タイトル: | 公開特許公報(A)_チオウレタン系光学材料 |
出願番号: | 2003112037 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,C08G18/38,C07C321/14,C07D339/00,C07D339/08,G02B1/04 |
田中 守 隈 茂教 船谷 宗人 小林 誠一 JP 2004002820 公開特許公報(A) 20040108 2003112037 20030416 チオウレタン系光学材料 三井化学株式会社 000005887 田中 守 隈 茂教 船谷 宗人 小林 誠一 JP 2002117531 20020419 7 C08G18/38 C07C321/14 C07D339/00 C07D339/08 G02B1/04 JP C08G18/38 Z C07C321/14 C07D339/00 C07D339/08 G02B1/04 15 OL 25 4C023 4H006 4J034 4C023PA03 4H006AA01 4H006AB46 4H006TA04 4H006TB74 4J034CA31 4J034CA32 4J034CB02 4J034CD08 4J034HA01 4J034HA07 4J034HC12 4J034HC64 4J034HC67 4J034HC71 4J034QA03 4J034QC10 4J034RA13 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録板、フィルター、発光ダイオード等の光学材料に使用される樹脂及びその樹脂の原料となる重合性組成物および重合性組成物を構成するメルカプト化合物に関するものであり、特に高屈折率を有する眼鏡レンズに好適に使用される。【0002】【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能なため近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきている。プラスチックレンズ用樹脂には、さらなる高性能化が要求されてきており、高屈折率化、高アッベ数化、低比重化、高耐熱性化等が求められてきた。これまでにも様々なレンズ用樹脂素材が開発され使用されている。その中でも代表的な例として、ポリチオウレタン樹脂(特開昭60−199016、特開昭62−267316、特開昭63−46213)によるプラスチックレンズがある。また、ポリチオウレタンに使用されるチオールの硫黄含有率を上げる事によりさらに屈折率の高いポリチオウレタン樹脂が開発されている(特開平2−270859、特開平7−252207)。【0003】【発明が解決しようとする課題】これらの方法によれば、比較的高いアッベ数を有しながら、高い屈折率を実現する事ができるが、更に高い屈折率をもつポリウレタン樹脂を得るためには、新規の高硫黄含有率チオール類、もしくは高硫黄含有率ポリイソシアネートを開発する必要がある。しかしながら、これら新規化合物の開発は容易ではない。またプラスチックレンズ用樹脂などの光学素子として用いる場合は、透明性、色相、耐熱性、耐衝撃性などの屈折率以外の物性についても高い性能が要求されるため、これらの諸要求を満たすより屈折率の高いウレタン樹脂を開発することは、非常に困難である。【0004】従来、チオウレタン樹脂をポリチオールとポリイソ(チオ)シアネートの重合によって製造する場合、メルカプト基とイソ(チオ)シアナト基のモル比が1となるように重合性組成物を調製することが一般的であり、モル比と樹脂の物性について詳細に検討した例はほとんどなかった。これは、従来のポリチオール化合物を用いてモル比を1より大きくする、つまりイソ(チオ)シアナト基に対してメルカプト基を過剰にすると、重合して得られる樹脂の耐熱性が著しく低下し、プラスチックレンズ等の光学素子として実用できない場合があるためである。しかし、一般に硫黄含有率の高い化合物は屈折率が高い傾向にあるため、ポリイソ(チオ)シアネートに比べポリチオール化合物の方が高屈折率である場合が多い。そのため、ポリイソ(チオ)シアネートにくらべ高屈折率のポリチオールを過剰に用いてチオウレタン樹脂を製造することができれば、樹脂の高屈折率化が可能となる。【0005】したがって本発明の目的は、より容易に高屈折率樹脂を得る方法を提供することである。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、分子内にジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有することを特徴とするポリチオール化合物を使用することで上記課題を克服できることを見出した。即ち、分子内にジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有するポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアネート化合物を含む重合性組成物において、メルカプト基とイソ(チオ)シアナト基のモル比が1.0より大きい、つまりイソ(チオ)シアナト基に対しメルカプト基が過剰となるような重合性組成物を硬化させることで、耐熱性の低下を最小限に抑え、かつより高屈折率の樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。【0007】即ち、本発明は以下の構成からなる。【0008】〔1〕 ジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有し、かつメルカプト基を2個以上有するポリチオール化合物と、イソ(チオ)シアナト基を2個以上持つ化合物を含む組成物であって、メルカプト基とイソ(チオ)シアナト基のモル比が1.0より大きく3.0以下である高屈折率樹脂用重合性組成物。【0009】〔2〕 ポリチオール化合物がメルカプトメチルチオ基を有する〔1〕記載の重合性組成物。〔3〕 一般式(1)【0010】【化4】【0011】(ここで、R1はn価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R2は水素原子又は1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R3、R4はそれぞれ独立に1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、R3とR4は結合して環を形成しても良く、nが2以上の場合に異なる括弧内のR3又はR4と結合して環を形成しても良い。ただし、R1、R2、R3、R4うち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR1、R2、R3、R4の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m1、m2、m3、m4としたとき、m1+(m2+m3+m4)×n≧2である。nは1以上の整数を表す。)で表されるジチオアセタールまたはジチオケタール骨格を有するポリチオール化合物を含む〔1〕又は〔2〕記載の重合性組成物。【0012】〔4〕 一般式(1)におけるR2が水素原子である〔3〕記載の重合性組成物。【0013】〔5〕 ジチオアセタール骨格を有するポリチオール化合物が、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選ばれる1種類以上のポリチオール化合物である〔4〕記載の重合性組成物。【0014】〔6〕 一般式(2)【0015】【化5】【0016】(ここでR5はp価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R6、R7はそれぞれ独立に1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、R6とR7は結合して環を形成しても良い。ただし、R5、R6、R7のうち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR5、R6、R7の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m5、m6、m7としたとき、m5+(m6+m7)×p≧2である。pは1以上の整数を表す。)で表されるオルトトリチオぎ酸エステル骨格を有するポリチオール化合物を含む〔1〕又は〔2〕記載の重合性組成物。【0017】〔7〕 一般式(2)中のR6、R7がメルカプトメチル基である〔6〕記載の重合性組成物。【0018】〔8〕 一般式(2)で表されるポリチオール化合物が、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン、ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)(メルカプトメチルチオ)メタンから選ばれる1種類以上のポリチオール化合物である〔7〕記載の重合性組成物。【0019】〔9〕 一般式(3)【0020】【化6】【0021】(ここでR8、R9、R10、R11はそれぞれ独立に脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、それぞれ他の1つの基と結合して環を形成しても良い。ただし、R8、R9、R10、R11のうち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR8、R9、R10、R11の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m8、m9、m10、m11としたとき、m8+m9+m10+m11≧2である。)で表されるオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有するポリチオール化合物を含む〔1〕又は〔2〕記載の重合性組成物。【0022】〔10〕 〔1〕乃至〔9〕の何れかに記載の重合性組成物を硬化させてなる樹脂の製造方法。〔11〕 〔1〕乃至〔9〕記載の重合性組成物を硬化させてなる樹脂。〔12〕 〔11〕記載の樹脂からなる光学素子。〔13〕 〔12〕記載の光学素子からなるレンズ。〔14〕 4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン。〔15〕 2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン。【0023】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。【0024】本発明において、ポリチオール化合物の過剰率は適宜決められるが、ポリチオールとポリイソ(チオ)シアナートを、メルカプト基とイソ(チオ)シアナト基のモル比が1.0より大きく3.0以下となるように調製し重合性組成物とする。【0025】本発明の重合性組成物は、該組成物中のイソ(チオ)シアナト基に対してメルカプト基が過剰となることが特徴である。即ち、メルカプト基とイソシアナト基のモル比(SH/NCO)を1.0より大きくすることでモル比が1.0の場合に比べて高い屈折率を有する樹脂を得ることが可能となる。一方、モル比の上限はモル比1.0で硬化させた樹脂の耐熱性によって異なるが、3.0以下の場合は、硬化物の耐熱性を高く保つことができる。本発明におけるメルカプト基とイソシアナト基のモル比は1.0<(SH/NCO)≦3.0、好ましくは1.01<(SH/NCO)≦3.0、より好ましくは1.01<(SH/NCO)≦2.0であり、更に好ましくは1.05<(SH/NCO)≦1.3である。【0026】本発明のポリチオール化合物は、ジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有する事を特徴とするポリチオール化合物である。これらの骨格を有するポリチオールであれば特に制限はないが、ジチオアセタールまたはジチオケタール骨格を有するポリチオールは、例えば一般式(1)【0027】【化7】で表すことができる。【0028】ここで、R1はn価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R2は水素原子又は1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R3、R4はそれぞれ独立に1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、R3とR4は結合して環を形成しても良く、nが2以上の場合に異なる括弧内のR3又はR4と結合して環を形成しても良い。ただし、R1、R2、R3、R4うち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR1、R2、R3、R4の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m1、m2、m3、m4としたとき、m1+(m2+m3+m4)×n≧2である。nは1以上の整数を表す。【0029】R1は脂肪族、複素環、芳香族から誘導されるn価の有機残基であれば特に制限はないが、炭素数は1〜15であることが好ましい。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、等の直鎖状脂肪族から誘導されるn価の有機残基、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロへキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ノルボルナン、2,3−ジメチルノルボルナン、2,5−ジメチルノルボルナン、2,6−ジメチルノルボルナン、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メタン等の環状脂肪族から誘導されるn価の有機残基、【0030】チオラン、2,5−ジメチルチオラン、3,4−ジメチルチオラン、2,3−ジメチルチオラン、2,4−ジメチルチオラン、2,5−ジエチルチオラン、3,4−ジエチルチオラン、2,3−ジエチルチオラン、1,3−ジチオレン、2,4−ジメチル−1,3−ジチオレン、4,5−ジメチル−1,3−ジチオレン、2,4−ジエチル−1,3−ジチオレン、4,5−ジエチル−1,3−ジチオレン、1,3−ジチオラン、2,4−ジメチル−1,3−ジチオラン、4,5−ジメチル−1,3−ジチオラン、2,4−ジエチル−1,3−ジチオラン、4,5−ジエチル−1,3−ジチオラン、チオフェン、2,5−ジメチルチオフェン、1,4−ジチアン、2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、2,6−ジメチル−1,4−ジチアン、2,3−ジメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジエチル−1,4−ジチアン、2,6−ジエチル−1,4−ジチアン、2,3−ジエチル−1,4−ジチアン、1,3,5−トリチアン、2,4−ジメチル−1,3,5−トリチアン、2,4−ジエチル−1,3,5−トリチアン、チアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3−ジチエタン、2,4−ジメチル−1,3−ジチエタン、2,4−ジエチル−1,3−ジチエタン等の複素環から誘導されるn価の有機残基、【0031】ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、ペリレン、スチレン、エチルベンゼン等の芳香族から誘導されるn価の有機残基、更には公知のチオール化合物のメルカプト基を除いてできるn価の有機残基が挙げられる。【0032】公知チオール化合物としては例えば、メタンチオール、エタンチオール、2−メルカプトエチル−1,3−ジチアン、チオフェノール、ベンジルチオールなどの単官能チオールや、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物、【0033】1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、【0034】1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物、【0035】ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、【0036】ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物、【0037】3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物が挙げられる。【0038】R2、R3、R4における1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基としては、R1で例示した直鎖状脂肪族、環状脂肪族、複素環、芳香族から誘導される1価の有機残基、または上記チオール化合物からメルカプト基を一つ除いてできる有機残基が挙げられる。又、R3とR4が結合して環を形成する場合、ジチオアセタール構造を含む環として4〜8員環、例えば、1,3−ジチアシクロブタン、1,3−ジチアシクロペンタン、1,3−ジチアシクロヘキサン、1,3−ジチアシクロヘプタン等が挙げられる。又、nが2以上の場合には異なるかっこ内のR3同士が結合して環を形成する、例えば、後述する例示化合物の4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロヘキサンなどの場合も含むものである。【0039】nは1以上の整数であれば特に制限はないが、nが大きくなると精製や取り扱いが煩雑になる場合があるため、1〜4の整数であることが好ましい。【0040】式(1)で表される化合物は、より具体的には、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロヘキサン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3−チアペンタン、1,1,6,6−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3,4−ジチアヘキサン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタンチオール、2−(4,5−ジメルカプト−2−チアペンチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,5−ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−プロパンジチオール、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチルチオ−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、1,1,9,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−5−(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアプロピル)3,7−ジチアノナン、トリス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)メタン、テトラキス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)メタン、テトラキス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)メタン、3,5,9,11−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,13−ジメルカプト−2,6,8,12−テトラチアトリデカン、3,5,9,11,15,17−ヘキサキス(メルカプトメチルチオ)−1,19−ジメルカプト−2,6,8,12,14,18−ヘキサチアノナデカン、9−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−3,5,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,6,8,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,11−ジメルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデカン、3,4,8,9,13,14−ヘキサキス(メルカプトメチルチオ)−1,16−ジメルカプト−2,5,7,10,12,15−ヘキサチアヘキサデカン、8−{ビス(メルカプトメチルチオ)メチル}−3,4,12,13−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,15−ジメルカプト−2,5,7,9,11,14−ヘキサチアペンタデカン、4,6−ビス{3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−7−メルカプト−2,6−ジチアヘプチルチオ}−1,3−ジチアン、4−{3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−7−メルカプト−2,6−ジチアヘプチルチオ}−6−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチアン、1,1−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル}−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、1−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、1,5−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−2,4−ジチアペンタン、4,6−ビス[3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−5−メルカプト−2,4−ジチアペンチルチオ]−1,3−ジチアン、4,6−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ジチアン、4−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−6−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ジチアン、3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,11−ジメルカプト−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、9−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−3,5,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,6,8,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,4,6,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3,7−ビス{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−1,9−ジメルカプト−2,4,6,8−テトラチアノナン、4−{3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−11−メルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデシル}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、4,5−ビス{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}−1,3−ジチオラン、4−{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、4−{3−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−5,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−8−メルカプト−2,4,7−トリチアオクチル}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、2−[ビス{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}メチル]−1,3−ジチエタン、2−{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、2−{3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−11−メルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデシルチオ}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、2−{3−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−5,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−8−メルカプト−2,4,7−トリチアオクチル}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、4,5−ビス[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−1,3−ジチオラン、4−[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−5−{1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−4−メルカプト−3−チアブチルチオ}−1,3−ジチオラン、2−[ビス{4−(5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラニル)チオ}]メチル−1、3−ジチエタン、4−{4−(5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラニル)チオ}−5−[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−1,3−ジチオラン等が挙げられるが、これら例示化合物に制限されるものではない。またジチオアセタールもしくはジチオケタール骨格を有し、かつ2つ以上のメルカプト基を持つ化合物であれば特定の繰り返し構造を持たない高分子化合物でもよい。【0041】オルトトリチオぎ酸エステル骨格を有するポリチオール化合物についても特に制限はないが、例えば一般式(2)【0042】【化8】で表される化合物を挙げることができる。【0043】ここでR5はp価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R6、R7はそれぞれ独立に1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、R6とR7は結合して環を形成しても良い。ただし、R5、R6、R7のうち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR5、R6、R7の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m5、m6、m7としたとき、m5+(m6+m7)×p≧2である。pは1以上の整数を表す。【0044】R5は脂肪族、複素環、芳香族から誘導されるp価の有機残基であれば特に制限はないが、式(1)におけるR1で例示した直鎖状脂肪族、環状脂肪族、複素環、芳香族から誘導されるp価の有機残基、又は前記公知のチオール化合物のメルカプト基を除いてできるp価の有機残基が好ましい。R6、R7も前記脂肪族、複素環、芳香族から誘導される1価の有機残基であれば特に制限はないが、式(1)におけるR3、R4と同様に、公知チオール化合物からメルカプト基を除いてできる有機残基が好ましく、R3、R4と同様に環を形成しても良い。pは1以上の整数であれば特に制限はないが、nと同様に1〜4の整数が好ましい。【0045】式(2)で表されるオルトトリチオぎ酸エステル骨格を有するポリチオール化合物は、より具体的には、例えば、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン、ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)メタン、2,4,6−トリス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロパン、ビス(メルカプトメチル)メチルチオ−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、トリス((4−メルカプトメチル−2,5−ジチアシクロヘキシル−1−イル)メチルチオ)メタン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2−メルカプトエチルチオ−4−メルカプトメチル−1,3−ジチアシクロペンタン、2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(1,3−ジメルカプト−2−プロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、トリス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアエチル)メタン、トリス(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−3−チアブチル)メタン、2,4,6−トリス(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、テトラキス(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル)メタン等、さらにこれらのオリゴマー等が挙げられるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。またトリチオオルトぎ酸エステル骨格、及び2つ以上のメルカプト基を有していれば、特定の繰り返し構造を持たない高分子でもよい。【0046】テトラチオオルト炭酸エステル骨格を有するポリチオール化合物についても特に制限はないが、例えば一般式(3)【0047】【化9】で表される化合物を挙げることができる。【0048】ここでR8、R9、R10、R11はそれぞれ独立に脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、それぞれ他の1つの基と結合して環を形成しても良い。ただし、R8、R9、R10、R11のうち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基し、かつR8、R9、R10、R11の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m8、m9、m10、m11としたとき、m8+m9+m10+m11≧2である。【0049】R8、R9、R10、R11は脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基であれば特に制限はないが、式(1)のR3、R4と同様に、公知チオール化合物からメルカプト基を除いてできる有機残基が好ましく、R3、R4と同様に環を形成しても良い。【0050】式(3)で表されるテトラチオオルト炭酸エステル骨格を有するポリチオール化合物をより具体的に例示すれば、3,3’−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、2,2’−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,7−ジ(メルカプトメチル)−1,4,5,9−テトラチアスピロ[4,4]ノナン、3,9−ジメルカプト−1,5,7,11−テトラチアスピロ[5,5]ウンデカン等があるが、これら例示化合物に制限されるものではない。またテトラチオ炭酸エステル骨格、及び2つ以上のメルカプト基を有していれば、特定の繰り返し構造を持たない高分子でもよい。【0051】本発明に使用する上記のポリチオール化合物は分子内にジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有することが特徴であるが、更なる高屈折率化及び耐熱性維持のため、メルカプトメチルチオ基を併せ持つことが好ましい。【0052】本発明の重合性組成物は、上記ポリチオール化合物を含有することが特徴の一つであるが、これらポリチオール化合物は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。【0053】また必要に応じてその他のチオール化合物を併用することもできる。【0054】例えば、メタンジチオール、エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物、【0055】1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、【0056】1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物、【0057】ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、【0058】ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物、【0059】3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物が挙げられる。さらには、これらの塩素置換体、臭素置換体のハロゲン置換体を使用してもよい。【0060】本発明において用いるイソ(チオ)シアナト基を2個以上持つ化合物は特に制限はないが、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチルフェニル)エーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアナート化合物、【0061】イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルイソシアナート)、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアナート化合物、【0062】1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナトベンゼン、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアナート)、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェニルイソシアナート)、ビベンジル−4,4’−ジイソシアナート、ビス (イソシアナトフェニル)エチレン等の芳香族ポリイソシアナート化合物、【0063】ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタン、1,2,3−トリス(イソシアナトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(イソシアナトエチルチオ)プロパン、3,5−ジチア−1,2,6,7−ヘプタンテトライソシアナート、2,6−ジイソシアナトメチル−3,5−ジチア−1,7−ヘプタンジイソシアナート、2,5−ジイソシアナートメチルチオフェン、4−イソシアナトエチルチオ−2,6−ジチア−1,8−オクタンジイソシアナート等の含硫脂肪族イソシアナート化合物、【0064】2−イソシアナトフェニル−4−イソシアナトフェニルスルフィド、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルフィド、ビス(4−イソシアナトメチルフェニル)スルフィドなどの芳香族スルフィド系イソシアナート化合物、【0065】ビス(4−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(2−メチル−5−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3−メチル−5−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3−メチル−6−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4−メチル−5−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3−メトキシ−4−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4−メトキシ−3−イソシアナトフェニル)ジスルフィドなどの芳香族ジスルフィド系イソシアナート化合物、【0066】2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナトメチルテトラヒドロチオフェン、3,4−ジイソシアナトメチルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナトメチル−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ジイソシアナトメチル−2−メチル−1,3−ジチオラン等の含硫脂環族化合物、【0067】1,2−ジイソチオシアナトエタン、1,6−ジイソチオシアナトヘキサン等の脂肪族イソチオシアナート化合物、シクロヘキサンジイソチオシアナート等の脂環族イソチオシアナート化合物、1,2−ジイソチオシアナトベンゼン、1,3−ジイソチオシアナトベンゼン、1,4−ジイソチオシアナトベンゼン、2,4−ジイソチオシアナトトルエン、2,5−ジイソチオシアナト−m−キシレン、4,4’−ジイソチオシアナトビフェニル、4,4’−メチレンビス(フェニルイソチオシアナート)、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェニルイソチオシアナート)、4,4’−メチレンビス(3−メチルフェニルイソチオシアナート)、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニルイソチオシアナート)、4,4’−ジイソチオシアナトベンゾフェノン、4,4’−ジイソチオシアナト−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、ビス(4−イソチオシアナトフェニル)エーテル等の芳香族イソチオシアナート化合物、【0068】さらには、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、(2,2−ピリジン)−4,4−ジカルボニルジイソチオシアナート等のカルボニルイソチオシアナート化合物、チオビス(3−イソチオシアナトプロパン)、チオビス(2−イソチオシアナトエタン)、ジチオビス(2−イソチオシアナトエタン)等の含硫脂肪族イソチオシアナート化合物、【0069】1−イソチオシアナト−4−[(2−イソチオシアナト)スルホニル]ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)等の含硫芳香族イソチオシアナート化合物、2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン等の含硫脂環族化合物、【0070】1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼン、2−イソシアナト−4,6−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン、4−イソシアナトフェニル−4−イソチオシアナトフェニルスルフィド、2−イソシアナトエチル−2−イソチオシアナトエチルジスルフィド等のイソシアナト基とイソチオシアナト基を有する化合物等が挙げられる。【0071】さらに、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。これらの化合物は、単独でも2種以上を混合して使用しても良い。【0072】また本発明の重合性組成物には、主に得られる樹脂の屈折率等の光学物性を調整するため、耐衝撃性、比重等の諸物性を調整するため、重合性組成物の粘度、その他の取り扱い性を調整するためなど、モノマー系や樹脂の改良をする目的で、樹脂改質剤を加えることができる。【0073】また、本発明の重合性組成物を硬化させる際には、目的に応じて公知の成形法におけるのと同様に、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、ブルーイング剤、油溶染料、充填剤などの種々の物質を添加してもよい。【0074】また所望の反応速度に調整するために、公知の反応触媒を適宜添加することもできる。好ましく用いられる触媒としては、例えば、ウレタン化反応触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジクロライド、ジメチルチンジクロライド等の錫化合物や3級アミンなどのアミン化合物が使用でき、これらは単独で使用することも、併用して使用することもできる。【0075】本発明の樹脂は、通常注型重合によって得られる。具体的には、使用するモノマーに、あらかじめ触媒、紫外線吸収剤、内部離型剤等の各種添加剤等を混合して混合液としておく。混合液を調整する場合、以下の手段で調整することができる。▲1▼イソシアネート成分に各種添加剤を溶解させた後、チオール成分を添加、混合する方法。▲2▼チオール成分に各種添加剤を溶解させた後、イソシアネート成分を添加、混合する方法。▲3▼イソシアネート成分とチオール成分を混合させた後、各種添加剤を添加、溶解させる方法。▲4▼予めイソシアネート成分、又はチオール成分に各種添加剤を高濃度で溶解させマスター液とし、このマスター液をイソシアネート成分とチオール成分の混合液に添加する方法。この混合液を必要に応じて適当な方法で脱気を行った後、2枚のガラス板とテープ、あるいはガスケットからなるモールドに注入して重合させる。注入に関して特に限定されないが、モノマー混合液の粘度は20〜1000mPa・sであることが好ましい。【0076】重合の際の重合条件は、使用されるモノマーの種類、触媒の種類、その添加量、モールド型の形状等によって大きく条件が異なるために限定できないが、熱重合においては、およそ、−20℃〜200℃の温度で、1〜100時間かけて行われる。【0077】このようにして得られる本発明の樹脂は、無色透明で光学物性、機械物性に優れ、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録板、フィルター、発光ダイオード等の光学素子素材として好適である。【0078】さらに、本発明の光学用樹脂を用いたレンズでは、必要に応じ、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、防曇性付与、あるいは、ファッション性付与等の改良を行うため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理等の物理的あるいは化学的処理を施すことができる。染色には通常、分散染料を分散させた湯浴が用いられるが、染色速度、染色濃度を向上させるためベンジルアルコールに代表されるキャリアーを添加した染色浴を用いても良い。【0079】【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明する。重合により得られた樹脂の物性評価は以下の方法にて行った。【0080】屈折率(ne)、アッベ数(νe):プルフリッヒ屈折計を用い20℃で測定した。耐熱性:TMAペネトレーション法(荷重50g、ピン先0.5mmφ、昇温10℃/min.)でTgを測定した。耐衝撃性:米国FDA規格に則り、中心厚1.0mmのレンズに127cm高さから重さ16gの鋼球を落下させる落球試験を行い、変化のなかったものを○、鋼球が貫通したものを×、星型のクラックの入ったものを△とした。【0081】製造例1攪拌羽根、温度計、ジムロートを設置した、3リットル丸底フラスコに、オルトぎ酸トリメチル117.7g(1.11mol)、メタンジチオール200.0g(2.49mol)、トルエン2リットル、及び、パラトルエンスルホン酸23.6g(0.124mol)を加え、20℃で43時間攪拌した。反応溶液を水で数回洗浄した。有機層を脱溶媒してトルエン及び低沸点成分を除いた後、3μmテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、122.5gのポリチオール化合物の混合物(以下ポリチオール化合物Aと称す)を得た。【0082】ポリチオール化合物AのGPC測定(カラム:東ソー株式会社製「G1000HXL」7.8mm×300mm、溶離液:THF)より3つのピークが、ピーク面積比18:29:53で観測された。これら3成分のうち低分子量側の2成分は、別途液体クロマトグラフィーにより分取し、分析した結果、それぞれトリス(メルカプトメチルチオ)メタン(以下TMMTMと称す)、及び1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン(TMMTDTPと称す)であることがわかった。これら2つの化合物の分析結果を以下に示す。またこれら二つの成分を基準とし、残り1成分の分子量をGPC分析結果から算出したところ、数平均分子量585、重量平均分子量589であった。この結果からこの成分がビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)(メルカプトメチルチオ)メタン(分子量591)であることがわかった。【0083】ポリチオール化合物Aの単位質量あたりのメルカプト基の当量数(以下SHVと称す)を、GPCのピーク面積比から算出したところ、10.6meq/gであった。【0084】i)TMMTM1H−NMR δ(CDCl3): 2.23(t、3H)、3.85(d、6H)、5.57(s、1H)13C−NMR δ(CDCl3): 28.1、52.7FT−IR: 2540cm−1【0085】ii)TMMTDTP1H−NMR δ(CDCl3): 2.22(t、4H)、3.86(d、8H)、4.08(s、2H)、5.57(s、2H)13C−NMR δ(CDCl3): 28.1、35.65、52.7FT−IR: 2540cm−1【0086】実施例1キシリレンジイソシアナート47.2gに触媒としてジブチルチンジクロライド10mg、内部離型剤として「ZelecUN」(商品名、stepan社製、酸性リン酸アルキルエステル)100mg、紫外線吸収剤として「バイオソーブ583」(商品名、共同薬品社製)50mgをあらかじめ溶解して混合液としておいた。次いで、製造例1にて得られたポリチオール化合物A52.8gを加え、良く混合し、モノマー混合物とした。この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.12であった。このモノマー混合物を0.6kPaで1時間脱気した後、一部をレンズモールドに注入し、40℃から徐々に昇温して120℃まで加熱し、21時間かけて硬化させた。冷却した後にガラスモールドを離型させレンズを取り出した。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.704、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点94.3℃と良好であった。耐衝撃性は○であった。【0087】製造例2攪拌羽根、温度計、蒸留塔、窒素導入用キャピラリーを設置した、2リットルの底抜きコック付きフラスコに、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン164.2g(1mol)にアセチルメルカプトメチルメルカプタン488.8g(4mol)、及び、パラトルエンスルホン酸7.6g(0.04mol)を加え、1kPa以下の真空度を保ち、且つ、攪拌しながら40℃に加熱した。メタノールの留出が停止するまで18時間ほど加熱を続けた。冷却後、真空を解除し、蒸留塔の代わりにコンデンサーを取り付けた後、400mlのメタノール、400mlのクロロホルムおよび200mlの36%塩酸を加え、60℃に加熱しアルコーリシスを行い、目的化合物の1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン(以下、ポリチオール化合物Bと称す)を生成させた。【0088】適量の水及びクロロホルムを加えて分液させ、クロロホルム層を数回水洗した。脱溶媒してクロロホルム及び低沸分を除いた後、3μmテフロン(登録商標)フィルターで濾過後340.0gのポリチオール化合物Bを得た。ポリチオール化合物BのLC分析より、ポリチオール化合物B以外の成分が2成分検出された(クロマトグラム面積比でそれぞれ9.8%、9.8%)。これらの成分を分取LCによって精製し、分析したところそれぞれ4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンであった。以下に分析結果を示す。【0089】またポリチオール化合物B(上記副生物2成分を含む)のSHVをLCのクロマトグラム面積比を用いて算出したところ、10.5meq/gであった。【0090】iii)1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン1H−NMR δ(CDCl3): 2.18(t、4H)、2.49(t、2H)、3.78−3.90(m、8H)、4.64(t、2H)13C−NMR δ(CDCl3): 26.7、41.3、48.7FT−IR: 2538cm−1MS: m/z=356(M+)【0091】iv)4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン1H−NMR δ(CDCl3): 2.02(t、2H)、2.56(t、2H)、3.77−3.91(m、4H)、3.97(s、2H)、4.66(t、2H)13C−NMR δ(CDCl3): 27.1、28.8、38.1、44.6FT−IR: 2538cm−1MS: m/z=276(M+)【0092】vi)2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン1H−NMR δ(CDCl3): 2.03(t、2H)、2.13−2.21(m、1H)、2.75−2.80(m、1H)、3.79−3.84(m、1H)、3.90−3.96(m、3H)、4.32−4.35(m、2H)13C−NMR δ(CDCl3): 27.2、32.3、38.9、46.2FT−IR: 2538cm−1MS: m/z=276(M+)【0093】実施例2キシリレンジイソシアナート45.6gに触媒としてジブチルチンジクロライド30mg、内部離型剤として「ZelecUN」(商品名、stepan社製、酸性リン酸アルキルエステル)150mg、紫外線吸収剤として「バイオソーブ583」(商品名、共同薬品社製)50mgをあらかじめ溶解して混合液としておいた。次いで、製造例2で得られたポリチオール化合物B54.4gを加え、良く混合し、モノマー混合物とした。この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.18であった。このモノマー混合物を0.6kPaで1時間脱気した後、一部をレンズモールドに注入し、40℃から徐々に昇温して130℃まで加熱し、20時間かけて硬化させた。冷却した後にガラスモールドを離型させレンズを取り出した。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.693、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点99.5℃と良好であった。耐衝撃性は○であった。【0094】製造例3攪拌羽根、温度計、蒸留塔、窒素導入用キャピラリーを設置した、2リットルの底抜きコック付きフラスコに、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン164.2g(1mol)にアセチルメルカプトメチルメルカプタン488.8g(4mol)、を加え5℃に冷却する、ここにパラトルエンスルホン酸7.6g(0.04mol)を加え、2.67kPaの真空度を保ち、且つ、攪拌しながら50℃まで4時間かけて昇温させた。50℃に昇温後、メタノールの留出が停止するまで5時間ほど加熱を続けた。冷却後、真空を解除し、蒸留塔の代わりにコンデンサーを取り付けた後、176.9gのメタノール、353.7gのトルエンおよび30.4g(0.16mol)のパラトルエンスルホン酸を加え、60℃に加熱しアルコーリシスを行い、ポリチオール化合物Bを生成させた。適量の水を用いてトルエン層を数回水洗した。脱溶媒してトルエン及び低沸分を除いた後、1μmテフロン(登録商標)フィルターで濾過後340.0gのポリチオール化合物Bを得た。製造例2と同様ポリチオール化合物BのLC分析より、ポリチオール化合物B以外の成分が2成分検出された。これらの2成分は製造例2のものと同一であった。またポリチオール化合物B(上記副生物2成分を含む)のSHVを測定したところ、9.8meq/gであった。【0095】実施例3キシリレンジイソシアナート44.3gに触媒としてジブチルチンジクロライド20mg、内部離型剤として「ZelecUN」(商品名、stepan社製、酸性リン酸アルキルエステル)100mg、紫外線吸収剤として「バイオソーブ583」(商品名、共同薬品社製)50mgをあらかじめ溶解して混合液としておいた。次いで、製造例3で得られたポリチオール化合物B55.7gを加え、良く混合し、モノマー混合物とした。この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.16であった。このモノマー混合物を0.6kPaで1時間脱気した後、1μmテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、一部をレンズモールドに注入し、40℃から徐々に昇温して130℃まで加熱し、20時間かけて硬化させた。冷却した後にガラスモールドを離型させレンズを取り出した。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.695、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点100.1℃と良好であった。耐衝撃性は○であった。【0096】製造例4真空度を4.00kPaに保った以外は製造例3と同様の操作を行なった。得られたポリチオール化合物BのSHVを測定したところ、9.5meq/gであった。【0097】実施例4製造例4で得られたポリチオール化合物Bを用いた以外は実施例3と同様の操作を行なった。この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.13であった。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.696、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点100.0℃と良好であった。耐衝撃性は○であった。【0098】製造例5真空度を5.33kPaに保った以外は製造例3と同様の操作を行なった。得られたポリチオール化合物BのSHVを測定したところ、9.3meq/gであった。【0099】実施例5製造例5で得られたポリチオール化合物Bを用いた以外は実施例3と同様の操作を行なった。この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.09であった。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.696、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点103.1℃と良好であった。耐衝撃性は○であった。【0100】比較例1キシリレンジイソシアナート49.8g、ポリチオール化合物A50.2gを用いて実施例1と同様に重合し、レンズを得た。なお、モノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.01であった。光学物性は屈折率(ne)は1.700、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点96.0℃であった。耐衝撃性は○であった。【0101】比較例2キシリレンジイソシアナート24.9g、ポリチオール化合物A75.1gを用いて実施例1と同様に重合したが、得られた樹脂は室温でゴム状であり、耐熱性の良い樹脂は得られなかった。なお、モノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=3.004であった。【0102】比較例3キシリレンジイソシアナート50.0g、製造例2で得られたポリチオール化合物B50.0gを用いて実施例2と同様に重合し、レンズを得た。なおこの時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=0.99であった。光学物性は屈折率(ne)は1.688、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点106.0℃であった。耐衝撃性は○であった。【0103】比較例4キシリレンジイソシアナート24.7g、製造例2で得られたポリチオール化合物B75.3gを用いて実施例2と同様に重合したが、得られた樹脂は室温でゴム状であり、耐熱性の良い樹脂は得られなかった。なお、モノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=3.01であった。【0104】比較例5キシリレンジイソシアナート48.0g、製造例3で得られたポリチオール化合物B52.0gを用いて実施例2と同様に重合し、レンズを得た。なお、この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.00であった。光学物性は屈折率(ne)は1.690、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点106.3℃であった。耐衝撃性は○であった。【0105】比較例6キシリレンジイソシアナート47.3g、製造例4で得られたポリチオール化合物B52.7gを用いて実施例3と同様に重合し、レンズを得た。なお、この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.00であった。光学物性は屈折率(ne)は1.690、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点106.3℃であった。耐衝撃性は○であった。【0106】比較例7キシリレンジイソシアナート48.0g、製造例4で得られたポリチオール化合物B52.0gを用いて実施例4と同様に重合し、レンズを得た。なお、この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.00であった。光学物性は屈折率(ne)は1.690、アッベ数(νe)は30であった。耐熱性はTg点109.2℃であった。耐衝撃性は○であった。【0107】比較例8キシリレンジイソシアナート52.0gに触媒としてジブチルチンジクロライド10mg、内部離型剤として「ZelecUN」(商品名、stepan社製、酸性リン酸アルキルエステル)100mg、紫外線吸収剤として「バイオソーブ583」(商品名、共同薬品社製)50mgをあらかじめ溶解して混合液としておいた。次いで、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン(以下ポリチオール化合物Cと称す)48.0gを加え、良く混合し、モノマー混合物とした。この時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.00であった。このモノマー混合物を0.6kPaで1時間脱気した後、一部をレンズモールドに注入し、40℃から徐々に昇温して120℃まで加熱し、20時間かけて硬化させた。冷却した後にガラスモールドを離型させレンズを取り出した。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.660、アッベ数(νe)は32であった。耐熱性はTg点85.0℃であった。耐衝撃性は○であった。【0108】比較例9キシリレンジイソシアナート48.5g、ポリチオール化合物C51.5gを用いて比較例5と同様に重合し、レンズを得た。なおこの時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.15であった。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.663、アッベ数(νe)は32であった。耐熱性はTg点62.1℃であった。耐衝撃性は○であった。【0109】比較例10キシリレンジイソシアナート50.7gに触媒としてジブチルチンジクロライド10mg、内部離型剤として「ZelecUN」(商品名、stepan社製、酸性リン酸アルキルエステル)100mg、紫外線吸収剤として「バイオソーブ583」(商品名、共同薬品社製)50mgをあらかじめ溶解して混合液としておいた。次いで、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン(以下ポリチオール化合物Dと称す)49.3gを加え、良く混合し、モノマー混合物とした。モノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.00であった。このモノマー混合物を0.6kPaで1時間脱気した後、一部をレンズモールドに注入し、40℃から徐々に昇温して120℃まで加熱し、20時間かけて硬化させた。冷却した後にガラスモールドを離型させレンズを取り出した。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.667、アッベ数(νe)は31であった。耐熱性はTg点100.2℃であった。耐衝撃性は○であった。【0110】比較例11キシリレンジイソシアナート46.1g、ポリチオール化合物D53.9gを用いて比較例7と同様に重合し、レンズを得た。なおこの時のモノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比はSH/NCO=1.20であった。得られたレンズは無色透明であり、暗室でスライドプロジェクターにより光を透過させてもレンズは濁っていなかった。光学物性は屈折率(ne)は1.670、アッベ数(νe)は32であった。耐熱性はTg点82.1℃であった。耐衝撃性は○であった。【0111】以上の結果を表1.にまとめた。表中のΔne、ΔTgはそれぞれ、モノマー混合物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比(SH/NCO)が1.01より大きい場合及び1.0以下の場合から得られた樹脂の屈折率(ne)、耐熱性(Tg)の差を表している。したがって、Δne/ΔTgの値が大きいほど、耐熱性の低下が抑えられ、かつ高屈折率化されていることを表す。本発明のポリチオールを含む重合性組成物から得られた樹脂では、Δne/ΔTgが従来のポリチオールを使用した比較例にくらべ大きい、即ち屈折率が大幅に向上している一方で、耐熱性の低下は小さく、また耐衝撃性も維持されていた。しかし、比較例5、6、7、8では、重合性組成物中のメルカプト基とイソシアナト基のモル比が1.0をこえると耐熱性が著しく低下した。【0112】なお樹脂耐熱性については、一般に広く普及している代表的なチオウレタン系光学樹脂である、比較例5に示した樹脂の耐熱性が、85.0℃であったことから、これ以上の耐熱性があれば、十分実用に耐え得る。したがって、実施例における樹脂の耐熱性は、十分実用の範囲であるといえるが、比較例6及び8の樹脂では耐熱性が十分ではない。尚、比較例2,4に示したように、メルカプト基とイソシアナト基の比が3.0を超える場合にはゴム状の樹脂となり、耐熱性の良好な樹脂が得られない。以上の実施例では、イソシアナト基を有する化合物について説明したが、イソチオシアナト基を有する化合物を用いても同様の結果が得られる。【0113】【表1】【0114】【発明の効果】本発明によれば耐熱性、耐衝撃性を維持しつつ容易に樹脂の高屈折率化が可能である。 ジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有し、かつメルカプト基を2個以上有するポリチオール化合物と、イソ(チオ)シアナト基を2個以上持つ化合物を含む組成物であって、メルカプト基とイソ(チオ)シアナト基のモル比が1.0より大きく3.0以下である高屈折率樹脂用重合性組成物。 ポリチオール化合物がメルカプトメチルチオ基を有する請求項1記載の重合性組成物。 一般式(1)(ここで、R1はn価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R2は水素原子又は1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R3、R4はそれぞれ独立に1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、R3とR4は結合して環を形成しても良く、nが2以上の場合に異なる括弧内のR3又はR4と結合して環を形成しても良い。ただし、R1、R2、R3、R4うち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR1、R2、R3、R4の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m1、m2、m3、m4としたとき、m1+(m2+m3+m4)×n≧2である。nは1以上の整数を表す。)で表されるジチオアセタールまたはジチオケタール骨格を有するポリチオール化合物を含む請求項1又は2記載の重合性組成物。 一般式(1)におけるR2が水素原子である請求項3記載の重合性組成物。 ジチオアセタール骨格を有するポリチオール化合物が、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選ばれる1種類以上のポリチオール化合物である請求項4記載の重合性組成物。 一般式(2)(ここでR5はp価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を、R6、R7はそれぞれ独立に1価の脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、R6とR7は結合して環を形成しても良い。ただし、R5、R6、R7のうち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR5、R6、R7の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m5、m6、m7としたとき、m5+(m6+m7)×p≧2である。pは1以上の整数を表す。)で表されるオルトトリチオぎ酸エステル骨格を有するポリチオール化合物を含む請求項1又は2記載の重合性組成物。 一般式(2)中のR6、R7がメルカプトメチル基である請求項6記載の重合性組成物。 一般式(2)で表されるポリチオール化合物が、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン、ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)(メルカプトメチルチオ)メタンから選ばれる1種類以上のポリチオール化合物である請求項7記載の重合性組成物。 一般式(3)(ここでR8、R9、R10、R11はそれぞれ独立に脂肪族残基、複素環残基、芳香族残基を表し、それぞれ他の1つの基と結合して環を形成しても良い。ただし、R8、R9、R10、R11のうち少なくとも一つは、1個以上のメルカプト基を有し、かつR8、R9、R10、R11の有するメルカプト基の数をそれぞれ、m8、m9、m10、m11としたとき、m8+m9+m10+m11≧2である。)で表されるオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有するポリチオール化合物を含む請求項1又は2記載の重合性組成物。 請求項1乃至9の何れか1項に記載の重合性組成物を硬化させてなる樹脂の製造方法。 請求項1乃至9の何れか1項に記載の重合性組成物を硬化させてなる樹脂。 請求項11記載の樹脂からなる光学素子。 請求項12記載の光学素子からなるレンズ。 4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン。 2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン。 【課題】透明性、色相、耐熱性、耐衝撃性等の諸物性に優れた高屈折率樹脂を得る方法を提供する。【解決手段】ジチオアセタール、ジチオケタール、オルトトリチオぎ酸エステルもしくはオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有し、かつメルカプト基を2個以上有するポリチオール化合物と、イソ(チオ)シアナト基を2個以上持つ化合物を含む組成物であって、メルカプト基とイソ(チオ)シアナト基のモル比が1.0より大きく3.0以下である高屈折率樹脂用重合性組成物、その組成物を硬化させて得られる樹脂の製造方法、及びその組成物を硬化させて得られる樹脂、並びにその樹脂からなる光学素子及び光学素子よりなるレンズ。【選択図】 なし