生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アグマチナーゼおよびその製造方法
出願番号:2003283447
年次:2005
IPC分類:7,C12N15/09,C12N1/15,C12N1/19,C12N1/21,C12N5/10,C12N9/14,C12Q1/34


特許情報キャッシュ

大島 敏久 櫻庭 春彦 郷田 秀一郎 JP 2005046102 公開特許公報(A) 20050224 2003283447 20030731 アグマチナーゼおよびその製造方法 和田林業株式会社 503276067 大島 敏久 503276078 郷田 秀一郎 503276089 松島 理 100119367 大島 敏久 櫻庭 春彦 郷田 秀一郎 7C12N15/09C12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/10C12N9/14C12Q1/34 JPC12N15/00 AC12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N9/14C12N5/00 AC12Q1/34 9 OL 5 4B024 4B050 4B063 4B065 4B024AA05 4B024AA11 4B024BA11 4B024CA02 4B024GA11 4B024HA20 4B050CC01 4B050CC03 4B050DD02 4B050EE10 4B050LL02 4B050LL03 4B063QA20 4B063QQ02 4B063QQ61 4B063QQ87 4B063QR10 4B063QS26 4B063QS28 4B063QX10 4B065AA01Y 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065CA31 4B065CA41 4B065CA46本発明は、アグマチンの検出に有用な酵素であるアグマチナーゼおよびその製造方法に関するものである。アグマチンはアミノ酸が腐敗微生物によって分解されるときに生じるアミン類の一種である。非特許文献1や非特許文献2には、このアグマチンを定量することによりイカの鮮度を判定することが提案されている。しかし、アグマチン自体を直接検出することは困難であり、高価な測定設備が必要になる。そこで、アグマチン自体を直接定量する代わりに、アグマチナーゼによってアグマチンを分解し、発生した尿素を定量することにより、アグマチンを間接的に定量することが考えられる。アグマチナーゼのうち、真核生物・原核生物・常温菌由来で活性が確認されているものがある。それらの生物からアグマチナーゼを抽出したり、そのアグマチナーゼをコードする遺伝子を大腸菌に組み込んでアグマチナーゼを製造することも可能である。しかし、このようにして得られるアグマチナーゼは、熱的に不安定で取り扱いにくく、保管するためにも、冷蔵や冷凍保存が必要である。山中英明:ポリアミンによる魚介類の鮮度判定 化学と生物 25 152〜153 (1987)Yamanaka, H.et al.: Agmatine as a potential index for freshness of commonn squid(Todarodes pacificus), J. Food. Sci, 52,936-938(1987))この発明は、熱的に安定で取り扱いやすく、各種試薬としても有用なアグマチナーゼ、その製造方法、およびアグマチナーゼの製造に有用なDNA、組換えベクター、形質転換体を提供することを目的とする。また、熱的に安定なアグマチン検出試薬やイカの鮮度測定試薬を提供することも目的とする。上記の目的を解決するために、本発明のタンパク質は、超好熱アーキアに由来するアグマチナーゼ活性を有するタンパク質で、100℃で30分間の熱処理によっても95%以上の活性を保持するものである。また、本発明のアグマチナーゼは、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有するアグマチナーゼ活性を有するタンパク質である。本発明の遺伝子のDNAは配列番号1の塩基配列で示されるものである。また、本発明の組換えベクターは、配列番号1の塩基配列で示される遺伝子のDNAを含むものである。さらに、本発明の遺伝子の形質転換体は前記遺伝子のDNAを含むものであり、そのは宿主は、例えば大腸菌である。本発明のアグマチナーゼの製造方法は、前記形質転換体を培養し、培養物からアグマチナーゼを採取するものである。本発明のアグマチン検出試薬およびイカの鮮度測定試薬は、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有するアグマチナーゼを含むものである。本発明のアグマチナーゼは熱的に安定であり、取り扱いやすいという効果がある。アグマチン検出試薬およびイカの鮮度測定試薬として利用することができ、高価な設備を使うことなく、容易にアグマチンの定量が行えるという効果を有するこの発明のタンパク質は、超好熱菌に由来するものである。超好熱菌由来のアグマチナーゼは、100℃で30分間の熱処理によっても95%以上の活性を保持するという、極めて優れた熱的安定性を有することを見出した。超好熱菌の例として、Thermus族、Pyrococcus族、Pyrobaculum族、Aeropyrum族、Sulfolobus族、Clostridium族、Bacillus族、Desulfurococcus族、Archaeoglobus族、Methanothermus族、Methanococcus族、Methanopyrus族、Thermococcus族、Thermoplasma族等に属するものがあげらる。ここでは、超好熱アーキアの一種であるPyrococcus horikoshii由来のアグマチナーゼを例に、この発明を実施するための最良の形態について説明する。このPyrococcus horikoshiiは、沖縄海溝内の熱水鉱床付近から単離されたであり、そのアグマチナーゼは、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有するアグマチナーゼ活性を有するタンパク質である。配列表1に示す塩基配列が、この発明のアグマチナーゼをコードする遺伝子のDNAである。例えば、すでにライブラリー化されているc−DNAでこの塩基配列を含むものを選び、PCRによりこの塩基配列を増幅する。これを、発現ベクターに挿入して組換えベクターを作る。この組換えベクターを用いて、宿主となる微生物を形質転換させる。こうして得た形質転換体を培養し、配列表1に示す塩基配列を形質転換体で発現させることにより、配列表2に示すアミノ酸配列のアグマチナーゼを合成することができる。本発明のアグマチナーゼは活性が確認された。さらに、熱安定性に優れることも確認された。たとえば、精製の際に90℃で10分間加熱しても90%以上の活性を維持することがわかった。さらに精製後においては、100℃で30分間の熱処理によっても95%以上の活性を維持することがわかった。以上、本発明のアグマチナーゼは、微生物中で配列表1に示す塩基配列を発現して量産することができるものである。熱的に安定であり一定期間室温でも活性を維持することができる。このアグマチナーゼは、各種試薬として利用することができる。試験対象物がアグマチンを含む場合は、このアグマチナーゼを加えることによりそのアグマチンが分解され、尿素が発生する。この尿素の検出は容易であり、測定キットも各種普及している。このようにして、アグマチンの定量を行うことができる。アグマチン検出試薬は、さまざまな分野で使用できる。アグマチンはアミノ酸が腐敗微生物によって分解されるときに生じるアミン類の一種であるので、アグマチンを定量することにより、魚介類(例えば、イカ)や肉類等の食品の鮮度を測定する手段となる。アグマチン自体を直接検出するのと異なり、高価な測定設備を必要とせず、容易に定量できるので、食料品の品質管理にも適している。また、アグマチンはそれ自体が血圧上昇や向精神作用といった中毒症状の原因となるので、アグマチンの検出はこれらの中毒症状の解析や予防に役立つものである。アグマチンは生体中でのさまざまな代謝作用の結果として発生するので、アグマチンの定量は、生物学研究のための試薬として広く利用することができる。さらに、細胞増殖効果を持つプトレスシンを生産できる酵素としても利用することができる。以上、熱安定性に優れ、十分な活性を有するアグマチナーゼを実現した。このアグマチナーゼのアミノ酸配列を解明し、また、このアグマチナーゼをコードするDNAの塩基配列を特定した。このDNAの塩基配列の特定により、微生物中で発現させてこのアグマチナーゼを得ることが可能になった。また、他の微生物のDNAを解析し、この塩基配列の有無を調べることにより、その微生物が同じアグマチナーゼを有するか否かを調べることもできる。この発明のアグマチンについての実施例を示す。この実施例においては発現ベクターとしてpET15bベクター(Novagen: Cat. No. 69661)を用い、これに配列表1の塩基配列のDNAを挿入して、組換えベクターとした。大腸菌(Escherichia coli )BL21(DE3)codon plus RIL (stratagene: Cat. No. 230245)を宿主として、形質転換体を得た。この形質転換体を培養し、組換えベクターに挿入したDNAを発現することにより、不溶性の凝集体が得られる。この凝集体を採取し、変性剤(塩酸グアニジン)によって可溶化し、変性剤を希釈することによって本発明のアグマチナーゼを得ることができる。このようにして得たアグマチナーゼでアグマチンを分解し尿素が生じることを確かめ、このアグマチナーゼが活性を有することを確認した。尿素の測定は特に限定されないが、本実施例においては、Sigma社製のUREA NITROGEN KIT (535-B)を用いた。この発明は、熱安定性に優れ、十分なアグマチナーゼ活性を有する酵素を実現した。この発明のアグマチナーゼは、アグマチン検出試薬として広く適用でき、たとえば、イカの鮮度測定試薬等、食品の品質管理手段として適用できる。超好熱菌に由来するアグマチナーゼ活性を有するタンパク質で、100℃で30分間の熱処理によっても95%以上の活性を保持するタンパク質。配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有するアグマチナーゼ活性を有するタンパク質。配列番号1の塩基配列で示される遺伝子のDNA。配列番号1の塩基配列で示される遺伝子のDNAを含む組換えベクター。請求項3に記載の組換えベクターを含む形質転換体。宿主が大腸菌である請求項4に記載の形質転換体。請求項5に記載の形質転換体を培養し、培養物からアグマチナーゼを採取するアグマチナーゼの製造方法。配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有するアグマチナーゼを含むアグマチン検出試薬。配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有するアグマチナーゼを含むイカの鮮度測定試薬。 【課題】この発明は、熱的に安定で取り扱いやすく、各種試薬としても有用なアグマチナーゼ、その製造方法、およびアグマチナーゼの製造に有用なDNA、組換えベクター、形質転換体を提供することを目的とする。また、熱的に安定なアグマチン検出試薬やイカの鮮度測定試薬を提供することも目的とする。【解決手段】超好熱菌由来のアグマチナーゼ活性を有するタンパク質は熱的に極めて安定であり、このアグマチナーゼにより試験対象物中のアグマチンを分解して発生した尿素を検知することにより、アグマチンの定量を簡易に行うことができる。【選択図】なし配列表


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