生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アゾ化合物の製造方法
出願番号:2003508704
年次:2009
IPC分類:C07C 245/04


特許情報キャッシュ

ボスートロ,ジヤン−ミシエル JP 4217154 特許公報(B2) 20081114 2003508704 20020429 アゾ化合物の製造方法 アルケマ フランス 505005522 川口 義雄 100062007 一入 章夫 100113332 小野 誠 100114188 大崎 勝真 100103920 坪倉 道明 100124855 ボスートロ,ジヤン−ミシエル FR 01/08541 20010628 20090128 C07C 245/04 20060101AFI20090108BHJP JPC07C245/04 C07C 245/04 特開昭54−138516(JP,A) 特開昭53−056615(JP,A) 特開昭52−144622(JP,A) 特公昭46−015495(JP,B1) 特開昭61−212548(JP,A) 特開2000−191625(JP,A) 特開2001−106663(JP,A) 10 FR2002001488 20020429 WO2003002521 20030109 2004533472 20041104 9 20050401 山田 泰之 本発明は、アゾ化合物の調製方法に関する。 2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)で著名なアゾ化合物は、発泡剤、または合成中間体、またはフリーラジカルを用いる重合反応の開始剤として広く使用される、よく知られている製品である。 これらの反応は、バルク重合、溶液重合、懸濁重合または乳化重合の反応とすることができ、非常に多種のモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸モノマー、およびアクリルアミド、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのビニルモノマーを使用する。したがって、応用分野は、非常に多様となり、アクリルのシートや繊維、綿状物、塗料、塗膜樹脂、グラフトポリオール、ポリスチレン、PVC、PVA、PMMAに広く(しかし限定せず)関連する。 一般に、アゾ化合物は対応するヒドラゾ誘導体の酸化によって得られる。酸化の後、得られた懸濁物を脱水し、次いで乾燥して、一般に20〜110μmの平均粒径の粉状固形物を得る。例えば、水性媒質中で、対応するヒドラゾ誘導体と塩素との反応によって得られる2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)は、乾燥後約45μmの平均粒径を有する粉形状であり、10重量%(d10)での粒径は約20μmである。 上述した形状のアゾ化合物は多くの問題を提起する。 −それらは粉塵を発生し、爆発の危険性および/または産業的な健康上の危険性を招く。 −それらは成形性に乏しい。 −貯蔵の間にしばしば凝固の問題に遭遇する。 上で明らかにした問題は、本発明によって部分的にあるいは完全に解決される。本発明は、アゾ化合物の平均粒径を、従来の製造方法によって得られる化合物のサイズと較べて大きくすることを可能にする、包括的な解決を与える。平均粒径は2倍、あるいは3倍にもすることができる。 したがって、本発明は、対応するヒドラゾ化合物(HA)から出発して、シード添加によってアゾ化合物(A)を製造する方法を提供する。 本発明による方法は、対応するアゾ化合物(シード)結晶の十分な量の存在下、液体媒質中で、酸化剤をヒドラゾ化合物(HA)と反応させる段階を含む。 1つの実施形態によれば、ヒドラゾ化合物は液体媒質中で懸濁している。 1つの実施形態によれば、ヒドラゾ化合物は液体媒質中で乳化している。 この酸化段階は次の式で概略的に示すことができる。[式中、(HA)および(A)中のRおよびR’は、同じかまたは異なってもよく、それらはそれぞれ、 水酸基、アルコキシ基もしくはカルボキシル基、またはハロゲン原子によって置換されてもよい、直鎖または分岐アルキル基、好ましくはC1〜C6のアルキル基、あるいは 水酸基、アルコキシ基もしくはカルボキシル基、またはハロゲン原子によって置換されてもよい、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、あるいは 水酸基、アルキル基、アルコキシ基もしくはカルボキシル基、またはハロゲン原子によって置換されてもよい、フェニルまたはナフチルなどのアリール基、あるいは 1つまたは複数のアルキル基、アルコキシ基、水酸基もしくはカルボキシル基、または、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されてもよい、ベンジルまたはフェネチルなどのアラルキル基を表し、あるいはRおよびR’は、それ(それら)が結合する炭素原子とともにシクロアルキル基を形成する。] 化合物(A)の例として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(R=R’=CH3)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)および4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を挙げることができる。 酸化剤の例として、塩素、酸素、過酸化水素、およびオゾンを挙げることができる。 好ましくは、液体媒質は水性(すなわち主として水からなる)である。 反応物(HAおよび酸化剤)に加えて液体反応媒質は触媒、例えば臭素イオンを含むことができる。また、界面活性剤、例えばビス(2−エチルヘキシル)−スルホコハク酸ナトリウムで著名な、ビススルホコハク酸ナトリウムなどの添加剤を含むこともできる。 反応媒質の温度は一般に室温に近い。温度は、15〜25℃が好ましく、18〜20℃が有利である。 化合物(A)のシードまたは結晶は、酸化反応の開始前に反応媒質に存在することができ、および/または酸化反応の間に導入することができる。 酸化段階の後、得られた懸濁物を脱水し、次いで得られた固形物を洗浄して最終的に乾燥する。 本発明の好ましい実施形態によれば、水性媒質中に懸濁したジヒドロシトゲン(dihydrocitogen)(R=R’=CH3)が、有利には110〜180μm、さらに良好には110〜150μmの平均粒径を有する十分な量の2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)結晶の存在下、塩素で酸化される。 AIBN(シード)のこれらの結晶は、酸化段階の始めに存在し、反応媒質(すなわち、水+反応物+添加剤+シード)の0.5〜20重量%、有利には5〜15重量%であることが好ましい。 水性媒質中に懸濁したジヒドロシトゲンは、反応媒質(すなわち、水+反応物+添加剤+シード)の2〜30重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることが有利である。 反応媒質は、知られているいかなる手段によっても攪拌することができる。 反応媒質の温度は、5〜25℃が好ましく、18〜20℃が有利である。 本発明による酸化段階の期間は、所望の顆粒度によって変動する。2〜6時間が好ましい。 塩素は、酸化の間中、ガス状で水性媒質中に連続して注入することが好ましい。 本発明による酸化段階の終わりに、得られた製品を脱水し、次いで洗浄し、最終的に乾燥して所望の平均粒径のAIBNを得る。 AIBN結晶(シード)は従来の酸化方法によってジヒドロシトゲンから開始して調製することができ、その後、ジヒドロシトゲンを、従来の方法(従来の酸化方法)から得られるある割合の懸濁物を含む水性媒質中で、塩素と反応させる段階(r1)が実施される。 所望のAIBNの平均粒径に応じて、ジヒドロシトゲンを、先行する段階(r1)から得られるある割合の懸濁物を含む水性媒質中で、再び塩素と反応させる(r2)ことができる。 シードは、ジヒドロシトゲンを、先行する酸化反応から得られるある割合の懸濁物を各回とも含む水性媒質中で、塩素とn回反応させることによって有利に得ることができ、nは、2よりも大きく、好ましくは3〜5の整数である。 反応段階(rn)の水性媒質は、反応段階(r(n−1))から得られる懸濁物の半量を含むことが好ましい。 上述したAIBNのシードの調製は、他のアゾ化合物A、酸化剤および液体媒質に適用できる。 本発明による酸化段階に対して意図したシードの平均粒径に到達すれば、上述のように新しいシードを作ることを続ける必要はない。各酸化バッチの後、得られたある割合の懸濁物だけを排出し、その残りは次の酸化段階に残しておくことで十分である。このことによって、中間の粒径のシードを生産することが可能である。 また、本発明による酸化段階から得られた懸濁物を脱水した後に得た化合物Aの結晶を、必要ならば引き続き乾燥した後、シードとして使用することができる。 本出願人は、上述の酸化段階の後に得た化合物Aが、脱水および乾燥段階の後続の作業を容易にし、したがって製造プラントの生産性を高めることを見出した。乾燥した化合物Aの顆粒度は分散が小さく、乾燥した化合物Aは粉塵の含有が少なく、より良好な成形性を提供する。 (発明を実施するための最良の形態) 実験の部 シードの調製 試験1 懸濁物を混合するのに使用できる攪拌システムを装備した1.5リットルの反応器に、以下のものを連続して導入する。 乾燥ジヒドロシトゲン216g(1.3モル) 水1350g ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸(DOS)0.1g 臭化ナトリウム0.6g 次いで、このようにして形成した水性媒質の中に、95gの塩素を、反応器の中に浸漬したガス供給管によって総計5.5時間をかけて連続して導入する。反応の間、媒質を18〜20℃の温度に保つ。塩素の導入終了後1時間で攪拌器を停止する。次いで、懸濁物を濾過し、洗浄水のpHが7に近くなるまで得られた固形物を洗浄する。最終的に洗浄した固形物を真空下30℃で12時間乾燥し、0.05重量%以下の最終水分含有率(d50)を得る。乾燥した固形物(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の結晶)は、平均粒径が45μm、および顆粒度(d10)が20μmである。この固形物の成形性は非常に悪い。 試験2 試験1で述べた手順に従うが、試験1から得た乾燥固形物25gを、塩素の導入前に加える。乾燥後、平均粒径(d50)が75μm、d10が40μmの結晶が得られる。 試験2a 試験2で述べた手順に従うが、試験1から得たAIBN結晶216g(25の代わりに)を使用する。乾燥後、平均粒径(d50)が60μm、d10が35μmの結晶が得られる。 試験3 試験2で述べた手順に従うが、試験1から得られる固形物の代わりに、試験2から得られる乾燥固形物25gを加える。乾燥後、平均粒径(d50)が85μmの結晶が得られる。 試験4 試験1で述べた手順に従い、反応の終わりに得られた懸濁物の半分だけを排出する。次に継続して他の半分を含む反応器の中に、 乾燥ジヒドロシトロゲン216g(1.3モル) 水675g ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸(DOS)0.1g 臭化ナトリウム0.3gを導入する。 次いで、このようにして形成した水性媒質の中に、95gの塩素を、反応器の中に浸漬したガス供給管によって総計5.5時間をかけて連続して導入する。反応の間、媒質を18〜20℃の温度に保つ。塩素の導入を終了した後、1時間後に攪拌器を止め、次いで得られた懸濁物の半分だけを再び排出する。次いで上で指示した種々の仕込み成分を、残る他の半分を含む反応器の中に継続して導入する。反応を停止した後、得られた懸濁物の半分だけを排出し、他の半分を含む反応器の中に、前回のバッチと同じ仕込み物を導入する。(上で指示したように)半分の排出を2度追加した後、最終の懸濁物の半分を実施例1の実施に用い、他の半分は脱水し、次いで洗浄水のpHが7に近くなるまで固形物を洗浄し、最終的に乾燥した固形物を洗浄して平均粒径(d50)が150μm、顆粒度(d10)が60μmの結晶が得られる。 (実施例1) 試験4から得られた最終懸濁物の半分を含む反応器の中に、連続して、 乾燥ジヒドロシトロゲン216g(1.3モル) 水675g ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸(DOS)0.1g 臭化ナトリウム0.3gを導入する。 次いで、このようにして形成した水性媒質の中に、95gの塩素を、反応器の中に浸漬したガス供給管によって総計5.5時間を超えて連続して導入する。反応の間、媒質を18〜20℃の温度に保つ。塩素の導入を終了した後、1時間後に攪拌器を止め、懸濁物を濾過する。次いで、得られた固形物を濾過し、洗浄水のpHが7に近くなるまで水で洗浄する。試験1に較べて、濾過時間は50%短縮する。洗浄した固形物の残留水分は試験1によって得られた固形物と較べて30%低く、見かけ密度は30%増加している。 最終的に、最終水分含有率が0.05重量%未満に達するまで、洗浄した固形物を真空下30℃で6時間乾燥する。乾燥した固形物(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の結晶)は平均粒径(d50)が150μm、顆粒度(d10)が60μmである。 (実施例2) 塩素の導入時間が4時間であることを除き、実施例1で述べた手順に従う。 実施例1と同様の生成物が得られる。 (実施例3) 攪拌速度を50%増加することを除き、実施例1で述べた手順に従う。 実施例1と同様の生成物が得られる。 (実施例4) 実施例1の運転条件を、5m3の反応器中で産業規模で再現する。実施例1と同様の生成物が得られる。 (実施例C1) 塩素を4時間(5.5時間の代わりに)を超えて導入することを除き、試験1で述べた手順に従う。乾燥した固形物(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の結晶)は平均粒径(d50)が試験1のそれより小さい。 (実施例C2) 攪拌速度を50%増加することを除き、試験1で述べた手順に従う。試験1の結晶よりも小さな平均粒径が得られる。 (実施例5) 塩素化を開始する前に、実施例1で得られた平均粒径150μmのAIBN結晶216gを反応器に導入することを除き、試験1で述べた手順に従う。乾燥後、150μmの平均粒径(d50)を有するAIBN結晶が得られる。 十分な量の対応するアゾ化合物(シード)結晶の存在下、液体媒質中で酸化剤をヒドラゾ化合物(HA)と(以下に示す式に従って)反応させる段階を含む、アゾ化合物(A)の製造方法。[式中、(HA)および(A)中のRおよびR’は、同じかまたは異なってもよく、それらはそれぞれ、 水酸基、アルコキシ基もしくはカルボキシル基、またはハロゲン原子によって置換されてもよい、直鎖または分岐アルキル基、好ましくはC1〜C6のアルキル基、あるいは 水酸基、アルコキシ基もしくはカルボキシル基、またはハロゲン原子によって置換されてもよい、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、あるいは 水酸基、アルキル基、アルコキシ基もしくはカルボキシル基、またはハロゲン原子によって置換されてもよい、フェニルまたはナフチルなどのアリール基、あるいは 1つまたは複数のアルキル基、アルコキシ基、水酸基もしくはカルボキシル基、または、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されてもよい、ベンジルまたはフェネチルなどのアラルキル基を表し、あるいはRおよびR’は、それ(それら)が結合する炭素原子とともにシクロアルキル基を形成する。] 化合物Aが、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(R=R’=CH3)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)または4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 酸化剤が、塩素、酸素、過酸化水素またはオゾンであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 液体媒質が水性であることを特徴とする請求項1から3の一項に記載の方法。 水性媒質中に懸濁したジヒドロシトゲンが、有利には110〜180μm、さらに好ましくは110〜150μmの平均粒径を有する十分な量の2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)結晶の存在下、塩素で酸化されることを特徴とする、ジヒドロシトゲンから開始して2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を製造する方法。 AIBN(シード)の結晶が、酸化段階の始めに存在し、反応媒質の0.5〜20重量%、有利には5〜15重量%であることを特徴とする請求項5に記載の方法。 水性媒質に懸濁したジヒドロシトゲンが、反応媒質の2〜30重量%、有利には5〜15重量%であることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。 前記反応媒質の温度が、15〜25℃、有利には18〜20℃であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 酸化段階の後、得られた懸濁物を脱水し、次いで洗浄し、乾燥することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 化合物(A)の結晶を、対応する化合物HAから出発し、従来の酸化方法の後、n回の反応(ここで、nは2よりも大きい整数、好ましくは3〜5の範囲である。)によって調製することができ、その過程において、化合物HAが、先行する反応から得られるある割合の懸濁物を含む液体媒質中で酸化されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。


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