タイトル: | 特許公報(B2)_高純度イオヘキソールの製造方法 |
出願番号: | 2002581380 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 231/24,C07C 237/46 |
トゥルケッタ ステファーノ マッサルド ピエトロ アロマタリオ ヴァレンティーナ JP 4231293 特許公報(B2) 20081212 2002581380 20020409 高純度イオヘキソールの製造方法 ケミー ソシエタ ペル アチオニ 503375175 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 トゥルケッタ ステファーノ マッサルド ピエトロ アロマタリオ ヴァレンティーナ IT MI2001A000773 20010411 20090225 C07C 231/24 20060101AFI20090205BHJP C07C 237/46 20060101ALI20090205BHJP JPC07C231/24C07C237/46 C07C 231/24 C07C 231/16 C07C 237/46 特開昭53−021137(JP,A) 特開昭59−082355(JP,A) 特開平03−115232(JP,A) 特開平11−158136(JP,A) 特表2000−517312(JP,A) 特表2001−519320(JP,A) 12 IB2002001256 20020409 WO2002083623 20021024 2004525182 20040819 7 20050314 福島 芳隆 本発明は、イオヘキソールの精製方法に関する。 イオヘキソールは、非イオン性造影剤に分類される。イオパミドールと共に、イオヘキソールは、主として許容性(tolerability)の点において、他の造影剤を凌ぐ多くの利点を有するため、X線診断方法において最も使用される製品である。 X線検査は、一般に多量の製品(1患者当たり200gまで)が必要であることから、純粋であることが臨床医学的使用に必須であるといえる。 イオヘキソールの化学合成の最終段階は、米国特許第4250113号公報及びその後の特許文献に開示されており、アルカリ条件におけるアミドとアルキハイドライドジヒドロキシレートのアルカリアルキル化反応である。 これは、必然的にO−アルキル化された副生成物を生じるが、その副生成物は、イオヘキソールに似ているため、除去することが非常に困難である。 非常に沢山のイオヘキソールの精製方法が文献に記載されている。 米国特許第4250113号公報は、最終的な結晶化溶媒としてブタノールの使用を開示するが、前記技術は前記O−アルキレート類を除去するのに十分有効ではない。 欧州特許第919540号公報は、エタノール結晶化がO−アルキレート物質の含有量を減少できることを開示する。とはいっても、そこに示される実施例には、最良の場合で、O−アルキレート類の最初の含有量1.3%が0.55%まで減少したことが示されている。このように得られた精製値は、ヨーロッパ薬局方で定められている制限(0.6%)よりもわずかに低いだけである。 米国特許第5204086号は、i-PrOHでの結晶化は、わずか25〜30%のイオヘキソールからO−アルキレート不純物を除去するのに有効であることを開示する。 WO9808804号公報には、メトキシ−エタノールとメトキシ−エタノール及びイソプロパノールの混合物とがイオヘキソールの結晶化と最終段階の両方で使用されている。とはいっても、提供された実施例は、前記技術がO−アルキレート物質を除去するのにほとんど有効ではなく、O−アルキレート物質の初期値0.68%を0.51%まで減少させることを示している。さらに、メトキシ−エタノールは生殖系に害を与え、不妊及び胎児の奇形を引き起こす可能性がある。 実際問題として、容易で、確実で、かつ有効なイオヘキソール不純物、特にO−アルキレート類の除去方法にはいまだ大きなニーズがある。 この要求を満たそうとする研究の中で、単独又は任意に他の溶媒と混合した1−メトキシ−2−プロパノールが、パルピング処理(pulping teratments)と得られた懸濁液の更なる濾過、又は溶液結晶化により原料イオヘキソールから不純物、特にO−アルキレート類を除去するのに非常に有効であることが予期せず見出された。 特に、本発明において開示される方法は次の段階を含む。a)イオヘキソールを0.5から1000体積の量の1−メトキシ−2−プロパノールに添加すること;b)前記混合物を加熱して還流すること。溶媒比率が1:1〜1:50w/vのの範囲で使用される場合、懸濁液が得られる。そのほかの場合、溶媒量が前記範囲よりも多く使用されるときは、溶液が得られる。c)その混合物を室温まで冷却すること;d)懸濁液から得られ又は溶液結晶化による固体を濾過すること。 本発明の精製方法の目的は、得られた固体を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄する最終段階(e)をさらに含むこともできる。前記洗段階は、不純物の残渣含有量をさらに減少する。 製品(イオヘキソール)に含まれている、溶媒の僅かな残渣物をも除去するために、残留溶媒が共沸混合物として除去されるような方法で、製品(イオヘキソール)を水に溶解し、かつその水を蒸留により除去する。このような方法で、100ppmより低い残渣溶媒含有量が達成される。 前記精製方法は繰り返すことができる。 上記のように、本発明により1−メトキシ−2−プロパノールは他の溶媒と混合されることもでき、前記溶媒は好ましくはイソプロパノール及び水である。 好ましくは、本発明の製造方法が1−メトキシ−2−プロパノールと水の混合物を含む場合、段階(a)及び(b)は次のように実施される。a’)イオヘキソールを1−メトキシ−2−プロパノール中で懸濁し、かつ水を添加してイオヘキソールの溶解を促進すること;b’)1−メトキシ−2−プロパノールと共に共沸混合物蒸留により水を除去すること;、新たな1−メトキシ−2−プロパノールを添加して蒸留した1−メトキシ−2−プロパノールを置換すること;、得られた混合物を還流下で加熱すること。 換言すれば、30〜50質量%のイオヘキソールを含む水溶液から出発することができ、その水溶液には続いて1−メトキシ−2−プロパノールが添加される。この場合、本発明の方法は、好ましくは次のように実施される。a”)イオヘキソールの量に基づき、10から40体積の量の1−メトキシ−2−プロパノールを前記水溶液に添加すること;b”)採取される初留液が115〜120℃の範囲内になるまで前記溶媒を大気圧で蒸留し、得られた混合物を還流下で約4時間保持すること。 本発明による精製方法により、純度98%以上のイオヘキソールが得られ、O−アルキレート不純物の含有量は最初の含有量の55%から95%まで減少される。 別言すれば、最終生成物中のO−アルキレート残渣物の含有量は、最初の含有量より2〜14倍低い。 本発明は、以下に示される実施例を参照することによりさらに理解されるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。(実施例1) 2リットルの反応器に、1−メトキシ−2−プロパノール1000mlを次の組成:HPLC純度91%、O−アルキル化されたΣ不純物2.2%及び水0.1%を含む粗イオヘキソール200gに添加した。その混合物は還流され、その状態で4時間保持された。室温まで冷却した後、溶液から個体を濾過し、次いで1−メトキシ−2−プロパノール100mlで2回洗浄した。50℃で12時間、減圧乾燥した後、純度99%程度のイオヘキソール150gを得た。O−アルキル化された不純物の含有量は0.3%であった。(実施例2) 1−メトキシ−2−プロパノール31mlを純度91%及びO−アルキル化化合物2.2%を含む原料イオヘキソール5gに添加した。混合物を還流し、次いで水3mlを添加した。次いで溶媒5mlを蒸留し、1−メトキシ−2−プロパノール5mlと再混合した。3時間の還流の後、混合物を室温まで冷却し、固体を濾過し、溶媒3mlで2回洗浄した。50℃で減圧乾燥した後、純度99%程度のイオヘキソール3.8gを得た。O−アルキル化された不純物の含有量は0.15%であった。(実施例3) 製品15.6gを含むイオヘキソール溶液40gを500mlの反応器内に入れた。1−メトキシ−2−プロパノール290mlをその溶液に添加し、次いでその溶液を加熱し、初留温度である115〜120℃まで溶媒を蒸留した。混合物をそのような状態で4時間保持し、次いで室温まで冷却した。沈殿物を濾過し、1−メトキシ−2−プロパノール20mlで洗浄した後、取り出した。湿った生成物15.9g(乾燥イオヘキソール11.5g)を収率76%で得た。(実施例4) 純度94%程度及びO−アルキレート化合物2%を含むイオヘキソール5gを1−メトキシ−2−プロパノール50mlに懸濁した。混合物を還流し、その状態で5時間保持した。次いで、この混合物を室温まで冷却した。懸濁した固体を濾過し、1−メトキシ−2−プロパノール5mlで2回洗浄した。純度98.8%程度及びO−アルキル化された不純物0.4%を含むイオヘキソール3.3gが得られた。(実施例5) 91%程度の純度及びO−アルキル化された不純物3%を含むイオヘキソール試料4gを1−メトキシ−2−プロパノール20mlに懸濁した。混合物を6時間還流させた後、室温まで冷却した。固体を濾過した後、1−メトキシ−2−プロパノール3mlで2回洗浄した。湿った固体を1−メトキシ−2−プロパノール20mlに再懸濁し、還流し、その状態でさらに4時間保持した。次いで、混合物を再度室温まで冷却し、懸濁された固体を濾過した。1−メトキシ−2−プロパノール3mlで2回洗浄した後、50℃で12時間減圧乾燥して、純度99%程度及び含有量0.6%のO−アルキル化された化合物を含むイオヘキソール2.9gを得た。(実施例6) 純度94%程度及びO−アルキル化された不純物1.5%を含むイオヘキソール6gを1−メトキシ−2−プロパノール30mlに懸濁し、そこにイソプロパノール3mlを添加した。その混合物を還流させ、その状態で6時間保持し、次いで室温まで冷却した。得られた固体を濾過し、1−メトキシ−2−プロパノール5mlで2回洗浄した。50℃で12時間減圧乾燥した後、純度99%程度及びO−アルキル化された不純物0.3%を含むイオヘキソール4.2gを単離した。 1−メトキシ−2−プロパノールを用いたイオヘキソールの処理を含むイオヘキソールの精製方法。 1−メトキシ−2−プロパノールが他の溶媒と混合されて使用される請求項1に記載の精製方法。 前記他の溶媒が水及び/又はイソプロパノールである請求項2に記載の精製方法。 前記処理が、他の溶媒と混合されていてもよい1−メトキシ−2−プロパノール中に懸濁したイオヘキソールを還流温度まで加熱する熱パルピング、及び該熱パルピングにより得られた懸濁液の濾過により行われる請求項1又は2に記載の方法。 前記処理が、イオヘキソールの熱溶解及び該熱溶解により得られた溶液の冷却による結晶化により行われる請求項1又は2に記載の方法。 以下の段階を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。a)イオヘキソールを、イソプロパノールと混合されていてもよい1−メトキシ−2−プロパノールからなる溶媒であってイオヘキソールの質量部(1g)に対し、0.5mlから1000mlの体積の量の溶媒に添加することb)前記混合物を加熱して還流することc)前記混合物を室温まで冷却することd)得られた固体を濾過すること 前記溶媒の量がイオヘキソールの質量部(1g)に対し、1mlから50mlの体積の量であり、かつ加熱還流後に、懸濁液が得られ、その懸濁液が冷却濾過される請求項6に記載の方法。 前記溶媒の量がイオヘキソールの質量部(1g)に対し、50mlより多く1000ml以下の体積の量であり、かつ加熱還流後、溶液が得られ、その溶液の冷却後に、結晶化した生成物が得られ、次いで濾過される請求項6に記載の方法。 得られた固体を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄する段階(e)をさらに含む請求項6に記載の方法。 水が共溶媒として用いられる場合に、以下の段階を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。a')イオヘキソールを1−メトキシ−2−プロパノール中で懸濁し、かつ水を添加することb')前記反応混合物から水を蒸留し、新たな1−メトキシ−2−プロパノールを添加して水と共に共沸混合物として除去された1−メトキシ−2−プロパノールを置換し、かつ得られた混合物を還流下で加熱することc)前記混合物を室温まで冷却することd)得られた固体を濾過すること 前記濾過された生成物が水に溶解され、かつ水及び水−共沸混合物が100ppmより低い残留溶媒含有量に達するまで蒸留により除去される請求項10に記載の方法。 以下の段階を含む請求項1又は2に記載の方法。a")イオヘキソールの質量部(1g)に対し、10mlから40mlの体積の量の1−メトキシ−2−プロパノールを30〜50質量%のイオヘキソールを含む水溶液に添加することb")採取される初留液が115〜120℃の範囲内になるまで前記溶媒を大気圧で蒸留し、得られた混合物を還流下で保持すること