タイトル: | 特許公報(B2)_リボフラビンを生産する微生物及びこれを用いたリボフラビンの生産方法 |
出願番号: | 2003142491 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C12N 1/20,C12P 17/18,C12R 1/125 |
李 光 鎬 朴 英 薫 韓 鍾 権 朴 長 煕 李 庚 翰 崔 香 JP 3926292 特許公報(B2) 20070309 2003142491 20030520 リボフラビンを生産する微生物及びこれを用いたリボフラビンの生産方法 シージェイ コーポレーション 502429213 CJ CORPORATION 清水 初志 100102978 橋本 一憲 100108774 李 光 鎬 朴 英 薫 韓 鍾 権 朴 長 煕 李 庚 翰 崔 香 KR 2002-76867 20021205 20070606 C12N 1/20 20060101AFI20070517BHJP C12P 17/18 20060101ALI20070517BHJP C12R 1/125 20060101ALN20070517BHJP JPC12N1/20 AC12P17/18 BC12N1/20 AC12R1:125C12P17/18 BC12R1:125 C12N 1/00-5/00 C12P 1/00-19/64 C12R 1/125 MEDLINE(STN) BIOSIS/WPI(DIALOG) JMEDPlus(JDream2) JST7580(JDream2) JSTPlus(JDream2) 医学・薬学予稿集全文データベース 特開平09−182584(JP,A) 特開平06−315372(JP,A) 特開昭52−110897(JP,A) 特開平05−064597(JP,A) 特開昭49−066894(JP,A) 特開平10−084978(JP,A) 特開平03−117489(JP,A) 特開平11−243976(JP,A) 2 KCCM 10446 2004180671 20040702 9 20030520 左海 匡子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はリボフラビンを生産する微生物及びこれを用いたリボフラビンの生産方法に係り、より詳細には母菌株に比べてリボフラビン生産能が向上したバチラス・サブチリス(Bacillus subtilis)変異株及び前記微生物を用いてリボフラビンを生産する方法に関する。【0002】【従来の技術】リボフラビン(ビタミンB2)は多種の微生物と全ての植物で生合成される水溶性ビタミンの一種である。しかし、人間を含む脊椎動物では生合成されない特性がある。リボフラビンは、全ての有機細胞体の酸化-還元反応に必要な粗酵素であるフラビンアデニンジヌクレオチド(flavin adenine dinuc1eotide、FAD)とフラビンモノヌクレオチド(flavin mononucleotide、FMN)の前駆物質であって人間を含む動物に必須栄養素である。リボフラビンが欠乏されれば口腔及び咽頭粘膜の炎症、皮膚炎症及びその他の皮膚損傷、結膜炎、視力減退、成長阻害及び体重減少などが誘発されうる。したがって、リボフラビンは前述したようなビタミン欠乏と関連した疾病の予防または治療のためのビタミン製剤及び家畜の成長のための飼料添加物として使われてきた。特に、濃縮状態のリボフラビンはそれ自体が飼料として使われてきた。現在リボフラビンの生産量は全世界的に年間3000トン規模であり、そのうち約75%が飼料添加剤として使われ、残りが食品及び医薬用として使われている。【0003】現在、リボフラビンの生産方法としては、化学的合成法と微生物を用いた発酵法とが併用されている。通常、化学的合成法は、D-リボースのような前駆物質を用いて多段階の工程を経て高純度のリボフラビンを生産する方法である。前記化学的合成法は、その出発物質が高価であるために、コスト高となる短所があって微生物を用いた発酵法が開発された。微生物を用いた発酵法は、自然からリボフラビンを生産する微生物を分離するか、またはリボフラビンが過生産さるべく遺伝工学的方法または化学的・物理的方法で微生物の変異を誘導し、適切な条件で培養した後、前記培養物からリボフラビンを分離する方法である。【0004】前記リボフラビンを生産する微生物としては、サッカロマイセス(Saccharomyces)属とカンジダ(Candida)属に属する酵母、クロストリジウム(Clostridium)属、バチラス(Bacillus)属及びコリネバクテリウム(Corynebacterium)属に属する細菌、並びにエレモテシウム(Eremothecium)属及びアシュビア(Ashbya)属に属する真菌などが知られている。【0005】特許文献1には、酵母であるカンジダ・ファマタ(Candida famata)を用いたリボフラビンの製造方法が開示されており、また非特許文献1には、リボフラビン生合成関連酵素遺伝子が過発現さるべく操作されたバチラス・サブチリスとコリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Coryebacterium ammoniagenes)を用いて各々4.5g/lと17.4g/lのリボフラビンを生産した例を報告したことがある。また、特許文献2には、組換えバチラス・サブチリスを用いたリボフラビンの生産方法が開示されたことがあり、特許文献3には、組換え技術を用いてバチラス・サブチリスにリブオペロンを有するベクターを導入することによって、リボフラビンの生産性を増加させた組換え菌株が開示されている。また、非特許文献2には、リボフラビンを生産する子嚢菌類であるエレモテシウム・アシュビー(Eremothecium ashbyii)及びアシュビア・ゴシピー(Ashbya gossypii)を報告し、非特許文献3には、糖蜜や植物油を主要炭素源とする栄養培地で子嚢菌類の変異株を培養して発酵液1リットル当り15gのリボフラビンを生産したことがある。その他、特許文献4には、前記アシュビア・ゴシピーを用いたリボフラビン生産と関連して開示されたことがある。【0006】しかし、依然として産業的にリボフラビンを量産するにはリボフラビンの生産能が向上した微生物を開発する必要性がある。【0007】一方、非特許文献4には、コリネバクテリウム・グルタミカム及びサッカロマイセス・セリビジェーの場合、スレオニン生合成の重要酵素であるアスパルトキナーゼの調節機作解除とリボフラビンの生合成とが相互密接に関連している可能性を報告したことがある。【0008】しかし、今までリボフラビン生合成とスレオニン生合成との経路上の連関性については具体的に知られたことがなく、菌株のリボフラビンの生産能を向上させるためにスレオニン耐性を与えた例もない。【0009】【特許文献1】米国特許第5,231,007号明細書【特許文献2】欧州特許第0821063号明細書【特許文献3】米国特許第5,837,528号明細書【特許文献4】国際公開第95/26406号パンフレット【非特許文献1】Perkins et al.,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.,22:8-18,1999【非特許文献2】Windholz et al.,The Merck Index, Merck & Co.,p1183,1983【非特許文献3】Bigelis,Biotechnology,vol.7b, p243,1989【非特許文献4】Stahmann et al.,Applied and Environmental Microbiology,4283-4290,1998【0010】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リボフラビンを生産し、スレオニン類似体に対して耐性を有することを特徴とするバチラス・サブチリスを提供することである。【0011】本発明の他の目的は、前記微生物を用いたリボフラビンの生産方法を提供することである。【0012】【課題を解決するための手段】本発明の一側面において本発明は、リボフラビンを生産し、スレオニン類似体に対して耐性を有することを特徴とするバチラス・サブチリスを提供し、具体的には、本発明は、前記バチラス・サブチリスはバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)であることを特徴とする微生物を提供する。【0013】本発明の他の側面において本発明は、前記微生物を培養し、その培養物からリボフラビンを生産する方法を提供する。【0014】本発明者らは、リボフラビンの生産能が向上した微生物の研究中にバチラス・サブチリスに変異を誘導してスレオニン類似体に対して耐性を与えた結果、リボフラビン生産能が向上することを確認し、スレオニン類似体に対して耐性が与えられた変異株のうちリボフラビンを高濃度及び高収率で生産する菌株を選別した後、これを用いてリボフラビンを高濃度で生産することによって本発明の完成に至った。【0015】また、本発明に係るバチラス・サブチリス(Bacillus subtilis)においては、(1)リボフラビンを生産し、スレオニン類似体に対して耐性を有する、バチラス・サブチリスであることを特徴とする。【0016】また、本発明に係るバチラス・サブチリスにおいては、(2)CJKB0002(KCCM-10446)である前記(1)に記載のバチラス・サブチリスであることを特徴とする。【0017】また、本発明に係る方法においては、(3)前記(1)または(2)に記載のバチラス・サブチリスを培養する工程、およびその培養物よりリボフラビンを回収する工程を含む、リボフラビンを生産する方法であることを特徴とする。【0018】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。【0019】本発明に係るバチラス・サブチリスは、バチラス・サブチリスAS5(BIONOM-S,LTD.,ロシア)変異株であって、スレオニン類似体に対して耐性を有し、リボフラビンを高濃度及び高収率で生産する特性を有する新規な菌株である。【0020】本発明において母菌株として使用したバチラス・サブチリスは、ロシアのバイオノム-エス社(BIONOM-S,LTD.モスクワ、ロシア)から購入したバチラス・サブチリスAS5を使用した。【0021】母菌株に変異を誘導する方法としては、当業界で公知された物理的または化学的方法を使用できる。例えば、物理的方法としては、X線または紫外線を使用でき、化学的方法としてはN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(N-methy1-N'-nitro-N-nitrosoguanidine,NTG)、ジエチルサルフェートまたはエチルアミンなどの化学変異剤を使用できる。【0022】本発明者らは、前記と同じ方法で変異が誘導された菌株をスレオニン類似体であるβ-ヒドロキシノルバリンが濃度別に含有された培地で培養して高濃度のβ-ヒドロキシノルバリンの存在下で生育が可能な変異株を選別し、このうちリボフラビン生成能に最も優れた変異株1株を選別した。これをバチラス・サブチリスCJKB0002と命名し、韓国微生物保存センター(Korean Federation of Culture Collections)に2002年11月18日寄託番号KCCM-10446として寄託した。【0023】本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)は、β-ヒドロキシノルバリンが250mg/lまで含まれた培地でも生育が可能な特性がある。これに対し、母菌株として使用したバチラス・サブチリスAS5はβ-ヒドロキシノルバリンが50mg/l以下に含まれた培地で生育可能であり、それ以上の濃度では生育不可能な特性がある。【0024】また、本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)はフラスコでの培養時、母菌株であるバチラス・サブチリスAS5菌株に比べて約13%高い濃度でリボフラビンを生産する特性を有しており、5リットル発酵槽での培養時に母菌株に比べて約18.4%高い濃度でリボフラビンを生産する特性を有している。【0025】したがって、本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)は母菌株に比べてスレオニン類似体に対する耐性が5倍程度向上し、リボフラビンの生産能も著しく向上した菌株である。【0026】リボフラビンの生産のために本発明のバチラス・サブチリスを適した条件下で培養する。【0027】すなわち、本発明のバチラス・サブチリスを適当な炭素源、窒素源、及び無機化合物などが含まれた通常の培地内に接種し、好気条件下で所定の温度及びpHで培養する。前記炭素源としては、葡萄糖、糖蜜、ラクトース、サッカロース、マルトース、デキストリン、澱粉、マンニトール、ソルビトールまたはグリセロールを使用できる。望ましくは、葡萄糖または糖蜜を使用する。前記窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムのような各種の無機窒素源やペプトン、NZ-アミン、肉類抽出物、酵母抽出物、コーンスティープリカー(corn steep liquor)、カゼイン加水分解物、魚類またはその分解生成物、脱脂大豆ケーキまたはその分解生成物のような有機窒素源を使用しうる。望ましくは、酵母抽出物及びコーンスティープリカーを使用する。前記無機化合物としては、燐酸1水素カリウム、燐酸2水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸マンガンまたは炭酸カルシウムなどを使用でき、その他に必要に応じてビタミン及び栄養要求性塩基などをさらに添加しうる。培養は好気的条件下で、例えば振とう培養または通気攪拌培養により30〜45℃の温度、望ましくは37〜40℃の温度で行う。培地のpHは培養する間に中性近くで保持することが望ましく、培養は5〜6日間行う。【0028】本発明に係る一実施例では本発明のバチラス・サブチリス変異株CJKB0002(KCCM−10446)を種培地 に接種して空気を1vvmに供給しつつ37℃、8000rpmで20時間培養した後、発酵培地に前記種培養液を接種して空気を1vvmに供給し、40℃、800rpm、pH7.0で60〜70時間振とう培養しつつ、培養液内の残存糖濃度が0.5〜1%になるように葡萄糖が添加された追加培地を供給して培養液内の総糖含量が20%になるように添加して培養することによって、母菌株に比べて濃度が約18.4%向上したリボフラビンを収得した。【0029】以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。【0030】但し、下記実施例は本発明の例示に過ぎず、本発明の内容が下記実施例に限定されることはない。【0031】【実施例】実施例1.本発明に係るバチラス・サブチリスCJKBOOO2の選別本発明のバチラス・サブチリスCJKBOOO2は、母菌株であるバチラス・サブチリスAS5に変異を誘導した後、β-ヒドロキシノルバリンが含まれている培地で培養して生育可能なコロニーを収得した後、リボフラビン生成能に最も優れた変異株のうちから選別した。【0032】母菌株として使用したバチラス・サブチリスAS5は、ロシアのバイオノム-エス社(BIONOM-S,LTD.,ロシア モスクワ オボレンスク)から購入した。前記バチラス・サブチリスAS5を燐酸緩衝液(phosphate buffer,pH7.0)またはクエン酸緩衝(citrate buffer,pH5.5)に107〜108細胞/mlの濃度で懸濁した。前記懸濁液に変異誘発剤であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを最終濃度が10〜50μg/mlになるように添加した。これを室温または30℃で30〜60分間処理して突然変異を誘発させた。これを0.85%食塩水で3回洗浄した後、適切に希釈した後、1.8%の寒天が含まれている最小培地にβ-ヒドロキシノルバリンを濃度別に添加した培地に塗抹した後、37℃で24時間培養してコロニーを収得した。この際、β-ヒドロキシノルバリンの濃度は0mg/l〜350mg/lにした。多様な濃度のβ-ヒドロキシノルバリンを含有した最小培地で生長したコロニーを各々栄養培地に接種して37℃で24時間培養した後、これを発酵培地に接種して37℃で4〜5日間培養して発酵培養液に蓄積されるリボフラビンの生成量が最も優秀な菌株を選別した。実験に使われたそれぞれの培地組成は表1に示したようである。【0033】【表1】本発明に係るバチラス・サブチリス変異株CJKBOOO2の選別のための培地組成【0034】リボフラビンの生成量は、HPLCを用いて分析した。HPLC分析はクロマシルC18(5μm)が充填されたカラム(内径4.6mm、長さ250mm)が装着されたウォータース510(Waters 510)を使用して行った。この際、移動相としては5mMソジウムヘキサンスルホネートと20mMのH3PO4とが混合された溶媒とアセトニトリルとを89:1の体積比で混合して使用した。移動相の流速は1ml/分であり、検出器としてはUV検出器(TSP UV2000、UV260nm)を使用した。試料注入量は15μlであり、試料を希釈するために溶媒としては蒸溜水を使用した。【0035】実験の結果、β-ヒドロキシノルバリン250mg/lを含有した培地で生育する変異株らのリボフラビン生成能が優秀であった。このうちリボフラビン生成能が最も優秀な変異株1株を選別し、これをバチラス・サブチリス変異株CJKBOOO2と命名した。このように選別されたバチラス・サブチリスCJKBOOO2は韓国微生物保存センターに2002年11月18日寄託番号KCCM-10446として寄託した。【0036】実施例2.本発明に係るバチラス・サブチリスCJKBOOO2と母菌株として使用したバチラス・サブチリスAS5とのβ-ヒドロキシノルバリンに対する耐性比較本実施例では、前記実施例1で選別したバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)と母菌株として使用したバチラス・サブチリスAS5とをβ-ヒドロキシノルバリンが濃度別に添加された培地で培養してβ-ヒドロキシノルバリンに対する耐性を比較した。すなわち、それぞれの菌株を前記実施例1の表1に示したようなβ-ヒドロキシノルバリン添加培地に接種して30℃で5日間培養した。この際、β-ヒドロキシノルバリン濃度は0−350mg/lで添加した。【0037】実験の結果、表2に示したように母菌株として使用したバチラス・サブチリスAS5菌株はβ-ヒドロキシノルバリンが50mg/l添加された培地では生育できたが、それ以上の濃度では生育できなかった。これに対し、本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB00O2はβ-ヒドロキシノルバリン250mg/lが含まれた培地でも生育できた。【0038】【表2】バチラス・サブチリスCJKB0002とバチラス・サブチリスAS5とのβ-ヒドロキシノルバリンに対する耐性比較+:生育可能、-:生育不可能【0039】実施例3.本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002のフラスコ発酵力価本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)のフラスコ発酵力価を母菌株であるバチラス・サブチリスAS5の発酵力価と比較して調べた。前記本発明に係る変異株と母菌株とを各々種培地に接種して種培養した後、種培養液をフラスコ発酵培地に接種して発酵した。種培地は直径18mmの試験管に5mlずつ分注した後、これを121℃で15分間加圧殺菌して製造した。ここに本発明に係る変異株と母菌株とを各々接種して200rpm、37℃で20時間振とう培養した。培養が完了すれば種培養液1mlをフラスコ発酵培地に接種して200rpm、37℃で90時間振とう培養した。前記フラスコ発酵培地は本培地と別殺培地とを前記種培地と同じ方法で加圧殺菌した後、あらかじめ加圧殺菌した250ml容量のフラスコに各々15mlと5mlずつ分注して製造した。培養が完了すれば培養液内に蓄積されたリボフラビンの量を前記実施例1と同じ方法で分析した。実験に使用した種培地と発酵培地との組成は表3に示したようである。【0040】【表3】フラスコ発酵のための培地組成【0041】実験の結果、母菌株であるバチラス・サブチリスAS5のリボフラビン生成量は7.0g/lであり、本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)のリボフラビン生成量は母菌株に比べて約13%が向上した7.9g/lであった。【0042】実施例4.本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002の5リットル発酵槽での発酵力価本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)の5リットル発酵槽での発酵力価を母菌株であるバチラス・サブチリスAS5の発酵力価と比較して調べた。前記本発明に係る変異株と母菌株とを各々種培地に接種して種培養した後、種培養液を発酵培地に接種して流加式発酵(fed-batch fermentation)を行った。このために、まず、種培地を2.5リットル容量の実験用発酵槽に1リットルずつ分注した後、121℃で10分間加圧殺菌して製造した。これを冷却した後、本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0OO2と母菌株とを各々食塩水に懸濁して10mlずつ接種した後、除菌された空気を1vvmに供給して37℃で800rpmで攪拌しつつ20時間培養した。培養中にpHは調節しなかった。種培養が完了すれば、前記種培養液を発酵培地に接種して流加式発酵を行った。前記発酵培地は5リットル容量の実験用発酵槽に1.4lずつ分注した後、121℃で20分間加圧殺菌して製造した。これを冷却した後、前記種培養液200mlずつを接種して除菌された空気を1vvmに供給しつつ800rpm、40℃で培養した。この際、培養中に残存糖濃度が0.5〜1%になるように調節しつつ追加培地を供給して発酵培地に添加された総糖濃度を20%にした。培養中、pHはアンモニア水を用いて7.0に調節しつつ60〜70時間培養した。【0043】この際、生産コストの節減のために種培地と発酵培地とにおいて炭素源として葡萄糖を糖蜜に代えて使用し、窒素源としては酵母抽出物とトリプトンとをコーンスティープリカーに代えて使用し、乾燥酵母の一部をコーンスティープリカーに代えて使用した。流加式発酵のための追加培地は炭素源として葡萄糖を使用し、窒素源として乾燥酵母とコーンスティープリカーとを共に使用した。本発明において使用した培地の組成は表4に示したようである。培地内に蓄積されたリボフラビンの量は前記実施例1と同じ方法で分析した。【0044】【表4】5リットル発酵槽培養のための培地組成【0045】実験の結果、リボフラビンの培養液内の蓄積量は母菌株であるバチラス・サブチリスAS5が22.4g/lであり、本発明に係るバチラス・サブチリスCJKB0002(KCCM-10446)のリボフラビン濃度は母菌株に比べて約18.4%が向上した26.5g/lであった。【0046】【発明の効果】本発明に係るバチラス・サブチリスは、スレオニン類似体に対して高い耐性を有し、リボフラビンを高濃度及び高収率で生産できる。よって、前記微生物を培養し、その培養物からリボフラビンを大量で収得できる。 リボフラビンを生産する、バチラス・サブチリス(Bacillus subtilis)CJKB0002(KCCM-10446)。 請求項1に記載のバチラス・サブチリスを培養する工程、およびその培養物よりリボフラビンを回収する工程を含む、リボフラビンを生産する方法。