タイトル: | 特許公報(B2)_ヒドロキシルアミン安定剤の製造方法及び精製方法 |
出願番号: | 2003414120 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07C 227/18,C07C 227/42,C07C 229/46 |
イール、イー、ワード ダニエル、フレンチ JP 4554193 特許公報(B2) 20100723 2003414120 20031212 ヒドロキシルアミン安定剤の製造方法及び精製方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 江藤 聡明 100100354 イール、イー、ワード ダニエル、フレンチ US 10/320082 20021216 20100929 C07C 227/18 20060101AFI20100909BHJP C07C 227/42 20060101ALI20100909BHJP C07C 229/46 20060101ALI20100909BHJP JPC07C227/18C07C227/42C07C229/46 C07C 227/18、227/42、229/46 CASREACT(STN) 米国特許第02519708(US,A) 特表2001−522345(JP,A) LIN, Shaw-Tao et al.,Synthesis,1989年,Issue 7 ,pp.548-549 7 2004196796 20040715 10 20060914 神野 将志 本発明は、超高純度の1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸(CDTA)化合物の製造方法及びヒドロキシルアミン化合物用の安定剤としての使用に関する。 ヒドロキシルアミン化合物は種々の処理工程、特にマイクロエレクトロニクス、製薬、及び農業産業の処理工程において重要な中間化合物である。マイクロエレクトロニクス産業では、ヒドロキシルアミン化合物はプリント配線板の製作、マイクロエレクトロニクスチップの製造及び類似する技術に使用される。例えば、ヒドロキシルアミン化合物は、ポリアミド被覆物等の現像されたフォトレジストを金属薄膜から取り除くためのいわゆる「ストリッパー」溶液の成分として広く利用されている。製薬産業及び農業化学では、この化合物は市販品の種々の化学合成で中間体として使用されている。 これらの目的の大半では、ヒドロキシルアミン溶液を利用するために材料が超高純度の状態であることが必要である。電子部品の製造での全段階にわたる主な懸念は汚染である。汚染の管理が製品の品質にとって重要である。これら必要条件は、非常に高密度な回路機構の製造及び超高精度な製造で特に重要である。しばしば、ヒドロキシルアミンの溶液は陰イオン及び陽イオン不純物、特に種々の金属及び金属イオン汚染物の望ましくない量を含む。ヒドロキシルアミンのフォトレジストストリッパー溶液では、このような不純物が微量でも半導体チップ上にその製造時に導入されると、結晶構造中に、局所的な欠陥を形成する傾向となり、その後望ましくないピッチングを形成し、チップを欠陥の有る又は意図された目的に使用できないものにする。 通常、塩化ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン塩から、アンモニア、アルカリ金属水酸化物(alkali metal hydroxides)又はアルコラート等の適当な塩基の作用により遊離させた、遊離塩基(free base)の状態でヒドロキシルアミンを使用する必要がしばしばある。中性又はアルカリ性のヒドロキシルアミン溶液は不安定であり、内部の酸化−還元反応により発熱して分解し、アンモニア、窒素、窒素酸化物及び水を形成する。 分解速度はpHが高く且つ触媒活性を示す不純物の濃度が高いと加速される。ヒドロキシルアミンの分解を避けるため、溶液に安定剤が加えられる。ヒドロキシルアミン用の多くの安定剤がすでに知られている。しかしながら、現在提供されている安定剤は、ヒドロキシルアミンそれ自体を汚染せず又溶液を精製するために使用されたイオン交換樹脂を汚染しないものはほとんどない。 参照することにより本明細書に取り込まれる米国特許No.4166842(Tunick等)には液/液抽出によるヒドロキシルアミンの精製が開示されている。 参照することにより本明細書に取り込まれる米国特許No.5808150(Micheotti)には、1,2−ジアミノ−シクロヘキサン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸(”CDTA”)を利用して分解を最少限にし、ニトリロトリ酢酸及びエチレンジアミンテトラ酢酸等の公知の安定剤よりも長期に亘って安定させる、ヒドロキシルアミン又は部分的に中和されたヒドロキシルアミン塩を含む安定水溶液、半水溶液又は非−水溶液が開示されている。しかしながら、製造目的に商業的に供給されるので、CDTAは相当量の望ましくない金属および金属イオンを含み、これにより低安定量(即ち百万に対して100部)の条件下でさえ処理される望ましくない物質のヒドロキシルアミン溶液を増加させ、超高純度グレード(銘柄)のヒドロキシルアミン化合物溶液に要求される10億に対して10部の許容限界を超過する。 特にヒドロキシルアミン化合物溶液の安定剤として使用するために、超高純度CDTAを製造する経済的で且つ比較的簡易な製造方法が明らかに必要であり、この製造方法により、広範囲の種々の用途、特にヒドロキシルアミンの高純度水溶液を必要とする用途で使用する場合に許容可能な生成物の高収率を提供する。 この要件は、以下の工程、 (a)水性溶媒中のクロロ酢酸を非金属アミノ又は水酸化物塩基化合物で、10℃未満の温度にて中和する工程、 (b)前記中和されたクロロ酢酸を1,2−ジアミノヘキサンで、80℃未満の温度にて反応させる工程、 (c)非金属アミノ又は水酸化物塩基を添加して中和を完了させ、水性混合物を形成する工程、 (d)水性混合物を100℃未満の温度に加熱する工程、 (e)(d)からの混合物を濾過する工程、 (f)沈殿物が生成するまで水性濾液を塩酸で処理する工程、 (g)水性濾液を濾過する工程、そして (h)1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸を回収し、必要により該1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸を水溶液中で再溶解させ、そして工程(c)を繰り返す工程、を含むcis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸の製造方法によって満足される。 更に、上記課題は、以下の工程、 (a)クロロ酢酸の水溶液を非金属アミノ又は水酸化物塩基で中和する工程、 (b)cis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを高温で工程(a)の中和されたクロロ酢酸と反応させる工程、 (c)工程(b)で得られた生成物を非金属アミノ又は水酸化物塩基で処理する工程、 (d)工程(c)で得られた生成物を酸で処理する工程、及び (e)形成した生成物を回収する工程、 を含むcis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸の製造方法であって、 工程(a)の非金属アミノ又は水酸化物塩基は、工程(c)の非金属アミノ又は水酸化物塩基とは異なるものであることを特徴とする製造方法によって解決される。 更に、上記課題は、以下の工程、 以下の工程、 (a)クロロ酢酸の水溶液を非金属アミノ又は水酸化物塩基で中和する工程、 (b)cis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを高温で工程(a)の中和されたクロロ酢酸と反応させる工程、 (c)工程(b)で得られた生成物を非金属アミノ又は水酸化物塩基で処理する工程、 (d)工程(c)で得られた生成物を酸で処理する工程、及び (e)形成した生成物を回収する工程、 を含むcis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸の製造方法であって、 工程(a)の非金属アミノ又は水酸化物塩基は、テトラメチル水酸化アンモニウムであり、工程(b)では、水酸化アンモニウムであることを特徴とする製造方法によって解決される。 [好ましい実施の形態の詳細な説明] cis−又はtrans−1,2−ジアミノ−シクロ−ヘキサン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸の合成は水性媒体中で実施される多段階処理であり、少なくとも脱イオン水を使用するが蒸留水を使用することが好ましい。最初の段階はクロロ酢酸及び非金属アミン又は水酸化物塩基溶液を含む中和反応を含有する。 クロロ酢酸は水中に約20〜70質量%、好ましくは約30質量%の濃度で溶解され、温度を0℃まで低下させる。この温度で約半分の中和剤が、非金属アミノ又は水酸化物塩基溶液の10質量%溶液状態で加えられ、10℃未満の温度に維持されながらクロロ酢酸−非金属イオン性錯体の生成が開始される。cis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンが加えられ、及び反応混合物は徐々に加熱される。cis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの使用は、cis−又はtrans−CDTAの何れが生成されるかを決定する。立体異性体は未変化のままである。温度が約20℃に達した時、残りの半分の中和剤が滴下されると共に75℃−80℃の温度まで徐々に加熱される。中和剤の添加が完了した後、この反応は攪拌され、1時間約100℃に、しかし100℃を越えないように加熱される。反応終了後、混合物は冷却され、例えばアスピレータフィルターを使用して濾過され、形成した結晶を分離する。濾液は濃塩酸で徐々に酸性にされる。約pH3で濾液中に沈殿物が結晶として形成され始める。その後濾液は、一般に5〜10分間攪拌される。攪拌時間終了後、更に塩酸がpH2に達するまで滴下される。更に5〜10分間攪拌が継続され、そして濾液が濾過され、CDTA結晶が回収される。一定の攪拌及び塩酸を徐々に添加することが収率を最大限にするのに重要である。合成の最終工程には、再結晶化が含まれ、上述のように製造された少量のCDTAが、脱イオン水に溶解され、十分な量の非金属塩基溶液が、溶液中に結晶が溶解(約pH6〜7条件で)するまで加えられる。CDTAが沈殿するまで(約pH4条件)、希塩酸が徐々に滴下される。濾液は希塩酸で処理され、沈殿が生成した(約pH2条件)。全ての沈殿を集めて更に処理しても良い。 本発明による、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸の合成は、水溶液媒体で行われる多段階処理であり、以下の式では種々の段階での反応を示し、第1段階の塩基の例としてTMAOHが使用され第2段階の塩基の例として30%のNH4OHが使用される: 第1工程(工程(1)) 第2工程(工程(2)) TMA:トリメチルアンモニウム TMAOH=水酸化トリエチルアンモニウム 但し、RはCH2COOTMAでありR1はCH2COOHである。 上記合成スチームにより、再結晶工程が行われて、微量の望ましくない金属及び金属イオンを実質的に除去する。上記のように、この処理では、非金属アミノ又は水酸化物塩基をpH6〜7まで添加する脱イオン水にCDTAを溶解させ、希塩酸をpH4まで徐々に添加することによりCDTAを沈殿させる。沈殿が生成した後、希塩酸の添加はpH2に達するまで続けられる。これにより製造されるCDTAは超高純度グレードである。 非金属アミノ又は水酸化物塩基は、合成又は再結晶化工程用のためにCDTAの遊離酸の溶解用に使用される。合成処理に、非金属アミノ又は水酸化物塩基は工程(1)及び(2)で使用される必要がある。塩基は同一のカセイアルカリである必要はない。例えば、工程(1)で水酸化トリメチルアンモニウムが使用され、工程(2)で水酸化アンモニウムが使用される。 CDTAの合成で有用な非金属アミノ又は水酸化物塩基は、以下の式: NH4OH RXNHY+OH− [但し、R=アルキル、x=1〜4、y=0〜3、x+y=4である。] RXNHY [但し、R=アルキル又はアルカノール、x=1〜3、y=0〜2、x+y=3である。] (NH4)XHYPO4 [但し、x=1〜3、y=0〜2、x+y=3である。] (RXNHY)アセテート [但し、R=アルキル、x=0〜4、y=0〜4、x=y=4である。] によって表されるのが適当である。 適当な塩基の例は水酸化ナトリウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム、アルカノールアミノ(例えば、モノエタノールアミン、イソプロピルアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール)、2−アミノ−2−エトキシプロパノール、水酸化アンモニウム等である。水酸化アンモニウムを使用する場合、溶液は新たに作成され、6時間以内に使用されることが好ましい。なぜなら約6時間の保管後、溶液は濃度の減少を開始し、24時間後では低下が広範囲に及ぶようになるからである。 一般に商業用に提供されたCDTAは1000〜5000ppmの望ましくない金属又は金属イオンを含んでいる。従って、ヒドロキシルアミン溶液に安定剤を一般的な量の約100ppm添加することにより、望ましくない金属又は金属イオンは100〜500ppbの範囲となる。これは、一般にすべての望ましくない金属が10ppb未満でなければならない電子工学グレードの超高純度グレードヒドロキシルアミン水溶液を安定させることにとって明らかに容認できないことである。 高精度の電子部品の製造に大混乱を引き起こす金属にはアルカリ、アルカリ土類金属、遷移金属及びこれらのイオンが含まれる。一般に遭遇される望ましくない金属及び対応するイオンの特定例にはアルミニウム、カルシウム、クロム、コバルト、銅、鉄、マグネシウム、カリウム及びナトリウムが含まれる。 ヒドロキシルアミン又は少なくとも部分的に中和されたヒドロキシルアミン塩溶液を安定させるのに使用される安定剤の量は、組成物に対して約0.001〜約0.1質量%の範囲である。安定剤の量は同一の基準で約0.01〜約0.5パーセント(100〜500ppm)の範囲が好ましい。遊離ヒドロキシルアミン、即ち完全に中和された塩の水溶液は、ヒドロキシルアミンの塩(ヒドロクロリド、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、等)と、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム等)又はアンモニアとの反応によって製造され得る。ヒドロキシルアミン塩の濃度は通常水溶液に対し少なくとも約1質量%であり、約70%以下又は70%を越える範囲とすることができるが、通常約10〜70質量パーセントの範囲である。ヒドロキシルアミン塩溶液に安定剤を添加した後に塩基で中和することが最良であるが、安定剤を少なくとも部分的に中和されたヒドロキシルアミン塩及び塩−遊離ヒドロキシルアミン溶液に添加することも可能である。添加中の温度は、5℃〜約40℃に維持されることが有利である。安定化溶液は40℃、好ましくは25℃未満で保管される。 驚くべきことに、本発明の安定剤はクラウンエーテルの概念上及び実際に類似する籠効果を提供する。これは、本発明の安定剤の化学的及び物理学的性質によるものである。安定剤は、少量使用される場合、ホスト分子(host molecule)として作用し、錯体又は付加体の形成に必要な形状を取って周囲に「籠」及びアルカリ又は多原子価の金属イオンを形成する。この作用により、ストリップ合成物として使用される時、ストリップ中に金属又は非金属ウエハー基板上における多価アルカリ金属イオンの再体積を防止する。この目的のために、本発明の安定剤をヒドロキシルアミンと無関係にストリッパー形式で使用できる。 ヒドロキシルアミン化合物は、ヒドロキシルアミン又は少なくとも部分的に中和されたヒドロキシルアミン塩及び有機ヒドロキシルアミンの溶液を含む、本発明の超高純度CDTAによって安定化され得る。ヒドロキシルアミン化合物は下式、 NR3R2OH [但し、R3及びR2が独立して水素又は1〜約6個の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり、好ましくはR3及びR2が独立して水素又は1〜約3個の炭素原子を含むヒドロカルビル基である。]で表されても良い。 R2及びR3の特定例は、水素及び、メチル、エチル、イソプロピルを含むプロピル、ブチル等のアルキル基を含む。R2及びR3が水素である実施の形態において、ヒドロキシルアミン化合物はヒドロキシルアミンである。少なくとも一個のR2及びR3がヒドロカルビル基である実施の形態では、ヒドロキシルアミン化合物は有機ヒドロキシルアミンである。「ヒドロカルビル」という用語は、ヒドロカルビル並びに非ヒドロカルビル置換基がヒドロカルビル置換基の特徴又は性質の作用を奏しないことを意味する実質的にヒドロカルビルを含むように使用されている。有機ヒドロキシルアミンの例は、メチルヒドロキシルアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン及びジエチルヒドロキシルアミンを含む。 以下の実施例は、実例を説明することのみを目的にしたものであり、請求項の記載を除いて本発明を限定的に解釈するものではない。特述べない限り、すべての割合及び百分率は質量換算である。 (実施例1) 温度計、反射キャップ(reflex cap)付濃縮カラム(condensing column)及びストップコック付液滴カラム(graduated liquid dropping column)を備えた容器に、85gのクロロ酢酸が投入され、200gの脱イオン水(DI)に溶解された。この溶液は0℃まで冷却され、及び135gの水酸化テトラメチルアンモミウム10%水溶液が加えられ酸が中和された。中和中において温度は10℃を超えることはなかった。26gの1,2−ジアミノシクロヘキサンが加えられ、反応混合物が100℃で1時間攪拌され、その後室温まで冷却された。生成物は100gの濃塩酸でpH3に徐々に酸化され、その際にごった溶液が形成した。このにごった溶液は、約5〜10分間攪拌された。更に濃塩酸がpH2に達し沈殿が形成されるまでゆっくり加えられた。生成物は濾過され、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸結晶が回収された。 CDTA結晶の一部(39.9g)が他の容器において100mlのDI水に溶解され、そこに、一定に攪拌しながら(新たに作成された)30%の水酸化アンモニウム水溶液が、CDTA結晶のすべてが溶解してpH6〜10で透明溶液を形成するまで加えられた。18.5%の希塩酸が、にごった溶液中にCDTAが再結晶を開始するpH4に達するまで徐々に滴下された。混合物が約5〜10分間攪拌された。5%に希釈された塩酸が、pH2に達し結晶化が完了するまで徐々に滴下された。この混合物は濾過され、CDTAが回収された。 ヒドロキシルアミンを精製する、イオン交換処理の使用法は良く知られている。以下の実施例は、イオン交換法によって精製された超高純度グレードのヒドロキシルアミンを安定化させるための本発明のCDTAの使用法を示している。 (実施例2) ストップコック付きの1インチ径のガラスカラムに25mlのPurolite CT−151カチオン交換樹脂が充填された。カラムを1リットルのDI水でフラッシュした。その後、樹脂は10%塩酸1000mlでフラッシュされた。カラムは帰納的に組み合わせられたプラズマ(ICP)分析で試験され、望ましくないすべてのカチオンが除去されたかどうかを測定した。その後カラムは塩化物イオンが0.5ppm未満のレベルになるまでDI水でフラッシュされた。 5%のヒドロキシルアミン溶液がカラムに注がれ、酸基をアミノ塩に転換し、及びおだやかな発熱反応が起こった。等温線の完成後、50%のヒドロキシルアミン溶液がカラムに通過された。 ガラス製カラムはパート1同様Purolite陰イオン交換樹脂A−400で準備された。1000mlの8%KOHがカラムを通過し、カラムはその後ICPによるK+分析値が5ppb未満になるまで2リットルのDI水でフラッシュされた。処理された50%のヒドロキシルアミン溶液はその後陰イオン交換樹脂を通過した。これにより得られた溶液は0.5質量%の1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸で安定化された。得られた溶液は、金属及び金属イオン含有量が10ppb未満のフォトレジストストリップ化合物の製造に使用可能であった。 本発明を好ましい実施の形態に基づいて説明したが、発明の詳細な説明によって当業者がこれらの種々の修正を行うのは明らかであると理解される。このため、開示した本発明は特許請求の範囲内である限りかかる修正を含む意向であると理解されるべきである。 以下の工程、 (a)水性溶媒中のクロロ酢酸を非金属アミノ又は水酸化物塩基化合物で、10℃未満の温度にて中和する工程、 (b)前記中和されたクロロ酢酸を1,2−ジアミノヘキサンで、80℃未満の温度にて反応させる工程、 (c)非金属アミノ又は水酸化物塩基を添加して中和を完了させ、水性混合物を形成する工程、 (d)水性混合物を100℃未満の温度に加熱する工程、 (e)(d)からの混合物を濾過する工程、 (f)沈殿物が生成するまで水性濾液を塩酸で処理する工程、 (g)水性濾液を濾過する工程、そして (h)1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸を回収し、必要により該1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸を水溶液中で再溶解させ、そして工程(c)を繰り返す工程、を含むcis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸の製造方法。 非金属アミノ又は水酸化物塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、モノエタノールアミン、イソプロピルアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−エトキシプロパノール及びこれらの混合物から成る群から選ばれる請求項1に記載の製造方法。 工程(a)の非金属アミノ又は水酸化物塩基は、工程(c)の非金属アミノ又は水酸化物塩基とは異なるものである請求項1又は2に記載の製造方法。 工程(a)の非金属アミノ又は水酸化物塩基は、テトラメチル水酸化アンモニウムであり、工程(b)では、水酸化アンモニウムである請求項1又は2に記載の製造方法。 水酸化ナトリウムが工程(a)及び(c)で水酸化物塩基として使用されている請求項1又は2に記載の製造方法。 以下の工程、 (a)クロロ酢酸の水溶液を非金属アミノ又は水酸化物塩基で中和する工程、 (b)cis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを高温で工程(a)の中和されたクロロ酢酸と反応させる工程、 (c)工程(b)で得られた生成物を非金属アミノ又は水酸化物塩基で処理する工程、 (d)工程(c)で得られた生成物を酸で処理する工程、及び (e)形成した生成物を回収する工程、 を含むcis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸の製造方法であって、 工程(a)の非金属アミノ又は水酸化物塩基は、工程(c)の非金属アミノ又は水酸化物塩基とは異なるものであることを特徴とする製造方法。 以下の工程、 (a)クロロ酢酸の水溶液を非金属アミノ又は水酸化物塩基で中和する工程、 (b)cis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを高温で工程(a)の中和されたクロロ酢酸と反応させる工程、 (c)工程(b)で得られた生成物を非金属アミノ又は水酸化物塩基で処理する工程、 (d)工程(c)で得られた生成物を酸で処理する工程、及び (e)形成した生成物を回収する工程、 を含むcis−又はtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸の製造方法であって、 工程(a)の非金属アミノ又は水酸化物塩基は、テトラメチル水酸化アンモニウムであり、工程(b)では、水酸化アンモニウムであることを特徴とする製造方法。