浄製剤でもある。 本発明が提供する腸管洗浄製剤の特徴は、電解質としてナトリウムイオン、カリウムイオン、重炭酸イオンを含有するだけでなく、さらに硫酸イオン、リン酸イオンおよびマグネシウムイオンからなる群から選ばれる1以上のイオンを含有させることである。 電解質としてのナトリウムイオン、カリウムイオンおよび重炭酸イオンの含有量は、それぞれ、30〜150mEq/L、3〜20mEq/Lおよび10〜30mEq/Lである。 本発明にあっては、さらに硫酸イオン、リン酸イオンおよびマグネシウムイオンからなる群から選ばれる1以上のイオンを含有するものであって、かかる腸管洗浄製剤は、従来の腸管洗浄製剤に比較して優れた腸管洗浄力を有するものである。 本発明においては、これらのイオンは、この分野で通常使用されている塩の形で含有させることができる。塩としては、例えば、硫酸イオンおよびリン酸イオンにあっては、ナトリウム塩、カリウム塩およびマグネシウム塩が;マグネシウムイオンにあっては、クエン酸塩、塩化物、硫酸塩、リン酸塩および重炭酸塩が挙げられる。 マグネシウムイオンの供給源としてはクエン酸塩が好ましいものであり、クエン酸マグネシウムの中でも、特に無水クエン酸マグネシウム、クエン酸水素マグネシウム5水和物などがマグネシウムイオンの供給源として好ましく使用される。 これらのイオンはそれぞれ個々に添加することにより洗浄効果を期待できるイオンであるが、複数種を組合せて配合することにより、一層の洗浄効果を得ることができるものである。 これらのイオンの好ましい含有量としては、硫酸イオンとして0.1〜50mEq/L、リン酸イオンとして0.1〜50mEq/L、マグネシウムイオンとしては、マグネシウムの量として0.1〜3g/dLである。マグネシウムイオンがマグネシウムの量として0.1g/dL未満であると、所望の腸管洗浄力を得ることができない。一方、マグネシウムイオンがマグネシウムの量として3g/dLを超える場合には、等張性のある腸管洗浄製剤を得ることができない。 本発明が提供する好ましい腸管洗浄製剤としては、マグネシウムイオンとしてクエン酸マグネシウム、特に1.5〜20g/dLの無水クエン酸マグネシウムまたはクエン酸水素マグネシウム5水和物を含有するものである。したがって、本発明の一つの特徴は、マグネシウムイオンを大量に含有する点にある。 本発明の腸管洗浄製剤において使用する水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール(マクロゴール(登録商標))、ポリデキストロース、ヒドロキシエチルスターチ、デキストラン、デキストリン、アラビアゴム、プルラン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらのなかでも、本発明の腸管洗浄製剤においてはポリエチレングリコールが好ましく使用され、特に高い平均分子量、例えば、従来から使用されている平均分子量約2600〜3800のポリエチレングリコール(マクロゴール(登録商標)4000)よりも高分子量のポリエチレングリコール、例えば平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、特に、平均分子量約7300〜9300のポリエチレングリコール(マクロゴール(登録商標)6000)が好ましく使用される。かかる高分子量のポリエチレングリコールを使用することにより従来のほぼ半分の服用量で、優れた洗浄効果を示す腸管洗浄製剤が得られる。 なお、水溶性高分子として、マクロゴール(登録商標)6000よりさらに高分子量のポリエチレングリコールを使用することができ、これらの使用も本発明の範囲に包含されるものである。 本発明が提供する腸管洗浄製剤にあっては、水溶性高分子の添加量としては好ましくは、10〜160g/Lの範囲である。 以上に記載した基本的態様を有する本発明の腸管洗浄製剤は、腸内細菌により代謝を受けてガス産生を起こすことのない、あるいはそれが少ない添加剤をさらに含有することができる。服用しやすさを確保するために、例えば、柑橘系の着香料やサッカリンナトリウム等の矯味料を添加配合してもよい。 また、泡立ちに伴う問題を解決するため、泡立ちを押さえるための消泡剤を加えることが望ましい。特に、ポリエチレングリコールは分子量が大きくなるにしたがって溶解時、あるいは服用に伴う泡立ちが顕著となるため、泡立ちを押さえるために消泡剤を加えることが望ましい。消泡剤としてはシリコン系消泡剤など、臨床応用されているものを使用することができる。 本発明の腸管洗浄液は、例えば上述したような、所定量の水溶性高分子および電解質をよく混合し、充分量の水、および必要に応じて他の添加剤成分を加え、よく混和することにより、溶液製剤に調製することができる。また、本発明の腸管洗浄製剤は、上述のようにして製した腸管洗浄液を乾燥して、散剤、顆粒剤あるいは細粒剤の固形形態にすることもできる。 溶液製剤は、例えば、ガラスバイアル瓶や、プラスチックバッグ等の合成樹脂製容器などに充填して製品とする。また、腸管洗浄用組成物は、濃厚製剤、粉末製剤等の用時希釈または溶解剤形態に調製することもできる。濃厚製剤、粉末製剤等は一回の服用量をその濃度範囲が用時希釈または溶解時に前記液剤の範囲内になるように、水、好ましくは蒸留水で希釈または溶解して用いられる。 本発明の腸管洗浄用組成物の適用量は、患者に応じて適宜決定されるが、通常1回当り、1〜2リットルである。服用は通常経口であるが、経鼻的、または注腸的に用いることもできる。 以下に、本発明を、実施例および試験例にて詳細に説明する。実施例1: マクロゴール(登録商標)6000 29.5g、クエン酸水素マグネシウム5水和物18.9g、炭酸水素ナトリウム0.843g、無水硫酸ナトリウム1.17gおよび塩化カリウム0.198gを加えて全量を500mLとして本発明液を調製した。 また、マクロゴール(登録商標)4000 29.5g、塩化ナトリウム0.733g、塩化カリウム0.371g、無水硫酸ナトリウム2.84gおよび炭酸水素ナトリウム0.843gを秤量し、注射用水を加えて全量を500mLとして対照液を調製した。 非絶食のラットを、1回投与群と5回投与群(20、40、60、80および100mL/kg投与グループ)に分け、本発明液および対照液を20mL/kgずつ10分おきに経口投与した(1回投与群〜5回投与群)。初回投与の3時間後に、エーテル麻酔下で開腹して腸管を露出させた。大腸部位(盲腸の後ろから直腸まで)を内容物がこぼれないように鉗子で切断部位を止めた後摘出し、内容物をプラスチックシャーレに採取し、50℃、2時間以上乾燥させた。 投与後3時間以内に水用便が排泄された動物を観察したところ、本発明液群は対照液群に比較して有意に優れた洗浄力を示した。実施例2: 以下の試験液を調製した。 試験液Aとして、マクロゴール(登録商標)4000 118g、塩化ナトリウム2.93g、塩化カリウム1.49g、無水硫酸ナトリウム11.4g、および炭酸水素ナトリウム3.37gを混合後、水を約1000mL加えて転倒混和して泡立ちを確認後、等張になるように水を加えて全量を2000mLとした。 試験液Bとして、マクロゴール(登録商標)6000 118g、塩化ナトリウム2.93g、塩化カリウム1.49g、無水硫酸ナトリウム11.4g、および炭酸水素ナトリウム3.37gを混合後、水を約1000mL加えて転倒混和して泡立ちを確認後、等張になるように水を加えて全量を1700mLとした。 試験液Cとして、マクロゴール(登録商標)6000 118g、塩化ナトリウム2.93g、塩化カリウム1.49g、無水硫酸ナトリウム11.4g、および炭酸水素ナトリウム3.37g、さらに消泡剤としてジメチルポリシロキサン100mgを混合後、水を約1000mL加えて転倒混和して泡立ちを確認後、等張になるように水を加えて全量を1700mLとした。 試験液Bは、調製時の泡立ちが試験液Aに比較して多く、調製に時間を要した。一方、試験液Cは試験液Bに比較して調製時の泡立ちが僅かであり、明らかな消泡剤添加の効果が認められた。 さらに、試験液BおよびCを麻酔下でイヌに経鼻胃管を用いて10分おきに10mL/kg投与し、排出液が透明になった時点で投与を終了した。大腸を内視鏡で観察した結果、消泡剤を含まない試験液Bでは腸管内の泡立ちにより、視界が不良であったが、消泡剤を含む試験液Cでは腸管内の泡立ちが少なく、視界良好であり、明らかな消泡剤添加の効果が認められた。実施例3: マクロゴール(登録商標)4000 29.5g、クエン酸水素マグネシウム5水和物18.9g、炭酸水素ナトリウム0.843g、クエン酸ナトリウム2水和物0.913g、クエン酸カリウム1水和物0.211gを加えて全量を500mLとして本発明液を調製した。 また、マクロゴール(登録商標)4000 29.5g、塩化ナトリウム0.733g、塩化カリウム0.371g、無水硫酸ナトリウム2.84gおよび炭酸水素ナトリウム0.843gを秤量し、注射用水を加えて全量を500mLとして対照液を調製した。 非絶食のラットを、1回投与群と5回投与群(20、40、60、80および100mL/kg投与グループ)に分け、本発明液および対照液を20mL/kgずつ10分おきに経口投与した(1回投与群〜5回投与群)。初回投与後3時間に、エーテル麻酔下で開腹して腸管を露出させた。大腸部位(盲腸の後ろから直腸まで)を内容物がこぼれないように鉗子で切断部位を止めた後摘出し、内容物をプラスチックシャーレに採取し、50℃、2時間以上乾燥させた。 投与後3時間以内に水用便が排泄された動物を観察したところ、本発明液群は対照液群に比較して有意に優れた洗浄力を示した。実施例4: マクロゴール(登録商標)6000 60g、無水クエン酸マグネシウム18.7g、炭酸水素ナトリウム1.79、クエン酸ナトリウム2水和物6.5gおよびクエン酸カリウム1水和物0.9gを秤量し、注射用水を加えて全量を1Lとして本発明の腸管洗浄液を調製した。対照液には市販の経口腸管洗浄製剤マグコロール(登録商標)P(堀井製薬社製)を用いた。 健常成人男性ボランティア6名で、本発明の腸管洗浄製剤と対照腸管洗浄製剤の腸管洗浄効果を比較した。腸管洗浄製剤の服用前日の夕食は、消化の良い素うどんを食し、21時にマグコロール(登録商標)P10gを少量の水に懸濁して服用した。 試験当日は絶食とし、朝8時より本発明の腸管洗浄液または対照の腸管洗浄液750mLを、250mL/15分の速度で45分をかけて服用し、服用開始から排便開始までの時間、および便の状態、水様便になるまでの時間を、最大6時間まで測定した。 ボランティア6名のうち3名は第1週に本発明の腸管洗浄液、翌週に対照の腸管洗浄液を服用し、残りの3名は、第1週に対照の腸管洗浄液、翌週に本発明の腸管洗浄液を服用した。 その結果を下記表1および2に示した。表1:本発明の腸管洗浄液服用後の排便状態表2:対照の腸管洗浄液服用後の排便状態*:No.2を除く5例で計算 上記した表中に示した結果からも判明するように、本発明の腸管洗浄液の服用では、48.3±9.79分で軟便または下痢便を起こし、79.1±13.0分で水様便となった。しかしながら、対照の腸管洗浄液の服用では、6例中5例が99.2±20.7分で軟便または下痢便を起こしたが、1例(No.2)では排便はみられず、また、服用開始後6時間までに水様便に達する例はなかった。 また、服用時の嘔吐感について6名のボランティアに評価をしてもらった結果、本発明の腸管洗浄液は服用時に嘔吐感が発生せず、服用に問題がなかったが、対照の腸管洗浄液は、服用しにくく、服用時に嘔吐感が発生するものであった。 本発明の腸管洗浄用組成物は優れた腸管洗浄作用を有するものである。また、優れた腸管洗浄作用を有するものであることから、大腸内視鏡検査や、大腸手術等の実施にあたって、少ない服用量で有効な前処理を行うことができ、患者の負担を減らすことができる腸管洗浄製剤である。 水溶性高分子として平均分子量5000以上のポリエチレングリコールおよび電解質を含有する腸管洗浄製剤において、マグネシウムイオンをマグネシウムとして0.1〜3g/dL含有することを特徴とする腸管洗浄製剤。 電解質として、ナトリウムイオン30〜150mEq/L、カリウムイオン3〜20mEq/Lおよび重炭酸イオン10〜30mEq/Lを含有することを特徴とする請求項1に記載の腸管洗浄製剤。 水溶性高分子として、平均分子量7300〜9300のポリエチレングリコールを用いることを特徴とする請求項1に記載の腸管洗浄製剤。 さらに消泡剤を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腸管洗浄製剤。 マグネシウムイオンをマグネシウムとして0.2〜1.6g/dL含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の腸管洗浄製剤。 マグネシウムイオンとして、クエン酸マグネシウムを含有することを特徴とする請求項5に記載の腸管洗浄製剤。 水溶性高分子として、平均分子量7300〜9300のポリエチレングリコール10〜160g/L、電解質として、ナトリウムイオン30〜150mEq/L、カリウムイオン3〜20mEq/L、重炭酸イオン10〜30mEq/L、マグネシウムイオンをマグネシウムとして0.1〜3g/dL含有することを特徴とする腸管洗浄製剤。 服用時に溶液製剤として使用される粉末製剤の形態にある請求項1ないし7のいずれかに記載の腸管洗浄製剤。


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