生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_アミド結合を有するポリエポキシ化合物
出願番号:2003534407
年次:2005
IPC分類:7,C08G59/20,C07D303/46


特許情報キャッシュ

ブレナン,デイビッド ジェイ. ホワイト,ジェリー イー. アールズ,ジミー ディー. デトロフ,マービン エル. JP 2005506402 公表特許公報(A) 20050303 2003534407 20021010 アミド結合を有するポリエポキシ化合物 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 502141050 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 古賀 哲次 100087413 永坂 友康 100111903 西山 雅也 100082898 ブレナン,デイビッド ジェイ. ホワイト,ジェリー イー. アールズ,ジミー ディー. デトロフ,マービン エル. US 60/328,839 20011012 7 C08G59/20 C07D303/46 JP C08G59/20 C07D303/46 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,YU,ZA,ZM,ZW US2002032500 20021010 WO2003031424 20030417 48 20040412 4C048 4J036 4C048AA01 4C048BB29 4C048CC01 4C048CC02 4C048CC03 4C048UU03 4C048UU05 4C048XX04 4J036AA05 4J036AD08 4J036AJ01 4J036AJ02 4J036AJ05 4J036AJ17 4J036DA01 4J036DA02 4J036DB06 4J036DB18 4J036DB21 4J036DB22 4J036DC02 4J036DC06 4J036DC10 4J036DC27 4J036DC41 4J036FA02 4J036FA05 4J036FB07 4J036FB11 4J036FB13 4J036FB18 4J036GA06 4J036GA22 4J036GA24 4J036JA01 4J036JA06 4J036JA11 【技術分野】【0001】本発明は、少なくとも2つのエポキシ基及び少なくとも1つのアミド基を含む化合物に関する。本発明はさらに、この化合物を含む組成物、及びこの組成物を硬化させることにより得られるネットワークポリマーに関する。【背景技術】【0002】エポキシ化合物は、例えば熱及び/又は輻射線硬化性組成物等に広く用いられている。従来エポキシ化合物は広く用いられているにもかかわらず、特性の向上したエポキシ化合物を提供することが求められている。【発明の開示】【課題を解決するための手段】【0003】本発明は、以下のものを提供する。(i)少なくとも1つのアミド結合、好ましくは少なくとも2つのアミド結合、及び(ii)少なくとも2つのエポキシ基、好ましくは少なくとも2つの末端エポキシ基を含む化合物。少なくとも1つのアミド結合及び少なくとも2つの末端エポキシ基を含む化合物を以後ポリエポキシアミドと呼ぶ。好ましいポリエポキシアミドは、下式(1)〜(6)によって表されるものを含む。【化1】(上式中、nは少なくとも2の整数を表し、xは少なくとも1の整数を表し、y、z、m、p、及びqは少なくとも1の整数を表し、R3、R5、R6、及びR7は独立に、ホモもしくはヘテロヒドロカルビレンもしくはヒドロカルビリデン基、好ましくはホモアルキレン基を表し、R1、R2、及びR4は独立に、水素又はホモもしくはヘテロヒドロカルビル基、好ましくはホモアルキル基を表す)【0004】本発明はさらに、少なくとも1種のポリエポキシアミドを含む組成物、この組成物を硬化させることにより得られるネットワークポリマーを提供する。本発明の組成物はさらに硬化剤を含むことが好ましい。【0005】下式(9)、(11)、又は(12)のいずれかにより表されるポリエポキシアミド。【化2】【0006】少なくとも1種のポリエポキシアミドを含む組成物。少なくとも1種のポリエポキシアミド、硬化剤、及び所望により、他の反応性成分を含む組成物、並びに少なくとも1種のポリエポキシアミド、硬化剤、及び所望により重合触媒を含む組成物。少なくとも1種の添加剤、又は少なくとも1種の溶剤、又はその両者をさらに含む組成物。【0007】前記組成物である又は含む、コーティング用、複合体用、及び/又は他の用途のための材料。この組成物より形成されるネットワークポリマー。このネットワークポリマーを含む材料。このネットワークポリマーを含むコーティング、複合体、樹脂キャスティング、フィルム、接着剤及び他の材料。【発明を実施するための最良の形態】【0008】定義ホモアルキル基は、炭素及び水素原子から本質的になるアルキル基を意味する。ヘテロアルキル基は、他の原子(これは主鎖中に又は好ましくは置換基として存在していてもよい)を含むアルキル基を意味する。好ましくは、ヘテロアルキル基の少なくとも40wt%、より好ましくは少なくとも60wt%、さらにより好ましくは少なくとも80wt%、最も好ましくは少なくとも90wt%は炭素と水素原子からなる。ホモアルキル基及びヘテロアルキル基は共に環式構造を含んでいてもよい。ホモアルキル基用の好ましい置換基はメチル、エチル、およびプロピル基を含む。ヘテロアルキル基用の好ましい置換基はヒドロキシ、ニトロ、シアノ、およびハロゲン基をさらに含む。【0009】ホモヒドロカルビル基は、1価ラジカルである炭化水素基を意味し、ホモヒドロカルビレン及びホモヒドロカルビリデン基は2価ラジカルである炭化水素基を意味する。これらの基は環式構造及び/又は不飽和結合を含んでいてもよく、従って芳香族構造(例えばアリール基、アリーレン基)を含んでいてもよい。ヘテロヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビレン、及びヘテロヒドロカルビリデン基は、それぞれ主鎖中に又は好ましくは置換基として存在してもよい他の原子をさらに含むホモヒドロカルビル、ホモヒドロカルビレン、ホモヒドロカルビリデン基を意味する。そのような他の原子は、例えば酸素、窒素、硫黄、及びハロゲン原子を含む。好ましくは、ヘテロ炭化水素基の少なくとも40wt%、より好ましくは少なくとも60wt%、さらにより好ましくは少なくとも80wt%、最も好ましくは少なくとも90wt%は炭素及び水素原子からなる。好ましくはホモ及びヘテロ炭化水素基は飽和である。ホモ炭化水素基用の好ましい置換基はメチル、エチル、及びプロピル基を含む。ヘテロ炭化水素基用の好ましい置換基は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、及びハロゲン基をさらに含む。【0010】好ましい態様において、炭化水素基又はラジカルは主鎖原子を100個未満、より好ましくは80個未満、さらにより好ましくは50個未満、またさらに好ましくは30個未満、よりさらに好ましくは25個未満、さらに好ましくは20個未満含む。炭化水素基又はラジカルは主鎖原子を少なくとも1個含む。好ましい態様において、炭化水素基又はラジカルは主鎖原子を少なくとも2個、より好ましくは少なくとも3個、さらにより好ましくは少なくとも4個、またさらに好ましくは少なくとも5個、よりさらに好ましくは少なくとも6個、さらに好ましくは少なくとも7個含む。好ましい態様において、炭化水素基又はラジカルは主鎖原子を5個、より好ましくは8個、さらにより好ましくは11個、またさらに好ましくは14個含む。特に好ましい態様において、炭化水素基又はラジカルは主鎖原子を8個含む。好ましい態様において、すべての主鎖原子は炭素原子である。炭化水素基及びラジカルは、例えばアルキル、アルキリデン、アルケニル、アルケニレン、アリール、アリーレン、アルキルアリール、脂肪族、及び環式脂肪族基及びラジカルを含む。【0011】ポリエポキシアミド本発明のポリエポキシアミドは、(i)少なくとも1つのアミド結合、好ましくは少なくとも2つのアミド結合、及び(ii)少なくとも2つのエポキシ基、好ましくは少なくとも2つの末端エポキシ基を含む化合物である。少なくとも1つのアミド結合及び少なくとも2つの末端エポキシ基を含む化合物を以後ポリエポキシアミドと呼ぶ。好ましいポリエポキシアミドは、下式(1)〜(6)によって表されるものを含む。【化3】(上式中、nは少なくとも2の整数を表し、xは少なくとも1の整数を表し、y、z、m、p、及びqは少なくとも1の整数を表し、R3、R5、R6、及びR7は独立に、ホモもしくはヘテロヒドロカルビレンもしくはヒドロカルビリデン基、好ましくはホモアルキレン基を表し、R1、R2、及びR4は独立に、水素又はホモもしくはヘテロヒドロカルビル基、好ましくはホモアルキル基を表す)【0012】少なくとも1つのアミド結合を有するエポキシ化合物は、(1)少なくとも1つの不飽和、好ましくは末端不飽和(オメガ不飽和)を含む少なくとも1種のカルボン酸を提供すること、(2)モノアミノ、ジアミノ、トリアミノ、又はポリアミド有機化合物、好ましくはジアミノ有機化合物である少なくとも1種のアミノ有機化合物を提供すること、(3)前記アミノ化合物をカルボン酸と反応させて少なくとも1つのアミド結合及び少なくとも2つの不飽和を含む少なくとも1種のアミドを形成すること、及び(4)次いでアミド中に存在する少なくとも2つの不飽和をエポキシ化して少なくとも1つのアミド結合を有するエポキシ化合物を形成すること、により形成される。しかし、モノアミノ有機化合物を用いる場合、このモノアミノ有機化合物はそれ自身、アミドの一部に存在する不飽和をエポキシ化するために用いられる反応条件においてエポキシ化される不飽和を少なくとも1つ含んでいる。アミドを形成し、エポキシ化するためのアミド化及びエポキシ化反応は当該分野において周知である。【0013】好ましい態様において、少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は主鎖原子を少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個、さらにより好ましくは少なくとも5個、またさらに好ましくは少なくとも6個、よりさらに好ましくは少なくとも7個、さらに好ましくは少なくとも8個含む。好ましい態様において、少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は主鎖原子を100個未満、より好ましくは80個未満、さらにより好ましくは50個未満、またさらに好ましくは30個未満、よりさらに好ましくは25個未満、さらに好ましくは20個未満含む。好ましくは、少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は主鎖原子を4、5、6、8、10、11、12、14、16、17、18、20、22、24、26、28又は30個、より好ましくは8、10、11、12、14、16、17又は18個含む。さらにより好ましくは、少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は主鎖原子を8、11、14又は17個含む。特に好ましい態様において、少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は主鎖原子を11個含む。好ましい態様において、すべての主鎖原子は炭素原子である。好ましい態様において、カルボン酸はモノカルボン酸である。好ましい態様において、カルボン酸はモノ不飽和カルボン酸である。【0014】好ましい態様において、カルボン酸はプロピオン酸、3-ブテン酸、4-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、8-ノネン酸、9-デセン酸、10-ウンデセン酸、11-ドデセン酸、12-トリデセン酸、13-テトラデセン酸、14-ペンタデセン酸、15-ヘキサデセン酸、16-ヘプタデセン酸、17-オクタデセン酸、18-ノナデセン酸、20-ヘネイコセン酸、22-トリコセン酸、24-ペンタコセン酸、又は26-ヘプタコセン酸の少なくとも1つである。より好ましくは、カルボン酸は5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、10-ウンデセン酸、12-トリデセン酸、14-ペンタデセン酸、16-ヘプタデセン酸、18-ノナデセン酸、20-ヘネイコセン酸、又は22-トリコセン酸の少なくとも1つである。さらにより好ましくは、カルボン酸は10-ウンデセン酸、12-トリデセン酸、14-ペンタデセン酸、又は16-ヘプタデセン酸の少なくとも1つである。特に好ましい態様において、カルボン酸は10-ウンデセン酸である。少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は好ましくは生物由来の不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸である。少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は、例えば代謝反応により生物生産不飽和脂肪酸殻得られるものである。少なくとも1つの不飽和を含むカルボン酸は市販入手可能である。【0015】好ましい態様において、アミノ有機化合物は、アリールアミン、アルキルアリールアミン、脂肪族アミン、もしくは環式脂肪族アミンであるアミンである。好ましい態様において、アミンはジアミン、トリアミン、又は高級アミンである。好ましい態様において、アミンは少なくとも1つの1級アミノ基、より好ましくは少なくとも2つの1級アミノ基を含む。好ましい態様において、アミンは少なくとも1つの2級アミノ基を含む。アミンは1級アミノ基と2級アミノ基の両方を含んでいてもよい。アミンが1より多くの2級アミノ基を含む場合、好ましくは2級アミノ基はアミンの主鎖に沿ってほぼ等距離で互いにはなれている。好ましい態様において、アミンは少なくとも2つのアミノ基を含む。好ましい態様において、アミンは約10以下、より好ましくは約8以下、さらにより好ましくは6以下、さらに好ましくは5個以下のアミノ基を含む。好ましい態様において、アミンは3つのアミノ基を含む。好ましい態様において、アミンは2つのアミノ基を含む。好ましい態様において、アミンは主鎖原子を少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個含む。好ましい態様において、アミンは主鎖原子を約30個以下、より好ましくは約20個以下、さらにより好ましくは約15個以下、さらに好ましくは約10個以下含む。【0016】好ましいジアミンの例は、限定するものではないが、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、N,N'-ジアルキル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、及びフェニレンジアミンを含む。好ましいトリアミンの例は、限定するものではないが、ジエチレントリアミン、エチレントリメチレントリアミン、ビス(トリメチレン)トリアミン、及びメラミンを含む。好ましい高級アミンの例は、限定するものではないが、トリエチレンテトラアミン、トリス(トリメチレン)テトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、及びペンタエチレンヘキサアミンを含む。特に好ましいアミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラアミンを含む。アミンは当該分野において公知の方法により製造してよく、アミンは市販入手可能である。【0017】アミドを形成するためのカルボン酸とアミンの反応は、当該分野において公知の方法により行われる。例えば、まずカルボン酸を酸ハロゲン化物、好ましくは酸塩化物に転化する。この目的のための方法においては、酸、もしくはこれより形成されるカルボン酸塩を、例えば塩化スルホニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、又はホスゲン(塩化カルボニル)により、又は対応する臭素化物、又はフッ化シアヌルにより処理することである。次いでこの酸ハロゲン化物は有機溶媒中においてアミンと接触され、アミドを形成する。好ましくは、有機溶媒は中程度の極性の有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、ピリジン、又はジオキサンである。【0018】形成したアミドを、次いで有機溶媒中において活性酸素剤により処理し、存在する不飽和をエポキシ化する。例えば、ペルオキシカルボン酸(RC(O)OOH)又はその塩、例えば過酢酸、ペルプロピオン酸、過安息香酸、バイカーボネート活性化過酸化物(ペルカーボネートイオン)、ナトリウムもしくはカリウムペルカーボネート、又はマグネシウムモノペルオキシフタレートを活性酸素剤として用いることができる。好ましくは、有機溶媒は上記のような中程度極性の有機溶媒である。そのようなエポキシ化反応の生成物として、少なくとも1つのアミド結合を有するエポキシ化合物が得られる。【0019】ポリエポキシアミドは、組成物の形成に用いることができる。ポリエポキシアミドを含む組成物は、この組成物を硬化させることにより得られるネットワークポリマーの形成に用いることができる。本発明の組成物は硬化剤をさらに含むことが好ましい。この組成物は、重合触媒、他の反応性成分、添加剤、又は溶剤を含んでもよい。この組成物は様々な用途、例えばコーティング、コーティング用材料、複合体用のマトリックス材料、及び他の用途に用いることができる。【0020】硬化剤好ましい硬化剤は、脂肪族アミン、芳香族アミン、イソシアネート、多官能性ヒドロキシル含有化合物、無水物、多官能性酸、イミダゾール、多官能性メルカプタン、ホウ素三ハロゲン化物錯体、ジシアンアミド、及びこれらの混合物を含む。【0021】好適な脂肪族アミン硬化剤は、例えば1,2-ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、エタノールアミン、ピペライン、アミノエチルピペラジン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジアミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、3-アミノ-1-シクロヘキシルアミノプロパン、ポリエタノールアミン、ポリプロパノールアミン、ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物を含む。【0022】好適な芳香族アミン硬化剤は、例えばジアミノベンゼン、メチレンジアニリン、オキシジアニリン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルスルホン、2,4-ビス-(p-アミノベンイル)アニリン、ジアミノトルエン、ケチイミン、アミドアミン、及びこれらの混合物を含む。【0023】好適な多官能性ヒドロキシル含有化合物は、ノボラック(酸触媒及び過剰のフェノールの使用により得られる熱可塑性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、レゾール(主に部分縮合フェノールアルコールからなるアルカリ触媒化熱硬化性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、及びビスフェノール、たとえばビスフェノールA(4,4'-イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールF(ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン)、及び2,2'-ビスフェノールを含む。【0024】好適な無水物は、例えば無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水クロレン酸、無水コハク酸、無水ドデセニルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、NADICメチル無水物(3a,4,7,7a-テトラヒドロメチル-4,7-メタノイソベンゾフラン-1,3-ジオン)、無水フタル酸、ポリアジピンポリ無水物、ポリアセラインポリ無水物、ポリセバシンポリ無水物、無水ピロメリット酸、及びこれらの混合物を含む。【0025】好適な多官能性酸は、例えばアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの混合物を含む。【0026】好適なイミダゾールは、例えば2-メチルイミダゾール、2-ヒドロキシプロピルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シクロエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、及びこれらの混合物を含む。【0027】好適なホウ素三フッ化物錯体は、例えば三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを含む。【0028】ヨウ化物塩(例えばジアリールヨードニウム塩)、及びスルホニウム塩(例えばトリアリールスルホニウム塩)も硬化剤として用いることができる。好ましいジアリールヨードニウム塩はジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートである。ヨードニウム塩及びスルホニウム塩を含む組成物は好適な光増感剤、例えばアントラセン、ピレン、ペリーレン、及びこれらの混合物も含んでよい。【0029】この組成物は好適な重合促進剤も含んでよい。好適な重合促進剤は、例えば多官能性アクリレートモノマー、フェノール、一官能性酸、ノボラック、及びビスフェノールを含む。【0030】好適なフェノールは、例えば4-t-ブチルフェノール、カテコール、2-クロロフェノール、4-ニトロフェノール、2,4-ジメチルフェノール及びノニルフェノールを含む。【0031】好適な多官能性アクリレートは、例えばトリプロピレングリコールジアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレートを含む。【0032】好適な一官能性酸は、例えばサリチル酸、5-クロロサリチル酸、2,4-ジクロロ安息香酸及びバレリン酸を含む。【0033】好適なビスフェノールは、例えばビスフェノールA(4,4'-イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールF(ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン)、及び2,2'-ビスフェノールを含む。【0034】重合触媒本発明の組成物は好適な重合触媒を含んでもよい。好適な重合触媒の例は、例えば3級アミン、ルイス酸、オニウム塩、及びイミダゾールを含む。【0035】好適な3級アミンは、例えばベンジルジメチルアミン、2-ジメチルアミノメチルフェノール、及び2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含む。好適なルイス酸は、例えばオクタン酸第一錫及びヂブチル錫ジラウレートを含む。触媒として用いることができる好適なオニウム塩は、例えばアンモニウム塩(例えばテトラブチルアンモニウムブロミド)を含む。【0036】他の反応性成分本発明の組成物は、1種以上のポリエポキシアミドに加え、さらに適当な反応性成分、たとえば他のエポキシ官能性成分、ヒドロキシ官能性成分、アクリレート官能性成分、並びにこれらの混合物を含んでよい。例えば、本発明の組成物はビスフェノールAのジグリシジルエーテルを含んでよい。好ましいビスフェノールAのジグリシジルエーテルは、下式(7)で表されるものを含む。【化4】(上式中、n2は0〜10の整数である)【0037】添加剤本発明の組成物は他の好適な添加剤を含んでよい。例えば、組成物を着色するために顔料を含んでよい。加えてよい他の好適な添加剤は、例えば安定剤(例えば抗酸化剤)、流動調整剤、難燃剤、光安定剤、流れ調整剤、色安定剤、不活性充填材、及びこれらの組み合わせを含む。不活性充填材は無機(例えばガラスビーズ、タルク、シリカ粒子、又はクレー)であっても、有機(例えば多糖、改質多糖、及び天然粒状充填材)であっても、この両者であってもよい。【0038】水及び有機溶媒この組成物は、例えば基材への組成物のスプレーを促進するために、水及び/又は有機溶媒を含んでもよい。【0039】硬化及び特性本発明の組成物は、適当な手段、例えば加熱及び/又は輻射線(例えば紫外線もしくは電磁線)により開始される。このポリエポキシアミドは少なくとも2つのエポキシ基を含むため、本発明の組成物は硬化すると架橋したネットワークを形成し、この架橋したネットワークは「ネットワークポリマー」とも呼ばれる。【0040】熱可塑性ポリマー本発明のポリエポキシアミドは熱可塑性ポリマーの形成に用いることもできる。例えば、これはジカルボン酸と重合し、熱可塑性ポリマーを形成する。そのような重合の例を以下に示す。【化5】(上式中、A及びZは独立に水素又はホモもしくはヘテロヒドロカルビル基、好ましくは水素又はホモアルキル基を表し、B、X、Y、及びQは独立に、ホモもしくはヘテロヒドロカルビレン又はヘテロヒドロカルビリデン基、好ましくはホモアルキレン基を表す)【0041】用途このポリエポキシアミドは様々な用途に用いることができる。例えば、これはコーティング、複合体(例えばガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、炭素繊維、もしくは天然繊維(例えば木材、ジュート、カラムシ、アマ、竹、もしくはサイザル繊維、又はこれらの組み合わせ)により強化された複合体)用のマトリックス材料、接着剤、及び成形部品を得るために用いることができる。例えば、本発明のポリエポキシアミドを含む組成物を用いて基材、例えば木材、金属、又はプラスチック基材をコートしてもよい。この組成物は固体又は液体として適用することができる。好ましくは、この組成物は液体として用い、基材上にスプレーすることができる。【実施例】【0042】以下の例は、本発明の特定の態様を示し、本発明の実施及び利点を説明するものである。この例は説明であって、本発明を限定するものではない。【0043】N,N'-エチレンビス(10-ウンデセンアミド)の合成500mLの三口丸底フラスコ(還流冷却器、添加漏斗及び攪拌棒を備えた)に、10-ウンデセノイルクロリド(32.2mL、30.4g、0.150mol)及びテトラヒドロフラン(THF)(200mL)を加えた。添加漏斗にエチレンジアミン(4.51g、0.075mol)、トリエチルアミン(42mL、30.5g、0.300mol)、及びTHF(75mL)を加えた。酸塩化物溶液にアミン溶液を1時間かけて滴加し、白色の沈殿を得た。添加終了後、反応混合物を25℃において1時間攪拌した。次いで反応混合物を濾過し、沈殿した固体を除去した。この沈殿した固体を水(250mL)に加え、攪拌した。不溶性の固体を濾過によって集め、風乾した。この粗生成物をアセトン(500mL)と水(20mL)の混合物から再結晶化させて白色固体を得、これを真空中25℃において6時間乾燥させた。こうして得られた化合物は以下の式(8)で表される。収量:10g(34%)。融点(M.P.):146〜148℃。13CNMR分析は式(8)の構造と一致した。【化6】【0044】エポキシ化N,N'-エチレンビス(10-ウンデセンアミド)の合成500mLの三口丸底フラスコ(還流冷却器、添加漏斗及び攪拌棒を備えた)に、上記式(8)のウンデセンアミド(8.90g、22.7mmol、45.3mmol二重結合)、酢酸ナトリウム(0.63g)及び塩化メチレン(170mL)を加えた。添加漏斗に32wt%過酢酸(19.1mLの32wt%、21.6gの32wt%、6.91gの過酢酸、及び90.9mmolの過酢酸)を加えた。この過酢酸溶液を、15℃に冷却した式(8)の塩化メチレン中の懸濁液に20分かけて滴加した。この反応混合物を25℃において1時間攪拌し、その間アミドが溶解/反応した。次いでこの反応混合物を16時間、還流下に加熱した。この反応混合物を氷浴中で15℃に冷却し、その後この反応混合物に硫酸水素ナトリウム(9.44g、90.8mmol)の60%(w/v)水溶液を滴加した。白色固体/ゲルが沈殿した。この固体を吸引濾過により集めた。水相及び有機相を捨てた。この粗生成物をアセトン/エタノールの2:1混合物(400mL)から再結晶化させ、真空中、25℃において16時間乾燥させた。こうして得られたポリエポキシアミドは以下の式(9)で表される。収量:5.93g(61%)。エポキシ当量(EEW):218.8g/molエポキシド(計算EEW=212.2)。【化7】【0045】N,N'-(1,3-プロピレン)ビス(10-ウンデセンアミド)の合成500mLの三口丸底フラスコ(還流冷却器、添加漏斗及び攪拌棒を備えた)に、10-ウンデセノイルクロリド(32.2mL、30.4g、0.150mol)及びTHF(200mL)を加えた。添加漏斗に1,3-ジアミノプロパン(5.56g、0.075mol)、トリエチルアミン(42mL、30.5g、0.300mol)、及びTHF(75mL)を加えた。このアミン溶液を酸クロリド溶液に1時間かけて滴加し、白色沈殿を得た。添加終了後、この反応混合物を25℃において1時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、沈殿した固体を除去した。この沈殿した固体を水(250mL)に加え、攪拌した。不溶性固体を濾過によって集め、風乾した。この粗生成物を熱いトルエン(250mL)から再結晶化させ、白色固体を得、これを真空中25℃において16時間乾燥させた。こうして得られた化合物は以下の式(10)で表される。収量:9.6g(31%)。M.P.:117℃〜119℃。1H及び13CNMR分析は式(10)の構造と一致した。【化8】【0046】エポキシ化N,N'-(1,3-プロピレン)ビス(10-ウンデセンアミド)の合成100mLの三口丸底フラスコ(還流冷却器、添加漏斗及び攪拌棒を備えた)に、上記式(10)のウンデセンアミド(4.07g、10.0mmol、20.0mmol二重結合)及び塩化メチレン(50mL)を加えた。添加漏斗に32wt%過酢酸(5.05mLの32wt%、5.71gの32wt%、1.83gの過酢酸、及び24.0mmolの過酢酸)中の酢酸ナトリウム(0.17g)の溶液を加えた。この過酢酸溶液を、15℃に冷却した式(10)の塩化メチレン中の懸濁液に20分かけて滴加した。この反応混合物を25℃において1時間攪拌し、その間アミドが溶解/反応した。次いでこの反応混合物を15時間、還流下に加熱した。この反応混合物を氷浴中で15℃に冷却し、その後この反応混合物に水(30mL)中の亜硫酸ナトリウム(3.02g、24.0mmol)の溶液を滴加した。水層と有機層を分離させた。有機溶液を等体積の水、5%(w/v)NaCl(2回)及び5%(w/v)NaHCO3(2回)で連続的に洗浄した。次いでこの有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下において溶媒を除去し、白色固体を得た。この粗生成物をアセトン(100mL)から再結晶化させ、これに水(1mL)を加えた。再結晶した精製物を真空中、25℃において4時間乾燥させた。こうして得られたポリエポキシアミドは以下の式(11)で表される。収量:1.65g(38%)。M.P.:119〜122℃。エポキシ当量(EEW):224.6g/molエポキシド(計算EEW=219.3)。【化9】【0047】ジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ(10,11-エポキシウンデカアミド)の合成ジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ(10,11-ウンデセンアミド)、20g(0.031mole)、及び352.9gのクロロホルムを500mLの反応容器に入れ、13℃に冷却した。酢酸(0.78g、0.01モルの酢酸ナトリウムを含む)中の32wt%過酢酸(0.11mole)26.3gを攪拌しながら加え、その間、温度を15℃以下に維持した。過酢酸添加終了後、温度を40℃に高め、7時間維持し、次いで周囲温度に冷却し、さらに16時間攪拌を続けた。この反応混合物を再び15℃以下に冷却し、104.6gの10%(w/v)亜硫酸ナトリウム水溶液を滴加することにより過剰の過酸を中和した。この間、温度は15℃以下に保った。有機相と水相を分離させ、有機相をpHが6になるまで洗浄した。洗浄した有機相を無水硫酸ナトリウム上で一晩乾燥させ、真空中でクロロホルムを除去し、20.5gの粗生成物を得た。こうして得られたポリエポキシアミンは下式(12)で表される。この粗生成物を暖かいヘキサンから再結晶化させると、10.75gのジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ(10,11-エポキシウンデカアミド)を得た(エポキシ価18.8wt%、理論値の94.7%)。【化10】【0048】ジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ(10,11-エポキシウンデカアミド)を含む硬化した樹脂組成物の製造1.5060gのジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ(10,11-エポキシウンデカアミド)及び等量の4,4'-メチレンジアニリン(0.2996g)を混合し、120℃のオーブン中に7分間入れ、4,4'-メチレンジアニリンを溶解させた。4,4'-メチレンジアニリンが溶解した後、この樹脂混合物を小さなアルミニウム皿に注いだ。このアルミニウム皿中の1.3393gの樹脂混合物に0.033gのオクタン酸第一錫を加えた。次いでこの混合物をオーブンに戻し、以下のスケジュールに従って硬化させた。120℃で2時間、140℃で2.5時間、及び180℃で2.5時間。室温に冷却すると、アルミニウム皿からこの材料のキャスティングが得られた。このキャスティングの示差走査熱量計分析を、10℃/minの加熱速度で25℃から250℃まで行った。この分析は84℃のガラス転移温度を示した。【0049】上記記載は本発明の特定の態様を示すものであり、多くの変形が当業者に葉明らかであることが理解されるであろう。 少なくとも1つのアミド結合及び少なくとも2つのエポキシ基を含むポリエポキシアミド。 前記ポリエポキシアミドが少なくとも2つの末端エポキシ基を含む、請求項1記載のポリエポキシアミド。 前記ポリエポキシアミドが少なくとも2つのアミド結合を含む、請求項1又は2記載のポリエポキシアミド。 前記ポリエポキシアミドがエステル基を含む、請求項1又は2記載のポリエポキシアミド。 前記ポリエポキシアミドが下式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、又は(6)のうちいずれか1つで表される、請求項1記載のポリエポキシアミド。(上式中、nは少なくとも2の整数を表し、xは少なくとも1の整数を表し、y、z、m、p、及びqは少なくとも1の整数を表し、R3、R5、R6、及びR7は独立に、ホモもしくはヘテロヒドロカルビレンもしくはヒドロカルビリデン基を表し、R1、R2、及びR4は独立に、水素又はホモもしくはヘテロヒドロカルビル基を表す) 前記ポリエポキシアミドが式(5)又は式(6)で表される、請求項5記載のポリエポキシアミド。 前記ポリエポキシアミドが下式(9)、(11)、又は(12)のいずれか1つで表される、請求項1記載のポリエポキシアミド。 (i)請求項1、2、5〜7のいずれか1項に記載のポリエポキシアミド(ii)硬化剤、及び(iii)所望により、他の反応性成分を含む組成物。 前記他の反応性成分がポリエポキシアミドではないエポキシ樹脂である、請求項8記載の組成物。 前記組成物がビスフェノールAのジグリシジルエーテルを含む、請求項8記載の組成物。 前記組成物が、抗酸化剤、難燃剤、顔料、流れ調整剤、着色安定剤、不活性充填材、又はこれらの組み合わせである添加剤をさらに含む、請求項8記載の組成物。 請求項8記載の組成物を硬化させることにより形成されるネットワークポリマー。 請求項12記載のネットワークポリマーを含む樹脂キャスティング。 請求項12記載のネットワークポリマーを含むフィルム。 請求項12記載のネットワークポリマーを含むコートされた基材。 前記基材が金属、プラスチック又は木材を含む、請求項16記載のコートされた基材。 請求項12記載のネットワークポリマーを含む接着層又は結合剤。 (i)請求項12記載のネットワークポリマー、及び(ii)強化剤を含む複合体。 前記強化剤が繊維を含む、請求項18記載の複合体。 前記繊維がガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、又はポリエステル繊維である、請求項19記載の複合体。 前記繊維が木材、ジュート、カラムシ、アマ、又はサイザルである、請求項19記載の複合体。 前記強化剤が非繊維充填材を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の複合体。 前記非繊維充填材がカーボン、ガラス、多糖、改質多糖、又は天然粒状物質である、請求項22記載の複合体。 請求項1、2及び5〜7のいずれか1項に記載のポリエポキシアミドを重合することにより得られる熱可塑性ポリマー。 前記ポリマーがポリエポキシアミドとジカルボン酸を重合させることにより得られるポリエステルである、請求項24記載の熱可塑性ポリマー。 本発明は、アミド結合及び少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物を提供する。この化合物は好ましくは脂肪族である。


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