タイトル: | 公表特許公報(A)_韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類、そしてこれを有効成分とする免疫調節用組成物及びその用途 |
出願番号: | 2003501476 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07K14/415,A23L1/305,A61K7/00,A61K31/715,A61K35/78,A61K38/00,A61P3/02,A61P25/04,A61P25/20,A61P35/00,A61P37/02,A61P37/08,C07K1/14,C08H5/04 |
ヨーン タエク−ジョン イ キョン−ホ パク ウー−ムーン キム ヨウン−チュウル パク ホ−ジン JP 2005502597 公表特許公報(A) 20050127 2003501476 20020531 韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類、そしてこれを有効成分とする免疫調節用組成物及びその用途 コーロン インダストリーズ インク 597114649 グーフー インク 503440705 正林 真之 100106002 藤田 和子 100116872 ヨーン タエク−ジョン イ キョン−ホ パク ウー−ムーン キム ヨウン−チュウル パク ホ−ジン KR 2001/30999 20010602 KR 2001/74244 20011127 7 C07K14/415 A23L1/305 A61K7/00 A61K31/715 A61K35/78 A61K38/00 A61P3/02 A61P25/04 A61P25/20 A61P35/00 A61P37/02 A61P37/08 C07K1/14 C08H5/04 JP C07K14/415 A23L1/305 A61K7/00 J A61K7/00 K A61K31/715 A61K35/78 M A61P3/02 A61P25/04 A61P25/20 A61P35/00 A61P37/02 A61P37/08 C07K1/14 C08H5/04 A61K37/02 1 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,CH,CY,DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZM,ZW KR2002001036 20020531 WO2002098437 20021212 101 20031201 4B018 4C083 4C084 4C086 4C088 4H045 4B018MD20 4B018MD48 4B018ME07 4B018ME14 4B018MF01 4C083AA111 4C083AD411 4C083EE12 4C083FF01 4C084AA02 4C084DC50 4C084MA52 4C084MA63 4C084NA14 4C084ZA081 4C084ZA751 4C084ZA811 4C084ZB071 4C084ZB261 4C084ZC211 4C084ZC351 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA20 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA52 4C086MA63 4C086NA14 4C086ZA08 4C086ZA75 4C086ZA81 4C086ZB07 4C086ZB26 4C086ZC21 4C086ZC35 4C088AB16 4C088AC11 4C088BA09 4C088CA05 4C088CA12 4C088CA16 4C088CA17 4C088MA52 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Siebololianum)がある。これらの中で、韓国で主に植栽されるウコギは、エゾウコギ、短梗ウコギ、智異山ウコギ、ソウルウコギ、ケウコギ、ヒメウコギである。【0003】特に、韓半島、シベリア、中国などに自生するエゾウコギは、ラリアセエ(Raliaceae)に属する多年生潅木で、韓国をはじめとする東洋では、その根、幹、葉及び実を漢方薬として使用してきた。【0004】前記エゾウコギの根には、エレウテロシド(eleutherosides)A、B、C、D、E、F、Gの7種類の成分が、8:30:10:12:4:2:1という構成比率で存在する。エレウテロシドBは、茎と根皮に最も多く存在し、エレウテロシドA、C、D、Eは、茎皮と果肉に最も多く存在する。【0005】前記エゾウコギの葉中には、エレウテロシドI、K、L、Mとセンチコシド(Senticoside)A、B、C、D、E、Fが含まれている。【0006】前記エゾウコギの実中には、アカンソシド(Acanthoside)Dとチサノシド(Chisanoside)が主成分として含まれている。【0007】旧ソ連のブレックマン(Breckhman)博士が1963年に、エゾウコギに"外因性非特異的な有害性刺激に対する抵抗力増進効果"つまり、強壮剤(adaptogen)としての効能があることを立証して以来、エゾウコギと朝鮮人参とは、国内外学者の研究対象となっている。【0008】シベリア系朝鮮人参(Siberian Ginseng)と呼ばれるエゾウコギは、身体活力の強化、脾臓及び腎臓強化の目的に使われ、鎮静、鎮痛、食欲不振や疲労回復の効能があると立証された。また、エゾウコギは、中枢神経系に対する鎮静作用を有し、実験によって、鎮静と興奮の両方の作用を示し、朝鮮人参のように強壮剤としての性格を示すが、その作用機能は異なるものであることが立証された。【0009】ソウル大学自然科学研究所の論文によると、前記エゾウコギを朝鮮人参と比較すると、生理作用は類似しているが、エゾウコギの興奮作用や強壮作用の持続時間は、朝鮮人参よりはるかにに長くて強く、エゾウコギは、朝鮮人参より優れている。また、上記論文には、朝鮮人参はまれに不眠症を誘発するが、エゾウコギは不眠症を誘発しないことが示されている。さらに、エゾウコギは、興奮状態の鎮静作用、ストレス抑制効果、急性及び慢性の放射能遮蔽、糖尿病の症状などについて、朝鮮人参に比べて優れた効能を示したと報告されている。【0010】韓国エゾウコギ栽培協会は、能動回避実験装置による韓国産エゾウコギの記憶力増進効果実験を行なった結果、エゾウコギを投与しなかった対照群に比べてエゾウコギを投与した実験群の記憶増進効果が34.5%増加したと報告した。【0011】ブレックマン(Brekhman)博士とダルヂモフ(V.Dardymov)博士は、エゾウコギが血糖値を低下させ、糖尿病に対して効果があり、抗放射線効果があり、エゾウコギの投与により、冠状動脈の血圧改善、動脈血圧の正常化、蛋白質及び脂質代謝の正常復帰、血中コレステロールの減少、ベータリポ蛋白質(β−lipoprotein)値の減少があると報告した。また、精神障害の解消、心臓動悸関係疾患の治療効果などを報告した。【0012】また、エゾウコギの主要作用は免疫作用であって、免疫と関連した生体の反応などは次のようである。【0013】生体の免疫系は、外来抗原に対して恒常性を維持するために免疫反応を誘導するが、ときには、過敏反応によって既に侵入した特定抗原に対するアレルギー反応を起こすこともある。このようなアレルギー疾患は国、人種、年齢などによって差があるが、アメリカとイギリスの場合、全人口のうちの10〜20%がアレルギー過敏性人口(Allergen−sensitive population)であると見積もられており、韓国内でも総合病院外来患者の約25%が多様なアレルギー症状を訴えているという統計がある。特に食品に対するアレルギーの場合、3才以下の小児では4〜6%、全年齢では1.5%がアレルギーを示すということが知られている。【0014】前記のようなアレルギー反応を誘発する抗原はアレルゲンと言い、典型的なアレルゲンは花粉、薬物、植物性繊維(糸)、細菌、食物、染色剤、化学物質などがある。免疫系は通常、抗原に対して身体を守るために、幾種かの防御メカニズムを持っている。このうち大半はリンパ球で、この細胞は特定抗原に反応するために特異化されている。リンパ球にはB細胞とT細胞とがある。B細胞は、抗原と結合して抗原を破壊し、中和する蛋白質である抗体を生成し、T細胞は、抗体を生産する代わりに、抗原と直接結合し、攻撃を促進する。アレルギー反応は、抗原がB細胞またはT細胞のうちのいずれの細胞と反応するかによって、即時型アレルギーまたは遅延型アレルギーとして現れる。即時型アレルギー反応は、抗原−抗体反応の結果で、これらは4種類の基本形に分類される。【0015】I型反応は、花粉症、昆虫毒アレルギー、喘息などを起こす免疫グロブリンE(IgE)という抗原を含む。IgE分子は、緻密でない結合組織で発見される肥満細胞と結合している。過剰な抗原がIgE抗体に結合すれば、肥満細胞はヒスタミンとヘパリン顆粒を放出してロイコトリエンなどの物質を生産する。このような潜在性の化学物質は、血管を膨脹させて空気の通路である気管を収縮させる。ヒスタミンは、アレルギーによって鼻水が流れる、息苦しくなる、皮膚が腫れ上がる、といった外的症状を引き起こす。場合によっては致命的となるI型アレルギー反応をアナフィラキシーショックといい、I型アレルギー反応に関する個人的要因は、遺伝的なものである。アレルギーの最も良い予防方法は、アレルギーを起こす物質の流入を防止することである。【0016】II型反応は、特定標的細胞で発見される抗原が抗体と反応するときに起こる反応で、抗原は、健康な細胞の先天的な構成要素、または薬物や感染微生物のような外来構成要素である。抗原−抗体複合体は、標的細胞を破壊する一連の潜在性酵素からなる補体系を活性化する。【0017】III型反応は、特定抗原に非常に過敏な人が抗原に継続してさらされたときに発生する。III型反応では、抗原−抗体複合体は小血管の壁に沈着するが、このとき、前記複合体は補体系を刺激して炎症と血管損傷を起こす。【0018】IV型反応または遅延型アレルギー反応は、T細胞反応によって発生し、抗原のある位置に蓄積する時間はB細胞より長くかかる。アレルギー反応は、抗原にさらされて12〜24時間後、またはそれ以上の時間が過ぎた後、その症状が現れる。一般的な遅延型アレルギー反応は、接触皮膚炎である。【0019】前記II型反応とIII型反応は遺伝的要因と関係がなく、I型反応とIV型反応は遺伝的要因によって発生し、アレルギー反応を起こす最も普通の反応である。【0020】前記のようなアレルギーを起こす一般的な病理作用としては、アレルゲンが好塩性組織の表面に付着しているIgE抗体と肥満細胞とに接触し、IgE抗体に対する受容体を有する細胞からヒスタミン、セロトニン、ロイコトリエンなどの化学的媒介因子によってアレルギー現象を誘導することが知られている。このようなアレルギー現象は、平滑筋の収縮、血管透過性の増進、血管拡張、血小板崩壊などの症状を示し、全身及び局所的アナフィラシスの誘導、皮膚炎などの病変を起こす。【0021】前記のような病理作用を有するアレルギーに対して、現在用いられている治療及び予防方法としては、食品による治療法、薬物による治療法、免疫療法、シトキン(cytokine)治療法などがある。【0022】前記食品による治療法は、アレルギーを起こすアレルゲンを含有した食品を制限する方法で、アレルギーを最も有効に抑制する。しかし、多様なアレルゲンを完全に制限するというのは不可能であるため、主に食品アレルギー患者に対して用いる方法である。また、前記食品による治療法は、成人の場合には大きな問題はないが、成長期にある若年患者の場合は、特定栄養素の不足により栄養失調、成長阻害などの副作用が誘発される恐れがあり、注意して実施しなければならない問題点がある。【0023】前記薬物による治療法は対症療法で、アレルギーを完治させるものではなく、症状の調節以外に全体的治療に対する効果は微弱で、薬物による副作用誘発の問題を有している。代表的な薬物としてはエピネフリンと抗ヒスタミン剤がある。【0024】前記免疫療法は、IgEとの結合力が弱くてB細胞よりT細胞をさらに活性化する変形されたエピトープ(epitope)を利用する方法である。【0025】前記シトキン(cytokine)治療法は現在開発中ではあるが、有効な活性を示さず、アナフィラシス誘発などの副作用のため、その使用が制限されている。【0026】前記のように現在アレルギーに対する治療方法は、アレルギーを完治できずに過敏性反応を起こし、治療時の制限要件が多いという問題点があった。【0027】現在までのエゾウコギに関する出願は、主にエゾウコギの培養方法、大量生産方法が大部分であり、代表的なものとして、生物工学的な技術によるエゾウコギ苗木の大量生産方法(例えば、特許文献1参照)、体細胞胚を利用したエゾウコギの繁殖方法(例えば、特許文献2参照)、生物工学的培養法によるエゾウコギ苗木の培養方法及びその用途(例えば、特許文献3参照)などが出願されているが、実際に利用することができる食品や薬剤にエゾウコギを適用する研究や特許出願などはまだ不足な状態である。【特許文献1】大韓民国公開特許公報第1999−0064391号公報【特許文献2】特許登録公報第10−0257991号公報【特許文献3】大韓民国公開特許公報第2001−0010217号公報【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0028】本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために、分裂促進物質(ミトゲン:mitogen)に対する反応性、シトキンの誘導、急性毒性試験、肝臓及び腎臓に与える効果、癌転移予防効果、癌転移治療効果、腫瘍細胞の破壊能、自然キラー細胞活性化に与える影響、抗体生産に与える効果、遅延性過敏反応の増進効果、T細胞の活性化、リンパ球の活性化、抗原特異的シトキンの誘導活性に対する作用が非常に優れた韓国産エゾウコギ抽出物及びそれに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類を提供することを目的とする。【0029】本発明の他の目的は、前記韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質または粗蛋白多糖類抽出物を有効成分とする免疫増強用組成物とその用途を提供することにある。【課題を解決するための手段】【0030】前記目的を達成するために本発明は、韓国産エゾウコギから抽出されたエゾウコギ抽出物またはこれに由来する免疫調節活性を有する抽出蛋白質を提供する。【0031】また、本発明は韓国産エゾウコギ抽出物に由来する免疫調節活性を有する粗蛋白多糖類を提供する。【0032】また、本発明は韓国産エゾウコギをリン酸緩衝食塩水で抽出して、100%飽和アンモニウムスルフェート((NH4)2SO4)溶液を添加して、抽出液の最終濃度が70乃至80%になるように調整した後、軽く攪拌して蛋白質を沈殿させ、前記抽出蛋白質をリン酸緩衝食塩水で溶解し、得られた混合物を2日間透析した後、得られた混合物を遠心分離して上澄液を回収し、得られた混合物をろ過してろ液を得て、得られた混合物を凍結乾燥する段階を含む、免疫調節活性を有する抽出蛋白質の製造方法を提供する。【0033】また、本発明は韓国産エゾウコギ抽出物にエタノールを加え、そのエタノールの最終濃度が70〜80%になるように調整し、軽く攪拌した後、得られた混合物を遠心分離して沈殿物を回収し、前記回収された沈殿物を蒸溜水に溶解した後、得られた混合物を透析し、回収された物質を凍結乾燥する段階を含む、免疫調節活性を有する粗蛋白多糖類の製造方法を提供する。【0034】また、本発明は韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物からなる群から選ばれた免疫調節活性を有する成分を含む免疫調節用組成物を提供する。【0035】また、本発明は前記免疫調節用組成物を有効成分として含む機能性食品を提供する。【0036】また、本発明は前記免疫調節用組成物を有効成分として含む化粧品を提供する。【0037】また、本発明は前記免疫調節用組成物を有効成分として含む薬剤組成物を提供する。【発明の効果】【0038】本発明の韓国産エゾウコギを材料物質とした韓国産エゾウコギ抽出物、韓国産エゾウコギの抽出蛋白質、韓国産エゾウコギの粗蛋白多糖類を経口及び血管に投与する時の腫瘍細胞及び呼吸器疾患を招く細菌、毒素及びウイルスに対して、直接的且つ間接的に対抗する大食細胞及び自然キラー細胞の活性を高めることによって多様な感染に対する宿主の防御機作を増進させる活性があり、生体の体液性及び細胞性兔疫体系を活性化する免疫増強活性があり、アレルギーI型及びIV型に関する疾患に対して特異性がある。したがって、前記韓国産エゾウコギの抽出蛋白質、韓国産エゾウコギの粗蛋白多糖類を免疫増強用組成物として含む機能性食品、化粧品添加剤及び薬剤は老若男女を問わず免疫能を増強させることができ、特に慢性疾患者の免疫能を増強させることができる。【発明を実施するための最良の形態】【0039】以下、本発明を詳細に説明する。【0040】本発明者らは韓国産エゾウコギから抽出した韓国産エゾウコギ抽出物とこれに由来する抽出蛋白質、粗蛋白多糖類を利用してこれらが分裂促進物質(ミトゲン:mitogen)に対する反応性、シトキンの誘導、急性毒性試験、肝臓及び腎臓に与える効果、癌転移予防効果、癌転移治療効果、腫瘍細胞の破壊能、自然キラー細胞活性化に与える影響、抗体生産に与える効果、遅延性過敏反応の増進効果、T細胞の活性化、リンパ球の活性化、抗原特異的シトキンの誘導活性に関する研究を実施することによって、前記韓国産エゾウコギ抽出物、特に抽出蛋白質と粗蛋白多糖類が免疫増強及び抗アレルギーに有効な効果があることを確認した。【0041】したがって、本発明の韓国産エゾウコギから抽出したエゾウコギ抽出物は免疫調節作用だけでなく、特に抗アレルギー効果が非常に優れていて、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物もやはり同一な効果を示す特徴がある。【0042】本発明の韓国産エゾウコギ抽出物は外国産エゾウコギ抽出物に比べてアレルギー疾患の免疫作用及び抑制作用に対して非常に高い活性を示すものであり、前記韓国産エゾウコギ抽出物を含む免疫増強用組成物を食品及び化粧品に利用すれば一般生活でアレルギー疾患を予防して治療することができる長所がある。さらに、前記韓国産エゾウコギ抽出物に由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類を有効成分とする免疫増強用組成物を食品、化粧品及び薬剤組成物に利用して老若男女を問わずに免疫を増強させることができ、特に慢性疾患に効果がある。【0043】より好ましくは、前記抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物はアレルギーI型及びIV型に関する疾患に対して免疫調節活性を有する。【0044】本発明の前記韓国産エゾウコギ抽出物に由来する抽出蛋白質は22,000乃至100,000の巨大分子量を有する少なくとも6種以上の蛋白質を含む。より好ましくは、分子量が28,000,30,000,51,000及び75,000である少なくとも4種の蛋白質を含む。【0045】前記エゾウコギは成長条件によって含有成分の組成とその含量を別にするが、韓国産エゾウコギ抽出物と外国産エゾウコギ抽出物はその組成と含量が異なって、その効果面でも差を示し、韓国産エゾウコギのエレウテロシドEはロシア産の約6倍、中国産の約4倍が含まれており、さらに中国産はエレウテロシドBが含まれていない。したがって、韓国産エゾウコギ1kgのエレウテロシドE、Bはロシア産6kg、中国産4kgのエレウテロシドE、Bとその含量が同一であるので韓国産エゾウコギに前記2種類成分の含量が多量含まれている。【0046】また、韓国産エゾウコギのエレウテロシドE含量(mg/g)を比較してみれば、エゾウコギが1.92mg/g、智異山ウコギが1.10mg/g、ソウルウコギが0.69mg/g、島ウコギが0.35mg/g、ヒメウコギが0.24mg/g含まれていてエゾウコギが智異山ウコギの1.7倍、島ウコギの5.5倍で、エゾウコギのエレウテロシドE含量が非常に高い。【0047】前記韓国産エゾウコギ抽出物は韓国産エゾウコギに蒸溜水を添加して製造された水溶性抽出物である。【0048】本発明は前記水溶性抽出物を利用して70%硫酸アンモニウム沈殿法で抽出蛋白質を分離して得ることができ、その特性は電気泳動で検査する。【0049】また、粗蛋白多糖類抽出物は前記韓国産エゾウコギ抽出物から80%エタノールを利用して沈殿させて得られる。【0050】前記韓国産エゾウコギ抽出物は抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物以外の多糖類及びその他の水溶性物質をさらに含む。【0051】したがって、本発明は前記韓国産エゾウコギ抽出物、これから由来した抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物からなる群から1種以上選択される免疫調節活性を有する成分を有効成分とする免疫調節用組成物を提供することができる。【0052】このような免疫調節用組成物は機能性食品、化粧品及び薬剤組成物に有効成分として用いることができる。【0053】本発明の免疫調節用組成物を有効成分として含む機能性食品及び化粧品は当業界で通常知られた成分を含み、通常の製剤形態を含むことができる。【0054】本発明の薬剤組成物は多様な経口または非経口方法で投与できる。また、本発明の薬剤組成物は調剤上、許容可能な液体または固体担体及び補助剤を含むことができる。前記固体形態の製剤は通常の粉末、錠剤、分散可能な顆粒またはカプセルなどを含み、この中でも経口投与に適した固体投薬形態としては錠剤、粉末またはカプセルがある。好適な補助剤は希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤及び/または錠剤膨化剤を含むことができる。粉末またはカプセルの場合には、担体は微粉になった活性成分を5乃至70%、好ましくは10乃至70%を含むことができる。前記液体形態の製剤は溶液、懸濁液または乳化液であってもよい。例えば、非経口注射液の場合には水または水−プロピレングリコールの混合溶液を用いることができるが、そのような溶液は等張性、pHなどが生体系に適するように製造される。液状製剤はまた、ポリエチレングリコール水溶液で形成することもできる。経口用として適した水溶液は活性成分を水に溶かして適当な香味剤、着色剤、安定剤及び濃厚剤を付加して製造することもできる。経口用として適当な水性懸濁剤としては微粉砕された活性成分を天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ソジウムカルボキシメチルセルロース及び公知の懸濁剤のような粘性物質に分散させて製造することができる。【0055】好ましい薬剤は単位投薬形態である。そのような形態で、製剤は適当量の有効成分を含む単位投与形態に細分される。単位投薬形態は製剤のそれぞれの量を含有する包装された製剤であってもよく、例えば、ガラス瓶またはアンプルに包装された錠剤、カプセルまたは粉末である。【0056】以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、本発明が下記の実施例に限られるわけではない。【実施例1】【0057】[1.韓国産エゾウコギ抽出物の製造]本発明の材料物質である韓国産エゾウコギは江原道三陟地域で自生するものを使用した。韓国産エゾウコギの使用部位は茎、実、葉、根を全て含む。前記韓国産エゾウコギを蒸溜水で洗浄し乾燥し真空包装し、抽出まで−80℃で冷凍保管した。前記冷凍された韓国産エゾウコギを細かく切って蒸溜水を混合しミキサーで粉砕した。前記粉砕された韓国産エゾウコギ重量の10倍になる蒸溜水を入れて4分割して4℃で12時間攪拌した。前記攪拌された韓国産エゾウコギを20分間10000rpmで遠心分離し、上澄液を収集して孔径(pore size)が0.22μmであるメンブレインフィルターでろ過した後、凍結乾燥して抽出物を生産した。【0058】[2.韓国産エゾウコギからの加熱抽出物の製造]韓国産エゾウコギの各1kgに対して4倍の蒸溜水を加えて熱湯抽出機で3時間抽出して収得した抽出液をろ過し、これを減圧蒸発装置で濃縮した後、再び凍結乾燥器で完全乾燥したエゾウコギ抽出物を製造して−20℃で冷凍保管しながら適当な濃度に希釈して使用した。前記抽出物製造による抽出収率はエゾウコギ重量の10%で、前記それぞれのエゾウコギ1kgに対して9〜11gの凍結乾燥された抽出物を収得した。【0059】[3.エゾウコギの加熱抽出物の薄膜クロマトグラフィ(Thin Layer Chromatography:TLC)分析]前記韓国産エゾウコギの加熱抽出物及び外国産エゾウコギ抽出物を構成する成分分析及び構成成分の相違性を確認するためにTLC分析を行なった。TLC分析のための移動相としてはヘキサン(Hexane)、酢酸エチル(Ethylacetate)、ブタノール(Butanol)を4:2:1の比率で混合し、固定相としてはシリカゲル(Silica gel)を使用した。図2のように韓国産エゾウコギ抽出物と外国産エゾウコギ抽出物のTLC分析の結果示されたスポット(spot)の移動率(Rate of Flow:Rf)値が相異なって構成物質間の差があることが確認でき、同一なRf値を有するスポット(spot)のサイズもまた、互いに異なって同一物質間の含量差があることが確認された。したがって、韓国産エゾウコギ抽出物と外国産エゾウコギ抽出物は構成物質間の成分の含量及び一部構成物質の差があることを確認した。【実施例2】【0060】[1.水溶性エゾウコギ抽出物から抽出蛋白質の分離及び特性検査]韓国産エゾウコギを0.15Mリン酸緩衝食塩水(phosphate buffered saline:以下、PBSと言う)で抽出して100%飽和硫酸アンモニウム溶液を添加して抽出液の最終濃度が70%になるように調整し、4℃で12時間弱く攪拌して抽出蛋白質を沈殿させた。前記蛋白質沈殿物をPBSで溶解してPBSで2日間透析した。透析を完了して20分間5,000rpmで遠心分離して上澄液を回収し、孔径が0.22μmであるメンブレインフィルターでろ過した。前記ろ液を凍結乾燥して抽出蛋白質を製造した。前記のような過程を通じて韓国産エゾウコギから回収した抽出蛋白質の回収率は1.0%〜10.0%である。また、抽出蛋白質を構成する蛋白質成分の分子量を調査するために13%ポリアミドゲル(polyamide gel)で電気泳動した。韓国産エゾウコギ抽出物のうちの抽出蛋白質の電気泳動のために緩衝溶液試料(sample buffer)で20−メルカプトエタノール(20−mercapto ethnol:20−ME)が含まれている非還元状態で電気泳動を実施し、前記実験結果を図1に示した。前記実験結果で示された韓国産エゾウコギ抽出物の蛋白質分子量は標準蛋白質の移動距離を測定して得た標準曲線に代入して測定した。測定結果、韓国産エゾウコギの蛋白質は約4個の分子量を異にする蛋白質(75,000,51,000,30,000,28,000)で構成されることを確認し、エゾウコギ抽出物は前記4種類蛋白質の他に蛋白多糖類、多糖類及びその他の水溶性物質を含有することを推測した。【0061】[2.韓国産エゾウコギ抽出物から粗蛋白多糖類の分離]前記冷凍された韓国産エゾウコギを細かく切って蒸溜水を混合してミキサーで粉砕した。前記粉砕された韓国産エゾウコギ重量の10倍に当る蒸溜水を入れて4分割し、4℃あるいは100℃で12時間攪拌した。それぞれの抽出物にエタノールを加え、エタノールの最終濃度が70%になるように調整して軽く12時間攪拌した。攪拌完了後、沈殿物を回収するために遠心分離(15000rpm/20分)を行なった。前記遠心分離によって収集された沈殿物を蒸溜水に溶かした後、蒸溜水に対して透析を実施した。透析完了後、収集された物質を凍結乾燥して粗蛋白多糖類画分を製造した。図7には韓国産エゾウコギ加熱による粗抽出物のTLC分析結果を示した。【実施例3】【0062】[1.エゾウコギ抽出物及び蛋白質画分に対する抗体生産]粗抽出物100μg及び粗短白質20μgを0.01M PBS50μlに溶解して同量のフラウンドのコンプリートアデュバント(Fraund’s complete adjuvant:FCA)を混合して乳化し、balb/cマウスに皮下注射で1次注射を実施した。3週後に、前記のような同一な抗原をフラウンドの不完全補助剤(Fraund’s incomplete adjuvant:FIA)で乳化して2次免疫化を実施した。2次免疫2週後に抗原のみを腹腔にブースティング(boosting)免疫化し、免疫化4日後にマウスから血液を収集した。血液から各抗原に対する抗血清を血液を5000rpmで10分間遠心分離して収集した。収集した抗血清は使用まで−20℃で保管した。【0063】[2.韓国産エゾウコギ抽出物及び抽出蛋白質の抗体を利用した蛋白質の存在有無とサイズの確認]韓国産エゾウコギ抽出物及び抽出蛋白質を実施例2のように電気泳動し電気泳動されたゲルをポリフッ化ビニリデン膜(PVDF membrane)に移した。蛋白質が移された膜を3%ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin:BSA)で閉塞し、1000倍(×1000)に希釈された抽出蛋白質に対する抗血清を入れて2時間常温で反応させた。洗浄液(PBS−Tween;以下、PBS−Tと言う)で5回膜を洗浄してマウス免疫グロブリン(mouse IgG)に対する抗体にHRP(peroxidase)で標識された2次抗体−HRP(Zymend.×4000)を入れて2時間反応させた。前記反応が完了後PBS−Tで5回膜を洗浄してECLキット(Amersham社)を利用して膜を分析した。前記電気泳動による韓国産エゾウコギ抽出物中の抽出蛋白質が荷電された結果を図2に示しており、反応が明確でなかったが、2個の対照群と比較したとき有意な差を示した。また、ウェスタンブロッティング(western blotting、immunoblotting)による蛋白質の存在有無とサイズを確認した結果を図3に示した。抗体と反応したエゾウコギ抽出物は電気泳動上でよく発現されなかったバンド(band)が現れることから少量のその他の蛋白質が含まれていることが分かった。ウェスタンブロッティング分析結果200,000以上の巨大な分子量を有する蛋白質、約100,000,約75,000,51,000,28,000,22,000など6種類の蛋白質が含まれている結果を得た。前記のような結果を図2に示した。【実施例4】【0064】[韓国産エゾウコギ抽出物、抽出蛋白質、粗蛋白多糖類が免疫関連細胞の分裂物質促進(mitogen)に与える影響調査]3週齢のBalb/cマウス3匹を一グループとし、韓国産エゾウコギ抽出物、抽出蛋白質、粗蛋白多糖類を各々500μg/μl、50μl/μl及び50μl/μlを血管注射し、1、3、5日後にマウスから脾臓細胞(splenocyte)を分離した。96−ウェルフラット−ボトムプレート(96−well plat−bottom plate)の各ウェル(well)に前記で分離した脾臓細胞を各々5×106/100μlの密度で各ウェルに入れてT細胞及びB細胞の分裂促進物質であるCon−A(Concavanallin−A)と脂質多糖類(以下、LPSと言う)の最終濃度が各々0.5μg/μl及び5μg/μlになるように濃度を調整して各ウェルで処理した後、3日間培養した。リンパ球の増殖分析(proliferation assay)はMTT[3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyl teyrazolium bromide]法で行なった。5mg/μlの濃度に調整されたMTT試薬を各ウェルに50μl添加して6時間培養した。MTT試薬は細胞が生産するミトコンドリアデヒドロゲナーゼ(mitochondria dehydrogenase)と反応して非水溶性の濃青色であるホルマザン(formazan)を形成した。培養完了後、上澄液を捨てて各ウェルにジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide:DMSO)100μlを添加して生成されたホルマザンを溶解して570nmで吸光度を測定した。前記実施例4の結果を下記表1に平均値で示した。【0065】【表1】【0066】前記表1に示した結果のように、韓国産エゾウコギ抽出物、抽出蛋白質、粗蛋白多糖類で処理したマウスの脾臓細胞は試料無処理対照群に比べて高い吸光度(O.D.)を示すので、本発明の材料物質である韓国産エゾウコギは生体内免疫応答細胞である脾臓細胞を刺激することを確認した。また、LPS(Lipopolysaccharide)あるいはCon−A(Concavanallin−A)を添加して同時培養した6週齢のBalb/cマウスの脾臓細胞はLPS及びCon−Aの無処理群に比べてMTT測定結果高い吸光度(O.D.)値を示すので、本発明抽出物は免疫応答細胞の分裂促進物質(mitogen)に対する反応性を増進させる結果を示した。前記のような結果から、本発明は成熟した免疫応答細胞が効果的な免疫反応を誘導するようにする細胞反応性を増進させる効果を有しており、仮に外部からの抗原にさらされた場合に、本発明抽出物が投与された生体は抗原特異的な免疫反応のための作動細胞の数を増加させるので外部からの抗原に対して有効な防御効果を誘導することができることを確認した。【実施例5】【0067】[韓国産エゾウコギ抽出物及び前記抽出物の抽出蛋白質、粗蛋白多糖類の生理活性物質の誘導]C57BL/6マウスに3%チオグリコレート(thioglycollate)1mlを腹腔投与し、3日後にマウスの腹腔細胞(Perotoneal Exaudative Cell;以下、PECと言う)を滅菌状態で収集して24ウェルプレートの各ウェルに1.5×106/mlの濃度で塗布(plating)した。2時間程度培養してPBSで各ウェルを洗浄し、培養皿(plate)に付着した大食細胞(macrophage)を回収した。各ウェルに抽出物(500μg/ml、125μg/ml、62.5μg/ml)、抽出蛋白質(20μg/ml、4μg/ml,0.8μg/ml)、粗蛋白多糖類(20μl/ml、4μl/ml,0.8μl/ml)を多様な濃度に調整して24時間同時培養した。培養完了後に上澄液だけを回収し、上澄液に誘導分泌されたIL−1、TNF−α、IFN−γ、IL−6など多様な生理活性物質であるシトキンを各シトキンキット(cytokine kit)を利用して測定した。前記シトキンキットによる結果を下記表2に示した。【0068】【表2】【0069】前記表2に示すように韓国産エゾウコギ抽出物、抽出蛋白質、粗蛋白多糖類は大食細胞を直接活性化して多様なシトキン(IL−1、TNF−α、IFN−γ、IL−6)を誘導する免疫刺激効果があることを確認した。特に、抽出蛋白質がTNF−α、IFN−γのシトキン誘導活性に直接的な影響を与える成分と確認され、シトキンの活性物質に蛋白質単一成分でなく粗蛋白多糖類が同時に作用する結果を示した。したがって、本発明は大食細胞を直接刺激するシトキン誘導体(cytokine inducer)としての活性があることを確認した。【実施例6】【0070】[粗抽出物から分離した抽出蛋白質が与える大食細胞からシトキンの誘導抑制能]前記実施例5の抗体を利用して抽出蛋白質が与える大食細胞からシトキンの誘導抑制能を検査した。対照群として粗抽出物を大食細胞に添加して抗原−抗体反応させ、実験群として粗抽出物と実施例5の抗体を大食細胞に添加して抗原−抗体反応させて対照群と実験群のシトキン誘導能をシトキンキットを利用して測定した。その結果、粗抽出物が大食細胞を刺激した結果である対照群は多様なシトキンを誘導しており、粗抽出物と抗体を共に添加した実験群は多様なシトキン誘導を100%抑制することができなかったが、有意な程度に抑制した。前記2つの結果から確認できることは粗抽出物でシトキンを誘導する物質は抗体と反応する物質であることである。また、前記抗体によってシトキンが誘導されるのではなく、図2に示したウェスタンブロッティングの結果から分かることは抗体と抽出蛋白質以外に他の成分の物質もシトキンを誘導する活性物質があることを確認した。したがって、シトキンを誘導する免疫刺激物質は抗体と反応する蛋白質であり、その他に抗体と反応し難い多糖類である。前記のような結果を図3、4、5、6に示した。【0071】図3は韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞からシトキン(TNF−α)の誘導抑制能を示した。粗抽出物のみを投与した群ではシトキン(TNF−α)の誘導が増進したが、抗体と共に投与した群ではシトキン(TNF−α)の誘導が抑制されることを確認した。前記のような結果は粗抽出物内の抽出蛋白質が抗体と反応するためである。【0072】図4は韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞からシトキン(IL−1)の誘導抑制能を示す。粗抽出物のみを投与した群ではシトキン(IL−1)の誘導が増進したが、抗体と共に投与した群ではシトキン(IL−1)の誘導が抑制されたことを確認した。前記のような結果は粗抽出物内の抽出蛋白質が抗体と反応するためである。【0073】図5は韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞からのシトキン(IFN−γ)の誘導抑制能を示した。粗抽出物のみを投与した群ではシトキン(IFN−γ)の誘導が増進したが、抗体と共に投与した群ではシトキン(IFN−γ)の誘導が抑制されたことを確認した。前記のような結果は粗抽出物内の抽出蛋白質が抗体と反応するためである。【0074】図6は韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞からシトキン(IL−6)の誘導抑制能を示した。粗抽出物のみを投与した群ではシトキン(IL−6)の誘導が増進したが、抗体と共に投与した群ではシトキン(IL−6)の誘導が抑制されたことを確認した。前記のような結果は粗抽出物内の抽出蛋白質が抗体と反応するためである。【0075】前記図3、図4、図5、図6に現れた結果は粗抽出物の投与量によってシトキン(IL−1、TNF−α、IFN−γ、IL−6)を誘導する程度が異なったが、結果的に同様に抗体と共に粗抽出物を投与した群でシトキン(IL−1、TNF−α、IFN−γ、IL−6)の誘導が抑制された。【実施例7】【0076】[韓国産エゾウコギ抽出物の生体内急性毒性試験]25gの雄Balb/cマウスに韓国産エゾウコギ抽出物の投与は血管及び経口投与で実施し、血管注射の場合マウス当り2mg、500μg、125μgを投与し、経口投与の場合50mg、10mg、2mgを投与して7日間マウスの生存率及び体重を調査した。前記生存率及び体重を下記表3及び4に示した。【0077】【表3】【0078】【表4】【0079】前記表3と表4に示すように、実験群で外形的な変化は示されず、試料無処理対照群と類似な体重増加を示すことによって生体に外形的な副作用は誘導されなかった結果がみられた。【実施例8】【0080】[肝臓及び腎臓の機能に与える効果]25gの雄Balb/cマウスに韓国産エゾウコギ抽出物の投与は血管及び経口投与で実施しており、血管注射の場合マウス一匹当り500μgを投与し経口投与の場合20mg投与して1、3、5日目に生体に対する毒性を検査するために体内の新陳代謝に関与する肝臓に与える影響としてグルタミック−オキサル酢酸塩転移酵素(Glutamic−Oxalacetate Transaminase:以下、GOTと言う)とグルタミック−ピルベート転移酵素(Glutamic−Pyruvate Transaminase:以下、GPTと言う)を、腎臓に与える影響として血中クレアチン(blood creatin;以下、CREと言う)と血中尿素窒素(Blood Urea Nitrogen;以下、BUNと言う)の血中濃度を測定した。前記GOT、GPT、CRE、BUNの結果を下記表5に示した。【0081】【表5】【0082】表5に示すように韓国産エゾウコギ抽出物500μgの血管投与と韓国産エゾウコギ抽出物20mgの経口投与後、1、3、5日目に肝臓で作られる代謝に必要な正常酵素であり、間接的に肝臓の損傷程度を測定することができるGOTとGPTの血中濃度を測定した結果、対照群と類似な結果を示して、韓国産エゾウコギ抽出物は生体新陳代謝に関与する肝臓に影響を与えないことが確認された。【0083】また、腎臓の機能を示すCRE(blood creatine)は中程度の労働をしたとき、血中クレアチンが増加するが、本比較例の結果韓国産エゾウコギ抽出物を血管及び経口投与した実験群の結果と投与しなかった対照群の結果は差がなかったので、韓国産エゾウコギ抽出物が腎臓に影響を与えないことが確認された。BUN(Blood Urea Nitrogen)は血中に存在する尿素窒素であって、組織の崩壊程度、蛋白摂取量、消化管内血液、生体内水分量、尿量などによって大きく影響を受ける。本実施例の結果、対照群と実験群のBUN結果は差がなかったのでエゾウコギ抽出物はBUNに影響を与えないことが確認された。【実施例9】【0084】[韓国産エゾウコギ抽出物の癌転移予防効果]C57BL/6及びBalb/cマウスと同種の高転移性腫瘍細胞株であるコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)をマウスに転移させてPBSを血管に投与し、これを対照群として処理し、韓国産エゾウコギ抽出物をコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)を転移させたマウスの血管に各々2mg、500μg、125μgを投与した。韓国産エゾウコギ抽出物をコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)を転移させたマウスの経口的に韓国産エゾウコギ抽出物20mg、5mg、1.25mg、抽出蛋白質1mg、粗蛋白多糖類1mgを投与した。前記腫瘍転移抑制実験に対する結果を下記表6、7、8に示した。【0085】【表6】【0086】【表7】【0087】【表8】【0088】前記表6に示すように韓国産エゾウコギ抽出物の血管投与は投与量に比例して腫瘍転移閉塞率が増加した。【0089】表7から見れば、韓国産エゾウコギ抽出物20mg、5mg、1.25mgを経口投与した場合閉塞率が72.9%、65.9%、39.5%に減少しており、韓国産エゾウコギ抽出物の経口投与量に比例して腫瘍転移閉塞率が増加することが示されて腫瘍転移抑制活性があることを確認した。【0090】前記表8に示すように韓国産エゾウコギ抽出物から分離した抽出蛋白質、粗蛋白多糖類を経口投与した結果、韓国産エゾウコギ抽出物よりは前記抽出物を構成している粗蛋白多糖類による腫瘍転移閉塞率が最も高いことが示された。しかし、主な腫瘍転移閉塞率が粗蛋白多糖類によるものであるが、単に粗蛋白多糖類のみによる腫瘍転移閉塞率だけであると断定することができない。それはその他の低分子物質あるいは配糖体が関与して腫瘍転移を抑制する可能性を排除できないためである。【実施例10】【0091】[韓国産エゾウコギ抽出物の癌転移治療効果]C57BL/6及びBalb/cマウスと同種の高転移性腫瘍細胞株であるコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)をマウスに転移させてPBSを血管に投与して対照群として処理した。韓国産エゾウコギ抽出物をコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)をマウスに転移させた1、4、7日後に韓国産エゾウコギ抽出物を前記マウスの血管に各々20mg、5mg、1.25mg投与した。また、C57BL/6及びBalb/cマウスと同種の高転移性腫瘍細胞株であるコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)をマウスに転移させ、PBSを経口投与して対照群として処理した。韓国産エゾウコギ抽出物をコロン26−M3.1肺ガン細胞株(colon26−M3.1lung carcinoma)をマウスに転移させた1、4、7日後に韓国産エゾウコギ抽出物各々20mg、5mg、1.25mgをマウスに経口投与した。そして韓国産エゾウコギ抽出物の血管投与及び経口投与による腫瘍転移治療効果結果をそれぞれ下記表9及び10に示した。【0092】【表9】【0093】【表10】【0094】前記表9及び表10に示すように、肺ガン細胞株に対する韓国産エゾウコギ抽出物の血管投与と経口投与の対照群に比べて韓国産エゾウコギ抽出物を投与した実験群が投与量に比例して腫瘍転移誘導が減少した。また、肺ガン細胞株に対して韓国産エゾウコギ抽出物の血管投与と経口投与をしたとき、それぞれの同量で比較すれば経口投与より血管投与の方が腫瘍転移治療効果が高く示された。本比較例によって実験的に腫瘍の治療効果が確認されたことは、前記韓国産エゾウコギ抽出物が宿主の兔疫体系を比特異的に刺激するという事実を立証しており、本発明は多様な外来抗原に対して強い免疫反応を誘導して宿主の恒常性を有するようにする活性があることを確認した。【実施例11】【0095】[大食細胞活性化による腫瘍細胞の破壊能]本実施例は韓国産エゾウコギ抽出物が大食細胞の活性化に影響を与えるということに基づいて韓国産エゾウコギ抽出物が投与されたマウスの大食細胞が腫瘍細胞に対する破壊活性を誘導しているかどうかを実験した。25gの雄Balb/cマウス各々に静脈注射で韓国産エゾウコギ抽出物500μg、125μg、62.5μgを投与して2日後にそれぞれのマウスから大食細胞(macrophage;Effector cell;E)を採取し腫瘍細胞(Sarcoma−180:以下、S−180と言う;Target cell;T)と20時間同時培養した。培養完了後にS−180の増殖抑制活性をMTT法で検査し、その結果を下記表11に示した。【0096】【表11】【0097】前記表11に示すように韓国産エゾウコギ抽出物を投与したマウスの大食細胞(macrophage)実験群は試料無処理対照群に比べて約3倍以上の腫瘍増殖抑制活性を有する結果を示しており、特に韓国産エゾウコギ抽出物125μgで処理した実験群は腫瘍細胞に対する高い破壊活性を示した。前記のような結果から生体実験(in vivo)で大食細胞を活性化する試料の適正濃度は500μg/マウス〜62.5μg/マウスであり、より好ましい適正濃度は125μg/マウスであることが分かる。【実施例12】【0098】[自然キラー細胞(Natural killer cell;以下、NK−cell)活性化に与える効果測定]25gの雄Balb/cマウスに韓国産エゾウコギ抽出物500μg、125μg、62.5μgを静脈注射して3日後にマウスの脾臓を滅菌的に取出して脾臓細胞(Effector cell;E)とNK−細胞に敏感細胞株であるYAC−1(Target cell;T)を同時に6日間培養した。培養後、脾臓細胞(Effector cell;E)とNK−細胞に敏感細胞株であるYAC−1(Target cell;T)の破壊程度を測定し、NK−細胞による破壊効果は下記のような式で算出し、その結果を下記表12に示した。【0099】測定方法は破壊された細胞が放出する乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogensae:LDH)の量をキット(LDH kit)で測定した。【0100】K活性(%)=[実験的放出量(experimental release)−自然的放出量(spontaneous release)/最大放出量(maximum release)−自然的放出量(spontaneous release)]×100【0101】【表12】【0102】前記表12に示すように、前記韓国産エゾウコギ抽出物を投与したマウスの脾臓細胞は正常マウスに比べて約3倍程度のNK−活性を示した。その効果の程度はE/T比率に比例し、マウスで有効な活性を示す前記韓国産エゾウコギ抽出物の濃度は500〜62.5μgであり、より好ましくは125μgであった。【実施例13】【0103】[韓国産エゾウコギ抽出物が抗体生産に与える効果]抗原(Pre−S2;肝炎誘発ウイルスで免疫原性を示す部分)のみをマウスに投与して対照群とした。対照免疫増強剤として1%アルミニウムヒドロキシド(aluminium hydroxide:alum)を使用して抗原(Pre−S2;肝炎誘発ウイルスで免疫原性を示す部分)と共に投与して対照群とした。実験群として韓国産エゾウコギ抽出物をマウス当り500μgの濃度で同時に混合して免疫化した。抗原(Pre−S2;肝炎誘発ウイルスで免疫原性を示す部分)の免疫は2週間隔で全2回マウス当り5μgを皮内注射し、最初免疫1週後から10週まで全4回実施して採血した。前記採血した血液中で血清を分離した後、エリサ(ELISA)法で抗体の力価を測定した。抗原であるPre−S2のキーホールリムペットヘモシアニン(Keyhole Limpet Hemocyanin:KLH)をエリサプレート(ELISA plate)に5μg/mlをコーティングし、BSAで遮断して準備した血清を20倍まで5倍ずつ希釈し、各ウェルに入れて抗体−抗原反応を行なった。2時間培養し洗浄液(PBS−Tween)で各ウェルを洗浄して、マウスに対する2次抗体にHRPが接合されたヤギ抗マウスIgG−HRP(Goat anti−mouse IgG−HRP;Zymed)を添加した。再び抗原であるPre−S2のキーホールリムペットヘモシアニン(KLH)とヤギ抗マウスIgG−HRP(Goatanti−mouseIgG−HRP;Zymed)反応させて洗浄し、基質溶液(TMB)を添加して発色させた。10分間培養して浄化液(2N−H2SO4)を入れて450nmで吸光度を測定した。抗体の力価は対照群の血液が示す吸光度(O.D.)値の3倍になる実験群の最大希釈比で示しており、その結果を下記表13に示した。【0104】【表13】【0105】前記表13に示すように韓国産エゾウコギ抽出物を投与した実験群は免疫増強剤である明ばん(alum)を添加した実験群に比べて低い抗体生産能を示したが、抗原Pre−S2のみで処理した対照群に比べては約40倍以上の高い抗体生産能を誘導して韓国産エゾウコギ抽出物が抗原特異的な免疫能を増進させる活性があることを確認した。本比較例は外因性抗原に対する抗原特異的免疫系中体液性免疫系反応を確認して韓国産エゾウコギ抽出物が細菌、微生物などの感染に対する防御能を誘導することができることを確認した。【実施例14】【0106】[遅延性過敏反応(Delayed Type Hypersensititivity:以下、DTHと言う)の増進]Balb/cマウスに抗原として20μgのキーホールリムペットヘモシアニン(以下、KLHと言う)を投与して対照群として使用した。韓国産エゾウコギ抽出物をそれぞれのマウスに500μg、125μg、62.5μg皮下注射で投与し、実験群として使用した。韓国産エゾウコギ抽出物の第1回投与4週後に、マウスの足底(footpad)にKLHを20μgを注射し、注射部位に形成される浮腫の厚さを測定してDTH反応を検査しており、その結果を下記表14に示した。【0107】【表14】【0108】前記表14に示すように韓国産エゾウコギ抽出物で処理した実験群は抗原によって誘導されるDTH反応が試料無処理対照群に比べて増加しており、DTH反応の活性は投与された韓国産エゾウコギ抽出物に比例して増加した。前記のような結果から韓国産エゾウコギ抽出物は抗原に対するT細胞の増殖(T−cell proliferation)のような細胞性免疫反応を増進させる効果があることを確認した。【実施例15】【0109】[韓国産エゾウコギ抽出物が与えるT細胞の活性]本発明の抽出物の腫瘍細胞に対するCTL(Cytotoxic T Lymphocyte)活性を測定し、抗腫瘍と関連した細胞性免疫能の増進効果を測定するために、C57BL/6マウスをミトミシン(mytomicin)で処理し、不活性化されたP815肥満細胞株で処理して対照群として使用した。ミトミシンを処理し、不活性化されたP815肥満細胞株を処理し、韓国産エゾウコギ抽出物を混合し、C57BL/6マウスに、前記混合物を2週間隔で2回皮下注射して実験群として使用した。対照群と実験群の最終投与10日後に、マウスから脾臓細胞を滅菌的に取出し、抗原であるP815細胞株を試験管内で6時間同時培養した。本比較例による腫瘍細胞に対する細胞性免疫能を測定するCTL活性の測定は培養終了後に死滅した細胞が放出する乳酸デヒドロゲナーゼの量を乳酸デヒドロゲナーゼキット(LDH kit)で測定し、その結果を下記表15に示した。【0110】CTL活性(%)は以下のような公式によって算出される。【0111】CTL活性(%)=[実験的放出量(experimental release)−自然的放出量(spontaneous release)/最大放出量(maximum release)−自然的放出量(spontaneous release)]×100【0112】【表15】【0113】前記表15に示すように、抗原であるP815肥満細胞株が免疫化されたマウスの脾臓細胞は、抗原で処理されていない対照群に比べ、P815肥満細胞株の破壊効果が2〜36%増加した結果を示し、異種抗原に対する脾臓細胞の破壊効果が増進した結果を示した。また、同一条件で韓国産エゾウコギ抽出物500μgを同時投与したマウスの脾臓細胞は、78%の破壊効果を示し、抗原のみを投与した場合に比べて約2倍以上増加した活性を示した。その破壊程度は、E/T比率が脾臓細胞(effector cell)/標的細胞(Target cell)であるので脾臓細胞の濃度に比例した。前記P815肥満細胞株に対する破壊効果は主にCTLによる破壊能であるとみなされるが、韓国産エゾウコギ抽出物は腫瘍に対する特異性を有する細胞性免疫能を増進させる活性があるという結果を示した。【実施例16】【0114】[抗原特異的リンパ球の活性化]対照群として実施例15のマウスから分離した肥満細胞株で免疫化された脾臓細胞(responder)と不活化腫瘍細胞株(effector)とを混合し、前記混合物を試験管内で3日間培養して不活化腫瘍細胞株による脾臓細胞の増殖分析をMTT法で行なった。実験群として前記肥満細胞株で免疫化された脾臓細胞に韓国産エゾウコギ抽出物500μgを試験管内で3日間培養して脾臓細胞の増殖分析をMTT法で行なっており、その結果を下記表16に示した。【0115】【表16】【0116】前記表16に示すように、韓国産エゾウコギ抽出物を同時投与したマウスのP815肥満細胞株が免疫化された脾臓細胞からなる実験群は、抗原である不活化腫瘍細胞のみを注射したマウスのP815肥満細胞株が免疫化された脾臓細胞からなる対照群に比べて、前記抗原に対して有効な細胞増殖活性を示しており、前記細胞増殖活性は再刺激する前記抗原に比例して増加した。したがって、韓国産エゾウコギ抽出物は前記抗原に対するT細胞の免疫能を増加させる活性があるという結果を示し、実施例15の結果を支持しており、この結果から韓国産エゾウコギ抽出物の投与は腫瘍だけでなくウイルス及び感染細胞などに対する効果的な抗原特異的細胞性免疫能を増進させる活性があることを確認した。【実施例17】【0117】[抗原特異的シトキンの誘導活性]P815肥満細胞株に対する細胞性免疫能の増進効果は活性化したT細胞から誘導されるシトキンによって誘導されるとみなされ、マウスにPBSのみを投与して対照群とし、P815肥満細胞株のみをマウスに投与しても一つの対照群とした。P815肥満細胞株と韓国産エゾウコギ抽出物をマウスに投与して実験群とした。2つの対照群と実験群でP815肥満細胞株に敏感になったマウスの脾臓細胞の培養上澄液を利用して体液性免疫機構を調節するTh−細胞のTh1及びTh2形態の細胞から誘導されるシトキンであるIL−2,IFN−γ及びIL−4の誘導の有無を各シトキンキットを利用して測定し、その結果を下記表17に示した。【0118】【表17】【0119】前記表17に示すようにPBSを投与したマウスの場合、2つのタイプのシトキンとも検出限界以下のシトキンが検出されたが、韓国産エゾウコギ抽出物を抗原と共に投与した場合は抗原単独を投与した場合に比べて2倍以上量のシトキンが誘導されたことを確認した。この結果から韓国産エゾウコギ抽出物は腫瘍抗原に対して細胞性免疫能を増進させるTh1タイプのシトキンだけでなく、抗体生産に関する体液性免疫反応を増進させるTh2タイプのシトキンであるIL−4の誘導を増進させる活性があることを確認した。【実施例18】【0120】[韓国産エゾウコギ加熱抽出物の全身性過敏ショック(Anaphylactic shock)実験]ICRマウスに、アレルギー誘発物質であるコンパウンド(compound)48/80を8mg/kgを腹腔注射することにより、過敏性ショックを誘導した。多様な濃度に調節した韓国産エゾウコギ加熱抽出物をICRマウスに腹腔投与し、30分後にヒスタミン(Histamine)の誘導物質であるコンパウンド48/80を、マウス25g当り150μgになるようにPBS(Phosphate Buffered Saline)に溶解して腹腔注射し、1時間後にマウスを観察して死亡率を調査し、その結果を下記表18に示した。【0121】【表18】【0122】表18に示すようにコンパウンド48/80が投与されたマウスを1時間後に生存の有無を観察した結果、全身性過敏性ショックによって100%死亡した。反面、エゾウコギ加熱抽出物を予め投与したマウスはその投与量に応じて死亡率が低くなる結果を示した。【0123】また、コンパウンド48/80(150μg/マウス)によって誘導される全身性過敏性ショックをエゾウコギ加熱抽出物で治療する効果を検査するためにコンパウンド48/80投与と同時に或いは投与後に、エゾウコギ加熱抽出物を注射した場合、マウスの死亡率に与える効果を検査し、その結果を下記表19に示した。【0124】【表19】【0125】前記表19に示すようにエゾウコギ加熱抽出物はマウスの死亡率を抑制することによって治療活性を有することを確認した。コンパウンド48/80の投与10分後に各々2000μgの試料を投与した場合、韓国産エゾウコギ加熱抽出物はマウスの死亡率を30%に抑制した。【実施例19】【0126】[エゾウコギ加熱抽出物によるプラズマ(Plasma)内のヒスタミン含量変化]実施例18の実験後、マウスから血液を取ってヒスタミン分析キットを利用して血液内に誘導されたヒスタミンの量を測定した。その結果、韓国産エゾウコギ加熱抽出物はマウス血液内ヒスタミンの含量を抑制した。つまり、エゾウコギ加熱抽出物をマウス腹腔内注射して30分後に、コンパウンド48/80で処理してショックを誘導した後、マウスから血液を取って血中ヒスタミンの含量をEIAキットを利用して測定し、その結果を下記表20に示した。【0127】【表20】【0128】前記表20を見れば、血中ヒスタミン含量はエゾウコギ加熱抽出物の濃度に応じて減少する結果を示した。【実施例20】【0129】[化学的調節による血管透過性に対する反応]遅延型アレルギー抗原としてジニトロフェニル−ヒト血清アルブミン(dinitrophenyl−human serum albumin:DNP−HSA)をマウス静脈に注射し、48時間後にanti−DNP IgEを皮内注射した。抗体の注射後、48時間後に再び抗原をエバンスブルー(evans blue)と混合して再感作させてIgE抗体による遅延型アレルギー反応を誘導した。抗アレルギー活性を検査するために、抗原の再感作1時間前に、抗体を多様な濃度(5000〜313μg/マウス)に調整して腹腔注射した。抗原再感作30分後にマウスを死亡させ、皮膚感作部位を除去して皮膚から流出した色素エバンスブルーの含量を測定した。エバンスブルーの含量測定は1mlの0.1N−水酸化カリウム(0.1N−KOH)に9mlのアセトンを添加した溶液とリン酸(phosphoric acid)を5:13で混合した溶液に前記感作部位皮膚を入れて色素を流出させ、620nmで吸光度を測定して測定し、その結果を下記表21に示した。【0130】【表21】【0131】前記表21から分かるように、投与されたエゾウコギ加熱抽出物の投与量に反比例して、前記抗原と混合されて皮膚から流出した色素の含量が少なくなる活性を示した。【実施例21】【0132】[肥満細胞からのTNF−αの測定]遅延型アレルギー反応において韓国産エゾウコギ加熱抽出物がTNF−αとヒスタミンの生成に与える程度を測定した。実験のための肥満細胞株としてはRBL−2H3細胞株を利用した。試験管内でRBL−2H3細胞株にanti−DNP IgEを添加して感作させるとき、韓国産エゾウコギ抽出物を多様な濃度に調整して16時間、同時培養した。本発明の抗アレルギー効果は、培養終了4時間前に抗原DNP−HSHを添加して前記抗原DNP−HSHによって培養培地に誘導されたTNF−α及びヒスタミン量を測定することで検査した。培養培地に誘導されたTNF−α及びヒスタミンの量は各々に対する分析キットを利用して測定し、その結果を下記表22に示した。【0133】【表22】【0134】前記表22から分かるように、韓国産エゾウコギ加熱抽出物の経口投与はTNF−α及びヒスタミンの誘導を抑制した。【実施例22】【0135】[血中の好酸球(eosinophil)の含量測定]アレルギー誘発物質であるコンパウンド48/80で処理したマウスでエゾウコギ加熱抽出物処理が血中好酸球の含量に与える程度を測定してその結果を下記表23に示した。【0136】【表23】【0137】前記表23を見れば、対照群(Compound48/80処理群;150μg/head)に比べて好酸球含量の効果的な減少を誘導した。本発明は、アレルギー誘導においてIgEに対する受容体を有する好酸球の局所的流入を抑制して、ヒスタミンが誘導される抗原−抗体間の反応を抑制する作用を有することが確認され、抗体による局所的PCA反応を抑制した前記の結果を立証した。【実施例23】【0138】[IgE生産に与える影響]IgE生成のためにオバルブミン(Ovalbumin)1μgを抗原として、明ばん(alum)1mgを補助剤として用いた。6週齢のICRマウスの腹腔にオバルブミン抗原1μgで免疫化し、免疫化13日後に試料である韓国産エゾウコギ加熱抽出物を多様な濃度に調整して腹腔投与した。試料処理1日後、免疫原に追加免疫(booster)を注射し、マウスから取った血液をエリサ法で抗体の力価を測定した。つまり、抗原であるオバルブミンを、コーティングバッファーで希釈して96培地にコーティングし、洗浄と遮断後、マウスから採取した血清を2倍希釈法で希釈して抗体がコーティングされた各培地に塗布した後、培養した。抗体の力価測定のために、ヤギ−抗−マウス(goat−anti−mouse)IgEを添加して30分反応させた後、基質溶液(TMB)を入れて発色反応させた。その後、同量の2N−硫酸溶液2N−H2SO4を添加して反応を中止させ、450nmで吸光度を測定してその結果を下記表24に示した。正常マウス血清の吸光度値の2倍である血清の希釈比が抗体の力価であると考えられる。【0139】【表24】【0140】前記表24から分かるように、韓国産エゾウコギ加熱抽出物1000μgまでの投与はIgEの生産を、抗原単独で免疫化した対照群とほとんど同じ水準に下げ、200μgまでの投与はIgE生産を抑制した。反面、外国産エゾウコギ抽出物は200μgの投与で明ばん(alum)を添加して免疫した場合と同程度のIgEを生産し、韓国産エゾウコギ抽出物が外国産エゾウコギ抽出物に比べてIgEの生産において約2倍程度の高い活性を示した。【図面の簡単な説明】【0141】【図1】図1は、韓国産エゾウコギの抽出蛋白質に含まれている蛋白質成分の分子量を示す電気泳動結果を示す図である。【図2】図2は、韓国産エゾウコギ抽出物の抽出蛋白質を蛋白質の抗体と結合させて抽出蛋白質の蛋白質存在有無とサイズを検査するウェスタンブロッティング(Western Blotting)の結果を示す図である。【図3】図3は、韓国産エゾウコギ粗抽出物を添加した対照群と韓国産エゾウコギ粗抽出物と抗体を添加した実験群の吸光度(O.D.)値を比較測定して韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞のシトキン(TNF−α)誘導抑制能に対する結果を示す図である。【図4】図4は、韓国産エゾウコギ粗抽出物を添加した対照群と韓国産エゾウコギ粗抽出物と抗体を添加した実験群の吸光度(O.D.)値を比較測定して韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞のシトキン(IL−1))誘導抑制能に対する結果を示す図である。【図5】図5は、韓国産エゾウコギ粗抽出物を添加した対照群と韓国産エゾウコギ粗抽出物と抗体を添加した実験群の吸光度(O.D.)値を比較測定して韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞のシトキン(IFN−γ)誘導抑制に対する結果を示す図である。【図6】図6は、韓国産エゾウコギ粗抽出物を添加した対照群と韓国産エゾウコギ粗抽出物と抗体を添加した実験群の吸光度(O.D.)値を比較測定して韓国産エゾウコギ抽出物が与える大食細胞のシトキン(IL−6))誘導抑制能に対する結果を示す図である。【図7】図7は、韓国産エゾウコギ加熱による粗抽出物のTLC分析結果を示す図である。 韓国産エゾウコギから抽出されたエゾウコギ抽出物またはこれに由来する免疫調節活性を有する抽出蛋白質。 前記抽出蛋白質は、22,000乃至100,000の巨大分子量を有する少なくとも6種以上の蛋白質を含むことを特徴とする請求項1に記載の抽出蛋白質。 韓国産エゾウコギ抽出物に由来する、免疫調節活性を有することを特徴とする粗蛋白多糖類。 韓国産エゾウコギをリン酸緩衝食塩水で抽出して、100%飽和アンモニウムスルフェート溶液を添加して、抽出液の最終濃度が70乃至80%になるように調整した後、軽く攪拌して蛋白質を沈殿させ、前記抽出蛋白質をリン酸緩衝食塩水で溶解して、得られた混合物を2日間透析した後、前記混合物を遠心分離して上澄液を回収し、前記上澄液をろ過してろ液を得た後、前記ろ液を凍結乾燥する段階を含むことを特徴とする免疫調節活性を有する抽出蛋白質の製造方法。 韓国産エゾウコギ抽出物にエタノールの最終濃度が70〜80%になるように添加し、軽く攪拌した後、遠心分離して沈殿物を回収し、前記回収された沈殿物を蒸溜水に溶解した後、得られた混合物を蒸溜水に対して透析し、回収された物質を凍結乾燥する段階を含む免疫調節活性を有する粗蛋白多糖類の製造方法。 韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物からなる群から選ばれた、免疫調節活性を有する成分を有効成分として含むことを特徴とする免疫調節用組成物。 前記エゾウコギ抽出物は抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類抽出物以外の多糖類及びその他の水溶性物質をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の免疫調節用組成物。 請求項6に記載の免疫調節用組成物を有効成分として含む機能性食品。 請求項6に記載の免疫調節用組成物を有効成分として含む化粧品。 請求項6に記載の免疫調節用組成物を有効成分として含む薬剤組成物。 本発明は韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類、そしてこれを有効成分とする免疫調節用組成物及びその用途に関する。より詳しくは、免疫増強に有効な効果を示し、抗アレルギー効果が非常に優れていて、機能性食品、化粧品及び薬剤組成物の有効成分として用いることができる韓国産エゾウコギ抽出物、これに由来する抽出蛋白質及び粗蛋白多糖類、そしてこれを有効成分とする免疫調節用組成物及びその用途に関する。【選択図】図1