生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_防錆防食剤
出願番号:2003348368
年次:2005
IPC分類:7,C23F11/14,C07C211/27


特許情報キャッシュ

越後 雅敏 桑原 久征 小山 剛司 JP 2005113195 公開特許公報(A) 20050428 2003348368 20031007 防錆防食剤 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 永井 隆 100117891 越後 雅敏 桑原 久征 小山 剛司 7C23F11/14C07C211/27 JPC23F11/14 101C07C211/27 3 OL 8 4H006 4K062 4H006AA01 4H006AA03 4H006AB83 4K062AA03 4K062BA08 4K062BA10 4K062BA11 4K062BB01 4K062BB06 4K062BB07 4K062BB12 4K062BB18 4K062BC01 4K062BC30 4K062CA10 4K062FA16 4K062GA01 本発明は防錆防食剤に関する。詳しくは、優れた防錆防食効果を発揮でき、多種の金属に適用できる防錆防食剤に関する。 従来、防食防錆剤は、潤滑剤、切削油、研削油、圧延油、引き抜き油等の加工油、燃料油、不凍液、冷却水、焼入れ油および作動油など、様々な用途に使用されている。 一般に用いられている防錆防食剤としては、例えば、亜硝酸塩、硝酸塩、クロム酸塩、カルボン酸塩、モリブデン酸塩、ピラゾール類、トリアゾール類、テトラアゾール類、チアゾール類等が挙げられる。 しかしながら、上記従来の防錆防食剤は、いずれもその防錆防食効果が充分満足できるものとは言えない。また使用環境によって、容易に分解してその効力を失ってしまうものもある。 本発明は、上記従来技術の課題を解決することのできる防錆防食剤を提供することを目的とする。 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物を有効成分とする防錆防食剤は、優れた防錆効果を発揮し、鉄、銅、黄銅、アルミニウム、およびハンダなど、多くの金属の防錆、防食に有効であり、さらに難分解性で効力を持続できることを見出し、本発明を完成させた。 すなわち本発明は、一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする防錆防食剤に関するものである。 (Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を示す。) 以上の実施例から明らかなように、本発明の防錆防食剤は、優れた防錆効果を発揮し、鉄、銅、黄銅、アルミニウム、およびハンダなどの多くの金属の防錆、防食に有効であり、さらに難分解性で効力を持続でき、種々の用途で有用である。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の、一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物は公知の方法により製造できる(特開2002−161076号公報参照。)。 一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物、具体的には、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミン、N−フェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−パラキシリレンジアミン、N−フェネチル−1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェネチル−1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジフェネチル−1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’−トリフェネチル−1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N−フェネチル−1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェネチル−1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジフェネチル−1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’−トリフェネチル−1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、等が挙げられ、この中でもN−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、およびN,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミンが特に好ましい。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用しても良い。 本発明の防錆防食剤は、上記一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物の少なくとも1種を水、水性溶媒、および油性溶媒に溶解、または分散させることにより調製される。上記一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物の濃度は特に制限されず、その用途や対象金属等に応じて広い範囲から適宜選択すれば良いが、通常水、水性溶媒、および油性溶媒の使用量の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量程度とすればよい。0.001重量%より少ないと、防錆効果が低下する恐れがあり、一方10重量%を超えても防錆効果のそれ以上顕著な向上が認められないので、経済上好ましくない。 本発明の防錆防食剤は、様々なpHで用いることができ、pHの調整は使用時にまたはあらかじめ公知のpH調整剤によってできる。pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機系酸性物質やクエン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機系酸性物質、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機系塩基性物質やトリエタノールアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の有機系塩基性物質があげられる。また本発明における上記一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物自身も有機系塩基性物質なので、その添加量に応じてpH調整剤として使用することもできる。これらのpH調整剤は1種を単独として使用しても良く、2種以上を併用しても良い。 本発明の防錆防食剤は、公知の防錆防食剤との併用も可能である。その具体例としては、例えば、鉄に有効な亜硝酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、t−ブチル安息香酸塩、アゼライン酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール塩、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールを挙げることができる。市販の防錆防食剤も添加できる。 また本発明の防錆防食剤の使用方法については、特に制限は無く、既知の防錆防食剤と同様の方法で適用できる。例えば、適当な溶媒に溶かして0.001〜10重量%の溶液とし、浸漬法または吹き付け法によって金属製品に施す方法、防錆防食剤を溶媒に溶かして0.001〜10重量%の溶液としたものをそのまま潤滑剤、切削油、研削油、圧延油、引き抜き油等の加工油、燃料油、不凍液、冷却水、焼入れ油および作動油として用い、それらを用いた機械の防錆防食、金属加工を行なった金属の防錆防食とする方法がある。 溶媒は特に限定されないが、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、ミネラルスピリッツ、灯油、軽油、マシン油等の鉱油、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のモノアルコール類、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のポリエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、酢酸エチル、蟻酸メチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、水等から選ばれる一種類または二種類以上の混合溶媒を用いると良い。防錆防食剤を溶媒に溶かして使用する場合、完全に均一な状態、不均一な状態(エマルジョン)いずれの形態であっても差し支えない。 さらに必要に応じて、種々の添加剤を添加してもよく、具体的には界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、有機または無機インヒビター、清浄分散剤、極圧剤(磨耗防止剤)、粘度指数向上剤、流動点降下剤、脂肪酸、油脂、塩基性化合物等が挙げられる。 界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性型のいずれを使用しても良い。アニオン型としては、オレイン酸トリエタノールアミン塩、ラウリン酸ナトリウム塩、リシノール酸ナトリウム塩等の脂肪酸系、N−ラウリルザルコシンナトリウム塩、N−ラウリルグルタミン酸ナトリウム塩、N−ラウリルグルタミン酸トリエタノールアミン塩等のアミノ酸系、ラウリルスルホン酸ナトリウム塩、ノニルフェニルスルホン酸塩ナトリウム塩、ナフタリンスルホン酸ナトリウム塩等のスルホン酸系、2−エチルヘキシルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル系、ナフテン酸ナトリウム塩等が挙げられる。カチオン型としては、アルキルアミノトリアゾール類、アルキルオキサゾリン類、アルキルアミン類、アマイド類が挙げられる。ノニオン型としてはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。両性型としては、コハク酸アルキルベタイン、N−アルキルトリグリシン等が挙げられる。 消泡剤としては、特に限定されないが、シリコン系、オレイルアルコール等のアルコール系、ポリメタクリレート等のポリアクリレート系、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル系が挙げられる。 酸化防止剤としては、特に限定されないが、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系、ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系、ジンクジアリルジチオホスフェート等のジチオリン酸亜鉛系、ジベンジルサルファイド等の有機硫黄系を挙げることができる。 防腐剤としては、特に限定されないが、o−フェニルフェノール、2,3,4,6−テトラクロロフェノール等のフェノール類、2−ヒドロキシフェニル−2−ニトロ−プロパンジオール、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチルトリアジン等のホルムアルデヒド供与体、サリチルアニリド等が挙げられる。 洗浄分散剤としては、特に限定されないが、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム等のスルホネート系、アルキルフェノールサルファイドカルシウム塩類等のフェネート系、ポリブテニルコハク酸イミド等のコハクイミド系、アリアルキルメタクリレート−ビニルピロリドン共重合物を挙げることができる。 極圧剤(磨耗防止剤)としては、特に限定されないが、高分子脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸エステル、油脂重合物、脂肪族アミン、高級アルコール、塩素化パラフィン等の塩素化物類、ジアルキルジサルファイド、硫化テレピン等の硫黄化合物、ジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。 粘度指数向上剤としては、特に限定されないが、ポリアルキルメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー等の化合物が挙げられる。 流動点降下剤としては、特に限定されないが、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等が挙げられる。 油脂としては、特に限定されないが、ひまし油、なたね油、ラード油、鯨油、大豆油等が挙げられる。 塩基性化合物としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機系塩基性物質やトリエタノールアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の有機系塩基性物質が挙げられる。 本発明の防錆防食剤は、金属の防錆防食を目的に使用される限りでは、被防錆防食の対象金属の種類は限定されないが、具体的には、鋼鉄、鋳鉄等の鉄や、銅、黄銅、アルミニウム、ハンダ、マグネシウム、珪素、銀、鋳鉄、クロム等の非鉄金属が挙げられる。中でも、鉄や、銅、黄銅、アルミニウム、ハンダに対して好適に用いられる。 また、本発明の防錆防食剤は、潤滑剤、切削油、研削油、圧延油、引き抜き油等の加工油、燃料油、不凍液、冷却水、焼入れ油および作動油に適用できる。 以下の実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 <製造例> 撹拌装置、温度計、窒素導入管、滴下漏斗、冷却管を備えた2リットルフラスコに、活性水素当量が34のメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製、MXDA(分子量136.2))817.2g(6.0モル)とリチウムアミド(メルク社製、試薬)2.9g(0.13モル)を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら80℃に昇温した。その後、80℃で30分撹拌したのち、反応液の一部を採取し、反応中間体の定量を行い、MXDA1モル部に対して0.001モル部以上を確認した。その後、80℃に保ちながら、スチレン(和光純薬工業(株)製、試薬特級)625.2g(6.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で30分保った。その後、仕込んだリチウムアミドの10倍モル量の蒸留水23.4g(1.3モル)を添加して撹拌した。フラスコ内液中の沈殿物をろ過で分離後、減圧蒸留で水を留去し、アミノ組成物A 1381.7gを得た。アミノ組成物Aは、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン:58%、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン:34%、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン:4%、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン:4%よりなる混合物であった。アミノ組成物Aは難分解性であった。 <評価方法>(1)鋼板に対する防錆防食性 鋼板に対する防錆防食性は、防錆防食剤濃度0.2重量%のメタノール中に、研磨洗浄した試験片[SPCC−SB(冷間圧延鋼板);寸法:1.3×80×60mm]を1分間浸漬し、ただちに取り出し、23℃、50%RHの環境試験室内に2週間放置する。その後、JIS Z−2912(錆発生度測定方法)に準拠して、100区画中の発錆区画数(錆発生度)を求め、下記の判定基準に従って判定した。 <判定基準> A;錆発生度 0 B;錆発生度 1〜10 C;錆発生度 11〜25 D;錆発生度 26〜50 E;錆発生度 51以上(2)非鉄金属に対する防錆防食性 非鉄金属に対する防錆防食性は、防錆防食剤濃度0.2重量%のメタノール中に、研磨洗浄した下記試験片を1分間浸漬し、ただちに取り出し、35℃、90%RHの恒温恒湿器内に3週間放置する。その後、錆の発生状態を下記の判定基準に従って判定した。 <試験片>H3OA(ハンダ);寸法:3×50×25mmAC2A−F(アルミニウム);寸法:3×50×25mmC1100P(銅);寸法:1.5×50×25mmC2680P(黄銅);寸法:1.5×50×25mm <判定基準> ◎;変色、錆が全く認められない ○;変色、錆が僅かに認められる △;変色、錆が1/3程度認められる ×;変色、錆が1/3〜2/3程度認められる ××;変色、錆が2/3以上認められる <実施例1>、<比較例1、2> アミノ組成物Aを実施例1、ベンゾトリアゾール(関東化学(株)製、試薬特級、BZH)を比較例1の防錆防食剤とした。防錆防食剤無添加を比較例2とした。鋼板に対する防錆防食性の結果を表1に示す。非鉄金属に対する防錆防食性の結果を表2に示す。一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする防錆防食剤。 (Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を示す。)アミノ化合物が、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、およびN,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の防錆防食剤。対象金属が、鉄、銅、黄銅、アルミニウム、およびハンダから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の防錆防食剤。 【課題】 金属の防錆防食効果に優れ、難分解性の防錆防食剤を提供する。【解決手段】 一般式(1)の脂肪族ジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする。(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を示す。)アミノ化合物は、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、およびN,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミンからなる群から選ばれる一種以上である。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る