生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_辛味増強方法
出願番号:2003362601
年次:2005
IPC分類:7,A23L1/22,A61K7/26


特許情報キャッシュ

平尾 和隆 真殿 昌美 山本 真紀 JP 2005124456 公開特許公報(A) 20050519 2003362601 20031022 辛味増強方法 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 000175283 平尾 和隆 真殿 昌美 山本 真紀 7A23L1/22A61K7/26 JPA23L1/22 ZA61K7/26 7 OL 9 4B047 4C083 4B047LB08 4B047LG18 4B047LG47 4C083AB172 4C083AB292 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC782 4C083AD272 4C083AD352 4C083AD411 4C083AD412 4C083AD532 4C083CC41 4C083DD22 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE31 この発明は、辛味増強組成物及び辛味増強方法に関する。より詳細には、ソーマチンを含有する辛味増強組成物、ならびに、辛味成分に対して、ソーマチンを添加することにより、食品、飼料、ペットフード、医薬品、医薬部外品などの口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品の辛味を増強する辛味増強法に関する。 ソーマチン(タウマチン)は、クズウコン科タウマトコカスダニエリ(Thaumatococcus daniellii BENTH)(しびれくずうこん)の種子より得られる非常に強い甘味を呈する甘味料である。この植物は、西アフリカの熱帯多雨森林地帯に自生している多年生植物である。この果実は、西アフリカでは古くからヤシ酒、酸味の強い果実、および、パンなどの甘味料として用いられている(非特許文献1)。 ソーマチンは、現在、清涼飲料水、菓子パン及び菓子等に広く使用されるほか、動物用の混合飼料にも使用されている。また、ソーマチンは、甘味を付与するだけではなく、フレーバーエンハンスやマスキング等の効果を有することや食品の香味を改善できることは公知である(非特許文献2)。しかし、ソーマチンが、辛味成分を含有する食品等の辛味を増強することができるということは知られていない。 特許文献1には、ソーマチンが食塩の塩辛度を増加することが記載されている。しかし、この効果は食塩の塩辛度に限られており、食塩以外の成分や、特に好ましい食品の種類等については何ら記載されていない。 特許文献2には、高甘味度甘味料を食品に添加することにより、調味料に香味の付与をすることが記載されており、この高甘味度甘味料にはソーマチンが列挙されている。しかし、特に具体的にどのような香味や食品に効果があるか、特にソーマチン特有の効果があるかについては何ら記載されていない。 一方、食品、飼料、ペットフード、医薬品、医薬部外品などの口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品に含まれた辛味成分等の辛味は、使用した原料素材に由来する場合と、人工的に付与される場合とがある。原料素材から由来する辛味には、辛味成分であるバニーケトン、ピペリン異性体、アルキルスルフィド、アリルイソチオアネートなどの揮発性成分やカプサイシン、タデオナール、ジンジャー油、からし油、オニオンエキス、ガーリックオレオレジン、わさび油等の不揮発性成分が含有されたしょうが、ねぎ、たまねぎ、にんにくなどの野菜、山椒、ヤナギタデなどのスパイス、ペッパー、わさび、マスタード、ナツメグ、メースなどのハーブなどによるものが挙げられる。 また、人工的に付与される辛味には、天然に存在する野菜、スパイス及びハーブ等に含有される辛味成分を抽出又は醗酵等させたものが挙げられる。上記辛味成分を含有することにより辛味が付与されている具体的な製品としては、食品の例として、練りわさび、練りからし、カレー、米菓、おろししょうが、豆板醤、キムチ、しょうが糖、ハム、ドレッシング、カレー、ボルヒチ、サワークラフト、パン、クッキー、シチュー、スープ、トマトソース、ピザ、ソーセージ、ムニエル、バーベキュー、スパゲッテイー、ミントテイー、キャンデー、やきとり、タンシチュー、ハヤシライス、焼き豚、ショウガ焼き、うなぎ蒲焼き等が挙げられ、医薬部外品の例として、ハミガキ、うがい薬などが挙げられる。 上記辛味成分は、揮発性の高いものや、熱に不安定な物質が多く、食品等の加熱又は加工により揮発、分解などの劣化を生じ、望まれる強さの辛味が得られなかった。このため、望まれる強さの辛味を得るためには、辛味成分の添加量を増すか、あるいは劣化の少ない他の辛味成分を添加していた。また、上記の成分の揮発や分解等を防止することにより安定化を図るために、辛味成分を、サイクロデキストリンなどにより包接したり、アラビアガム、ゼラチンなどによりカプセル化する方法が提案されている。 しかしこれらの方法では、辛味成分の劣化に伴う異味異臭の発生、あるいは他の辛味成分の添加による風味の変化をきたし、根本的な改善となっていなかった。そこで、食品などの種々の性質に変化を与えることなく、呈味性のよい辛味を増強させる方法が望まれていた。 辛味成分の他の増強方法としては、スクラロースを、口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品に添加する方法が開示されている(特許文献3)が、辛味の持続性が十分でない等の問題があった。特公平7−83690号公報特開平8−182473号公報特許第3439564号公報FFIジャーナル、No.195、2001、第61-63坂上和之、竹内昌則、「ソーマチンの多目的用途とその利用」月刊フードケミカル1998年2月号 本発明は、ソーマチンを辛味成分に添加することにより、食品、飼料、ペットフード、医薬品、医薬部外品などの口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品などに含まれた辛味成分を強調することを目的としている。 本発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ソーマチンを辛味成分に添加することにより、他の性質に変化を与えることなしに、従来よりもきわめて良好な辛味増強効果、および辛味の持続効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明によれば、ソーマチンを含有する辛味組成物が提供される。また、ソーマチンを、辛味成分を含有する口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品に、辛味増強有効量添加する辛味増強方法が提供される。すなわち、本発明は下記(1)〜(7)に掲げるものである:(1)ソーマチン及び辛味成分を含有する辛味組成物。(2)前記辛味成分がアリルイソチオシアネート又はカプサイシンである、請求項1記載の辛味組成物。(3)ソーマチンを辛味増強有効量添加することを特徴とする辛味増強方法。(4)辛味成分が、アリルイソチオシアネート又はカプサイシンである(3)記載の辛味増強方法。(5)前記辛味増強有効量が、アリルイソチオシアネート100重量部に対して、0.005〜500重量部である(4)の辛味増強方法。(6)前記辛味増強有効量が、カプサイシン100重量部に対して、0.25〜25000重量部である(4)の辛味増強方法。(7)辛味増強有効量が、口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品100重量部に対して0.0000001〜0.01重量部である(3)〜(6)記載の辛味増強方法。 本発明によれば、口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品における辛味を、その原料素材に含まれる辛味を有する呈味物質本来の味を阻害することなく、かつその他の性質に変化を与えることなく、増強することができる。また、それによって辛味量の使用量を減じることができる。 本発明におけるソーマチンとは、クズウコン科タウマトコカスダニエリ(Thaumatococcus daniellii BENTH)(しびれくずうこん)の種子から抽出するか、あるいは微生物の遺伝子組換えによって得られる甘味料である。甘味倍率は、砂糖8%の甘味相当濃度においては約2,500〜3,000倍、閾値濃度付近においては砂糖の約5,500〜8,000倍の甘味を有する。 本発明において、辛味成分を含有する口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品とは、辛味成分であるバニーケトン、ピペリン異性体、アルキルスルフィド、アリルイソチオアネートなどの揮発性成分やカプサイシン、タデオナール、ジンジャー油、からし油、オニオンエキス、ガーリックオレオレジン、わさび油等の不揮発性成分、あるいは、天然に存在するねぎ、たまねぎ、にんにく、山椒、ヤナギタデ、ペッパー、わさび、マスタード、ナツメグ、メースなどの野菜及び植物等から抽出されるすべての辛味成分、又はこれら野菜及び植物それ自体を含有する口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品を包含するものである。好ましくは、本発明において対象となる辛味成分は、アリルイソチオシアネート又はカプサイシンである。これら製品は、口腔中で辛味が感じられるものである他、辛味が全く又はほとんど感じられないものであってもよい。この発明においては、口腔中で使用される製品又は経口摂取が可能な製品が辛味を呈する場合には、その辛味をさらに増強するように作用し、全く又はほとんど辛味を感じさせない場合には、辛味がより感じられるように作用する。口腔中で使用される製品又は経口摂取が可能な製品とは、口腔内で使用され、使用後口中から排出されるような製品、口腔内で使用され、かつ使用後にその一部を経口摂取することができる製品、又は経口的に摂取することができる製品を包含する。 辛味成分を含有する口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品としては、上記辛味成分を含有する人体に無毒な液状、半固形状又は固形状の食品、医薬品、化粧品、医薬部外品の他、動物、家畜、家禽への飼料等が挙げられる。具体的には、食品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、練りわさび、練りからし、カレー、米菓、おろししょうが、豆板醤、キムチ、しょうが糖、ハム、ドレッシング、カレー、ボルヒチ、サワークラフト、パン、クッキー、シチュー、スープ、トマトソース、ピザ、ソーセージ、ムニエル、バーベキュー、スパゲッテイー、ミントテイー、キャンデー、やきとり、タンシチュー、ハヤシライス、焼き豚、ショウガ焼き、うなぎ蒲焼き等が挙げられる。医薬品としては、例えば、滋養強壮栄養補給剤、うがい薬及び口腔錠等が挙げられる。化粧品及び医薬部外品としては、例えば、歯磨き、薬用歯磨き、マウスウォッシュ、口内清涼剤、リップクリーム等が挙げられる。また、飼料としては、種豚飼育用配合飼料等の飼料、小型犬用ペットフード等が挙げられる。 本発明における辛味増強有効量とは、上記辛味成分を含有する製品にソーマチンを添加することにより辛味を増強させることができる量を意味し、つまり、ソーマチンが辛味増強効果を発現する濃度から、ソーマチンのもつ甘味の発現により辛味増強効果がなくなる、または製品の嗜好が低下する濃度範囲をいい、製品中に含有されている辛味成分の種類、量等により適宜調整することができる。製品に含有される辛味成分の種類及び量が予め分かっている場合又は適当な方法により測定することができる場合には、その辛味成分の量に応じて、ソーマチンを添加することもでき、辛味成分100重量部に対して、0.005〜25000重量部程度が好ましい。具体的には、辛味成分がアリルイソチオシアネートであるときは、アリルイソチオシアネート100重量部に対して0.005〜500重量部添加することが好ましく、辛味成分がカプサイシンであるときは、カプサイシン100重量部に対して0.25〜25000重量部添加することが好ましい。また、この辛味増強有効量は、製品に対する割合としては、例えば、口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品100重量部に対して0.0000001〜0.01重量部が好ましく、より好ましくは0.0000005〜0.001重量部である。0.0000005重量部以下では、辛味成分を増強するのに十分な効果が得られない。一方、0.01重量部以上使用したときには、ソーマチンによる甘味がでて、辛味成分の増強を判別することが困難になる。 ソーマチンの辛味増強効果を示す濃度は辛味成分の濃度の変化に殆ど影響をうけない。通常異質の味が混合されるとそれぞれの味は抑制されるが、辛味成分とソーマチンの辛味増強効果との間にはこの関係は成り立たない。このことは、ソーマチンの辛味増強効果がソーマチンの甘味によるものではなく、全く別の作用機構であることを示唆している。 本発明の辛味組成物は、ソーマチンを活性成分として含有するものであり、ソーマチン単独で用いてもよく、液体又は固体の賦形剤や希釈剤と、さらに任意に1種又は2種以上の適当な添加剤を加えた製剤として使用することもできる。液体の賦形剤又は希釈剤としては、例えば、水、エタノール、オリザノール及びオクタコサノール等のアルコール類;液糖、ホモオリゴ糖及びヘテロオリゴ糖等のオリゴ糖類;水飴、澱粉分解物等の糖類;ソルビット、マルチトール、エリストール、還元パラチノース、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖及び還元乳糖等の糖アルコール類;グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール類;グリセリン及びプオロピレングリコール等の多価アルコール等の多価アルコール類;グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ポリオキシエチレン、プロピレングリコール及びショ糖等の脂肪酸エステル類;及びレシチン等の乳化剤、アセトン等の親水性有機溶媒等が挙げられる。固体の賦形剤又は希釈剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、乳糖等が挙げられる。これら液体又は固体の賦形剤又は希釈剤を使用する場合には、20〜10000000重量倍程度の賦形剤又は希釈剤をソーマチンに加えることができる。 本発明の辛味組成物は、ソーマチンを活性成分として含有するが、ソーマチン以外の糖類または高甘味度甘味料と組み合わせて使用することができる。糖類としては、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)を挙げることができるがこれらに限定されない。高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等の高甘味を有する甘味成分が挙げられるがこれらに限定されない。かかる高甘味度甘味料と併用することによって、辛味増強の相乗効果を得ることもできる。 本発明において、ソーマチンを、辛味成分を含有する口腔中で使用される製品又は経口摂取が可能な製品に添加する方法は特に限定されない。添加する段階としては、対象とする製品を製造するときに主原料及び副原料とともに、そのまま、液状又は固体状で添加してもよいし、でき上がった製品に添加、混和、溶解してもよい。(実施例) 次に実験例及び実施例を示し、本発明をさらに説明する。実験例1辛味成分であるアリルイソチオシアネート0.002%及びカプサイシン0.00004%において、ソーマチン(サンスイートT;三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)の添加量を種々変化させることにより、辛味成分の濃度変化に対するソーマチンの辛味増強効果の影響を調べた。その結果を表1に示す。 表1および表2から明らかなように、いずれの場合にもソーマチンの辛味増強効果が見られたが、ソーマチン1ppm以上の濃度では、辛味増強効果と同時に甘味も感じられた。(からし床) 清香24部を2/3まで煮詰めたのち、酒粕16部、酒8部、白みそ16部、粉末からし12部、ソーマチン0.0003部、着色料0.2部、ソルビン酸カリウム0.1部、を加え、水にて合計100部に調製し、練りこんでからし床を製造した。訓練されたパネラー10名のうち10名が、ソーマチンを含まないブランクと比較して、ソーマチンを含有するものでは辛味を強く感じ、しかも長く持続性があり、風味も向上したと評価した。(スパイシードリンク) 果糖3部、エリスリトール2部、水溶性植物繊維1.9部、甘味料(甘味料なし、ソーマチン0.00015部またはスクラロース0.002部)、クエン酸(無水)0.25部を攪拌溶解し、水にて合計100部にする。93℃達温にて、着色料0.015部、ジンジャ−エッセンス0.02部、スパイス香料0.005、トウガラシ香料0.0005を添加し、重量補正後ホットパック充填した。訓練されたパネラー10名のうち10名が、甘味料を含まないブランクと比較して、ソーマチンを含有するものでは辛味を強く感じ、パネラー10名のうち5名が、甘味料を含まないブランクと比較して、スクラロースを含有するものでは辛味を強く感じた。また、パネラー10名のうち10名が、ソーマチンを含有するものとスクラロースを含有するものとでは、ソーマチンを含有するものが辛味を強く感じ、しかも長く持続性があり、風味も向上したと評価した。(乳化型ドレッシング(わさび風味)) 水42部に乳化剤0.2部を加え、80℃10分間加熱攪拌した。重量補正し、これに、醸造酢4部、リンゴ酢3部、ライム濃縮果汁0.5部、白しょうゆ7部、魚醤1部、食塩1部、L-グルタミン酸ナトリウム0.3部、甘味料(スクラロース0.003部、または、スクラロース0.003部およびソーマチン0.00015部)、ビーフエキス0.3部、ホワイトペッパー粉末0.1部を加え、攪拌溶解した。次にコーンサラダ油35部を少しずつ加えて攪拌し、その後わさび香料3部と着色料を加え、ホモミキサーで乳化した。パネラー10名のうち10名が、スクラロースを含有するものよりスクラロース及びソーマチンを含有するものが辛味を強く感じ、しかもその辛味が後まで口に残り持続性が強いと評価した。(シーズニング配合品) ペッパー30部、ベイローレル5部、スモークパウダー10部、スパイスミックス0.05部、ソーマチン0.1部、食塩1部、ナツメグ5部、デキストリン40部、動物性タンパク加水分解物10部、グルタミン酸ナトリウム0.2部、ビーフ調味料0.2部を配合したハム用シーズニング配合品を、噴霧乾燥によって調製したとき、ペッパーの香りが良好で、ペッパーの辛味が増強された配合品が得られた。(ラーメンスープ) 食塩24部、グルタミン酸ナトリウム8部、核酸系調味料0.3部、コハク酸ナトリウム0.3部、ポークエキスパウダー20部、チキンエキスパウダー4部、植物性たんぱく加水分解物4部、粉末しょうゆ4部、白菜エキスパウダー2部、ネギエキスパウダー2部、煮干しエキスパウダー1部、ねぎフレーク1部、白炒りごま7部、スパイス類(ペッパー、ジンジャーなど)3.8部、ソーマチン0.1部、乳糖17.6部を調製し、この粉末15部に湯300部を溶解したとき、良好なラーメンスープが得られ、ねぎ、ペッパー、ジンジャーの良好な辛味を増強した。(バーベキュー用シーズニング) 食塩22部、ぶどう糖15部、ラクチトース15部、ソーマチン0.05部、イースト10部、グルタミン酸ナトリウム6部、マルトデキルトリン10部、コーンスターチ3部、小麦粉3部、トマトパウダー3部、自己分解酵母エキス6部、オニオンパウダー5部、ガーリックパウダー2部、チリペッパー1.5部、パプリカ2.5部、セルリー、クミン、クローブ、オールスパイス、シナモン、ブラックペパー及びレッドペパーの混合品0.5部、クエン酸0.7部、スモークフレーバー1部、パプリカオレオレジン0.4部、イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの混合物0.1部を混合したバーベキュー用シーズニングをふん多混合により調製した。このシーズニング6部を、ポテトチップ100部の表面に付着させて食したとき、スパイスの辛味性が向上した良好なシーズニングが得られた。(焼き肉のたれ) 澱粉2部、ぶどう糖果糖液糖20部、水26部を混合し、80℃、10分間加熱攪拌した。これに、野菜ブロス30部、濃縮しょうゆ12部、パイナップル果汁3部、複合調味料0.3部、ニンジンエキス0.4部、ガーリックエキス0.3部、ジンジャーエキス0.3部、発酵調味料5部、ビーフエキス0.5部、胡椒末0.3部、ソーマチン0.05部を入れ、攪拌溶解し、粘ちょうな溶液の焼き肉のたれ(野菜風味)を得た。容器に充填後、85℃、30分間加熱殺菌して、ソーマチンを含まないブランクの焼き肉のたれも作製した。牛肉100部に対して、この焼き肉のたれ30部を用いて、加熱調理したときに、スパイスの辛味性が増強したたれが得られた。このたれは、長期保存した際に、辛味成分の劣化に伴う異味異臭の発生も見られず、良好な辛味が維持されていたが、ブランクの焼き肉のたれでは風味の変化が見られた。(ねりハミガキ) リン酸カルシウム2水和物45部、無水ケイ酸2部、グリセリン10部、ソルビトール10部、カルボキシメチルセルロース1部、カラギナン0.3部、ラウリル硫酸ナトリウム1.8部、精製水、28.9部、メントール1部、ソーマチン0.02部を用いて、ねりハミガキを調製する。精製水に、カルボキシメチルセルロースとカラギナンとを加え、膨張させ、溶解する。この溶液に他の成分を添加し、均一に混合したあと、脱気し、チューブ容器に充填する。得られたねりハミガキは、メントールの辛味性が増強され、フレッシュ感のよいものが得られた。 ソーマチン及び辛味成分を含有する辛味組成物。 前記辛味成分がアリルイソチオシアネート又はカプサイシンである、請求項1記載の辛味組成物。 辛味成分に対して、ソーマチンを辛味増強有効量添加することを特徴とする辛味増強方法。 前記辛味成分が、アリルイソチオシアネート又はカプサイシンである請求項3記載の辛味増強方法。 前記辛味増強有効量が、アリルイソチオシアネート100重量部に対して、0.005〜500重量部である請求項4記載の辛味増強方法。 前記辛味増強有効量が、カプサイシン100重量部に対して、0.25〜25000重量部である請求項4記載の辛味増強方法。 前記辛味増強有効量が、口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品100重量部に対して0.0000001〜0.01重量部である請求項3乃至6記載の辛味増強方法。 【課題】従来の辛味増強方法では、辛味成分の劣化に伴う異味異臭の発生、あるいは他の辛味成分の添加による風味の変化をきたし、根本的な改善となっていなかった。そこで、食品などの液性や物理化学的な性質に変化を与えることなく、呈味性のよい辛味を増強させる方法が望まれていた。【解決手段】ソーマチンを辛味成分に添加することにより、食品、飼料、ペットフード、医薬品、医薬部外品などの口腔内で使用される製品又は経口摂取が可能な製品などに含まれた辛味成分を強調することができる。【選択図】なし


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