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タイトル:公開特許公報(A)_一液性エポキシ組成物中の酸無水物硬化剤のための促進剤としての2−フェニルイミダゾール燐酸二水素塩
出願番号:2003331271
年次:2004
IPC分類:7,C08G59/50,C07D233/56


特許情報キャッシュ

ディリプクマール・ナンドラル・シャー ウィリアム・エドワード・スターナー JP 2004010901 公開特許公報(A) 20040115 2003331271 20030924 一液性エポキシ組成物中の酸無水物硬化剤のための促進剤としての2−フェニルイミダゾール燐酸二水素塩 エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド 591035368 AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED 591035368 高木 千嘉 100091731 西村 公佑 100080355 ディリプクマール・ナンドラル・シャー ウィリアム・エドワード・スターナー US 09/703443 20001101 7C08G59/50C07D233/56 JPC08G59/50C07D233/56 1 2001333609 20011031 OL 10 4J036 4J036AA01 4J036DC40 本発明は潜伏性硬化剤およびエポキシ樹脂、特に一液性(one component)エポキシ組成物のための促進剤である2−フェニルイミダゾール燐酸塩(特に、燐酸二水素塩)に関する。 「潜伏性」硬化剤は、処方された系中で通常の周囲条件下で不活性のままであるが、高められた温度でエポキシ樹脂と容易に反応する硬化剤である。「促進剤」はエポキシ樹脂と硬化剤との間の反応を促進する物質である。「一液性」(one component)エポキシ組成物は典型的にエポキシ樹脂、硬化剤および促進剤ならびに添加剤および充填剤の配合物である。 一液性のエポキシ組成物は現在、潜伏性硬化剤として酸無水物を含有する。この組成物は優れた保存寿命を示すが硬化するのに極めて高い温度を必要とする。イミダゾールのような促進剤は、反応性を増大するために酸無水物とともに使用されることができるが、このような促進剤は組成物の保存安定性に悪影響を与える。 酸無水物のための活性化剤としてイミダゾール塩を使用して酸無水物によってポリエポキシドを硬化することが開示されている(特許文献1参照)。イミダゾール塩によるポリエポキシドの硬化が開示されている(特許文献2および特許文献3参照)。 ポリエポキシドとポリカルボン酸またはその無水物とイミダゾールの塩からなる硬化性エポキシ樹脂組成物が開示されている(特許文献4参照)。イミダゾール塩によってポリエポキシドのジアミノジフェニルスルホン硬化を触媒することが開示されている(特許文献5参照)。 アルキルカルボン酸およびいくつかのイミダゾールの燐酸塩によるエポキシ樹脂の硬化に関する研究が開示されている(非特許文献1参照)。 2−ヘプタ−デシルイミダゾリンを水中にいれ、オルト燐酸を添加し、10分間混合し、濾過しそして真空乾燥することにより製造される潜伏性エポキシ硬化剤が開示されている(特許文献6)。 水をベースとするエポキシ組成物中に2−メチルイミダゾールおよびジシアンジアミドを使用することが開示されている(非特許文献2参照)。米国特許第3,329,652号明細書米国特許第3,356,645号明細書米国特許第3,418,333号明細書米国特許第3,746,686号明細書米国特許第3,755,253号明細書特開昭58-083023号公報T. Kamonら“Curing of Epoxy Resins. VI. Curing of Epoxy resins with Acid Salts of Imidazoles", Shikizai Kyokaishi (1977), 50(1), pp2〜7“Epoxy Dispersion In Adhesive Applications", Adhesives Age, May 1995, pp34〜37 酸無水物によって硬化されまた低温硬化と保存安定性との良好なバランスをもたらす固形物100%の一液性エポキシ組成物に対する要求がある。ジシアンジアミドによって硬化されまた低温硬化と保存安定性との良好なバランスをもたらす水をベースとする一液性エポキシ組成物に対する要求がある。 本発明は2−フェニルイミダゾール燐酸塩(特に、燐酸二水素塩)に関し、また一液性の熱硬化性エポキシ組成物中で酸無水物潜伏性硬化剤のための促進剤としてこれを使用することに関する。この塩は2−フェニルイミダゾールと燐酸との反応生成物である。 2−フェニルイミダゾールと燐酸との特に等モル量での反応は、構造Aを有する燐酸二水素塩またはビホスフェート塩を生成する。 本発明によって以下のものが提供される。 すなわち、熱硬化されるエポキシ組成物中での酸無水物潜伏性硬化剤のための促進剤、および低温硬化と長期の保存安定性との良好なバランスをもたらす、2−フェニルイミダゾール燐酸二水素塩、酸無水物およびエポキシ樹脂を含む一液性の固形物100%のエポキシ組成物。 本発明は2−フェニルイミダゾールの燐酸塩(特に、燐酸二水素塩)に関しまたエポキシ樹脂を硬化する際の酸無水物のための促進剤としてこれを使用することに関する。燐酸はオルト燐酸としても知られまた85%燐酸として市販で入手することができる。構造Aを有する塩は、反応式:に従って、2−フェニルイミダゾール1モルを燐酸1モルと反応させることにより生成される一塩基性塩である。 燐酸塩の合成で用いられる化学量論は、例えば0.1〜5.0モルの2−フェニルイミダゾールと0.1〜>5.0モルの燐酸との範囲にある任意の組み合わせであってよい。一般に、2−フェニルイミダゾールと燐酸は、0.9〜1.1のモル比、好ましくは0.95〜1のモル比で反応される。典型的に、市販で入手できる85%オルト燐酸が使用されるが、本発明では任意の濃度を用いることができる。反応は溶媒を使用してまたは使用しないで実施することができる。溶媒は水、メタノール、エタノール、THFなどであってよいがこれらに限定されない。反応物または生成物の1つを溶解する任意の溶媒が使用されてよい。任意の添加順序が採用されてよく、また温度または圧力は塩を製造するのに決定的でないので、反応は任意の温度または圧力で実施されてよい。好ましい合成方法は、メタノール中に2−フェニルイミダゾールを溶解しそしてオルト燐酸をイミダゾール溶液にゆっくり添加することである。得られる沈殿された塩は濾過、メタノール洗浄および自然乾燥によって収集される。 2−フェニルイミダゾール燐酸塩は、一液性エポキシ接着剤、粉末コーティングを含む装飾および保護コーティング、フィラメントワインド(filament winding)、印刷回路板および類似のエポキシ応用品中で酸無水物潜伏性硬化剤のための促進剤として使用することができる。 本発明で潜伏性エポキシ硬化剤として好適な酸無水物は、参照によって本文に組み入れられている米国特許3,329,652号明細書の欄2/28〜71に開示されているもののようなエポキシで知られている任意の硬化性物質である。好ましい無水物は脂肪族、環状脂肪族および芳香族の一無水物および二無水物からなる。特に好ましいのは、Nadicメチル無水物(メチルビシクロ[2,2,1]ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物異性体)、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物およびメチルヘキサヒドロフタル酸無水物のような常態で液状であるか低沸点の無水物である。エポキシ樹脂100重量部あたり典型的に酸無水物75〜90重量部(pbw)、好ましくは80〜85pbwがエポキシ組成物中に使用される。 2−フェニルイミダゾール燐酸塩促進剤および酸無水物潜伏性硬化剤は、1,2−エポキシ基を1分子あたり1つまたはそれ以上含むポリエポキシ化合物であるエポキシ樹脂と一緒にされる。このようなエポキシドはエポキシ技術において周知であり、またY. Tanaka,“Synthesis and Characteristics of Epoxides", in C.A. May, ed., Epoxy Resins Chemistry and Technology (Marcel Dekker, 1988)中に記載されている。例には、参照によって本文に組み入れられている米国特許5,599,855号明細書(5/6〜6/20欄)中に記載されているエポキシドがある。好ましいポリエポキシ化合物はビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Aの延長されたジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、およびエポキシノボラック樹脂である。液体エポキシ樹脂および固形物のエポキシ樹脂の双方が一液性エポキシ組成物中で好適に使用される。粉末コーティング組成物は固形物のエポキシ樹脂、2−フェニルイミダゾール燐酸塩および無水物を含むであろう。 一般にエポキシ樹脂の硬化を促進するために有効な量の2−フェニルイミダゾール燐酸塩が使用される。酸無水物硬化剤のための促進剤としてエポキシ樹脂100重量部(pbw)あたり0.05〜10pbwの燐酸塩が使用されよう。 2−フェニルイミダゾール−燐酸塩、酸無水物およびエポキシ樹脂からつくられる組成物は、溶媒、充填剤、顔料、顔料分散剤、レオロジー調節剤、チキソトロープ、流動および均染助剤、消泡剤などを含めてコーティング処方物の技術で当業者に周知の広範な種類の成分とともに処方されることができる。約1〜90重量%の有機溶媒を含むまたは固形物100%からなるエポキシ組成物を使用することができる。 本発明の一液性エポキシ組成物は噴霧、ハケ塗り、ローラー塗装、ペイントミット塗りなどを含む任意の数の技術によってコーティングとして施されることができる。技術上よく理解されているように、表面の調整を適切にすれば、本発明のコーティングを施すために多くの物質が好適である。このような物質には多くの種類の金属特に鋼およびアルミニウム、そしてまたコンクリートも含まれるがこれらに限られることはない。本発明の一液性エポキシコーティング組成物は、施されそして約125〜約240℃の範囲の高温で硬化されてよく、150〜190℃の硬化温度が好ましい。実施例1〜7 これらの実施例は2−フェニルイミダゾール(2−PI)、1−メチルイミダゾール(1−MI)、2−メチルイミダゾール(2−MI)、イミダゾール(MI)、4−メチルイミダゾール(4−MI)、2−エチルイミダゾール(2−EI)および2−エチル−4−メチルイミダゾール(24−EMI)の85%燐酸とのモル比1:1の反応によってつくられるイミダゾール燐酸塩の調製を示す。これらのイミダゾール燐酸塩を調製するのに使用される方法は以下のとおりであった。 磁気撹拌機、熱電気対、冷却器および滴下漏斗を備えた250mlの丸底の三つ口フラスコにメタノール100mlと所望の置換イミダゾールの適量、例えば2−フェニルイミダゾール(2−PI)36.0g(0.25モル)とを添加した。イミダゾールを溶解が完了した後、15分にわたって85%燐酸を滴加した。添加が完了した後、得られるスラリーを15分間混合した。固形の生成物をブフナー漏斗内で濾過によって単離し、新しいメタノール50mlで洗浄しそして自然乾燥した。回収したイミダゾール燐酸塩の量は理論収率の99%であった。 反応物の量、イミダゾール燐酸塩の収率、示差走査熱分析(DSC)によって測定されるイミダゾール燐酸塩の融点および各々の調合物の5%溶液のpHを表1に示す。実施例8〜14 固形物100%のエポキシ系のこれらの実施例は、酸無水物で硬化されるエポキシ樹脂組成物のための促進剤としてのイミダゾール燐酸塩を例示する。以下の成分を完全に混合することにより組成物を調製した。  Epon 828            100.0g  メチルヘキサヒドロフタル酸無水物   90.0g  イミダゾール燐酸塩           0.5g イミダゾール燐酸塩を以下のように呼称した:  2−フェニルイミダゾール燐酸塩(2−PIP)  1−メチルイミダゾール燐酸塩(1−MIP)  2−メチルイミダゾール燐酸塩(2−MIP)  イミダゾール燐酸塩(IMP)  4−メチルイミダゾール燐酸塩(4−MIP)  2−エチルイミダゾール燐酸塩(2−EIP)  2−エチル−4−メチルイミダゾール燐酸塩(24−EMIP) DSCによって組成物を試験して反応の開始温度および到達する最高温度を測定した。実施例8〜14の組成物を5〜10mg DSCパンに入れ、そして密封した。10℃/分の加熱温度で、室温から350℃までDSCを操作した。開始温度(To)およびピーク温度(Tp)の差は、反応が一旦開始したときの反応の幅(breadth)または速度の指標である。開始温度とピーク温度との間の差が小さいほど、開始温度またはその近くでの硬化は一層早くまたより望ましいであろう。表2および図1〜7は、2−PIP促進剤が他のイミダゾール燐酸塩に比較して驚くべきほど小さい(Tp−To)、つまり予期以上に急速な硬化を示すことを表す。 2−フェニルイミダゾールの燐酸塩は、固形物100%のエポキシ組成物、例えばエポキシ接着剤、粉末コーティングを含むコーティング、フィラメントワインド、印刷回路板および類似の塗装物中での酸無水物のための硬化促進剤として使用することができる。この塩はそれが高温にさらされるまで解離しない。従って、このような塩は固形物100%の一液性エポキシ組成物中で良好な保存安定性をもたらす。 本発明は一液性の固形物100%のエポキシ組成物中で酸無水物のための促進剤として2−フェニルイミダゾール燐酸塩(特に、燐酸二水素塩)を提供する。実施例8の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としての2−フェニルイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。実施例9の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としての1−メチルイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。実施例10の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としての2−メチルイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。実施例11の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としてのイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。実施例12の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としての4−メチルイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。実施例13の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としての2−エチルイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。実施例14の無水物で硬化されたエポキシ組成物中の促進剤としての2−エチル−4−メチルイミダゾール燐酸塩の示差走査熱測定のグラフである。 2−フェニルイミダゾールの燐酸二水素塩。 【課題】 エポキシ樹脂、酸無水物潜伏性熱活性化硬化剤および酸無水物硬化剤のための促進剤を含有する熱硬化性で一液性の保護または装飾用のエポキシコーティングまたは接着剤組成物の提供。【解決手段】 促進剤として2−フェニルイミダゾールの燐酸二水素塩を用いることからなる。【選択図】  なし


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