生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_免疫系に関する疾病を治療するためのCRMPファミリーのタンパク質の使用
出願番号:2003526426
年次:2010
IPC分類:G01N 33/53,C12Q 1/68,C07K 14/47


特許情報キャッシュ

ジロードン,パスカル ベラン,マリー−フランソワーズ マルクス,クリストフ コラス,ピエール アントワーヌ,ジャン−クリストフ オノラ,ジェローム JP 4499414 特許公報(B2) 20100423 2003526426 20020909 免疫系に関する疾病を治療するためのCRMPファミリーのタンパク質の使用 アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サントゥ エ ドゥ ラ ルシェルシェ メディカル(イーエヌエスエーエールエム) 500248467 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 中村 和広 100108903 渡辺 陽一 100117019 中島 勝 100141977 ジロードン,パスカル ベラン,マリー−フランソワーズ マルクス,クリストフ コラス,ピエール アントワーヌ,ジャン−クリストフ オノラ,ジェローム FR 01/11627 20010907 FR 01/13342 20011016 20100707 G01N 33/53 20060101AFI20100617BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20100617BHJP C07K 14/47 20060101ALN20100617BHJP JPG01N33/53 DG01N33/53 MC12Q1/68 AC07K14/47 G01N 33/53 C12Q 1/68 C07K 14/47 BIOSIS(STN) CAplus(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) 特表2001−512971(JP,A) 仏国特許出願公開第02805540(FR,A1) ANNALS OF NEUROLOGY,2001年 2月,Vol.49, No.2,P.146-154 5 FR2002003056 20020909 WO2003022298 20030320 2005508315 20050331 29 20050609 松波 由美子 本発明は免疫系の機能不全に関する病理の診断及び治療に使われるいわゆる“CRMP”(コラプシン応答メディエイター)の新規な使用に関する。 TOAD−64(Minturnなど., 1995, J Neurosci 15:6757−6766)、DRP (ジヒドロピリミジナーゼ関連タンパク質, Hamajima など, 1996, Gene 180:157-163), C-22 (Quach など, 1997, Mol Brain Res. 46:329−332) 又はULIP (Unc-33-様タンパク質, Byk など, 1998, Eur J Biochem 254: 14-24, 及び 国際特許出願 WO 98/37192号),としても知られているCRMPは、これまでは神経系に特有であるものと認識されてきた、細胞内シグナル化分子である。 これらのタンパク質は特に神経単位の発達と軸索の成長の制御に関与していると説明されてきた。 このファミリーのタンパク質は現在までにCRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4、及びCRMP5の5つに識別されている。 このファミリーのある一部のタンパク質は、ヒト神経変性障害に関連している。アルツハイマー病では神経原繊維プラークと共に高レベルのリン酸化されたCRMP2が観察される (Yoshida など, 1998, J Biol Chem 273: 9761-9768)。 神経変性障害である腫瘍随伴性神経学的症候群(PNSs) においては、患者はCRMPを認識する自己抗体(抗-CV2抗体)進行せしめる(Honnoratなど, 1999. Rur U Meurosci 11: 4226-4232)。 したがって、癌及びPNSsの診断及び治療にそれらのタンパク質を使用することが提唱されてきた。(FR 2 805 540 及びWO 98/37 192)。 さらに、Yuなど,(Annals of Neurology , 2001, 49 (2):146-154 )は、肺ガン及び胸腺腫の症例における抗-CRMP5神経性自己抗体の存在を報告する。 予期せぬことには、Tリンパ球におけるCRMPの存在が本発明者により明らかにされてきた。より詳細には、本発明者は免疫不全の病理に冒された患者のTリンパ球に高レベルのCRMP1、2及び4が存在することを明らかにしてきた。そのような場合、リンパ球の致死的な異常又はリンパ球の異常増殖に関連して、それらのタンパク質の存在が増加するのが見られる。 さらに、本発明者はまた、おそらくCRMP2を超増殖性にする、HTLV-1に感染されたリンパ球中におけるCRMP2の著しく高められた核トランスロケーション、又はFas/Fasリガンドシステムに関する免疫欠乏である患者のTリンパ球を観察した。このトランスロケーションは、より特定にはその特異的な抗体により認識される、CRMP2の高度にリン酸化された形に対応する。 最後に、以下の例で明らかになるように、それらのタンパク質の存在は、胚形成期から胸腺上皮細胞において特徴づけられた。この未発達の上皮細胞におけるCRMPの発見は、胸腺中の細胞内シグナル化タンパク質の希な例の一つである。 さらに、成人胸腺でのCRMPの消失、及びTCRの刺激後のT細胞におけるそれらの誘発は、T細胞受容体(TCR)の転移及び胸腺細胞の教育との関係を示している。 したがって、この新しいデータの全てが、リンパ球の増殖、死滅、成熟及び教育に結びつくシグナル化経路におけるCRMPの介在を証明しており、そして、従って、免疫応答の調節へのそれらの関与を証明している。 今までの、特に治療に関する限り、CRMPが中枢神経系(CNS)の病理の治療のための潜在的な標的物として考えられるだけであったことからは、これらの観察は予測できないものであった。 この発見が治療に関して新たな展望を開くことは明白である。リンパ球中のCRMPのレベルで干渉することにより、T細胞の増殖又は死滅に作用し、そして/又は胸腺の細胞及び自己免疫細胞へ作用することが現在では考えられる。 そのような場合、この発明は、免疫系の機能不全、及び特にT細胞の増殖についての病理の治療、予後及び/又は診断のための標的物としてのCRMPの使用に明確に関連する。 それは、より詳細に述べると、細胞のアポトーシス、増殖又は移動を調節するような方法で、1又はそれ以上のCRMPの発現又は活性を調節することに関連する。 CRMPの変性、例えばCRMP2のリン酸化反応の修飾は、超増殖又は細胞死という結果を招きやすい。 同様に、CRMPの刺激は、HIV感染症の場合のように、欠損したシグナル化の修復及びリンパ球の生存率を改善するために効果的な手段であるように見える。 最後に、CRMPの過剰発現の制御は、HTLV−1感染又はFas突然変異の場合のように、“超”−増殖性にされたリンパ球の増殖を抑えるためには決定的であるように見える。この阻害は、さらに自己決定因子(自動活性成分)を認識するTリンパ球が関わる自己免疫工程、及びこれらのTリンパ球によるCNSの進入に関係するCNSへの攻撃(HTLV-1 に関連したTSP/HAM、麻疹に関連した脳炎、多発性硬化症)を改善するように見える。 従って、ある場合には、例えばリンパ腫の場合、CRMPの発現又は活性を増大させるか又は刺激することが望ましい(例えば AIDS HIVウイルスに感染したリンパ球の場合)。その一方では、別の場合では、例えばリンパ球の増殖又は移動を抑制するためにCRMPの発現又は活性を抑制するか又は阻害することが望ましい。 病理学的プリオンタンパク質(PrP)の効果を阻止するためには、CRMP活性を阻止することも有効である。 第一の実施態様として、本発明は、免疫系の機能不全に関連した病理の治療を目的とした医薬組成物を生成するためのCRMPファミリーの少なくとも一つのタンパク質、ポリペプチドフラグメント又はその生物活性誘導体、前記タンパク質をコード化するヌクレオチド配列又はヌクレオチド配列フラグメントの使用に関する。 別の実施態様として、本発明は、免疫系の機能不全に関連した病理の治療を目的とした医薬組成物を生成するために、前記タンパク質をヌクレオチド種による方法でコードする配列と特異的にハイブリダイズできるアンチセンス配列、及び前記タンパク質に対して向けられた抗体の使用に関する。 別の実施態様として、本発明は、免疫系の機能不全に関連した病理の治療を目的とした医薬組成物を生成するために、前記タンパク質と共に作用することができるペプチド配列の使用、又は前記タンパク質の発現を制御することができる医薬化合物及び/又はそれらのパートナー及び/又はそれらの相互作用の使用に関する。 本発明は、さらに、免疫系の機能不全に関する病理の予防及び/又は治療の方法にも関し、ここで前記方法は、このタイプの治療を必要とする患者に、CRMPの発現又は活性を調節する治療上有効な量の剤を医薬的に許容できるキャリアーと共に投与することを含んで成る。 この実施態様の詳細は下に示される。標的化された病理: 本発明によれば、治療又は診断の観点から、標的化された病理は免疫系の機能不全、及び、特に免疫系の細胞、より特定にはT細胞の増殖の機能不全に関するものである。 さらに正確に述べると、それらの病理は次のものを包含する: −T白血病(特に、成人T白血病)及びリンパ腫(すなわち、T細胞の悪性増殖); −ウイルス感染、例えばヘルペスウイルス、麻疹ウイルス、Epstein-Barrウイルス、HTLV-1(すなわち、HTLV-1レトロウイルスによる感染に関連した神経炎症性疾患、熱帯痙攣性不全対麻痺、又はHTLV-1-TSP/HAMに関連したミエロパシー)による感染、又はHIVウイルス(神経-AIDSとも呼ばれるAIDSウイルス)による感染。より一般には、Tリンパ球によりCNSへの浸潤をもたらすウイルス感染(麻疹に関係する脳炎、等)が標的化される。 −プリオン病。 Fas及びFasL突然変異に関連した免疫不全疾患及びリンパ球の活性と関連した神経炎症性疾患も標的化される。 さらに、CRMP及びそれらの様々な生物学的なパートナーを通して、胸腺上のTリンパ球の成熟に作用することにより自己免疫疾患(特にFasに関連した自己免疫疾患)を治療することが考えられる。 自己免疫病理の例として、特にリウマチ性関節炎、重症筋無力症、エリテマトーデス、喘息、多発性硬化症、又は免疫認識及び細胞自体又は組織が標的物に関わり、そして1又はそれ以上の炎症応答をもたらすいずれかの免疫疾患を包含する。多発性硬化症は、自己免疫疾患の中でもっとも一般的なものである。 さらに一般には、本発明は、脱髄性神経炎症性疾患の治療又は診断にも関する。 本発明の好ましい実施態様によれば、患者はヒト、好ましくは成人であるが、しかし本発明の治療法はまた哺乳類又は脊椎動物にも適用できる。CRMPの調節: 本発明によれば、CRMPの活性又は発現を調節することが所望される。この調節は直接的又は間接的なものである。 CRMP活性の直接的調節は、タンパク質自体の活性及び/又は発現に直接作用することにより行われる調節である。CRMP活性を直接調節することができる剤はアゴニスト又はアンタゴニストのいずれかであり、そしてまた、それぞれ“直接的活性体”又は “間接的インヒビター”として示される。 従って、用語“アゴニスト”とは、活性を増大させる剤を示し、一方では“アンタゴニスト”はタンパク質の活性を阻害する剤を示す。 特定の態様によれば、そのようなアゴニスト又はアンタゴニストは、シグナル化カスケードで通常CRMPの上流又は下流で直接作用する内因性分子とCRMPとの相互作用を調節できる。これは例えばCRMPセマフォリン、CRMP-プレキシン、 CRMP-キナーゼ又は他方では、CRMP−(細胞骨格のタンパク質)の相互作用であり得る。 このタイプの剤は例えば、CRMP又はアプタマーに対して向けられた抗体である。 2種の同種又は異種のCRMP間の相互作用の変化が、CRMP活性の調節のもう1つの例である。“同種”タンパク質間の相互作用とは、例えば少なくとも2つの同一のタイプのCRMP 、例えばCRMP2−CRMP2ホモ二量体間の相互作用を示す。 “異種”CRMP間の相互作用とは、例えば少なくとも2種の異なるCRMP 、例えばCRMP2−CRMP5ヘテロ二量体間の相互作用を示す。 CRMPの発現を直接調節することができる剤は、CRMPの産生レベルを変更する(すなわち、増加させる、又は減少させる)剤を包含する。それらの剤は例えば、CRMPポリペプチド又はこのタンパク質をコードする核酸配列、又はCRMP遺伝子、例えばアンチセンス核酸配列のトランスフェクション及び/又は翻訳を調節するか、又は二本鎖RNAを阻害できる剤であり得る。 CRMP活性の間接的調節は、通常シグナル化カスケードとしてCRMPの上流(インデューサー)又は下流(エフェクター)に作用する細胞外又は細胞内の内因性剤の活性及び発現に作用することによって行われる。CRMPのインデューサーは例えば、セマフォリン、 特にセマフォリン3A (sema 3A) 又はセマフォリン4D(sema 4D)である。エフェクターの例としてはチロシンキナーゼ、Rho又はRacファミリーのGTPアーゼ及びトランスフェラーゼ(トランスグルタミナーゼ)がある。 免疫学的疾患に冒された患者(ヒト又は動物)の、脳脊髄液又は脳生検のような病理学的サンプル中に同定され得るCRMPと相互に作用することができる他のタンパク質はまた、本発明の一部である。得られるCRMPの活性又は発現を間接的に調節することができる剤は、例えば上述の直接的モデュレーターの型に照らして当業者により容易に選択される。 本発明によれば、及び特にことわらない限り、用語“剤”又は“試験化合物”とは、1又はそれ以上の構造的に明らかにされている分子、例えばポリペプチド、オリゴヌクレオチド、又は内因性又は外因性の無機又は有機分子を示す。それらの試薬はまた、定義されていない化合物、例えば細胞又は組織の抽出物、又は動植物を起源とした生物学的液体のでもあり得る。 CRMP又はCRMPをコードする核酸タンパク質の使用は、CRMPの少なくとも一つの量を増加させることを目的とした場合に有益である。それらのCRMPの発現又は作用を活性化するか抑制する、合成又は自然に由来する、化合物又は化合物の混合物を使うことも考えられる。 この種の化合物の例としては、例えばCRMPを細胞内シグナル化分子として使用する、特にCRMPの生物学的パートナーとして作用することが分子が包含される。CRMP: 本発明ではCRMPは、特に、CRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4及びCRMP5であると考える。 本発明は図8に示される、ヒトタンパク質CRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4及びCRMP5のアミノ酸配列から選択された少なくとも一つのCRMPの使用に関する。 本発明によれば: −タンパク質CRMP1は、特に、図8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及びまたポリペプチドフラグメント又は対応する誘導体のすべてを示し; −タンパク質CRMP2は、特に、図8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及びまたポリペプチドフラグメント又は対応する誘導体のすべてを示し; −タンパク質CRMP3は、特に、図8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及びまたポリペプチドフラグメント又は対応する誘導体のすべてを示し; −タンパク質CRMP4は、特に、図8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及びまたポリペプチドフラグメント又は対応する誘導体のすべてを示し; −タンパク質CRMP5は、特に、図8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及びまたポリペプチドフラグメント又は対応する誘導体のすべてを示す。 誘導ポリペプチドとは、上記タンパク質のいずれかのポリペプチド変異体、又はあらかじめ特定された配列の一つの遺伝的修飾及び/又は化学的性質に起因するいずれかの他の分子、すなわちそれは単一のアミノ酸又は限られた数のアミノ酸の突然変異、欠失、付加、置換及び/又はアミノ酸の任意の化学的修飾により得られたポリペプチド、及び少なくとも配列を生物活性状態にする特性を一つでも保持している任意のイソフォーム配列、前記の誘導体、変性体、又は同種同形の配列を言及する。 以下のように定義される相同配列も包含される: i)少なくとも70%、好ましくは80% さらに好ましくは90%以上、ヒトCRMP配列に類似する配列(図8に示されたような); ii)相同核酸配列によりコードされる配列、すなわち緊縮ハイブリダイゼーション条件下で、ヒトCRMPをコードする配列とハイブリダイズする核酸配列、又はその相補的配列。 用語“類似している”とは、比較されるアミノ酸の間で完全に類似しているか又は完全に同一であることを示すだけでなく、類似性があると言える程度の完全ではなく類似性も示す。ポリペプチド配列の類似性についてこの研究は、保存された置換を考慮し、ここで前記置換は、同一カテゴリーのアミノ酸の置換、例えば荷電していない側鎖を持つアミノ酸の置換(例えばアスパラギン、グルタミン、セリン、トオニン及びチロシン)、塩基性側鎖を持つアミノ酸の置換(例えばリジン、アルギニン、及びヒスチジン)、酸性側鎖を持つアミノ酸の置換(例えば、アスパラギン酸及びグルタミン酸)、及び非極性側鎖を持つアミノ酸の置換(例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、及びシステインなど)である。 さらに一般的には、用語“アミノ酸の相同配列”とは、特に、自然のアミノ酸が異常なアミノ酸や擬似アミノ酸に置換したことにより、CRMPの生物活性を著しく損なうことがないような位置で一つのアミノ酸又は少数のアミノ酸の置換、及び/又は欠失、及び/又は挿入が起きたことによって図8のヒト配列とは異なった任意のアミノ酸配列を示す。 相同性は一般的に、配列分析ソフトウェアパッケージ(例えば、Genetics Computer Group Sequence Analysis Software Package University of Wisconsin Biotechnology Center,1710 University Avenue, Madison, WI 53705)を使うことで決定される。類似するアミノ酸配列は、相同性(すなわち、上記で定義したような同一性又は類似性)の最大の程度を得るために、一列整列される。このためには、配列に人工的にギャップを導入することが必要となる場合がある。一度最適な一列整列が得られれば、合計数の位置に対して、2つの比較された配列のアミノ酸が同一であるすべての位置が記録されることにより、相同性の程度が確立される。 CRMPの“生物活性”とは、それらのタンパク質のいずれかの生物学的特性が含まれる。この活性は例えば、セマフォリン、特にSema3A又はSema4Dに反応して、軸索の成長阻害を評価すること、及び/又は乏突起神経膠芽細胞の成長阻害、及び/又はセマフォリンとの応答のよる免疫系の細胞の移動の評価より決定される。さらに、PNSsにおいてのCRMPの免疫学的特性、特にPNSにおける抗-CV2型抗体の生成を引き起こす能力をまた包含する。さらに、CRMPの酵素活性も、直接又は間接的に働く場合、又は他の酵素の基質として働く場合であっても、生物活性に含まれる。 それぞれの抗体により認識可能である種々のタンパク質の形がまたに関係している。それらは、それらの二量体、リン酸化された及び/又は切断された形でありえる。 図5においては、リン酸化されたCRMP2の特定な形の存在が、対照のリンパ球(Jurkat)と比較して、HTLV1レトロウイルスにより感染された超増殖性Tリンパ球(C91PL)において、特異的抗体を用いてウエスタンブロットにより明らかにされている。 タンパク質CRMP2及びCRMP5は、本発明中の治療標的物として特に好ましい。タンパク質CRMP5は、特にプリオン病型の病理学の診断及び/又は治療に特に有益な標的物であるように見える。 CRMPは、個々に又は混合物として、免疫系の機能不全の予防又は治療に使用され得る、医薬組成物内の医薬的に許容されるビークルにも関係する。核酸: 本発明はまた、タンパク質CRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4及びCRMP5の一つをコードする単離された核酸の任意の配列、又はヌクレオチドフラグメント、又は遺伝コードの縮重か又は少なくとも一つのヌクレオチドの変異、欠失又は挿入により配列の一つから誘導された配列の使用にも関し、ここで前記誘導された配列とは、問題のタンパク質の生物活性と実質的に同一である生物活性有する。 本発明の種々のヌクレオチド又はペプチド配列は、人工によるもの又は非人工によるものどちらであってもよい。それらの配列はもともとの配列に基づいて開発されたプローブにより配列バンク(sequence banks)をスクリーニングすることで得られたDNA配列又はRNA配列であり得る。この種のバンクは当業者に知られている分子生物学の従来の技法により調製され得る。 本発明のヌクレオチド配列はまた、化学合成により、又は他方では、スクリーニングバンドにより得られた配列の化学的変性又は酵素による変性を包含する混合された方法により調製される。それらのヌクレオチド配列は、本発明のペプチドをコードするゲノムDNA配列又はメッセンジャーRNAの核酸配列、又はその生物活性フラグメントと強く且つ特異的にハイブリダイズすることができるヌクレオチドプローブの生成を可能にする。 また、次のように定義された相同配列が包含される: i)ヒトCRMPをコードする配列と少なくとも70%、好ましくは80%、さらに好ましくは90%類似する配列(図8に示されたような)、又は ii)緊縮ハイブリダイゼーション条件下で、ヒトCRMPをコードする配列又はその相補的配列とハイブリダイズする配列。 好ましくは、このタイプの相同ヌクレオチド配列は、緊縮条件下で、図8のCRMPをコードする配列の相補的配列と特異的にハイブリダイズする。緊縮条件を定義するパラメーターは対になった鎖の50%が分離する温度(Tm)に依存する。 30以上の塩基からなる配列に関しては、Tmは次の関係式により定義される:Tm= 81.5+ 0.41 (% G + C) +16.6 Log (カチオン濃度) − 0.63 (% ホルムアミド) − (600/塩基の数) (Sambrook et al, 1989)。長さが30未満の塩基からなる配列に関しては、Tmは次の関係式により定義される:Tm = 4 (G + C) + 2 (A + T)。 非特異的配列がハイブリダイズしない、適切な緊縮条件の下で、ハイブリダイゼーション温度は、Tmより5から10℃低く、そしてハ使用されるハイブリダイゼーション緩衝液は好ましくは、高いイオン強度を有する溶液、例えば6x SSC溶液である。 前述の用語“類似する配列”とは、比較されたヌクレオチドの間で完全な類似性又は同一性の他に、類似性があると言える程度の完全ではなく類似性を言及する。核酸配列での類似性についてこの研究は、例えばプリン類とピリミジン類との間を区別する。 この型の相同配列は、CRMPをコードするヒト以外の哺乳類、好ましくは、霊長類、ウシ、羊、又はブタ、他方ではげっ歯類の遺伝子配列、及び対立遺伝子変異体を包含する。 CRMPをコードする核酸は特に、医薬組成物内の医薬的に許容されるキャリアーとともに、遺伝子治療に使われる。アンチセンス: 抗-CRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4、及び/又は抗-CRMP5アンチセンス配列は、問題のCRMPの発現を遮断したい場合に好まれて使われる。 タンパク質CRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4又はCRMP5をコードするヌクレオチド配列は、遺伝子治療に用いられる、メッセンジャーRNAを含む核酸配列と特異的にハイブリダイズできるアンチセンス配列を生成するために使われる。 それゆえに本発明はまた、上記の識別されたCRMPの生成を少なくとも部分的に阻害することのできるアンチセンス配列の用法にも言及する。 これらの配列は遺伝子治療に用いられる医薬組成物に配合され得る。抗−CRMP抗体: 本発明はまた、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体、又はそれらのフラグメント、タンパク質CRMP1、CRMP2、CRMP3、CRMP4又はCRMP5から選択されたCRMPから得られたキメラ抗体又は免疫接合抗体、及びCRMPの生物活性ポリペプチドの誘導体又はCRMPのフラグメントの用法についても述べる。 その抗体は問題とするCRMPの発現を遮断するために使われる。 ポリクローナル抗体は、例に記載したプロトコールに従って得られる。しかしながら、それらの抗体は従来法を用いても得られる。 ポリクローナル抗体は、一般的な操作手順に従って、ポリペプチドに対して免疫化された動物の血清から得られる。 本発明の1つの実施態様によれば、タンパク質又は別のペプチドに対して反応残基により結合できる、上記で定義されたような適切なペプチドフラグメントは、抗原として使用される。ウサギは、Benoitなど.,PNAS USA,79,917-921(1982)により記載される方法によると、1mg当量のペプチド抗原により免疫され得る。動物は、200μgの抗原を4週間の間隔で注射され、10から14日後に採血された。三回目の注射後、抗血清は、クロラミン-T法に従って調製されたヨウ素により放射性ラベルされた抗原ペプチドと結合する能力を測定するために試験され、そして次にカルボキシルメチルセルロース(CMC)イオン交換カラムを通したクロマトグラフィーにより精製された。次に、抗体分子が哺乳類から集められ、そして例えばIgG分画を得るためにDEAEセファデックスを用いて、当業者に周知の方法により所望する濃度に単離された。 ポリクローナル血清の特異性を増大させるために、抗体は固相で免疫化するポリペプチドを使用して、イムノアフィニティークロマトグラフィーにより精製され得る。固相で免疫複合体を形成するために、ポリペプチドを抗体分子と免疫反応させるのに十分な時間、抗体は固相で免疫化するポリペプチドと接触される。 それらの抗体を生成するために使用される配列の例は、特に図8に示される配列を包含する: - ペプチド6 (CMRP1):配列番号22 - ペプチド3 (CMRP2) : 配列番号23 - ペプチド4 (CMRP2): 配列番号24 - ペプチド7 (CMRP4) : 配列番号25 - ペプチド8 (CRMP3) : 配列番号26 - ペプチド5 (CRMP5) :配列番号27 - ペプチド(CRMP2 C-末端) :配列番号28。 抗-ペプチド4はCRMP2に対してより特異的であり、CRMP間で強い相同性を与えられることについて特に好都合であり、特異的な抗体を産生するのを難しくする。ペプチドは潜在的なリン酸化部位を持つセリンを含んでおり、リン酸化型の検出は容易である。 さらに、抗-ペプチド9(CRMP2 C-末端)はタンパク質CRMP2の一部分として特異的であり、それはある病理学環境で切断される。 抗-ペプチドはCRMP5に特有であり、したがって、CRMP5を他のCRMPから有利に識別することを可能としている。 従来のKohler と Milstein(Kohler and Milstein, Nature, 256, 495-497, (1975),)のハイブリドーマ培養法によって得られるモノクローナル抗体も使用される。 抗体は、キメラ抗体、ヒト適応させた抗体、又はFabフラグメント及びF(ab’)2フラグメントであり得る。、それらはまた、免疫複合体又はラベルされた抗体の形で存在することができる。 抗-CRMP抗体は、免疫系の機能障害の予防又は治療に使用することができる医薬組成物における医薬的に許容されるキャリアーと共に使用され得る。それらはまた、診断のツールとしても使用され得る。他のパートナーとの相互作用: CRMPの作用を阻害することができそして、より特定には2つの前記タンパク質間の相互作用、又は前記タンパク質の一つとその天然の生物学的パートナーとの相互作用のいずれかを阻害することができる、合成又は自然に由来する化合物又はその混合物を用いて、シグナル化カスケードにおいて干渉することも考えられる。 より一般には、自己免疫疾患又は神経炎症性疾患、リンパ腫瘍又は白血病に罹患した患者から得た、脂質か生検型の生物学的抽出物における新しい治療標的物の同定のためのおとり(bait)としてCRMPを使用することが考えられる。 本発明はまた、自己免疫疾患又は神経炎症性疾患、リンパ腫瘍又は白血病に罹患した患者から得た生物学的抽出物におけるCRMPの少なくとも1つの生物学的パートナーを検出し、同定し、そして/又は分析するための診断のツールとしてのCRMPの用法についても述べる。 従って、本発明者は、細胞内のシグナル化分子であるCRMPがメンブレンシグナル化に関係するPrPプリオンタンパク質と反応することを実証した。 おそらくPrPタンパク質によるリンパ球中のCRMPの発現の調節は、免疫系からの中枢神経系への病原情報の伝達のレベルで縮重過程において存在する。この発明の観点は以下の例4によって実証される。 CRMPの生物学的パートナーとして、PrPタンパク質はまた、CRMPの活性を調節するための有益な標的物でもある。 したがって、当治療アプローチは、PrPとCRMP、特にCRMP5との間の相互作用を遮断することから成る。 そのような場合、この発明のもう1つの観点は、少なくとも1つのCRMPを標的化することができ、そして/又は少なくとも1つのCRMP及び/又はCRMP二量体とPrPプリオンタンパク質との相互作用を阻害することができる、合成又は天然起源の活性成分、化合物又は化合物の混合物を含んで成る医薬組成物に関する。 本発明の特定の態様によれば、、問題のCRMPはCRMP5である。 本発明の観点においては、より特定には、化合物又は化合物の混合物は、問題の2種のタンパク質間の相互作用を遮断することによって作用する。いわゆるアプタマー化合物は、この目的に特に適している。それらは、高い親和性及び特異性で他の分子と結合する能力を持った分子である。このタイプの化合物の例としては、特にペプチドアプタマーが包含される。 この変異体によって治療することができる病理学は、散発性のプリオン病、後天性のプリオン病又は遺伝的プリオン病、より一般には細胞のシグナル化にPrPが関与している任意の疾病である。 CRMPに関する活性を刺激するか又は抑制する性質を持つ化合物は、試験される化合物がCRMPに接して置かれて、そして2種のタンパク質間の相互作用が決定されるスクリーニング法を用いて選択され得る。 本発明はまた、生体外でのプリオン病の治療に使われる分子のスクリーニング法にも関し、ここで試験される分子はPrPプリオンタンパクとCRMPに接触して置かれ、そしてCRMP又はCRMP二量体とPrPタンパクとの相互作用を阻害する分子の能力が評定され、この相互作用を阻害する作用がプリオン病の治療に使用され得る分子の表示である。投与: 本発明での医薬組成物の最適な投与方法、投与量及びガレヌス製剤形態は、患者にふさわしい治療を確立するときに、一般に考慮に入れられる年齢、患者の体重、患者の健康時の全身状態、治療に対する耐性、記録された副作用などのような診断基準に従って決定され得る。 好ましくは、本発明の医薬組成物は、全身投与することが好ましく、好ましくは静脈内に、筋肉内に、皮膚内に又は経口で投与することが好ましい。 一般に、約0.1μgから約1mgの範囲で異なる、治療上又は予防的に有効なCRMPの量が、ヒト成人に投与され得る。 本発明はまた、上記で定義されたようなCRMP又はアンチセンス核酸をコードする核酸及び薬学的に許容されるビークルを含んで成る医薬組成物にも関し、前記組成物が遺伝子治療に使われることを目的としている。核酸は、一般にはウイルス性のベクターに挿入されるのが好ましく(例えば、アデノウイルス及びレトロウイルス)、この核酸は陰イオンのリポソーム、カチオンの脂質、微粒子(例えば金の微粒子)、沈殿剤(例えばリン酸カルシウム)又はトランスフェクションを促進する他の剤のような標的細胞への移行を促進するいずれかのビークルを一切伴わないで、裸の形で投与され得る。この場合、ポリヌクレオチドは、ビークル存在、又は不在下で、生理学的に許容される溶液、例えば無菌液又は無菌緩衝溶液に単純希釈され得る。 他方では、本発明の核酸は、トランスフェクションを促進する剤に結合され得る。それはとりわけ、(i) ブピバカインのような、細胞の浸透性を変化させる化学剤に結合し;(ii)リポソーム中に、おそらくトランスフェクションを促進する添加物質の存在下で封入され;又は(iii) カチオンの脂質又はシリカ、金又はタングステンの微粒子に結合する。 本発明の核酸構造体が微粒子にも適用されるならば、前記微粒子は“遺伝子銃”技術によって、皮膚内に又は表皮内に注入される(WO 94/24263)。 薬として使われる量は、特に核酸構造体自体、この核酸が投与される個体、投与形態及び製剤の種類、及び病理学に依存する。一般的に、治療上又は予防的に有効な量は、約0.1μgから約1mgの範囲で異なり、好ましくは約1μgから約800μg、優先的には約25μgから約250μgがヒト成人に投与される。 本発明の核酸構造体は特に、非経口のような、任意の従来の投与経路によって投与されてよい。投与経路の選択は特に、選択された製剤に依存する。診断方法: 本発明はまた、免疫系の機能不全に関する生体外での病理学の予後及び/又は診断についての方法に関し、ここで前記方法は免疫系の細胞中で明らかにされた事実により成り立っている。すなわち、対照のリンパ球に比べて患者から得られた(例えば、血液又は脳からの)、リンパ球、樹状細胞及び単球でのCRMPの異常発現又は異常局在が見られる事実である。 本発明は、より正確には、健康な被検者から得られた対照リンパ球と比べて、個人から得られたリンパ球中で明らかにされた、少なくとも1つのCRMPの存在、発現、配列、又は所在が変化していることに特徴がある自己免疫疾患、及び/又はリンパ腫、及び/又は成人白血病、及び/又はウイルス感染に関連するか、又は関連しない神経炎症性疾患、及び/又はプリオン病の予後及び/又は診断のための方法に関する。 従って、Tリンパ球の機能不全と関係する任意の病理学は、上述したように、診断される。 特に、個人が以下から選択された病理学のキャリアーか、個人が以下から選択された病理学を発病すると思われるかどうかによって決定される: − T白血病及び(T)リンパ腫(T); −ウイルス感染、例えばヘルペスウィルス、麻疹ウィルス、Epstein-Barrウィルス、HTLV-1及びHIV; −プリオン病;及び −神経炎症性脱髄性疾患。 CRMPの発現は、当業者に周知の様々な手法によって評価されてよい。タンパク質をコードするRNAは特異的なヌクレオチドプローブを使用して検出され、そして定量化され得る。 第1の態様においては、本発明は、免疫系の機能不全に関連した病理学、又は免疫系の機能不全に関連した病理学が発病するための素因の生体外での診断方法に関し、ここで前記方法は以下の段階から成る: −患者のリンパ球から得られたmRNAを含んでいる生物学的サンプルを、CRMPをコードする遺伝子の転写体のすべてか一部の増幅を可能にする特定のオリゴヌクレオチドと共に一緒する段階; −前記転写体を増幅する段階; −前記増幅された生成物を検出し、そして定量化する段階;ここで、病理学の指標となっている正常対照と対比してCRMPの転写比率の調節は免疫系の機能不全又はそのような病理学を進行する機能不全の素因と関係している。 CRMPをコードする遺伝子の生成物はまた、上述のとおり、対応する抗体を使用することで分析され、そして細胞内に位置する。 第2の態様においては、本発明は抗-CRMP抗体を用いることで、患者のリンパ球のサンプル中のCRMP発現の比率及び/又は活性を検出又は測定することによる、免疫系の機能不全に関連した病理又は免疫系の機能不全に関連した病理が発病するための素因の生体外での診断方法に関する。この方法は、CRMPと、1つの前記抗体又は複数の前記抗体との間で特定の免疫複合体を形成することができる条件下で、CRMPに対して向けられた少なくとも1つの抗体と前記サンプルとを接触させ、そして形成される特定の免疫複合体及び/又は抗体によるCRMPの活性の阻害を検出することから成る。 他方では、抗-CRMP抗体の存在は、CRMP又はCRMPタンパク質と前記抗体との間で形成される複合体が生物学的サンプルにおいて容易に検出され得るように、ラベルされ得るCRMP又はそれらのエピトープフラグメントを用いて決定され得る。設備と方法:1.細胞及び細胞培養物: SI細胞:Tリンパ球は、系統の確立されたリンパ球(IL-2に依存しない)又は成長にIL-2の存在を必要とする一次培養物中のリンパ球のいずれかである。これらのリンパ球は、リンパ球系統の場合ではいわゆるSVF(10%)、そしてTリンパ球の一次培養の場合ではAB型のヒト血清(SAB10%)とIL-2が補充された塩類培地が入った懸濁液中で培養される(37℃、5%CO2)。さらに、末梢血リンパ球(PBL)は対照とした患者又は被験者の血液から新鮮に単離されており、フィコール勾配により分離され、単球/マクロファージの付着段階の後に回収された。 Tリンパ球の処理:ある実験においては、新鮮に単離されたPBLsはT細胞受容体(TCR)を介する抗原又は植物性赤血球凝集素(PHA - 10μg/ml)によるリンパ球の擬似的活性化を引き起こすアゴニストであるCD3抗体(10μg/ml)により処理される(C.Malcus)。2. RT-PCR (逆転写-複製及びポリメラーゼ鎖反応法)による転写体(mRNAの)の試験: すべてのRNAの単離:この実験は、RNアーゼによるRNAの変性を避けるために4℃で体系的に行われる。RNAzolの溶液が添加される(106個の細胞当たり2ml)、細胞培養物又は新鮮に単離されたリンパ球からRNAが抽出される。RNAzolはフェノール及びグアニジウムイソチオシアネートを含み、細胞を溶解する。相はクロロホルム(2mlのRNAzol当たり400μl)を使用して分離される。均質化(渦巻き)の後、5分間静置させる。サンプルは遠心分離器にセットして静置させ(5分)、次に、4℃で30分間12,000rpmで遠心分離された。水相(測定された量)中に存在するRNAは、最初に、同定された量のイソプロパノール(4℃で15分)を加えて沈殿させられ、その後、遠心分離される(4℃、12,000rpmで15分間)。 -20℃で沈殿物にpH 5.2の0.3Mの酢酸ナトリウムを加え、さらに無水エタノールを加えることで二回目の析出が行われる。沈殿は遠心分離(12,000毎分回転数、15分、4℃)により収集される。塩類は−20℃で800μlの80%エタノールを沈殿物に加えた後に遠心分離することで除去される。残留したエタノールをすべて除いた後、ペレットは100μlの蒸留水に溶解され、そして−80℃で保存される。RNAは、分光光度計を使用して260及び280nm(260nm での1ユニットのODはRNA40μg)での光学濃度を測定することにより分析された。260及び280nmでのODの比率は2に近くなるはずであり、そうなればタンパク質の残渣がない、望ましいRNA抽出物が得られたことを示す。 逆転写:逆転写(RT)は、RNAからDNAを重合することができないDNAポリメラーゼを使用する反復重合のための予備的段階である。RTは逆転写酵素、ここではMuLVウイルスのRtaseを使用することで行い、酵素によりRNAに対する一本のDNA相補鎖の伸長と合成を可能にできるプライマーにより開始される。種々のmRNAの増幅生成物についての比較研究では、RTの同一のサンプルから種々の特異的なPCRを誘導する可能性を与える、非特異性のプライマー(oligodT)がより適していることが発見された。 全量500ngのRNAが7μlの水(QS)で希釈され、二次構造を変性させるために70℃で10分間培養される。その後すぐに復元を防ぐため試験管は氷中へ沈められる。こうしてできた全量70μlのRNAに対して1μlのoligodT(100mg/μl)及び0.5 mMのdNTP、4μlのRT緩衝液、40UのRNAsine(Rnase阻害剤) 、10mMのジチオトレイトール又はDTT(変性剤)、1μlのMuLV-Rtase(200U/pl)を含んでいる12μlの“インキュベーション”培地が加えられる。反応混合物は42℃で90分間培養される。その後、RTの生成物は蒸留水で10/10thに薄められ、-20℃で保存される。 重合鎖反応(PCR):反復する重合は興味深いDNAセグメントの重合サイクルの繰り返しに関する技術である。各サイクルの最初の段階は95℃で行われる変性段階である。第二段階は50%のDNAが二本鎖を形成し、50%が一本鎖の形態のまま残っている温度(Tm)で、増幅される領域を含んだセグメントの特異的なプライマーとハイブリッド化し、又は結合する段階である。第三段階は、DNAポリメラーゼ、ここではTaqポリメラーゼに依存する熱安定性のDNAの活性にとって最適温度である72℃で伸長する段階である。最適なPCRを行うために優先事項として考慮に入れられなければならないパラメーターは、プライマーの選択(Primer 3 softwareによって行われ、そしてインデックス化されたヒト配列と比較することにより検証される(Blast))、ハイブリッド化する温度又はTm、MgCl2の濃度、そしてサイクルの数である。これらの条件はすべてPCRを行う前に完全に整えられており、次の表中に要約される: 各PCRのサンプルは、1/10thに希釈された10μlのRT及び40μlのその混合物、5μlの 1x PCR緩衝液、2又は3μlのMgCl2、1μlの4 x dNTP、1μlの各プライマー(センス及びアンチセンス)、0.4μlのTaqポリメラーゼ、QS 50μlの蒸留水が含まれる。PCRは、95℃で5分間変性させる第一段階、その後プライマーの各組のサイクル数(95℃で1分、62℃ 1分で15、72℃ 1分で30)をあらかじめ決定することから構成される(表を参照)。PCRは72℃で15分の伸長段階で終結し、PCRの生成物は-20℃で保存される。 RT-PCRsの可覚化:サザンブロット:電気泳動による増幅生成物の分離後、メンブレンへ移され、放射能で内部標識されたプローブとハイブリダイズされることにより行われる。様々なPCR生成物の移動は、各サンプルの10μlをエチジウムブロマイド(末端濃度0.5μg/ml)を含んでいる0.5 x TBE(トリスホウ酸塩-EDTA)緩衝液中の1.5%アガロースゲル上に滴下し、100Vの作用をかけることにより行われる。一旦、移動が生じたならば、cDNAはセミドライ電気泳動法により0.5 x TBE緩衝液のナイロン・メンブレン中に輸送される。移動(15V-45分)の後、DNAはNaOH(0.4N-2分)溶液によりメンブレンに固定され、それから中和される(6x SSC -10分)。 PCRにより増幅されたDNAフラグメント(表を参照)に特異的な内部プローブはターミナルキナーゼ(T4キナーゼ)によりγ32P-ATPで5‘末端が放射能標識される。2μlの内部プローブに5μlの前記の緩衝液、1μlのT4キナーゼ、2μlのγ32P-ATP、及び15μlの蒸留水を加えた。37℃で10分間培養する。キナーゼ反応は4℃で停止させ、その後、放射能標識されたプローブは、遊離ヌクレオチドを保持する排除カラム(Bio-Rad Laboratories)に通して精製される。すべての非特異的部位を飽和させるために、ハイブリダイゼーション培地(6 x SSC、2 x Denhardt 、25mMリン酸緩衝液、25mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム又はEDTA、SDS 0.1%、サケ精子のDNA 250μg/ml )で30分間42℃で培養することにより、トランスファー・メンブレンはハイブリッド化の前準備をされる。 42℃で30分間内部プローブとハイブリッド化が行われる。その後メンブレンは緊縮性を増大させた媒体、つまり 6x SSC /0.l% SDSで10分、2 x SSC / 0.1% SDSで20分そして0.5 x SSC /0.1% SDSで10分、42℃で洗浄される。放射能標識されたメンブレンはプラスチックシートでシールされ、その後増幅スクリーンを装備したオートラジオグラフィー・カセットに置かれる。cDNAの放射能で標識されたバンドは、燐光測定器を使用して読み出されることにより視覚化され、コンピューター・ソフトウェア(Quant Image)を使用して定量される。3.CRMPの免疫検出: 抗−ペプチド抗体: 5つのCRMPのいくつかの特定の抗−ペプチドポリクローナル抗体は、他のCRMPについて非相同領域に位置している免疫抗原の選択後に調製され、ウサギに注射された。与えられたCRMPについての各血清の特異性は組み換え型のCRMPにおけるウエスタンブロット法により確認された。免疫処置前に採取した、これらのウサギの各々の血清(前−免疫血清)はHela細胞を形成した又は感染されたEcoli.tranesで得られた組み換えタンパク質のウエスタンブロットで陰性であり、対照として使用される。使用するための最適の希釈溶液はあらかじめウエスタンブロット法又は免疫細胞化学によって決定される。 ウエスタンブロット: この技術は、タンパク質が電気泳動により分離して、その後ペルオキシダーゼと結合した二次抗体により明らかにされる特異的な抗体の固定後に目的のタンパク質が可覚化されるのを可能にするメンブレン中に移動することに関する。ウエスタンブロットは培養されるか、又は新鮮に単離された、免疫又は神経細胞の溶解物から得たタンパク質抽出物を使って行われる。細胞は一般的に、洗浄剤の入っていない緩衝液(20mM トリス-HCl、10%スクロース、1mM EDTA、5mM EGTA)及び抗−プロテアーゼ (CompleteTM 1x)の反応混液で、そして時にはRIPA 緩衝液(10 mM トリス-HCl pH 7.2、 150 mM の NaCl、 1%の100x Triton、 0.1%の SDS、 1mMのEDTA、1%のデオキシコール酸ナトリウム、 完全 1 x)中で溶解される。 その後、細胞溶解物の均質化を80Hzでの音波処理によって完了した。タンパク質の定量後、タンパク質の1又は2μg/μlの溶液が−20℃で保存される。サンプルの沈着物は(最終的に40 μgのタンパク質)は、還元性の緩衝液(0.0625 M トリス-HCl pH6.8、 1% SDS、 10% グリセロール、 0.1 M ジジオトレイトール DTT、 ブロモフェノールブルー)を加え、加熱することにより(95℃で5分)変性させる。タンパク質はSDSアクリルアミド・ゲル(それぞれ10%-0.1%)上で分離される。100V下での移動の後、3つの緩衝液を使用した不連続転写によってタンパク質はニトロセルロースメンブレン中に電気泳動される。 その緩衝液は緩衝液1(0.3N トリス塩基、 20% メタノール)、緩衝液2、(25mM トリス塩基、 20% メタノール)、緩衝液3(25 mM のトリス塩基、 40 mM EACA、 20% メタノール)である。これらはタンパク質の分子量に関わらず、すべてのタンパク質の優れた転写を可能にする。メンブレンは、タンパク質の固定化と可覚化を可能にするPonceau redとトリクロロ酢酸溶液中で5分間培養される。その後、メンブレンは、 0.1% Tween 20 及び5% スキムミルクを含んだリン酸緩衝液(PBS)中に周囲温度で1時間浸される。 0.1%.Tween20及び1%のミルクを含んだPBSで希釈されたウサギの抗−CRMPポリクローナル血清(CRMP-4: 1/100; CRMP-2: 1/500; CRMP-1: 1/500; CRMP-3: 1/500; CRMP-5: 1/200) 又は免疫化される前のウサギの血清(1/200)によるCRMPの免疫検出は4℃で一夜の間行われる。ブロットはその後0.1%.Tween20及び1%のミルクを含んだPBSで洗浄処理され(5分×3回)、その後特異的な二次抗体であるウサギのIgGと1時間培養して、ペルオキシダーゼと結合させる(1/50000th-1時間、周囲温度)。0.1%.Tween20及び1%のミルクを含んだPBSで3回洗浄した後(5分ずつ)、ブロットは電気化学ルミネッセンスキット(electrochemiluminescence kit) (Covalab)を使用して、写真フィルムに印刷した後に暗室で現れる。 実験中、サンプルは、アクリルアミド/SDSゲル上で分離される前に37℃で1時間ホスファターゼ処理された。2μlのCIP((ウシ腸ホスファターゼ)20unit/μl)アルカリホスファターゼが20μlのタンパク質サンプルに加えられ、そして酵素を活性化するために2μlの緩衝液が加えられる。 免疫細胞化学(ICC):CRMPは免疫細胞化学によって細胞単位のスケール(cellular scale)で検出された。非付着細胞であるリンパ球は遠心分離(cytospin-600rpm-5分)によって展着される。しかし、Dev神経細胞(Dev nerve cells)はPermanoxスライド上で培養される(Labteck)。 アセトン(20℃、5分)による細胞の固定はタンパク質を固定し、細胞の反応抗体への浸透を可能にさせる目的で行う。これらの条件によってCRMP 1、2、3、4及び5を検出することができた。非特異的な部位は、0.1%BSA溶液で遮断される(周囲温度で30分)。 スライドに固定された細胞は、一次抗体(ウサギ中で生産された抗-CRMP をpH 7.4 のPBSで希釈したもの)と最初に接触させる(湿室で1時間-37℃)。リン酸緩衝液で3回洗浄した後(PBS、pH 7.4、5min)、特異的な第2抗体であるウサギのIgGが接触して置かれて(周囲温度−1時間)、それから5分間PBSで3回洗浄される。その後、核の対比染色法は、Dapi溶液(核のインターカレーター、0.025μg/ml−1分)中で培養されることにより行われる。スライドはpH 7.4に緩衝剤で調製されたグリセリン中に置かれる。これらの分析の結果は図2〜8の中で示す。例1.単有核のリンパ球及び細胞、対照としたリンパ球と細胞、又は免疫不全の病理学に感染した患者から得られたリンパ球と細胞中でのCRMP 1、2及び4発現の評価mRNA(GAPDHに関する): 最初の評価は対応するmRNAの滴定により行われた。結果は、図1に詳細に示され、下の表2に要約される。 先の分析は、非洗剤性の緩衝液中の細胞溶解物(Dev: 神経細胞; Jurkat; Tリンパ球系統) をウエスタンブロット及びそれぞれのCRMPの特異的な抗-ペプチドポリクローナル抗体を使うことによりTリンパ球中及び神経細胞中のCRMPタンパク質1、2及び4を検出することにより完了する。 結果は図2の中で示されている。 Tリンパ球及び神経細胞に分布している多量のイソフォームを検知する抗−CRMP1、2及び4が示される。例2.対照とする患者、又はHTLV-1に感染したかFas/Fasリガンドシステムに免疫不全を持つ又はHIVに感染した患者の単有核の血球(PBL)中のCRMP2タンパク質の細胞レベル下の所在の免疫細胞化学的検出 抗 CRMP2抗体は、“設備と方法”の序文の項目3で記述したプロトコールによってあらかじめ準備され分離された。 結果は図3で示される。 以下のことが注目されるであろう: −CRMP2の所在は本質的に、対照となる被験者又はHIV−1に感染した被験者から単離されたリンパ球(PBL)中の細胞質であり;それはまた、HTLV-1に感染した患者又は免疫不全の患者(Fas欠損)のPBL中の核にも存在し; −CRMP2は、IL2の中で培養された対照の患者におけるよりも、患者のリンパ球においてより発現され、そして従って予備活性化される。 Dapi DNAのインターカレーターによるCRMP2の免疫検出と対比染色の後の試験により、慢性的にHTLV−1に感染して超増殖したTリンパ球中の多くの核でCRMP2が発現することが示された。共焦点顕微鏡を使用したCRMP-2 の免疫検出試験により、対照としたTリンパ球では核の存在は非常に微弱であるが、慢性的にHTLV−1に感染したTリンパ球では多数の核が存在することが明らかになった(図4)。 結論として、CRMP2の発現は増殖したリンパ球の核の中で増加される。これに反して、HIVに感染した患者においては、CRMP2は細胞質に存続する。免疫不全患者(Fas欠損)のいくつかの細胞ではその位置は核である。図3と図4は得られた結果を示している。 同様に、核が濃縮された細胞分画のウエスタンブロットにより、超増殖したTリンパ球中でこの同じ抗体によって認識されるタンパク質の核の存在が確認された。例3.胸腺上のCRMP5及びCRMP2タンパク質の発現についての免疫組織化学による特徴付け タンパク質はそれぞれの抗体によって特性が決定された。 分析された細胞は、正常なヒト胎児の胸腺、及び成人患者の中の肥大した胸腺中の細胞である。 対照として、同じ免疫組織化学は、生後6週間の胎児のヒト胸腺上で行われた。胸腺は低温保持装置中で急速冷凍されフラグメント化された(15μm)。フラグメントはアセトンに15分間浸し固定される。免疫組織化学は、脳上でと同じ条件の下で行われる。 この分析は、胚形成期で正常な胸腺上皮細胞中でのCRMP2及びCRMPの発現を明らかにする。この発現は正常な成体では消失して、腫瘍の病理(胸腺肥大)の場合には誘発される。例4.牛のPrPタンパク質とヒトCRMP5タンパク質との間の相互作用の特性決定 牛のPrPタンパク質とヒトCRMP5タンパク質との間の相互作用は接合よる2-ハイブリッド試験によって特性決定された。 これらの2種のタンパク質(完全な、又は異なった誘導体)をコードするcDNAは“おとり”ベクター及び“えじき”ベクター中で複製される。おとりベクター、pEG202 (Gyuris など 1993, Cell 75, 791-803)は、マーカーHTS3、2μの複製開始点をコードする遺伝子を含み、構成要素であるプロモーターADHpの制御下で、DNAのLexAタンパク質(1-202)と関連した領域と結合するタンパク質の発現を指示する。えじきベクター、pEG 4-5 (アメリカ特許第 5,580,736号)は、マーカーTRP1をコードする遺伝子、2 μの複製開始点を含み、そして誘導性プロモーターGALpの制御下で、核位置配列(NLS)、転写活性領域(B42)及びHAエピトープに対して結合するタンパク質の発現を指示する。便宜上、結合したNLS-B42-HAをここでは“Act”と定義する。 菌株EGY42(MATα) (Golemis など, 1992, Mol. Cell. Blol. 12, 3006-3014)は、標識遺伝子URA3及びリポーター遺伝子lacZyの上流に位置する8つのLexAオペレーター及びLexA、 LexA-PrP、 LexA-PrPm (PrPの突然変異は依然として決定されることになっている)、LexA-PrPtr (PrPの切断は依然として決定されることになっている)、LexA-MAX (負の対照)、LexA-CRMP5の発現を指示している様々なおとりベクターを含んでいる血漿ベクターpSH-18−34 (アメリカ特許第5,695,941号)により同時形質転換された。 菌株EGY48(MATα)は、Act, Act-PrP、 Act-BaxΔTM (負の対照) 及び Act-CRMP5の発現を指示している様々なえじきベクターにより形質転換された。 これらの種々の菌株は相互作用マトリックスを作るために接合される。 このマトリックスはおとり及びえじきの発現、二倍体の接合完了体の選択、及び相互作用表現型(リポーター遺伝子lacZが転写される時β-ガラクトシダーゼ活性が観察され、青色を示す)の表示を可能にする指示薬培地(Ura-, His-, Trp-, galactose/X-gal)で複製された。 図7は得られた結果を示す。 次のコンストラクションが試験された: PrP:ウシのPrPタンパク質(AA 22-237)、 PrP: 様々な突然変異が依然として測定されるウシのPrPタンパク質(AA 22-237)、 PrPtr:配列の途中で切断されたウシのPrPタンパク質(コドンの位置は依然として決定される) (AA-22-?)、 MAX:負の相互作用を制御する、 CRMP 5:完全な人間のCRMP 5タンパク質、 BAXATM:負の相互作用を制御する。 PrPタンパク質(下記に記載される種々の構成)とCRMP5タンパク質との間の相互作用はPrPタンパク質がおとりとして発現し、CRMP5タンパク質がえじきとして発現したときに検出される。負の対照群(LexA 及び Actと同様に LexA-MAX及び Act-BaxΔTM )は、PrP 及びCRMPに相互作用表現型を与えない。CRMP5のホモダイマー化は、このマトリックスの制御に正の相互作用を与える。例5.Tリンパ球の移動に対するCRMPの影響方法: Tリンパ球(Jurkat)の移動は、CRMP2の種々の形態をコードするプラスミドのトランスフェクション又は非トランスフェクションの後に評定される:様々な形態とはCRMP2に関連したgfb、CRMP2に関連してそしてCRMP2が突然変異したcmyc 、Delta381CRMP-2(TyrKin部位、SH3結合部位及びチューブリン・ヘテロダイマーに付着する部位を含んでいるアミノ酸381から572の欠損)である(Fukata など. Nat Cell Biol, 2002, Aug. 4(8) :583-91)。トランスフェクションは、ウエスタンブロットによる移動前及び移動後に、細胞中のGFP及びcmycの検出によって確認される。 移動は、標準RPMI培地+ウシ胎仔血清中で18時間かけてボイデンチャンバー(3ミクロンの細孔を持つ)内で実施される。400,000個の細胞が上部ウェルに置かれ、そして下部ウェルへ移動したセルの数がカウントされる(3組のウェル、3つの実験でCRMP-2gfpを用いて、2つの実験ではcmyc CRMP2を用いた)。移動のベースレベルは、CRMP2を含んでいないプラスミドがトランスフェクションした細胞で得られた。 CRMP/ビメンチン結合は、免疫沈降及びウエスタンブロット(IP vimentin Wester CRMP)及び移動した又は移動しないTリンパ球細胞の同時免疫検出により可覚化される(共焦点顕微鏡を用いる)。結果: Jurkats中でのgfp CRMP2又はcrnyc CRMP2の過剰発現は6時間及び18時間で移動した細胞数を増加させる(図9及び10)。 Delta381 CRMP2の突然変異 (TyrKin及びチューブリン結合を含んでいる部位)は移動を増幅しており、このことは移動におけるこの範囲の役割を示唆している(図11)。 CRMP2は、ビメンチン(細胞骨格タンパク質)のパートナーであり、CRMP2の細胞骨格について再分類を促すものである。 この発明は以下の提示された例および図面に制限されるものではない。単核の又は対照としたリンパ球および細胞中で、又は免疫不全の病理に罹患した患者から得られたリンパ球と細胞中でCRMP4、CRMP2、及びCRMP1をコードしているmRNAの発現レベルを、RT-PCR分析により比較している。GAPDH偏在型の遺伝子の発現のレベルに対してCRMPをコードしているmRNAの発現レベルが標準化される。結果は、各CRMPのアンプリコンとG3PDHのアンプリコンとの間のピクセルの比率として相対的な値として表される。Dev神経細胞系と比較したJurkatリンパ球系の、CRMP 1、2及び4タンパク質の電気泳動による分布である。対照患者又はHTLV-1に感染したか、Fas/Fasリガンドシステムに関係した免疫不全を持つか、又はHIVに感染した患者の単有核の血液細胞(PBL)中のCRMP2タンパク質の細胞レベル下の位置の免疫細胞化学的検出である。超増殖したTリンパ球中で抗- CRMP-2(ペプチド4)によって核の存在が認識されることの特性決定である:図4a:CRMP2の免疫学的検出後の試験及びJurkat T細胞(対照)、及びC 8166細胞(ウイルスを産生しないHTLV-1によって感染したT細胞)中でのDapi DNAのインターカレーターによる対比染色であり;図4b:CEM細胞(対照T細胞系)、及びC91PL細胞(HTLV-1に感染した系統)中の共焦点顕微鏡によるCRMP2の免疫学的検出試験である。対照リンパ球(Jurkat)と比較した、超増殖したTリンパ球(C91PL)中のリン酸化されたCRMP2の特別な形態の存在に対して特異的な抗-CRMP2抗体(ペプチド4)を使用するウエスタンブロットによるデモンストレーションである。ヒト胎児の胸腺(A、B、C)上の、及び胸腺肥大(D、E、F)中のCRMP5とCRMP2タンパク質の発現の免疫組織化学分析である。牛のPrPタンパク質と人間のCRMP5タンパク質との間の結合相互作用による2-ハイブリッド 試験での特性決定である。ヒトタンパク質CRMP1、CRNP2、CRMP3、CRMP4及びCRNP5のアミノ酸配列順序である。この図は、さらにCRMPに対して特異的に指定された抗体を産生するために選択されたペプチド配列を示す。CRMP2をコードしているベクターによりトランスフェクションされたか、又はトランスフェクションされていないTリンパ球の移動動態である。CRMP2 gfpの過剰発現後、3つの実験で移動したT細胞の数の報告である。CRMP2-cmycと突然変異したCRMP2(Delta 381CRMP2-cmyc)に関連したCRMP2プラスミドのトランスフェクションの後、2つの実験で移動したT細胞の数の報告である。配列表 免疫系の機能不全に関する病理の生体外検査方法であって、ここで、免疫系の機能不全に関する病理がT白血病及びウイルス感染から選択され、当該ウイルス感染がHTLV-1及びHIVから選択され、 (a)患者から採取された免疫系の細胞におけるCRMPの発現レベル、所在又はリン酸化を評価し;そして (b)健康体から採取された免疫系の対照細胞における前記CRMPの発現レベル、所在又はリン酸化と比較し、ここで前記免疫系の細胞がリンパ球であり、そしてCRMPがCRMP2である; 工程を含んでなる方法。 −患者のリンパ球から得られたmRNAを含む生物試料を、CRMPをコードする遺伝子の転写物の全部又は部分の増幅を可能にするオリゴヌクレオチドと接触せしめ; −前記転写物を増幅し;そして −増幅産物を検出及び定量する; 工程を更に含む、請求項1に記載の方法。 リンパ球におけるCRMPの発現レベル、位置又はリン酸化が、CRMPに対する少なくとも1つの抗体とリンパ球の試料とを、当該CRMPと当該抗体との間で特異的免疫複合体の形成を可能にする条件下で接触せしめ、そして形成される特異的免疫複合体及び/又は前記抗体によるCRMP活性の阻害を検出することにより評価される、請求項1に記載の方法。 前記CRMPの増加した発現、変更された位置又は変更されたリン酸化を、当該CRMPに対する抗体により検出する、請求項1に記載の方法。 前記CRMPに対する抗体が、配列番号:24又は配列番号:28のペプチドに対する抗体である、請求項4に記載の方法。


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