タイトル: | 特許公報(B2)_第3級アミンの製造方法 |
出願番号: | 2003411905 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C11D 1/62,C11D 3/395,C07C 213/02,C07C 219/06,D06L 3/00 |
大田和 康規 JP 4455036 特許公報(B2) 20100212 2003411905 20031210 第3級アミンの製造方法 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 溝部 孝彦 100076680 持田 信二 100091845 義経 和昌 100098408 大田和 康規 20100421 C11D 1/62 20060101AFI20100401BHJP C11D 3/395 20060101ALI20100401BHJP C07C 213/02 20060101ALI20100401BHJP C07C 219/06 20060101ALI20100401BHJP D06L 3/00 20060101ALI20100401BHJP JPC11D1/62C11D3/395C07C213/02C07C219/06D06L3/00 C11D 1/62 C07C 213/02 C07C 219/06 C11D 3/395 特表2001−500473(JP,A) 特開2003−020497(JP,A) 特表平08−511560(JP,A) 特開2002−284747(JP,A) 特開平07−216396(JP,A) 特開平03−234796(JP,A) 特開2002−082389(JP,A) 2 2005170831 20050630 15 20061206 品川 陽子 本発明は界面活性剤、界面活性剤中間体、医農薬中間体などとして有用なエステル基を持つ第3級アミンを、高品質、且つ高収率で得ることのできる生産性の高い製造法、その第3級アミンを4級化して得られる第4級アンモニウム塩組成物、並びにそれを含有する漂白性能に優れた漂白剤組成物に関する。 近年、界面活性剤は様々な要求により、構造が多種多様となってきている。その中でエステル基を持つ界面活性剤は性能上有用であるだけでなく、使用後速やかに分解されやすいため、環境を考慮した基剤としても有用である。特許文献1にはエステル化反応として、酸クロライドとアルコールを反応させる方法が記載されているが、反応を促進させるためにはアルカリが必要であることと、副生する塩を除去する必要があり、工業的製造法としては不向きである。 一方、特許文献2には公知のエステル化反応として脂肪酸やその低級アルキルエステルとアルコールを用いて、140〜230℃で加熱することが記載されている。しかし、原料アルコールの沸点がエステル化反応温度と同等かそれ以下の場合、反応中に脱離した水又は低級アルコールと共に原料アルコールが系外に留出しやすくなる。このため脂肪酸又はその低級アルキルエステルとアルコールが等モル前後の場合には反応が完結することなく原料の脂肪酸やその低級アルキルエステルと目的のエステル化合物との混合物が得られる。未反応の原料脂肪酸やその低級アルキルエステルが多く存在すると不純物の増加につながり、また原料由来の匂いにより品質上問題となることがある。この混合物から、原料を除去する目的で蒸留精製をしても、沸点の差が小さい場合、高純度品を得るには精製負荷が大きくなり、工業的にも安価に製造することは難しい。またアルコールの量を過剰にして反応を行っても、アルコールの沸点以上の温度で反応を行う場合、アルコールが系外へ留出し、反応を完結させることも難しい。特開2002−341593号公報特開平8−245831号公報 本発明者らは、第4級アンモニウム塩を漂白剤用途に用いた場合、脂肪酸低級アルキルエステル(脂肪酸メチル、脂肪酸エチル等)が存在すると性能を低下させることを見出した。また、第4級アンモニウム塩製造時に脂肪酸が存在するとジアルキル硫酸と反応し、脂肪酸低級アルキルエステルになることも見出した。即ち、これらのことはエステル基を持つ第3級アミン製造時に原料の脂肪酸又はその低級アルキルエステルが多量に存在すると、匂いによる品質の問題だけでなく、それから得られる第4級アンモニウム塩や漂白剤が充分に性能を発揮できないことを意味する。 従って、本発明の課題は、エステル基を持つ第3級アミンを、高純度且つ高収率で得ることのできる生産性の高い、経済性に優れた工業的に価値の高い製造法を提供し、更にその第3級アミンを4級化して得られる第4級アンモニウム塩組成物、並びにそれを含有する漂白性能に優れた漂白剤組成物を提供することにある。 本発明は、一般式(1)(式中、R1及びR2は同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜3のアルキレン基を示す。)で表される沸点が200℃以下のアミノアルコール(以下アミノアルコール(1)という)と、一般式(2) R4COOR5 (2)(式中、R4は直鎖又は分岐鎖の炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基、R5はH又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される脂肪酸又はその低級アルキルエステル(以下脂肪酸等(2)という)とを反応させて、一般式(3)(式中、R1、R2、R3及びR4は前記の意味を示す。)で表されるエステル基を持つ第3級アミン(以下第3級アミン(3)という)を製造するに際し、アミノアルコール(1)を分割仕込みする、第3級アミン(3)の製造方法、この方法により製造される第3級アミン(3)を、ジアルキル硫酸により4級化させて得られる第4級アンモニウム塩組成物、並びにこの第4級アンモニウム塩組成物を含有する漂白剤組成物を提供する。 本発明によれば、未反応の原料を効率よく低減し、その結果、原料由来の匂いのないエステル基を持つ第3級アミンが高品質且つ高収率で得られ、更に高品質の第4級アンモニウム塩組成物、及び漂白性能に優れた漂白剤組成物を得ることができる。 [第3級アミンの製造法] 第3級アミン(3)の製造に用いる、沸点が200℃以下のアミノアルコール(1)としては、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−1−プロパノール、ジメチルアミノ−2−プロパノール、ジエチルアミノエタノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、2−(ジイソプロパノールアミノ)エタノール等が挙げられる。これらの中でも、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−1−プロパノール、ジメチルアミノ−2−プロパノールが好ましく、R1及びR2がメチル基、R3がエチレン基であるジメチルアミノエタノールが更に好ましい。 脂肪酸等(2)としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ヤシ脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等から選ばれる1種又は2種以上の混合脂肪酸、あるいはそれらのメチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等の低級アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも炭素数10〜18の脂肪酸又はそのメチルエステル、エチルエステルが好ましく、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ脂肪酸が更に好ましい。 第3級アミン(3)としては、例えば次の化合物が挙げられる。 本発明の方法においては、アミノアルコール(1)と脂肪酸等(2)を反応させる際に、アミノアルコール(1)を分割仕込みする。分割仕込みの方法としては、アミノアルコール(1)を滴下する方法、アミノアルコール(1)を複数回に分けて間欠的に分割仕込みする方法、あるいはこれらの方法を組み合せる方法等が挙げられる。中でも、アミノアルコール(1)を滴下する方法が好ましく、その場合の滴下速度は一定でも不特定でもかまわず、例えば、反応率に追従する様に変化させてもよい。 本発明の方法においては、特に、エステル化反応の初期に、アミノアルコール(1)と脂肪酸等(2)のモル比を(1)/(2)=0.5〜1.0の範囲とすることが好ましい。このモル比が0.5以上の場合は反応温度においてアミノアルコール(1)より脂肪酸等(2)の量が好適になり、アルコール部位以外への副反応がおきにくくなり、このモル比が1.0以下の場合は、アミノアルコール(1)の沸点以上の温度に到達しても初期にアミノアルコール(1)が留出しにくいため好ましい。反応開始後にアミノアルコール(1)を仕込む量は抑える方が好ましい。ただし、仕込む量が少ないと反応が完結しにくくなるので注意が必要である。アミノアルコール(1)を分割仕込みする時間は長いとエステル化反応に使用される前に留出することが抑えられ好ましい。また長い場合はアミノアルコール(1)を効率よく使用できる場合が有る。分割仕込みする時間は1〜10時間が好ましく、2〜8時間が更に好ましい。 本発明のエステル化反応におけるアミノアルコール(1)、脂肪酸等(2)それぞれのトータルの仕込量は、アミノアルコール(1)と脂肪酸等(2)のモル比で、(1)/(2)=0.5〜5.0が好ましく、0.8〜3.0がより好ましく、0.9〜2.0が特に好ましい。 エステル化反応の温度は50〜250℃が好ましく、100〜220℃がより好ましく、120〜210℃が特に好ましい。 エステル化反応時に、触媒は使用してもしなくても良い。使用する場合の触媒としては、チタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトライソプロピル、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等が挙げられる。 エステル化反応後、過剰に存在するアミノアルコール(1)は沸点が200℃以下のため目的とするエステル化合物と沸点差が大きく容易に分離することができる。 [第4級アンモニウム塩組成物] 本発明の第4級アンモニウム塩組成物は、上記のような製造法により製造された第3級アミン(3)を、ジアルキル硫酸により4級化させて得られるものである。ジアルキル硫酸としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が挙げられる。 ジアルキル硫酸と第3級アミン(3)のモル比は、ジアルキル硫酸/第3級アミン(3)=0.9/1.0〜1.2/1.0が好ましく、0.93/1.0〜1.1/1.0がより好ましく、0.95/1.0〜1.0/1.0が特に好ましい。 4級化反応の溶媒としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。 本発明の4級化反応においては、反応温度は特に拘らないが、30〜100℃が好ましく、40〜90℃が更に好ましい。また原料の仕込み方法は第3級アミン(3)と溶媒を混合させて設定温度でジアルキル硫酸を滴下する方法が好ましい。この場合、ジアルキル硫酸の滴下時間は任意であるが、発熱を伴うことから、上記反応温度を超えないように滴下することが好ましい。4級化反応終了後は水に注ぎ未反応のジアルキル硫酸を分解させ、目的とする第4級アンモニウム塩組成物を得る。 本発明の第4級アンモニウム塩組成物は、一般式(4)で表される第4級アンモニウム塩(以下第4級アンモニウム塩(4)という)と、水を含有し、更に反応溶媒等を含有していても良い。(式中、R1、R2、R3及びR4は前記の意味を示し、R6は炭素数1〜3のアルキル基、Y-はアルキル硫酸イオンを示す。) 本発明の第4級アンモニウム塩組成物中の第4級アンモニウム塩(4)の含有量は0.1〜35重量%が好ましく、1.0〜35重量%が更に好ましい。水の含有量は、30〜99.8重量%が好ましく、30〜98重量%が更に好ましい。 [漂白剤組成物] 本発明の漂白剤組成物は、本発明の第4級アンモニウム塩組成物、更には過酸化水素、界面活性剤、漂白活性化剤等を含有し、残部は水である。 本発明の漂白剤組成物中に配合する界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましく、一般式(5)で表される非イオン界面活性剤が更に好ましい。(式中、R7は直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、あるいは直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基が置換していても良いアリール基、Aは直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜3のアルキレン基、ZはH又は炭素数1〜3のアルキル基、mは平均値が2〜50の数を示し、m個のAは同一でも異なっていても良い。) 一般式(5)において、R7としては、炭素数6〜22のアルキル基もしくはアルケニル基が好ましく、炭素数12〜18のアルキル基が更に好ましい。Aとしては、エチレン基が好ましい。mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す2〜50の数であるが、4〜30が好ましい。ZはH又はメチル基が好ましい。 一般式(5)で表される非イオン界面活性剤としては、例えば次の化合物が挙げられる。 本発明の漂白剤組成物中に配合する漂白活性化剤としては、一般式(6)で表される化合物が挙げられる。(式中、R8は炭素数5〜19のアルキル基あるいはアルケニル基、Wは−SO3M又は−COOMを示す。Mは有機又は無機の陽イオンである。) かかる漂白活性化剤の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。 本発明の漂白剤組成物中の各成分の含有量は、優れた漂白性能や保存安定性を得、また適度な粘度を得る観点から、以下の範囲が好ましい。 本発明の第4級アンモニウム塩組成物の含有量は、第4級アンモニウム塩(4)として、0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましい。界面活性剤の含有量は、0.5〜30重量%が好ましく、1〜20重量%が更に好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。過酸化水素の含有量は0.5〜10重量%が好ましく、1〜10重量%が更に好ましく、1〜6重量%が特に好ましい。漂白活性化剤の含有量は0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%が更に好ましく、0.1〜3重量%が特に好ましい。 本発明の漂白剤組成物は、基本的には上記成分を水中に溶解又は分散させたものであるが、低温での液の安定化及び凍結復元性を改善したり、高温での液分離を防止する目的でハイドロトロープ剤を配合しても差し支えない。このようなハイドロトロープ剤としては、一般的には、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩などに代表される短鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなどに代表されるアルコール及び多価アルコール等が挙げられる。ハイドロトロープ剤は漂白剤組成物中0〜30重量%程度配合することができる。 また、本発明の漂白剤組成物には更に金属封鎖剤を配合してもよい。金属封鎖剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。 (i) フィチン酸等のリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩 (ii) エタン−1,1 −ジホスホン酸、エタン−1,1,2 −トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1 −ジホスホン酸およびその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2 −トリホスホン酸、エタン−1,2 −ジカルボキシ−1,2 −ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩 (iii) 2−ホスホノブタン−1,2 −ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4 −トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩 (iv) アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩 (v) ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩 (vi) ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩 (vii) ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩 (viii) アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩等が挙げられる。 これらの中で上記(ii) 、(v) 、(vi) 及び(vii) からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、上記(ii) からなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。このような金属封鎖剤は、本発明の漂白剤組成物中に、0.0005〜5重量%、好ましくは 0.005〜5重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%配合される。 また、本発明の漂白剤組成物には更に種々の化合物を含有させることができる。例えば、過酸化水素の安定化剤として知られているリン酸、バルビツール酸、尿酸、アセトアニリド、オキシキノリンやフエナセチンなどに代表されるアミノポリカルボン酸類、及びDL−α−トコフェロール、没食子酸誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などを添加することができる。これらの安定化剤の添加量は過酸化水素の濃度にもよるが、通常0〜5重量%程度、好ましくは0.01〜3重量%含有させるのがよい。 さらに、本発明の漂白剤組成物は、変褪色防止剤として公知の物質を含むことができる。このような物質としては、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、チロシン、メチオニン等のアミノ酸及びアミノ酸塩類、及びヒドロキシイミノジ酢酸等のアミノ又はイミド化合物、更には、アクリロニトリルと第四級アンモニウム基を有するアクリロニトリルと共重合可能なモノマーの1種又は2種以上とのコポリマー等である。尚、アミノ酸には光学異性体が存在するが、本発明の効果においては光学異性体は関与しない。従って、化学的に合成したアミノ酸を使用することも可能である。 また、白物繊維に対する漂白効果を増すために蛍光増白剤として、チノパール(Tinopal)CBS〔チバ・ガイギー(Ciba-Geigy)社製〕、チノパールSWN〔チバ・ガイギー社製〕やカラー・インデックス蛍光増白剤28,40,61,71などの蛍光増白剤を0〜5重量%添加しても良い。 更に、組成物の粘度を高め使い勝手を向上させる目的で増粘剤を0〜20重量%添加することが可能である。一般的には、ポリアクリル酸塩、アクリル酸マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースといった合成高分子、キサンタンガム、グアーガム、ケルザンといった天然高分子、モンモリロナイト、ビーガムといった水膨潤性粘土鉱物などである。又、特開平1−319600号公報に記載されているような、両性界面活性剤とアニオン界面活性剤を組み合わせることで粘弾性レオロジー特性を持たせることも可能である。 また、本発明の漂白剤組成物には更に、染料や顔料のような着色剤、香料、シリコーン類、殺菌剤、紫外線吸収剤、無機電解質等の種々の微量添加物を適量(各々0〜約2重量%程度)配合することが出来る。尚、染料としては、酸性溶液で耐過酸化水素性を有する酸性染料が特に好ましい。 又、本発明の漂白剤組成物において、漂白性能を向上させるため、従来公知の酵素(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等)を必要に応じ、配合することができる。 本発明の漂白剤組成物のpHは6以下、好ましくは3.5以下とすることが望ましい。pHを調整するためには、硫酸、リン酸のような無機酸や、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のような有機酸を使用したり、前述のキレート剤やアニオン界面活性剤を酸の型で添加したり、必要に応じて水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような苛性アルカリを用いて調整するのが良い。 また、本発明の漂白剤組成物は、硫酸、塩酸及びリン酸、並びにこれらのアルカリ金属塩及びこれらのアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種(例えば、NaCl、Na2SO4、H3PO4 等)を0〜5重量%含有していても差支えない。 製造例1 1L4つ口フラスコにラウリン酸200g(1モル)、ジメチルアミノエタノール45g(0.5モル)を仕込み、攪拌しながら180℃まで昇温した。昇温後、1時間攪拌を行った後、ジメチルアミノエタノール133g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。滴下後、6時間攪拌を行った後、120℃まで冷却し、系内を1kPaにして過剰のジメチルアミノエタノールを回収し、ラウリン酸ジメチルアミノエチルエステルを得た。 製造例2 ジメチルアミノエタノールを初期仕込みとして62g(0.7モル)、滴下仕込みとして116g(1.3モル)とする以外は実施例1と同様の操作を行い、ラウリン酸ジメチルアミノエチルエステルを得た。 製造例3 ヤシ脂肪酸167g(1モル)を製造例1におけるラウリン酸の代わりに用いる以外は製造例1と同様の操作を行い、ヤシ脂肪酸ジメチルアミノエチルエステルを得た。 製造例4 ジメチルアミノ−1−プロパノールを製造例1におけるジメチルアミノエタノールの代わりに用い、初期仕込量を52g、滴下仕込量を154gとする以外は製造例1と同様の操作を行い、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルエステルを得た。 製造例5 ラウリン酸メチル214g(1モル)を製造例1におけるラウリン酸の代わりに用い、ナトリウムメチラート5.4gをエステル化触媒として使用する以外は製造例1と同様の操作を行い、ラウリン酸ジメチルアミノエチルエステルを得た。 比較製造例1 ジメチルアミノエタノールの初期仕込量を89gとし、反応中にジメチルアミノエタノールを滴下しない以外は製造例1と同様に反応を行い、ラウリン酸ジメチルアミノエチルエステルを得た。 比較製造例2 ジメチルアミノエタノールの初期仕込量を178gとし、反応中にジメチルアミノエタノールを滴下しない以外は製造例1と同様に反応を行い、ラウリン酸ジメチルアミノエチルエステルを得た。 製造例1〜5、比較製造例1〜2の反応率及び原料脂肪酸由来の匂いの評価結果を表1に示す。尚、反応率は原料脂肪酸の酸価の減少量から求めた。匂いはパネラー1名が得られたエステル基を持つ第3級アミンについて、下記基準で評価した。○:原料脂肪酸由来の匂いが認められない×:原料脂肪酸由来の匂いが認められる 実施例1〜5、比較例1〜2 製造例1〜5、比較製造例1〜2で得られたエステル基を持つ第3級アミン100重量部とエタノール40重量部を4つ口フラスコに仕込み、60℃に加熱後、第3級アミンと等モルのジエチル硫酸を滴下した。反応により昇温するため60〜70℃の範囲で滴下し、滴下終了後、1時間熟成を行った。熟成後水に希釈し、第4級アンモニウム塩の30%水溶液からなる第4級アンモニウム塩組成物を得た。 得られた第4級アンモニウム塩組成物を第4級アンモニウム塩の有効分として0.5重量%、過酸化水素2重量%、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキシド平均5モル付加物)5重量%を水に溶解し、1/10規定硫酸水溶液及び/又は1/10規定水酸化ナトリウム水溶液で、20℃におけるpHを2.5に調整し、漂白剤組成物を得た。 得られた漂白剤組成物について、下記方法で過酸生成率を測定した。結果を表2に示す。 <過酸生成率の測定> 漂白剤組成物20mLを市販の花王(株)製粉末洗剤、アタック6.67gを水道水1リットルに溶解した水溶液に添加し、30分経過後、この水溶液400mLをビーカーにとり、1%カタラーゼ水溶液4mLを加えて3分間攪拌した後、20%硫酸10mLと10%ヨウ化カリウム水溶液10mLを加えて黄色に発色させる。1/50規定チオ硫酸ナトリウムで黄色の発色が消えるまで滴定を行い、下式により過酸生成率を求めた。 過酸生成量(モル)=(1/50)×(滴定に要したチオ硫酸ナトリウムの量(L))÷2 過酸生成率(%)=[過酸生成量(モル)/ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸ナトリウムの量(モル)]×100 参考例1 製造例1で得られたラウリン酸ジメチルアミノエチルエステルを実施例1と同様に4級化して得られた第4級アンモニウム塩組成物100重量部にラウリン酸エチル2重量部を添加したものについて、実施例1と同様に漂白剤組成物を製造し、同様に過酸生成率を求めた。結果を表2に示す。 一般式(1)(式中、R1及びR2は同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜3のアルキレン基を示す。)で表される沸点が200℃以下のアミノアルコールと、一般式(2) R4COOR5 (2)(式中、R4は直鎖又は分岐鎖の炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基、R5はHを示す。)で表される脂肪酸とを、反応初期のアミノアルコール/脂肪酸仕込み比(モル比)を0.5〜1.0とし且つトータルのアミノアルコール/脂肪酸仕込み比(モル比)が0.8〜5.0となるように一般式(1)で表されるアミノアルコールを分割仕込みすることにより反応させて、一般式(3)(式中、R1、R2、R3及びR4は前記の意味を示す。)で表されるエステル基を持つ第3級アミンを製造し、次いで該第3級アミンをジアルキル硫酸により4級化させて得られる、一般式(4)(式中、R1、R2、R3及びR4は前記の意味を示し、R6は炭素数1〜3のアルキル基、Y-はアルキル硫酸イオンを示す。)で表される第4級アンモニウム塩を含む漂白剤組成物。 一般式(1)中のR1及びR2がメチル基、R3がエチレン基である請求項1記載の漂白剤組成物。