生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_体脂肪の減少促進剤
出願番号:2003332049
年次:2005
IPC分類:7,A61K35/78,A61K31/205,A61P3/00,A61P3/04,A61P3/06,A61P3/10,A61P9/12


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山田 茂之 那須 愛子 岸 正孝 JP 2005097159 公開特許公報(A) 20050414 2003332049 20030924 体脂肪の減少促進剤 日本メナード化粧品株式会社 592262543 山田 茂之 那須 愛子 岸 正孝 7A61K35/78A61K31/205A61P3/00A61P3/04A61P3/06A61P3/10A61P9/12 JPA61K35/78 CA61K31/205A61P3/00A61P3/04A61P3/06A61P3/10A61P9/12 2 OL 8 4C088 4C206 4C088AB39 4C088AC02 4C088BA08 4C088MA02 4C088NA05 4C088ZA42 4C088ZA70 4C088ZC33 4C088ZC35 4C206AA02 4C206FA59 4C206MA02 4C206MA04 4C206NA05 4C206ZA42 4C206ZA70 4C206ZC33 4C206ZC35 本発明は、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤に関するものである。 体脂肪は、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪及び内臓の周りに蓄積される内臓脂肪をいう。体脂肪の蓄積は、肥満だけでなく、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの生活習慣病を引き起こす原因であり、深刻な問題となっている。従って、体脂肪を減少させることは、これらの疾患を予防及び治療する上で大変重要となる。 体脂肪を低下させるには、食事制限及び運動が有効とされているが、管理することは極めて難しい。一方、薬物により体脂肪を低下させる方法もあるが、安全性が問題となり、日常的に使用するのは好ましくない。交感神経興奮薬のエフェドリンは心停止の危険があり、食欲を抑制する作用のあるマジンドールやシブトラミンは、頭痛、口渇等の副作用を有する。そこで、日常的に連用可能で安全かつ十分な効果を示す体脂肪の減少促進剤が求められ、各方面で開発が行われてきた。 例えば、ミカン科植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献1参照)、アザミ族の植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献2参照)、コショウ科植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献3参照)、黄柏エキス及び黄連エキスからなる群から選択される少なくとも1種の成分を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献4参照)、サンザシの果実成分を有効成分とする脂肪の燃焼を促進させる飲食品(特許文献5参照)、オレンジリーフ、オレンジフラワー、フキタンポポ葉及びカラマスルートの植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献6参照)、構成アシル基中のω3系不飽和アシル基含量が15重量%以上であるジグリセリド及び/又はモノグリセリドを5重量%以上含有する油脂を有効成分とする体脂肪燃焼促進剤(特許文献7参照)などがある。しかし、それらの効果は十分なものではなかった。 L−カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに取り込み、エネルギーとする際の必須の物質である。L−カルニチンは脂質代謝に関わる物質であることから、従来より体脂肪を減少させる効果があるといわれてきたが、実際にはその効果は十分なものではない。また、ハス胚芽の抽出物は単独でコラーゲン産生促進効果、皮膚繊維芽細胞増殖促進効果(特許文献8)及び表皮代謝活性化効果(特許文献9)が報告されているが、体脂肪の減少効果については報告されていない。特開平8−81382号公報特開平8−301780号公報特開平8−245410号公報特開平9−95452号公報特開平10−215811号公報特開平11−228431号公報特開2001−64672号公報特開2002−29980号公報特開2002−68993号公報 このような事情に鑑み、本発明者らはさらに優れた体脂肪の減少促進剤を得るべく鋭意検討を行った結果、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を組み合わせることが、顕著な体脂肪の減少促進効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤である。 本発明のL−カルニチンは、体内において必須アミノ酸のリジン及びメチオニンから生合成される他、牛肉、豚肉、羊肉等に含まれており、日常的に摂取されている物質である。また、医薬品においては、塩化物であるL−塩化カルニチンの使用が認められており、安全性の高い成分とされている。本発明での使用にあたっては、化学的或いは酵素的に合成されたもの、微生物により産生されたもの、天然物から得られたもの等を用いることができる。又、L−カルニチンは塩の形であってもよい。L−カルニチンの塩にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属塩、アンモニウム、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸等がある。これらは、単独で又は組み合わせて使用することができる。 本発明のハス胚芽は、平安時代以前からハス胚芽を含むハスの種がいわゆる「ハスの実」として食用されており、極めて安全性の高い食物である。本発明での使用にあたっては、ハス属のハス(Nelumbo nucifera Gaertn.)やキバナハス(N.lutea Pers.)、オニバス属のオニバス(Euyale ferox Salisb.)、オオオニバス属のオオオニバス(Victoria regiaLindl.)等の種の胚芽を使用することができる。生薬として流通するものとしては、蓮芯、蓮子芯、荷梗等が挙げられ、これらを購入して使用することもできる。ハスは、様々な部分が薬用として使われており、それぞれが異なった薬効を有している。例えば、ハス属のハス葉(荷葉)は下痢止め、止血に、果実(蓮肉)と雄しべ(蓮シュ)は強壮に、胚芽(蓮芯、蓮子芯、荷梗)は解熱にと異なった薬効が知られている。また、果実の成分としては多量のデンプンと糖類のラフィノースが知られているのに対し、葉にはロエメリン、ヌシフェリン等のアルカロイドが、そして、胚芽にはメチルコリパリン、ロツシン等の異なるアルカロイドが含まれていることが知られている。 本発明におけるハス胚芽の抽出物は、ハスの種に含まれる胚芽を水もしくはメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン等の親水性有機溶媒、又はこれらの混合溶媒で抽出することにより抽出液として得ることができる。又、当該抽出液を濃縮した濃縮液或いは乾燥した粉末の形態でも得ることができる。 本発明におけるハス胚芽の抽出物及びL−カルニチンの投与量或いは摂取量は、形態、症状、年齢、体重等によって異なるが、L−カルニチンは5〜5000mg/日、好ましくは50〜2000mg/日、より好ましくは100〜1000mg/日、ハス胚芽の抽出物は乾燥ハス胚芽に換算して0.1〜1000mg/日、好ましくは1〜500mg/日、より好ましくは10〜200mg/日である。 本発明の体脂肪の減少促進剤は、医薬品又は食品として用いることができる。医薬品の形態としては、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤、懸濁剤、シロップ剤等が挙げられる。食品の形態としては、上述の医薬品的な形態に加え、ビスケット、クッキー、キャンディー、チョコレート等の菓子、食酢、醤油、ドレッシング等の調味料、ハム、ベーコン、ソーセージ等の食肉製品、かまぼこ、はんぺい等の魚肉練り製品、果汁飲料、清涼飲料、アルコール飲料等の飲料、パン、麺、ジャム等にすることができる。これらの医薬品及び食品は、何れもL−カルニチンを5〜5000mg/日及びハス胚芽の抽出物を乾燥ハス胚芽に換算して0.1mg〜1000mg/日摂取できる形態であるが、摂取量を調整しやすい錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤及び飲料がより好ましい。又、医薬品及び食品の製造にあたっては、必要に応じて賦形剤、結合剤、滑沢剤、矯味剤、安定剤、ビタミン、ミネラル、香料等の医薬品及び食品の技術分野で通常使用されている補助剤を用いることができる。 本発明のL−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤には、著しい体脂肪減少効果が認められた。 次に、本発明を実施するための最良の形態として実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に示す(%)は重量(%)を示す。 錠剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 10.02.ハス胚芽の乾燥水抽出物(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 1.03.カフェイン 1.04.還元麦芽糖水飴 85.05.ショ糖脂肪酸エステル 3.0<製造方法> 成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後に乾燥して顆粒を得る。成分5を加えて打錠成形し、500mgの錠剤を得る。当該錠剤を1日6錠摂取することで、L−カルニチンを300mg/日、乾燥ハス胚芽30mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 トローチ剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 20.02.ハス胚芽の乾燥水抽出物(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 5.03.乳糖 40.04.コーンスターチ 32.05.ショ糖脂肪酸エステル 3.0<製造方法> 成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和して押出し造粒し、乾燥して顆粒を得る。成分5を加えて打錠成形し、1000mgのトローチ剤を得る。当該トローチ剤は、1日3個摂取することで、L−カルニチンを600mg/日、乾燥ハス胚芽150mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 顆粒剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 10.02.ハス胚芽の乾燥水抽出物(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 2.03.還元麦芽糖水飴 30.04.セルロース 58.0<製造方法> 成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和して押出し造粒し、乾燥して顆粒剤を得る。当該顆粒剤は、1回2000mgずつ1日3回摂取することで、L−カルニチンを600mg/日、乾燥ハス胚芽120mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 カプセル剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 10.02.ハス胚芽の乾燥エタノール抽出物(5倍量の乾燥ハス胚芽に相当) 2.03.コエンザイムQ10 0.24.セルロース 87.8<製造方法> 成分1〜4を混合し、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。当該カプセル剤は、1日6カプセル摂取することで、L−カルニチンを150mg/日、乾燥ハス胚芽150mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 飲料 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 1.02.ハス胚芽の30%エタノール抽出液(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 0.53.10%コエンザイムQ10水溶液製剤 1.04.カフェイン 0.15.ショ糖 6.06.クエン酸 0.77.香料 適量8.精製水で全量を100とする。<製造方法> 成分8に成分1〜7を加え、撹拌溶解して濾過し、加熱殺菌して30mLガラス瓶に充填する。当該飲料は、1日1本摂取することでL−カルニチンを300mg/日、乾燥ハス胚芽150mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。比較例 飲料 配合量(%) <処方> 比較例1 比較例2 比較例31.L−カルニチン 0.0 1.0 0.02.ハス胚芽の30%エタノール抽出液 0.0 0.0 0.5 (等量の乾燥ハス胚芽に相当)3.10%コエンザイムQ10水溶液製剤 1.0 1.0 1.04.カフェイン 0.1 0.1 0.15.ショ糖 6.0 6.0 6.06.クエン酸 0.7 0.7 0.77.香料 適量 適量 適量8.精製水で全量を100とする。<製造方法> 成分8に成分1〜7を加え、撹拌溶解して濾過し、加熱殺菌して30mLガラス瓶に充填する。 10週齢のWistar系雄性ラットを各群8匹ずつ4群に分け、表1記載の組成の食餌を2週間与えた。体脂肪率は小動物用体脂肪測定装置(EM−SCAN SA−2 セントラル科学貿易)で測定した。得られた結果を表2に示す。 表2の結果より、L-カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含まない食餌を与えた試験群1と比較して、L−カルニチンを含む食餌の試験群2及びハス胚芽の抽出物を含む食餌の試験群3における体脂肪率の減少はわずかである。一方、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含む食餌を与えた試験群4は、著しく体脂肪が低下していることがわかる。 25〜40歳の健常男性3名及び女性2名(A、B、C、D、E)に、食生活を変えることなく、実施例5の飲料を1日1本8週間摂取させ、BMI〔Body Mass Index:体重kg/(身長m×身長m)〕、体脂肪率、ウエストサイズを測定した。結果を表4に示す。 表3の結果より、本発明の体脂肪の減少促進剤を摂取すると、食生活を変えることなく、体脂肪率が減少し、それに伴いBMI、ウエストサイズが低下していることがわかる。 L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有する体脂肪の減少促進剤は、過度の体脂肪が起因となる生活習慣病の予防及び治療にも適用できる。L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤。L−カルニチンを5〜5000mg/日及びハス胚芽の抽出物を乾燥ハス胚芽に換算して0.1〜1000mg/日摂取できる形態である請求項1記載の体脂肪の減少促進剤。 【課題】日常的に連用可能で、安全かつ十分な効果を示す体脂肪の減少促進剤を提供する。【解決手段】体脂肪の減少促進剤において、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することにより、より十分な体脂肪を低下させる作用を有し、かつ安全な薬剤を提供する。L−カルニチンを5〜5000mg/日及びハス胚芽の抽出物を乾燥ハス胚芽に換算して0.1〜1000mg/日摂取できる形態である体脂肪の減少促進剤を提供する。本発明のハス胚芽は、ハス属のハス(Nelumbo nucifera Gaertn.)やキバナハス(N.lutea Pers.)、オニバス属のオニバス(Euyale ferox Salisb.)、オオオニバス属のオオオニバス(Victoria regiaLindl.)等の種の胚芽を使用することができる。


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特許公報(B2)_体脂肪の減少促進剤

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_体脂肪の減少促進剤
出願番号:2003332049
年次:2010
IPC分類:A61K 36/18,A61K 31/205,A61P 3/00,A61P 3/04,A61P 3/06,A61P 3/10


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山田 茂之 那須 愛子 岸 正孝 JP 4480973 特許公報(B2) 20100326 2003332049 20030924 体脂肪の減少促進剤 日本メナード化粧品株式会社 592262543 山田 茂之 那須 愛子 岸 正孝 20100616 A61K 36/18 20060101AFI20100527BHJP A61K 31/205 20060101ALI20100527BHJP A61P 3/00 20060101ALI20100527BHJP A61P 3/04 20060101ALI20100527BHJP A61P 3/06 20060101ALI20100527BHJP A61P 3/10 20060101ALI20100527BHJP JPA61K35/78 CA61K31/205A61P3/00A61P3/04A61P3/06A61P3/10 A61K 36/18 A61K 31/205 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平11−310531(JP,A) 高がき了士,しわ、たるみ発生遅延ハーブ・ハス胚芽の機能,FOOD Style 21,2000年,Vol.4,No.9,pp.64-68 2 2005097159 20050414 8 20060718 鶴見 秀紀 本発明は、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤に関するものである。 体脂肪は、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪及び内臓の周りに蓄積される内臓脂肪をいう。体脂肪の蓄積は、肥満だけでなく、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの生活習慣病を引き起こす原因であり、深刻な問題となっている。従って、体脂肪を減少させることは、これらの疾患を予防及び治療する上で大変重要となる。 体脂肪を低下させるには、食事制限及び運動が有効とされているが、管理することは極めて難しい。一方、薬物により体脂肪を低下させる方法もあるが、安全性が問題となり、日常的に使用するのは好ましくない。交感神経興奮薬のエフェドリンは心停止の危険があり、食欲を抑制する作用のあるマジンドールやシブトラミンは、頭痛、口渇等の副作用を有する。そこで、日常的に連用可能で安全かつ十分な効果を示す体脂肪の減少促進剤が求められ、各方面で開発が行われてきた。 例えば、ミカン科植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献1参照)、アザミ族の植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献2参照)、コショウ科植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献3参照)、黄柏エキス及び黄連エキスからなる群から選択される少なくとも1種の成分を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献4参照)、サンザシの果実成分を有効成分とする脂肪の燃焼を促進させる飲食品(特許文献5参照)、オレンジリーフ、オレンジフラワー、フキタンポポ葉及びカラマスルートの植物を有効成分とする脂肪分解促進剤(特許文献6参照)、構成アシル基中のω3系不飽和アシル基含量が15重量%以上であるジグリセリド及び/又はモノグリセリドを5重量%以上含有する油脂を有効成分とする体脂肪燃焼促進剤(特許文献7参照)などがある。しかし、それらの効果は十分なものではなかった。 L−カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに取り込み、エネルギーとする際の必須の物質である。L−カルニチンは脂質代謝に関わる物質であることから、従来より体脂肪を減少させる効果があるといわれてきたが、実際にはその効果は十分なものではない。また、ハス胚芽の抽出物は単独でコラーゲン産生促進効果、皮膚繊維芽細胞増殖促進効果(特許文献8)及び表皮代謝活性化効果(特許文献9)が報告されているが、体脂肪の減少効果については報告されていない。特開平8−81382号公報特開平8−301780号公報特開平8−245410号公報特開平9−95452号公報特開平10−215811号公報特開平11−228431号公報特開2001−64672号公報特開2002−29980号公報特開2002−68993号公報 このような事情に鑑み、本発明者らはさらに優れた体脂肪の減少促進剤を得るべく鋭意検討を行った結果、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を組み合わせることが、顕著な体脂肪の減少促進効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤である。 本発明のL−カルニチンは、体内において必須アミノ酸のリジン及びメチオニンから生合成される他、牛肉、豚肉、羊肉等に含まれており、日常的に摂取されている物質である。また、医薬品においては、塩化物であるL−塩化カルニチンの使用が認められており、安全性の高い成分とされている。本発明での使用にあたっては、化学的或いは酵素的に合成されたもの、微生物により産生されたもの、天然物から得られたもの等を用いることができる。又、L−カルニチンは塩の形であってもよい。L−カルニチンの塩にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属塩、アンモニウム、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸等がある。これらは、単独で又は組み合わせて使用することができる。 本発明のハス胚芽は、平安時代以前からハス胚芽を含むハスの種がいわゆる「ハスの実」として食用されており、極めて安全性の高い食物である。本発明での使用にあたっては、ハス属のハス(Nelumbo nucifera Gaertn.)やキバナハス(N.lutea Pers.)、オニバス属のオニバス(Euyale ferox Salisb.)、オオオニバス属のオオオニバス(Victoria regiaLindl.)等の種の胚芽を使用することができる。生薬として流通するものとしては、蓮芯、蓮子芯、荷梗等が挙げられ、これらを購入して使用することもできる。ハスは、様々な部分が薬用として使われており、それぞれが異なった薬効を有している。例えば、ハス属のハス葉(荷葉)は下痢止め、止血に、果実(蓮肉)と雄しべ(蓮シュ)は強壮に、胚芽(蓮芯、蓮子芯、荷梗)は解熱にと異なった薬効が知られている。また、果実の成分としては多量のデンプンと糖類のラフィノースが知られているのに対し、葉にはロエメリン、ヌシフェリン等のアルカロイドが、そして、胚芽にはメチルコリパリン、ロツシン等の異なるアルカロイドが含まれていることが知られている。 本発明におけるハス胚芽の抽出物は、ハスの種に含まれる胚芽を水もしくはメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン等の親水性有機溶媒、又はこれらの混合溶媒で抽出することにより抽出液として得ることができる。又、当該抽出液を濃縮した濃縮液或いは乾燥した粉末の形態でも得ることができる。 本発明におけるハス胚芽の抽出物及びL−カルニチンの投与量或いは摂取量は、形態、症状、年齢、体重等によって異なるが、L−カルニチンは5〜5000mg/日、好ましくは50〜2000mg/日、より好ましくは100〜1000mg/日、ハス胚芽の抽出物は乾燥ハス胚芽に換算して0.1〜1000mg/日、好ましくは1〜500mg/日、より好ましくは10〜200mg/日である。 本発明の体脂肪の減少促進剤は、医薬品又は食品として用いることができる。医薬品の形態としては、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤、懸濁剤、シロップ剤等が挙げられる。食品の形態としては、上述の医薬品的な形態に加え、ビスケット、クッキー、キャンディー、チョコレート等の菓子、食酢、醤油、ドレッシング等の調味料、ハム、ベーコン、ソーセージ等の食肉製品、かまぼこ、はんぺい等の魚肉練り製品、果汁飲料、清涼飲料、アルコール飲料等の飲料、パン、麺、ジャム等にすることができる。これらの医薬品及び食品は、何れもL−カルニチンを5〜5000mg/日及びハス胚芽の抽出物を乾燥ハス胚芽に換算して0.1mg〜1000mg/日摂取できる形態であるが、摂取量を調整しやすい錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤及び飲料がより好ましい。又、医薬品及び食品の製造にあたっては、必要に応じて賦形剤、結合剤、滑沢剤、矯味剤、安定剤、ビタミン、ミネラル、香料等の医薬品及び食品の技術分野で通常使用されている補助剤を用いることができる。 本発明のL−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤には、著しい体脂肪減少効果が認められた。 次に、本発明を実施するための最良の形態として実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に示す(%)は重量(%)を示す。 錠剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 10.02.ハス胚芽の乾燥水抽出物(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 1.03.カフェイン 1.04.還元麦芽糖水飴 85.05.ショ糖脂肪酸エステル 3.0<製造方法> 成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後に乾燥して顆粒を得る。成分5を加えて打錠成形し、500mgの錠剤を得る。当該錠剤を1日6錠摂取することで、L−カルニチンを300mg/日、乾燥ハス胚芽30mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 トローチ剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 20.02.ハス胚芽の乾燥水抽出物(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 5.03.乳糖 40.04.コーンスターチ 32.05.ショ糖脂肪酸エステル 3.0<製造方法> 成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和して押出し造粒し、乾燥して顆粒を得る。成分5を加えて打錠成形し、1000mgのトローチ剤を得る。当該トローチ剤は、1日3個摂取することで、L−カルニチンを600mg/日、乾燥ハス胚芽150mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 顆粒剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 10.02.ハス胚芽の乾燥水抽出物(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 2.03.還元麦芽糖水飴 30.04.セルロース 58.0<製造方法> 成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和して押出し造粒し、乾燥して顆粒剤を得る。当該顆粒剤は、1回2000mgずつ1日3回摂取することで、L−カルニチンを600mg/日、乾燥ハス胚芽120mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 カプセル剤 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 10.02.ハス胚芽の乾燥エタノール抽出物(5倍量の乾燥ハス胚芽に相当) 2.03.コエンザイムQ10 0.24.セルロース 87.8<製造方法> 成分1〜4を混合し、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。当該カプセル剤は、1日6カプセル摂取することで、L−カルニチンを150mg/日、乾燥ハス胚芽150mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。 飲料 <処方> 配合量(%)1.L−カルニチン 1.02.ハス胚芽の30%エタノール抽出液(等量の乾燥ハス胚芽に相当) 0.53.10%コエンザイムQ10水溶液製剤 1.04.カフェイン 0.15.ショ糖 6.06.クエン酸 0.77.香料 適量8.精製水で全量を100とする。<製造方法> 成分8に成分1〜7を加え、撹拌溶解して濾過し、加熱殺菌して30mLガラス瓶に充填する。当該飲料は、1日1本摂取することでL−カルニチンを300mg/日、乾燥ハス胚芽150mg/日に相当するハス胚芽の抽出物を摂取できる。比較例 飲料 配合量(%) <処方> 比較例1 比較例2 比較例31.L−カルニチン 0.0 1.0 0.02.ハス胚芽の30%エタノール抽出液 0.0 0.0 0.5 (等量の乾燥ハス胚芽に相当)3.10%コエンザイムQ10水溶液製剤 1.0 1.0 1.04.カフェイン 0.1 0.1 0.15.ショ糖 6.0 6.0 6.06.クエン酸 0.7 0.7 0.77.香料 適量 適量 適量8.精製水で全量を100とする。<製造方法> 成分8に成分1〜7を加え、撹拌溶解して濾過し、加熱殺菌して30mLガラス瓶に充填する。 10週齢のWistar系雄性ラットを各群8匹ずつ4群に分け、表1記載の組成の食餌を2週間与えた。体脂肪率は小動物用体脂肪測定装置(EM−SCAN SA−2 セントラル科学貿易)で測定した。得られた結果を表2に示す。 表2の結果より、L-カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含まない食餌を与えた試験群1と比較して、L−カルニチンを含む食餌の試験群2及びハス胚芽の抽出物を含む食餌の試験群3における体脂肪率の減少はわずかである。一方、L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含む食餌を与えた試験群4は、著しく体脂肪が低下していることがわかる。 25〜40歳の健常男性3名及び女性2名(A、B、C、D、E)に、食生活を変えることなく、実施例5の飲料を1日1本8週間摂取させ、BMI〔Body Mass Index:体重kg/(身長m×身長m)〕、体脂肪率、ウエストサイズを測定した。結果を表4に示す。 表3の結果より、本発明の体脂肪の減少促進剤を摂取すると、食生活を変えることなく、体脂肪率が減少し、それに伴いBMI、ウエストサイズが低下していることがわかる。 L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有する体脂肪の減少促進剤は、過度の体脂肪が起因となる生活習慣病の予防及び治療にも適用できる。L−カルニチン及びハス胚芽の抽出物を含有することを特徴とする体脂肪の減少促進剤。L−カルニチンを5〜5000mg/日及びハス胚芽の抽出物を乾燥ハス胚芽に換算して0.1〜1000mg/日摂取できる形態である請求項1記載の体脂肪の減少促進剤。


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