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タイトル:特許公報(B2)_自己免疫疾患モデル動物
出願番号:2003394623
年次:2009
IPC分類:A01K 67/027,A61P 13/12,A61P 37/02,C12Q 1/02,G01N 33/15,G01N 33/50,C12N 5/10,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

長田 重一 JP 4368668 特許公報(B2) 20090904 2003394623 20031125 自己免疫疾患モデル動物 独立行政法人科学技術振興機構 503360115 廣田 雅紀 100107984 長田 重一 20091118 A01K 67/027 20060101AFI20091029BHJP A61P 13/12 20060101ALI20091029BHJP A61P 37/02 20060101ALI20091029BHJP C12Q 1/02 20060101ALI20091029BHJP G01N 33/15 20060101ALI20091029BHJP G01N 33/50 20060101ALI20091029BHJP C12N 5/10 20060101ALN20091029BHJP C12N 15/09 20060101ALN20091029BHJP JPA01K67/027A61P13/12A61P37/02C12Q1/02G01N33/15 ZG01N33/50 ZC12N5/00 BC12N15/00 A A01K 67/027 C12N 5/00− 5/10 C12N 15/00−15/90 C12Q 1/02 A61P 13/12 A61P 37/02 G01N 33/15 G01N 33/50 JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) 医学・薬学予稿集全文データベース CiNii PubMed MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) CA/CONFSCI/SCISEARCH(STN) WPIDS(STN) GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq 国際公開第03/043469(WO,A1) 特開2003−155251(JP,A) Nat. Genet.,1998年,vol. 19,56-59 Nature,1992年,vol. 356,314-317 Cell,1994年,vol. 76,969-976 J. Exp. Med.,1984年,vol. 159,1-20 J. Exp. Med.,1998年,vol. 188,387-392 Arthritis Rheum.,2002年,vol. 46,191-201 Arthritis Rheum.,1998年,vol. 41,1241-1250 Nat. Genet.,2000年,vol. 25,177-181 Nat. Immunol.,2003年 2月,vol. 4,138-144 Nature,2002年,vol. 417,182-187 12 2005151867 20050616 17 20051130 中村 正展 本発明は、腎臓の内部構造(糸球体)が徐々に破壊されることによって起こる糸球体腎炎や脾臓の大きさが正常な範囲を超えて拡大する脾腫等を発症する自己免疫疾患病態モデル動物と、それを用いた糸球体腎炎や脾腫等の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法などに関する。 生理的な条件下で細胞自らが積極的に惹起するようにプログラムされた細胞死、すなわちアポトーシスは、老化した細胞や病態細胞などの生体にとって好ましくない細胞を排除するために生体に備わった機構である。アポトーシスでは細胞のサイズは急速に縮小し、また細胞核も凝縮、断片化する。ついで、このアポトーシス細胞はアポトーシス小体となり、最終的にはマクロファージ等の食細胞により貪食される。すなわち、まず細胞が縮小して隣接細胞から離れ、核のDNAとタンパク質との複合体であるクロマチンが核膜周辺に凝縮し、核の濃縮が生じると共に細胞表面の微絨毛が消失して平滑化し、大小の突起が出現し、やがてそれらがくびれてちぎれ、膜に包まれた大小の球状のアポトーシス小体に断片化し、これらの小体がマクロファージや隣接する食細胞により貪食除去される。 このように、アポトーシスは有害又は無用な細胞を除去するプロセスであり、哺乳類のホメオスタシスを維持するのに欠かせない(例えば、非特許文献1参照)。アポトーシス細胞は食細胞によって速やかに取り込まれ、それが炎症や、瀕死の細胞から放出される細胞内の抗原に対する自己免疫反応を防ぐと考えられている(例えば、非特許文献2,3参照)。アポトーシス細胞の表面に露出しているホスファチジルセリン(PS;phosphatidylserine)は、マクロファージの有用な認識シグナルとして同定されている(例えば、非特許文献4参照)。アポトーシスは、その初期過程において、細胞を構成する細胞膜リン脂質の配列変化を伴い、結果として負電荷のリン脂質であるホスファチジルセリンが細胞表面へ露出されることが報告されている(例えば、非特許文献5,6参照)。この細胞表面の変化がマクロファージや隣接する細胞に認識され、貪食過程が進行すると考えられている。ホスファチジルセリンと選択的に結合するアネキシンVにより前記貪食過程が阻害されることから、アポトーシス細胞の細胞表面にホスファチジルセリンが露出することが貪食機構に重要な役割を果たしているものと考えられていた(例えば、非特許文献7,8参照)。 また、二次リンパ組織の胚中心(リンパ濾胞の中心)は、B細胞の増殖、選択、成熟及び死に対する固有の微小環境を提供する(例えば、非特許文献9,10参照)。高親和性の表面免疫グロブリンを発現するB細胞は、成熟のために選択されるが、低親和性の免疫グロブリンをもつB細胞はアポトーシスによって死滅させられ、胚中心の可染体(tingible body)マクロファージと呼ばれる固有のマクロファージによって速やかに除去されることも知られている。 他方、脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8;milk fat globule-EGF factor8)は、母乳中に多く含まれる乳腺上皮由来の分泌蛋白質としてクローニングされ(例えば、非特許文献11参照)、その後、他の多くの正常組織やいくつかの腫瘍細胞で強く発現する分泌型糖タンパク質として知られている。MFG−E8は、N末端側から2つのEGF(上皮増殖因子)ドメインと血液凝固因子V,VIIIのC1,C2ドメインとホモロジーのあるドメインで構成されている。MFG−E8はヒト(BA46,lactadherin)、マウス(MFG−E8)、ラット(rAGS)、ブタ(P47)、ウシ(PAS−6,PAS−7)を含め幾つかの哺乳類でそのホモログが報告されており、さらに、MFG−E8とドメイン構造の類似性がある内皮細胞特異的細胞接着分子DEL1がクローニングされており、MFG−E8及びDEL1は2番目のEGFドメイン内にはインテグリンと結合するRGD配列を含んでいる。一方、C末側のC1,C2ドメインは細胞膜のリン脂質に結合することが知られている。しかし、このMFG−E8は、酵素活性との関連やその生理機能について不明な点が多く、この点を明らかにするために、マウス脂肪球被膜糖蛋白質MFG−E8のゲノム遺伝子と染色体マッピング、発生過程における遺伝子発現の動態、細胞内局在などについて検討されており、生殖原基がMFG−E8の発生初期の主要発現部位であり、発生の後期になると神経細胞や軟骨原基に特徴的な非常に強い発現があるとされている。 最近、いくつかのレセプターがホスファチジルセリンと結合することが報告されている(例えば、非特許文献2,12参照)。本発明者らは、MFG−E8が、活性化されたマクロファージから分泌され、PSを認識してアポトーシス細胞に特異的に結合し、貪食する食細胞に誘導することを、既に報告している(例えば、非特許文献13参照)。すなわち、脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)が、細胞がアポトーシスへ向かいはじめると細胞表面に露出するホスファチジルセリンなどのアミノリン脂質を認識することで、アポトーシス細胞に特異的に結合し、マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食作用を促進することや、MFG−E8の点変異誘導体であるD89E変異体がマクロファージによるアポトーシス細胞の貪食作用を阻害することを報告している(例えば、特許文献1参照)。特開2003−155251号公報Cell, 88, 347-354, 1997Nature, 407, 784-788, 2000Nat. Rev. Immunol., 2, 965-975, 2002J. Immunol., 148, 2207-2216, 1992Immunol. Today, 14: 131-136, 1993Cirk. Res., 77: 1136-1142, 1995Biochem. Biophys. Res. Commun., 205, 1488-1493, 1994Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 1624-1629, 1996Immunology, 107, 167-175, 2002Annu. Rev. Immunol. 12, 117-139, 1994Biochem. Biophys. Res. Commun. 254, 522-528, 1999Cell, 104, 325-328, 2001Nature, 417, 182-187, 2002 本発明の課題は、腎臓の内部構造(糸球体)が徐々に破壊されることによって起こる糸球体腎炎や脾臓の大きさが正常な範囲を超えて拡大する脾腫等を発症する新規メカニズムによる自己免疫疾患病態モデル動物と、それを用いた糸球体腎炎や脾腫等の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法を提供することにある。 本発明者らは、アポトーシス細胞の食作用を促進する因子として、脂肪球皮膜糖タンパク質(Milk Fat Globule EGF factor-8、;MFG−E8)を既に同定している。そこで、MFG−E8遺伝子を欠損させたマウス(MFG−E8-/-マウス)を作製し、かかるMFG−E8ノックアウトマウスの脾臓及びリンパ節の胚中心の可染体マクロファージについて調べたところ、多くのアポトーシスリンパ球が、効果的に貧食されていなかった。そして、MFG−E8-/-マウスは、肥大した白色髄に複数のリンパ小節を保有して脾腫を発症し、自己抗体を産生し、糸球体腎炎を発症していることを見い出した。これらの結果は、MFG−E8が胚中心のアポトーシスB細胞を除去するのに重要な役割を果たし、その貪食機能の欠失が自己免疫疾患を誘導することを示唆している。本発明は、これらの知見に基づき完成するに至ったものである。 すなわち本発明は、(1)染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生する齧歯目動物を、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する自己免疫疾患モデル齧歯目動物として使用する方法に関する。 また本発明は、(2)齧歯目動物が、マウスであることを特徴とする上記(1)記載の方法に関する。 本発明はまた、(3)染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物に被検物質を投与し、該齧歯目動物における自己免疫疾患の程度を評価することを特徴とする自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(4)染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物に被検物質を投与し、該齧歯目動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価することを特徴とする自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(5)染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する自己免疫疾患モデル齧歯目動物に由来するMFG−E8欠損マクロファージを、被検物質の存在下にアポトーシス細胞と接触させ、該齧歯目動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価することを特徴とする自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(6)MFG−E8欠損マクロファージが、可染体マクロファージであることを特徴とする上記(4)又は(5)記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(7)MFG−E8欠損マクロファージが、腹腔マクロファージであることを特徴とする上記(4)又は(5)記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法に関する。 さらに本発明は、(8)染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物と、野生型齧歯目動物の場合とを比較・評価することを特徴とする上記(3)〜(7)のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(9)野生型齧歯目動物が、染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物と同腹の野生型齧歯目動物であることを特徴とする上記(8)記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(10)自己免疫疾患が糸球体腎炎であることを特徴とする上記(3)〜(9)のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(11)自己免疫疾患が脾腫であることを特徴とする上記(3)〜(9)のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法や、(12)齧歯目動物が、マウスであることを特徴とする上記(3)〜(11)のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法に関する。 本発明によると、新規作用メカニズムによる新しいタイプの抗自己免疫疾患薬、例えば腎臓の内部構造(糸球体)が徐々に破壊されることによって起こる糸球体腎炎や脾臓の大きさが正常な範囲を超えて拡大する脾腫等の予防・治療剤を開発することができるばかりでなく、可染体マクロファージやチオグリコレート刺激腹腔マクロファージ等のマクロファージによるアポトーシス細胞の貪食作用の機構解明が可能となる。 本発明の自己免疫疾患モデル非ヒト動物としては、MFG−E8遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生するモデル動物(以下、MFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損したモデル動物ということがある)であれば特に制限されるものではないが、糸球体腎炎及び/又は脾腫(巨脾症)の症状を呈するモデル動物を好適に例示することができる。また、上記非ヒト動物としては、ヒト以外の動物であれば特に限定されないが、マウス、ラット等の齧歯目動物を具体的に挙げることができ、中でもマウスを好適に挙げることができる。 本発明において「自己抗体を産生する」とは、少なくとも、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び/又は抗核抗体濃度が、野生型の非ヒト動物に比して、2倍以上高いことをいう。また、自己免疫疾患としては、糸球体腎炎、脾腫、ヒト全身性エリマトーデス等を例示することができ、糸球体腎炎の症状を呈するとは、少なくとも、糸球体内に多量のIgGが認められ、糸球体が肥大した症状を呈することをいい、脾腫(巨脾症)の症状を呈するとは、少なくとも、白色髄が非常に肥大し、複数のリンパ小節を有する症状を呈することをいう。本発明の自己免疫疾患モデル非ヒト動物は、抗自己免疫疾患薬、例えば糸球体腎炎や脾腫等の予防・治療剤のスクリーニングに有利に用いることができる。 本発明における野生型の非ヒト動物とは、上記MFG−E8遺伝子の機能が欠損した非ヒト動物と同種の動物を意味し、中でも同腹の動物を好適に例示することができる。また上記MFG−E8遺伝子の機能が欠損した非ヒト動物としては、メンデルの法則に従い出生してくるものが、MFG−E8欠損型と同腹の野生型を得ることができ、これらを用いて正確な比較実験をすることができる点で好ましい。そして上記のように、MFG−E8遺伝子の機能が欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物の好適例としては、MFG−E8ノックアウトマウスを、野生型マウスとしては該ノックアウトマウスと同腹の野生型マウスを、それぞれ具体的に挙げることができる。以下、非ヒト動物がマウスの場合を例にとって説明する。 MFG−E8ノックアウトマウスの作製法としては、MFG−E8タンパク質を発現する機能を失ったマウスを作製することができる方法であればどのような作製法でもよいが、例えば、マウス遺伝子ライブラリーからPCR等の方法により得られた遺伝子断片を用いて、MFG−E8遺伝子をスクリーニングし、スクリーニングされたMFG−E8遺伝子を、プラスミドベクター等を用いてサブクローンし、DNAシーケンシングにより特定し、このクローンのMFG−E8遺伝子の全部又は一部を含むフラグメントをネオマイシン耐性遺伝子カセット等で置換することによって、ターゲットベクターを作製する方法を挙げることができる。 この線状化されたベクターをエレクトロポレーション(電気穿孔)法等によってES細胞に導入し、G−418などの薬剤に抵抗性の細胞の中から相同的組換えを行ったES細胞を選択し、その細胞のクローンをマウスの胚盤胞中にマイクロインジェクションし、かかる胚盤胞を仮親のマウスに戻し、キメラマウスを作製する。このキメラマウスを野生型のマウスと交配させると、ヘテロ接合体マウス(MFG−E8+/-)を得ることができ、また、このヘテロ接合体マウスの雌雄を交配させることによって、MFG−E8ノックアウトマウス(MFG−E8-/-)を得ることができる。 本発明のMFG−E8欠損マクロファージとしては、上記本発明の自己免疫疾患モデル非ヒト動物に由来するマクロファージ、すなわち、MFG−E8ノックアウトマウス等のMFG−E8遺伝子が染色体上で欠損したモデル動物から得られる、アポトーシス細胞の貪食作用が喪失又は減衰したマクロファージであれば特に制限されず、かかるマクロファージとして、可染体マクロファージ、腹腔マクロファージ、メタロフィリック(metalophilic)マクロファージ、骨髄由来マクロファージ、樹状細胞を挙げることができる。例えば、胚中心(リンパ濾胞の中心)に存在するCD68を特異的に発現する可染体マクロファージは、、抗CD68抗体を用いて常法により同定することができ、また、腹腔マクロファージは、3%(w/v)のチオグリコレートの腹腔内注射を受けたマウスから常法により調製することができる。かかる本発明のMFG−E8欠損マクロファージは、アポトーシス細胞の貪食作用の機構を解明する上で、また、抗自己免疫疾患薬、例えば糸球体腎炎や脾腫等の予防・治療剤のスクリーニングに有利に用いることができる。 本発明の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法としては、本発明のMFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、該非ヒト動物における自己免疫疾患の程度を評価する方法や、本発明のMFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、該非ヒト動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価する方法や、本発明のMFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物に由来するMFG−E8欠損マクロファージを、被検物質の存在下にアポトーシス細胞と接触させ、該非ヒト動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価する方法であれば特に制限されるものではなく、本発明のスクリーニング方法によると、糸球体腎炎、脾腫、ヒト全身性エリマトーデス等の自己免疫疾患の予防・治療剤を開発することが可能となる。 上記本発明のMFG−E8ノックアウトマウス等のMFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、該非ヒト動物における自己免疫疾患の程度を評価する自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法における被検物質の投与方法としては、経口投与、静脈内投与、局所への直接投与などの方法を挙げることができる。また、自己免疫疾患の程度を評価する方法としては、糸球体腎炎、脾腫、ヒト全身性エリマトーデス等の症状の改善程度を評価する方法を挙げることができる。自己免疫疾患の程度を評価するに際しては、自己免疫疾患モデル非ヒト動物と同種の野生型非ヒト動物、中でも自己免疫疾患モデル非ヒト動物と同腹の野生型非ヒト動物と比較評価することが好ましい。 上記本発明のMFG−E8ノックアウトマウス等のMFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、該非ヒト動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価する自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法における被検物質の投与方法としては、経口投与、静脈内投与、局所への直接投与などの方法を挙げることができる。また、非ヒト動物のMFG−E8欠損マクロファージとしては、可染体マクロファージや腹腔マクロファージなどを好適に例示することができる。アポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価する方法としては、例えば、チオグリコレート刺激腹腔マクロファージを用いる場合、デキサメサゾンでアポトーシスを誘導したCAD-/-マウスの胸腺細胞を貪食する程度を、TUNEL反応により、マクロファージ当たりのTUNEL陽性のアポトーシス細胞数を定量することにより評価する方法を挙げることができる。かかる評価に際しては、自己免疫疾患モデル非ヒト動物と同種の野生型非ヒト動物、中でも自己免疫疾患モデル非ヒト動物と同腹の野生型非ヒト動物と比較評価することが好ましい。 上記本発明のMFG−E8ノックアウトマウス等のMFG−E8遺伝子の機能が染色体上で欠損した自己免疫疾患モデル非ヒト動物に由来するMFG−E8欠損マクロファージを、被検物質の存在下にインビトロでアポトーシス細胞と接触させ、該非ヒト動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価する自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法における被検物質の存在下でのMFG−E8欠損マクロファージとアポトーシス細胞との接触は、マクロファージの培養に用いられる培地中で、被検物質の存在下に共培養することにより行うことができる。アポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価する方法としては、例えば、チオグリコレート刺激腹腔マクロファージを用いる場合、デキサメサゾンでアポトーシスを誘導したCAD-/-マウスの胸腺細胞を貪食する程度を、TUNEL反応により、マクロファージ当たりのTUNEL陽性のアポトーシス細胞数を定量することにより評価する方法を挙げることができる。かかる評価に際しては、自己免疫疾患モデル非ヒト動物と同種の野生型非ヒト動物、中でも自己免疫疾患モデル非ヒト動物と同腹の野生型非ヒト動物と比較評価することが好ましい。 上記本発明の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法における被検物質としては、天然若しくは人為的に合成された各種ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、低分子有機化合物を例示することができる。かかる被検物質の中から、糸球体腎炎、脾腫、ヒト全身性エリマトーデス等の症状を改善する物質やアポトーシス細胞に対する貪食作用を増強する物質は自己免疫疾患の予防・治療剤の候補物質であり、かかる候補物質としては、MFG−E8の他、MFG−E8中のRGDモチーフを有するEGF−2ドメイン、高プロリン/スレオニン含有ドメイン、2つの因子VIII相同ドメイン(C1及びC2)を有する組換えMFG−E8変異体、かかる変異体に対する抗体、Del−1等のMFG−E8の相同体などを具体的に挙げることができる。これら候補物質の中から薬効が確認できた物質を医薬用の治療剤として用いる場合は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。これら治療剤は、経口的又は非経口的に投与することができ、例えば粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液、リポソームに封入又は包埋体等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射の型で非経口投与することができる他、スプレー剤の型で鼻孔内投与することもできる。 経口的に投与する製剤の場合、薬理学的に許容される担体としては、慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、例えば錠剤には乳糖、デンプン等の賦形剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤等を配合することができ、懸濁液製剤には生理的食塩水アルコール等の溶剤、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の溶解補助剤、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン等の懸濁化剤、グリセリン、D−マンニトール等の等張化剤、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩等の緩衝剤などを配合することができる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を配合することもできる。非経口的に投与する製剤の場合、蒸留水、生理的食塩水等の水溶性溶剤、サリチル酸ナトリウム等の溶解補助剤、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等の等張化剤、ヒト血清アルブミン等の安定化剤、メチルパラベン等の保存剤、ベンジルアルコール等の局麻剤を配合することができる。また、自己免疫疾患の予防・治療剤の投与量は、疾病の種類、患者の体重や年齢、投与形態、症状等により適宜選定することができる。 本発明のMFG−E8異常に起因する自己免疫疾患の診断法としては、検体のマクロファージからMFG−E8遺伝子を抽出し、その塩基配列を調べて、正常なMFG−E8遺伝子と比較して異常の有無を調べる方法を例示することができる。 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。(MFG−E8遺伝子を標的とした破壊) MFG−E8染色体遺伝子を129/svマウスλ遺伝子ライブラリーから単離した。エクソン4〜6をneo遺伝子で置換し、ジフテリア毒素A断片をコードするDNA断片を、MFG−E8遺伝子の下流に挿入し、ターゲッティングベクターを作製した。R1 ES細胞を、文献(Science, 292, 1546-1549, 2001)記載の通りターゲッティングベクターでトランスフェクトし、G−418耐性クローンを、PCRにより、相同的組み換え用にスクリーニングし、MFG−E8ヌルマウスを作製した。MFG−E8欠損対立遺伝子を保有するESクローンを、宿主の胎芽に導入し、キメラマウスを作製した。ES細胞に起因するキメラマウスを、C57BL/6マウス(Nippon SLC社製)と交配し、MFG−E8+/-マウスを作製した。MFG−E8+/-を親として交配して、MFG−E8-/-マウスを作製し、MFG−E8+/+及びMFG−E8-/-の同腹仔の表現型を分析した。全てのマウスを、特定病原体未感染施設に収容し、全ての動物実験は大阪大学医学部動物実験委員会に承認された細則に従って行われた。(PCR、サザンブロット及びノーザンブロット分析) ゲノムDNAを文献(Nucleic Acids Res. 19, 4293, 1991)記載の通り調製し、MFG−E8遺伝子の遺伝子型をPCRにより定量した。野生型に特異なセンスプライマー(5'‐GTGAACCTTCTGCGGAAGAT;配列番号1)又は突然変異対立遺伝子(5'‐CGTGGGATCATTGTTTTTCT ;配列番号2)を、共通のアンチセンスプライマー(5'‐GGGCATAAACTCCAGCTCAC ;配列番号3)と共に使用した。サザンハイブリダイゼーション用に、ゲノムDNAをEcoRV及びKpnIで処理し、0.8%アガロースゲルで電気泳動して単離し、Hybond N+膜(Amercham Bioscience 社製)に移した。ハイブリダイゼーションを、ターゲッティングベクターのすぐ外側に局在する540bpのDNA断片を使用して行った。ノーザンハイブリダイゼーション用に、全RNAを2.2Mのホルムアルデヒドを含む1.5%アガロースゲルで単離し、Hybond N+膜に移し、マウスMFG−E8 cDNAをプローブとして、ハイブリダイゼーションを行った。(免疫沈降及びウェスタンブロッティング) プロテインA−セファロースと抗MFG−E8抗体2422との複合体を、文献(Nature, 417, 182-187, 2002)記載の通り、調製した。チオグリコレート刺激腹腔マクロファージを、3%(w/v)のチオグリコレート(Sigma社製)の腹腔内注射を受けた12週齢のマウスから調製した。細胞(1×107)をAIMV培地(Invitrogen社製)で48時間培養した。上澄液を回収し、RIPA緩衝液(1%のトリトンX−100、0.1%のSDS、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、150mMのNaCl、1.5mMのMgCl2、1mMのEGTA、10%のグリセロール、1mMの[p-アミジノフェニル]メタンスルホニルフルオライドハイドロクロライド、1μg/mlのロイペプチン及び1μg/mlのペプスタチンを含む50mMのHEPES−NaOH緩衝液[pH7.6])に細胞を溶解した。培養上澄液及び細胞可溶化液を、2422−プロテインA−セファロース複合体とインキュベーションした。0.5MのNaClを含むRIPA緩衝液で洗浄した後、ビーズに結合したタンパク質を、0.1%のトリトンX−100を含む100mMのトリエチルアミン(pH11.5)で溶出した。溶出物の一定分量を、非還元条件でSDS−PAGE法(10%ゲル)で分離し、その後、ビオチン標識化ハムスター抗マウスMFG−E8モノクローナル抗体(クローン18A2、K.A.、R.H.、M.T.、及びS.N.未発表)とペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(Roche社製)でウエスタンブロッティングした。抗体が認識したタンパク質を、化学ルミネッセンス反応(Renaissance社製)により視覚化した。(インビトロ貪食作用分析) インビトロ貪食作用分析を、本質的に文献(Nature, 417, 182-187, 2002)記載の通りに行った。6週齢のCAD-/-マウスの胸腺細胞(Nat. Immunol., 4, 138-144, 2003)の1×106細胞を、10μMのデキサメサゾンで、37℃でインキュベーションし、アポトーシスを誘導し、8ウェルのLab‐Tek IIチャンバースライド(Nalge Nunc 社製)中で培養したチオグリコレート刺激腹腔マクロファージ(1×105細胞)に添加した。1.5時間の共培養の後、細胞を固定し、TUNEL反応させ、光学顕微鏡で観察した。TUNEL陽性胸腺細胞の数を数え、マクロファージ当たりのTUNEL陽性のアポトーシス細胞数を定量することにより、貪食作用の指標とした。少なくとも150のマクロファージを検査した。(組織化学及び電子顕微鏡分析及び自己抗体アッセイ) ヘマトキシリン及びエオシン染色を行うために、マウス脾臓及びリンパ節を、0.1%のリン酸緩衝液(pH7.2)中の4%パラホルムアルデヒド/4%スクロースに固定し、パラフィンに包埋し、4μmの切片にした。免疫組織化学分析を行うために、凍結した組織の切片(4μm)を冷却アセトンで固定し、非特異的部位を、5%のヤギ血清(Invitrogen社製)及び1%のウシ血清アルブミン(Sigma 社製)でブロックした。使用したモノクローナル抗体は、Alexa‐Fluro 488 スプレプトアビジン(Molecular probes社製)、Cy−3結合抗MFG−E8抗体(クローン18A2)と共にビオチン化した抗CD68抗体(Serotec社製)又は抗F4/80抗体(クローン6−16A、M.T.)、及びCy3結合抗ラットIgG抗体(Jackson社製)と共にラット抗MOMA−1抗体(BMA Biomedical社製)であった。TUNEL染色をApoptag kit(Intergen社製)を用いて行った。染色した切片を、1μg/mlのDAPI(Dojindo Laboratories 社製)を含むFluorSave mounting 試薬(Calbiochem社製)でマウントし、蛍光顕微鏡(オリンパス社製)で観察した。電子顕微鏡での観察には、10週齢のマウスにKLHを投与した後、脾臓を2%のグルトアルデヒド及び2%のパラホルムアルデヒドを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.2)内に固定した。7.5%のスクロースを含む同緩衝液で洗浄した後、サンプルを1%のOsO4で固定(post-fix)し、Epon 812に包埋した。切片(80μm)をウルトラミクロトーム(Nissei社製)で調製し、クエン酸鉛及び酢酸ウラニルで染色し、Hitachi H‐7100電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー 社製)で観察した。 抗二本鎖DNA抗体及びANAを、MBLからのMesacup EIAを用いて、抗マウスIg(G+M+A)抗体(Cappel社製)で定量化した。450nmの吸光度を自動Micro-ELISA readerを用いて測定した。(免疫化) リンパ節の胚中心を発達させるために、文献14記載の通りに、マウスをヒトアルブミンで免疫化した。要約すると、10週齢のマウスの腹腔内に0.5mlのウサギ抗ヒトアルブミン抗体(2mg/ml)(Sigma社製)を注入し、24時間後に、フッドパッドに25μgのヒト血清アルブミンを注入した。膝窩及び笨窩リンパ節を、抗原注入後6日目に調製した。KLHで免疫化するためには、マウスの腹腔内に15μgのKLH(Wako社製)及びフロイントの完全アジュバンドを注入した。免疫を2回繰返し、脾臓を2回目の注入の4日後に単離した。(可染体マクロファージにおけるMFG−E8の発現) MFG−E8のインビボでの生理学的な役割を調べるために、その発現を先ずノーザンブロットハイブリダイゼーションによって調べた(図1a)。文献(Proc. Natl. Acad. Sci., USA 87, 8417-8421, 1990、Biochem. Biophys. Res. Commun., 254, 522-528, 1999)記載の通り、MFG−E8は乳腺で強く発現した。脾臓、リンパ節及び脳等の他のいくつかの組織もMFG−E8 mRNAを発現した。抗MFG−E8抗体との脾臓切片の免疫組織分析は、MFG−E8が、胚中心に局在する制限された細胞で発現することを示した(図1b)。MFG−E8-/-マウスの脾臓切片は、抗体で染色されず、MFG−E8抗体の特異性を確認した。胚中心(リンパ濾胞の中心)には、特異的にCD68を発現するがF4/80は発現しない可染体マクロファージと呼ばれるマクロファージが存在している(J. Exp. Med., 174, 827-836, 1991)。MFG−E8を発現する細胞は、CD68を発現するがF4/80を発現せず、CD68又はF4/80による二重染色は、可染体マクロファージがMFG−E8を発現することを示唆した。CD68+可染体マクロファージは、脾臓だけでなく、リンパ節及び胸腺にも存在する(J. Exp. Med., 174, 827-836, 1991)。抗MFG−E8抗体での染色は、リンパ節のCD68+マクロファージがMFG−E8を発現することを示唆した(図1b)が、胸腺の切片においては、MFG−E8のシグナルは検出されなかった。(MFG−E8遺伝子を標的とした破壊) 本発明者らは、MFG−E8-/-マウスをジーンターゲティング法により作製した。マウスMFG−E8遺伝子は、第7染色体に局在し、ゲノムDNA15.3kb内に10個のエクソンによりコードされている。エクソン4〜6をneo耐性遺伝子と置換したターゲッティングベクターを構築し(図2a)、マウス胚幹細胞(ES)に注入した。突然変異を有するESクローンを、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により同定した。2つのESクローン由来のマウスは、同一の表現型を有した。ヘテロ接合の動物をインタークロスし、その結果生じた同腹仔の尾部DNAを、ターゲッティングベクター外の配列を含むプローブを用いたサザンブロットハイブリダイゼーションにより分析した。図2bに示すように、EcoRV及びKpnIで二重処理したDNAは、MFG−E8+/+には、7.2kbのバンドが現れ、MFG−E8-/-には、5.6kbのバンドが現れ、MFG−E8+/-ではその両方が現れた。そのサイズは、ターゲッティングベクターとMFG−E8遺伝子の相同的組換で想定された通りであった。neo 遺伝子プローブを用いたKpnIで処理したDNAのサザンブロットハイブリダイゼーションでは、MFG−E8+/-又はMFG−E8-/-マウスにおいては単一のバンドが現れ(データは示されていない)、ターゲットベクターが他の部位に挿入されていないことを確認した。 本発明者らは、チオグリコレート刺激腹腔マクロファージが、MFG−E8を高分泌していることを先に報告した(Nature, 417, 182-187, 2002)。実際、抗MFG−E8抗体を用いた免疫沈降及びウェスタンブロットによって、野生型マウスのチオグリコレート刺激腹腔マクロファージの培養上澄液における74kDaのタンパク質が明らかになった(図2c)。このタンパク質は、MFG−E8-/-マクロファージの上澄液では検出されず、MFG−E8-/-対立遺伝子が、MFG−E8に対するヌル対立遺伝子であることを確認した。チオグリコレート刺激腹腔マクロファージのアポトーシス細胞を貪食する能力を、アポトーシスを起こしたCAD-/-胸腺細胞を用いて調べた。CAD-/-胸腺細胞はアポトーシス刺激によるDNA分解をおこさない(Nat. Immunol., 4, 138-144, 2003)。しかし、MFG−E8+/+マクロファージと共培用すると、細胞はアポトーシスの指標であるTUNEL陽性となり、食細胞指標は1.20であり(図2d及び2e)、MFG−E8+/+マクロファージが効果的にアポトーシス細胞を貪食し、そのDNAを切断することを示した。他方、MFG−E-/-マウスのマクロファージは、アポトーシス細胞を全く又は少数しか貪食せず、食細胞指標は0.31であった。MFG−E8-/-マクロファージのアポトーシス細胞を貪食する能力は、組み替えMFG−E8を添加することによって、用量依存的に回復した。すなわち、これらのマクロファージに0.1μg/mlの組換MFG−E8を添加すると、食細胞指標は0.92まで増加した。(MFG−E8ヌルマウスの脾腫) 3つの遺伝子型(MFG−E8+/+、MFG−E8+/-及びMFG−E8-/-)は通常のメンデル遺伝の法則通りに現れた。MFG-/-マウスは、通常の繁殖力で繁殖し、その乳腺は少なくとも非妊娠時は普通であるように見えた(データは示されていない)。しかし、図3aに示されるように、MFG−E8-/-マウスは年齢依存的に脾臓の大きさが正常な範囲を超えて拡大する脾腫(巨脾症)を発症した。40週齢では、MFG−E8-/-の脾臓は、野生型より約3倍重かった(図3b)。脾臓の組織化学分析で、白色髄がMFG−E8-/-マウスで非常に肥大し、複数のリンパ小節を保有していることが示された(図3c)。マーカーMOMA−1によって定義されるメタロフィリックマクロファージは、白色髄の周辺帯と濾胞帯の境界に局在している(Immunology, 58, 665-669, 1986)。抗MOMA−1抗体による脾臓切片の染色により、MFG−E8-/-マウスの脾臓の濾胞帯の肥大を確認した(図3d)。脾臓内のB細胞とT細胞の比率は、MFG−E8+/+とMFG−E8-/-マウスとで同じであったが、MFG−E8-/-脾臓のリンパ球の数は、野生型の脾臓より2〜3倍多かった。(胚中心のMFG−E8欠損可染体マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食障害) 可染体マクロファージが、胚中心で発生したアポトーシスB細胞を貪食することは知られている(Anat. Rec., 229, 511-520, 1991)。40週齢のMFG−E8+/+マウスの脾臓では、胚中心のCD68陽性マクロファージと結合しているアポトーシスをおこしたTUNEL陽性細胞の数は少なかった(図4a)。MFG−E8-/-マウスのCD68陽性細胞は、明らかに野生型マウスのCD68陽性細胞より大きく、より多くのTUNEL陽性細胞と結合していた。CD68陽性マクロファージの肥大と、MFG−E8-/-脾臓のTUNEL陽性細胞との強い結合は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)でマウスを免疫し、B細胞を活性化すると明瞭であった(図4a)。CD68は、主に後期エンドソーム又はリソソーム内に局在している(Adv. Immunol., 68, 271-314, 1998)。したがって、KLHで処理したMFG−E8-/-マウスの脾臓内のTUNEL陽性細胞を保有するマクロファージを共焦点顕微鏡で分析したところ(図4b)、CD68を細胞内に見い出した。TUNEL陽性物質であるアポトーシス細胞の核はCD68と共在していなかったが、マクロファージの表面の細胞外に存在していたようである。MFG−E8-/-マクロファージ内のアポトーシス物質が細胞外に局在していることを確認するために、脾臓切片を電子透過型顕微鏡で分析した。図4cに示すように、野生型マウスの可染体マクロファージは、アポトーシス細胞の凝縮核を細胞内に保有しており、いくつかのアポトーシス物質は分解されていた。MFG−E8-/-脾臓では、アポトーシス細胞は一見、可染体マクロファージに局在していたが、これはインタクトな原形質膜を保有してた。このことは、これらのアポトーシス細胞がマクロファージの外側に局在することを示唆している。MFG−E8-/-マウスの脾臓から調製したリンパ球は、Fasリガンド又はUVの処理により野生型細胞と同じ効率でアポトーシスを起こし、PSを表面に露出した。これらの結果から、可染体マクロファージのアポトーシス細胞を貪食する能力は、MFG−E8の欠如によって障害されていると結論した。(MFG−E8-/-マウスにおける糸球体腎炎の発症) アポトーシス細胞を全身へ連続的に注入すると、自己抗体が産生されることが知られている(J. Exp. Med., 188, 387-392, 1998)。MFG−E8-/-マウスは、自発的に自己抗体を年齢依存的に産生した。図5aに示すように、10週齢のMFG−E8-/-の血清内の抗二重鎖DNA抗体又は抗核抗体(ANA)の濃度は、野生型マウスと同じであった。しかし、40週齢では、MFG−E8-/-マウス、特にメスのマウスは、血清内に、抗二重鎖DNA抗体及びANAを高い濃度で保有していた。すなわち、オスのMFG−E8-/-マウスの抗二重鎖DNA抗体及びANAの濃度は、野生型マウスよりそれぞれ2.3倍及び5.4倍高かった。メスのマウスでは、これらの値は野生型マウスより6.3倍及び8.0倍高かった。40週齢のMFG−E8-/-マウスの全IgGレベルも、同齢の野生型マウスより2倍高かった(データは示されていない)。循環している自己抗体は、腎臓に免疫複合体として堆積し、糸球体腎炎を誘発することが知られている(Semin. Nephrol., 12, 379-394, 1992)。腎臓の凍結切片を、蛍光抗体法により調べたところ、MFG−E8-/-マウスの糸球体内に多量のIgGの堆積が明らかになった(図5b)。IgGの堆積と一致して、細胞過多及び糸球体の肥大が、MFG−E8-/-マウスの糸球体で見られ、これらのマウスが糸球体腎炎を発症したことを示している(図5c)。(まとめ) アポトーシス細胞の除去は通常非常に効率的であり、アポトーシスの割合が非常に高い組織でもほとんどアポトーシス細胞を見い出すことができない(Nature, 372, 100-103, 1994)。マクロファージ内のいくつかの分子が、アポトーシス細胞のレセプター又はアポトーシス細胞とマクロファージとの間の架橋分子(bridging molecules)として提案された(Nature, 407, 784-788, 2000)が、各分子の生理学的役割は明確にはなっていなかった。上記実施例は、MFG−E8が、脾臓及びリンパ節の胚中心の可染体マクロファージ並びにチオグリコレート刺激腹腔マクロファージで特異的に発現することを示した。胚中心では、抗原に対して減衰した親和性を有するB細胞が、アポトーシスを起こす(Immunity, 4, 107-111, 1996)。可染体マクロファージは、これらのアポトーシス細胞の排除に寄与し、MFG−E8-/-マウスで得られた結果は、MFG−E8がこの過程に重要な役割を果たしていることを示している。MFG−E8-/-マウスは、多量の自己抗体を発生させた。この結果は貪食されなかったアポトーシスB細胞は二次的ネクローシスを起し、遊離した物質は濾胞性の樹状細胞と結合し、自己反応性B細胞に生存シグナルを与える可能性を示唆している(Immunol., 74, 61-88, 2000)。さらにこのシグナルは、リンパ球の成長を刺激するサイトカインを産生するT細胞を活性化し、脾腫を誘発してのであろう。 MFG−E8欠損可染体マクロファージは、アポトーシス細胞と結合していた。このことは、MFG−E8-/-マクロファージがアポトーシス細胞をまだ認識できることを示している。Hoffmann et al.は以前に、マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食に関して2段階モデルを提案した(J. Cell Biol., 155, 649-659, 2001)。このモデルにおいては、アポトーシス細胞は、先ずマクロファージによって繋ぎとめられ、次にPS依存方式で、マクロピノサイトーシスに貪食される。このシナリオでは、MFG−E8は、マクロピノサイトーシス段階で機能しているように思われる。CD−68陽性可染体マクロファージは、二次リンパ組織の胚中心だけでなく、胸腺にも存在する(J. Exp. Med., 174, 827-836, 1991)。胸腺マクロファージにMFG−E8が発現しないことは、異なる組織のマクロファージが、アポトーシス細胞の貪食に異なる分子を用いることを示している。このことに関して、本発明者らは、近年MFG−E8の相同体(Del−1)を見い出し、その発現がMFG−E8の発現と完全に異なることを確認した。 他方、チオグリコレート刺激腹腔マクロファージは、MFG−E8を発現し、その貪食作用はMFG−E8に強く依存する。チオグリコレート刺激腹腔マクロファージは、炎症部位の好中球及びリンパ球の速やかな排除に関与する専門のマクロファージを代表する(J. Leukoc. Biol., 61, 375-380, 1997)。バクテリア又はウイルス感染に対するMFG−E8-/-マウスの反応を観察することは興味深いかもしれない。最後に、全身性エリマトーデスのヒトの患者は、胚中心の可染体マクロファージのアポトーシス細胞の貪食にしばしば欠陥がある(Arthritis Rheum., 46, 191-201, 2002)ことから、本発明の自己免疫マウスは、ヒト全身性エリマトーデスのモデル動物として有用であろう。可染体マクロファージにおけるMFG−E8の発現に関する図である。a.10週齢のマウスの示された組織から調製した全RNA(10μg)を、32P標識マウスMFG−E8 cDNAをプローブとしてノーザンハイブリダイゼーションを行った(上パネル)。下のパネル;フィルターをメチレンブルーで染色した。b.10週齢のMFG−E8+/+(WT)マウス又はMFG−E8-/-(KO)マウスの脾臓切片を抗F4/80抗体又は抗CD68抗体(緑)及び抗MFG−E8抗体(赤)で染色した。切片をヘモキシリン−エオシン(HE)で染色した。マウスをヒトアルブミンで免疫化してリンパ節を発達させ、切片を上記の通り染色した。HEで染色した切片の、付点の四角は、免疫染色パネルで示す区域に対応する。スケールバー、100μm。本発明の自己免疫疾患モデルマウスを作製するための、MFG−E8遺伝子を標的とした破壊に関する図である。a.内在性のMFG−E8部位(WT)、ターゲットベクター及びターゲット部位(KO)を示した。エクソンを黒の四角で示し、番号を付した。ネオマイシン耐性遺伝子(Neo)及びジフテリア毒素A(DTA)をコードする遺伝子を示した。bのサザンハイブリダイゼーションに使用したプローブをバーで示した。プローブにより検出されたEcoRV‐KpnIで処理した断片を示した。b.MFG−E8+/-の親から生じた仔の尾部DNA(5μg)を、サザンハイブリダイゼーションにより分析した。c.12週齢のMFG−E8+/+又はMFG−E8-/-マウスから調製したチオグリコレート刺激腹腔マクロファージを48時間培養した。細胞抽出液及び培養上澄液を、抗MFG−E8抗体2422で免疫沈降し、18A2モノクローナル抗体でウェスタンブロットした。d.チオグリコレート刺激腹腔マクロファージを、組換えMFG−E8(0.1μg/ml)の存在又は非存在下でCAD欠損マウスから調製したアポトーシス胸腺細胞と共培養し、TUNEL(茶)で染色した後、光学顕微鏡で観察した。倍率は400倍。e.マクロファージ当たりの貪食された(TUNEL陽性)アポトーシス細胞数で示された貪食作用指標。実験は3回行い、平均値が標準偏差と共に示されている。本発明のMFG−E8ヌルマウスの脾腫発症に関する図である。a.40週齢のMFG−E8+/+及びMFG−E8-/-マウスの脾臓を撮影した。スケールバー、1センチ。b.10週齢又は40週齢のMFG−E8+/+マウス(白いバー)及びMFG−E8-/-マウス(黒いバー)の脾臓を秤量し、10匹のマウスの平均値を標準偏差と共に示した。c.40週齢のMFG−E8+/+マウス及びMFG−E8-/-マウスの脾臓切片をヘマトキシリン及びエオシンで染色した。スケールバー、0.1mm。d.40週齢のMFG−E8+/+マウス及びMFG−E8-/-マウスの脾臓切片を抗MOMA−1抗体(赤)で染色した。スケールバー、0.1mm。本発明の胚中心のMFG−E8欠損可染体マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食障害に関する図である。a.脾臓切片は、40週齢のMFG−E8+/+マウス及びMFG−E8-/-マウス、又はKLHで免疫化した10週齢のマウスから調製し、抗CD68抗体(赤)及びTUNEL(緑)で染色した。スケールバー、100μm。付点の区域の拡大図を右のパネルに示す。スケールバー、25μm。b.KLHで免疫化した10週齢のMFG−E8-/-マウスの脾臓に局在するTUNEL陽性細胞(緑)と結合したCD68陽性(赤)可染体マクロファージを、共焦点顕微鏡(Zeiss社製)で観察し、3D投影システムを使用して3次元の像を作成した。c.KLHで免疫化した10週齢のMFG−E8+/+又はMFG−E8-/-マウスの脾臓切片を、電子顕微鏡により分析した。MFG−E8+/+脾臓の可染体マクロファージ(TBM)は、アポトーシス細胞の残遺物しか保有しない(矢印)が、MFG−E8-/-脾臓でTBMと結合したアポトーシス細胞はまだインタクトである。本発明のMFG−E8-/-マウスにおいて糸球体腎炎の発症を示す図である。a.10又は40週齢のオス(M)及びメス(F)のマウス(各グループに8匹のマウス)の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体(ANA)の血清濃度は、平均でプロットした(バー)。b.40週齢のMFG−E8+/+マウス及びMFG−E8-/-マウスの腎臓の凍結切片をCy3結合抗マウスIgG抗体(Jackson社製)で染色した。スケールバー、100μm。c.40週齢のMFG−E8+/+マウス及びMFG−E8-/-マウスの腎臓切片をパラホルムアルデヒドで固定し、過ヨウ素酸シッフ(PAS)で染色した。染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生する齧歯目動物を、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する自己免疫疾患モデル齧歯目動物として使用する方法。齧歯目動物が、マウスであることを特徴とする請求項1記載の方法。染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物に被検物質を投与し、該齧歯目動物における自己免疫疾患の程度を評価することを特徴とする自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物に被検物質を投与し、該齧歯目動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価することを特徴とする自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する自己免疫疾患モデル齧歯目動物に由来するMFG−E8欠損マクロファージを、被検物質の存在下にアポトーシス細胞と接触させ、該齧歯目動物のMFG−E8欠損マクロファージのアポトーシス細胞に対する貪食作用の程度を評価することを特徴とする自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。MFG−E8欠損マクロファージが、可染体マクロファージであることを特徴とする請求項4又は5記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。MFG−E8欠損マクロファージが、腹腔マクロファージであることを特徴とする請求項4又は5記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物と、野生型齧歯目動物の場合とを比較・評価することを特徴とする請求項3〜7のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。野生型齧歯目動物が、染色体上の脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8)遺伝子の一部もしくは全部が欠損し、野生型において発現されるMFG−E8を発現する機能が失われ、自己抗体を産生し、血清内の抗二重鎖DNA抗体及び抗核抗体濃度が野生型の齧歯目動物に比して2倍以上高く、糸球体腎炎及び脾腫の症状を呈する齧歯目動物と同腹の野生型齧歯目動物であることを特徴とする請求項8記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。自己免疫疾患が糸球体腎炎であることを特徴とする請求項3〜9のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。自己免疫疾患が脾腫であることを特徴とする請求項3〜9のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。齧歯目動物が、マウスであることを特徴とする請求項3〜11のいずれか記載の自己免疫疾患の予防・治療剤のスクリーニング方法。配列表


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