タイトル: | 特許公報(B2)_イソホロンジイソシアネートの二量化の方法 |
出願番号: | 2002589536 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C08G 18/79,C07D 229/00,C07B 61/00,C07D 249/04 |
ハンス−ヨーゼフ・ラース ラインハルト・ハルパープ フランク・リヒター ユルゲン・ケッヒャー JP 4029048 特許公報(B2) 20071019 2002589536 20020507 イソホロンジイソシアネートの二量化の方法 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 591063187 Bayer Aktiengesellschaft 青山 葆 100062144 柴田 康夫 100083356 森住 憲一 100104592 高山 繁久 100122345 ハンス−ヨーゼフ・ラース ラインハルト・ハルパープ フランク・リヒター ユルゲン・ケッヒャー DE 101 23 417.1 20010514 20080109 C08G 18/79 20060101AFI20071213BHJP C07D 229/00 20060101ALI20071213BHJP C07B 61/00 20060101ALN20071213BHJP C07D 249/04 20060101ALN20071213BHJP JPC08G18/79 AC07D229/00C07B61/00 300C07D249/04 501 C08G 18/00-87 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平11−335478(JP,A) 1 EP2002005001 20020507 WO2002092657 20021121 2004534871 20041118 13 20050502 久保田 英樹 本発明は、イソホロンジイソシアネートを二量化するための新規方法、およびまたこの方法により製造したウレトジオンポリイソシアネートの、ポリウレタンポリマー用出発成分として、特にウレトジオン粉末塗料架橋剤を製造するためのイソシアネート成分としての使用に関する。 ウレトジオン構造を有するポリイソシアネートを、モノマー脂肪族または脂環式ジイソシアネートの触媒二量化、および適当な場合に同時の三量化により製造することは知られている。先行技術の技術的に関連する二量化法、並びにその中で使用する触媒および触媒系の包括的な概観は、J. prakt. Chem. 336 (1994) 185-200 で見出される。 耐光性ウレトジオンポリイソシアネートの中で、特別な部分は、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)の線状、即ちイソシアヌレート無含有ダイマーにより担われる。それらは、例えばブロック化剤を含まないポリウレタン(PU)粉末塗料架橋剤を製造するための好ましい出発成分として使用される(例えば EP-A 45 996、EP-A 639 598 または EP-A 669 353)。しかしながら使用する触媒の種類に応じて、大部分の既知の方法によりIPDIから得ることができるウレトジオンポリイソシアネートは、多かれ少なかれ、高いトリマー画分を含有する。現時点で、それを使用して、ウレトジオン粉末塗料架橋剤のための出発成分として要求される実質的に線状のIPDIダイマーを得ることができる触媒系が、2つだけ知られている。 EP-A 45 995 は、特別な過アルキル化アミノホスフィンを、IPDIを選択的に二量化するための触媒として使用することを記載している。好ましく使用する二量化触媒、ヘキサメチル亜リン酸トリアミド(トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン)は、トリマー画分<2質量%の純粋なIPDIウレトジオンの製造を可能にする。該方法の重大な欠点は、アミノホスフィンの高い酸化感受性にあり、その結果、例えばヘキサメチル亜リン酸トリアミドは、空中酸素の存在下で自発的に反応して、高い発癌性を有することが知られている化合物であるヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)を形成する。工業規模で完全に排除することができないこの副反応は、職場衛生の理由により、実際の適用を激しく制限する。 EP-A 317 744 は、4-ジアルキルアミノピリジン、例えば4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)での触媒作用による線状(シクロ)脂肪族ウレトジオンの製造方法を記載している。この方法は、線状の実質的にイソシアヌレートを含有しないIPDIウレトジオンも提供するが、該ウレトジオンは、非常に濃い固有色を有する。色の品質を、EP-A 735 027 または EP-A 896 973 に従い、DMAP触媒二量化のためにホスフィン安定剤またはホスファイト安定剤を使用することにより向上させることができるが、これは、多くの場合、特別な用途、例えばポリウレタン粉末クリアコート物質用のウレトジオン粉末塗料架橋剤を製造するためには、なお不充分である。 両方の触媒系、EP-A 45 995 のアミノホスフィンおよび EP-A 317 744 のジアルキルアミノピリジンの両方は、さらに、IPDIに関して穏やかな触媒活性しか有さないという欠点を共有する。充分に急速な反応は、2質量%までの高い触媒濃度を使用することを必要とする。 それゆえ本発明の目的は、ウレトジオンポリイソシアネートの新規製造方法を提供することであった。該方法は、高い反応性および選択性の触媒を使用しながら、できる限り線状で、好ましくはイソシアヌレートを含有しない、色の薄い生成物を生ずる。 本発明の方法を提供することにより、この目的を達成することができる。 本発明は、イソシアネート基の二量化を促進する触媒の存在下で、イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基の一部をオリゴマー化し、任意にオリゴマー化反応を所定のオリゴマー化度で触媒毒を添加することにより停止させ、および任意に未反応ジイソシアネート過剰分を抽出または薄膜蒸留で除去することによるウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法を提供し、該方法は、使用するオリゴマー化触媒が、アニオン中に1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造(C2N3;分子量=66として計算)10〜97.1質量%を有する塩様化合物を含むことを特徴とする。 本発明は、この方法により製造したウレトジオンポリイソシアネートの、ポリウレタンポリマー用出発成分として、特にウレトジオン粉末塗料架橋剤を製造するためのイソシアネート成分としての使用も規定する。発明を実施するための形態 本発明の方法で使用するイソホロンジイソシアネートを、あらゆる幅広い方法により、例えばホスゲン化により、またはホスゲンフリーの経路により、例えばウレタン開裂により製造することができる。 本発明の方法で使用するオリゴマー化触媒は、アニオン中に1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造(C2N3;分子量=66として計算)10〜97.1質量%を有する塩様化合物を含む。これらは、一般式(I)および/または(II):〔式中、 R1、R2、R3およびR4は、同じまたは異なる基を表し、それぞれ、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または20個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を含有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていても良い芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、 その中で 式(II)中のR3およびR4は、相互に共同して、5員環の1,2,3-トリアゾール環の炭素原子および任意にさらなる窒素原子または酸素原子と共に、3〜6個の炭素原子を有する縮合環を形成することもできる。〕で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する化合物である。 好ましいオリゴマー化触媒は、式中のR1およびR2が、同じまたは異なる基を表し、それぞれ、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和脂肪族若しくは脂環式基、または12個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を含有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていても良い芳香族若しくは芳香脂肪族基を示す、一般式(I)で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する触媒である。 同様に好ましいオリゴマー化触媒は、式中のR3およびR4が、同じまたは異なる基を表し、それぞれ、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または12個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を含有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていても良い芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、並びにR3およびR4が相互に共同して、5員環の1,2,3-トリアゾール環の炭素原子および任意にさらなる窒素原子または酸素原子と共に、3〜6個の炭素原子を有する縮合環を形成することもできる、一般式(II)で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する触媒である。 本発明の方法のために特に好ましいオリゴマー化触媒は、1,2,4-トリアゾールの塩、1,2,3-トリアゾールの塩および/または1,2,3-ベンゾトリアゾールの塩である。 触媒活性トリアゾールアニオンとの対イオンとして、本発明に従い使用する触媒は、あらゆる幅広いカチオンを含有し得る。ここでの例として、アルカリ金属カチオン、例えばLi+、Na+およびK+、アルカリ土類金属カチオン、例えばMg2+およびCa2+、並びに一般式(III):〔式中、 Eは、窒素(N)またはリン(P)を表し、 R5、R6、R7およびR8は、同じまたは異なる基を表し、それぞれ、水素原子、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または24個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を含有することができ、任意にハロゲン原子若しくはヒドロキシル基により置換され得る、任意に置換されていても良い芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、その中で R8は、式(IV):(式中、 Xは、12個までの炭素原子を有する二価の任意に置換されていても良い脂肪族、脂環式、芳香脂肪族または芳香族基を示し、 R5、R6、R7およびEは、上記と同じ定義である。)で示される基も表すことができる。〕で示されるアンモニウム若しくはホスホニウムカチオンを挙げることができる。 好ましいカチオンは、アルカリ金属イオン、または式中のEが、窒素またはリンを表し、R5、R6、R7およびR8が、同じまたは異なる基を表し、それぞれ、飽和脂肪族若しくは脂環式基、または18個までの炭素原子を有する任意に置換されていても良い芳香族若しくは芳香脂肪族基を示す、一般式(III)で示される一価のアンモニウム若しくはホスホニウムカチオンである。 本発明の方法においてオリゴマー化触媒として使用する塩様化合物は、いくつかの場合で、例えばそのナトリウム塩の形態として市販されているか、または実施例により示されるように、一般の実験室的方法により容易に得ることができる。 本発明の方法においてこれらの触媒を、IPDIの使用量を基準に0.01〜3質量%、好ましくは0.1〜1質量%の量で使用する。それらを、溶媒無しで反応混合物に添加することができる。しかしながら好ましくは触媒を、適当な有機溶媒中の溶液として使用する。触媒溶液の希釈度を、自由に、非常に幅広い範囲で選択することができる。溶液は、0.01質量%の濃度から触媒活性である。 適当な触媒溶媒は、例えばイソシアネート基に対して不活性である溶媒、例えばヘキサン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルおよびブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1-メトキシプロプ-2-イルアセテート、3-メトキシ-n-ブトキシアセテート、プロピレングリコールジアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、ラクトン、例えばβ-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンおよびε-メチルカプロラクトン、またN-メチルピロリドンおよびN-メチルカプロラクタムのような溶媒、1,2-プロピレンカーボネート、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、トリエチルホスフェート、またはそのような溶媒のあらゆる所望混合物である。 しかしながら本発明の方法において、イソシアネート反応性基を有し、反応生成物中に組込まれる触媒溶媒を使用することが好ましい。そのような溶媒の例は、一価または多価の単純なアルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ヘキサノール、2-エチル-1-ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、異性体のブタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールまたはグリセロール;エーテルアルコール、例えば1-メトキシ-2-プロパノール、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、または他の液状で高分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、混合ポリエチレン/ポリプロピレングリコール、およびそれらのモノアルキルエーテル;エステルアルコール、例えばエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノラウレート、グリセロールモノ-およびジアセテート、グリセロールモノブチレートまたは2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート;不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、1,1-ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコール;芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール;N-単置換アミド、例えばN-メチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、シアノアセトアミドまたは2-ピロリドン、またはそのような溶媒のあらゆる所望混合物である。 適切な場合、本発明の方法におけるオリゴマー化反応を、所望の転化率で、例えば出発混合物中に当初存在したイソシアネート基の10〜60%が反応したときに、適当な触媒毒により停止させる。そのような触媒毒の例は、無機酸、例えば塩酸、亜リン酸またはリン酸、酸塩化物、例えば塩化アセチル、塩化ベンゾイルまたはイソフタロイルジクロリド、スルホン酸およびスルホン酸エステル、例えばメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、メチルおよびエチル-p-トルエンスルホネート、モノ-およびジアルキルホスフェート、例えばモノトリデシルホスフェート、ジブチルホスフェートおよびジオクチルホスフェート、およびまたはシリル化酸、例えばトリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、およびジエチルトリメチルシリルホスフェートを含む。 反応を停止させるために必要な触媒毒の量は、触媒の使用量により左右される。一般的に言えば、開始するために使用されるオリゴマー化触媒に対して、等しい量の停止剤が用いられる。しかしながら、反応中に起こり得るあらゆる触媒損失を考慮すると、当初用いた触媒量を基準に20〜80当量%の触媒毒だけで、反応を停止させるために充分であり得る。 一般に必要ではないが、ポリウレタン化学において通例の添加剤を、適切な場合、本発明の方法において安定剤として使用することができる。そのような安定剤の例は、フェノール系酸化防止剤、例えば2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノールおよび3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、またはアルキルおよび/またはアリール基により三置換されているホスファイト安定剤、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジイソデシルフェニルホスファイト、ジイソオクチルオクチルフェニルホスファイト、フェニルネオペンチルグリコールホスファイト、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル(2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール)ホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリチルジホスファイト、ジステアリルペンタエリトリチルジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリトリチルジホスファイトおよびテトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、またはそのような添加剤のあらゆる所望混合物を含む。 これらの添加剤を、所望により反応混合物に、IPDIの使用量を基準に5質量%まで、好ましくは3質量%までの量で添加する。 本発明の方法の特定の実施態様の1つにおいて、室温で液状である記載した種類の添加剤、好ましくは記載した液状ホスファイト安定剤は、使用触媒のための溶媒として機能する。 使用するあらゆる触媒溶媒を除いて、本発明の方法は、好ましくは溶媒無しで行われる。代りに本発明の方法を、所望により、さらなる量のイソシアネート基に対して不活性な溶媒の存在下で行うことができる。適当な例は、可能な触媒溶媒として既に上で記載した非反応性溶媒、またはこれら溶媒の混合物を含み、これらを、所望により、IPDIおよび添加溶媒の総量を基準に80質量%までの量で使用することができる。 本発明の方法の実行のためにIPDIを、初期装填として、適切な場合に不活性ガス、例えば窒素下で、所望により適切な溶媒および所望により記載した種類の安定剤の存在下で、0〜100℃、好ましくは20〜60℃の温度で導入する。次いでオリゴマー化触媒または上で明記した種類のオリゴマー触媒溶液を、上で明記した量で添加し、反応温度を、適切な場合に適当な処置(加熱または冷却)により20〜100℃、好ましくは25〜80℃の温度に調節する。10〜60質量%、好ましくは10〜40質量%の所定オリゴマー化度に達したときに反応を、適切な場合、例として明記した種類の触媒毒を添加し、次いで適切な場合に反応混合物を、例えば80℃を超える温度で加熱することにより終了させることができる。ここで「オリゴマー化度」とは、本発明の反応中に(特に二量化により、さらに三量化で、および記載した触媒溶媒、例えばアルコール性触媒溶媒をさらに使用する場合、例えばウレタン化でのイソシアネート基との反応により)消費される、出発混合物中に当初存在したイソシアネート基の割合を意味する。記載したオリゴマー化度は、一般に30分〜8時間、好ましくは1〜6時間の反応時間後に達成される。 好ましくは、次いで反応混合物から揮発成分(過剰のモノマーIPDI並びに使用したあらゆる非反応性溶媒および安定剤)を、好ましくは非常に穏やかな条件下で、例えば120〜200℃、好ましくは140〜180℃の温度での高真空における薄膜蒸留により除去する。 本発明の方法のさらなる実施態様において、記載した揮発成分をオリゴマー化生成物から、例えばイソシアネート基に対して不活性な適当な溶媒を用いる抽出により分離する。その溶媒の例は、脂肪族または脂環式炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタンまたはシクロヘキサンである。 本発明に従い淡色または実質的に無色のIPDIポリイソシアネートが得られ、これは、高粘度であり、ウレトジオン基を有し、オリゴマー化度に応じて16.0〜19.0質量%、好ましくは16.7〜17.9質量%であるイソシアネート基含有量を有し、5質量%未満、好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満のモノマーIPDIしか含有しない。本発明の方法の生成物中のイソシアヌレート構造のモル分率は、ウレトジオン基およびイソシアヌレート基の合計を基準に、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、非常に好ましくは5%以下である。 未反応モノマーIPDIに加えて、使用したあらゆる溶媒および安定剤を含有し、およびまた触媒毒を使用しない場合には活性触媒を含有し得る生成留出物を、問題無く、再びオリゴマー化に使用することができる。 所望により本発明の方法において、釣り合った触媒オリゴマー化、および所望のオリゴマー化度で触媒毒を添加することによる反応停止の後で、過剰の未反応IPDIを分離しないことも可能である。この場合、本発明の方法の生成物は、70質量%までのモノマーIPDI中の、淡色IPDIポリイソシアネート溶液である。 本発明の方法は、単純な方法で、非常に低濃度の毒物学的にあたりさわりの無い触媒を非常に短い反応時間内で使用して、現存の方法により得ることができるIPDIウレトジオンとは対照的に、従来達成されていない低い色数のために注目に値するIPDIウレトジオンを製造することを可能にする。 その性質に基づき、本発明に従い製造されたIPDIウレトジオンまたはモノマーIPDI中のそれらの溶液は、特に、重付加法によるポリウレタンポリマーを製造するために、好ましくは一成分または二成分ポリウレタン塗料物質を製造するために有用な出発物質である。これに関してそれらを、ポリウレタン化学から自体既知のブロック化剤によりブロック化された形態で、一成分焼付けワニスのための架橋成分として使用することができる。適当なブロック化剤の例は、ポリウレタン化学からイソシアネート基のためのブロック化剤として知られている以下の化合物:オキシム、例えばアセトンオキシム、ブタノンオキシムおよびシクロヘキサノンオキシム;ラクトン、例えばε-カプロラクトン;C-H酸性化合物、例えばジエチルマロネートおよびエチルアセトアセテート;N複素環、例えば1,2,4-トリアゾール、ジメチル-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジメチルピラゾールおよびイミダゾール;およびまたこれらブロック化剤のあらゆる所望混合物である。 本発明の方法により得ることができるIPDIウレトジオンは、ウレトジオン粉末塗料架橋剤を製造するのための出発成分として特に適している。 全ての割合(%)は、他の記載が無い限り、質量による。 触媒の製造 触媒1:ナトリウム1,2,4-トリアゾレート 機械的攪拌機、内部温度計および還流冷却器を備えた三ツ口フラスコ攪拌装置に、乾燥メタノール200mlおよび30%濃度のナトリウムメトキシドのメタノール溶液48ml(ナトリウムメトキシド0.25molに相当する。)を、乾燥窒素下で装填する。1,2,4-トリアゾール17.4g(0.25mol)を、室温で分けて添加する。1,2,4-トリアゾールを添加し終えたら、反応混合物を還流温度で4時間攪拌する。次いで溶媒を減圧下で留去し、残ったオイル状残留物を、室温で塩化メチレン200mlと混合する。混合物を15分間攪拌し、沈殿固形生成物を濾過する。こうして、ナトリウム1,2,4-トリアゾレート22.5g(収率:98%)が、無色粉末の形態で得られる。1H-NMR分光法によれば、生成物は純粋であり、使用した1,2,4-トリアゾールは無い。 触媒2:ナトリウム1,2,3-トリアゾレート 1,2,3-トリアゾール17.4g(0.25mol)を、メタノール200ml中で等量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液と、触媒1のために記載した方法に従い反応させる。反応混合物を上記のように処理して、ナトリウム1,2,3-トリアゾレート22.4g(収率:98%)が、実質的に無色の粉末形態で得られる。1H-NMRスペクトルによれば、生成物は純粋であり、出発物質は無い。 触媒3:ナトリウムベンゾトリアゾレート ベンゾトリアゾレート29.8g(0.25mol)を、メタノール200ml中で等量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液と、触媒1のために記載した方法に従い反応させる。反応混合物を上記のように処理して、ナトリウムベンゾトリアゾレート34.2g(収率:97%)が、実質的に無色の粉末形態で得られる。1H-NMRスペクトルによれば、生成物は純粋であり、出発物質は無い。 触媒4:テトラブチルホスホニウム1,2,4-トリアゾレート 機械的攪拌機、内部温度計および還流冷却器を備えた三ツ口フラスコ攪拌装置に、室温での乾燥窒素下で、30%濃度のナトリウムメトキシドのメタノール溶液18.0g(ナトリウムメトキシド0.1molに相当する。)を装填する。20分間で、メタノール20ml中1,2,4-トリアゾール6.9g(0.1mol)の溶液を滴下して加え、その後に反応混合物を1時間攪拌し、次いで20分間で71.4%濃度のテトラブチルホスホニウムクロリドのイソプロパノール溶液(Cyphos(商標) 443P、Cytec)41.3g(0.1mol)を添加する。ホスホニウム塩の添加開始の直後に、塩化ナトリウムの沈殿が始まる。その後に反応混合物を室温でさらに1時間攪拌し、次いでそれを濾過し、最後に濾液を、ロータリーエバポレーターで40℃のバス温度および約1mbarの圧力で、約50mlの体積まで濃縮する。残留物を再び濾過し、1,2,4-トリアゾレートのメタノール/イソプロパノール混合物中の透明で実質的に無色のテトラブチルホスホニウム溶液42.5gが得られる。フェノールフタレインに対して0.1NのHClを用いる酸定量滴定による活性触媒量は73.0%である。ガスクロマトグラフィー(GC)により測定されるメタノール対イソプロパノールの比は、25.4:74.6%(面積%)である。 触媒5:テトラブチルホスホニウム1,2,3-トリアゾレート 触媒4のために記載した方法に従い、1,2,3-トリアゾール6.9g(0.1mol)を、ナトリウム塩の中間体を介して、実施例4で記載した等量のテトラブチルホスホニウムクロリドのイソプロパノール溶液と反応させた。ロータリーエバポレーターでの濃縮および濾過により、メタノール/イソプロパノール混合物中の透明で実質的に無色のテトラブチルホスホニウム1,2,3-トリアゾレート溶液48.1gが得られる。0.1NのHClを用いる酸定量滴定による活性触媒量は66.3%である。GCによるメタノール対イソプロパノールの比は、35.2:64.8%(面積%)である。 触媒6:テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート 触媒4のために記載した方法に従い、ベンゾトリアゾール11.9g(0.1mol)を、ナトリウム塩の中間体を介して、実施例4で記載した等量のテトラブチルホスホニウムクロリドのイソプロパノール溶液と反応させた。ロータリーエバポレーターでの濃縮および濾過により、メタノール/イソプロパノール混合物中の透明で実質的に無色のテトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート溶液52.1gが得られる。0.1NのHClを用いる酸定量滴定による活性触媒量は69.7%である。GCによるメタノール対イソプロパノールの比は、31.6:68.4%(面積%)である。 触媒7:ベンジルトリエチルアンモニウム1,2,4-トリアゾレート 触媒4のために記載した方法に従い、1,2,4-トリアゾール6.9g(0.1mol)を、メタノール20gの溶液中で、まず30%濃度のナトリウムメトキシドのメタノール溶液18.0g(0.1mol)と、次いで25%濃度のベンジルトリエチルアンモニウムクロリドの2-エチルヘキサノール溶液90.8g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.1molに相当する。)と反応させた。ロータリーエバポレーターでの濃縮および濾過により、濾過後に、メタノール/2-エチルヘキサノール混合物中の透明で淡黄色のベンジルトリエチルアンモニウム1,2,4-トリアゾレート溶液94.1gが得られる。0.1NのHClを用いる酸定量滴定による活性触媒量は26.5%である。GCによるメタノール対2-エチルヘキサノールの比は、5.0:95.0%(面積%)である。 触媒8:メチルトリオクチルアンモニウム1,2,4-トリアゾレート 触媒4のために記載した方法に従い、1,2,4-トリアゾール6.9g(0.1mol)を、メタノール20gの溶液中で、まず30%濃度のナトリウムメトキシドのメタノール溶液18.0g(0.1mol)と、次いで50%濃度のメチルトリオクチルアンモニウムクロリドのメタノール溶液(Aliquat 336)80.6g(メチルトリオクチルアンモニウムクロリド0.1molに相当する。)と反応させた。濾過、ロータリーエバポレーターでの溶媒除去および再度の濾過により、メチルトリオクチルアンモニウム1,2,4-トリアゾレート40.3gが、透明の淡黄色液体として得られる。0.1NのHClを用いる酸定量滴定による活性触媒量は92.3%である。 実施例1 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、40℃での乾燥窒素下で攪拌しながら、ジメチルスルホキシド(DMSO)25ml中ナトリウム1,2,4-トリアゾレート(触媒1)2g(0.022mol)の溶液と混合し、そこで反応混合物の温度は、放たれる反応熱により43℃に上昇する。45分の反応時間(この間に発熱がもとに静まる)の後、反応混合物のNCO含有量は29.4%の値に低下し、これはオリゴマー化度20.1%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート4.6g(0.022mol)を添加することにより失活させる。付随する濁りを濾過により除去し、無色透明の反応混合物から揮発成分(過剰のジイソシアネートおよび触媒溶媒)を、温度160℃および圧力0.3mbarでの薄膜蒸留により除去する。こうして無色のウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.6%、モノマーIPDI含有量0.3%、200,000mPasを超える粘度(23℃)(DIN 53 018 に従う)、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)8を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、96.2:3.8である。 実施例2 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、40℃での乾燥窒素下で攪拌しながら、ジメチルスルホキシド(DMSO)15ml中ナトリウム1,2,3-トリアゾレート(触媒2)1.2g(0.013mol)の溶液と混合し、反応混合物を約42℃に少しばかり加熱する。2時間の反応時間後、反応混合物のNCO含有量は29.4%の値に低下し、これはオリゴマー化度20.1%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート4.6g(0.022mol)を添加することにより失活させる。付随する濁りを濾過により除去し、無色透明の反応混合物から揮発成分(過剰のジイソシアネートおよび触媒溶媒)を、実施例1に記載するように除去する。こうして高粘性の無色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量16.9%、モノマーIPDI含有量0.3%、および10%の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)8を有する。13C-NMR分光法によれば、生成物にはイソシアヌレート基が無い。 実施例3 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、40℃での乾燥窒素下で攪拌しながら、ジメチルスルホキシド(DMSO)13ml中ナトリウムベンゾトリアゾレート(触媒3)1.3g(0.009mol)の溶液と混合し、反応混合物を2〜3℃程度少しばかり温める。約30分間で発熱はもとに静まり、2時間の反応時間後、反応混合物のNCO含有量は29.3%の値に低下し、これはオリゴマー化度21.3%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート1.9g(0.009mol)を添加することにより失活させる。付随する濁りを濾過により除去し、無色透明の反応混合物から揮発成分(過剰のジイソシアネートおよび触媒溶媒)を、実施例1に記載するように除去する。こうして高粘性の淡黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量16.9%、モノマーIPDI含有量0.5%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)9を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、94.1:5.9である。 実施例4 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、減圧下(2mbar)1時間で揮発分除去し、次いで乾燥窒素でガスシールし、40℃に加熱する。触媒4(メタノール/イソプロパノール中テトラブチルホスホニウム1,2,4-トリアゾレート)2.3g(5.1mmol)を攪拌しながら添加し、放たれる反応熱により反応混合物は43℃に温まる。発熱が静まった後に触媒作用を、35分後にさらに触媒溶液2.3g(5.1mmol)で繰返す。1時間10分の反応時間後、合計で、反応混合物のNCO含有量は32.3%であり、これはオリゴマー化度14.2%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート2.15g(10.2mmol)を添加することにより失活させる。得られた透明の淡黄色混合物から過剰のジイソシアネートを、実施例1に記載するように薄膜蒸留により除去する。こうして高粘性の淡黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.3%、モノマーIPDI含有量0.5%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)9を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、96.1:3.9である。 実施例5 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、実施例4に記載するように減圧下で揮発分除去し、乾燥窒素でガスシールし、40℃に加熱する。触媒5(メタノール/イソプロパノール中テトラブチルホスホニウム1,2,3-トリアゾレート)2.3g(4.7mmol)を攪拌しながら添加し、放たれる反応熱により反応混合物は42℃に少しばかり温まる。発熱が静まった後に触媒作用を、2時間後にさらに触媒溶液2.3g(4.7mmol)、さらに55分後再び触媒溶液1.15g(2.3mmol)で繰返す。5時間15分の反応時間後、合計で、反応混合物のNCO含有量は29.8%であり、これはオリゴマー化度20.7%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート2.45g(11.7mmol)を添加することにより失活させ、得られた透明の淡黄色混合物から過剰のジイソシアネートを、実施例1に記載するように薄膜蒸留により除去する。こうして高粘性の淡黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.3%、モノマーIPDI含有量0.5%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)8を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、94.9:5.1である。 実施例6 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、実施例4に記載するように減圧下で揮発分除去し、乾燥窒素でガスシールし、40℃に加熱する。触媒6(メタノール/イソプロパノール中テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート)2.7g(5.0mmol)を攪拌しながら添加し、放たれる反応熱により反応混合物は約42℃に少しばかり温まる。40分の反応時間(この間に発熱はもとに静まる)の後、反応混合物のNCO含有量は31.5%であり、これはオリゴマー化度16.4%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート1.05g(5.0mmol)を添加することにより失活させ、得られた透明の淡黄色混合物から過剰のジイソシアネートを、実施例1に記載するように薄膜蒸留により除去する。こうして高粘性の黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.0%、モノマーIPDI含有量0.3%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)11を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、92.8:7.2である。 実施例7 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、実施例4に記載するように減圧下で揮発分除去し、乾燥窒素でガスシールし、40℃に加熱する。触媒7(メタノール/2-エチルヘキサノール中ベンジルトリエチルアンモニウム1,2,4-トリアゾレート)2.5g(2.5mmol)を攪拌しながら添加し、放たれる反応熱により反応混合物は約44℃に少しばかり温まる。発熱が静まった後に触媒作用を、45分の間隔で3回、さらなる触媒溶液2.5g(2.5mmol)で繰返す。3時間10分の反応時間後、合計で、反応混合物のNCO含有量は29.6%であり、これはオリゴマー化度20.9%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート2.10g(10.0mmol)を添加することにより失活させ、得られた透明の黄色混合物から過剰のジイソシアネートを、実施例1に記載するように薄膜蒸留により除去する。こうして高粘性の淡黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.0%、モノマーIPDI含有量0.4%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)10を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、96.3:3.7である。 実施例8 イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、実施例4に記載するように減圧下で揮発分除去し、乾燥窒素でガスシールし、40℃に加熱する。触媒8(メチルトリオクチルアンモニウム1,2,4-トリアゾレート)0.8g(1.8mmol)を攪拌しながら添加し、放たれる反応熱により反応混合物は約42℃に温まる。45分の反応時間(この間に発熱はもとに静まる)の後、反応混合物のNCO含有量は29.7%であり、これはオリゴマー化度21.4%に相当する。次いで触媒を、ジブチルホスフェート0.38g(1.8mmol)を添加することにより失活させ、得られた無色透明の混合物から過剰のジイソシアネートを、実施例1に記載するように薄膜蒸留により除去する。こうして高粘性の実質的に無色のウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量16.9%、モノマーIPDI含有量0.4%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)8を有する。13C-NMR分光法によるウレトジオン構造対イソシアヌレート構造のモル比は、98.8:1.2である。 比較例1(EP-A 371 744 に従う) イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、室温での乾燥窒素下で攪拌しながら、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)触媒20g(2%)と混合する。20時間後、NCO含有量28.7%を有する(これはオリゴマー化度22.6%に相当する)淡黄色の反応混合物から、あらかじめ触媒毒を添加せずに、温度160℃および圧力0.3mbarでの薄膜蒸留により揮発成分を除去する。こうして高粘性の淡黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.8%、モノマーIPDI含有量0.3%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)65を有する。13C-NMRスペクトルによれば、生成物にはイソシアヌレート構造は無い。 比較例2(EP-A 896 973 に従う) イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、室温での乾燥窒素下で攪拌しながら、連続してトリイソデシルホスファイト安定剤10g(1%)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)触媒10g(1%)と混合する。20時間後、NCO含有量30.4%を有する(これはオリゴマー化度18.0%に相当する)淡黄色の反応混合物から、あらかじめ触媒毒を添加せずに、温度160℃および圧力0.3mbarでの薄膜蒸留により揮発成分を除去する。こうして高粘性の黄色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.5%、モノマーIPDI含有量0.4%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定した色数(APHA)23を有する。 比較例3(EP-A 735 027 に従う) イソホロンジイソシアネート(IPDI)1000g(4.50mol)を、室温での乾燥窒素下で攪拌しながら、連続してトリフェニルホスファイト安定剤20g(1%)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)触媒20g(1%)と混合する。20時間後、NCO含有量28.8%を有する(これはオリゴマー化度20.8%に相当する)淡黄色の反応混合物から、あらかじめ触媒毒を添加せずに、温度160℃および圧力0.3mbarでの薄膜蒸留により揮発成分を除去する。こうして高粘性の黄-茶色ウレトジオンポリイソシアネートが得られ、これは、遊離NCO基含有量17.2%、モノマーIPDI含有量0.4%、および10%濃度の塩化メチレン溶液で測定したHAZEN色数47を有する。 比較例により、本発明の二量化法は、先行技術の既知の方法よりかなり少ない量だけ、触媒を必要とし、一方でかなり低い色数を有する生成物を生ずることが示される。 実施例8:ウレトジオン粉末塗料硬化剤の製造(EP-A 639 598 に従う使用) 熱滴定によればウレトジオン基含有量19.2%を有する実施例1からのIPDIウレトジオンポリイソシアネート350.0g(1.47当量)を、乾燥窒素下で容器に装填し、80℃に加熱する。次いで30分間で、市販のε-カプロラクトンポリエステルジオール(1,4-ブタンジオールから出発して製造、OH価280mg KOH/gを有する、Capa(商標) 203、Solvay)176.0g(0.88当量)、1,4-ブタンジオール19.8g(0.44当量)および2-エチル-1-ヘキサノール19.5g(0.15当量)の混合物を添加し、反応混合物を最大100℃の反応温度で、約4時間後にそのNCO含有量が0.8%の値に低下するまで攪拌する。溶融物を金属板に注いで冷却して、無色固形樹脂の形態のウレトジオン基を有する重付加化合物が得られ、これは、粉末塗料架橋剤として適している。生成物の特性データは、以下のものである: NCO含有量:0.8% ウレトジオン基含有量(計算):11.9% 融点:81〜84℃ イソシアネート基の二量化を促進する触媒の存在下で、イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基の一部をオリゴマー化し、任意にオリゴマー化反応を所定のオリゴマー化度で触媒毒を添加することにより停止させ、および任意に未反応ジイソシアネート過剰分を抽出または薄膜蒸留で除去することによるウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法であって、使用するオリゴマー化触媒が、アニオン中に1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造(C2N3;分子量=66として計算)10〜100質量%を有する塩様化合物を含むことを特徴とする方法。