タイトル: | 特許公報(B2)_潜在性酸を含有するポリマー材料 |
出願番号: | 2003503680 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C08L 101/00,C08J 7/00,C08K 5/00,C07D 277/70 |
ヘネガン, マイケル JP 4202246 特許公報(B2) 20081017 2003503680 20020604 潜在性酸を含有するポリマー材料 チバ ホールディング インコーポレーテッド 396023948 Ciba Holding Inc. 津国 肇 100078662 篠田 文雄 100075225 ヘネガン, マイケル GB 0114265.2 20010612 20081224 C08L 101/00 20060101AFI20081204BHJP C08J 7/00 20060101ALI20081204BHJP C08K 5/00 20060101ALI20081204BHJP C07D 277/70 20060101ALI20081204BHJP JPC08L101/00C08J7/00 304C08K5/00C07D277/70 C08L 101/00 C08K 5/00 CA(STN) 特開平08−240908(JP,A) 特表平01−502699(JP,A) 特開昭55−013780(JP,A) 特開2000−292920(JP,A) 特許第4077403(JP,B2) 8 EP2002006109 20020604 WO2002100914 20021219 2005501135 20050113 19 20050518 阪野 誠司 本発明は、潜在性の酸、すなわち酸ではないが、光照射の作用によって酸に変換されうる化合物を含有するポリマー材料に関するものである。 特定の技術的用途には、組成物は酸と反応しうる化合物を含有することが要求されるが、しかし、この反応は予定された瞬間までは抑制されなければならない。このような場合の一般的な方法は、化合物と酸を、適切な方法、たとえばこれらを被覆材の中に閉じ込め、反応を希望するときにこの被覆材を破壊するという方法によって、分離しておくことである。しかしながらこの方法は、多くの場合実用には適しない。 本出願は、酸ではなく潜在性酸を用いることによる、その問題の優雅な解決方法を記述している。これにより酸と反応しうる化合物を、反応することなく潜在性酸と密接に混合することができる。被覆材は必要としない。反応は、希望するときにその混合物を適した方法で光照射することによって潜在性酸が酸に変換され、つづいてその酸が化合物と反応することで、容易に達成できる。 本出願は、光照射によって酸へと変換することのできる潜在性酸および場合によりさらなる成分を含有するポリマー材料に関する。 潜在性酸としては、それ自体は酸でないが、光照射によって分裂しうるプロトンを含有している化合物が適している。 好ましい潜在性酸は、式:(式中、 A環は、1個以上のヘテロ原子を含有することができ、および/または縮合環(anelated ring)を含有することができ、 R1は、水素、アルキル、好ましくはC1〜C20アルキル、アルケニル、好ましくはC2〜C20アルケニル、アリール、好ましくはフェニル、またはC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシで1〜3回置換されているフェニルであり、 R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して水素または官能性置換基であり、そして Rは、C1〜C6アルキル、−Z1−Q1、または−Z2−Q2を表し、ここで、 Z1は、単結合、S、NHまたはOであり、そして Q1は、C、S、OおよびNから選ばれる環原子5〜9個を有し、その環系中で少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個が炭素原子である複素環系があり、好ましくはQ1は、モルホリン、ピリジン(これは、C1〜C4アルキルまたはヒドロキシで1〜3回置換されていてよい)、メルカプトベンゾオキサゾール、メルカプトベンゾチアゾールを表し、またここで、 Z2は、C1〜C4アルキレン(これは、C1〜C4アルキルまたはQ3で置換されていることができる)を表し、ここでQ3はフェニル(これは、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C5〜C8シクロアルキルおよび/またはC、S、OおよびNから選ばれる環原子5〜9個を有し、その環系中で少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個が炭素原子である複素環系)で1〜3回置換されていることができる)を表し、そして Q2は、フェニルC1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C5〜C8シクロアルキルおよび/またはC、S、OおよびNから選ばれる環原子5〜9個を有し、その環系で少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個が炭素原子である複素環系)で1〜3回置換されていることができるを表すが、 ただし、Rに対してα−位置にある炭素原子における水素原子は光照射によって分裂しうる)で示される化合物である。 好ましくは、Z2は、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CHMe−、−CH2−CHQ3−を表し、ここでQ3は、4−ヒドロキシ−3−イソプロピル−6−メチルフェニル、4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル、または4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−6−メチルフェニルを表し、そして Q2は、フェニルまたは4−ヒドロキシ−3−イソプロピル−6−メチルフェニル、4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル、または4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−6−メチルフェニルを表す。 適切なA環は、たとえばフェニル、ナフチル、ピリジルおよびキノリニルであって、フェニルおよびピリジルが特に好ましい。 R1は、好ましくは水素またはメチルである。 官能性置換基R2、R3、R4およびR5は、たとえばC1〜C20アルキル、好ましくはC1〜C8アルキル、特に好ましくはC1〜C6アルキル、とりわけ好ましくはC1〜C4アルキル、C5〜C8シクロアルキル、C2〜C20アルケニル、好ましくはC2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−SO2R′(ここで、R′は、水素、アルキル、またはアルカリ金属のような金属カチオン、たとえばナトリウムもしくはカリウム、またはアルカリ土類金属カチオン、たとえばカルシウム、あるいはヒドロキシおよび/またはZ21−R7で1〜3回置換されていてよいフェニルであり、ここで、Z21は、C1〜C4アルキルで置換されていることができるC1〜C4アルキレンを表し、そしてR7は、水素、C1〜C4アルキル、またはヒドロキシ、C1〜C4アルキル、および/またはZ22−R8で1〜3回置換されていてよいフェニルを表し、ここで、Z22はC1〜C4で置換されていることができるC1〜C4アルキレンを表し、そしてR8はC、S、OおよびNから選ばれる環原子5〜9個を有し、その環系中で少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個が炭素原子である複素環系を表し、好ましくはR8はモルホリンを表す)である。本発明の好ましい実施態様においては、R2、R3、R4およびR5は、好ましくは、互いに独立して水素、C1〜C20アルキル、もしくはC2〜C20アルケニル、または置換基がヒドロキシおよびZ21−R7が置換基である置換フェニルである。式(1)の特に好ましい化合物は、R2およびR3が、互いに独立してC1〜C8アルキルであり、そしてR4およびR5がそれぞれ水素であるものである。 ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはクロロを意味する。 少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個の炭素原子を有する複素環基または複素環系は、たとえば場合により置換されている単環式または二環式の複素環基、例としてピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ベンゾチアゾール、1,2,4−トリアゾール、イミダゾール、ピラゾール、テトラゾール、チアゾリン−2−チオン、イミダゾリン−2−チオン、N−メチルイミダゾロン−2−チオンおよび5−(3−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2(3H)−チオン)、2−ピリジン、4−ピリジン、3−ピリダジン、2−ピリミジン、2−チアゾール、2−チアゾリン、3−(1,2,4−トリアゾール)および5−(2−メルカプト−1,3,4−チア−ジアゾール)、ナフチリジン、プリンおよびプテリジン基、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾリン−2−チオン、2−ベンゾオキサゾール、メルカプトベンゾオキサゾール、メルカプトベンゾチアゾールおよびキノリニルを意味する。 さらに好ましいのは、R2およびR3の少なくとも1個が、OH基に対してo−位置に存在していることである。 有機基Rは、Rに対してα−位置にある炭素原子における水素原子が、光照射によって分裂されうるという条件つきで、あらゆる種類のものであることができる。好ましくはRは、窒素、酸素または硫黄原子を介して結合している複素環基であるか、または非置換もしくは、たとえばヒドロキシ、C1〜C6アルコキシで置換されているC1〜C6アルキルか、または非置換もしくは置換アリール、特にフェニルである。アリールの適切な置換基は、好ましくは前述の置換基R2〜R5である。 もっとも好ましくは、Rはメルカプトベンゾオキサゾールまたはメルカプトベンゾチアゾール、あるいは、非置換か、または非置換フェニル、もしくはC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシおよびヒドロキシからなる群より選ばれる置換基1〜4個を有するフェニルにより置換されているC1〜C4アルキル基である。 式(1)の好ましい化合物では、基−CHRR1は、OH基に対してo−またはp−位置、特にp−位置に位置する。 C1〜C20アルキルは、たとえばメチル、エチル、n−、イソ−プロピル、n−、sec−、イソ−、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、好ましくはC1〜C8アルキル、たとえばメチル、エチル、n−、イソ−プロピル、n−、sec−、イソ−、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、特に好ましくは、C1〜C6アルキル、たとえばメチル、エチル、n−、イソ−プロピル、n−、sec−、イソ−、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、とりわけ好ましくは、C1〜C4アルキル、たとえばメチル、エチル、n−、イソ−プロピル、n−、sec−、イソ−、tert−ブチルを意味する。 C5〜C8シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはシクロオクチル、好ましくはシクロヘキシルを表す。 C2〜C20アルケニルは、たとえばエテニル、n−、イソ−プロペニル、n−、sec−、イソ−、tert−ブテニル、n−ペンテニル、n−ヘキセニル、n−ヘプテニル、n−オクテニル、n−ノネニル、n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−トリデセニル、n−テトラデセニル、n−ペンタデセニル、n−ヘキサデセニル、n−ヘプタデセニル、n−オクタデセニル、n−ノナデセニル、n−エイコセニル、好ましくは、C2〜C6アルケニル、たとえばエテニル、n−、イソ−プロペニル、n−、sec−、イソ−、tert−ブテニル、n−ペンテニル、n−ヘキセニルを表す。 C1〜C6アルコキシは、たとえばメトキシ、エトキシ、n−、イソ−プロポキシ、n−、sec−、イソ−、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシを表す。 本発明の好ましいポリマー材料は、式(1):(式中、 A環は、フェニルまたはピリジルであり、 R1は、水素であり、 R2およびR3は、互いに独立してC1〜C4アルキルであり、 R4およびR5は、それぞれ水素であり、そして Rは、窒素、酸素または硫黄原子を介してCHR1基に結合している複素環基であるか、または非置換もしくは置換されているC1〜C6アルキルである)で示される潜在性酸を含有する。 式(1)の特に好ましい化合物は、以下の化合物である: 式(1)の化合物は既知のものであるか、それ自体既知の方法、たとえば化合物(2)はGB2,120,243、そして化合物(5)および(6)はEP−A−330613に従って製造することができる。 前記の式(7)および(8)の化合物は新規のものである。これらの化合物も、本発明の主題の一部を形成している。これらは、メルカプトベンゾチアゾールを2,5−ジアルキルフェノールおよびパラホルムアルデヒドと反応させる通常の方法によって得られる。 本発明に使用できるポリマー材料は、好ましくは合成有機ポリマー材料、特に電子用途に普通に使用される材料である。 とりわけ、以下のポリマー類が好ましい: 1.モノオレフィン類およびジオレフィン類のポリマー、たとえばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、およびシクロオレフィン類、たとえばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋されうる)、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。 ポリオレフィン類、すなわち前節で例示したモノオレフィン類のポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、異なる方法、特に以下の方法によって製造することができる: a)ラジカル重合(通常、高温高圧下における)。 b)通常、周期表のIVb、Vb、VIbまたはVIII族の金属を1種類以上含有する触媒を使用する触媒重合。これらの金属は、通常1個以上の配位子を有し、代表的には、π−またはσ−配位のいずれでもよい酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル、および/またはアリールである。これらの金属錯体は、遊離形態で存在するか、または基材上に、一般に活性塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素上に固定されていてよい。これらの触媒は重合媒体中で可溶または不溶であってよい。触媒は、それ単独で重合に用いることができるか、またはさらなる活性化剤、代表的にはアルキル金属、水素化金属、アルキル金属ハロゲン化物、アルキル金属酸化物または金属アルキルオキサンを用いてもよく、ここで該金属は周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa族の元素である。活性化剤は、さらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で都合のよいように改質してもよい。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(-Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と呼称されている。 2.1)に記述したポリマーの混合物、たとえばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(たとえばPP/HDPE、PP/LDPE)、および異なる種類のポリエチレンの混合物(たとえばLDPE/HDPE)。 3.モノオレフィン類およびジオレフィン類の相互間、またはこれらと他のビニルモノマーとのコポリマー類、たとえばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィン(たとえばCOCのようなエチレン/ノルボルネン)コポリマー、エチレン/1−オレフィンコポリマー(ここで、1−オレフィンは現場生成される)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、またはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)、ならびにエチレンとプロピレンおよびジエン、たとえばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;およびこのようなコポリマー類相互間およびこれと上記1)記載のポリマー類との混合物、たとえばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー、およびこれらと他のポリマー類たとえばポリアミドとの混合物。 4.その水素化改質物(たとえば粘着性付与剤)、およびポリアルキレンとデンプンの混合物を含む炭化水素樹脂(たとえばC5〜C9)。 1)〜4)のホモポリマー類およびコポリマー類は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含むあらゆる立体構造を有していてもよく、アタクチックポリマー類が好ましい。ステレオブロックポリマー類も含まれる。 5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。 6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのすべての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンのすべての異性体、およびこれらの混合物を含む、ビニル芳香族モノマー類から誘導される芳香族ホモポリマー類およびコポリマー類。ホモポリマー類およびコポリマー類は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含むいかなる立体構造を有していてもよく、アタクチックポリマー類が好ましい。ステレオブロックポリマー類も含まれる。 6a.該モノマー類およびコモノマー類が、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニルまたはアクリル酸誘導体、およびそれらの混合物、たとえばスチレン/ブタジデン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/メタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチルから選ばれる前記のビニル芳香族モノマー類およびコモノマー類を含むコポリマー類;耐衝撃性スチレンコポリマー類と他のポリマー、たとえばポリアクリル酸エステル、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの混合物;およびスチレンのブロックコポリマー類、たとえばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、またはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。 6b.特にアタクチックポリスチレンの水素化により調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)であり、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称されるものを含む、6)で述べたポリマー類の水素化により誘導される水素化芳香族ポリマー類。 6c.6a)で述べたポリマー類の水素化により誘導される水素化芳香族ポリマー類。 ホモポリマー類およびコポリマー類は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含むあらゆる立体構造を有していてもよく、アタクチックポリマー類が好ましい。ステレオブロックポリマー類も含まれる。 7.スチレンまたはα−メチルスチレンのようなビニル芳香族モノマー類のグラフトコポリマー類、たとえばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメタクリル酸メチル;ポリブタジエン上のスチレンおよび無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアクリル酸アルキルまたはポリメタクリル酸アルキル上のスチレンおよびアクリロニトリル;アクリル酸エステル/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、ならびにこれらと6)記載のコポリマー類との混合物、たとえばABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして知られているコポリマー混合物。 8.ハロゲン含有ポリマー類、たとえばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンおよび塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンのホモ−およびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー類、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、およびこれらのコポリマー類、たとえば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。 9.α,β−不飽和酸およびそれの誘導体から誘導されるポリマー類、たとえばポリアクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステル;アクリル酸ブチルで耐衝撃性を改良したポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。 10.9)で述べたモノマー類相互間またはこれと他の不飽和モノマー類とのコポリマー類、たとえばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキルコポリマー、またはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー、またはアクリロニトリル/メタクリル酸アルキル/ブタジエンターポリマー。 11.不飽和アルコール類およびアミン類またはアシル誘導体類またはこれのアセタール類から誘導されるポリマー類、たとえばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリフタル酸アリルまたはポリアリルメラミン;ならびにこれらと、上記1)記載のオレフィン類とのコポリマー。 12.環状エーテル類のホモポリマー類およびコポリマー類、たとえばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはこれらとビスグリシジルエーテル類とのコポリマー。 13.ポリアセタール類、たとえばポリオキシメチレン、およびコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレン;熱可塑性のポリウレタン、アクリル酸エステルまたはMBSで改質されたポリアセタール類。 14.ポリフェニレンオキシド類および−スルフィド類、およびポリフェニレンオキシド類とスチレンポリマー類またはポリアミド類との混合物。 15.一方が、ヒドロキシ末端のポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエン、および他方が、脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン類、ならびにそれらの前駆体。 16.ジアミン類およびジカルボン酸類から、および/またはアミノカルボン酸類または相当するラクタム類から誘導されるポリアミド類およびコポリアミド類、たとえばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から調製され、改質剤としてエラストマーを含むまたは含まないポリアミド類、たとえばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;そしてさらに前述したポリアミド類と、ポリオレフィン類、オレフィンコポリマー類、イオノマー類または化学結合もしくはグラフトしているエラストマー類との、またはポリエーテル類、たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、もしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー類;ならびにEPDMまたはABSで改質されているポリアミド類またはコポリアミド類;および加工時に縮合されているポリアミド類(RIMポリアミド系)。 17.ポリ尿素類、ポリイミド類、ポリアミド−イミド類、ポリエーテルイミド類、ポリエステルイミド類、ポリヒダントイン類およびポリベンゾイミダゾール類。 18.ジカルボン酸類およびジオール類から、および/またはヒドロキシカルボン酸類もしくは相当するラクトン類から誘導されるポリエステル類、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシベンゾエート;ならびにヒドロキシ末端ポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル類;そしてさらにポリカーボネートまたはMBSで改質されたポリエステル類。 19.ポリカーボネート類およびポリエステルカーボネート類。 20.ポリケトン類。 21.ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類およびポリエーテルケトン類。 22.一方がアルデヒド類、他方がフェノール類、尿素類およびメラミン類から誘導される架橋ポリマー類、たとえばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。 23.乾性および不乾性アルキド樹脂類。 24.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール、および架橋剤としてビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂類、およびさらにハロゲンを含有するそれらの低燃焼性改質物。 25.置換アクリル酸エステルから誘導される架橋性アクリル樹脂類、たとえばエポキシアクリル酸エステル、ウレタンアクリル酸エステルまたはポリエステルアクリル酸エステル。 26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂類、ポリエステル樹脂類およびアクリル樹脂類。 27.脂肪族、脂環式、複素環式または芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂類、たとえば無水物またはアミン類のような通例の硬化剤を用い、促進剤を用いるかまたは用いないで架橋されているビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテル製品。 28.天然ポリマー類、たとえばセルロース、ゴム、ゼラチン、および化学改質されたそれらの同族誘導体、例として酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロース、またはセルロースエーテル、たとえばメチルセルロース;およびロジンとその誘導体。 29.前述したポリマー類(ポリブレンド類)の混合物、たとえばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリル酸エステル、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリル酸エステル、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。 特に好ましいのは、SAN(スチレンおよびアクリロニトリルからなるコポリマー)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PET−G(グリコール変性PET)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)および関連のポリアクリル樹脂、PS(ポリスチレン)、ASA(アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸エステルからなるコポリマー)、PA(ポリアミド)、ABS(アクリロニトリル、スチレン、ブタジエンからなるコポリマー)、LLDPE(線状LDPE)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)およびポリカーボネート、もっとも好ましくはポリカーボネートからなる有機ポリマー材料である。ポリマー材料は、2種以上の異なるポリマーの混合物であることもできる。 このポリマー材料は、通常、潜在性酸(1)を好ましくは0.001〜10重量%、もっとも好ましくは0.01〜5重量%含有する。ポリマー材料はまた、潜在性酸の2種以上の混合物を含有してもよい。 ポリマー材料と潜在性酸は、通常、均一な混合物を形成する。しかし、特定の用途では、組成物は、潜在性酸をポリマー材料の特定部分たとえば表面領域に、より濃く含有するようにもできる。 潜在性酸をポリマー材料中に混合する方法は、原則的に既知である。たとえば、成分を溶媒に溶解し、次に、蒸発によって溶媒を除去することが可能である。別の可能性は、ポリマー材料を潜在性酸と一緒に溶融して均一な混合物を得ること、またはポリマー材料と潜在性酸の混合物を十分に混練すること、または相当するモノマーを潜在性酸の存在下で重合させることである。 本発明の別の実施態様においては、潜在性酸(1)を、現行技術における既知の方法によってポリマー材料にグラフトする。たとえば、官能性重合可能基を組み込むことによって潜在性酸(1)をモノマーに変換するか、または潜在性酸で官能化されているモノマーを使用する。このようにすれば、既存のポリマー材料へのグラフト重合、またはポリマー材料を製造する際の共重合が可能になる。 このポリマー材料は、通常、さらなる成分、たとえばポリマー材料に普通使用されている安定剤、酸化防止剤、軟化剤などを含有してもよい。 潜在性酸を対応する酸に変換するために、ポリマー材料は光照射される。この用途における光照射は、特にUV光による、特にUVレーザーによる光照射を意味する。一般に、使用するレーザーは市販されている。UV光の波長は、好ましくは285〜400nmの範囲、特に好ましくは285〜370nmの範囲で選択される。照射時間は、成分およびUV光源の種類に依存し、簡単な実験で容易に決定できる。 本発明の、潜在性酸含有ポリマー材料は、そのポリマー材料が、酸との反応後に可視色を発現する無色の発色剤を追加的に含有している場合、レーザー加飾系に使用することができる。 以下の、非限定的な例は、本発明をより詳細に具体的に説明している。部および百分率は、他に記載のない限り、重量による。例1: 反応用フラスコに、メルカプトベンゾチアゾール16.7g、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール16.4g、パラホルムアルデヒド3.0gおよびジブチルアミン1mLを仕込んだ。混合物を120℃に加熱し、この温度で6時間保持した。室温に冷却後、エタノール75mLを加えた。次に、混合物を2時間加熱還流させ、次に20℃に冷却してろ過した。生成物を熱メタノールと一緒に摩砕し、融点177.9〜183.9℃を有する生成物を得た。この生成物は下記の式のものであった:収量22.5g(理論量の65.6%)。例2: 2−tert−ブチル−5−メチルフェノールをチモール15.0gに代えて、例1を繰り返した結果、下記の式の化合物を得た:融点119.3〜123.0。収量9.6g(理論量の29.2%)。例3: ポリカーボネート100部、および例1記載の潜在性酸1部および下記式:の発色剤1部をテトラヒドロフランに溶解した。溶媒をそのまま一晩蒸発させた。無色の均一ポリマー材料を得た。355nmのUVレーザーで照射すると、被照射部位に青色のマークが形成された。例4〜8: 例3と同様な方法で、以下の潜在性酸をポリカーボネートに混合した:それぞれの場合、355nmのUVレーザーによる照射で、鮮明な青色のマークが形成された。 レーザー照射により酸に変換することのできる潜在性酸および場合によりさらなる成分を含有するポリマー材料であって、 潜在性酸が式(2)〜(14):で示される、ポリマー材料。 潜在性酸を0.001〜10重量%含有する、請求項1記載のポリマー材料。 さらなる成分として、安定剤、酸化防止剤または軟化剤を含有する、請求項1または2のいずれか1項記載のポリマー材料。 潜在性酸を含有するポリマー材料をUV光で照射することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の潜在性酸含有ポリマー材料を、酸含有ポリマー材料に変換する方法。 光照射を、285〜400nmのUV光を用いるUVレーザーにより実行する、請求項4記載の方法。 請求項4または5のいずれか1項記載の方法によって得られるポリマー材料。 式:の化合物。 式:の化合物。