タイトル: | 特許公報(B2)_網状赤血球測定方法及び装置 |
出願番号: | 2003307865 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | G01N 15/14,G01N 33/48,G01N 33/49 |
水上 利洋 森 悠丞 堀坂 加奈子 跡上 直 JP 4474135 特許公報(B2) 20100312 2003307865 20030829 網状赤血球測定方法及び装置 シスメックス株式会社 390014960 西野 卓嗣 100088867 水上 利洋 森 悠丞 堀坂 加奈子 跡上 直 JP 2002264478 20020910 20100602 G01N 15/14 20060101AFI20100513BHJP G01N 33/48 20060101ALI20100513BHJP G01N 33/49 20060101ALI20100513BHJP JPG01N15/14 CG01N15/14 BG01N33/48 MG01N33/49 H G01N15/00〜15/14、G01N33/48〜G01N33/98 特開平09−104683(JP,A) 特開平05−232011(JP,A) 特開2002−207035(JP,A) 特開2002−207036(JP,A) 特表平08−500123(JP,A) 特開平10−026620(JP,A) 特開平01−308964(JP,A) 特開2000−187037(JP,A) 2 2004125787 20040422 10 20060825 福田 裕司この発明は、赤血球系疾患における治療効果をモニタリングすることが可能な網状赤血球測定方法に関する。より詳細には、全自動血球計数装置を用いて網状赤血球の大きさを検出することにより、各種赤血球系疾患における治療効果をモニタリングすることが可能な網状赤血球測定方法に関する。 網状赤血球は脱核した赤血球の中で最も若いもので、網状赤血球の増加は骨髄での赤血球産生の亢進の指標となる。網状赤血球内部には核の残留物であるRNAが含まれ、網状顆粒物質として存在している。通常のライト染色では大型の多染性赤血球として認められるが、超生体染色を行うと網状あるいは顆粒状に染め出される。通常は赤血球1000個中における網状赤血球比率(o/oo;プロミリ)として表示されている。 網状赤血球数は、赤血球産生の亢進あるいは低下を反映して増減する。鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血の治療により赤血球数やヘモグロビン値に先立って増加するため、治療効果の早期判定に有用である。 網状赤血球の増加を示す疾患としては、溶血性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血などがあげられる。溶血性貧血では同時にみられる所見として赤血球寿命の短縮、間接型血清ビリルビンの増加、ハプトグロビンの低下等を伴う。網状赤血球が減少する疾患としては、急性白血病や再生不良性貧血があり、これらに関しては末梢血液所見と共に骨髄所見等による診断が必要となる。 網状赤血球の計数に関しては、すでにフローサイトメトリによる計数技術が実用化され(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)、この技術を搭載した自動血球計数装置も市販されている。 自動血球計数装置では、網状赤血球数(比率)とともに網状赤血球の成熟度も測定することができる。網状赤血球の成熟度を測定する臨床的意義としては、化学療法、骨髄移植後の造血回復モニタリングがあげられる。抗癌剤などで骨髄抑制があり、薬剤を中止してその後に造血能の回復を見るときなどは、網状赤血球の中でもより幼若なものが2〜3日先行して増加してくることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。臨床家は骨髄機能の回復を今や遅しと待っているわけであり、早期に回復がとらえられることは大変有用である。 以上のように、貧血の診断や化学療法後の造血状態のモニタリングには一般に網状赤血球数(比率)や成熟度が考慮される。従来はこれらのパラメータのみに着目しており、新しく産生された赤血球(網状赤血球)の大きさは考慮していない。 網状赤血球(および赤血球)の大きさは、それらの細胞に含有されているヘモグロビン量と密接な関係があることが指摘されている(例えば、非特許文献2参照)。つまり、網状赤血球の大きさを調べることは、間接的に網状赤血球に含まれているヘモグロビン含量を調べることになり、上記のヘモグロビン量の低下した低色素性赤血球を検出することができる。 鉄欠乏性貧血では、体内の鉄が減少するため、小球性低色素性を呈する。治療前の赤血球は小さいので、薬剤投与などの治療の結果、新しく産生された網状赤血球が成熟赤血球より大きければ、正常な赤血球が産生されていることが分かる。一方、悪性貧血の場合は治療前の赤血球が大きいので、治療の結果、新しく産生された網状赤血球が成熟赤血球より小さければ、治療効果が現れていると判断できる。米国特許第4,544,546号明細書米国特許第4,957,870号明細書米国特許第5,360,739号明細書米国特許第5,821,127号明細書High fluorescence reticulocytes are an indicator of bone marrow recovery after chemotherapy. Eur. J. Haematol. 54:61-63, 1995Briggs C, Rogers R, Thompson B, Machin S.J,: New Red Cell Parameters on the Sysmex XE-2100 as Potential Markers of Functional Iron Deficiency; Infus. Ther. Transfus Med 2001; 28:256-262 よって、網状赤血球の大きさを把握(モニタリング)することは、治療薬剤に対する効果を見る上で非常に有用である。にもかかわらず、従来は網状赤血球の数(比率)や成熟度のみしか考慮していないので、新しく産生された赤血球が正常な機能を持ったものであるかどうかの判断を誤る可能性があった。 さらに、従来の網状赤血球の測定だけでは、ヘモグロビン含量の低い赤血球が産生されてもそれを検出できないという問題がある。腎性貧血患者に対するエリスロポエチン治療では骨髄での赤血球産生が亢進するため、単純な貯蔵鉄の欠乏に加えて、骨髄への貯蔵鉄の輸送が間に合わない現象(機能性鉄欠乏)が起こる。これは、臨床的には鉄、フェリチンなど既存の鉄動態の指標が正常にも関わらず、エリスロポエチンに対する反応が不良になった場合に認められ、ヘモグロビン量の減少した低色素性赤血球が産生されることになる。 以上のように網状赤血球の数および比率のみを見ていては、機能性鉄欠乏の状態を見落とす可能性がある。本発明は、フローサイトメトリによる網状赤血球測定において、治療効果をモニタリングすることが可能な網状赤血球測定方法を提供することを目的とする。本発明は、(1)網状赤血球測定用試薬と全血試料を混合して測定用試料を調製し、(2)前記測定用試料をフローサイトメータのフローセルに導入し、(3)フローセル内を流れる測定用試料中の細胞に励起光を照射し、(4)前記細胞より発せられる散乱光と蛍光を検出し、(5)上記工程で検出した散乱光と蛍光について、前方散乱光強度と蛍光強度を2軸とする2次元分布図を作成し、(6)前記2次元分布図上で成熟赤血球領域及び網状赤血球領域を特定し、(7)成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度および網状赤血球領域の平均前方散乱光強度を算出し、(8)成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度および網状赤血球領域の平均前方散乱光強度を2軸とするグラフ上に前記(7)で得られたデータをプロットし、(9)前記プロットした点と、前記グラフ上にあらかじめ設定された基準点からの距離を算出する、ことを特徴とする。 本発明によれば、赤血球系疾患における治療効果を早期にまた客観的に把握することができる。 本発明で使用されるフローサイトメータの光学系の一例を図1に示す。同図において励起光源(例えばレーザダイオード)21から出射されたビームはコリメートレンズ22を介してシースフローセル23のオリフィス部を照射する。ノズル6から吐出されオリフィス部を通過する血球から発せられる前方散乱光は集光レンズ24とピンホール板25を介して前方散乱光検出器(フォトダイオード)26に入射する。 一方、オリフィス部を通過する血球から発せされる側方散乱光と側方蛍光については、側方散乱光は集光レンズ27とダイクロイックミラー28とを介して側方散乱光検出器(フォトマルチプライアチューブ)29に入射し、側方蛍光は集光レンズ27とダイクロイックミラー28とフィルタ29とピンホール板30を介して側方蛍光検出器(フォトマルチプライアチューブ)31に入射する。 前方散乱光検出器26から出力される前方散乱光信号と、側方散乱光検出器29から出力される側方散乱光信号と、側方蛍光検出器31から出力される側方蛍光信号とは、それぞれアンプ32、33、34により増幅され、解析部35に入力される。 ここで、解析部35は、入力された信号のうち、前方散乱光信号、側方蛍光信号から前方蛍光強度と前方散乱光強度をそれぞれパラメータとする2次元分布(スキャッタグラム)を作成して、図示しない表示部に表示させると共に、その2次元分布に設定される任意の領域内のドット数(粒子数)を計数し、所望の演算を行い計数結果や演算結果を表示部に表示させる。 また、本発明で使用される網状赤血球測定用試薬は、公知のものを使用することができる。例えば、前述の米国特許第4,544,546号明細書、米国特許第4,957,870号明細書、米国特許第5,360,739号明細書、米国特許第5,821,127号明細書などに記載のものが使用できる。 フローサイトメトリにより網状赤血球を測定する原理は以下のとおりである。まず、網状赤血球内に存在するRNAを蛍光色素と結合させることによって染色し、次いで染色された網状赤血球をフローサイトメータのフローセルに流し、染色された網状赤血球に励起光を照射する。そこから得られる散乱光と蛍光を検出器で検出する。なお、励起光の波長は使用する蛍光色素に応じて適宜選択される。 検出器で検出された信号のうち、前方散乱光信号、側方蛍光信号から前方蛍光強度と前方散乱光強度を2軸とする2次元分布図(スキャッタグラム)を作成して成熟赤血球領域及び網状赤血球領域を特定する。これらの領域の特定は、米国特許第5,006,986号及び米国特許第5,117,357号に記載の方法に従って行うことができる。成熟赤血球は細胞内にRNAを含有しないので、得られる蛍光は非常に弱い。網状赤血球はRNAを含有するので比較的強い蛍光が得られる。一定以上の蛍光強度を持つものを網状赤血球とすることができる。また、細胞内に含まれるRNA量に応じて蛍光強度が変化するので、得られる蛍光強度から網状赤血球の成熟度を求めることができる。蛍光強度が大きいほど含有されているRNA量が多い細胞であり、より幼若な網状赤血球であるといえる。シスメックス株式会社の多項目自動血液分析装置XE-2100の場合、網状赤血球は、その蛍光強度に応じて、HFR(high fluorescence ratio)、MFR(middle fluorescence ratio)、LFR(low fluorescence ratio)の各領域に3分割される。HFRが最も幼若な網状赤血球である。 網状赤血球を測定する際、従来はその蛍光強度(RNA量)のみに着目していたが、本発明の方法では、細胞の大きさも考慮する。フローサイトメトリによって網状赤血球を測定する際に得られる前方散乱光強度は、細胞の大きさを反映するので、これを細胞の大きさ情報として用いることができる。例えば、縦軸を前方散乱光強度、横軸を蛍光強度とする2次元分布図(スキャッタグラム)上で成熟赤血球領域と網状赤血球領域を特定し、特定した網状赤血球領域について、平均前方散乱光強度を求める。患者に治療薬剤を投与後、患者の血液中の網状赤血球を測定し、この数値の変化を経日的に検出することによって治療効果を把握することができる。さらに、網状赤血球の成熟度に応じて分類された領域(上記HFR、MFR、LFR)についても、それぞれの領域内の平均前方散乱光強度を求めることで、より詳細に治療効果を把握することができる。 また、網状赤血球領域を蛍光強度によって複数領域に分割(少なくとも2分割好ましくは3分割)し、分割された各領域内の平均前方散乱光強度と平均蛍光強度を算出し、算出された数値から平均前方散乱光強度と平均蛍光強度との関係を表す回帰直線式を算出し、回帰直線式の傾きを算出し、その傾きの変化を検出することによっても治療効果を判定することができる。回帰直線式は、成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度と平均蛍光強度の数値を含めて算出してもよい。具体的には、成熟赤血球、HFR、MFR、LFRの各領域について、前方散乱光強度と蛍光強度の平均を算出する。次いで、前方散乱光強度を縦軸、蛍光強度を横軸とするグラフを作成し、各領域の平均点をプロットする。最小二乗法により各点の近似直線(回帰直線式)を求め、その傾きの変化を経日的に検出し、治療効果を判定する。なお、回帰直線式の傾きは、成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度と平均蛍光強度と、網状赤血球領域全体の平均前方散乱光強度と平均蛍光強度から算出してもよい。 あるいは、網状赤血球領域の平均前方散乱光強度と成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度を2軸とするグラフを作成し、このグラフ上に測定データをプロットし、疾患患者測定ポイントとする。予め、このグラフ上に基準点を定めておき、疾患患者測定ポイント−基準点間の距離を算出する。この距離は、疾患による症状が改善されるほど基準点に近づくので小さくなる。基準点から離れるほど、疾患による症状が顕著であることを示している。従って、この距離の変化を経日的に検出することで、治療効果を判定することができる。図5に模式図を示す。 以下、実施例に従って本発明を説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。実施例1(鉄欠乏性貧血に対する治療効果のモニタリング) 鉄欠乏性貧血患者の末梢血を全自動血液分析装置XE-2100(シスメックス株式会社)で測定する。XE-2100では、網状赤血球測定用試薬としてレットサーチ(II)(シスメックス株式会社)が用いられる。血液4.5μlが、レットサーチ(II)希釈液0.8955mlにより希釈された後、レットサーチ(II)染色液18μlが添加され31秒間反応が行われる。調製された試料のうち2.8μlがフローセルに導かれ測定が行われ、解析結果として表示される網状赤血球用スキャッタグラムを得る。同時に、測定結果として表示される電気抵抗方式で測定された赤血球ヒストグラムとヘモグロビン量も得る。治療開始(薬剤投与)1日目、3日目、7日目、14日目の末梢血測定データを得る。また、これらの測定データをパーソナルコンピュータに取り込み、以下に説明する解析処理を行う。図2に網状赤血球測定スキャッタグラム、RBCヒストグラム、ヘモグロビン量を合わせて示す。 スキャッタグラム上で、蛍光強度の低い領域から、成熟赤血球、LFR、MFR、HFRの各エリアを設定する。具体例を図3に示す。それぞれのエリアの平均前方散乱光強度[ch.]および、平均蛍光強度[ch.]を求める。得られたデータを前方散乱光強度が縦軸、蛍光強度が横軸のグラフ上にプロットし、最小二乗法により各点の近似直線式を算出し、その傾きを求める。 以上のように、鉄欠乏性貧血の場合、治療開始3日目、7日目で、LFR、MFR、HFRの順に、前方散乱光強度が大きくなっており、かつ、散乱光強度と蛍光強度をプロットしたグラフの傾きが3日目に大きくなっていることがわかる。また、このような変化は、赤血球ヒストグラムよりも早く現れた。このことから、新しく産生された網状赤血球が小球性から正球性へと変化し、正常機能を持ったものであることが早期にかつ正確に判断できることが示された。実施例2(悪性貧血に対する治療効果のモニタリング) 悪性貧血患者の末梢血を全自動血液分析装置XE-2100(シスメックス株式会社)で測定する。解析結果として表示される網状赤血球用スキャッタグラムを得る。同時に、測定結果として表示される電気抵抗方式で測定された赤血球ヒストグラムとヘモグロビン量も得る。治療開始(薬剤投与)1日目、5日目、20日目、50日目の末梢血測定データを得る。また、これらの測定データをパーソナルコンピュータに取り込み、以下に説明する解析処理を行う。図4に網状赤血球測定スキャッタグラム、RBCヒストグラム、ヘモグロビン量を合わせて示す。 スキャッタグラム上で、蛍光の低い領域から、成熟赤血球、LFR、MFR、HFRの各エリアを設定する。それぞれのエリアの平均前方散乱光強度[ch.]および、平均蛍光強度[ch.]を求める。前方散乱光強度が縦軸、蛍光強度が横軸のグラフを作成し、最小二乗法により各点の近似直線式を算出し、その傾きを求める。 以上のように悪性貧血の場合、治療開始5日目で、散乱光強度と蛍光強度をプロットしたグラフの傾きがマイナスになっていることがわかる。また、このような変化は、赤血球ヒストグラムよりも早く現れた。このことから、新しく産生された網状赤血球が大球性から正球性へと変化し、正常機能を持っていることが早期にかつ正確に判断できることが示された。実施例3 (鉄欠乏性貧血に対する治療効果のモニタリング2)鉄欠乏性貧血患者の末梢血を全自動血液分析装置XE-2100(シスメックス株式会社)で測定する。解析結果として表示される網状赤血球測定用スキャッタグラムを得る。スキャッタグラムは横軸が蛍光強度、縦軸が前方散乱光強度を表す。また、これらの測定データをパーソナルコンピュータに取り込み、以下に説明する解析処理を行う。スキャッタグラム上で成熟赤血球領域を設定し、その領域内の平均前方散乱光強度(以下、RBC-Yと示す)を求める。同様に、スキャッタグラム上で網状赤血球領域を設定し、その領域内の平均前方散乱光強度(以下RET-Yと示す)を求める。次にRBC-Yを横軸に、RET-Yを縦軸にしたグラフを作成する。測定データをこのグラフ上にプロットし、疾患患者測定ポイントとする。予め、健常者(133例)のRBC-YおよびRET-Yデータの平均値を算出し、このグラフ上にプロットし、健常者平均ポイント(基準点)とする。 次に、基準点から疾患患者測定ポイントまでの距離を求める。図5に距離を求めるための模式図を示す。図5において、基準点の座標を(RET-Ys,RBC-Ys)とし、疾患患者測定ポイントの座標を(RET-Yn,RBC-Yn)としたとき、二点間の距離Dは、以下の式により算出することができる。この距離は、鉄欠乏患者の症状が改善されるほど基準点に近づくので小さくなる。基準点から離れるほど、RBC-Y、RET-Yが小さくなるということであり、鉄欠乏の症状が顕著であることを示している。従って、この距離をモニタリングすることで、鉄欠乏患者の貧血状態を把握することができる。図6に具体例を示す。モニタリング開始から症状が進行し、215日目付近の鉄剤投与によって、症状が改善されているのが把握できる。図7にも同様の具体例を示す。治療開始178日目に鉄剤を投与し、症状の改善が認められるが、207日目以降、再度、悪化している状態が分かる。本発明で使用できるフローサイトメータの光学系の一例を示した斜視図である。本発明の実施例1における測定結果を示した図である。網状赤血球測定スキャッタグラムにおいて、成熟赤血球、LFR領域、MFR領域、HFR領域を設定した一例である。本発明の実施例2における測定結果を示した図である。本発明の実施例3におけるモニタリングの模式図である。本発明の実施例3におけるモニタリングの結果を示した図である。本発明の実施例3におけるモニタリングの結果の別の例を示した図である。(1)網状赤血球測定用試薬と全血試料を混合して測定用試料を調製し、(2)前記測定用試料をフローサイトメータのフローセルに導入し、(3)フローセル内を流れる測定用試料中の細胞に励起光を照射し、(4)前記細胞より発せられる散乱光と蛍光を検出し、(5)上記工程で検出した散乱光と蛍光について、前方散乱光強度と蛍光強度を2軸とする2次元分布図を作成し、(6)前記2次元分布図上で成熟赤血球領域及び網状赤血球領域を特定し、(7)成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度および網状赤血球領域の平均前方散乱光強度を算出し、(8)成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度および網状赤血球領域の平均前方散乱光強度を2軸とするグラフ上に前記(7)で得られたデータをプロットし、(9)前記プロットした点と、前記グラフ上にあらかじめ設定された基準点からの距離を算出する、ことを特徴とする網状赤血球測定方法。網状赤血球測定用試薬と全血試料を混合して調製された測定用試料を導入するためのフローセルと、 フローセル内を流れる測定用試料中の細胞に励起光を照射するための光源と、 励起光を照射された前記細胞より発せられる散乱光強度を検出する第1の検出器と、 励起光を照射された前記細胞より発せられる蛍光強度を検出する第2の検出器と、 散乱光強度と蛍光強度を2軸とする2次元分布図を作成し、前記2次元分布図上で成熟赤血球領域及び網状赤血球領域を特定し、成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度および網状赤血球領域の平均前方散乱光強度を算出し、前記で算出されたデータを、成熟赤血球領域の平均前方散乱光強度および網状赤血球領域の平均前方散乱光強度を2軸とするグラフ上にプロットし、前記プロットした点と、前記グラフ上にあらかじめ設定された基準点からの距離を算出する解析部と、 からなることを特徴とする網状赤血球測定装置。