タイトル: | 特許公報(B2)_ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物 |
出願番号: | 2003405875 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A61K 8/37,A61K 8/39,A61K 8/92,A61K 8/97,A61Q 1/14,C08L 71/00 |
岩永 哲朗 内田 一仁 竹内 伸之 阿部 能久 JP 4145238 特許公報(B2) 20080627 2003405875 20031204 ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物 太陽化学株式会社 000204181 株式会社ファンケル 593106918 細田 芳徳 100095832 岩永 哲朗 内田 一仁 竹内 伸之 阿部 能久 20080903 A61K 8/37 20060101AFI20080814BHJP A61K 8/39 20060101ALI20080814BHJP A61K 8/92 20060101ALI20080814BHJP A61K 8/97 20060101ALI20080814BHJP A61Q 1/14 20060101ALI20080814BHJP C08L 71/00 20060101ALN20080814BHJP JPA61K8/37A61K8/39A61K8/92A61K8/97A61Q1/14C08L71/00 Y A61K 8/00 − 8/99 A61Q 1/14 C08L 71/00 特開平06−192065(JP,A) 特開平08−099852(JP,A) 特開2003−012456(JP,A) 特開2001−025654(JP,A) 特開2003−238396(JP,A) 特開2004−067587(JP,A) 特開2004−277375(JP,A) 1 2005162691 20050623 10 20031216 天野 貴子 本発明は、クレンジング化粧料、浴用化粧料等の化粧料等に好適に用いられるポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物及び該組成物を含有した化粧料に関する。 化粧料分野において、化粧落としのためのクレンジング化粧料は、形状的にクリーム状、乳液状、液状等のものがあり、また、タイプ別には、エマルションタイプ、オイルタイプ、水性タイプがあって、それぞれ使用性に応じて利用されている。しかしながら、オイルを全く配合しないか微量配合した水性タイプのものは、クレンジング後の油性感は少ないがクレンジング力に弱いという欠点を有する。そのため、近年ではメイクアップ汚れへのなじみがよく、かつ容易に水で洗い流すことができる液状のクレンジングオイルが主流となっている。 クレンジングオイルは、まずクレンジングオイルとメイクアップ汚れをなじませることで汚れを油性成分中に移行させ、その後水と接触させることにより汚れを含む油性成分の水中油型のエマルションを生成させ、そのまま水に流してメイクを落とすものである。しかしながら、クレンジングオイルは、油性成分と界面活性剤の混合系からなる自己乳化型油溶液又は極少量の水を添加した逆ミセル油溶液であり、これらの油溶液は水の可溶化量が少ないため、可溶化限界を超えると相分離し白濁乳化する。従って、水との接触により瞬時にエマルションを形成するため、皮膚が濡れている状態でのクレンジング力や使用感が悪く、特に浴室での使用には不向きである。 浴用化粧料は、肌荒れ、ひび割れ、あかぎれ等を防止したり、肌状態を改善するために浴用時によく用いられている。浴用化粧料の剤型として、バスソルト、バスオイル、生薬等が挙げられる。その中でも、油性成分と界面活性剤の混合系からなる自己乳化型性のバスオイルタイプの浴用化粧料は、湯浴中で自己乳化して微粒子状の油性成分が均一分散し、油性成分が本来保有しているエモリエント、保湿性、抗炎症、温浴等の各種改善効果が期待できる。 ところが、油性成分と界面活性剤の混合系からなる従来の自己乳化型の油性浴用化粧料は、湯浴中での分散性が不十分であり、自己乳化せずにその浴用化粧料の剤型のまま、浮遊すると、浴湯への不快感や、肌へのしっとり感といった入浴後の肌の感触が悪くなるばかりでなく、浴槽壁に浴用化粧料が付着してしまうこともある。 マイクロエマルションは、通常のミセル溶液(あるいは逆ミセル油溶液)よりも多量の油(あるいは水)を可溶化した系であり、外観は透明〜青色を呈する等方性の溶液である。マイクロエマルションにも、通常のマクロエマルションと同様に、水中油型(O/W)と油中水型(W/O)のタイプがあり、さらには多量の水と油を可溶化した油相と水相が両連続のマイクロエマルション(バイコンティニュアス型)がある。 マイクロエマルションは、水/界面活性剤/油の3成分に炭素数が5〜10の中級アルコールを補助界面活性剤として添加することにより得られることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このような中級アルコールは化粧品・医薬品の使用においては皮膚刺激等の観点から利用が困難である。J.H.Schulman, W.Stoeckenius, L.M.Prince, J. Phys. Chem., 63, p.1677 (1959) 本発明者らは、非イオン界面活性剤に加えて、補助界面活性剤として特定のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルを含有した組成物が、多量の水を可溶化し得るマイクロエマルションを形成し、またさらに多量の水に対する水分散性及び自己乳化性にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の目的は、多量の水を可溶化し得る油中水型のマイクロエマルションを形成することができ、かつ水中での分散性及び自己乳化性にも優れたポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物及び該組成物を含有した化粧料を提供することにある。 本発明は、 (1)炭素数が6〜10の中鎖脂肪酸と平均重合度が15〜50のポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル、(2)ポリグリセリン(平均重合度3〜15)脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)アルキル(炭素数12〜24)エーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)グリセリン脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)アルキルエーテルポリグルコシド、及び脂肪酸(炭素数12〜24)ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)ソルビタンエステルからなる群より選ばれる非イオン界面活性剤、及び(3)25℃で液状ないしペースト状を呈する油剤を含有してなる組成物であって、該油剤の量が10〜99.8重量%であるポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物からなるクレンジング化粧料、に関する。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物は、多量の水を可溶化し得る油中水型のマイクロエマルションを形成することができ、かつ水中での分散性及び自己乳化性にも優れている。従って、本発明の組成物を含有した化粧料、例えばクレンジング化粧料は、メイクアップ汚れになじみ易く、皮膚が濡れていてもクレンジング力を損なうことがなく、洗浄性にも優れている。また、浴用化粧料においては、湯浴中での分散性に優れ、自己乳化性にも優れており、より高い入浴効果が得られ得るという効果が奏される。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物は、少なくとも、特定の炭素数を有する中鎖脂肪酸と特定の平均重合度を有するポリグリセリンとのエステル化により得られるポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル及び非イオン界面活性剤を含有するものである。 中鎖脂肪酸の炭素数は、低温安定性の観点から、6〜10であり、好ましくは8〜10である。従って、好適な中鎖脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、カプリン酸等が挙げられる。 ポリグリセリンの平均重合度は、使用性の観点から、3以上100未満であり、好ましくは3〜50である。 ポリグリセリン中の環状体の含有量は、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。環状体の含有量は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)を用いて分析することができる。 ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルのHLBは、油剤との相溶性と水への分散性の観点から、7〜15が好ましく、8〜13がより好ましい。ここで、HLBは式: HLB=20(1−S/A)(式中、Sはエステルのケン化価、Aは脂肪酸の中和価である)により算出される値である。 ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルは、透明液状ないしペースト状を呈し、低温(0℃)でも固化しない。 ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルは、中鎖脂肪酸とポリグリセリンとを常法によりエステル化することによって容易に得ることができる。 ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルは、単独であっても、ポリグリセリンの重合度やエステル化度の異なる2種以上の混合物であってもよい。 ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルの含有量は、例えば、クレンジング化粧料に用いる場合、メイクアップ汚れへのなじみやすさの観点から、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物中、0.1〜80重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましく、2〜30重量%が特に好ましい。 非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(但し、前記ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルは除く)、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレングリコールと一価又は多価アルコールとのエーテル、ポリオキシアルキレン糖エーテル、脂肪族アミンとポリオキシアルキレングリコールとの縮合物、アルキル又はアルケニルポリグリコシド等が挙げられる。 これらの非イオン界面活性剤のなかでは、安全性が高く、25℃で液状ないしペースト状を呈するものが望ましく、平均重合度が2〜30のポリグリセリン又はアルキレン鎖の炭素数が2〜4、平均付加モル数が1〜80のポリオキシアルキレン基を有するものが好ましい。 従って、好適な非イオン界面活性剤の具体例としては、ポリグリセリン(平均重合度3〜15)脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)アルキル(炭素数12〜24)エーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)グリセリン脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)アルキルエーテルポリグルコシド、脂肪酸(炭素数12〜24)ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)ソルビタンエステル等が挙げられる。 非イオン界面活性剤は、単独であっても、HLB等の異なる2種以上の混合物であってもよい。 非イオン界面活性剤の含有量は、例えば、クレンジング化粧料に用いる場合、洗浄力及びすすぎ性の観点から、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物中、0.1〜80重量%が好ましく、1〜40重量%がより好ましく、2〜30重量%が特に好ましい。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物には、さらに油剤が含有されていてもよい。油剤は、25℃で液状ないしペースト状を呈するものが好ましいが、本発明において、「25℃で液状ないしペースト状を呈するもの」とは、融点が25℃以下のもの又は融点が25℃未満の液状物中に固体物が分散し、流動性を有するものをいう。 油剤としては、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、シリコーン油、脂溶性ビタミン、高級脂肪酸、動植物や合成の精油成分等が挙げられる。 天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン等が挙げられる。 炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。 エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプリピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。 グリセライド油としては、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリテトラデカン酸グリセリル、ジパラメトキシケイ皮酸・モノイソオクチル酸グリセリル等が挙げられる。 シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変成シリコーン、アルキル変成シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。 脂溶性ビタミンとしては、トコフェロールやその誘導体、レチノールやその誘導体等が挙げられる。 油剤の含有量は、例えば、クレンジング化粧料に用いる場合、洗浄力及びすすぎ性の観点から、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物中、10〜99.8重量%が好ましく、50〜99重量%がより好ましく、70〜98重量%が特に好ましい。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物は、多量の水を可溶化し得るマイクロエマルションを形成することができるため、水を含まない非水系組成物だけでなく、水を含有した水系組成物であってもよい。 水の含有量は、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物中、80重量%以下が好ましく、0.01〜80重量%がより好ましく、1〜50重量%がさらに好ましい。また、この場合、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルと油剤の重量比(ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル/油剤)は、水の含有による相分離を防止する観点から、10/0.1〜0.1/10が好ましい。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物には、さらに、油性ゲル化剤、低級アルコール類、粉体、機能性ビーズ、カプセル類、抗酸化剤、紫外線吸収剤、植物エキス、保湿剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、色素、香料等が含有されていてもよい。 油性ゲル化剤としては、有機変性ベントナイト、疎水化ケイ酸、無水ケイ酸、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。油性ゲル化剤は粘度調整に有用であり、例えば、本発明の組成物の性状を、透明〜半透明の液状から粘稠なペースト状にまで適宜調整することができる。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物は、多量の水を可溶化し得る油中水型のマイクロエマルションを形成することできる。また水を添加する過程においてマイクロエマルションを形成することによって油/水界面の界面張力が小さくなることから、さらに多量の水が添加されると容易に乳化し微細なエマルションを形成するため、水中での水分散性及び自己乳化性にも優れている。さらに、ポリグリセリンはグリセリンを出発原料としているため、皮膚刺激が低く、安全性の面においても良好な特性を有しており、化粧料、シャンプー前の頭皮の洗浄料等のトイレタリー製品等の各種製品に使用することができる。 従って、本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物を用いたより好適な一態様として、さらに、本発明の組成物を含有した化粧料を提供する。化粧料としては、クレンジング化粧料、浴用化粧料、乳化化粧料等の基礎化粧料等が挙げられるが、特に、クレンジング化粧料及び浴用化粧料において、本発明の組成物による効果がより顕著に発揮される。 即ち、本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物を含有したクレンジング化粧料は、メイクアップ汚れへのなじみがよく、皮膚が濡れた状態でもクレンジング力を損なうことがなく、洗浄工程においても、従来のクレンジングオイルに比べて格段に良好な洗浄性を有するものである。また、本発明の浴用化粧料は、湯浴中での分散性及び自己乳化性に優れており、より高い入浴効果が奏されるものである。 本発明の化粧料における、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物の含有量は、使用する製品及び目的に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、クレンジング化粧料に用いる場合、メイクアップ汚れへのなじみやすさの観点から、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルの含有量が、化粧料中、好ましくは0.1〜80重量%、より好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量%となるように調整することが好ましい。 本発明の化粧料は、本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物が用いられる以外は、その目的等に応じて通常と同様の方法により製造することができ、本発明の所望の効果が発現されるものが得られるのであれば、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物の添加時期や添加方法についても特に限定されない。 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。実施例1〜9及び比較例1〜4 表1に示す原料を用い、常法に従って、ポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物からなるクレンジングオイルを製造した。1.使用感の評価 メイクアップをした専門パネラー10名が、クレンジングオイル1gを手に取り、両手で顔全体に塗布して30秒間マッサージした後、水で洗い流した。その際、メイクアップ汚れへのなじみ易さ、すすぎ易さ及び洗い流し後の油性感を、1(悪い又はある)から5(良い又はない)の5段階で評価し、10名の平均点を算出した。以下の評価基準に従って、結果を表1に示す。 〔評価基準〕 ○:平均点が4以上 △:平均点が3以上、4未満 ×:平均点が3未満2.クレンジング力の評価(皮膚が濡れていない状態) 口紅を2cm×2cmの面積で前腕に塗布し30分間放置した後、クレンジングオイル0.5を塗布し、30秒間口紅を落とすようにマッサージし、水で洗い流した。口紅の落ち具合を目視により観察した結果を、以下の評価基準に従って、表1に示す。 〔評価基準〕 ○:良く落ちた。 △:あまり落ちない。 ×:全く落ちない。3.クレンジング力の評価(皮膚が濡れている状態) 口紅を2cm×2cmの面積で前腕に塗布し30分間放置した後、口紅を塗布した部分を水で濡らし、クレンジングオイル0.5を塗布した。30秒間口紅を落とすようにマッサージし、水で洗い流した。口紅の落ち具合を目視により観察した結果を、以下の評価基準に従って、表1に示す。 〔評価基準〕 ○:良く落ちた。 △:あまり落ちない。 ×:全く落ちない。4.マイクロエマルション形成の確認 クレンジングオイルを試験管に1g秤量し、これに水1gを添加して攪拌した後の状態を目視にて観察した。マイクロエマルションが形成されている場合、溶液は透明になる。結果を以下の評価基準に従って、表1に示す。 〔評価基準〕 ○:透明 △:半透明 ×:白濁 以上の結果より、比較例のものと対比して、マイクロエマルションが形成される実施例のクレンジングオイルは、いずれも使用感が良好であり、また、皮膚が濡れていない状態だけでなく、濡れている状態であっても優れたクレンジング力を有していることが分かる。 本発明のポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物は、クレンジング化粧料、浴用化粧料等の化粧料等に好適に用いられるものである。 (1)炭素数が6〜10の中鎖脂肪酸と平均重合度が15〜50のポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル、(2)ポリグリセリン(平均重合度3〜15)脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)アルキル(炭素数12〜24)エーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)グリセリン脂肪酸(炭素数12〜24)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)アルキルエーテルポリグルコシド、及び脂肪酸(炭素数12〜24)ポリオキシエチレン(平均付加モル数3〜40)ソルビタンエステルからなる群より選ばれる非イオン界面活性剤、及び(3)25℃で液状ないしペースト状を呈する油剤を含有してなる組成物であって、該油剤の量が10〜99.8重量%であるポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル含有組成物からなるクレンジング化粧料。