タイトル: | 特許公報(B2)_筋肉量増加剤 |
出願番号: | 2003332408 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/198,A23L 1/30,A23L 1/304,A23L 1/305,A61K 33/30,A61K 36/81,A61P 21/06 |
井岡 俊之 桑原 弘樹 JP 4397663 特許公報(B2) 20091030 2003332408 20030924 筋肉量増加剤 江崎グリコ株式会社 000000228 山本 秀策 100078282 安村 高明 100062409 森下 夏樹 100113413 井岡 俊之 桑原 弘樹 JP 2003026590 20030204 20100113 A61K 31/198 20060101AFI20091217BHJP A23L 1/30 20060101ALI20091217BHJP A23L 1/304 20060101ALI20091217BHJP A23L 1/305 20060101ALI20091217BHJP A61K 33/30 20060101ALI20091217BHJP A61K 36/81 20060101ALI20091217BHJP A61P 21/06 20060101ALI20091217BHJP JPA61K31/198A23L1/30 BA23L1/304A23L1/305A61K33/30A61K35/78 RA61P21/06 A61K 31/00 BIOSIS(STN) CAplus(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) 韓国公開特許第2002−0061379(KR,A) 特開平03−128318(JP,A) 特表平04−506080(JP,A) 特開2002−193826(JP,A) 3 2004256513 20040916 17 20051226 特許法第30条第1項適用 ボディビルディング5月号 長部 喜幸 本発明は、筋肉増量用のサプリメント、テストステロン増加用サプリメント、ならびに成長ホルモンおよびテストステロンを増加させるためのサプリメントに関する。 成長ホルモン(Growth Hormone)は、脳下垂体前葉の好酸性細胞で産生される成長促進ペプチドホルモンの総称である。成長ホルモンは、体の成長を促す役割をし、具体的には、骨を伸ばすのを促進し、筋肉を作るのを促進し、そして体内の様々な化学反応を促進する。本明細書では特に断らない限り、成長ホルモンといえば、ヒトの成長ホルモンを指す。 テストステロンは、男性ホルモンである。テストステロンは、C19ステロイドである男性ホルモンの中で最も強い男性ホルモン作用を有する。テストステロンは、男性および女性において分泌される。テストステロンは、男性ではほとんどが精巣の間質細胞より産生され、女性では副腎および卵巣から産生されることが多い。アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロンなどの男性ホルモンは副腎で産生され、そしてこれらの男性ホルモンは末梢神経でテストステロンに変換される。テストステロンの働きは、性器および骨格の男性化、ならびにタンパク質同化の促進である。 身体の成長ホルモンが欠乏すると、成長ホルモン分泌不全性低身長症または成長ホルモン分泌不全が認められるターナー症候群などの疾患をもたらす。このような疾患の処置においては、成長ホルモンそのものを医療機関において週に2〜3回程度筋肉注射をするという処置か、または週6〜7回程度皮下へ自己注射する処置がとられている。しかしながらこのような方法では患者は注射の苦痛から逃れられず、長期間の治療は患者に対して多くの負担を負わせているため、より負担の少ない治療法の開発が望まれていた。 ここ近年では成長ホルモンの前駆体となるペプチドまたはタンパク質が経口摂取用の医薬品として医療に供されてきた。しかしながらこのペプチドまたはタンパク質は、アミノ酸を化学的に修飾させて製造されたり、動物の成長ホルモンから合成されたりするため、医薬用途での使用に限定されてきた。 また、スポーツ面に目を向けると、筋肉量を増加させるために欧米ではアンドロステンジオンまたはアンドロステンジオールと呼ばれるプロホルモンのサプリメント(栄養補助食品)などが利用されている。しかし、プロホルモンはスポーツ界では、ドーピングの規制対象となるので利用できないという問題があった。 このため、スポーツ界では、プロホルモンのような副作用がなく安全な食品であって、適度の成長ホルモンおよびテストステロンの分泌を一時的に促進し、筋肉量の肥大の一助になる食品が求められてきた。 成長ホルモンの分泌を促進する食品の研究はこれまでにもなされている。例えば、Carlsonら(非特許文献1)は、アスパラギン酸、グルタミン、システインをそれぞれ単体で10gを経口摂取させたところまったく効果が現れなったと報告している。Isidoriら(非特許文献2)は、1200mgのリジンと1200mgのアルギニンとを組み合わせて経口摂取したところ、摂取約90分後に最大の血漿中成長ホルモンレベルとなった(摂取前では12.4±2.5ng/mlであるが、摂取90分後には98.5±15.0ng/mlとなった、すなわち、約8倍)が、1200mgのリジン、1200mgのアルギニン、2400mgのアルギニンをそれぞれ経口摂取したところまったく効果が現れなかったと報告している。Lambertら(非特許文献3)は、2.4gのアルギニン・リジン混合物をボディービルダーに経口摂取させたところまったく効果が得られなかったこと、1.1gのオルニチン、750mgのチロシン、750mgの塩酸ピリドキシンおよび125mgのアスコルビン酸の混合物をボディービルダーに経口摂取させても効果が得られなかったと報告している。また、Lanmbertらの中では、ボディービルダーは通常多量のタンパク質を摂取するので、少量のアミノ酸の効果が希釈されるからかもしれないと考察されている。 一方、成長ホルモンの分泌促進に効果があったという例もいくつか報告されている。例えば、Suminskiら(非特許文献4)は、1500mgのアルギニンと1500mgのリジンとの混合物を摂取後にレジスタンス運動をしたところ、プラセボ(アスコルビン酸)を摂取した場合と差がなかったが、安静状態で1500mgのアルギニンと1500mgのリジンとの混合物を摂取したところ、摂取前のGHレベルの2.7倍のGHの急性期分泌がみられたことを報告している。Welbourneら(非特許文献5)は、2.0gのグルタミンを経口摂取させると90分後に4.3倍の成長ホルモンの増加が見られた(0分での0.019±0.002nmol/Lと比較して、0.084±0.04nmol/L)と報告している。Becciら(非特許文献6)は、体重1kg当り40mgまたは170mgのオルニチンを経口摂取したところ、成長ホルモンレベルに効果はなかったが、170mg/kg(体重60kgの人で10.2g)のオルニチンを経口摂取したところ約4倍の成長ホルモンの有意な上昇が見られた(0分での2.2±1.4ng/mLと比較して、9.2±3.0ng/mL)ことを報告している。 このように成長ホルモンを増加させる効果についてアミノ酸に関する研究は進められているが、効果がなかったり、仮に効果があったとしても多量のアミノ酸を摂取する必要があって摂取者への負担を強いるものが多かった。また、これらの文献のいずれにも、男性ホルモン、特にテストステロンを増加させる効果についての記載は全くない。Carlson H.E.,Miglietta J.T.,Roginsky M.S.およびStegink L.D.著,「Stimulation of Pituitary Hormone Secretion by Neurotransmitter Amino Acids in Humans」,Metabolism 1989;38,1179−1182頁Isidori A.,Lo Monaco A.およびCappa .M著,「A study of growth hormone release in man after oral administration of amino acids」,Curr.Med.Res.Opin.,1981;7,475−481頁Lambert M.I.,Hefer J.A.,Millar R.P.およびMacfarlane P.W.著,「Failure of Commercial Oral Amino Acid Supplements to Increase Serum Growth Hormone Concentrations in Male Body−Builders」,Int.J.Sport.Nutr.1993;3,298−305頁Suminski R.R.ら著,「Acute Effect of Amino Acid Ingestion and Resistance exercise on Plasma Growth Hormone Concentration in Young Men」,Int.J.Sport.Nutr.1997;7,48−60頁Welbourne T.C.著,「Increased plasma bicarbonate and growth hormone after an oral glutamine load.」,Am.J.Clin.Nutr.1995:61,1058−61頁Bucci L.ら著,「Ornithine ingestion and growth hormone release in bodybuilders」,Nutr.Res.1990;10,239−245頁 本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、筋肉増量作用を有しかつ摂取者に負担をかけないサプリメントを提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ある種のアミノ酸を組み合わせることにより、少量でもその相乗効果により、成長ホルモンおよびテストステロンの分布を促すことができることを見出した。さらに、ある種のアミノ酸と、ある種のハーブ、ビタミン、ミネラルを一定の割合で配合することにより、さらなる相乗効果により、成長ホルモンおよびテストステロンの分泌を一時的に一層促すことができることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成させた。 本発明の筋肉増量用サプリメントは、アルギニン、リジンおよびオルニチンを含む。 1つの実施形態では、本発明の筋肉増量用サプリメントは、さらに筋肉増量用ミネラルを含む。 1つの実施形態では、上記ミネラルは、亜鉛であり得る。 1つの実施形態では、本発明の筋肉増量用サプリメントは、さらに筋肉増量用ハーブを含む。 1つの実施形態では、上記ハーブは、アシュワガンダであり得る。 本発明のテストステロン増加用サプリメントは、アルギニン、リジンおよびオルニチンを含む。 1つの実施形態では、本発明のテストステロン増加用サプリメントは、さらに筋肉増量用ミネラルを含む。 1つの実施形態では、上記ミネラルは、亜鉛であり得る。 1つの実施形態では、本発明のテストステロン増加用サプリメントは、さらに筋肉増量用ハーブを含む。 1つの実施形態では、上記ハーブは、アシュワガンダであり得る。 本発明の成長ホルモンおよびテストステロンを増加させるためのサプリメントは、アルギニン、リジンおよびオルニチンを含む。 1つの実施形態では、本発明の成長ホルモンおよびテストステロンを増加させるためのサプリメントは、さらに筋肉増量用ミネラルを含む。 1つの実施形態では、上記ミネラルは、亜鉛であり得る。 1つの実施形態では、本発明の成長ホルモンおよびテストステロンを増加させるためのサプリメントは、さらに筋肉増量用ハーブを含む。 1つの実施形態では、上記ハーブは、アシュワガンダであり得る。 本発明により、筋肉を増量させるために役立つサプリメントが提供される。本発明のサプリメントは、成長ホルモンおよびテストステロンの分泌を促進する。本発明のサプリメントを摂取した後に運動を行うことによって、筋量を顕著に増加させ得る。 以下、本発明を詳細に説明する。 <1.本発明のサプリメントの材料> (1.1 アミノ酸) 本発明の筋肉増量用サプリメント、テストステロン増加用サプリメントまたは成長ホルモンおよびテストステロンを増加させるためのサプリメントは、アルギニン、リジンおよびオルニチンを含む。本明細書中では特に示さない限り、アミノ酸は天然に存在する形態である。すなわち、L異性体とD異性体とが存在するアミノ酸については、L異性体である。 アルギニンは、必須アミノ酸である。アルギニンは、種々のタンパク質に含まれる。アルギニンは、成長ホルモンおよび男性ホルモンの分泌を促す作用を有する。 リジンは、必須アミノ酸である。リジンは、成長ホルモンおよび男性ホルモンの分泌を促す。 オルニチンは、非必須アミノ酸である。オルニチンは、天然のタンパク質には含まれていない。オルニチンは、L−アルギニンをアルギナーゼで加水分解することによって得られる。オルニチンは、成長ホルモンおよび男性ホルモンの分泌を促す。 本発明のサプリメントは、さらに、グルタミン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、アラニン、アスパラギン酸およびヒスチジンから選択される1以上のアミノ酸を含み得る。 本発明のサプリメント中の各アミノ酸の量は、当業者によって適切に設定され得る。本発明のサプリメント中の各アミノ酸の好ましい量の例を挙げると、例えば、1日あたりの摂取量として、アルギニンは好ましくは約0.3mg以上約10g以下(より好ましくは約0.5mg以上約5g以下、最も好ましくは約1g)であり、リジンは好ましくは約100mg以上約1g以下(より好ましくは約200mg以上約600mg以下、最も好ましくは約400mg)であり、オルニチンは好ましくは約50mg以上約600mg以下(より好ましくは約100mg以上約400mg以下、最も好ましくは約240mg以下)である。 本発明のサプリメントに含まれ得る各アミノ酸は、当該分野で公知であり、容易に入手され得る。 例えば、アルギニンは、天然の動植物に含まれる。アルギニンは、アルギニンを含む動植物から抽出されてもよく、アルギニン残基を含むタンパク質を加水分解することによって得てもよく、発酵法によって得てもよく、化学合成によって得てもよい。アルギニンは、遊離アミノ酸の形態であっても、塩の形態であってもよい。塩の形態としては例えば、アルギニン塩酸塩が挙げられる。アルギニンは、例えば、協和発酵、味の素、日本理化学薬品などから販売される。アルギニンは、精製物として配合されても他の成分を含む抽出物として配合されてもよい。 リジンは、天然の動植物に含まれる。リジンは、リジンを含む動植物から抽出されてもよく、リジン残基を含むタンパク質を加水分解することによって得てもよく、発酵法によって得てもよく、化学合成によって得てもよい。リジンは、遊離形態であってもよく、塩の形態であってもよい。塩の形態としては例えば、リジン塩酸塩、リジン酢酸塩が挙げられる。リジンは、例えば、味の素、協和発酵などから販売される。リジンは、精製物として配合されても他の成分を含む抽出物として配合されてもよい。 オルニチンは、アルギニンをアルカリ分解することによって得てもよく、アルギナーゼ分解することによって得てもよい。オルニチンは、遊離形態であってもよく、塩の形態であってもよい。塩の形態としては例えば、オルニチン塩酸塩が挙げられる。オルニチンは、例えば、味の素、協和発酵などから販売される。オルニチンは、精製物として配合されても他の成分を含む抽出物として配合されてもよい。 他のアミノ酸についても、当該分野で周知の方法に従って入手され得る。 好ましい実施形態では、本発明のサプリメントは、1日あたりの摂取量中に好ましくは約0.3mg以上約10g以下(より好ましくは約0.5mg以上約5g以下、最も好ましくは約1g)のアルギニン、好ましくは約100mg以上約1g以下(より好ましくは約200mg以上約600mg以下、最も好ましくは約400mg)のリジン、好ましくは約50mg以上約600mg以下(より好ましくは約100mg以上約400mg以下、最も好ましくは約240mg以下)のオルニチンを含み得る。 (1.2 筋肉増量用ミネラル) 本発明のサプリメントは、上記1.1に記載のアミノ酸に加えて、筋肉増量用ミネラルを含み得る。筋肉増量用ミネラルとは、筋肉増量作用が期待されるミネラルである。本明細書中では「ミネラル」とは、金属および金属含有化合物をいう。筋肉増量用ミネラルは好ましくは、評価3と同じ条件下で30mg投与した場合に、投与前と比較して10%以上成長ホルモンを増加させるミネラルをいう。このようなミネラルの例としては、亜鉛、セレン、鉄、マンガン、モリブデン、マグネシウム、カリウム、クロム、カルシウムおよびリンが挙げられる。本発明のサプリメントは、1種以上の筋肉増量用ミネラルを含むことが好ましい。筋肉増量用ミネラルは好ましくは亜鉛である。 本発明のサプリメント中の各ミネラルの量は、当業者によって適切に設定され得る。本発明のサプリメント中の各ミネラルの好ましい量の例を挙げると、例えば、1日あたりの摂取量として、以下のとおりである。亜鉛は好ましくは約10mg以上約50mg以下(より好ましくは約15mg以上約35mg以下、最も好ましくは約30mg)である。セレンは好ましくは約10μg以上約300μg以下(より好ましくは約40μg以上約200μg以下、最も好ましくは約100μg)である。鉄は好ましくは約4mg以上約100mg以下(より好ましくは約12mg以上約40mg以下、最も好ましくは約20mg)である。マンガンは好ましくは約1mg以上約30mg以下(より好ましくは約3mg以上約10mg以下、最も好ましくは約8mg)である。モリブデンは好ましくは約6μg以上約250μg以下(より好ましくは約30μg以上約150μg以下、最も好ましくは約60μg)である。マグネシウムは好ましくは約25mg以上約1000mg以下(より好ましくは約250mg以上約700mg以下、最も好ましくは約500mg)である。カリウムは好ましくは約1.5g以上約5.0g以下(より好ましくは約2.0g以上約4.0g以下、最も好ましくは約3.5g)である。クロムは好ましくは約10μg以上約500μg以下(より好ましくは約30μg以上約250μg以下、最も好ましくは約60μg)である。カルシウムは好ましくは約200mg以上約3000mg以下(より好ましくは約600mg以上約2500mg以下、最も好ましくは約900mg)である。リンは好ましくは約100mg以上約5000mg以下(より好ましくは約700mg以上約4000mg以下、最も好ましくは約1400mg)である。 本発明のサプリメントに含まれ得る各筋肉増量用ミネラルは、当該分野で公知であり、容易に入手され得る。 例えば、亜鉛は、生体に必須の金属であり、動物界、植物界、微生物界に、そして鉱物として存在する。亜鉛は、亜鉛を含む生物(例えば、動物、植物または微生物)から抽出されてもよく、化学的に製造してもよい。亜鉛は、塩またはキレートの形態であることが好ましい。亜鉛塩の好ましい例としては、グルコン酸塩、硫酸亜鉛、ピコリン酸亜鉛、酸化亜鉛が挙げられる。亜鉛キレートの好ましい例としては、アミノ酸キレート亜鉛が挙げられる。キレートの形態であると、生体への吸収率が特に優れている。亜鉛は、亜鉛含有酵母のような、亜鉛含有微生物またはその粉砕物であってもよい。亜鉛含有酵母は、例えば、JTフーズ、オリエンタル酵母、マリーンバイオなどから販売される。亜鉛塩は、例えば、富田製薬などから販売される。亜鉛キレートは、例えば、SELTZERなどから販売され、Dr.Paul Lohmanなどから入手され得る。亜鉛は、精製物として配合されても他の成分を含む抽出物として配合されてもよい。 他のミネラルについても同様に、当該分野で周知の方法に従って入手され得る。 好ましい実施形態では、本発明のサプリメントは、1日あたりの摂取量中に10mg以上50mg以下の亜鉛を、より好ましくは約25mg以上35mg以下の亜鉛を、最も好ましくは約30mgの亜鉛を含み得る。 (1.3 筋肉増量用ハーブ) 本発明のサプリメントは、上記1.1に記載のアミノ酸に加えて、筋肉増量用ハーブを含み得る。筋肉増量用ハーブとは、筋肉増量作用が期待されるハーブである。本明細書中では、ハーブとは、医療用または植物の香味料用に使用される、芳香性の植物をいう。筋肉増量用ハーブは好ましくは、評価3と同じ条件下で300mg投与した場合に、投与前と比較して10%以上成長ホルモンを増加させるハーブをいう。このようなハーブの例としては、アシュワガンダ、薬用ニンジン(例えば、高麗ニンジンおよび三七ニンジン)、ソフォン、マカ、ガラナおよびハマビシが挙げられる。本発明のサプリメントは、1種以上の筋肉増量用ハーブを含むことが好ましい。筋肉増量用ミネラルは好ましくはアシュワガンダ、薬用ニンジンであり、より好ましくはアシュワガンダである。 本発明のサプリメント中の各ハーブの量は、当業者によって適切に設定され得る。本発明のサプリメント中の各ハーブの好ましい量の例を挙げると、例えば、1日あたりの摂取量として、以下のとおりである。アシュワガンダは根茎部の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約10mg以上約200mg以下(より好ましくは約15mg以上約100mg以下、最も好ましくは約30mg)である。薬用人参は根茎部の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約10mg以上約500mg以下(より好ましくは約20mg以上約300mg以下、最も好ましくは約50mg)である。ソフォンは根の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約10mg以上約1000mg以下(より好ましくは約20mg以上約300mg以下、最も好ましくは約60mg)である。マカは胚軸部分を伴った直根の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約10mg以上約1000mg以下(より好ましくは約30mg以上約300mg以下、最も好ましくは約60mg)である。ガラナは種子の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約100mg以上約10g以下(より好ましくは約500mg以上約1000mg以下、最も好ましくは約700mg)である。ハマビシは実の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約10mg以上約200mg以下(より好ましくは約15mg以上約100mg以下、最も好ましくは約30mg)である。 本発明のサプリメントに含まれ得る各筋肉増量用ハーブは、当該分野で公知であり、容易に入手され得る。 アシュワガンダ(Withania somnifera Dunal)は、ナス科の常緑低木植物である。アシュワガンダは、インド、ネパール、中東、地中海沿岸の原産である。アシュワガンダは、インドを中心とした熱帯に広く分布する。アシュワガンダは、インドの伝統医療「アーユルヴェーダ」において長期にわたって健康回復および健康増進に用いられている。アシュワガンダは、主に根茎の部分が利用される。アシュワガンダは、高麗ニンジンとよく似た作用を有することが周知である。アシュワガンダに含まれる有効成分は、ウィザニンと呼ばれるアルカロイド、ウィザノライドなどであるとされている。アシュワガンダは、サプリメントに配合される場合、根茎部の粉砕物(例えば、乾燥粉末、ジュース、ペーストなど)として含まれてもよく、エキス(すなわち、抽出物)(例えば、抽出液、抽出液の乾燥粉末など)として含まれてもよい。アシュワガンダは、好ましくはエキスであり、より好ましくは根茎部のエキスである。エキスは、液体であっても固体であってもよいが、好ましくは固体である。エキスは、当業者に公知の方法による抽出物であり得るが、好ましくはエタノール水溶液抽出物である。アシュワガンダエキスは例えば、エキス乾燥粉末として日本新薬から販売される。 薬用人参は、オタネニンジン属(Panax)に属す植物に対する一般名である。薬用人参は、ウコギ科の多年生草本の一群である。薬用人参の例としては、高麗ニンジン(Panax ginseng C.A.Mayer)、三七ニンジン(Panax notoginseng (Burh.)F.H.Chen.)竹節ニンジン(Panax japonicus C.A.Mayer)、アメリカニンジン(Panax quinquefolium L.)およびヒマラヤニンジン(Panax pseudoginseng subsp. himalaicus Hara)が挙げられる。薬用人参は、好ましくは高麗ニンジンまたは三七ニンジンである。高麗ニンジンは、朝鮮人参またはオタネニンジンとも呼ばれる。三七ニンジンは、田七ニンジンとも呼ばれる。薬用人参は、主に根茎の部分が利用される。薬用人参の薬効成分の中心は、サポニン(特に、ジンセノサイド)であるといわれる。サポニンは、根茎の表皮部分に含まれるため、表皮を含んだ根茎を用いることが好ましい。薬用人参は、サプリメントに配合される場合、根茎部の粉砕物(例えば、乾燥粉末、ジュース、ペーストなど)として含まれてもよく、エキス(すなわち、抽出物)(例えば、抽出液、抽出液の乾燥粉末など)として含まれてもよい。薬用人参は、好ましくはエキスであり、より好ましくは根茎部のエキスである。エキスは、液体であっても固体であってもよいが、好ましくは固体である。エキスは、当業者に公知の方法による抽出物であり得るが、好ましくは水抽出物またはエタノール水溶液抽出物である。薬用人参エキスは例えば、エキス乾燥粉末として日本粉末薬品から販売される。 ソフォンは、主にタイ国のメコン川流域を原産地とする、マメ科に属する植物である。ソフォンは古くから、男性の強壮剤、強精剤、際印材などに使用されている。ソフォンは主に根が利用される。ソフォンは、サプリメントに配合される場合、根の粉砕物(例えば、乾燥粉末、ジュース、ペーストなど)として含まれてもよく、エキス(すなわち、抽出物)(例えば、抽出液、抽出液の乾燥粉末など)として含まれてもよい。ガラナは、好ましくはエキスであり、より好ましくは根のエキスである。エキスは、液体であっても固体であってもよいが、好ましくは固体である。エキスは、当業者に公知の方法による抽出物であり得る。ソフォンは例えば、エキス乾燥粉末として松浦薬業から販売される。 マカ(Lepidium Meyenii Walp)は、ペルーのアンデス地方の高地を原産地とするアブラナ科宿根草である。根はカブのような形をしている。主に直根および胚軸の部分が利用される。マカは、サプリメントに配合される場合、直根および胚軸の粉砕物(例えば、乾燥粉末、ジュース、ペーストなど)として含まれてもよく、エキス(すなわち、抽出物)(例えば、抽出液、抽出液の乾燥粉末など)として含まれてもよい。マカは、好ましくはエキスであり、より好ましくは種子のエキスである。エキスは、液体であっても固体であってもよいが、好ましくは固体である。エキスは、当業者に公知の方法による抽出物であり得るが、好ましくは水抽出物またはエタノール水溶液抽出物である。マカエキスは例えば、乾燥粉末として日本粉末薬品から販売される。 ガラナ(Paullinia cupana)は、ブラジルのアマゾンを原産地とするつる性植物であり、赤い小さな粒があつまった房状の実をつける。ガラナは主に種子が利用される。ガラナの種子は、アデニン、コリン、カテキン、グアニン、ガラニン、ヒポキサンチン、サポニン、タンニンなどを含む。ガラナには、ガラニンという、カフェインと類似の物質が含まれる。ガラナは、サプリメントに配合される場合、種子の粉砕物(例えば、乾燥粉末、ジュース、ペーストなど)として含まれてもよく、エキス(すなわち、抽出物)(例えば、抽出液、抽出液の乾燥粉末など)として含まれてもよい。ガラナは、好ましくはエキスであり、より好ましくは種子のエキスである。エキスは、液体であっても固体であってもよいが、好ましくは固体である。エキスは、当業者に公知の方法による抽出物であり得るが、好ましくは水抽出物またはエタノール水溶液抽出物である。ガラナエキスは例えば、エキスとして長谷川香料から販売される。 ハマビシ(Tribulus terrestris L.)は、ハマビシ科の1〜2年生草本である。日本を含め、熱帯から寒帯地域の海岸砂地に広く分布する。ハマビシの実を乾燥したものは、疾黎子(しつりつし)という生薬として利用されている。疾黎子は、アルカロイド(ハルミン(harmine)、ハルマン(harmane)など)、フラボノイド(カンフェロール(kampferol)、アストラガリン(astragalin)、トリブロシド(tribuloside))脂肪油などが主成分とされている。疾黎子の薬理作用としては、鎮痙作用、臓器血流量増加作用、血管透過性抑制作用、体温降下作用、筋収縮作用などが知られている。ハマビシは、サプリメントに配合される場合、実の粉砕物(例えば、乾燥粉末、ジュース、ペーストなど)として含まれてもよく、エキス(すなわち、抽出物)(例えば、抽出液、抽出液の乾燥粉末など)として含まれてもよい。ハマビシは、好ましくはエキスであり、より好ましくは実のエキスである。エキスは、液体であっても固体であってもよいが、好ましくは固体である。エキスは、当業者に公知の方法による抽出物であり得るが、好ましくは水抽出物またはエタノール水溶液抽出物である。 好ましい実施形態では、本発明のサプリメントは、1日あたりの摂取量中に根茎部の乾燥粉末量に換算して、好ましくは約10mg以上約200mg以下(より好ましくは約15mg以上約100mg以下、最も好ましくは約30mg)のアシュワガンダを含み得る。 本発明のサプリメントは、オルニチンを10重量%以上、アルギニンを42重量%以上、リジンを16重量%以上、亜鉛を1重量%以上、アシュワガンダエキス乾燥粉末を12.5重量%以上含有することが好ましい。 <2.本発明のサプリメントの形態> 本発明のサプリメントは、任意の剤形であり得る。本発明のサプリメントが採り得る剤形の例としては、錠剤、液剤、カプセル剤、散剤、乳剤および懸濁剤が挙げられる。本発明のサプリメントは好ましくは錠剤またはカプセル剤であり、より好ましくはカプセル剤である。 <3.本発明のサプリメントの製造方法> 本発明のサプリメントは、その剤形に応じて、当該分野で周知の方法に従って製造され得る。例えば、本発明のサプリメントがカプセル剤である場合、成分を液状、懸濁状、のり状、粉末状または顆粒状などの形でカプセルに充填するかまたはカプセル基材で被包成型することによって製造され得る。カプセル剤は、硬カプセル剤であっても軟カプセル剤であってもよい。 本発明のサプリメントが錠剤である場合、従来の錠剤製造に用いられている手法および設備をそのまま利用して製造することができる。例えば、主成分と添加剤などとを混合して直接打錠する方法、成分を湿式または乾式で顆粒化した後に打錠する方法などが採用できる。 本発明のサプリメントが液剤である場合、従来の液剤製造に用いられている手法および設備をそのまま利用して製造することができる。例えば、液体状の成分をそのまま用いるか、または成分を溶剤に溶解することによって製造し得る。 本発明のサプリメントが散剤である場合、成分をそのまま、または成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤または他の適切な添加剤を加え、適切な方法で粉末または微粒状とすることによって製造され得る。 本発明のサプリメントが乳剤である場合、固形の成分に懸濁化剤または他の適切な添加剤と精製水または油を加え、適切な方法で懸濁して全質を均等にすることによって製造され得る。 本発明のサプリメントが懸濁剤である場合、液状の成分に乳化剤と精製水を加え、適切な方法で乳化し、全質を均等にすることによって製造され得る。 本発明のサプリメントがこれら以外の形態であっても、当業者は、当該分野で公知の方法に従って適切な形態のサプリメントを製造し得る。 本発明のサプリメントは、1回あたりの摂取量毎に個包装されていてもよく、1日あたりの摂取量毎に個包装されていてもよく、あるいは、数日分まとめて包装されていてもよい。 本発明のサプリメントは、箱、袋、缶などの容器に入れて包装され得る。本発明のサプリメントは、例えば、1週間を1単位として数週間分のセットであってもよく、1ヶ月を1単位として数か月分のセットであってもよい。 サプリメントを入れた容器には、本発明のサプリメントの使用法を説明した説明書が入っていてもよいし、容器表面に使用法が記載されていてもよい。 <4.本発明のサプリメントの摂取方法> 本発明のサプリメントは、筋量増量、テストステロン増加または成長ホルモンおよびテストステロンの増加を希望する人間によって摂取され得る。本発明のサプリメントを摂取することにより、筋量が増加する。テストステロンおよび成長ホルモンはそれぞれ、筋量の増加をもたらすことが周知である。 本発明のサプリメントは、1日に1回以上の頻度で摂取することが好ましいが、2日に1回、3日に1回、4日に1回などという頻度で摂取してもよい。2日に1回摂取する場合、1回に2日分を摂取してもよい。3日に1回摂取する場合、1回に2日分または3日分を摂取してもよい。4日に1回摂取する場合、1回に2日分、3日分または4日分を摂取してもよい。筋量を増加させる効率がより高くなるので、1日に2回以上にわけて摂取することがより好ましい。 本発明のサプリメントを摂取するタイミングは、特に限定されない。食前、食間、食後、起床後、就寝前のいずれであってもよい。食前とは、食事の約1時間前〜約30分前をいう。食間とは、食事と食事との間の期間であり、例えば、食事後約2時間経過した時点は食間である。食後とは、食事の約30分後〜約1時間後をいう。成長ホルモンは、安静時に増加しやすいので、本発明のサプリメントを安静時または安静状態になる直前に摂取することが好ましい。安静時とは、横臥している状態をいう。成長ホルモンはまた、睡眠導入時、特に最初のノンレム睡眠時に増加しやすいので、本発明のサプリメントを就寝前に摂取することが好ましい。どのタイミングで摂取させるかによって適切な剤形を選択し得る。 <本発明のサプリメントの効果の確認方法> 本発明のサプリメントの効果は、例えば、投与後の血清中の成長ホルモンまたはテストステロンの増加量を測定することによって、あるいは、投与後の筋肉量の増加を測定することによって確認され得る。血清中の成長ホルモンの量は、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定され得る。血清中のテストステロンの量は、RIA(Radio immuno assay;放射性免疫測定法)に従って測定され得る。筋肉量は、例えば、株式会社バイオスペース社製のIn Body 3.0によって測定され得る。In Body 3.0は、両腕、両脚、体幹の5セグメントの水分量を、多周波インピーダンス方式によって細胞内および細胞外の水分量を測定し、水分は主に筋肉中に存在し、かつ、筋肉の水分保持量が73.3%であることに基づいて、筋肉量を計算するという原理に基づいている。 (実施例1:サプリメントの製造) オルニチン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%)を300mg(オルニチンとして240mg)と、アルギニン1g(純度99.9%〜100.0%)、リジン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%)を500mg(リジンとして400mg)混合し、賦形剤として粉末油脂(フロイント産業社製;商品名ラブリーワックス)672mgで分散したものを8等分して8粒のカプセルに充填しサプリメントサンプルを得た。 (実施例2:サプリメントの製造) オルニチン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%)を300mg(オルニチンとして240mg)と、アルギニン1g(純度99.9%〜100.0%)、リジン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%)を500mg(リジンとして400mg)、亜鉛含有酵母乾燥粉末(10%亜鉛含有)を300mg(亜鉛として30mg)混合し、賦形剤として粉末油脂(フロイント産業社製;商品名ラブリーワックス)372mgで分散したものを8等分して8粒のカプセルに充填しサプリメントサンプルを得た。 (実施例3:サプリメントの製造) オルニチン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%)を300mg(オルニチンとして240mg)と、アルギニン1g(純度99.9%〜100.0%)、リジン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%を500mg(リジンとして400mg)、亜鉛含有酵母乾燥粉末(10%亜鉛含有)を300mg(亜鉛として30mg)、アシュワガンダエキスパウダー(日本新薬社製;商品名アシュワガンダパウダーW)を300mg混合し、賦形剤として粉末油脂(フロイント産業社製;商品名ラブリーワックス)72mgで分散したものを8等分して8粒のカプセルに充填しサプリメントサンプルを得た。 (比較例1:比較用サプリメントの製造) 賦形剤の粉末油脂のみを8等分して8粒のカプセルに充填しサプリメントサンプルを得た。 (比較例2:比較用サプリメントの製造) アルギニン(純度99.9%〜100.0%)1gとコーンスターチ1.472gを混合したものを8等分して8粒のカプセルに充填しサプリメントサンプルを得た。 (比較例3:比較用サプリメントの製造) アルギニン(純度99.9%〜100.0%)1.2gとリジン塩酸塩(純度99.9%〜100.0%を1.5g(リジンとして1.2g)を混合したものを8等分して8粒のカプセルに充填しサプリメントサンプルを得た。 (評価1:成長ホルモンおよびテストステロンの測定) 実施例3で製造したサプリメントサンプル8粒を、41歳男性、33歳男性および29歳男性の3人に経口摂取させた。この評価においては、摂取前も摂取後も、活動状態について格別規定せず、自由に振舞ってもらった。経口摂取直前、経口摂取後60分、90分、および120分に静脈より血液を採取した。採取した血液中の成長ホルモン量を、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定した。採取した血液中のテストステロンの量を、RIA(Radio immuno assay;放射性免疫測定法)に従って測定した。結果を表1および表2に示す。 この結果、実施例3のサプリメントサンプルが、血中のヒト成長ホルモンおよびテストステロンの量を増加させる作用を有することがわかった。 (評価2:筋量増加の測定) 実施例3および比較例1のサプリメントサンプルを用いて筋量の増加の測定を行った。 具体的には、まず、41歳男性(ボディービルダー)に比較例1に従い製造したサプリメントサンプル8粒のうち、2粒を経口摂取した直後にレジスタンス運動を行い、運動終了直後に2粒を経口摂取してもらい、さらに就寝前に4粒を経口摂取してもらうということを1ヶ月間続けた。サプリメントサンプルの摂取開始前と摂取1ヵ月後での体重増加量、体脂肪量および筋肉量を測定した。その後、同一人物で、実施例3のサプリメントサンプルについても同様に1ヶ月にわたって経口摂取およびレジスタンス運動をしてもらった。結果を表3および表4に示す。 なお、レジスタンス運動とは、当業者に周知であるが、負荷をかけながら筋肉を曲げ伸ばす運動をいう。41歳男性に実施してもらったレジスタンス運動の内容は、肩・胸・背・脚・腕(二頭・三頭)・腹筋といった具合に体の部位を細分化し、週4日間オン(サプリメント摂取)3日間オフ(サプリメント摂取せず)のスケジュールで行った。1日に1〜2部位(一部位につき3セット)を行い、腹筋以外は各部位週1回のトレーニングとした。各部位について行ったトレーニングセットを以下に示す:*肩:ショルダープレス、ラテラルレイズ、ベントオーバーレイズ、シュラッグ;*胸:ベンチプレス、インクラインダンベルフライ、プルオーバー、ケーブルクロスオーバー;*背:プルオーバー、ラットプルダウン、シーテッドケーブルロー、ハイパーバックエクステンション;*脚:レッグプレス、レッグエクステンション、レッグカール、シーテッドカーフレイズ;*腕:アームカール、プリチャーカール、ドンキーカール、プレスダウン、フレンチプレス;*腹筋:クランチ、レッグレイズ、サイドベント。 この結果を見ると、比較例1のサプリメントサンプルを摂取した場合よりも、実施例3のサプリメントサンプルを摂取した場合の方が、筋肉量が約2倍増加しており、筋肉の増加率も約1%高い。従って、本発明のサプリメントが、筋肉量を増加させる作用を有することがわかった。 (評価3:成長ホルモン、男性ホルモンおよび女性ホルモンの血中量の測定) 男6名(年齢18歳〜44歳;平均32.8歳)および女6名(年齢21歳〜33歳;平均28.5歳)の合わせて12名に対し、2時間の絶食状態の後、安静にして、a)サプリメントサンプル8粒を経口摂取する直前、b)経口摂取後60分、c)経口摂取後90分、およびd)経口摂取後120分で採血を行った。摂取前1時間から摂取後90分まで安静にしてもらい、その後20分間散歩をしてもらった。この評価を、実施例1のサプリメントサンプル、比較例1のサプリメントサンプルおよび比較例2のサプリメントサンプルの各々について各1日ずつ3日間にわたって行った。評価をクロス試験で行った。タイムテーブルを図2に示す。 採取した血液中の成長ホルモンの量、男性はさらに男性ホルモン(テストステロン)の量および男性ホルモンの分泌に関与するホルモンであるLH(黄体形成ホルモン)の量、女性はさらに女性ホルモン(エストロゲン;エストラジオールE2)の量および女性ホルモンの分布を促すFSH(卵胞刺激ホルモン)の量を測定した。採取した血液中の成長ホルモン量を、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定した。採取した血液中のテストステロンの量を、RIA(Radio immuno assay;放射性免疫測定法)に従って測定した。採取した血液中のLHの量を、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定した。採取した血液中のエストロゲン(エストラジオールE2)の量を、RIA固相法(Radio immuno assay固相法;放射性免疫測定法固相法)に従って測定した。採取した血液中のFSHの量を、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定した。成長ホルモンの分泌については、自然に分泌される値(初期または負荷前から高値なサンプルおよびある時期から突然高値なサンプル)を除き、完全に摂食のみの影響があると思われる7名の被験者の成長ホルモン値(GH値)を集計した。ヒト成長ホルモンの増減についての集計結果を表5および図1に示す。 この結果、実施例1のサプリメントサンプルが、アルギニンのみを含む比較例2およびコントロールの比較例1と比べて60分後から高い数値を示し、90分後には有意な差が生じることが示された。 男性のLH値についてもまた、実施例1のサプリメントサンプルを経口摂取した場合に変化が見られた。結果を図3に示す。成長ホルモンと比較して性ホルモンは分泌機構が複雑であるため血中への発現が遅いが、男性ホルモン刺激ホルモンであるLH値が、実施例1のサプリメントサンプルを経口摂取した場合に20〜40%上昇した。これは、この後、テストステロンの分泌が盛んになることを示唆すると考える。 女性ホルモンに関しては、これらのサプリメントサンプルはいずれも影響を与えなかった。これは、女性には月経があり、日によってホルモン分泌量に大きな差が生じているため、それに対するフィードバック機構も複雑になっており、今回の摂取量では女性ホルモンの量に影響を与えるには及ばなかったものと考えられる。しかしこれは、本発明のサプリメントが、生理周期を乱すことなく成長ホルモンの分泌を促進できることを示唆すると考えられる。 また、上記の指標に加えて、血圧および血糖値についても採血時にデータを採取したが、血圧にも血糖値にも変化は見られなかった。これは、本発明のサプリメントを、副作用の心配なく安心して摂取できることを示すと考えられる。 (評価4:成長ホルモン量および黄体形成ホルモン(LH)量の測定) 男6名(年齢29歳〜42歳;平均35.0歳)に対し、2時間の絶食状態の後、安静にして、a)サプリメントサンプル8粒を経口摂取する直前、b)経口摂取後60分、c)経口摂取後90分、およびd)経口摂取後120分で採血を行った。摂取前1時間から摂取後90分まで安静にしてもらい、その後は特に行動を制限することなく過ごしてもらった。この評価を、実施例3のサプリメントサンプル、比較例1のサプリメントサンプルおよび比較例3のサプリメントサンプルの各々について各1日ずつ3日間にわたって行った。評価をクロス試験で行った。タイムテーブルを図3に示す。 採取した血液中の成長ホルモンの量、および男性ホルモンの分泌に関与するホルモンであるLH(黄体形成ホルモン)の量を測定した。採取した血液中の成長ホルモン量を、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定した。採取した血液中のLHの量を、IRMA(Immuno radiometric assay;免疫放射定量法)に従って測定した。6名の被験者の成長ホルモン値(GH値)を集計した。ヒト成長ホルモンの増減についての集計結果を表6および図4に示す。 この結果、実施例3のサプリメントサンプルが、アルギニンとリジンを含む比較例3およびコントロールの比較例1と比べて60分後から高い数値を示し、90分後には有意な差が生じることが示された。また、比較例3についても比較例1に比べると90分後で有意差を生じた。更に実施例3は90分後には0分の約68.9倍の成長ホルモンの分泌増が見られた。また、比較例3は比較例1に対し、90分後には0分の約2倍の成長ホルモンの分泌増が見られた。 男性のLH値についてもまた、実施例3のサプリメントサンプルを経口摂取した場合に変化が見られた。結果を図6に示す。成長ホルモンと比較して性ホルモンは分泌機構が複雑であるため血中への発現が遅いが、男性ホルモン刺激ホルモンであるLH値が、実施例3のサプリメントサンプルを経口摂取した場合に60分後、90分後に比較例1および、比較例3に対し有意に上昇した。 本発明により、筋量を増加させるためのサプリメントが提供され得る。図1は、ヒト成長ホルモンの増減値を示すグラフである。図2は、評価のタイムテーブルを示す模式図である。図3は、LHの増減率を示すグラフである。図4は、ヒト成長ホルモンの増減値を示すグラフである。図5は、評価のタイムテーブルを示す模式図である。図6は、LHの増減率を示すグラフである。アルギニン、リジン、オルニチン、亜鉛およびアシュワガンダを含む、筋肉増量用サプリメント。アルギニン、リジン、オルニチン、亜鉛およびアシュワガンダを含む、テストステロン増加用サプリメント。アルギニン、リジン、オルニチン、亜鉛およびアシュワガンダを含む、成長ホルモンおよびテストステロンを増加させるためのサプリメント。