生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_イチョウ葉からの新規抽出物及びその製法
出願番号:2003342025
年次:2005
IPC分類:7,A61K35/78,A23L1/212,A23L1/30,A61K31/19,A61K31/35,A61P3/00,A61P3/10,A61P9/12


特許情報キャッシュ

渡邉 力夫 山下 涌二郎 栗山 宏樹 JP 2005104921 公開特許公報(A) 20050421 2003342025 20030930 イチョウ葉からの新規抽出物及びその製法 タマ生化学株式会社 000108812 イチョウ葉産業株式会社 591210747 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 安田 徹夫 100107168 藤田 節 100118773 渡邉 力夫 山下 涌二郎 栗山 宏樹 7A61K35/78A23L1/212A23L1/30A61K31/19A61K31/35A61P3/00A61P3/10A61P9/12 JPA61K35/78 BA23L1/212 AA23L1/30 BA61K31/19A61K31/35A61P3/00A61P3/10A61P9/12 4 OL 9 4B016 4B018 4C086 4C088 4C206 4B016LC07 4B016LE05 4B016LG16 4B016LP02 4B018LB08 4B018LE05 4B018MD09 4B018MD61 4B018ME03 4B018ME04 4B018ME11 4B018ME14 4B018MF01 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA07 4C086MA03 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA42 4C086ZC21 4C086ZC35 4C088AB02 4C088BA11 4C088CA03 4C088MA52 4C088NA14 4C088ZA42 4C088ZC21 4C088ZC35 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA01 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA72 4C206NA14 4C206ZA42 4C206ZC21 4C206ZC35 本発明は、従来にない成分のイチョウ葉エキスの提供とその製造法に関し、本発明によるイチョウ葉エキスを高血圧症の改善、糖尿病や肥満の原因となる血糖値の改善、肝機能の改善および疲労回復・整腸作用などの体質改善を目的に利用する製剤、食品および飲料に関する。 イチョウは古くから鎮咳、解毒、治淋、頻尿抑制、滋養の効があるとされ、ガン、肺結核、タコ、ウオノ目、喘息等の治療に利用されてきた。イチョウ葉より抽出したエキスには、血管拡張、血流増大、血管系の老化防止、特に脳の末梢血流の改善、神経障害等の治療を目的とした医薬品として用いられている。 また、一部にイチョウエキスを含むと称する健康食品も市販されており食品としても利用されている。さらにイチョウエキスを含む皮膚剤は皮膚の末梢の循環を正常化し、促進し、美容上顕著な効果を上げることが認められている。イチョウ葉中の有用成分についてもそれらの作用の解明が進んでおり。例えばサリチル酸誘導体の抗ストレス潰瘍作用〔特開昭63-215629号公報(特許文献1)〕、イチョウ葉に固有のフラボン配糖体の血圧降下作用〔日本薬学会第107年会講演要旨集P345(非特許文献1)〕、ギンコライド類の血小板活性化因子阻害作用等の報告がある。しかし、一方ではイチョウ葉成分の有害作用も知られておりサリチル酸誘導体の一種である銀杏酸はアレルギー性皮膚炎を起こす作用があるといわれている(刈米達夫 最新植物化学)。この点は、イチョウエキスを皮膚用の薬剤や化粧品、育毛剤、食品等に応用する場合の大きな問題点である。 現在市販されているイチョウ葉エキス製品は西欧において医療用に用いられているイチョウ葉エキスの規格に倣って作られており、規格化されている有効成分のみ保証されている。従って本来イチョウ葉に含まれているその他の数多くの成分は無視され、精製の過程で取り除かれている。これらの取り除かれている成分のうち、二重フラボンや有機酸についてもそれぞれの効能や他の成分との相乗作用を示唆する研究報告が存在する。二重フラボンであるビロベチン、シアドピチジン、イソギンゲチンは抗カビ活性を有する〔Z.Naturforsch.[C]Vol.58、p65-69(2003)(非特許文献2)〕。ギンゲチン、イソギンゲチンには、Con AあるいはLPSで誘導したリンパ球増殖の両方を抑制し、アピゲニン、クエルセチンといったフラボノイド類のLPS誘導性リンパ球に対する選択的な増殖抑制能とは異なっている〔Life Sci.Vol.57、p551-558(1995)(非特許文献3)〕。 ギンゲチンは、グループIIホスホリパーゼA2の阻害剤であるが、ラットアジュバント誘導性関節炎を阻害し、濃度依存的に酢酸誘導性の痛みを抑制し〔Planta Med.Vol.65、p465-467(1999)(非特許文献4)〕、抗ウイルス活性を有する。〔Antimicrob. Agents Chemother.Vol.36、p1890-1893(1992)(非特許文献5)〕また、二重フラボン類の抗発癌プロモーター作用が知られている〔日本薬学会第108年会講演要旨集P331(非特許文献6)〕。有機酸の1つであるシキミ酸はラット中大脳動脈血栓症後の局部脳虚血障害の度合いを低下させ〔Zhongguo Yao Li Xue Bao Vol.20、p701-704(1999)(非特許文献7)〕、これは、イチョウ葉エキスの主要成分となるフラボン類との相乗作用の可能性を示唆する。また、他の有機酸となる6‐ヒドロキシキヌレン酸は海馬神経細胞に存在するグルタミン酸受容体のアンタゴニストであり、AMPA型受容体に対し高い親和性を示し、脳の神経伝達に関与する可能性を示した〔J.Neurochem.Vol.77、p1108-1115(2001)(非特許文献8)〕。つまり、二重フラボン類や有機酸類を多く含むイチョウ葉エキスは、従来より市販されているイチョウ葉エキスより幅広い生理学的効果を示す可能性がある。 現在市販のイチョウ葉エキスは、有効成分としてフラボノール配糖体を多く含むエキスであり、その製造法としては、抽出液を四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素による抽出に付し、メチルエチルケトンにより抽出し、鉛化合物により処理する方法〔特公昭46-28091号公報(特許文献2)、特公昭49-27323号公報(特許文献3)〕、有害な四塩化炭素や鉛化合物を用いずに複数の有機溶媒を用いて調製する方法〔特開平03-264533号公報(特許文献4)、特開平03-279331号公報(特許文献5)、特開平03-279332号公報(特許文献6)〕、活性炭や非極性多孔性樹脂といった吸着剤を利用したイチョウ葉エキスの製造方法〔特開平02-73079号公報(特許文献7)、特開平03-275629号公報(特許文献8)、特開平04-182434号公報(特許文献9)〕が存在する。 また、イチョウ葉エキス中の有害成分である銀杏酸等のサリチル酸誘導体を除去を考慮した改良法が現在では主流である。〔特許文献4、特許文献5、特許文献6、特開平07-138171号公報(特許文献10)、特開平10-273444号公報(特許文献11)〕 実用化に至っていないものの、イチョウ葉エキスに二重フラボン類を成分として残す製造方法に関しては、トルエンとブタノールでイチョウ葉エキスを抽出し、水相を吸収性樹脂と接触させ吸収された成分を有機溶媒で溶離する方法が考案されている。〔特開平02-121998号公報(特許文献12)〕また、イチョウ葉を30〜45%エタノールで抽出する製造方法が考案されている〔特開平02-193907号公報(特許文献13)〕が、「サリチル酸誘導体は検出しない」との記載があるものの、その検出限界は500ppm以上であり、現在安全値とされる5ppm以下にできるとの記載はない。現在においても、多くの製造方法が考案されているものの、有用性の期待される有機酸類を残存させることを考慮した製造方法は存在しない。 つまり、従来の技術では、アレルギー性皮膚炎を起こす作用を有するサリチル酸誘導体の除去に焦点を合わせ、吸着樹脂等によりサリチル酸誘導体を除去していたため、有用な二重フラボンや有機酸も同時に除去される結果となっていた。市販されている現行の製品には、二重フラボン類および有機酸類は含まれていない。特開昭63-215629号公報特公昭46-28091号公報特公昭49-27323号公報特開平03-264533号公報特開平03-279331号公報特開平03-279332号公報特開平02-73079号公報特開平03-275629号公報特開平04-182434号公報特開平07-138171号公報特開平10-273444号公報特開平02-121998号公報特開平02-193907号公報日本薬学会第107年会講演要旨集、p345Z.Naturforsch.[C]Vol.58、p65-69(2003)Life Sci.Vol.57、p551-558(1995)Planta Med.Vol.65、p465-467(1999)Antimicrob.Agents Chemother.Vol.36、p1890-1893(1992)日本薬学会第108年会講演要旨集、p331Zhongguo Yao Li Xue Bao Vol.20、p701-704(1999)J.Neurochem.Vol.77、p1108-1115(2001)Planta Med.Vol.57、p430-433(1991)「フローチャートで見る食品分析の実際」(幸書房)、p63-69(2003) 本発明の課題は、皮膚との接触において有害なサリチル酸誘導体を含まず、かつ従来のイチョウ葉エキスの有効成分に加えて、有効成分の二重フラボン類や有機酸類等を含むイチョウ葉エキスに関するものであり、その製法を提供することである。 本発明者は、イチョウ葉の成分のうち従来の医療用のエキスで無視されてきた成分を含み、かつ有害とされる成分を安全な方法で充分に除いた新たなイチョウ葉エキスの提供を検討した結果本発明に到達した。 すなわち、本発明は(1) 乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上を有効成分として含有するイチョウ葉エキス、(2) 乾燥イチョウ葉を含水エタノールで抽出した後、植物油で液-液分配することにより、乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上を有効成分として含有するイチョウ葉エキス、(3) 乾燥イチョウ葉を含水エタノールで抽出した後、植物油で液-液分配することを特徴とするイチョウ葉エキスの製造法、(4) (1)又は(2)記載のイチョウ葉エキスを含有する飲食品に関する。 本発明は、乾燥イチョウ葉を含水エタノールで抽出した後精製し、サリチル酸誘導体をほとんど含まず二重フラボン類や有機酸類を含むことを特徴とするイチョウ葉エキスの提供と、サリチル酸誘導体を食用の植物油などで液−液抽出により取り除くことを特徴とするイチョウ葉エキスの製造法である。 なお、サリチル酸誘導体が皮膚との接触において有害な作用をもたらすのは、5ppmを超える量と言われている。 ここで述べるサリチル酸誘導体とは前記特許文献1に記載の構造式で代表される長鎖アルキル基を有する一群の化合物、例えばギンコール、ギンコール酸、ビロボール等であり、二重フラボンとはビロベチン、シアドピチジン、ギンゲチン、イソギンゲチン、アメントフラボンで代表される一群の化合物を示す。更に、食用植物油としてはサラダ油等が挙げられる。 また、本発明においてイチョウ葉エキスを含有する飲食品としては、例えば濃縮エキス、ドリンク剤、キャンデー、ガム、チョコレート等が挙げられる。 従来法によると、エタノール抽出後吸着樹脂による精製、イオン交換樹脂による精製及び再度の吸着樹脂による精製が行われるため、有用な二重フラボン類及び有機酸類も除去されていた。 本発明の方法では、乾燥イチョウ葉を40%以上のエタノールを含む水で抽出すると、抽出液中には二重フラボン類と共にサリチル酸誘導体も抽出されてくるが、エタノールを蒸発留去後濃縮液を食用の植物油で複数回液−液抽出することによって脂溶性成分と共にサリチル酸誘導体が植物油層に移行し、抽出濃縮液層から取り除かれる。この際二重フラボン類は抽出濃縮液層に残留し、この後所定の固形分濃度まで濃縮するなどにより、乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上を有効成分として含有するエキスを得ることが出来る。 このエキスを経口で30日から44日間服用した場合、血圧降下作用、尿糖検出の改善、肝機能の指標であるGOT、GPT、疲労度の指標となるLDHの低下傾向を認め、排便が改善された例を認めた。また、副作用は認めなかった。以下に実施例によって説明する。 本発明によるイチョウ葉エキスは、アレルギー性皮膚炎を起こすサリチル酸誘導体をほとんど含まず、かつ有用な有機酸類、総二重フラボンを多量に含むので高血圧症の改善、糖尿病や肥満の原因となる血糖値の改善、肝機能の改善、および疲労回復・整腸作用などの体質改善に有効である。 次に、本発明を実施例により具体的に説明する。 乾燥イチョウ葉1kgに対して70%エタノール水4Lで2時間循環抽出を4回繰り返し行い各回の抽出液をすべて混合後エタノールを蒸発させ、固形分濃度を30%程度とした後食用の植物油(サラダ油)で複数回液−液抽出し、その後水溶液層を固形分濃度50%となるまで濃縮し液状エキスとした。 液状エキスの一部を濃縮乾固したものを試料として、総サリチル酸誘導体、総二重フラボン、シキミ酸、及び総有機酸類の含量を測定した。LobsteinらのHPLC法〔Planta Med.Vol.57、p430-433(1991)(非特許文献9)〕を参考にし、総サリチル酸誘導体は銀杏酸として、総二重フラボンはアメントフラボンとして換算し、成分含量を測定した。また本エキスには各種の有機酸が含まれていることが確認されており、その一種、シキミ酸の含量をHPLC法で測定した。HPLCカラムはCapcell Pak C18AG120(Φ4.6×250mm)、移動相溶媒は20mM KH2PO4水溶液をリン酸でpH2.5に調整したものを使用し、流速、1.0ml/min、カラム温度、40℃の条件下、UV検出210nmでシキミ酸を測定した。また、総有機酸量は、滴定法により測定し〔「フローチャートで見る食品分析の実際」(幸書房)、p63-69(2003)(非特許文献10)〕、シキミ酸の換算係数17.42を滴定値に乗じて総有機酸量とした。 乾燥エキス中の総サリチル酸誘導体は2ppm、総二重フラボン含量は1.9%であり、シキミ酸は12.7%であり、滴定による総有機酸類は19.3%であった(表1)。 乾燥イチョウ葉1kgに対して75%エタノール水4Lで2時間循環抽出を4回繰り返し行い、各回の抽出液をすべて混合後エタノールを蒸発させ、固形分濃度を30%程度(抽出原液と略す)とした後食用の植物油で1回液−液抽出し、水様液層の乾燥固形分中の総サリチル酸誘導体を実施例1と同様の方法で測定したところ49ppmであった。そこで残りの抽出原液を食用の植物油で複数回液−液抽出した後乾燥固形分中の成分を実施例1の方法で測定したところ総サリチル酸誘導体4ppm、二重フラボン1.6%、シキミ酸11.8%、総有機酸類17.9%であった(表1)。 乾燥イチョウ葉1kgに対して40%エタノール水4Lで2時間循環抽出を4回繰り返し行い、各回の抽出液をすべて混合後エタノールを蒸発させ固形分濃度を30%(抽出原液と略す)とし、その一部を濃縮乾固したものを試料として総サリチル酸誘導体を実施例1と同様の方法で測定したところ1700ppmであった。そこで残りの抽出原液を食用の植物油で複数回液−液抽出し、その後水溶液層の乾燥固形分中の成分を実施例1と同様の方法で測定したところ、総サリチル酸誘導体2ppm、二重フラボン1.7%、シキミ酸16.4%、総有機酸類24.9%であった(表1)。 以上の結果から、本発明の方法によると、乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上となることがわかる。[比較例1] 乾燥イチョウ葉1kgに対して70%エタノール水4Lで2時間循環抽出を4回繰り返し行い各回の抽出液をすべて混合後エタノールを蒸発させ、固形分濃度50%となるまで濃縮し液状エキスとした。実施例1記載の方法に従い、総サリチル酸誘導体、総二重フラボンを測定した。乾燥エキス中の総サリチル酸誘導体は15000ppm、総二重フラボン含量は1.6%であった(表1)。[比較例2] 西欧において医療用に使われているイチョウ葉エキスに倣って作られ食品用に市販されている各種のイチョウ葉エキス(A社からD社の製品)の成分について、実施例1と同様の分析を行い組成の違いを比較した。その結果は表1に示す通りであり、総サリチル酸誘導体は5ppm以下ではあったが、いずれの製品にも総二重フラボン、シキミ酸を主成分とする有機酸類を検出しなかった。 実施例1で示した製造法で調製したイチョウ葉エキスの血圧降下作用について高血圧患者6名および正常人2名を対象に調査した。本発明に基づくイチョウ葉エキスを1回につき乾燥エキス換算90mgづつ1日2回朝晩に毎日経口摂取し、33日から41日後の血圧について調査した。血圧の測定は測定日の午後5時に行った。 図1においてaからfの人物は調査開始時において血圧が高い傾向にあったが、33日あるいは44日後において6例中5例で顕著な血圧低下を認めた。また、gとhの人物はもともと血圧は正常であったが、イチョウ葉エキスによって血圧が更に低下することはなかった。 実施例1で示した製造法で調製したイチョウ葉エキスの血糖値負荷試験について糖尿病患者2名を対象に調査した。血糖値負荷試験は300gの炊飯した白米と梅干し1個を経口で摂取し、摂取前と摂取後での血糖値の変化を測定することにより行った。血糖値負荷試験はイチョウ葉エキス摂取開始前と摂取44日後に実施した。患者は食餌療法と平行し、本発明に基づくイチョウ葉エキスを1回につき乾燥エキス換算90mgづつ1日2回朝晩に毎日経口摂取した。いずれの患者も食餌療法だけで糖尿病薬の摂取は行っていない。 図2には摂取開始前と摂取41日後、血糖値負荷試験の結果を示したが、いずれの場合においても41日後の血糖値は改善していた。そのうち1名は、疲労感、不眠が改善し、糖尿病による白内障であったが、水晶体の白濁が薄くなり改善効果を認め、コレステロール、中性脂肪の減少を認めた。 実施例1で示した製造法で調製したイチョウ葉エキスの肝機能に対する影響について肝機能不全患者8名を対象に調査した。肝機能の指標である血清トランスアミナーゼGOT及びGPT、臓器の損傷を意味する乳酸脱水素酵素(LDH)について、本発明に基づくイチョウ葉エキスを1回につき乾燥エキス換算90mgづつ1日2回朝晩に毎日経口摂取し、摂取開始前と摂取41日後に調査した。 図3には摂取開始前と摂取41日後のGOT、GPTおよびLDH値を示した。肝機能不全の患者は、いずれも摂取開始時においてはGOTおよびGPTは異常値であったが、摂取41日後のGOTおよびGPT値は改善した。LDHは8例中6例で摂取開始時において高値を示していたが、いずれも改善した。GOTおよびGPT値について異常を認める程ではないがやや高い値を示した患者についても、イチョウ葉エキス服用後のGOTおよびGPT値の改善を認めた。 29名のボランティアを募り、本発明に基づくイチョウ葉エキスを1回につき乾燥エキス換算90mgづつ1日2回朝晩に毎日30日間経口摂取してもらった。「体の軽快感が増す」と訴える者が29名中16名存在した。極度な運動などで疲労度が増すとGOT、GPTおよび乳酸脱水素酵素(LDH)は上昇する傾向があるが、ボランティアのうち12名は摂取開始前にLDHについて400以上の高値を示し、12名すべてで摂取後のLDH値の低下改善効果を認めた。このLDH値の改善は、イチョウ葉エキスが疲労感の改善と関係しているものと推定される。また、副作用は認められず、排便が改善した例が数多く認められた。本発明品による血圧降下作用を示す図。本発明品による血糖値改善効果を示す図。本発明品による肝機能改善効果を示す図。 乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上を有効成分として含有するイチョウ葉エキス。 乾燥イチョウ葉を含水エタノールで抽出した後、植物油で液−液分配することにより、乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上を有効成分として含有するイチョウ葉エキス。 乾燥イチョウ葉を含水エタノールで抽出した後、植物油で液−液分配することを特徴とするイチョウ葉エキスの製造法。 請求項1又は2記載のイチョウ葉エキスを含有する飲食品。 【課題】 本発明の課題は、皮膚との接触において有害なサリチル酸誘導体をほとんど含まず、かつ従来のイチョウ葉エキスの有効成分に加えて、有効成分の二重フラボン類や有機酸類等を含むイチョウ葉エキス及びその製法に関するものである。【解決手段】 乾燥イチョウ葉を含水エタノールで抽出した後、植物油で液−液分配することにより、抽出乾燥固形分中、サリチル酸誘導体が5ppm以下で、有機酸類をシキミ酸換算で10.0%以上、総二重フラボン1.0%以上を有効成分として含有するイチョウ葉エキスが生成されることを見出した。【選択図】 なし


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