生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_細胞増殖促進剤
出願番号:2003367304
年次:2005
IPC分類:7,A61K7/48,A61K7/00,A61K7/06,A61K35/80,A61P17/16,A61P43/00


特許情報キャッシュ

伊藤 三明 大隅 和寿 JP 2005132734 公開特許公報(A) 20050526 2003367304 20031028 細胞増殖促進剤 日本メナード化粧品株式会社 592262543 伊藤 三明 大隅 和寿 7A61K7/48A61K7/00A61K7/06A61K35/80A61P17/16A61P43/00 JPA61K7/48A61K7/00 KA61K7/00 MA61K7/00 NA61K7/00 UA61K7/06A61K35/80 ZA61P17/16A61P43/00 107 2 OL 8 4C083 4C088 4C083AA082 4C083AA111 4C083AA112 4C083AA122 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC352 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC482 4C083AD112 4C083AD352 4C083BB51 4C083CC02 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC07 4C083CC33 4C083DD22 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083EE09 4C083EE12 4C083EE13 4C083EE29 4C083FF01 4C083FF05 4C088AA12 4C088AC05 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA05 4C088CA06 4C088CA08 4C088CA11 4C088CA17 4C088MA02 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA89 4C088ZA92 4C088ZB22 本発明は、新規な細胞増殖促進剤および皮膚外用剤に関する。 ネンジュモは、藍藻の一種で、紫外線遮蔽能、抗菌作用、抗カビ作用、抗アレルギー作用そしてテストステロン−5α−リダクターゼ阻害作用が知られている(特許文献1〜5)が、細胞増殖促進作用は知られていない。特開昭60−13709特開平6−116159特開平7−242689特開平10−265399特開2002−68943 表皮ケラチノサイトの分裂能低下にともなう表皮ターンオーバー速度の遅延が皮膚老化の原因のひとつと考えられる。そこで、表皮ケラチノサイトの分裂を促進することが皮膚老化の抑制につながると考えられる。表皮ケラチノサイトの分裂を促進する物質としては、EGF、エストロジェン等が知られているが、これらの物質は安定性に問題があり、またその効果も十分ではなく、安定して表皮ケラチノサイト等の分裂を促進する細胞増殖促進剤が求められている。 上記実情に鑑み、本発明者らは、安定で表皮ケラチノサイト等の分裂を促進する細胞増殖促進剤を見出すべく誠意研究を行った結果、ネンジュモの抽出物がその目的に合致することを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、ネンジュモの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤および皮膚外用剤に関するものである。 本発明で用いられるネンジュモは、藍藻綱ネンジュモ科ネンジュモ属の陸上藻で、ハッサイ(学名:Nostoc commune Vauch. var. flagelliforme)やイシクラゲ(Nostoc commune Vauch.)などが挙げられる。近年、循環器系疾患や癌などの成人病の予防・治療などに効果があるとして注目されている。また、髪菜として中国料理に利用されているので、市販品を利用することができる。 本発明で使用するネンジュモの抽出物とは、例えば、市販されている髪菜の乾燥品を細断し抽出することができる。その調製方法は特に限定されず、例えば加熱抽出したものであってもよいし、常温抽出されたものであってもよい。 抽出する溶媒としては、例えば、水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなど)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィンなど)、エーテル類(エチルエーテル、プロピルエーテルなど)が挙げられる。好ましくは、水、低級1価アルコールおよび液状多価アルコールがよく、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコールおよびプロピレングリコールがよい。また二酸化炭素などを用いた超臨界抽出も用いることができる。これらの溶媒は1種でも2種以上を混合して用いてもよい。 これらの抽出物は、抽出した溶媒のまま用いてもよく、必要に応じて、濃縮、希釈、ろ過などの処理をして用いてもよい。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いてもよい。 本発明のネンジュモの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤は、安定して表皮ケラチノサイト等の分裂を促進する細胞増殖促進作用を有するので、皮膚の老化の防止等に有用である。 本発明に関わる細胞増殖促進剤を上記の目的で用いるには、通常全身的または局所的に投与される。投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間などにより異なるが、通常成人1人当たり1回に1mg〜1g、好ましくは20mg〜200mgの範囲で1日1回から数回投与される。もちろん前記したように、投与量は種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。 本発明の細胞増殖促進剤には、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、希釈剤を用いることもできる。希釈剤としては固体、液体、半固体でも良く、例えば、次のものが挙げられる。すなわち、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等である。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロースまたはその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等である。 本発明における皮膚外用剤の代表的な製剤としては、クリーム、乳液、ローション、ヘアトニック、スプレー、パック、溶液剤、軟膏、乳剤、懸濁剤のような塗布剤などが挙げられる。これらの製剤には、有効成分以外に、水、エタノールのような低級アルコール、セタノールのような高級アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールのような多価アルコール、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース類、動物性および植物性の油脂およびロウ、ワセリンのような炭化水素、シリコン、界面活性剤、酸化亜鉛などを配合することができる。 本発明に用いる上記細胞増殖促進剤の配合量は、本発明の皮膚外用剤全量に対し、固形物に換算して0.0001重量%以上、好ましくは0.001〜90重量%の配合が良い。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。 本発明のネンジュモの抽出物は優れたケラチノサイトの細胞増殖促進効果を示す。また、本発明の細胞増殖促進剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤は優れた皮膚の老化防止効果を示した。 次に、本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、本発明の処方例および実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を、%とは重量%を示す。製造例1 ネンジュモ熱水抽出物 ネンジュモ(髪菜)の細断品100gに、精製水1kgを加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、凍結乾燥してネンジュモ熱水抽出物を10g得た。比較例1 クロレラ熱水抽出物 クロレラ乾燥品100gに、精製水1kgを加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、凍結乾燥してクロレラ熱水抽出物を9g得た。製造例2 ネンジュモ50%1,3−BG抽出物 ネンジュモ(髪菜)の細断品100gに、精製水500gと1,3−ブチレングリコール500gを加え、室温で2週間抽出した。抽出後、ろ過し、ネンジュモの50%1,3−BG抽出物を950g得た。 製造例3 ネンジュモエタノール抽出物 ネンジュモ(髪菜)100gに、50%(v/v)エタノール水溶液を1kgを加え、室温で2週間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、ペースト状の抽出物を5g得た。 処方例1 ローション処方 配合量1.ネンジュモ熱水抽出物(製造例1) 0.1部2.1,3−ブチレングリコール 8.0 3.グリセリン 2.04.キサンタンガム 0.02 5.クエン酸 0.01 6.クエン酸ナトリウム 0.17.エタノール 5.08.パラオキシ安息香酸メチル 0.19.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.110.香料 0.111.精製水 84.47[製造方法]成分1〜6および11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合しろ過して製品とする。 比較例2 従来のローション処方例1においてネンジュモ熱水抽出物を精製水に置き換えたものを従来のローションとした。 処方例2 クリーム処方 配合量1.ネンジュモ熱水抽出物(製造例1) 0.05部2.スクワラン 5.53.オリーブ油 3.0 4.ステアリン酸 2.05.ミツロウ 2.0 6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5 7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0 8.ベヘニルアルコール 1.5 9.モノステアリン酸グリセリン 2.5 10.香料 0.1 11.1,3−ブチレングリコール 8.5 12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05 13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2 14.精製水 68.1[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。 処方例3 乳液処方 配合量1.ネンジュモエタノール抽出物(製造例3) 0.5部2.スクワラン 5.0 3.オリーブ油 5.0 4.ホホバ油 5.0 5.セタノール 1.5 6.モノステアリン酸グリセリン 2.0 7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0 8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0 9.香料 0.1 10.プロピレングリコール 1.0 11.グリセリン 2.0 12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2 13.精製水 72.7[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。 処方例4 ヘアトニック処方 配合量1.エタノール 60.0部2.ネンジュモ50%1,3−抽出物(製造例2) 2.0 3.グリセリン 2.0 4.精製水 36.0[製造方法]ネンジュモの抽出物をエタノールに溶解し、グリセリン、精製水を加え、十分かく拌混合し、製品とする。 処方例5 パック 処方 配合量1.ネンジュモ熱水抽出物(製造例1) 0.1部2.ポリビニルアルコール 12.0 3.エタノール 5.0 4.1,3−ブチレングリコール 8.0 5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2 6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5 7.クエン酸 0.1 8.クエン酸ナトリウム 0.3 9.香料 0.110.精製水 73.7[製造方法]成分1〜10を均一に溶解し製品とする。 次に本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。ケラチノサイトの細胞増殖促進試験 培養ケラチノサイトの細胞増殖促進効果を下記の条件にて測定した。 マウスケラチノサイト由来Pam212細胞を35mmディッシュに30,000個播種し、試料を最終濃度で1μg/mlとなるように添加した0.5%ウシ胎児血清を含むEagle’s MEM培養液で37℃、5%CO2条件下、6日間培養した。その後、0.25%トリプシン溶液にて細胞を剥離し、血球計算盤を用いて細胞数を測定した。コントロールの細胞数に対する試料添加時の細胞数値からケラチノサイトの細胞増殖促進率を求めた。比較例として、製造例1と同様にして調製したクロレラ抽出物を用いた(比較例1)。 これらの試験結果を表1に示した。その結果、ネンジュモの抽出物には優れたケラチノサイトの細胞増殖促進効果が認められた。使用試験 処方例1のローション及び比較例2の従来のローションを用いて、各々女性30人(30〜45才)を対象に2ヶ月間の使用試験を行った。使用後、しわ、たるみ、肌の弾力についてのアンケート調査を行って、老化防止効果を判定した。アンケートの評価基準は、有効なものを「優」、やや有効なものを「良」、わずかに有効なものを「可」、無効なものを「不可」として評価した。 これらの結果を表2に示した。処方例1のネンジュモの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤は優れた老化防止効果を示した。なお、試験期間中皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。 処方例2のクリーム、処方例3の乳液の使用試験を行ったところ、いずれも安全で優れた老化防止効果を示した。 本発明は、皮膚の老化防止効果を有する細胞増殖促進剤および皮膚外用剤を提供する。ネンジュモの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤。請求項1の細胞増殖促進剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。 【目的】ネンジュモの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤及び皮膚外用剤を提供する。【構成】本発明は、ネンジュモの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤及び皮膚外用剤である。本発明で用いられるネンジュモは、ネンジュモ属の陸上藻で、ハッサイ(学名:Nostoc commune Vauch. var. flagelliforme)やイシクラゲ(学名:Nostoc commune Vauch.)などが挙げられる。


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