タイトル: | 特許公報(B2)_ウレトジオン、イソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオン構造を有する脂肪族ポリイソシアネートの製造方法 |
出願番号: | 2002589535 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C08G 18/79,C07D 251/34,C09D 175/04,C07B 61/00 |
フランク・リヒター ラインハルト・ハルパープ ユルゲン・ケッヒャー ハンス−ヨーゼフ・ラース JP 4029047 特許公報(B2) 20071019 2002589535 20020507 ウレトジオン、イソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオン構造を有する脂肪族ポリイソシアネートの製造方法 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 591063187 Bayer Aktiengesellschaft 青山 葆 100062144 柴田 康夫 100083356 森住 憲一 100104592 高山 繁久 100122345 フランク・リヒター ラインハルト・ハルパープ ユルゲン・ケッヒャー ハンス−ヨーゼフ・ラース DE 101 23 419.8 20010514 20080109 C08G 18/79 20060101AFI20071213BHJP C07D 251/34 20060101ALI20071213BHJP C09D 175/04 20060101ALN20071213BHJP C07B 61/00 20060101ALN20071213BHJP JPC08G18/79 AC07D251/34 LC09D175/04C07B61/00 300 C08G 18/00-87 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平11−152320(JP,A) 1 EP2002005000 20020507 WO2002092656 20021121 2004534870 20041118 18 20050419 久保田 英樹本発明は、ウレトジオン、イソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオン構造を有する脂肪族ポリイソシアネートの新規製造方法、そうして製造されたイソシアネート、並びにポリウレタンペイントおよび塗料を製造するためのその使用に関する。 イソシアネートのオリゴマー化は、ペイントおよび塗料分野において有利な性能特性を有する製品(例えば、一般に本文においてポリイソシアネートと称されるもの)を得るために、一般に二官能性の低分子量イソシアネートを変性するために実際上確立されている、以前から知られた方法である(J. Pract. Chem./Chem. Ztg. 1994, 336, 185-200)。 耐光性の非黄変性ペイントおよび塗料のために、脂肪族ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートを使用することが有用である。ここで用語「脂肪族」とは、モノマーのNCO基が結合している炭素原子を指す。言いかえれば分子構造は、芳香環を有し得るが、定義によりその芳香環はNCO基を有さない。 主としてこれまで遊離していたNCO基からのそれぞれのオリゴマー化反応において形成される構造種の性質に応じて、区別が、異なる生成物および方法の間でなされる。 知られているように、特に重要なものは、例えば DE-A 16 70 720 に記載されている式(理論構造)1で示されるウレトジオン構造を形成する二量化、および例えば EP-A 0 010 589 に記載されている式(理論構造)2で示されるイソシアヌレート構造を形成する三量化である。最後に記載したトリマーと同様に、例えば EP-A 0 798 299 の教示に従いイソシアヌレートを有する異性体生成物、即ち式(理論構造)3で示されるイミノオキサジアジンジオン構造を有する同様にトリマーの生成物を得ることができる。本文において両方の異性体トリマー、イソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオンを言及する場合、用語トリマーが一般に使用される。そうでなければ、正確な名称が選択される。R=異なる置換基 理論構造1〜3中のNCO基のさらなる反応による一反応工程での、全てのモノマージイソシアネート分子OCN-R-NCOの完全反応は、実際上、ペイントおよび塗料分野で使用するためには不適な高分子量で極端に高粘性またはゼラチン状の生成物につながるので、ペイント用ポリイソシアネートの触媒製造中の工業手順では、モノマーの一部だけを反応させ、さらなる反応を触媒毒(「停止剤」)を添加することにより抑制し、次いで未反応モノマーを分離する。その目的は、低モノマー含有ペイント用ポリイソシアネート樹脂の非常に低い粘度を備えることである。一方で同時に、できる限り少量の未反応モノマー画分を分離しなければならない。言いかえれば、反応における高転化率を目標とする。これは、次の処理工程における高い樹脂収率、良好なレベルの性質を有するポリイソシアネート樹脂と連携する。 脂肪族ジイソシアネートをベースとするダイマーは、トリマーよりもかなり低い粘度を有する。しかしながら反応度または樹脂収率とは無関係に、それらは、厳密に線状の構造、即ちNCO二官能性構造である。他方トリマーは、ポリマー中の高い架橋密度、その結果としての該ポリマーの良好な耐性のために必要なより高い官能価を有する。しかしながらそれらの粘度は、反応転化率の上昇につれ、非常に急速に上昇する。異性体イソシアヌレートと比べてイミノオキサジアジンジオンは、ポリイソシアネート樹脂の同じNCO官能価に対してかなり低い粘度を有するが(Proc. of the XXIVth Fatipec Conference, 8.-11. 1998年6月, Interlaken, CH, 第D巻, 第D-136〜137頁参照)、ウレトジオンの粘度レベルは達成されない。 実際上、反応にその名前が与えられている生成物の形成(二量化に対してダイマー、三量化に対してトリマー)は、各場合にほとんど常に、他の反応生成物の形成を伴う(二量化の場合のトリマー、三量化の場合のウレトジオン)。しかしながらそれら画分は、各場合で小さい。 即ち、例えば DE-A 16 70 720 の教示(トリアルキルホスフィン触媒二量化、比較例1も参照)に従い得ることができるポリイソシアネート中には、トリマーも常に存在する。それら画分は、より高い転化率(転化率に依存する選択性)および温度上昇により幾分上昇し得る。しかしながら後者の場合、カルボジイミドおよびその下流生成物、特にウレトンイミンが、同時に増加した程度で形成される。脂肪族ポリイソシアネート技術においてそのような生成物により担われる負の部分(不良なモノマー安定性がその具体例である)は、既に充分によそで取り扱われている(EP-A 798 299、第4頁第42行〜第5頁第15行)。それゆえその形成は、あらゆる場合で望ましくなく、そのようなポリイソシアネートの幅広い信頼できる使用の障害になっている。一般に、DE-A 16 70 720 に従い製造されるカルボジイミドおよび/またはウレトンイミンフリープロセスの生成物中におけるウレトジオンのモル分率は、60%を超える。表示「モル%」は、本文において別の明示が無い限り常に、各モノマーのそれまで遊離していたNCO基の変性反応(オリゴマー化)により形成される構造種の合計を参照する。モル分率は、例えばNMR分光測定により得ることができる(実施例参照)。 例えば EP-A 57 653、EP-A 89 297、EP-A 187 105、EP-A 197 864 および WO 99/07765(比較例2も参照)に記載されているN-シリル化合物を用いる脂肪族ジイソシアネートのオリゴマー化は、トリマー対ウレトジオンの逆の画分を有するホスフィン触媒作用に対して、いわば良く似たものを表す。この欠点は、一方で、触媒作用の選択性が転化率に高度に依存し、ポリイソシアネート中のウレトジオン画分は転化率の上昇につれ急速に低下することであり、他方で、樹脂中のイミノオキサジアジンジオン画分が非常に低いことである。それは、常に5モル%よりずっと少ない。WO 99/07765 の教示によれば、熱誘導、即ち未触媒、またはなお良好には自己触媒され、シリルアミン触媒三量化より先に起こるウレトジオン形成によって、段階的変性が可能である。しかしながらこの手順は、上記シリルアミン触媒作用の一般的欠点を有するだけでなく、ウレトジオンの熱誘導形成が遅く、工業的に、特に比較的高いウレトジオン画分を目標とする場合に許容できない長さの全反応時間につながるという欠点も有する。WO 99/07765 の方法の生成物中におけるウレトジオンモル分率は、30%を超えない。 EP-A 798 299 の教示に従い得ることができる生成物、即ちイソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオン構造の合計を基準に高いイミノオキサジアジンジオン構造画分を有するトリマー中のウレトジオン画分は、同様に低い(<<20モル%)。この反応の選択性もまた、転化率および温度に依存する。 非常に低い粘度で非常に高いNCO官能価を有するペイント用ポリイソシアネートを得るための該技術の方法の最良水準は、以下のように特徴づけられる: 1. 三量化反応を、非常に低い転化率で停止させる。なぜならその時点で、分子中に1つよりも多くのイソシアヌレート環を有する比較的高分子量の、粘度上昇の原因となる種の合成が、まだそれほどはるかに進んでいないからである。または 2. ウレトジオン種のポリイソシアネートを、トリマー樹脂とブレンドする。ここでのウレトジオン成分は、いわば反応性希釈剤である。 しかしながら両方の方法は、特別な欠点を有する。即ち、最初に述べた方法の場合では、樹脂収率が非常に低く、これは、方法の技術的問題(大量のモノマーの分離)と共に、経済的欠点(空間-時間収率)および環境的欠点(エネルギー消費)を生ずる。異なる膜形成樹脂をブレンドする場合、追加のプロセス工程という一般的欠点に加えて、ダイマーの製造中になお、理論構造1のNCO基にさらなるモノマー分子が引き続き付加反応(ポリマー鎖の形成)した後での分子量増成の結果として、トリマーの場合のようにそれほど大きな程度ではない場合でさえ(オリゴマー合成の星形発達)、比較的高い転化率で粘度上昇が生ずることは心に留めておく必要がある。その結果、反応性希釈剤として適したダイマー樹脂は、同様に、比較的低い樹脂収率で製造される。 それゆえ本発明の目的は、脂肪族ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートを製造する方法を提供することであり、該ポリイソシアネートは、トリマー構造に加えて、高画分のウレトジオン構造を有し、一反応工程で、即ち触媒反応の前後において、例えば異なる樹脂の物理的ブレンド、反応前の加熱などのような工程無しで製造され、その構造組成、即ちウレトジオン、イソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオン構造の相互に対するモル比は、転化率にそれほど依存せず、高いNCO官能価および樹脂収率と組合せた低い生成物粘度を特徴とする。 この目的は、本発明に従い、脱プロトン化1,2,3-およびまた1,2,4-トリアゾールの群からの塩様化合物を触媒として、モノマー脂肪族イソシアネートのオリゴマー化のために使用することにより達成されることを見出した。 1,2,3-およびまた1,2,4-トリアゾールの群からの塩様化合物(トリアゾレート)の脂肪族イソシアネートに対する効果は、第1にイソシアヌレート構造の発生に加えて同時に、かなりの程度で後者異性体のイミノオキサジアジンジオン構造の形成につながり、第2にその状況で、生成物中において高いウレトジオン画分も形成されるという驚くべき観察に本発明は基づく。特に驚くべきことは、この反応の選択性、即ち異なる構造種の相互に対するモル比は、モノマー転化率に実質的に依存しないことである。 異なる種類のオリゴマー構造のそのような組合せを有する生成物は、該技術の一段階イソシアネートオリゴマー化法により得ることはできない。別の新しい特徴は、異なる構造種と相互との実質的に転化率に依存しないモル比が、ポリイソシアネート中の高いウレトジオン画分と共に得られることである。 まさに一般的には、イソシアネートオリゴマー化触媒の選択性について予測することはほとんど不可能である。ここで実験的研究を頼みにすることは、必要であり続ける。 N-Hおよび/またはN-アルキル基を有するニュートラルの複素環は、既にポリイソシアネート化学において紹介されているが、それらは、NCO基のブロック化剤(NH基含有誘導体、EP-A 0 741 157 参照)またはポリイソシアネートから製造されるペイントフィルムのUV誘導分解に対する安定剤(例えば、さらなるOH基を分子中に有する置換ベンゾトリアゾール、例えば DE-A 198 28 938、WO 99/67226 およびその中で引用されている文献参照)としての用途に、ほとんど専ら使用されている ここでの目的は、イソシアネート基のオリゴマー化ではなく、その代わりに、ポリウレタンポリマーまたはペイントの一成分加工および/または安定化を可能にするためのその熱可逆不活性化である。両方の場合で実際には、イソシアネート基のオリゴマー化は不都合であろう。発明を実施するための形態 本発明は、脂肪族ジイソシアネートの触媒反応による脂肪族ポリイソシアネートの製造方法を提供し、該方法は、触媒として、1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造(C2N3;分子量=66として計算)5〜97.1質量%をアニオン中に有する塩様化合物を使用することを特徴とする。 本発明は、さらに、この方法により得られたポリイソシアネートを提供し、ポリウレタンポリマーおよびポリウレタン塗料を製造するためのその使用を規定する。 本発明の方法により得ることができるポリイソシアネートを製造するために適当な出発物質は、基本的に、最初に示した定義の意味のあらゆる脂肪族イソシアネートを、個々でまたは相互の混合物として含む。例として、以下のイソシアネートのあらゆる部位異性体および立体異性体を挙げることができる:ビス(イソシアナトアルキル)エーテル、ビス-およびトリス-(イソシアナトアルキル)-ベンゼン、-トルエンおよび-キシレン、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(例えばヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、ヘプタンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート(例えばトリメチル-HDI、一般に2,4,4-および2,2,4-異性体の混合物、TMDI)およびトリイソシアネート(例えば4-イソシアナトメチルオクタン-1,8-ジイソシアネート)、デカンジイソシアネートおよびトリイソシアネート、ウンデカンジイソシアネートおよびトリイソシアネート、ドデカンジイソシアネートおよびトリイソシアネート、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、ビス(4-イソシアナトシクロへキシル)メタン(H12MDI)およびビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)。 本発明の方法により得ることができるポリイソシアネートを製造するための出発物質として、NCO基に加えて炭素骨格中に4〜20個の炭素原子を有し、該NCO基が第1級脂肪族炭素原子に結合している脂肪族ジイソシアネートを、特に使用することができる。 本発明の方法により得ることができるポリイソシアネートを製造するための出発物質として、もっぱら第1級NCO基を有する脂肪族ジイソシアネート、例えばHDI、TMDI、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(MPDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI、適切な場合に異性体混合物の形態)および/またはビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI、適切な場合に異性体混合物の形態)を使用することが好ましい。 単官能性イソシアネートの相対的な使用も同様に、特別な場合で可能であるが、好ましくはない。 本発明の方法において使用する出発イソシアネートの製造方法は、本発明の実施のために重要ではない。従って出発イソシアネートは、ホスゲンを使用してまたは使用せずに発生させたものであり得る。 本発明の方法において使用する触媒のいくつかは、例えばナトリウム塩として市販されている。代りに例えば、触媒活性アニオンに対してNa+以外の対イオンを使用する場合、その製造は、非常に容易に可能である。その詳細は、実施例において見出される。 使用する触媒は、一般式(I)および/または(II):〔式中、 R1、R2、R3およびR4は、同じまたは異なる基を表し、各場合に、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または20個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、 その中で R3およびR4は、相互に共同して、5員環の1,2,3-トリアゾレート環の炭素原子および任意にさらなる窒素原子または酸素原子と共に、3〜6個の炭素原子を有する縮合環を形成することもできる。〕で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する塩様化合物である。 触媒として、 式中のR1およびR2が、同じまたは異なる基を表し、各場合に、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または12個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示す、一般式(I)で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する塩様化合物、並びに、 式中のR3およびR4が、同じまたは異なる基を表し、各場合に、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または12個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、およびR3およびR4が相互に共同して、5員環の1,2,3-トリアゾレート環の炭素原子および任意にさらなる窒素原子または酸素原子と共に、3〜6個の炭素原子を有する縮合環を形成することもできる、一般式(II)で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する塩様化合物を使用することが好ましい。 さらに、上記目的の意味での触媒活性、熱安定性および反応選択性に関し、オリゴマー化されるイソシアネートまたは所望の反応条件に対して、アニオンの最適「設計」を5員環の複素環上の適切な置換基により適応させることもできる。本発明のポリイソシアネートを製造するために適している触媒は、一般的に言えば、トリアゾレートアニオンを有する塩様触媒であり、それは、環窒素原子に結合している少なくとも1個のツェレビチノフ活性水素原子が、ニュートラルのトリアゾール形態中に存在することが必要である。触媒のベースとなるこれらのNH-含有トリアゾールの例は、一方で親構造物1,2,3-トリアゾールおよびまた1,2,4-トリアゾール、およびまた1つまたは両方のC-結合H原子を未置換または(O-、N-、S-、ハロゲン-)置換アルキルまたはアリール基で置き換えることにより誘導される置換誘導体、例えば4-クロロ-5-カルボメトキシ-1,2,3-トリアゾール、4-クロロ-5-シアノ-1,2,3-トリアゾールまたは3,5-ジブロモトリアゾールである。最後に、1,2,3-トリアゾールの場合、2つの隣接C原子は、次いで縮合環系の一部であり得、該系は、任意にさらなるへテロ原子(O、N、S)を含有する。そのような例は、1,2,3-ベンゾトリアゾールおよび置換1,2,3-ベンゾトリアゾール、例えば5-フルオロ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-ニトロ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メトキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-テトラフルオロエトキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロチオ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1,2,3-ベンゾトリアゾール、4-トリフルオロメトキシ-5-クロロ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、および複素環式縮合1,2,3-トリアゾール、例えば異性体ピリジノトリアゾール、例えば1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン(以下の文中でピリジノトリアゾールと略する。)およびアザプリンである。 本発明の方法において使用する好ましい触媒は、1,2,4-トリアゾールの塩、1,2,3-トリアゾールの塩、1,2,3-ベンゾトリアゾールの塩および/またはピリジノトリアゾールの塩である。 上記化合物は、主として、実際上紹介されている文献から既知の物質である。フッ素含有誘導体の合成は、例えば DE-A 43 02 461 に記載されている。 本発明の方法に使用される触媒のカチオンは、実質上異なり得る。触媒または失活中に生じたその下流生成物を、オリゴマー化反応の後で生成物から分離することが望ましい場合、極性高電荷の対イオン、例えばアルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンを使用することが有利であり得る。反応に使用するイソシアネート(混合物)中およびまたポリイソシアネート樹脂中における触媒の非常に均一な分布が望ましい場合、この目的のために親油性の典型物、例えばアンモニウム種またはホスホニウム種が選択される。例えば後者は、問題無く簡単に、ナトリウムトリアゾレートおよびオニウムクロリドを、好ましくは塩化ナトリウムに対して良好ではない溶媒中で組合せ、この理由により塩化ナトリウムは沈殿し、濾過およびその後の濃縮により生成物を所望の濃度および純度にすることにより、製造することができる。後者の処理工程において、初期にはなお溶解形態である塩化ナトリウムの残留物は、同様に沈殿し、濾過することができる。この目的のために適当なオニウムクロリドの例は、テトラ-メチル-、-エチル-、-プロピル-、-ブチル-、-ヘキシル-および-オクチル-アンモニウムクロリド、また種々の置換基を有するアンモニウム塩、例えばベンジル-トリメチルアンモニウムクロリドまたはメチル-トリアルキルアンモニウムクロリド(この中でアルキルは、直鎖または分枝C8〜C10基を表す。)(商品名、例えば Aliquat(商標)または Adogen(商標))およびまた、テトラ-エチル-、-プロピル-、-ブチル-、-ヘキシル-および-オクチル-ホスホニウムクロリド、また種々の置換基を有するホスホニウム塩、例えばアルキル-トリエチル、-トリブチル-、-トリへキシル-、-トリオクチル-および/または-トリドデシルホスホニウムクロリド(この中でアルキルは、直鎖または分枝C4〜C20基を表す。)(商品名、例えば Cyphos(商標)、例えばCyphos(商標) 443、Cyphos(商標) 3453、Cyphos(商標) 3653など)である。 本発明の方法は、出発(ジ)イソシアネート/混合物の使用質量および触媒の使用質量を基準に5ppm〜5質量%の間、好ましくは10ppm〜1質量%の間の触媒濃度を使用して行われる。 本発明の方法において用いる触媒を、無溶媒または溶液で使用することができる。適当な溶媒は、基本的に、触媒が分解せずに溶解し、イソシアネートと全く反応しないか、または反応してポリウレタン化学で通例の未崩壊の下流生成物、例えば尿素、ビウレット、ウレタンおよびアロファネートしか形成しない、あらゆる物質を含む。触媒溶媒を使用する場合、溶媒として、使用するジイソシアネート出発成分と反応して、ポリウレタン化学で通例の下流生成物を形成し、それゆえ反応後に分離する必要が無い反応性化合物を使用することが好ましい。そのような溶媒は、任意に1つよりも多いOH基および1〜20個の炭素原子を有し、任意にさらなるヘテロ原子、好ましくは酸素を分子中に有する直鎖または分枝アルコールを含む。例として、メタノール、エタノール、1-および2-プロパノール、異性体のブタノール、2-エチルヘキサノール、2-エチル-1,3-ジオール、1,3-および1,4-ブタンジオール並びに1-メトキシ-2-プロパノールを挙げることができる。上記触媒を、非常に濃縮した溶液でまさに使用することができ、出発物質中における自発架橋形成をほとんどなお誘導させないことが、特に有利である。 所望の転化率に達した後にさらなる反応を防ぐため(「停止」)に適当なものは、該技術水準の既知の方法であり、例えば抽出または濾過による触媒の除去(後者は、所望により不活性担体物質への吸着結合後に行われる。)、熱失活によるおよび/または化学量論量(不足当量)の酸または酸誘導体、例えば塩化ベンゾイル、塩化フタロイル、亜ホスフィン酸、亜ホスホン酸および/または亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸および/またはリン酸、および最後に挙げた6種類の酸のエステル、硫酸およびその酸のエステルおよび/またはスルホン酸を添加することによる触媒系の失活である。 方法の1つの特定実施態様により、本発明のポリイソシアネートを、連続的に、例えば管状反応器内で製造することができる。 本発明の方法は、触媒オリゴマー化反応の上流または下流の修正工程、例えば触媒添加前の出発(ジ)イソシアネートの熱活性化、またはその後の異なる樹脂のブレンド無しで稼動する。 本発明の触媒反応は、非常に広い温度範囲内で行うことができる。通常の反応温度は、0℃を超える。好ましくは、20〜100℃、より好ましくは40〜90℃で操作する。 本発明の方法の生成物を、該技術水準の通常の方法、例えば薄膜蒸留、抽出、結晶化および/または分子蒸留により分離および精製することができる。それらは、無色またはかすかにのみ色付いた液体または固体として得られる。 固体ポリイソシアネートは、脂環式ジイソシアネートを出発物質として本発明の方法において使用した場合に一般に得られる。これらの固体は、通常、以下で掲げるペイント溶媒に溶解する。所定の濃度に対してこれらの溶液は、優勢的にイソシアヌレート基を有する脂環式ジイソシアネートの対応するポリイソシアネート溶液よりも低い粘度を有する。 本発明の方法に従い製造した生成物は、ポリマー、例えば発泡または未発泡プラスチック、およびまたペイント、塗料物質、接着剤および補助剤を製造するための多様な使用可能性を有する出発物質を構成する。 それらは、適切な場合にNCOブロック形態で、トリマー種のポリイソシアネートと比べて減少した粘度と他の等しく高いまたは向上した特性プロフィルとの組合せの故に、一成分および二成分ポリウレタンペイントを製造するために特に適している。この目的のためにそれらを、単独で、または適切な場合に該技術水準の他のイソシアネート誘導体、例えばその遊離NCO基がブロック化剤により失活されていても良いウレトジオン、ビウレット、アロファネート、イソシアヌレート、ウレタンおよびカルボジイミドポリイソシアネートと組合せて使用することができる。 得られたポリマーおよび塗料は、該技術水準の確立された系に典型的な特性プロフィルを有する極めて有用な生成物である。 例えば2K(即ち二成分)塗料中の架橋成分として使用する場合、本発明の方法の生成物は、2Kポリウレタン系から自体既知のOHおよび/またはNH成分、例えばヒドロキシ官能性のポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、および多官能性アミンと一般に組み合わされる。代りにそれらを、例えば(比較的に)湿分硬化性のプラスチックおよび塗料を製造するために、一成分形態で使用することができる。 本発明の方法に従い製造した生成物およびさらなる結合成分、並びにさらに使用し得る塗料溶媒または塗料溶媒混合物、例えばトルエン、キシレン、シクロヘキサン、クロロベンゼン、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、アセトン、ホワイトスピリット、より高置換の芳香族化合物(Solventnaphtha(商標)、Solvesso(商標)、Shellsol(商標)、Isopar(商標)、Nappar(商標)、Diasol(商標))の他に、さらなる助剤および添加剤、例えば湿潤剤、均展剤、皮張り防止剤、消泡剤、艶消剤、粘度調整剤、顔料、染料、UV吸収剤、触媒、熱および酸化の影響に対して作用する安定剤も、塗料中に使用することができる。 本発明に従い製造したイソシアネートは、好ましくは、ポリウレタンプラスチックおよびポリウレタン塗料を製造するために、または多様な物質、例えば木材、プラスチック、皮革、金属、紙、コンクリート、石積み、セラミックおよび織物を処理するための補助剤として役立ち得る。 全ての割合(%)は、他の記載がない限り、質量割合(%)であると理解すべきである。 実施例および比較例において記載した樹脂のNCO含有量は、DIN 53 185 に従う滴定により測定する。 動的粘度を、Haake からの PK 100 コーンプレート測定装備を備えた VT 550 粘度計を使用して23℃で測定した。異なる剪断速度の測定により、記載した本発明のポリイソシアネート混合物およびまた比較生成物のレオロジーが、理想ニュートン流体のレオロジーに相当することを確保した。従って、剪断速度の記載は不必要である。 モル%の表示または異なる構造種の相互に対するモル比の表示は、NMR分光測定に基づく。他の明記が無い限りそれは、常に、それまで遊離していたNCO基からの変性反応(オリゴマー化)により形成された構造種の合計に関する。Bruker DPX 400 装置で、乾燥CDCl3中の約5%濃度(1H-NMR)または約50%濃度(13C-NMR)の試料について、400MHz(1H-NMR)または100MHz(13C-NMR)の周波数で測定する。ppmスケールのために選択した参照は、0ppmの1H-化学シフトを有する溶媒中における少量のトリメチルシラン(1H-NMR)、または77.0ppmのシフトを有する溶媒自身(CDCl3)(13C-NMR)を含む。該化合物の化学シフトのデータは、文献(Die Angewandte Makromolekulare Chemie 1986, 141, 173-183 およびその中に引用されている文献)から得られるか、またはモデル物質の測定により得られた。メチルイソシアネートから、Ber. d. dtsch. Chem. Ges. 1927, 60, 295 に記載されている方法にならう方法により得ることができる3,5-ジメチル-2-メチルイミノ-4,6-ジケト-1,3,5-オキサジアジン(イミノオキサジアジンジオン種のメチルイソシアネートトリマー)は、以下のNMR化学シフト(ppm)を有する:3.09;3.08および2.84(1H-NMR、CH3)、およびそれぞれ148.3;144.6および137.3(13C-NMR、C=O/C=N)。脂肪族ジイソシアネート、例えばHDIから形成されるイミノオキサジアジンジオンは、非常に似たC=O/C=N環原子の13C-NMR化学シフトを有し、それ自体、他の下流イソシアネート生成物から疑い無く区別することができる。 反応体としてHDIを例として用いて、反応の大部分を行う。これは、本発明の利点を説明するためだけであり、本発明の限定を、記載した系および反応条件に含意させることは意図していない。 触媒調製 ナトリウム-1,2,4-トリアゾレートは、Aldrich から市販されている。またはこれを、例えばナトリウムメトキシドNa+MeO-のメタノール溶液を使用して1,2,4-トリアゾールを脱プロトン化することにより、製造することができる。このようにして得られるナトリウム塩のメタノール溶液を、それ自体で、適切な場合にあらかじめ塩を再結晶した後に、触媒作用のために使用し、さらに、アゾレートアニオンの対イオンとしてNa+ではないカチオンを有する触媒系を製造するために使用する。NH-酸性でニュートラルの化合物と、他のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシドまたはヒドロキシド(Li、K、NH4、Mgなど)とを反応させることにより、さらなる触媒系を発生させることができ、これは、本発明の反応において使用することができ、および上記のアルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオンではないカチオンをアゾレートアニオンに対する対イオンとして有する触媒系を製造するためにも使用し得る。 例として、以下にテトラブチルホスホニウム誘導体の合成を記載する。他のアルカリ金属誘導体、テトラアルキル-アンモニウム誘導体およびまたテトラアルキル-ホスホニウム誘導体は、全く類似する方法により得られる。 テトラブチルホスホニウム1,2,4-トリアゾレート 機械的攪拌機、内部温度計および還流冷却器を備え、不活性ガスユニット(窒素)に接続されている三ツ口フラスコ攪拌装置内で、30%濃度のナトリウムメトキシドのメタノール溶液(Aldrich)0.1mol(18g)を、室温で、メタノール20ml中に溶解した1,2,4-トリアゾール(Aldrich)0.1mol(6.9g)に滴下して加える。添加完了時に、混合物を室温で1時間攪拌し、次いで71.4%濃度のテトラブチルホスホニウムクロリドBu4P+Cl-のイソプロパノール溶液(Cyphos(商標) 443P、Cytec)0.1mol(41.3g)を滴下して加える。塩化ナトリウムの沈殿が、テトラブチルホスホニウムクロリド溶液の最初の数滴を添加した直後に始まる。添加完了時に、混合物を室温で1時間攪拌し、濾過し、濾液を、ロータリーエバポレーター(バス温度<50℃、約1mbar)で濃縮する。残留物を再び濾過し、得られた透明で実質的に無色の液体を、フェノールフタレインに対して0.1NのHClで滴定する。そのテトラブチルホスホニウム-1,2,4-トリアゾレート含有量は73%に達する。所望の濃度を、さらにメタノールおよび/または他の触媒溶媒を添加することにより設定する。表 I に掲げたアルコールに加えて、溶液は、一般に上記合成からの少量のメタノールを含有する。 1,2,3-トリアゾレート、ベンゾトリアゾレートなどをベースとするさらなるアゾレート系は、N-H基を有するニュートラルの親化合物から、全く類似する方法で得られる。活性触媒含有量を、処理後に、0.1NのHClを用いる簡単な酸滴定により測定する。実施例で使用する触媒の概観は表 I で見出される。 実施例1 HDIポリイソシアネートの製造(本発明) 各場合、新たに蒸留したHDI 200g(1.19mol)を、溶解ガスを除去するため、まず60℃および減圧下(0.1mbar)で1時間攪拌し、次いで乾燥窒素でガスシールし、攪拌しながら表 II に「min」として示される温度にする。次いで表 II に示す触媒を、1〜2℃の温度上昇により明らかにわかる反応が開始するまで、滴下して加える。触媒および反応条件の情報は、表 II で見出すことができる。屈折率n20Dにより検出される所望の転化率に達した後、表 II に示す停止剤を各場合に使用した触媒量に対して化学量論量で添加することにより、さらなる反応を中断させる。次いで粗生成物から、未反応モノマーを0.5%未満の残留含有量まで、短行程蒸発機内における120℃/0.1mbarの薄膜蒸留により除去する。次いで生成物の組成を、始めにその構造組成のために記載したように分析する。ガスクロマトグラフィーにより測定される残留モノマー含有量は、全ての本発明により製造した生成物で0.5%未満であり、室温または乾燥オーブン内50℃のいずれで貯蔵した場合でさえ、3月にわたり0.5%を超える値には上昇しない。選択した分析結果および計算結果を、表 II にまとめる。ウレトンイミンは生成物で検出されない。 実施例2 様々な転化率を有するHDIポリイソシアネートの製造(本発明) 実施例1に記載した手順を、触媒溶液7を使用して繰返した。反応中、6つの試料(それぞれ1〜2g)を、ゲル化点に達する直前まで採り、約100%過剰のジ-n-ブチルホスフェートで停止させる。転化率を測定するために、未反応モノマー量をガスクロマトグラフィーにより測定する。形成した構造種のモル比を、約80%濃度のCDCl3溶液における13C-NMR分光法により分析する。それは実質的に、記載した転化率範囲で変化を示さない。ウレトンイミンは検出されない(表 III 参照) 実施例3 H6XDIポリイソシアネートの製造(本発明) 1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6-XDI、Aldrich)100g(0.51mol)を、実施例1に記載するようにまず前処理し、次いで内部温度90℃でナトリウムベンゾトリアゾレート0.045mmol(触媒溶液9)を添加することによりオリゴマー化させる。反応中、6つの試料(それぞれ1〜2g)を、ゲル化点に達する直前まで採り、約100%過剰のジ-n-ブチルホスフェートで停止させる。未反応モノマー量をガスクロマトグラフィーにより測定する(第1の試料:71.2%、第6の試料に達するまで:43.3%、連続的に低下する)。形成した構造種のモル比を、約80%濃度のCDCl3溶液における13C-NMR分光法により分析する。それは実質的に、記載した転化率範囲で変化を示さない。ウレトンイミンは検出されない。 実施例4 TMDIポリイソシアネートの製造(本発明) 1,6-ジイソシアナト-2,2(4),4-トリメチルヘキサン(TMDI、Aldrich)100g(0.48mol)を、オリゴマー化し、実施例3と全く同様に分析する(5つの試料、モノマーの71.2%の間で転化率範囲は、第5の試料に達するまで、連続的に35.1%までに低下する)。形成した構造種のモル比を、約80%濃度のCDCl3溶液における13C-NMR分光法により分析する。それは実質的に、記載した転化率範囲で変化を示さない。ウレトンイミンは検出されない。 実施例5 使用例 実施例1hに従い得られたポリイソシアネート10gを、まず酢酸ブチル中10%濃度のジブチルスズジラウレート溶液50mgと混合し、次いでヒドロキシル含有アクリレート(スチレン40%、ヒドロキシエチルメタクリレート34%、酢酸ブチル25%およびアクリル酸1%から製造、OH含有量(DIN 53 240)3%、酸価(DIN 53402)8および23℃での粘度3600mPas(70%濃度の酢酸ブチル溶液)を有する)24.7gと混合し(NCO:OH比=1.1:1)、120μmの膜でガラス板に適用し、60℃で30分間強制乾燥に付す。これにより、透明で高光沢の塗膜が生じ、これは、MEKでの100複の摩耗後で損傷を示さず、硬度HBの鉛筆で刻み目をつけることができない。 比較例(本発明ではない) 比較例1 ホスフィンの触媒作用(DE-A 16 70 720 参照) 1a)〜1c) 各場合、新たに蒸留したHDI 200g(1.19mol)を、溶解ガスを除去するため、まず60℃および減圧下(0.1mbar)で1時間攪拌し、次いで乾燥窒素でガスシールし、a)60℃、b)120℃およびc)180℃で、各場合にトリ-n-ブチルホスフィン(Cytop(商標) 340、Cytec)3g(14.8mmol)と混合し、窒素雰囲気下における粗溶液が表 IV に示す屈折率を有するまで、反応を行った。次いでさらなる反応を、各場合にメチル-p-トルエンスルホネート4g(26mmol)を添加することにより停止させ、このために引き続き攪拌を、各場合にもはや混合物の屈折率に変化がなくなるまで80℃で約1時間行った。次いで粗生成物から、未反応モノマーを短行程蒸発機内における120℃/0.1mbarの薄膜蒸留により除去する。次いで生成物の組成を、形成された構造種に関して13C-NMRにより測定する。残留モノマー含有量を、ガスクロマトグラフィーにより測定する。それを再び、室温(20〜25℃)で3週間の貯蔵、次いで乾燥キャビネット内において50℃で2週間の貯蔵後に測定する。選択した分析結果および計算結果を、表 IV にまとめる。 1d) 各場合に表 IV に示す粗生成物の屈折率値のために、反応混合物の既知小量を採り、対応する既知小量のメチル-p-トルエンスルホネートで上記のように停止させ、異なる転化率を有するこれらの画分を別々に分析する(表 IV における例1d-1〜1d-7)こと以外は、反応を1a)で示したように行う。残りの反応混合物の主画分を、1.4913の屈折率に達した際に上記のように停止させ、処理し、分析する(1d-8)。選択した分析結果および計算結果を、表 IV にまとめる。 直ぐにわかるように、ホスフィン触媒作用の場合における生成物組成は、その転化率および反応温度にひどく依存する。特別な欠点は、比較的高い反応温度におけるウレトンイミンの形成である。 比較例2 N-シリル化合物の触媒作用(EP-A 57 653 参照) 各場合、新たに蒸留したHDI 200g(1.19mol)を、溶解ガスを除去するため、まず60℃および減圧下(0.1mbar)で1時間攪拌し、次いで乾燥窒素でガスシールし、表 V に示す温度で、表 V に示す量のヘキサメチルジシラザン(HMDS)と、粗溶液の屈折率が表 V に示すものと同じになるまで、表 V に示す時間で攪拌する。次いで使用したHMDS量に対し化学量論量の奪活剤(「停止剤」、表 V 参照)を添加し、記載した温度で1時間攪拌を続け、生成物を薄膜蒸留で処理し、始めに上で記載したように分析する。 直ぐにわかるように、ウレトジオン構造対イソシアヌレート構造の比は、転化率にひどく依存し、非常に似た実験条件の場合でさえ、少なくとも研究室での実験において、再現することは困難である。イミノオキサジアジンジオンは、NMR分光法により樹脂中でやっと検出可能(1モル%未満)である。 本発明の好ましい態様を以下に示す。[1]脂肪族ジイソシアネートの触媒反応によるポリイソシアネートの製造方法であって、触媒として、1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造(C2N3;分子量=66として計算)5〜97.1質量%をアニオン中に有する塩様化合物を使用することを特徴とする方法。[2]触媒として、一般式(I)および/または(II):〔式中、 R1、R2、R3およびR4は、同じまたは異なる基を表し、各場合に、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または20個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、 その中で R3およびR4は、相互に共同して、5員環の1,2,3-トリアゾレート環の炭素原子および任意にさらなる窒素原子または酸素原子と共に、3〜6個の炭素原子を有する縮合環を形成することもできる。〕で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する塩様化合物を使用することを特徴とする、[1]に記載の方法。[3]触媒として、式中のR1およびR2が、同じまたは異なる基を表し、各場合に、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または12個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示す、一般式(I)で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する塩様化合物を使用することを特徴とする、[1]または[2]に記載の方法。[4]触媒として、式中のR3およびR4が、同じまたは異なる基を表し、各場合に、水素原子、フッ素、塩素若しくは臭素の群からのハロゲン原子、またはニトロ基、飽和若しくは不飽和の脂肪族若しくは脂環式基、または12個までの炭素原子および任意に酸素、硫黄、窒素の群からの3個までのヘテロ原子を有することができ、任意にハロゲン原子若しくはニトロ基により置換され得る、任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示し、並びにR3およびR4が相互に共同して、5員環の1,2,3-トリアゾレート環の炭素原子および任意にさらなる窒素原子または酸素原子と共に、3〜6個の炭素原子を有する縮合環を形成することもできる、一般式(II)で示されるトリアゾレート構造をアニオン中に有する塩様化合物を使用することを特徴とする、[1]または[2]に記載の方法。[5]触媒として、1,2,4-トリアゾールの塩、1,2,3-トリアゾールの塩、1,2,3-ベンゾトリアゾールの塩および/またはピリジノトリアゾールの塩を使用することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。[6]カチオンとして、アルカリ金属、アルカリ土類金属および/または一般式(III):〔式中、 Eは、窒素またはリンを表し、 R5、R6、R7およびR8は、同じまたは異なる基を表し、それぞれ、飽和脂肪族若しくは脂環式基、または18個までの炭素原子を有する任意に置換されていてもよい芳香族若しくは芳香脂肪族基を示す。〕で示される一価のアンモニウムおよび/またはホスホニウムカチオンを含有するオリゴマー化触媒を使用することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。[7][1]に記載の方法により得られるポリイソシアネート。[8]NCO基は第1級脂肪族炭素原子に結合しており、NCO基に加えて炭素骨格中に4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジイソシアネートから製造されることを特徴とする、[7]に記載のポリイソシアネート。[9]脂肪族ジイソシアネートのヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチル-HDI(TMDI)、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(MPDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)および/またはビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)から製造されることを特徴とする、[7]に記載のポリイソシアネート。[10]ポリウレタンポリマーおよびポリウレタン塗料を製造するための、[7]〜[9]のいずれかに記載のポリイソシアネートの使用。 脂肪族ジイソシアネートの触媒反応によるポリイソシアネートの製造方法であって、触媒として、環窒素原子に結合している少なくとも1個のツェレビチノフ活性水素原子がニュートラルのトリアゾール形態中に存在する、1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造(C2N3;分子量=66として計算)5〜97.1質量%をアニオン中に有する塩様化合物を使用することを特徴とする方法。