タイトル: | 特許公報(B2)_クマリン化合物 |
出願番号: | 2003524995 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07D 491/22,C07D 493/04,G03F 7/028,C09K 3/00,C09K 11/06 |
皐月 真 菅 貞治 谷口 彬雄 JP 4473572 特許公報(B2) 20100312 2003524995 20020813 クマリン化合物 株式会社林原生物化学研究所 000155908 須磨 光夫 100108486 皐月 真 菅 貞治 谷口 彬雄 JP 2001263069 20010831 20100602 C07D 491/22 20060101AFI20100513BHJP C07D 493/04 20060101ALI20100513BHJP G03F 7/028 20060101ALI20100513BHJP C09K 3/00 20060101ALI20100513BHJP C09K 11/06 20060101ALI20100513BHJP JPC07D491/22C07D493/04 106CG03F7/028C09K3/00 UC09K11/06 C07D 491/22 C07D 493/04 C09K 11/06 G03F 7/028 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平09−208574(JP,A) 特開平08−337582(JP,A) 特開平08−092235(JP,A) 特開昭60−016988(JP,A) 6 JP2002008258 20020813 WO2003020725 20030313 25 20050802 齋藤 恵 技術分野この発明はクマリン化合物に関するものであり、とりわけ、光吸収剤、発光剤として有用な新規なクマリン化合物に関するものである。背景技術情報化時代の到来に伴い、光化学的重合が多種多様の分野で頻用されるようになり、今では、その用途は、合成樹脂の分野を越えて、塗料、印刷用刷版、印刷回路、集積回路などの情報記録や電子機器の分野にまでおよぶようになった。光化学的重合は、重合性化合物を光照射によって重合させる技術であって、大別すると、重合性化合物を直接光照射し、活性化させることによって重合を開始させる光重合と、光増感剤を共存させた状態で光照射し、光増感剤の活性種を生成させることによって重合性化合物を重合させる光増感重合とがある。いずれの光化学的重合も、重合の開始及び停止が露出光源の点滅によって制御可能であり、また、露出光源の強度や波長を選択することによって重合度や重合速度を容易に制御できる特徴がある。しかも、光化学的重合は、一般に、重合開始のエネルギーが低いために、低温でも重合が可能である。印刷用刷版やホログラフィーなどの情報記録の分野においては、光化学的重合のこのような利点が買われて、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムイオンレーザー、Nd−YAGレーザーなどの第二高調波などの可視光を照射することによって重合させることのできる光重合性組成物の需要が急速に高まっている。光重合性組成物へ配合される重合性化合物や重合開始剤は、その多くが紫外線だけを吸収することから、光重合性組成物を可視光で重合させようとすると、光増感剤が不可欠の技術要素となる。光増感剤が備えるべき特性としては、可視領域における分子吸光係数(以下、分子吸光係数を「ε」と略記することがある。)が大きいこと、諸種の重合性化合物や重合開始剤を増感し得ること、増感効率が高いこと、溶剤に対する溶解性と他の配合成分との相溶性に優れていること、そして、安定であることが挙げられる。代表的な光増感剤として、例えば、特開昭54−151024号公報に開示されたメロシアニン色素、特開昭58−29803号公報に開示されたシアニン色素、特開昭59−56403号公報に開示されたスチルベン色素、特開昭63−23901号公報に開示されたクマリン誘導体、特開昭64−33104号公報に開示されたメチレンブルー誘導体、特開平6−329654号公報に開示されたピラン誘導体などが挙げられるが、これらはいずれも一長一短があり、前述したごとき諸特性を常に発揮し得るようなものは未だ見出されていない。そこで、光化学的重合の新しい適用分野である、例えば、情報記録や電子機器の分野においては、重合性化合物、バインダー樹脂などの、用途に応じた光増感剤以外の材料を先ず選択し、次いで、多種多様の有機化合物のなかからそれらの重合性化合物や重合開始剤に適合するものを試行錯誤的に検索しているというのが現状である。斯かる状況に鑑み、この発明の課題は、可視光を吸収する新規な有機化合物を提供することによって、光重合性組成物を調製するに当って、選択し得る光増感剤の幅を広げることを課題とする。発明の開示この課題を解決すべく、本発明者がクマリン化合物に着目し、鋭意研究し、検索したところ、クマリン骨格を有し、可視光を吸収し得る互いに同じか異なる2以上の原子団が、環状構造を形成しつつ、互いに結合してなるクマリン化合物は、可視領域に吸収極大を有し、可視領域における分子吸光係数が大きく、可視光を効率良く吸収することから、光化学的重合において重合性化合物や重合開始剤を増感させるための材料として極めて有用であることを見出した。加えて、斯かるクマリン化合物は可視領域に発光極大を有し、励起すると可視光を発光することから、斯かる性質を具備する有機化合物を必要とする諸分野において有利に用い得ることが判明した。すなわち、この発明は、クマリン骨格を有し、可視光を吸収し得る互いに同じか異なる2以上の原子団が、環状構造を形成しつつ、互いに結合してなるクマリン化合物を提供することによって前記課題を解決するものである。さらに、この発明は、斯かるクマリン化合物を含んでなる光吸収剤を提供することによって前記課題を解決するものである。さらに、この発明は、斯かるクマリン化合物を含んでなる発光剤を提供することによって前記課題を解決するものである。さらに、この発明は、フェノール化合物と1,3−ジケトン化合物とを反応させる工程を経由するクマリン化合物の製造方法を提供することによって前記課題を解決するものである。発明を実施するための最良の形態この発明の実施の形態について説明すると、既述のとおり、この発明は、クマリン骨格を有し、可視光を吸収し得る互いに同じか異なる2以上の原子団が、環状構造を形成しつつ、互いに結合してなるクマリン化合物に関するものである。この発明でいう原子団とは、クマリン骨格(ベンゾ−α−ピロンとも言い、シス型のα−ヒドロキシ桂皮酸のラクトンに当る。)を有し、かつ、各原子団がそれ自身で可視光、とりわけ、波長380乃至780nmの光を吸収し得るものを意味する。斯かる原子団は、珪素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などのヘテロ原子を含むか含まない、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、オキシ基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリエチレンジオキシ基、チオ基、イミノ基、シラニレン基などの二価基により環状構造、好ましくは、四員環乃至八員環を形成しつつ、互いに結合し合って、単一分子としてのこの発明によるクマリン化合物を生成する。用途にもよるけれども、例えば、発光剤や光化学的重合、太陽電池などにおける光増感剤として用いる場合、複数の原子団として、ともにクマリン骨格を有するものの、吸収域が互いに異なるものを採用するとともに、それらの原子団を共役多重結合を有さず、原子団同士をして実質的に電子共鳴させない環状構造により連結するときには、同一分子内にありながら、各々の原子団が吸収域の異なる、互いに独立した吸光、発色団として機能できることとなり、その結果として、この発明によるクマリン化合物が光吸収剤、発光剤として作用し得る波長域を適宜に調節したり拡大することができることとなる。また、複数の原子団として、ともにクマリン骨格を有するものの、吸収域は互いに同様のものを採用する一方、それらの原子団を共役多重結合を有さず、原子団同士をして実質的に電子共鳴させない環状構造により連結するときには、クマリン化合物が吸収剤、発光剤として作用し得る波長域を調節したり拡大することはできないものの、分子内に斯かる原子団をただ一つ有するものと比較して、1分子あたりの吸光、発色能を大きくすることができる。この発明によるクマリン化合物のより具体的な例としては、例えば、一般式1又は一般式2で表されるものが挙げられる。一般式1:一般式2:一般式1及び一般式2において、R1乃至R8は、それぞれ独立に、水素原子又は適宜の置換基を表す。R1乃至R8における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、イソプロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基などの芳香族炭化水素基、それらの組合せによる炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、アリールオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのエーテル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル基、第一級アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ピペリジノ基、ピリジノ基、モルホリノ基などのアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、さらには、それらの組合せによる置換基が挙げられる。一般式1及び一般式2におけるZ1及びZ2は、クマリン骨格を有し、可視光を吸収し得る複数の原子団を互いに結合させる環状構造を表す。好ましい環状構造は、例えば、珪素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などのヘテロ原子を含むか含まない、例えば、シクロブタジエン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプタジエン環、シクロオクタジエン環、ジオキシン環、ジヒドロジシリン環(ジヒドロジシラベンゼン環)、ジヒドロピラジン環などの四員環乃至八員環であり、このうちで、特に好ましいのは、環状構造を形成しつつ、互いに結合する2以上の原子団をして互いに実質的に電子共鳴させない、例えば、シクロブタジエン環、シクロペンタ−1,3−ジエン環、シクロヘキサ−1,4−ジエン環、シクロヘプタ−1,4−ジエン環、シクロオクタ−1,5−ジエン環、[1,4]ジオキシン環、1,4−ジヒドロ−[1,4]ジシリン環(1,4−ジヒドロ−[1,4]ジシラベンゼン環)、1,4−ジヒドロピラジン環などの共役多重結合を有しない環状構造である。環状構造が共役多重結合を有するクマリン化合物は、各々の原子団が互いに独立した吸光、発色団として機能しないものの、その環状構造が飽和メチレン基を有しないクマリン化合物は、化学的に安定で、耐環境性が大きいことから、安定な光吸収剤や発光剤が必要とされる用途において極めて有用である。なお、斯かる環状構造は、この発明の目的を逸脱しない範囲で、例えば、メチル基、エチル基などの脂肪族炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基などのエーテル基、フルオロ基、クロロ基などのハロゲン基、さらには、ヒドロキシ基、カルボキシ基などの置換基を1又は複数有していてもよい。用途にもよるけれども、光吸収剤、発光剤として特に好ましいのは、クマリン骨格の7位にアミノ基を有する一般式7又は一般式8で表されるクマリン化合物であり、一般式7及び一般式8において、R1、R2、R4乃至R6及びR8は、それぞれ独立に、水素原子か、あるいは、一般式1又は一般式2におけると同様の置換基を表す。R9乃至R12は、それぞれ独立に、水素原子か、あるいは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基、さらには、それらの組合せによる炭化水素基を表し、斯かる炭化水素基における水素原子は、その1又は複数が、例えば、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、アリールオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのエーテル基、ヒドロキシ基、シアノ基などによって置換されていてもよい。R9乃至R12における炭化水素基は、それらが結合する窒素原子を含んで、R2、R4、R6又はR8が結合する炭素原子と結合し合って、例えば、モルホリン環、ユロリジン環などの環状構造を形成していてもよく、この場合、R2、R4、R6及び/又はR8は見掛け上存在しないこととなる。なお、一般式7及び一般式8におけるZ1及びZ2は、一般式1及び一般式2におけると同様の四員環乃至八員環を表す。一般式7:一般式8:この発明によるクマリン化合物の具体例としては、例えば、化学式1乃至化学式31で表されるものが挙げられる。これらは、いずれも、可視領域、詳細には、波長400nm付近、通常350乃至450nmに吸収極大を有し、分子吸光係数も1×104以上、好ましくは、3×104以上と大きいことから、斯かる波長域の可視光を効率良く吸収する。また、その多くは、可視領域、詳細には、波長450nm付近、通常、400乃至500nmに螢光極大などの発光極大を有し、励起すると、紫色乃至緑色域の可視光を発光する。しかも、これらのクマリン化合物の多くは、耐熱性が大きく、加熱すると、類縁化合物とは違って、200℃以下の温度で実質的な吸発熱や重量減少を示さない。この発明によるクマリン化合物が耐熱性に優れていることには、当該クマリン化合物における環状構造が大きく貢献しているものと推定される。なお、加熱に伴う吸発熱や重量減少の有無は、例えば、汎用の示差熱量分析(以下、「DSC分析」と略記する。)によって判定することができる。化学式1:化学式2:化学式3:化学式4:化学式5:化学式6:化学式7:化学式8:化学式9:化学式10:化学式11:化学式12:化学式13:化学式14:化学式15:化学式16:化学式17:化学式18:化学式19:化学式20:化学式21:化学式22:化学式23:化学式24:化学式25:化学式26:化学式27:化学式28:化学式29:化学式30:化学式31:この発明のクマリン化合物は諸種の方法で製造できるけれども、経済性を重視するのであれば、フェノール化合物と1,3−ジケトン化合物による縮合反応を利用する方法が有利である。この方法によるときには、例えば、一般式3又は一般式4で表される化合物と、一般式1又は一般式2に対応するR1乃至R4を有する一般式5で表される化合物と、一般式1又は一般式2に対応するR5乃至R8を有する一般式6で表される化合物とを反応させ、さらに、その後、必要に応じて、生成したクマリン化合物の環状構造における飽和メチレン基を、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノン(クロラニル)、2,4−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノンなどのキノン系酸化剤、二酸化マンガン、四酢酸鉛、酢酸水銀、ヘキサシアノ鉄酸カリウム、酢酸パラジウムなどの金属酸化剤、パラジウム/鉄系、ロジウム/アルミナ系などの接触脱水素触媒の存在下で脱水素反応させることによって、この発明のクマリン化合物が好収量で生成する。一般式3:一般式4:一般式5:一般式6:すなわち、反応容器に一般式3又は一般式4で表される化合物とともに、一般式5及び一般式6で表される化合物をそれぞれ適量とり(通常等モル前後)、必要に応じて、適宜溶剤に溶解し、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピロリジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの塩基性化合物、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの酸性化合物、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、四塩化錫、四塩化チタンなどのルイス酸性化合物などを加えた後、加熱還流などにより加熱・攪拌しながら周囲温度か周囲温度を上回る温度で反応させる。溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、α−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化物、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、フェノール、ベンジルアルコール、クレゾール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類及びフェノール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエテール、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのエーテル類、酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、酢酸エチル、炭酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド、燐酸トリメチルなどの酸及び酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫化合物、水などが挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。溶剤を用いる場合、一般に、溶剤の量が多くなると反応の効率が低下し、反対に少なくなると、均一に加熱・攪拌するのが困難になったり、副反応が起り易くなる。したがって、溶剤の量を重量比で原料化合物全体の100倍まで、通常、5乃至50倍にするのが望ましい。原料化合物の種類や反応条件にもよるけれども、反応は10時間以内、通常、0.5乃至5時間で完結する。反応の進行は、例えば、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの汎用の方法によってモニターすることができる。化学式1乃至化学式29で表されるこの発明のクマリン化合物は、この方法によるか、この方法に準じて所望量を製造することができる。また、環状構造の飽和メチレン基が脱水素された、例えば、化学式30及び化学式31で表されるこの発明のクマリン化合物は、それぞれ、化学式3、又は化学式15で表されるクマリン化合物を脱水素反応させることによって所望量を得ることができる。なお、一般式3乃至一般式6で表される化合物は、いずれも、汎用の方法によって得ることができる。なお、一般式3及び一般式4におけるX1乃至X4は適宜の脱離基であり、通常、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、クロロ基、ヨード基などのハロゲン基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などの脂肪族カルボン酸残基又は芳香族カルボン酸残基が採用される。斯くして得られるクマリン化合物は、用途によっては反応混合物のまま用いられることもあるけれども、通常、使用に先立って、例えば、溶解、分液、傾斜、濾過、抽出、濃縮、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、蒸留、昇華、結晶化などの類縁化合物を精製するための汎用の方法により精製され、必要に応じて、これらの方法は組合せて適用される。この発明のクマリン化合物を、例えば、色素レーザーにおけるレーザー作用物質として用いる場合には、使用に先立って、例えば、蒸留、結晶化及び/又は昇華などの方法により高度に精製しておくのが望ましい。このうち、昇華は、1回の操作で高純度の結晶が容易に得られるうえに、操作に伴うクマリン化合物の損失が少なく、しかも、溶剤が結晶中に取り込まれることがないので、特に優れている。適用する昇華方法は、常圧昇華法であっても減圧昇華法であってもよいが、通常、後者の減圧昇華法が適用される。この発明のクマリン化合物を減圧昇華するには、例えば、適量のクマリン化合物を昇華精製装置内へ仕込み、装置内を10−2Torrを下回る減圧、好ましくは、10−3Torr以下に保ちながら、クマリン化合物が分解しないように、融点を下回るできるだけ低い温度で加熱する。昇華精製へ供するクマリン化合物の純度が比較的低い場合には、不純物が混入しないように、減圧度や加熱温度を加減することによって昇華速度を抑え、また、クマリン化合物が昇華し難い場合には、昇華精製装置内へ希ガスなどの不活性ガスを通気することによって昇華を促進する。昇華によって得られる結晶の大きさは、昇華精製装置内における凝縮面の温度を加減することによって調節することができ、凝縮面を加熱温度よりも僅かに低い温度に保ち、徐々に結晶化させると比較的大きな結晶が得られる。この発明によるクマリン化合物の用途について説明すると、この発明のクマリン化合物は、既述のとおり、可視領域に吸収極大を有し、分子吸光係数も大きいことから、重合性化合物を可視光へ露光させることによって重合させるための材料、太陽電池を増感させるための材料、光学フィルター、光記録媒体における光吸収材料、さらには、諸種の衣料を染色するための材料として多種多様の用途を有する。とりわけ、この発明のクマリン化合物の多くは、その吸収極大波長が、例えば、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザーなどの気体レーザー、CdS系レーザーなどの半導体レーザー、分布帰還型若しくはブラッグ反射型Nd−YAGレーザーなどの固体レーザーをはじめとする、波長500nm付近、詳細には、450乃至550nmに発振線を有する汎用可視レーザーの発振波長に近接していることから、斯かる可視レーザーを露出光源とする光重合性組成物に光増感剤として配合することによって、ファクシミリ、複写機、プリンターなどの情報記録の分野や、フレキソ製版、グラビア製版などの印刷の分野、さらには、フォトレジストなどの印刷回路の分野において極めて有利に用いることができる。また、この発明のクマリン化合物を、必要に応じて、紫外領域、可視領域及び/又は赤外領域の光を吸収する他の材料の1又は複数とともに、衣料一般や、衣料以外の、例えば、ドレープ、レース、ケースメント、プリント、ベネシャンブラインド、ロールスクリーン、シャッター、のれん、毛布、布団、布団地、布団カバー、シーツ、座布団、枕、枕カバー、クッション、マット、カーペット、寝袋、テント、自動車の内装材、ウインドガラス、窓ガラスなどの建寝装用品、紙おむつ、おむつカバー、眼鏡、モノクル、ローネットなどの保健用品、靴の中敷、靴の内張地、鞄地、風呂敷、傘地、パラソル、ぬいぐるみ、照明装置やブラウン管ディスプレー、液晶ディスプレー、プラズマディスプレーなどを用いる情報表示装置用のフィルター類、パネル類及びスクリーン類、サングラス、サンルーフ、電子レンジ、オーブンなどの覗き窓、さらには、これらの物品を包装、充填又は収容するための包装用材、充填用材、容器などに用いるときには、生物や物品における自然光や人工光などの環境光による障害や不都合を防止したり低減することができるだけではなく、物品の色度、色調、色彩、風合などを整えたり、物品から反射したり透過する光を所望の色バランスに整えることができる実益がある。さらに、この発明のクマリン化合物は、可視領域に螢光極大などの発光極大を有し、励起すると可視光を発光することから、斯かる性質を具備する有機化合物を必要とする、例えば、色素レーザーにおけるレーザー作用物質としても有用である。この発明のクマリン化合物を色素レーザーに用いるときには、公知の色素系レーザー発振装置を構築する場合と同様に精製し、適宜溶剤に溶解し、必要に応じて、溶液のpHを適宜レベルに調整した後、レーザー発振装置における色素セル内へ封入する。この発明のクマリン化合物は、類縁化合物と比較して、可視領域において極めて広い波長域で増幅利得が得られるばかりか、耐熱性、耐光性が大きく、長時間用いても劣化し難い特徴がある。この発明によるクマリン化合物の発光能を適用し得る他の用途としては、例えば、酵素反応、抗原抗体反応、細胞内外における信号伝達、蛋白質同士の複合体形成、蛋白質と核酸間又は核酸同士のハイブリダイゼーションなどの、生体起源の物質間にみられる特異的な反応を利用する定性分析、定量分析において、酵素、基質、抗原、抗体、可溶性受容体、蛋白質、糖脂質、核酸一般などを標識するための発光剤としての用途が挙げられる。この発明による標識された生体物質は、例えば、研究や診断の分野において極めて有用である。以下、この発明の実施の形態につき、実施例に基づいて説明する。実施例1 クマリン化合物反応容器に酢酸30mlをとり、化学式32で表される化合物10.0gと化学式33で表される化合物5.1gとをとり、3時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、析出した結晶を濾取し、クロロホルム/メタノール混液を用いて再結晶したところ、化学式3で表されるこの発明のクマリン化合物の黄色結晶が2.3g得られた。化学式32:化学式33:結晶の一部をとり、常法にしたがってジクロロメタン溶液における可視吸収スペクトル及び螢光スペクトルを測定したところ、それぞれ、波長397nm(ε=4.55×104)及び447nmに吸収極大及び螢光極大が観察された。図1に実線で示したのが、本例のクマリン化合物の可視吸収スペクトルである。さらに、常法にしたがってクロロホルム−d溶液における1H−核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、化学シフトδ(ppm、TMS)が1.36(12H、s)、1.59(12H、s)、1.46乃至1.86(8H、m)、3.18乃至3.29(8H、m)、3.88(4H、s)及び7.38(2H、s)の位置にピークが観察された。さらに、常法にしたがってDSC分析したところ、本例のクマリン化合物は、300℃以下の温度で、実質的な吸発熱や重量減少を示さなかった。このことは、本例のクマリン化合物の耐熱性が著しく大きいことを物語っている。別途、本例のクマリン化合物と同様のクマリン骨格を有する、化学式34で表される類縁化合物につき、同様にして可視吸収スペクトルを測定した。類縁化合物は、図1に破線で示したとおり、波長379nm(ε=1.99×104)に吸収極大を示した。図1の可視吸収スペクトルとこれらの分子吸光係数は、本例のクマリン化合物が、化学式34で表される類縁化合物と比較して、ほぼ同様の波長域の可視光を2倍強の効率で吸収することを物語っている。また、このことは、本例のクマリン化合物においては、環状構造を形成しつつ、互いに結合し合ったクマリン骨格を有する原子団が、互いに電子共鳴することなく、各々独立した吸光、発色団として機能することを物語っている。なお、DSC分析によると、化学式34で表される類縁化合物は、160℃付近に融点を有し、200℃を越えると、重量が急激に減少した。化学式34:耐熱性が大きく、可視領域に吸収極大と螢光極大を有する本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例2 クマリン化合物化学式32で表される化合物に代えて化学式35で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式1で表されるこの発明のクマリン化合物が得られた。化学式35:可視領域に吸収極大と螢光極大を有する本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例3 クマリン化合物化学式33で表される化合物に代えて化学式36で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式10で表されるこの発明のクマリン化合物が得られた。化学式36:可視領域に吸収極大と螢光極大を有する本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例4 クマリン化合物化学式32及び化学式33で表される化合物に代えて、それぞれ、化学式35及び化学式37で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式15で表されるこの発明のクマリン化合物が得られた。化学式37:可視領域に吸収極大と螢光極大を有する本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例5 クマリン化合物化学式33で表される化合物に代えて化学式38で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式25で表されるこの発明のクマリン化合物が得られた。化学式38:可視領域に吸収極大と螢光極大を有する本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例6 クマリン化合物化学式33で表される化合物に代えて化学式39で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式26で表されるこの発明のクマリン化合物が得られた。化学式39:可視領域に吸収極大と螢光極大を有する本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例7 クマリン化合物反応容器にブタノール300mlをとり、化学式3で表されるクマリン化合物6.2gとクロラニル15.0gを加え、3時間加熱環流した後、溶剤を留去した。残渣をクロロホルムに溶解し、弱アルカリ水で洗浄し、傾斜により分液し、有機層を採取し、溶剤を留去した後、析出した結晶を採取し、酢酸エチルで再結晶したところ、化学式30で表されるクマリン化合物の結晶が3.5g得られた。可視領域に吸収極大と螢光極大を有し、安定で、耐環境性が大きい本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例8 クマリン化合物化学式3で表されるクマリン化合物に代えて化学式15で表されるクマリン化合物を用いた以外は実施例7におけると同様に反応させたところ、化学式31で表されるクマリン化合物が得られた。可視領域に吸収極大と螢光極大を有し、安定で、耐環境性が大きい本例のクマリン化合物は、光吸収剤、発光剤として、光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色、色素レーザー、分析をはじめとする諸分野において有用である。実施例9 クマリン化合物実施例1乃至実施例8の方法により得た8種類のクマリン化合物のいずれかを水冷式昇華精製装置内へ仕込み、常法にしたがって、装置内を減圧に保ちながら加熱することによってそれぞれ昇華精製した。本例のクマリン化合物は、いずれも、光吸収能、発光能を有する高純度の有機化合物を必要とする諸分野において有利に用いることができる。なお、この発明のクマリン化合物は、構造によって仕込み条件や収率に若干の違いはあるものの、例えば、上記以外の化学式1乃至化学式31で表されるものを含めて、いずれも、実施例1乃至実施例9の方法によるか、あるいは、それらの方法に準じて所望量を製造することができる。次に、この発明によるクマリン化合物の光増感能につき、実験に基づいて説明する。実験例 クマリン化合物の光増感能常法にしたがって、エチルセロソルブ900重量部に光重合性モノマーとしてペンタエリスリトールアクリレート100重量部、バインダー樹脂としてアクリル酸−メタアクリル酸共重合体100重量部、重合開始剤として3,3´,4,4´−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン8重量部をそれぞれ配合し、さらに、光増感剤として、実施例1の方法により得た化学式3で表されるこの発明のクマリン化合物を2重量部配合することによって光重合性組成物を調製した。常法にしたがって、この組成物を表面処理した砂目立アルミ板上に均一に塗布して感光層を形成した後、酸素による重合阻害を防止すべく、感光層の表面にポリビニルアルコール層を形成した。この感光層にグレースケールを密着させて3kW超高圧水銀灯を設置し、シャープカットオフフィルター(商品名『Y47』及び『Y52』、東芝硝子株式会社製造)、干渉フィルター(商品名『KL49』及び『KL54』、東芝硝子株式会社製造)及び熱線カットフィルター(商品名『HA30』、ホーヤ株式会社製造)を組合せて得た波長532nm(Nd−YAGレーザーの第二高調波に相当)の可視光を照射した。その後、常法にしたがって、アルカリ系現像液により現像した後、式1に示す数式にステップタブレットn段目における透過率Tn、露出時間t及び露出強度I0をそれぞれ代入し、光硬化したステップの段数から感度を計算した。併行して、この発明によるクマリン化合物に代えて化学式34で表される類縁化合物を用いる光重合性組成物を調製し、これを上記と同様に処置して対照とした。結果を表1に示す。式1:E(mJ/cm2)=Io(mJ/cm2・秒)×Tn×t(秒)表1の結果に見られるとおり、実験に供したこの発明によるクマリン化合物は、光重合性組成物において、類縁化合物の3倍近くもの高感度を発揮した。この事実は、この発明によるクマリン化合物が、重合性化合物や重合開始剤を増感するための材料として有用であることを裏付けている。産業上の利用可能性以上説明したとおり、この発明は新規な有機化合物の創製と、その産業上有用な性質の発見に基づくものである。この発明のクマリン化合物は、可視領域に吸収極大を有し、分子吸光係数も大きいことから、光吸収剤として光化学的重合、太陽電池、光学フィルター、染色などの諸分野において有利に用いることができる。さらに、この発明のクマリン化合物は、可視領域に発光極大を有し、励起すると可視光を発光することから、発光剤として色素レーザー、分析などの諸分野において有利に用いることができる。斯かるクマリン化合物は、フェノール化合物と1,3−ジケトン化合物とを反応させる工程を経由するこの発明の製造方法により所望量を得ることができる。斯くも顕著な作用効果を奏するこの発明は、斯界に貢献すること誠に多大な、意義のある発明であると言える。【図面の簡単な説明】図1は、この発明によるクマリン化合物(実線)と類縁化合物(破線)の可視吸収スペクトルである。 一般式7又は一般式8のいずれかで表されるクマリン化合物。一般式7:一般式8:(一般式7において、R1は、水素原子、tert−ブチル基、フェニル基、又はメトキシ基を、R5は、水素原子又はtert−ブチル基を、R2、R4、R6及びR8は、水素原子を、Z1は、シクロペンタジエン環、シクロヘキサジエン環、シクロオクタジエン環、シクロオクタテトラエン環、ベンゼン環、1,4−ジヒドロ−[1,4]ジシラベンゼン環、ジオキシン環、又は1,4−ジメチル−ジヒドロピラジン環を表す。R9乃至R12は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フェニル基、又はブトキシエチル基を表す。R9乃至R12におけるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、又はオクチル基は、それらが結合する窒素原子を含んで、R2、R4、R6又はR8が結合する炭素原子と結合し合ってユロリジン環を形成していてもよく、この場合、R2、R4、R6及び/又はR8は見掛け上存在しないこととなる。一般式8において、R1及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又はシアノ基を、R2、R4、R6及びR8は、水素原子を、Z2は、シクロペンタジエン環又はシクロヘキサジエン環を表す。R9乃至R12は、エチル基を表す。R9乃至R12におけるエチル基は、それらが結合する窒素原子を含んで、R2、R4、R6又はR8が結合する炭素原子と結合し合ってユロリジン環を形成していてもよく、この場合、R2、R4、R6及び/又はR8は見掛け上存在しないこととなる。) 請求項1に記載のクマリン化合物を含んでなる光吸収剤。 光増感剤としての請求項2に記載の光吸収剤。 請求項1に記載のクマリン化合物を含んでなる発光剤。 一般式3又は一般式4で表される化合物と、一般式5で表される化合物と、一般式6で表される化合物とを反応させる工程を経由する請求項1に記載のクマリン化合物の製造方法。一般式3:一般式4:一般式5:一般式6:(一般式3及び一般式4において、X1乃至X4は、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ヨード基、アセトキシ基、及びベンゾイルオキシ基から選ばれる脱離基を表す。一般式5におけるR1、R2及びR4、及び、一般式6におけるR5、R6及びR8は、それぞれ独立に、一般式7及び一般式8に対応するR1、R2、R4、R5、R6及びR8を表す。また、一般式5におけるR3は一般式7又は一般式8に対応するR9及びR10を有するアミノ基を表し、一般式6におけるR7は一般式7又は一般式8に対応するR11及びR12を有するアミノ基を表す。) クマリン化合物の環状構造における飽和メチレン基を、キノン系酸化剤、金属酸化剤、パラジウム/鉄系接触脱水素触媒、又はロジウム/アルミナ系接触脱水素触媒の存在下で脱水素する工程を更に含んでなる請求項5に記載のクマリン化合物の製造方法。