タイトル: | 特許公報(B2)_毛髪化粧料 |
出願番号: | 2003024930 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 8/894,A61K 8/84,A61Q 5/00,A61K 8/02 |
志賀 章 JP 3923902 特許公報(B2) 20070302 2003024930 20030131 毛髪化粧料 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 志賀 章 20070606 A61K 8/894 20060101AFI20070517BHJP A61K 8/84 20060101ALI20070517BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20070517BHJP A61K 8/02 20060101ALI20070517BHJP JPA61K8/894A61K8/84A61Q5/00A61K8/02 A61K 8/894 A61K 8/02 A61K 8/84 A61Q 5/00 特開2003−160447(JP,A) 特開2001−335436(JP,A) 4 2004231612 20040819 8 20051005 榎本 佳予子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪へのなじみが良く、毛髪に対し自然なツヤと、油性感のない自然な感触を付与する透明度の高い毛髪化粧料に関する。【0002】【従来の技術】近年、ヘアカラーの流行などに伴い、毛髪のダメージが強く感じられるようになってきている。すなわち、ヘアカラー等による化学処理、あるいはブロー等による物理処理の影響で、毛髪表面のキューティクルの剥離や、毛髪内部脂質の流出による毛髪内部の空洞化などが起こる結果として、毛髪がぱさつく、指通りが悪い、ツヤがなくなるといった悩みが多く出ている。【0003】これに対し、現在のスタイリング剤は、毛髪にツヤを賦与するため、高融点のワックス、多量の油剤、界面活性剤等を含有させたヘアクリームタイプの商品が流行している。しかし、このような商品では、油っぽさ、べたつきが生じてしまう、ヘアスタイルが潰れてしまうといった問題がある。また、ジメチルポリシロキサンをツヤ出し剤として用いたもの(例えば、特許文献1参照)もあるが、毛髪にギラつきや不自然な滑り感を付与するという問題を有する。【0004】【特許文献1】特開2001-335436号公報【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、毛髪に対し自然な感触、ツヤ及びまとまりを付与でき、かつ商品的付加価値である透明度が高い毛髪化粧料を提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、2種類のポリエーテル変性シリコーンとポリエチレングリコールを併用することにより、毛髪へのなじみが良く、毛髪に対し自然なツヤと油性感のない自然な感触を付与でき、しかも透明度の高いゲル状の毛髪化粧料が得られることを見出した。【0007】 すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c)(a) ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(b) ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体(c) 数平均分子量が1000〜4万であるポリエチレングリコールを含有する毛髪化粧料を提供するものである。【0008】【発明の実施の形態】成分(a)であるポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、ジメチルポリシロキサン部の数平均分子量が500〜1万、特に1000〜5000にあるものが好ましい。またジメチルポリシロキサン部とポリエーテル変性部(ポリオキシエチレン部)の分子量の比率が、4:1〜1:3、特に1:1〜1:2であるのが好ましい。このような市販品の例としては、信越化学工業社のKF-353、KF-351、KF-618、東レ・ダウコーニング社のSH3771M、SH3772M、SH3775M、SH3746M、東芝シリコーン社のTHF4440、THF4441、THF4445、THF4446などが挙げられる。【0009】これらポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体は、成分(a)として2種以上を併用してもよく、またその含有量は、油性感のない自然な感触を得る観点から、本発明の毛髪化粧料中の0.1〜10重量%が好ましく、更には0.2〜5重量%、特に0.3〜1重量%が好ましい。【0010】成分(b)であるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体としては、ジメチルポリシロキサン部の数平均分子量が1000〜1万、特に4000〜6000にあるものが好ましい。またジメチルポリシロキサン部とポリエーテル変性部(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン部)の分子量の比率が、2:1〜1:10、特に1:1〜1:7であるのが好ましい。更に、オキシエチレンとオキシプロピレンの分子量の比率が、1:1〜1:2であるのが好ましい。このような市販品の例としては、信越化学工業社のKF-352、KF-615、KF-6008、東レ・ダウコーニング社のSH3748、SH3749、東芝シリコーン社のTHF4452、日本ユニカー社のL-7001、L-720などが挙げられる。【0011】これらポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体は、成分(b)として2種以上を併用してもよく、またその含有量は、ギラつきのない自然なツヤを得る観点から、本発明の毛髪化粧料中の0.05〜10重量%が好ましく、更には0.1〜3重量%、特に0.2〜1重量%が好ましい。【0012】成分(c)であるポリエチレングリコールとしては、数平均分子量が1000〜4万、特に2000〜3万にあるものが好ましい。例えば、ポリエチレングリコール1540、2000、3000、4000、6000、20000等が使用でき、特にポリエチレングリコール20000が好ましい。【0013】これらポリエチレングリコールは、成分(c)として2種以上を併用してもよく、またその含有量は、適度な整髪性で髪を程良くまとめる観点から、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜4重量%が好ましく、更には0.02〜1重量%、特に0.05〜0.5重量%が好ましい。なお、成分(c)の含有量は、毛髪へのなじみの良さと滑らかさ、及びツヤと整髪性を両立させる観点から、成分(a)及び(b)の合計含有量との重量比(c)/〔(a)+(b)〕が1/20〜1/2となる範囲内にあることが好ましい。【0014】本発明の毛髪化粧料中には、更に毛髪のツヤ、まとまりを向上させるため、成分(d)としてアルキルグリセリルエーテル類を含有させてもよい。成分(d)としては、アルキル基が炭素数8〜20、特に14〜18のものが好ましく、また分岐鎖アルキル基であるものが好ましい。具体例としては、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルペンタエリスリルグリセリルエーテル等が挙げられる。【0015】これらアルキルグリセリルエーテル類は、成分(d)として2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜5重量%が好ましく、更には0.05〜2重量%、特に0.1〜1重量%が好ましい。なお、上記成分(d)の含有量は、自然なツヤと適度なまとまりを両立させる観点から、成分(a)及び(b)の合計含有量との重量比(d)/〔(a)+(b)〕が、1/20〜1/1の範囲内にあることが好ましい。【0016】また、本発明の毛髪化粧料中には、成分(e)としてカルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有させることができる。カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸(メタクリル酸)を主としてこれに少量のアリルショ糖で架橋した共重合体又はこれをアルキル化処理したものである。成分(e)は、アルカリ剤を加えることにより粘性の高い水性ゲルを形成して、塗布時のまとまり性、くせ付け性を更に向上させる。カルボキシビニルポリマーとしては、重量平均分子量が50万〜500万、特に75万〜150万であるものが好ましい。このような市販品の例としては、カルボキシビニルポリマーとしてカーボポール980、カーボポール981、カーボポール934(以上、ノヴェオン社)等が、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしてカーボポール1342、カーボポール1382、ペミュレンTR-1、ペミュレンTR-2(以上、ノヴェオン社)等が挙げられる。【0017】これらは成分(e)として2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜2重量%が好ましく、更には0.02〜0.5重量%、特に0.05〜0.3重量%が好ましい。【0018】本発明の毛髪化粧料は、水、エタノール又はそれらの混合物を溶媒とすることができる。本発明の毛髪化粧料は、透明なゲル状の外観を有しており、ノンエアゾール容器中、又はLPG等の噴射剤とともにエアゾール容器中に充填し、毛髪に噴霧して用いることが好ましく、特にポンプ機構を備えたトリガー式等のノンエアゾール型容器に充填して使用することが好ましい。【0019】なお、ここでいう「透明」とは、紫外可視光光度計UV-160(島津製作所;吸収波長550nm,セル長1cm)で測定した光透過度が92%以上であることをいう。また、ここでいう「ゲル状」とは、B型回転粘度計(ローターNo.3,30℃,30rpm)で測定した粘度が、300〜2500mPa・sであることをいう。【0020】本発明の毛髪化粧料中には、以上の成分のほかに、通常の化粧料に用いられる種々の添加成分を、目的に応じて含有させることができる。例えば、界面活性剤;被膜形成樹脂;油剤;グリセリン等の保湿剤;トリクロサン、トリクロロカルバニリド等の殺菌剤;グリチルリチン酸カリウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;ジンクピリチオン、オクトピロックス等の抗フケ剤;メチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤;エチレンジアミン四酢酸又はその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩等のキレート剤;クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤;塩化ナトリウム等の塩類;その他パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを配合することができる。【0021】【実施例】実施例1〜5及び比較例1〜4常法にしたがい、表1に示す処方の毛髪化粧料を調製した。得られた毛髪化粧料に関し、粘度と光透過度を測定するとともに、官能評価を行った。【0022】〔粘度測定法〕B型回転粘度計を用い、ローターNo.3,30℃,30rpmの条件で測定した。【0023】〔光透過度測定法〕紫外可視光光度計UV-160(島津製作所)を用い、吸収波長550nm,セル長1cmの条件で測定した。【0024】〔官能評価〕表1の毛髪化粧料を容器に充填し、PT-200トリガー付きスプレイヤー(吉野工業所社)を取り付け、5名の美容師により、根元−毛先の方向を揃えた人毛ウィッグ(セミロングヘア)に噴霧して塗布し、「霧の細かさ」、「塗布から乾燥(ブラシブロー)までの感触(べたつきのなさ、滑らかさ)」、「仕上がりの感触(油性感のない自然な感触、滑らかさ)」、「仕上がりの自然な(ギラつきのない)ツヤ」、「仕上がりの自然なまとまり」について、下記基準にしたがって評価した。この結果を表1に併せて示す。【0025】評価点5:良い4:やや良い3:普通2:やや悪い1:悪い【0026】判定◎:評価点の平均が4.0以上○:評価点の平均が3.2以上4.0未満△:評価点の平均が2.0以上3.2未満×:評価点の平均が2.0未満【0027】【表1】【0028】*1:KF-353A,信越化学工業社*2:L-7001,日本ユニカー社*3:PEG-20000,三洋化成工業社*4:ペネトールGE-IS,花王社*5:カーボポール981,ノヴェオン社*6:カーボポール980,ノヴェオン社*7:FZ-4170(45重量%エマルション,処方にはジメチルポリシロキサンとしての量を記載した),日本ユニカー社*8:NOTROSOL250HHR,ハーキュリーズ社*9:pH7に調整する量【0029】実施例6【0030】製法:A.精製水の一部に、成分(e)及びエデト酸二ナトリウムを加え、均一に混合する。B.エタノールに、成分(a)、成分(b)、成分(d)、ポリオキシエチレントリデシルエーテル及び香料を加え、混合溶解する。C.精製水の残部に、Aを加え、均一に混合した後、水酸化ナトリウム液を加え、混合溶解する。D.Cに、B、成分(c)及びシラカバエキスを加え、均一に混合し、透明ゲル状の毛髪化粧料を得る(粘度は1000mPa・s、光透過度は99%)。E.Dを容器に詰め、トリガー付きスプレイヤーを取り付ける。【0031】【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、毛髪へのなじみが良く、毛髪に対し自然なツヤと、油性感のない自然な感触を付与することができ、透明度の高いゲル状毛髪化粧料である。 次の成分(a)〜(c)(a) ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(b) ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体(c) 数平均分子量が1000〜4万であるポリエチレングリコールを含有する毛髪化粧料。 更に、成分(d)としてアルキルグリセリルエーテル類を含有する請求項1記載の毛髪化粧料。 更に、成分(e)としてカルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有する請求項1又は2記載の毛髪化粧料。 透明ゲル状の外観を有し、エアゾール容器又はノンエアゾール容器に充填し、毛髪に噴霧して用いるものである請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料。