生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_皮膚外用剤
出願番号:2003286619
年次:2005
IPC分類:7,A61K47/26,A61K7/00,A61K7/48,A61K9/08,A61K47/02,A61K47/04,A61K47/12,A61K47/36,A61K47/40,A61K47/46,A61P17/16


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和田 洋巳 大仲 憲治 池山 和幸 JP 2005053841 公開特許公報(A) 20050303 2003286619 20030805 皮膚外用剤 株式会社キョウトバイオメディカルサイエンス 501091947 矢野 正行 100098969 和田 洋巳 大仲 憲治 池山 和幸 7A61K47/26A61K7/00A61K7/48A61K9/08A61K47/02A61K47/04A61K47/12A61K47/36A61K47/40A61K47/46A61P17/16 JPA61K47/26A61K7/00 FA61K7/00 JA61K7/00 KA61K7/48A61K9/08A61K47/02A61K47/04A61K47/12A61K47/36A61K47/40A61K47/46A61P17/16 6 OL 6 4C076 4C083 4C076AA12 4C076BB31 4C076CC18 4C076DD23 4C076DD24 4C076DD25 4C076DD26 4C076DD42 4C076DD43 4C076DD67 4C076EE38 4C076EE39 4C076EE58 4C076FF57 4C083AA111 4C083AB281 4C083AB291 4C083AB311 4C083AB321 4C083AB331 4C083AB341 4C083AB351 4C083AB361 4C083AC291 4C083AC301 4C083AD211 4C083AD241 4C083BB60 4C083CC02 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE01 4C083EE12 この発明は、皮膚外用剤に属し、特に皮膚の乾燥を防止する皮膚外用剤に関する。 皮膚は生体面の表面にあって直接外界に接しているため、絶えずいろいろな刺激を受けている。このような刺激によって、角質層の水分保持機能、また生体内部の水分が失われないようにする水分バリアー機能が低下すると、乾燥肌に陥る。従来より、皮膚の乾燥を防ぎ、細胞を保護するために、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム、ブチレングリコール等の保湿成分を含有する皮膚外用剤が種々検討されてきた。特開2000−34216 しかし、従来の皮膚外用剤は保湿効果は得られるものの、その保湿感を持続させるという機能が十分でなかった。 それ故、この発明の課題は、皮膚に保湿性を与えるとともに、その保湿感を持続させうる皮膚外用剤を提供することである。 上記課題を解決するために、この発明の皮膚外用剤は、トレハロース及びデンプン類を含むことを特徴とする。 この発明の皮膚外用剤によれば、トレハロースが皮膚に保湿性を与え、デンプン類がその保湿感を持続させるバリアー機能を有する。その結果、皮膚外用剤がトレハロース及びデンプン類を有効量含む水溶液からなる場合、使用時にべたつかず、保湿性に優れ、その保湿感を持続させることができる。 トレハロースとデンプン類を含有させることで、皮膚に保湿性を示すとともに、保湿感を持続させる皮膚外用剤を得ることができる。 本発明皮膚外用剤の実施形態としては、化粧水、ローション、エッセンス、ジェル、乳液、クリーム、パック・マスクなど様々な化粧品が考えられる。さらには噴霧器に封入してスプレーとして使用することも可能である。また剤形は液剤、錠剤、ゲル剤、粉剤を問わない。 デンプン類とは、α−グルコースの重合体である下記の化学式で表されるデンプン、デンプンの分子内の水素原子の1個又は2個以上がそれぞれ独立に他の基で置換されたデンプン誘導体、ならびにデキストリンやシクロデキストリン等のデンプンの部分加水分解物を総称するものである。この発明で用いるデンプン類は、このように定義される化合物であって、当該皮膚外用剤における他の成分と配合して皮膚に適用したときに、この発明の課題を解決する効果を発揮するものである限り、その化学構造、性状、純度、調整方法は特定のものに限定されない。 上記デンプン誘導体としては、上記の化学式で表されるデンプンにおける水素原子の1個又は2個以上がそれぞれ独立に、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ビニル基、アリル基などの脂肪族炭化水素基で置換されたものが挙げられる。またデンプンの加水分解物としては、デキストリン、好ましくはα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンが挙げられる。 この発明の皮膚外用剤は、通常水溶液の形態にあって、その全量に対するトレハロース及びデンプン類の含有量がトレハロース0.1〜10重量%、デンプン類0.01〜10重量%であり、望ましくはトレハロース0.5〜4%、デンプン類0.1〜4%である。トレハロースが10重量%を超えるとべたつきやすく、デンプン類が10重量%を超えると水溶液となりにくいからである。 この発明の皮膚外用剤には電解質を含有させることもできる。電解質としては、塩酸、リン酸、炭酸、硫酸などの無機酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、及びクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、乳酸ナトリウムである。 この発明の皮膚外用剤には、さらに必要に応じて、植物抽出エキス、水溶性高分子、酸化防止剤、紫外線吸収剤など一般に化粧品に配合される成分を含有させることができ、一層付加価値を高めた皮膚外用剤を製造することができる。 この発明でいう植物抽出エキスとしては、ラズベリーエキス、明日葉エキス、ローズマリーエキス、うこんエキス、イチョウ葉エキス、ジュウヤクエキス、シソエキス、アロエエキス、緑茶エキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、桑白皮エキス、ハトムギエキス、柚子エキス、ユキノシタエキス、カンゾウ(甘草)エキス、アルゲエキス、カッコンエキス、セイヨウハッカエキス、ベニバナエキス、ヘチマエキスなどが挙げられる。 この発明でいう水溶性高分子としては、ペクチン、アガロース、ジェランガム、キサンタンガム、キトサン、コラーゲン、マリンコラーゲン、フィブロイン、セリシン、アラビアガム、カラギーナン、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマンダン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどが挙げられる。 この発明でいう酸化防止剤としては、アスコルビン酸、トコフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェノールなどが挙げられる。助剤としては、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、EDTAなどが挙げられる。 この発明でいう紫外線吸収剤としては、オキシベンゾンなどのベンゾフェノン誘導体、パラメトキシケイ皮酸2エチルヘキシルなどのメトキシケイ皮酸誘導体、サリチル酸2エチルヘキシルなどのサリチル酸誘導体などが挙げられる。 以下、この発明を実施例に基づいて具体的に説明する。 重量基準で以下の成分を含有し、残部が精製水である比較例1〜2、実施例1〜3及び対照の皮膚外用剤を調合した。 比較例1:トレハロース2%、グルコン酸ナトリウム1%、リン酸水素二カリウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.05% 比較例2:デキストリン1.5%、グルコン酸ナトリウム1%、リン酸水素二カリウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.05% 実施例1:トレハロース2%、デキストリン1.5%、グルコン酸ナトリウム1%、リン酸水素二カリウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.05% 実施例2:トレハロース10%、デキストリン3%、グルコン酸ナトリウム2%、リン酸水素二カリウム0.3%、リン酸二水素カリウム0.09% 実施例3:トレハロース2%、デキストリン1.5%、グルコン酸ナトリウム1%、リン酸水素二カリウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.05%、柚子エキス2%、エタノール4%、グリセリン2% 対照:グルコン酸ナトリウム2%、リン酸水素二カリウム0.3%、リン酸二水素カリウム0.09% 化粧品使用経験のあり、皮膚疾患のない健康な女性10名(22〜58歳)を被験者とし、対照、比較例1〜2及び実施例1〜3の皮膚外用剤について使用試験を行った。被験者に上記の組成に関して情報を一切与えずに、左腕に対照、右腕に比較例1〜2及び実施例1〜3の皮膚外用剤のいずれか一つを無作為に選択して塗布してもらい、3日後に左腕に再び対照、右腕に残りの未使用の比較例及び実施例のいずれか一つを塗布してもらうという操作を繰り返し、13日間に亘って行った。塗布後、使用感、保湿感、皮膜感、保湿持続感の4つ項目について、対照と比較して、「-2:対照よりかなり劣る」、「-1:対照より劣る」、「0:対照と同等」、「+1:対照より優れている」、「+2:対照よりかなり優れている」の5段階で被験者に評価させた。評価結果を表1に示す。なお表中の数字は各評価を下した被験者の人数を表わす。 評価項目のうち、保湿感は字義通りであり、使用感はべとつきの無い(ある)場合を優れて(劣って)いるとし、皮膜感は膜の存在が感じられる(感じられない)場合を優れて(劣って)いるとし、保湿維持感は12時間後の保湿感と定義する。 表1に見られるように、保湿感においては、トレハロースを含まない比較例2では対照とほぼ同等であるが、それ以外の例においては、対照よりも優れているという評価が得られた。このことより、トレハロースには保湿作用があることを示している。 皮膜感においては、デキストリンを含まない比較例1では対照と同等であるが、それ以外の例では、対照より優れているという評価が得られた。このことから、デキストリンには皮膜作用があることを示している。 保湿維持感において、トレハロースを含むがデキストリンを含まない比較例1に比べて、トレハロース及びデキストリンの両方を含む実施例1〜3がいずれも保湿維持感が優れていることから、トレハロースによって与えられた保湿感は、デキストリンの皮膜作用によって維持されることを示している。 ところで、使用感においては、実施例2だけが対照より劣っていた。しかし、実施例1及び3のようにトレハロースとデキストリンの濃度を下げることによって改善された。このことから、両成分を適切な濃度で配合することで皮膚外用剤に適した使用感を与えられることがわかる。 トレハロース及びデンプン類を含むことを特徴とする皮膚外用剤。 トレハロースの含有量が0.1〜10重量%、デンプン類の含有量が0.01〜10重量%であり、水溶液からなる請求項1に記載の皮膚外用剤。 デンプン類がアズキデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルデンプン、デキストリン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の皮膚外用剤。 電解質をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用剤。 電解質が塩酸、リン酸、炭酸、硫酸などの無機酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、及びクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項4に記載の皮膚外用剤。 植物エキスをさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚外用剤。 【課題】皮膚に保湿性を与えるとともに、その保湿感を持続させうる化粧水等の皮膚外用剤を提供する【解決手段】トレハロース及びデンプン類を含み、トレハロースの含有量が0.1〜10重量%、デンプン類の含有量が0.01〜10重量%であり、水溶液からなり、デンプン類がアズキデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルデンプン、デキストリン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上であり、電解質をさらに含む。【選択図】なし


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