タイトル: | 公表特許公報(A)_タンパク質、そのタンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびこれらの使用方法 |
出願番号: | 2002568741 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12N15/09,A61K38/00,A61K39/395,A61K48/00,A61P1/04,A61P1/14,A61P3/04,A61P7/00,A61P9/00,A61P9/12,A61P11/06,A61P13/00,A61P15/00,A61P17/00,A61P17/02,A61P17/06,A61P17/14,A61P19/08,A61P19/10,A61P21/00,A61P25/00,A61P25/04,A61P25/08,A61P25/14,A61P25/16,A61P25/22,A61P25/24,A61P25/28,A61P29/00,A61P31/04,A61P31/10,A61P31/12,A61P31/18,A61P33/00,A61P35/00,A61P37/06,A61P37/08,C07K14/47,C07K14/705,C07K16/18,C07K16/28,C07K16/40,C12N1/15,C12N1/19,C12N1/21,C12N5/10,C12N9/02,C12N9/10,C12N9/14,C12N9/50,C12Q1/02,C12Q1/26,C12Q1/34,C12Q1/37,C12Q1/48,C12Q1/68,G01N33/15,G01N33/50,G01N33/53,C12P21/08 |
パディガル, ムラリダラ アルソブルック, ジョン ピー., ザ セカンド コールマン, スティーブン ディー. スパイテク, キンバリー エイ. ボルドッグ, フェレンク ヴァーネット, コリン エイ. エム. リ, リ シェノイ, サレシュ キャスマン, ステイシー グオ, シャオジア エディンガー, シュロミット マックドウガル, ジョン マルヤンカー, ウリエル エム. パッツラジャン, ミーラ シムケッツ, リチャード エイ. ペナ, キャロル トチャーネヴ, ヴェリザー ザーフーセン, ブライアン ディー. ミレット, イサベル ミラー, チャールズ イー. レプリー, デニス エム. スミスソン, グレンダ バウムガートナー, ジェイソン ハーマン, ジョン ペイマン, ジョン エイ. ゴーマン, リンダ メゼス, ピーター ケクダ, ラメシュ タウピアー, レイモンド ジェイ., ジュニア ガーラッチ, ヴァレリー グロッセ, ウイリアム エム. リウ, シャオホン エラーマン, カレン ローセンバーグ, マーク ストーン, デイビッド ジェイ. バージェス, キャサリン イー. JP 2005501516 公表特許公報(A) 20050120 2002568741 20020116 タンパク質、そのタンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびこれらの使用方法 キュラジェン コーポレイション 500056297 大塩 竹志 100107489 パディガル, ムラリダラ アルソブルック, ジョン ピー., ザ セカンド コールマン, スティーブン ディー. スパイテク, キンバリー エイ. ボルドッグ, フェレンク ヴァーネット, コリン エイ. エム. リ, リ シェノイ, サレシュ キャスマン, ステイシー グオ, シャオジア エディンガー, シュロミット マックドウガル, ジョン マルヤンカー, ウリエル エム. パッツラジャン, ミーラ シムケッツ, リチャード エイ. ペナ, キャロル トチャーネヴ, ヴェリザー ザーフーセン, ブライアン ディー. ミレット, イサベル ミラー, チャールズ イー. レプリー, デニス エム. スミスソン, グレンダ バウムガートナー, ジェイソン ハーマン, ジョン ペイマン, ジョン エイ. ゴーマン, リンダ メゼス, ピーター ケクダ, ラメシュ タウピアー, レイモンド ジェイ., ジュニア ガーラッチ, ヴァレリー グロッセ, ウイリアム エム. リウ, シャオホン エラーマン, カレン ローセンバーグ, マーク ストーン, デイビッド ジェイ. バージェス, キャサリン イー. US 60/261,376 20010116 US 60/262,454 20010118 US 60/262,587 20010118 US 60/265,530 20010131 US 60/268,595 20010214 US 60/272,409 20010228 US 60/276,777 20010316 US 60/291,672 20010517 US 60/325,306 20010927 US 60/330,336 20011018 US 60/345,202 20011109 7 C12N15/09 A61K38/00 A61K39/395 A61K48/00 A61P1/04 A61P1/14 A61P3/04 A61P7/00 A61P9/00 A61P9/12 A61P11/06 A61P13/00 A61P15/00 A61P17/00 A61P17/02 A61P17/06 A61P17/14 A61P19/08 A61P19/10 A61P21/00 A61P25/00 A61P25/04 A61P25/08 A61P25/14 A61P25/16 A61P25/22 A61P25/24 A61P25/28 A61P29/00 A61P31/04 A61P31/10 A61P31/12 A61P31/18 A61P33/00 A61P35/00 A61P37/06 A61P37/08 C07K14/47 C07K14/705 C07K16/18 C07K16/28 C07K16/40 C12N1/15 C12N1/19 C12N1/21 C12N5/10 C12N9/02 C12N9/10 C12N9/14 C12N9/50 C12Q1/02 C12Q1/26 C12Q1/34 C12Q1/37 C12Q1/48 C12Q1/68 G01N33/15 G01N33/50 G01N33/53 C12P21/08 JP C12N15/00 A A61K39/395 D A61K39/395 N A61K48/00 A61P1/04 A61P1/14 A61P3/04 A61P7/00 A61P9/00 A61P9/12 A61P11/06 A61P13/00 A61P15/00 A61P17/00 A61P17/02 A61P17/06 A61P17/14 A61P19/08 A61P19/10 A61P21/00 A61P25/00 A61P25/04 A61P25/08 A61P25/14 A61P25/16 A61P25/22 A61P25/24 A61P25/28 A61P29/00 A61P29/00 101 A61P31/04 A61P31/10 A61P31/12 A61P31/18 A61P33/00 A61P35/00 A61P37/06 A61P37/08 C07K14/47 C07K14/705 C07K16/18 C07K16/28 C07K16/40 C12N1/15 C12N1/19 C12N1/21 C12N9/02 C12N9/10 C12N9/14 C12N9/50 C12Q1/02 C12Q1/26 C12Q1/34 C12Q1/37 C12Q1/48 C12Q1/68 A G01N33/15 Z G01N33/50 Z G01N33/53 D G01N33/53 M C12N5/00 A A61K37/02 C12P21/08 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,CH,CY,DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW US2002001311 20020116 WO2002068647 20020906 760 20030715 2G045 4B024 4B050 4B063 4B064 4B065 4C084 4C085 4H045 2G045AA40 2G045CB01 2G045DA12 2G045DA13 2G045DA14 2G045DA36 2G045FA11 2G045FB02 2G045FB03 4B024AA01 4B024AA11 4B024BA07 4B024BA08 4B024BA10 4B024BA11 4B024BA14 4B024BA31 4B024BA41 4B024BA63 4B024CA01 4B024CA04 4B024CA09 4B024CA11 4B024DA02 4B024DA05 4B024DA11 4B024EA02 4B024EA04 4B024FA02 4B024GA11 4B024HA01 4B024HA03 4B024HA11 4B050CC01 4B050CC03 4B050DD11 4B050LL01 4B050LL03 4B063QA01 4B063QA08 4B063QA18 4B063QQ05 4B063QQ13 4B063QQ22 4B063QQ26 4B063QQ30 4B063QQ32 4B063QQ36 4B063QQ42 4B063QQ52 4B063QR08 4B063QR33 4B063QR42 4B063QR55 4B063QR59 4B063QR62 4B063QR74 4B063QR80 4B063QR82 4B063QS05 4B063QS25 4B063QS26 4B063QS33 4B063QS34 4B063QS36 4B063QX02 4B064AG01 4B064AG27 4B064CA19 4B064CA20 4B064CC24 4B064DA01 4B064DA13 4B065AA01X 4B065AA57X 4B065AA90X 4B065AA93Y 4B065AB01 4B065AB02 4B065BA01 4B065BA08 4B065CA24 4B065CA25 4B065CA28 4B065CA29 4B065CA31 4B065CA44 4B065CA46 4C084AA02 4C084AA07 4C084BA01 4C084BA22 4C084BA23 4C084CA53 4C084NA14 4C084ZA01 4C084ZA02 4C084ZA05 4C084ZA06 4C084ZA08 4C084ZA12 4C084ZA15 4C084ZA16 4C084ZA36 4C084ZA42 4C084ZA43 4C084ZA59 4C084ZA66 4C084ZA68 4C084ZA69 4C084ZA70 4C084ZA75 4C084ZA81 4C084ZA89 4C084ZA92 4C084ZA94 4C084ZA96 4C084ZA97 4C084ZB02 4C084ZB11 4C084ZB13 4C084ZB15 4C084ZB21 4C084ZB26 4C084ZB33 4C084ZB35 4C084ZB37 4C084ZC21 4C085AA13 4C085AA14 4C085AA16 4C085BB31 4C085CC21 4C085DD88 4C085EE01 4H045AA10 4H045AA11 4H045AA30 4H045BA10 4H045CA40 4H045DA50 4H045DA76 4H045DA86 4H045DA89 4H045EA20 4H045EA50 4H045FA72 4H045FA74 【技術分野】【0001】(発明の分野)本発明は、ポリヌクレオチド、およびこのようなポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、ならびにベクター、宿主細胞、抗体ならびにこのポリペプチドおよびポリヌクレオチドを産生するための組換え方法、およびこれらを使用するための方法に関する。【背景技術】【0002】(発明の背景)本発明は、以下のタンパク質ファミリーの新たなメンバーであるタンパク質をコードする核酸に一部基づく:フィブロモジュリン(fibromodulin)、セクレチンレセプター前駆体、B7−H2、B7−H1、プロスタシン(prostasin)、リソソーム酸リパーゼ(lysosomal acid lipase)、トリプターゼ4、P450、ミツグミン(mitsugumin)29、マイクロモル濃度の(micromolar)カルシウムにより活性化される中性プロテアーゼ1、P2X2C、DIABLO、HRPET−1関連タンパク質、B7−H2B、ガラクトシルトランスフェラーゼ、リンパ球抗原前駆体、ペプシノゲンC、およびALR。より詳細には、本発明は、新規のポリペプチドをコードする核酸、ならびにこれらの核酸およびポリペプチドを産生するためのベクター、宿主細胞、抗体、組換え方法に関する。【発明の開示】【課題を解決するための手段】【0003】(発明の要旨)本発明は、新規のポリペプチドをコードする核酸配列の発見に一部は基づく。この新規な核酸およびポリペプチドを、本明細書において、NOVX、またはNOV1、NOV2、NOV3、NOV4、NOV5、NOV6、NOV7、NOV8、NOV9、NOV10、NOV11、NOV12、NOV13、NOV14、NOV15、NOV16、NOV17、およびNOV18の核酸およびポリペプチドと称する。これらの核酸およびポリペプチド、ならびにその誘導体、相同体(ホモログ)、類似体(アナログ)、およびフラグメントを、本明細書において以降は、総称して「NOVX」核酸配列または「NOVX」ポリペプチド配列と称する。【0004】1つの局面において、本発明は、NOVXポリペプチドをコードする単離されたNOVX核酸分子を提供し、これは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に開示される核酸に対して同一性を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、このNOVX核酸分子は、NOVX核酸配列のタンパク質コード配列を含む核酸分子に相補的な核酸配列に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。本発明はまた、NOVXポリペプチド、あるいはそのフラグメント、ホモログ、アナログまたは誘導体をコードする、単離された核酸を包含する。例えば、この核酸は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のアミノ酸配列を含むポリペプチドに対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードし得る。この核酸は、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のいずれかの核酸配列を含む、ゲノムDNAフラグメントまたはcDNA分子であり得る。【0005】オリゴヌクレオチド(例えば、NOVX核酸(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55)の少なくとも6個連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドまたはそのオリゴヌクレオチドの相補体)もまた、本発明に含まれる。実質的に精製されたNOVXポリペプチド(配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56)もまた、本発明に含まれる。特定の実施形態において、このNOVXポリペプチドは、ヒトNOVXポリペプチドのアミノ酸配列に実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。【0006】本発明はまた、NOVXポリペプチド、あるいはそれらのフラグメント、ホモログ、アナログまたは誘導体に免疫選択的に結合する抗体を特徴とする。【0007】別の局面において、本発明は、治療有効量または予防有効量の治療剤および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物を包含する。この治療剤は、例えば、NOVX核酸、NOVXポリペプチド、またはNOVXポリペプチドに特異的な抗体であり得る。さらなる局面において、本発明は、1以上の容器に、この薬学的組成物の治療有効量または予防有効量を含む。【0008】さらなる局面において、本発明は、ポリペプチドを産生する方法を包含し、この方法は、NOVX核酸を含む細胞を、このDNAによってコードされるNOVXポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養することによる。所望の場合、次いで、このNOVXポリペプチドを回収し得る。【0009】別の局面において、本発明は、サンプル中のNOVXポリペプチドの存在を検出する方法を包含する。この方法において、サンプルを、このポリペプチドに選択的に結合する化合物と、このポリペプチドとこの化合物との間での複合体の形成を可能にする条件下で接触させる。この複合体は、存在するならば、検出され、それによって、このサンプル中のNOVXポリペプチドを同定する。【0010】本発明はまた、NOVXの発現に基づいて特定の細胞型または組織型を同定するための方法を包含する。【0011】サンプル中のNOVX核酸分子の存在を検出する方法もまた本発明に包含され、この方法は、このサンプルに、NOVX核酸プローブまたはプライマーを接触させ、そしてこの核酸プローブまたはプライマーが、このサンプル中のNOVX核酸分子に結合したか否かを検出することによる。【0012】さらなる局面において、本発明は、NOVXポリペプチドの活性を調節するための方法を提供し、この方法は、このNOVXポリペプチドを含む細胞サンプルに、このNOVXポリペプチドに結合する化合物を、このポリペプチドの活性を調節するに十分な量で接触させることによる。この化合物は、例えば、本明細書中にさらに記載されるような、低分子(例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、糖質、脂質または他の有機分子(炭素含有)または無機分子)であり得る。【0013】以下を含む障害または症候群を処置または予防するための医薬の製造における治療剤の使用もまた、本発明の範囲内にある:例えば、外傷、再生(インビトロおよびインビボ)、ウィルス/細菌/寄生生物感染フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、アルツハイマー病、発作、結節硬化症、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性小児麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、毛細血管拡張性運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、光線性角化症、挫瘡、発毛障害、脱毛症(allopecia)、色素沈着障害、内分泌障害、結合組織障害(例えば、重症新生児マルファン症候群、優性水晶体転位、家族制上行大動脈動脈瘤、マルファン症候群の孤立性骨格機構(isolated skeletal features)、Shprintzen−Goldberg症候群、遺伝性皮膚症、拘縮クモ指症、炎症性障害(例えば、変形性関節症および慢性関節リウマチ)、炎症性腸疾患、クローン病;免疫学的障害、AIDS;癌(肺癌、結腸癌、新生物;腺癌;リンパ腫;前立腺癌;子宮癌、白血病または膵臓癌が挙げられるが、これらに限定されない);血液障害;喘息;乾癬;血管障害、高血圧、皮膚障害、アルポート症候群を含む腎障害、免疫学的障害、組織損傷、線維症障害、骨疾患、VI型エーレルス−ダンロー症候群、VII型エーレルス−ダンロー症候群、IV型エーレルス−ダンロー症候群、S−関連(S−linked)弛緩性皮膚およびV型エーレルス−ダンロー症候群、骨形成不全症、神経学的疾患、脳および/または脳脊髄炎のような自己免疫障害、神経変性障害、免疫障害、造血障害、筋肉障害、炎症および創傷治癒、細菌感染、真菌感染、原生生物感染およびウイルス感染(特に、HIV−1またはHIV−2によって引き起こされる感染)、疼痛、急性心不全、低血圧、高血圧、残尿、骨粗鬆症、オールブライト遺伝性骨形成異常症の処置、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、良性前立腺肥大、先天性多発性関節拘縮症、骨形成不全、円錐角膜、側弯症、十二指腸閉鎖症,食道閉鎖症、腸異常回転、膵炎、肥満、全身性エリテマトーデス、自己免疫疾患、気腫、強皮症、アレルギー、ARDS、神経保護、受精能 重症筋無力症、糖尿病、肥満、増殖障害および生殖障害、血友病、凝固能亢進、特発性血小板減少性紫斑病、免疫欠損、対宿主性移植片、副腎脳白質ジストロフィー、先天性副腎過形成、子宮内膜症、口内乾燥症、潰瘍、肝硬変、移植、憩室性疾患、ヒルシュスプルング病、虫垂炎、関節炎、強直性脊椎炎、腱炎、腎動脈狭窄症、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎症、エリテマトーデス、尿細管性アシドーシス、IgA腎症、食欲不振、過食症、精神異常(psychotic disorders)(不安を含む)、精神分裂病、躁うつ病、せん妄、痴呆、重症の精神遅滞および運動異常(例えば、ハンティングトン病)および/または他の病状および障害など。【0014】治療剤は、例えば、NOVX核酸、NOVXポリペプチド、またはNOVX特異的抗体、あるいはそれらの生物学的に活性な誘導体またはフラグメントであり得る。【0015】例えば、本発明の組成物は、上に開示された疾患および障害ならびに/または他の病状および障害などに罹患した患者の処置のために有効性を有する。このポリペプチドは、本発明に特異的な抗体を産生するための免疫原として、およびワクチンとして使用され得る。これらはまた、潜在的なアゴニスト化合物およびアンタゴニスト化合物についてスクリーニングするために使用され得る。例えば、NOVXをコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり得、そしてNOVXは、それを必要とする被験体に投与される場合に有用であり得る。非限定的な例として、本発明の組成物は、上に開示された疾患および障害ならびに/または他の病状および障害などに罹患した患者の処置に対する効力を有する。【0016】本発明はさらに、例えば、上に開示された疾患および障害ならびに/または他の病状および障害などを含む障害または症候群のモジュレーターについてスクリーニングするための方法を包含する。この方法は、試験化合物をNOVXポリペプチドと接触させる工程、およびこの試験化合物がこのNOVXポリペプチドに結合するか否かを決定する工程を包含する。NOVXポリペプチドへの試験化合物の結合は、この試験化合物が、前述の障害または症候群に対する活性のモジュレーターあるいは前述の障害または症候群に対する潜在性または素因のモジュレーターであることを示す。【0017】また、本発明の範囲内には、前述の障害または症候群についての危険性の増大した試験動物に対して、試験化合物を投与することによって、以下を含む障害もしくは症候群の活性のモジュレーター、または以下を含む障害もしくは症候群の潜伏もしくは素因のモジュレーターについてスクリーニングする方法が含まれる:例えば、上に開示された疾患および障害ならびに/または他の病状および障害など。試験動物は、NOVX核酸によってコードされる組換えポリペプチドを発現する。次いで、NOVXポリペプチドの発現または活性を、この試験動物において測定し、同様に、コントロール動物(これは、NOVXポリペプチドを組換え的に発現し、かつ障害または症候群についての危険性を増大していない)におけるこのタンパク質の発現または活性を測定する。次いで、試験動物およびコントロール動物の両方におけるNOVXポリペプチドの発現を比較する。コントロール動物と比較した、試験動物におけるNOVXポリペプチドの活性の変化は、この試験化合物が、障害または症候群の潜伏のモジュレーターであることを示す。【0018】なお別の局面では、本発明は、被験体(例えば、ヒト被験体)におけるNOVXポリペプチド、NOVX核酸またはその両方のレベルの変化に関連した疾患の存在または素因を決定するための方法を含む。この方法は、この被験体由来の試験サンプル中におけるNOVXポリペプチドの量を測定する工程、およびこの試験サンプル中におけるこのポリペプチドの量をコントロールサンプル中に存在するNOVXポリペプチドの量と比較する工程、を包含する。コントロールサンプルと比較した場合の試験サンプルにおけるNOVXポリペプチドレベルの変化は、この被験体における疾患の存在または素因を示す。好ましくは、この素因としては、以下が挙げられる:上に開示された疾患および障害ならびに/または他の病状および障害など。また、本発明の新規なポリペプチドの発現レベルは、種々の癌についてスクリーニングするための方法および癌の病期を決定するための方法において使用され得る。【0019】さらなる局面では、本発明は、病理学的状態を緩和または予防するに十分な量において、被験体(例えば、ヒト被験体)にNOVXポリペプチド、NOVX核酸、またはNOVX特異的抗体を投与することによって、哺乳動物における障害に関連した病理学的状態を処置または予防する方法を包含する。好ましい実施形態では、この障害としては、以下が挙げられる:例えば、上に開示された疾患および障害ならびに/または他の病状および障害など。【0020】なお別の局面では、本発明は、当該分野において一般的に使用される多数の技術のうちのいずれか1つによって、本発明の細胞性レセプターおよび下流エフェクターを同定する方法において使用され得る。これらの技術としては、ツーハイブリッド系、アフィニティ精製、抗体または他の特異的な相互作用分子を用いる共沈が挙げられるが、これらに限定されない。【0021】NOVX核酸およびNOVXポリペプチドはさらに、治療方法または診断方法における使用のための新規なNOVX物質に免疫特異的に結合する抗体の生成に有用である。これらのNOVX抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートからの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って、生成され得る。開示されるNOVXタンパク質は、複数の親水性領域を有し、この各々が、免疫原として使用され得る。これらのNOVXタンパク質は、種々のヒト障害の機能的な分析のためのアッセイ系において使用され得、これが、疾患の病理の理解において、そして種々の障害のための新しい薬物標的の開発において助けとなる。【0022】本明細書で同定されたNOVX核酸およびNOVXタンパク質は、以下に示すような種々の病態および障害(ただしこれに限定されない)に関連する潜在的な治療適用において有用であり得る。本発明の潜在的な治療適用としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:タンパク質治療剤、低分子薬物標的、抗体標的(治療標的、診断標的、薬物標的/細胞傷害性抗体)、診断マーカーおよび/または予測マーカー、遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)、検索ツール、本明細書に規定される組織および細胞(ただしこれに限定されない)からなる全ての組織および細胞型のインビボおよびインビトロでの組織再生。【0023】他に規定されない限り、本明細書中において使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載された方法および物質と類似または等価な方法および物質が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および物質を以下に記載する。本明細書中で引用されるすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献が、それらの全体において、参考として援用される。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が制御する。さらに、物質、方法および実施例は例示のみであり、限定されることは意図されない。【0024】本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。(発明の詳細な説明)本発明は、新規なヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチドを提供する。新規な核酸配列およびそれらがコードするポリペプチドが本発明に含まれる。それらの配列は、集合的に「NOVX核酸」または「NOVXポリヌクレオチド」と呼ばれ、そして対応するコードされるポリペプチドは、「NOVXポリペプチド」または「NOVXタンパク質」と呼ばれる。他に示されない場合、「NOVX」は、本明細書中に開示された新規な配列のいずれかをいうことを意味する。表Aは、NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドのまとめを提供する。【0025】【表1】NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドは、種々の適用および状況において有用である。本発明に従う種々のNOVX核酸およびNOVXポリペプチドは、先に記載されたタンパク質に対するドメインおよび配列の関連性の存在に従って、タンパク質ファミリーの新規なメンバーとして有用である。さらに、NOVX核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVXポリペプチドが属するファミリーのメンバーであるタンパク質を同定するために使用され得る。【0026】NOV1は、フィブロモジュリン(fibromodulin)ファミリーのタンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV1核酸、NOV1ポリペプチド、NOV1抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:軟骨および靱帯への損傷の修復;関節修復、他の疾患、障害および状態などへの治療適用。【0027】フィブロモジュリンは、I型コラーゲン原線維およびII型コラーゲン原線維と相互作用する能力およびインビトロでの原線維発生を阻害する能力によって、細胞外マトリクスの構築に関与することが示唆されている。【0028】NOV2は、セクレチンレセプター前駆体様ファミリーのタンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV2の核酸、ポリペプチド、抗体、および関連化合物は、例えば、以下に関与する治療適用および診断適用において有用である:発達障害、MHCII疾患およびMHCIII疾患(免疫疾患)、味覚検出能力障害および嗅覚検出能力障害、バーキットリンパ腫、皮質神経性疾患、シグナル伝達経路障害、網膜疾患(光受容に関する網膜疾患を含む)、細胞増殖速度障害;細胞形状障害、摂食障害;摂食の調節;過食に起因する潜在的肥満;飢餓に起因する潜在的障害(食欲(apetite)の欠乏)、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM1)、細菌感染、真菌感染、原生生物感染およびウイルス感染(特に、HIV−1またはHIV−2によって引き起こされる感染)、疼痛、癌(新生物;腺腫;リンパ腫;前立腺癌;子宮癌が挙げられるが、これらに限定されない)、食欲不振、過食症、喘息、パーキンソン病、急性心不全、低血圧、高血圧、残尿、骨粗鬆症、クローン病;多発性硬化症;およびオールブライト遺伝性骨形成異常症、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥大、ならびに精神病性疾患および神経学的疾患(不安、精神分裂病、躁病性鬱病、せん妄、痴呆、重症の精神遅滞、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)低リン酸血症のくる病、常染色体優性の(2)脳梁先端の(acrocallosal)症候群およびジスキネジー(例えば、ハンティングトン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群)を含む)ならびに/または、他の病態および障害などの処置。【0029】セクレチンは、消化管ホルモンの歴史において独自の地位を占有している。なぜなら、セクレチンは、BaylissおよびStarling(1902)によって、十二指腸の粘膜において最初に発見されたからである。この27アミノ酸ペプチドが、膵臓による重炭酸塩、酵素、およびカリウムイオンの分泌を刺激する。【0030】NOV3は、B7−H2様タンパク質に相同性である。従って、本発明に従うNOV3の核酸およびポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:脳障害(てんかんを含む)摂食障害、精神分裂病、ADD、および癌;心臓病;炎症および自己免疫障害(クローン病を含む)、IBD、アレルギー、慢性関節リウマチおよび変形性関節症、炎症性皮膚障害、アレルギー、血液障害;乾癬 結腸癌、白血病、AIDS;視床障害;代謝障害(糖尿病および肥満を含む);肺疾患(例えば、喘息、気腫、嚢胞性線維症および癌);膵臓障害(膵臓機能不全および膵臓癌を含む);および前立腺障害(前立腺癌を含む)、ならびに他の疾患、障害、および状態。【0031】B7ファミリーリガンドとそれらのレセプターとの間の同時刺激の相互作用は、T細胞の増殖、分化および死において重要な役割を果たす。特異的抗体またはその天然のリガンド(B7−1およびB7−2)のいずれかによる、T細胞の同時刺激物質CD28との関与は、CD4+T細胞の抗原特異的増殖を増加させ、サイトカインの産生を増強し、CD8+エフェクターT細胞の成熟を誘導し、そしてT細胞の生存を促進する。【0032】NOV4は、B7−H1様タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV4の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:脳障害(てんかんを含む)、摂食障害、精神分裂病、ADD、および癌;心臓病;炎症および自己免疫障害(クローン病を含む)、IBD、アレルギー、慢性関節リウマチおよび変形性関節症、炎症性皮膚障害、血液障害;乾癬 結腸癌、白血病、AIDS;視床障害;代謝障害(糖尿病および肥満を含む);肺疾患(例えば、喘息、気腫、嚢胞性線維症および癌);膵臓障害(膵臓機能不全および癌を含む);および前立腺障害(前立腺癌を含む)ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0033】いくつかの最近の研究は、B7RP−1(B7関連タンパク質−1)、B7−1、およびB7−2のようなB7ファミリーメンバーの、抗原レセプター(例えば、CD28、CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4)およびICOS(誘導性同時刺激分子(Inducible Co−Stimulatory molecule))との同時刺激相互作用の重要性を立証している。これらのタンパク質相互作用は、正常T細胞の活性化および増殖、B細胞刺激および抗体産生、免疫グロブリンクラススイッチ、インターロイキン産生、および胚中心形成に重要であることが示されている。【0034】NOV5は、プロスタシン(prostasin)タンパク質ファミリーに対して相同性である。従って、本発明に従うNOV5の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心欠陥、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室管(A−V)欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、移植ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0035】ヒト精液は、種々のタンパク質分解性酵素(前立腺特異抗原(OMIM番号176820)およびアクロシン(OMIM番号102480)を含む)を含む。これらの酵素は、射精後のタンパク質加水分解および精液の凝固および液化に関与しており(Yuら(1995))、最初にYuら(1994)によって精液から単離された40−kDのタンパク質の一部のアミノ酸配列が得られた。セリンプロテアーゼ−8(遺伝子記号=PRSS8)と名付けられたこのタンパク質は、命名者等にプロスタシン(prostasin)と呼ばれた。その前駆体プロプロスタシン(proprostasin)は、残基12と残基13との間で切断されて、12アミノ酸の軽鎖および299アミノ酸の重鎖を生じ、これらは、ジスルフィド結合を介して結合する。予測されるアミノ酸配列は、ヒトアクロシン、血清カリクレイン(OMIM番号229000)、およびヘプシン(hepsin)(OMIM番号142440)に対して34%と42%との間で同一である。【0036】NOV6は、リソソーム酸リパーゼファミリーのタンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV6の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、ウォルマン病およびコレステリルエステル貯蔵病に関与する治療適用および診断適用において有用である。【0037】リソソーム酸リパーゼA(LIPA)(おそらく対立遺伝子のウォルマン病およびコレステロールエステル貯蔵病において欠損している酵素(OMIM番号278000))は、第10番染色体上に位置する。リパーゼAおよびリパーゼBの明確な反応速度論的特性および物理学的特性は、Warnerら(1980)によって定義された。彼らは、LIPBについての天然の基質が未知であること、そしてLIPBがリソソームの加水分解酵素であることは明らかではないことを述べた。LIPAは、コレステロールを放出することにより、細胞代謝において重要な役割を果たし得る。遊離したコレステロールは、さらなるコレステロールの合成を抑制し、細胞内のコレステロールのエステル化を刺激する。【0038】NOV7は、トリプターゼ4に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV7の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:糖尿病、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、膵炎、肥満、心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心欠陥、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室管(A−V)欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、移植、受精能、子宮内膜症、ヒルシュスプルング病、クローン病、虫垂炎、ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0039】ヒトトリプターゼは、構造的に独特で、かつマスト細胞に特異的なトリプシン様セリンプロテアーゼである。最近の生物学的研究および免疫学的研究は、多数のアレルギー状態および炎症状態(鼻炎、結膜炎、そして最も顕著には喘息が挙げられる)の病態における媒介物としての、トリプターゼに関連する。増大するデータの主部はさらに、特定の胃腸障害、皮膚障害、および心血管障害などにもトリプターゼを関連付ける。しかし、強力で選択的なトリプターゼインヒビターの最近の有効性は、重要な治療標的としてもこのプロテアーゼの検証を促進している。【0040】NOV8は、P450ファミリーのタンパク質に対して相同性である。本発明に従うNOV8の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、特定の病態および障害の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である。なぜなら、本発明のNOV8タンパク質は、多くの組織において遍在的に発現されているからである。【0041】このP450遺伝子スーパーファミリーは、生物学的に多様なオキシダーゼ酵素のクラスであり;このクラスのメンバーは、生物全てにおいて見出される。P450タンパク質は、ヒトにおいて臨床的および毒物学的に重要であり;それらは、薬物および生体異物化合物の代謝において、ならびにコレステロール、ステロイド、および他の脂質の合成において重要な酵素である。いくつかのP450遺伝子の誘導はまた、いくつかの型の癌に対する危険因子であり得る。この機能の多様性は、ヌクレオチド配列およびタンパク質配列の多様性において反映され;現在、記載される、100を越えるヒトP450形態が存在する。多くのシトクロムP450遺伝子の対立遺伝子形態は、量的に異なる薬物代謝速度を引き起こすと同定されており、従って、安全かつ効果的なヒト薬学的治療の開発を検討することは重要である。例えば、E.Tanaka,J Clinical Pharmacy&Therapeutics 24:323−329,1999での総説を参照のこと。【0042】NOV9は、ミツグミン(mitsugumin)29タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV9の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:ヴィスコット−オールドリッチ症候群、オールドリッチ症候群、湿疹−血小板減少免疫不全症候群、血小板減少症、夜盲症、筋萎縮性側索硬化症、バッテン病、セロイド脂褐素症、レット症候群、ピック病(葉性萎縮症(lobar atrophy))、心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心欠陥、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室管(A−V)欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、移植、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、アルツハイマー病、発作、結節硬化症、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、毛細管拡張性運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0043】ミツグミン29は、骨格筋細胞および腎尿細管細胞における特定化した小胞体系形成に関与する。その細胞下分布およびタンパク質構造は、ミツグミン29が、T−尿細管と接合部のSR膜との間の情報伝達に関与していることを示唆する。【0044】NOV10は、マイクロモルのカルシウムに活性化される中性プロテアーゼ1ファミリーのタンパク質のメンバーに対して相同性である。従って、本発明に従うNOV10の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:糖尿病、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、膵炎、肥満、高カルシウム血症、潰瘍、子宮内膜症、受精能、血友病、凝固能亢進、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫疾患、アレルギー、免疫不全、移植、対宿主性移植片病、乾癬、光線性角化症、結節硬化症、挫瘡、発毛/脱毛症、脱毛症(allopecia)、色素沈着障害、内分泌障害、血友病、リンパ水腫、ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0045】本明細書中に記載される、予想される配列は、カルパインプロテアーゼファミリーに属する。カルパインまたはカルシウム活性化中性プロテアーゼは、非リソソームの細胞内システインプロテアーゼ(Richardら)である。カルパインは、カルシウムによって調節される、多くの重要な細胞性機能に関連する細胞内プロテアーゼである。【0046】NOV11は、P2X2C様タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV11の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、疼痛に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である。なぜなら、感覚ニューロンのP2Xレセプターの活性化は、インビボで疼痛モデル(ラットの後ろ足および膝関節の調製物を含む)ならびに炎症性モデルにおいて、立証されている。CNSにおけるP2X4および/またはP2X6レセプターはまた、疼痛経路に関与していると思われる。感覚神経上の非侵害受容性のP2レセプターは、迷走神経の求心性神経線維および遠心性神経線維を含む、反射活性を起こす心臓および肺の筋肉内および感覚神経終末に存在する(Br J Anaesth 2000 Apr;84(4):476−88)。本発明の組成物はまた、糖尿病、肥満、X症候群、ならびに他の疾患、障害、および状態などに罹患している患者の処置に効力を有し得る。【0047】NOV12は、DIABLO様タンパク質に関する。従って、本発明に従うNOV12の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:癌、外傷、細菌感染およびウイルス感染、再生(インビトロおよびインビボで)、受精能、糖尿病、自己免疫疾患、腎動脈狭窄、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎疾患、全身性エリテマトーデス、尿細管性アシドーシス、IgA腎症、高カルシウム血症、レッシュ−ナイハン症候群、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、結節硬化症、内分泌障害、アルツハイマー病、発作、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性麻痺、てんかん、多発性硬化症、毛細管拡張性運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0048】このDIABLOタンパク質(低いpIを有するIAP結合タンパク質を指示する)は、カスパーゼ(1)に対するIAP(アポトーシスタンパク質のインヒビター)の阻害効果を排除することにより、アポトーシスにおける重要な機能を果たす。このタンパク質はまた、第2のミトコンドリア由来のカスパーゼの活性化因子について、Smacとして公知である。DIABLO/Smacは、通常、ミトコンドリアのタンパク質であるが、細胞がアポトーシスを起こす場合、サイトゾル中に放出される。ミトコンドリアの、そのシグナルペプチドの取り込みおよび切断は、DIABLO/Smacがそのアポトーシス活性を得るために必要とされる。さらに、DIABLO/Smacの過剰発現は、アポトーシス刺激(2)に対する細胞の感受性を増大させることが示されている。【0049】NOV13は、HRPET−1関連タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV13の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心欠陥、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室性(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、移植、糖尿病、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、膵炎、受精能、子宮内膜症、口内乾燥症、肝硬変、血友病、凝固能亢進、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫疾患、アレルギー、免疫不全、対宿主性移植片病、リンパ水腫、血友病、凝固能亢進、アルツハイマー病、発作、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、毛細管拡張性運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護、全身性エリテマトーデス、喘息、気腫、強皮症、ARDS、乾癬、光線性角化症、挫瘡、発毛/脱毛症、脱毛症(allopecia)、色素沈着障害、内分泌障害、腎動脈狭窄、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎疾患、全身性エリテマトーデス、尿細管性アシドーシス、IgA腎症、レッシュ−ナイハン症候群ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0050】HRPET−1関連タンパク質は、C.elegans、ショウジョウバエ(Drosophila)、マウスおよびヒトの間で、種を越えて高度に保存されている。このタンパク質は、膜に結合すると予測される。主要配列における高度な保存は、重要な生物学的機能を有するが、現在のところ未知であることを示す。このHRPET−1関連タンパク質はまた、植物の接着分子と相同性を示し、このことは、HRPET−1関連タンパク質が、細胞相互作用および細胞遊走に関与する細胞接着分子であるようであることを示唆する。【0051】NOV14は、B7−H2Bタンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV14の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:脳障害(てんかん、摂食障害、精神分裂病、ADD、および癌を含む);心臓病;炎症および自己免疫障害(クローン病、IBD、アレルギー、慢性関節リウマチおよび変形性関節症、炎症性皮膚障害、アレルギー、血液障害を含む);乾癬 結腸癌、白血病 AIDS;視床障害;代謝障害(糖尿病および肥満を含む);肺疾患(例えば、喘息、気腫、嚢胞性線維症、および癌);膵臓障害(膵臓機能不全および癌を含む);および前立腺障害(前立腺癌を含む)ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0052】B7ファミリーリガンドとそれらのレセプターとの間の共刺激相互作用は、T細胞の増殖、分化、および死において重要な役割を果たす。特異的抗体またはその天然リガンドB7−1およびB7−2のいずれかによるT細胞の同時刺激物質CD28の会合(engagement)は、CD4+T細胞の抗原特異的増殖を増大させ、サイトカイン産生を増強し、CD8+エフェクターT細胞の成熟を誘導し、そしてT細胞の生存を促進する。しかし、活性化されたT細胞上のB7−1およびB7−2の相同CTLA−4レセプターを介するシグナル伝達は、T細胞の増殖、インターロイキン(IL)−2産生、および細胞周期の進行を阻害するネガティブなシグナルを送達すると考えられる。【0053】NOV15は、ガラクトシルトランスフェラーゼ様タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV15の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:プロテオデルマタン硫酸、PDSの不完全な生合成、デルマタン硫酸の不完全な生合成 プロテオグリカンキシロシルタンパク質4−β−ガラクトシルトランスフェラーゼ欠損症 xgpt欠損症 ガラクトシルトランスフェラーゼI欠損症、エーレルス−ダンロー症候群、心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心欠陥、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室管(A−V)欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、移植、子宮内膜症、受精能、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、アルツハイマー病、発作、結節硬化症、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、毛細管拡張性運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0054】この酵素ガラクトシルトランスフェラーゼ(EC2.4.1.38)は、ガラクトースβ−1,4−N−アセチルグルコサミンの産生のためにUDPガラクトースおよびN−アセチルグルコサミンが関与する反応を触媒する。このガラクトシルトランスフェラーゼ酵素はまた、調節タンパク質α−ラクトアルブミンとヘテロダイマーを形成して、ラクトースシンテターゼ(EC2.4.1.22)を形成する。生合成の役割に加え、ガラクトシルトランスフェラーゼは、それらが細胞間認識および/または接着において機能し得る形質膜の成分であり得る。【0055】NOV16は、リンパ球抗原前駆体様タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV16の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:癌、外傷、再生、ウイルス感染/細菌感染/寄生虫感染。【0056】NOV17は、ペプシノゲンC様タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV17の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:潰瘍,高血圧(Scand J Clin Lab Invest Suppl 1992;210:111−9)、胃粘膜の炎症および萎縮症ならびに他の疾患、障害、および状態など。PGC遺伝子多型は、胃潰瘍に関連しており、そして胃潰瘍に対する遺伝性素因の亜臨床的なマーカであり得る(Nippon Rinsho 1996 Apr;54(4):1149−54)。ペプシノゲンA(PGA)およびペプシノゲンC(PGC)の血清定量は、胃粘膜の炎症および萎縮症を示し得る。身体胃粘膜は、PGAおよびPGCの両方を産生するが、洞粘膜はPGCのみを発現する。従って、主に洞に関する疾患(例えば、H.pylori感染)は、主に血清PGAよりも血清PGCの変化によって示される。同意の下で、洞粘膜を、重篤な炎症を引き起こす、より病原性のcagA陽性H.pylori株によって感染させた場合、血清PGCの顕著な増加を引き起こす(Recenti Prog Med 1999 Jun;90(6):342−6)。【0057】胃のアスパラギン酸プロテイナーゼ(ペプシンA、ペプシンB、ガストリクシン/ペプシノゲンCおよびキモシン)は、不活性な前駆体(チモーゲンとして公知)として胃粘膜で合成される。胃のチモーゲン各々は、不活性形態を安定化させるように働き、そして活性部位への基質の移行を防止するプロセグメント(すなわち、活性酵素のN末端の付加残基)を含む。食物摂取の際、各々のチモーゲンが胃管腔内に放出され、そして酸性胃液中で活性酵素への変換を受ける。【0058】NOV18は、ALR様タンパク質に対して相同性である。従って、本発明に従うNOV18の核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、例えば、以下に罹患している患者の処置に関与する治療適用および診断適用において有用である:癌(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、転座関連白血病、ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0059】このALL−1遺伝子は、染色体転座または内部再配列を介するヒト急性白血病に関する。ALL−1は、ショウジョウバエのトリソラックス(trithorax)のヒトホモログである。このトリソラックスは、トリソラックスグループ(trx−G)遺伝子のメンバーであり、ポリコーム(Polycomb)グループ(Pc−G)遺伝子と一緒になって、ショウジョウバエの体構造(body structure)を決定するために、それぞれ、ポジティブ調節因子およびネガティブ調節因子として働く。ALL−1関連タンパク質であるALRは、SETドメイン、5つのPHDフィンガー、潜在的なジンクフィンガー、および疎水性残基(大部分がロイシン)によって中断(interrupt)されるグルタミンの非常に長い連続(run)を含む5262アミノ酸の巨大な長いタンパク質をコードする。【0060】NOVX核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVX活性またはNOVX機能を阻害または増大させる分子についてスクリーニングするために使用され得る。詳細には、本発明に従う核酸およびポリペプチドは、例えば、神経発生、細胞分化、細胞増殖、造血、創傷治癒および新脈管形成を調節または阻害する低分子の同定のために、標的として使用され得る。【0061】本発明に従うNOVX核酸およびNOVXポリペプチドについてのさらなる有用性は、本明細書中に開示される。【0062】(NOV1)本発明の1つのNOVXタンパク質(本明細書中でNOV1と呼ばれる)は、4つのフィブロモジュリン(fibromodulin)様タンパク質を含む。これらの開示されるタンパク質は、NOV1a、NOV1b、NOV1cおよびNOV1dと名付けられている。【0063】(NOV1a)開示されるNOV1a(CuraGen Acc.No.CG−56201−01と示される)は、新規のフィブロモジュリン様タンパク質をコードしており、そして1455ヌクレオチドの配列(配列番号1)を含み、表1Aに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド197〜199のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1445〜1447のTGA終止コドンで終わることが同定された。推定非翻訳領域は、表1Aにおいて下線を付しており、そして開始コドンおよび終止コドンを太字にしている。【0064】【表1A】開示されるNOV1a核酸配列は、第1番染色体に位置し、Homo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSFIBR|acc:X72913.1 mRNA(フィブロモジュリンについてのH.sapiens遺伝子)に対して1061塩基のうち1050塩基(98%)の同一性を有する(E=2.0e−246)。【0065】NOV1aポリペプチド(配列番号2)は、416アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表1Bに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV1aは、シグナルペプチドを有し、そして0.5500の確実性でリソソーム(管腔)に局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV1aポリペプチドは、0.3700の確実度で細胞外部に、0.1000の確実度で小胞体(膜)に、または0.1000の確実度で小胞体(管腔)に局在される。SignalPによって、NOV1aペプチドについての可能性のある切断部位は、アミノ酸18位と19位との間(すなわち、配列SQA−QYのダッシュ線)であると予想される。【0066】【表1B】NOV1aアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSNEW−ACC:Q06828タンパク質(フィブロモジュリン前駆体(FM)(59KDAのコラーゲン結合タンパク質))(376アミノ酸残基)に対して353アミノ酸残基のうち336アミノ酸残基(95%)の同一性を、そして353アミノ酸残基のうち338アミノ酸残基(95%)の類似性を有する(E=3.9e−184)。【0067】NOV1aについて見出される、起こり得る小さなヌクレオチド多型(SNP)を表1Cに列挙する。【0068】【表1C】(NOV1b)開示されるNOV1b(CuraGen Acc.No.CG56201−02と示される)は、965ヌクレオチドの配列(配列番号3)を含み、表1Dに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド57〜59のATGコドンで始まり、ヌクレオチド963〜965のTGAコドンで終わることが同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調している。推定非翻訳領域には、下線を付している。【0069】【表1D】開示されるNOV1b核酸配列は、第1番染色体に位置し、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSFIBR|acc:X72913.1 mRNA(フィブロモジュリンについてのH.sapiens遺伝子)に対して613塩基のうち613塩基(100%)の同一性を有する(E=2.7e−211)。【0070】このNOV1bポリペプチド(配列番号4)は、302アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表1Eに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV1bが、シグナルペプチドを有し、そして0.4595の確実性でリソソーム(管腔)に局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV1bポリペプチドは、0.3700の確実度で細胞外部に、0.1000の確実度で小胞体(膜)に、または0.1000の確実度で小胞体(管腔)に局在される。SignalPによって、NOV1bペプチドについての可能性のある切断部位は、アミノ酸18位と19位との間(すなわち、配列SQA−QYのダッシュ線)であると予想される。【0071】【表1E】NOV1bアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSNEW−ACC:Q06828タンパク質(フィブロモジュリン前駆体(FM)(59KDAのコラーゲン結合タンパク質))(376アミノ酸残基)に対して217アミノ酸残基のうち207アミノ酸残基(95%)の同一性を、そして217アミノ酸残基のうち209アミノ酸残基(96%)の類似性を有する(E=7.2e−105)。【0072】(NOV1c)開示されるNOV1c(CuraGen Acc.No.CG56201−04と示される)は、1139ヌクレオチドの配列(配列番号5)を含み、表lFに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド57〜59のATGコドンで始まり、ヌクレオチド1137〜1139のTGAコドンで終わることが同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調している。推定非翻訳領域には、下線を付している。【0073】【表1F】NOV1cの核酸配列は、第1番染色体に位置し、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSFIBR|acc:X72913.1 mRNA(フィブロモジュリンについてのH.sapiens遺伝子)に対して1065塩基のうち1036塩基(97%)の同一性を有する(E=9.4e−220)。【0074】NOV1cポリペプチド(配列番号6)は、360アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表1Gに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV1cが、シグナルペプチドを有し、そして0.5305の確実性でリソソーム(管腔)に局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV1cポリペプチドは、0.3700の確実度で細胞外部に、0.1000の確実度で小胞体(膜)に、または0.1000の確実度で小胞体(管腔)に局在される。SignalPによって、NOV1cペプチドについての可能性のある切断部位は、アミノ酸18位と19位との間(すなわち、配列SQA−QYのダッシュ線)であると予想される。【0075】【表1G】NOV1cアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSNEW−ACC:Q06828タンパク質(フィブロモジュリン前駆体(FM)(59KDAのコラーゲン結合タンパク質))(376アミノ酸残基)に対して376アミノ酸残基のうち360アミノ酸残基の同一性(95%)を、そして376アミノ酸残基のうち360アミノ酸残基の類似性(95%)を有する(E=1.4e−195)。【0076】NOV1cは、少なくとも以下の組織で発現される:大動脈、骨髄(bone marrow)、脳、軟骨、蝸牛、結腸、心臓、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、リンパ組織、乳腺/乳房、筋肉、卵巣、膵臓、上皮小体、耳下腺の唾液腺、胎盤、前立腺、網膜、唾液腺、皮膚、脊髄(spinal chord)、胃、精巣、甲状腺、子宮、生物全体。【0077】(NOV1d)開示されるNOV1d(CuraGen Acc.No.CG56201−01;アセンブリー224700033と示される)は、1053ヌクレオチド配列(配列番号7)を含み、表1Hに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3のGGAコドンで始まり、そしてヌクレオチド1051〜1053のGAGコドンで終わることが同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調している。【0078】【表1H】NOV1dポリペプチド(配列番号8)は、360アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表1Iに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV1cが、シグナルペプチドを有し、そして0.5305の確実性でリソソーム(管腔)に局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV1dポリペプチドは、0.3700の確実度で細胞外部に、0.1000の確実度で小胞体(膜)に、または0.1000の確実度で小胞体(管腔)に局在される。SignalPによって、NOV1dペプチドについての可能性のある切断部位は、アミノ酸18位と19位との間(すなわち、配列SQA−QYのダッシュ線)であると予想される。【0079】【表1I】NOV1dは、少なくとも以下の組織で発現される:大動脈、骨髄(bone marrow)、脳、軟骨、蝸牛、結腸、心臓、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、リンパ組織、乳腺/乳房、筋肉、卵巣、膵臓、上皮小体、耳下腺の唾液腺、胎盤、前立腺、網膜、唾液腺、皮膚、脊髄(spinal chord)、胃、精巣、甲状腺、子宮、生体全体。発現情報は、NOV1dの配列の誘導(derivation)に含まれる配列の組織供給源に由来する。【0080】NOV1a、NOV1b、NOVlcおよびNOV1dは、表1Jでのアミノ酸アラインメントに示されるように、非常に厳密に相同である。【0081】【表1J】上記NOV1タンパク質のいずれかに対する相同性は、上記に示されるように互いに相同な範囲で、他のNOV1タンパク質によって共有される。NOV1に対するいずれの参照も、他に記載されない限り、概して、それらNOV1タンパク質の両方に言及すると仮定される。【0082】NOV1aはまた、表1Kに列挙されるBLASTPデータにおいて示されるアミノ酸配列に相同性を有する。【0083】【表1K】これらの配列の相同性は、表1Lに示されるClustalW分析において図示される。【0084】【表1L】表1Mおよび1Nは、NOV1に対するDOMAIN分析結果からのドメインの記述を列挙する。この結果は、NOV1配列が、これらのドメインを含むことが知られている他のタンパク質の特性に類似する特性を有することを示す。【0085】【表1M】【0086】【表1N】ロイシンリッチリピートのN末端ドメイン(Accno.gnl|Pfam|pfam01462)は、配列ドメインLRRNTによって示される。ロイシンリッチリピート pfam00560は、多くのタンパク質中に存在する、多様な機能および細胞位置を有する短い配列のモチーフである。ロイシンリッチリピートは、システインリッチなドメインにしばしば隣接される。このドメインは、しばしば、直列なロイシンリッチリピートのN末端に見出される。【0087】このフィブロモジュリン前駆体(59kdのコラーゲン結合タンパク質)は、I型コラーゲンおよびII型コラーゲンに結合し、そして筋原線維形成速度に作用する。このフィブロモジュリン前駆体はまた、ケラタン硫酸鎖に結合し、そして低分子の間質性プロテオグリカンファミリーに属する。このタンパク質はまた、10個繰り返されるロイシンリッチな(lrr)セグメントを含む。【0088】フィブロモジュリンは、低分子の間質性プロテオグリカンファミリー(デコリン(decorin)(DCN;OMIM125255)、ビグリカン(BGN;OMIM301870)、およびルミカン(lumican)(LDC;OMIM600616)も含む)のメンバーである。これらのプロテオグリカンのコアタンパク質は、ジスルフィド結合した末端ドメインによって挟まれたロイシンリッチリピートからなる中心部からなり、ロイシンリッチなドメイン内に4つ以下のケラタン硫酸鎖を有するフィブロモジュリンのコアタンパク質と構造的に関連する。フィブロモジュリンは広い組織分布を示し、関節の軟骨、腱、および靱帯において最大量が観察される。フィブロモジュリンは、I型コラーゲンおよびII型コラーゲン筋原線維と相互作用し、そしてインビトロでの原線維発生を阻害する能力によって、細胞外マトリクスのアセンブリーに関与することが示唆されている。【0089】本明細書中に開示されるNOV1タンパク質およびNOV1核酸についてのそのタンパク質の類似性情報、発現パターン、細胞局在、およびマッピング位置は、このNOV1が、糖タンパク質ファミリーに特徴的な重要な構造および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用において、そして研究道具として有用である。これらは、核酸またはタンパク質の特異的または選択的な診断マーカーおよび/または予後マーカーとして(ここで、その核酸またはタンパク質の存在および量が評価される)役立つことを含む。これらはまた、以下のような潜在的な治療適用を含む:(i)タンパク質治療、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体の標的(治療標的、診断標的、薬剤標的化/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する薬剤、ならびに(vi)生物学的防御手段。【0090】本発明の核酸およびタンパク質は、種々の疾患および障害の診断および/または処置における適用を有する。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患している患者の処置に効力を有する:軟骨および靱帯への損傷の修復;関節修復、ならびに他の疾患、障害、および状態への治療適用。【0091】本発明のフィブロモジュリン様タンパク質をコードする新規の核酸、またはそのフラグメントは、診断適用において有用であり、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が、評価されるべきである。これらの物質はさらに、治療方法または診断方法における使用のために、本発明の新規の物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の項に記載されるように、疎水性チャートからの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されるNOV1タンパク質は、複数の親水性領域を有し、この各々が、免疫原として使用され得る。1つの実施形態において、企図されるNOV1エピトープは、アミノ酸約30〜32である。別の実施形態において、企図されるNOV1エピトープは、アミノ酸約45〜49である。他の特定の実施形態において、企図されるNOV1エピトープは、アミノ酸約65〜80、105〜120、140〜150、155〜180、190〜192、198〜200、210〜215、220〜225、230〜250および280〜300である。【0092】(NOV2)NOV2は、3つの新規のセクレチンレセプター前駆体様タンパク質を含む。これらの開示されるタンパク質は、NOV2a、NOV2b、およびNOV2cと名付けられている。【0093】(NOV2a)開示されるNOV2a核酸(CuraGen Acc.No.CG56213−01と示される)は、新規のセクレチンレセプター前駆体様タンパク質をコードしており、1280ヌクレオチドの配列(配列番号9)を含み、表2Aに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3のACTコドンで始まり、そしてヌクレオチド1264〜1266のTGAコドンで終わることが同定された。推定非翻訳領域は、表2Aにおいて下線を付しており、そして開始コドンおよび終止コドンを太字にしている。【0094】【表2A】NOV2aの核酸配列は、第2番染色体ql4.1に位置し、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSU13989|acc:Ul3989.1 mRNA(ヒトセクレチンレセプターmRNA、完全なcds)に対して932塩基のうち868塩基(93%)の同一性を有する(E=2.5e−176)。【0095】NOV2aポリペプチド(配列番号10)は、421アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表2Bに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV2aが、0.6000の確実性で形質膜に局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV2aポリペプチドは、0.4000の確実度でゴルジ体に、0.3000の確実度で小胞体(膜)に、または0.3000の確実度でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に局在される。【0096】【表2B】NOV2aアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSPROT−ACC:P47872タンパク質(セクレチンレセプター前駆体(SCT−R))(440アミノ酸残基)に対して421アミノ酸残基のうち416アミノ酸残基(98%)の同一性を、そして421アミノ酸残基のうち416アミノ酸残基(98%)の類似性を有する(E=3.7e−227)。【0097】NOV2aは、少なくとも以下の組織で発現される:膵臓、肺。この情報は、本発明に含まれる配列の組織供給源(SeqCalling供給源が挙げられるが、これに限定されない)を決定することによって導かれる。【0098】NOV2aについて見出される、起こり得る小さなヌクレオチド多型(SNP)を表2Cに列挙する。【0099】【表2C】(NOV2b)開示されるNOV2b核酸(CuraGen Acc.No.CG56213−02と示される)は、789ヌクレオチドの配列(配列番号11)を含み、表2Dに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド76〜78のATGコドンで始まり、そしてヌクレオチド559〜561のTGAコドンで終わることが同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調している。開始コドンから上流および終止コドンから下流に見出される推定非翻訳領域には、下線を付している。【0100】【表2D】NOV2bの核酸配列は、第2番染色体ql4.1に位置し、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSU28281|acc:U28281.1 mRNA(ヒトセクレチンレセプターmRNA、完全なcds)に対して526塩基のうち472塩基(89%)の同一性を有する(E=4.1e−118)。【0101】NOV2bポリペプチド(配列番号12)は、161アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表2Eに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV2bが、シグナルペプチドを有し、そして0.4600の確実度で形質膜に局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV2bポリペプチドは、0.2543の確実度でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に、0.1000の確実度で小胞体(膜)に、または0.1000の確実度で小胞体(管腔)に局在される。SignalPによって、NOV2bペプチドについての可能性のある切断部位は、アミノ酸61位と62位との間(すなわち、配列LHC−TRのダッシュ線)であると予想される。【0102】【表2E】NOV2bアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSPROT−ACC:P47872タンパク質(セクレチンレセプター前駆体(SCT−R))(440アミノ酸残基)に対して92アミノ酸残基のうち82アミノ酸残基(89%)の同一性を、そして92アミノ酸残基のうち84アミノ酸残基(91%)の類似性を有する(E=9.6e−81)。【0103】NOV2bは、少なくとも以下の組織で発現される:膵臓、肺。発現情報は、NOV2bの配列の誘導に含まれる配列の組織供給源に由来した。【0104】(NOV2c)開示されるNOV2c核酸(CuraGen Acc.No.CG56213−03と示される)は、1633ヌクレオチドの配列(配列番号13)を含み、表2Fに示される。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド109〜111のATGコドンで始まり、そしてヌクレオチド979〜981のTAAコドンで終わることが同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調している。推定非翻訳領域には、下線を付しており、開始コドンから上流および終止コドンから下流に見出される。【0105】【表2F】NOV2cの核酸配列は、第2番染色体ql4.1に位置し、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSU28281|acc:U28281.1 mRNA(ヒトセクレチンレセプターmRNA、完全なcds)に対して961塩基のうち960塩基(99%)の同一性を有する(E=0.0)。【0106】NOV2cポリペプチド(配列番号14)は、290アミノ酸残基長であり、そして1文字アミノ酸コードを用いて表2Gに示される。SignalP、Psort、および/またはヒドロパシーの結果によって、NOV2cが、シグナルペプチドを有し、そして0.4600の確実度で形質膜に細胞外で局在する可能性があることが予測される。代替の実施形態において、NOV2cポリペプチドは、0.1589の確実度でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に、0.1000の確実度で小胞体(膜)に、または0.1000の確実度で小胞体(管腔)に局在される。SignalPによって、NOV2cペプチドについての可能性のある切断部位は、配列TGA−LPのダッシュ線であるアミノ酸27位と28位との間であると予想される。【0107】【表2G】NOV2cアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSPROT−ACC:P47872タンパク質(セクレチンレセプター前駆体(SCT−R))(440アミノ酸残基)に対して284アミノ酸残基のうち283アミノ酸残基(99%)の同一性を、そして284アミノ酸残基のうち283アミノ酸残基(99%)の類似性を有する(E=1.5e−155)。【0108】NOV2cは、少なくとも以下の組織で発現される:膵臓、肺。発現情報は、NOV2cの配列の誘導に含まれる配列の組織供給源に由来する。【0109】NOV2a、NOV2b、およびNOV2cは、表2Hでのアミノ酸アラインメントに示されるように、非常に厳密に相同である。【0110】【表2H】上記NOV2タンパク質のいずれかに対する相同性は、上記に示されるように互いに相同な範囲で、他のNOV2タンパク質によって共有される。NOV2に対する任意の言及は、他に記載されない限り、概して、それらNOV2タンパク質の両方に言及すると仮定される。【0111】NOV2aはまた、表2Iに列挙されるBLASTPデータにおいて示されるアミノ酸配列に相同性を有する。【0112】【表2I】これらの配列の相同性は、表2Jに示されるClustalW分析において図示される。【0113】【表2J】表2K、2L、および2Mは、NOV2に対するDOMAIN分析結果からのドメインの記述を列挙する。この結果は、NOV2配列が、これらのドメインを含むことが知られている他のタンパク質の特性に類似する特性を有することを示す。【0114】【表2K】【0115】【表2L】この細胞外ドメインは、恐らくジスルフィド結合のための4つの保存されたシステインを含有する。このドメインは、種々のホルモンレセプター中に見出される。これはリガンド結合ドメインであり得る。【0116】【表2M】セレクチン(SCT;OMIM番号182099)は、BaylissおよびStarling(1902)により十二指腸粘膜において最初に発見されたことに起因して、胃腸ホルモンの歴史において、特有の位置を占める。この27アミノ酸ペプチドは、膵臓による重炭酸塩、酵素およびカリウムイオンの分泌を刺激する。Ishiharaら(1991)は、ラットのセクレチンレセプターをコードするcDNAを単離した。このヌクレオチド配列は、このセクレチンレセプターが、48,696の算出された分子量を有することを示した。このレセプターは、7つの推定の膜貫通セグメントを含有し、Gプロテイン結合レセプターのファミリーに属する。Gプロテイン結合レセプターとしては、パラチロイドホルモンレセプター(OMIM番号168468)、グルカゴン様レセプター(OMIM番号138032)、およびカルシトニンレセプター(OMIM番号114131)が挙げられる。【0117】Chow(1995)は、膵臓線癌細胞株cDNAライブラリから単離したセクレチンレセプターcDNAが1,717bp長であり、そして440アミノ酸ポリペプチドをコードしたことを示した。ノーザンブロット分析によって、1.8kbのmRNAが、ヒト膵臓および小腸中において検出されたが、一方でヒトの結腸、腎臓、および肺において弱いハイブリダイゼーションシグナルが検出された。【0118】本明細書中に開示されるNOV2タンパク質およびNOV2核酸は、それがセクレチンレセプター前駆体ファミリーに特徴的な重要な構造的機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用ならびに研究ツールとして有用である。これらには、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカー(ここでこの核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される)、ならびに以下のような潜在的治療適用としての役割を果たすものが挙げられる:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的化抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療において有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、および(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御手段。【0119】本発明の核酸およびタンパク質は、下記の種々の疾患および障害および/または他の病理に関与する潜在的診断適用および潜在的治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患する患者の処置に効力を有する:発達障害、MHCII疾患およびMHCIII疾患(免疫疾患)、味覚検出能力障害および嗅覚検出能力障害、バーキットリンパ腫、皮質神経性疾患、シグナル伝達経路障害、網膜疾患(光受容に関する網膜疾患を含む)、細胞増殖速度障害;細胞形状障害、摂食障害;摂食の調節;過食に起因する潜在的肥満;飢餓(食欲(apetite)の欠乏)、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM1)に起因する潜在的障害、細菌感染、真菌感染、原生生物感染およびウイルス感染(特に、HIV−1またはHIV−2によって引き起こされる感染)、疼痛、癌(新生物;腺腫;リンパ腫;前立腺癌;子宮癌が挙げられるが、これらに限定されない)、食欲不振、過食症、喘息、パーキンソン病、急性心不全、低血圧、高血圧、残尿、骨粗鬆症、クローン病;多発性硬化症;およびオールブライト遺伝性骨形成異常症、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥大、ならびに精神病性障害および神経学的障害(不安、精神分裂病、躁病性鬱病、せん妄、痴呆、重症の精神遅滞、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)低リン酸血症のくる病、常染色体優性の(2)先端脳梁症候群およびジスキネジー(例えば、ハンティングトン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群)を含む)ならびに/あるいは他の病理および障害など。このポリペプチドは、本発明に特異的な抗体を産生するための免疫原として、およびワクチンとして用いられ得る。これらはまた、潜在的なアゴニスト化合物およびアンタゴニスト化合物をスクリーニングするために用いられ得る。例えば、このNOV2タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり得、そしてこのNOV2タンパク質は、それを必要とする被験体に投与される場合、有用であり得る。非限定の例として、本発明の組成物は、細菌性感染、真菌性感染、寄生虫性感染、およびウイルス性感染(特にHIV−1またはHIV−2により引き起こされる感染)、疼痛、癌(新生物;腺癌;リンパ節;前立腺癌;子宮癌を含むが、これらに限定されない)、食欲不振、過食症、喘息、パーキンソン病、急性心不全、低血圧、高血圧、残尿、骨粗鬆症、クローン病;多発性硬化症およびオールブライト遺伝性骨形成異常症、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥大、および精神病性障害および神経学的障害(不安感、精神分裂病、躁うつ病、せん妄、痴呆、重症性精神遅滞およびジスキネジー(例えば、ハンティングトン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群)ならびに/あるいは他の病理および障害の処置に効力を有する。本発明のNOV2タンパク質をコードする新規の核酸、およびNOVタンパク質、あるいはそれらのフラグメントは、診断適用にさらに有用であり得る(ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価される)。これらの物質は、心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心臓欠損、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損症、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、房室中隔欠損(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、移植;結腸癌、結腸直腸癌;6型家族性ノンポリポーシス(nonpolyposis);食道癌;肝芽腫;低ベータリポ蛋白血症家族性2;肺癌、骨幹端軟骨形成不全、Murk Jansen型;卵巣癌、類内膜癌型;毛質腫;偽ツェルヴェーガー症候群ならびに他の疾患、障害、および状態などの治療的方法または診断的方法における使用のための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製にさらに有用である。【0120】本発明のセクレチンレセプター前駆体様タンパク質をコードする新規核酸(またはそのフラグメント)は、診断適用(ここでこの核酸またはタンパク質の存在または量が評価される)に有用である。これらの材料は、治療的方法または診断的方法に使用するための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製にさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて当該分野において公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV2タンパク質は、複数の親水性領域を有し、それらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、意図されるNOV2エピトープは、ほぼアミノ酸10〜アミノ酸25である。別の実施形態において、意図されるNOV2エピトープは、ほぼアミノ酸70からアミノ酸80である。代替的実施形態において、意図されるNOV2エピトープとしては、ほぼアミノ酸100〜アミノ酸120、ほぼアミノ酸160〜アミノ酸170、ほぼアミノ酸230〜アミノ酸235、ほぼアミノ酸255〜アミノ酸260、ほぼアミノ酸310〜アミノ酸320、ほぼアミノ酸370〜アミノ酸380、およびほぼアミノ酸400〜アミノ酸405が挙げられる。【0121】(NOV3)NOV3には、2つの新規B7−H2様タンパク質が挙げられる。開示されたタンパク質は、NOV3aおよびNOV3bと名づけられている。【0122】(NOV3a)開示されるNOV3a核酸(CuraGen登録番号CG55790−03として示される)は、新規B7−H2様タンパク質をコードし、そして表3Aに示される1449ヌクレオチドの配列(配列番号15)を含む。ヌクレオチド2〜4のATGコドンで開始し、ヌクレオチド908〜910のTGAコドンで終結する成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームを同定した。終止コドンの下流および開始コドンの上流の推定の非翻訳領域を、表3A中に下線し、そして開始コドンおよび終止コドンを太字にした。【0123】【表3A】第21染色体にマップされる本発明のNOV3aの核酸配列は、Homo sapiens由来gb:GENBANK−ID:AF289028|acc:AF289028.1 mRNA(Homo sapiens膜貫通タンパク質 B7−H2 ICOSリガンドmRNA、完全cds)に対して1449塩基のうち1448塩基(99%)が同一である(E = 0.0)。【0124】NOV3aポリペプチド(配列番号:16)は、302アミノ酸残基長であり、そして表3Bにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。シグナルP、Psortおよび/またはヒドロパシーは、NOV3aがシグナルペプチドを有し、そして0.4600の確かさで原形質膜に局在化されている可能性があると予想する。代替的な実施形態において、NOV3aポリペプチドは、0.2000の確かさでリソソーム(内腔)に配置されるか、0.1000の確かさで小胞体(膜)に配置されるか、または0.1000の確かさで小胞体(内腔)に配置される。シグナルPは、アミノ酸位置18と19との間(すなわち、配列LRA−DTのダッシュ)のNOV3aペプチドの可能性のある切断部位を予想する。【0125】【表3B】NOV3aアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の302アミノ酸の残基ptnr:TREMBLNEW−ACC:AAG01176 タンパク質(膜貫通タンパク質 B7−H2 ICOSリガンド)に対して、302アミノ酸残基のうち302(100%)が同一であり、そして302アミノ酸残基のうち302(100%)が類似である(E=4.0e161)。【0126】NOV3aは、少なくとも以下の組織で発現される:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳、脳−海馬、脳−黒質、脳−視床、脳−全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫−ラージ、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、および子宮。発現情報は、NOV3aの配列の誘導に含まれた配列の組織情報に由来した。【0127】NOV3aについて見出される可能な小ヌクレオチド多型(SNP)を、表3Cおよび表3Dに列挙する。【0128】【表3C】【0129】【表3D】(NOV3b)開示されるNOV3b核酸(CuraGen 登録番号.CG55790−04として示される)は、新規B7−H2−様タンパク質(これは、表3Eに示される8250ヌクレオチド配列(配列番号17)を含む)をコードする。ヌクレオチド4〜6のATGコドンで開始し、ヌクレオチド1420〜1422の終止コドンで終結する成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームを同定した。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンは、太字で強調した。推定の非翻訳領域は、下線され、開始コドンの上流および終止コドンの下流に見出される。【0130】【表3E】NOV3bポリペプチド(配列番号18)は、473アミノ酸残基長であり、そして表3Fにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。【0131】【表3F】NOV3aとNOV3bとは、表3Gのアミノ酸アラインメントに示されるように、非常に近い相同性を有する。【0132】【表3G】上記NOV3タンパク質のいずれかに対する相同性は、上に示されるようにそれらがお互いに相同である範囲で、他のNOV3タンパク質によって共有される。NOV3に対する任意の参照は、他に示されない限り、両方のNOV3タンパク質を一般に示すことが想定される。【0133】NOV3aはまた、表3Hに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対する相同性を有する。【0134】【表3H】これらの配列の相同性は、表3Iに示されるClustalW分析において図示される。【0135】【表3I】表3Jは、NOV3に対するドメイン分析結果からのドメインの記載を列挙する。これは、NOV3配列が、これらのドメインを有することが知られている他のタンパク質の特性に類似する特性を含むことを示す。【0136】【表3J】B7ファミリーリガンドとそれらのレセプターとの間の同時刺激相互作用は、T細胞の増殖、分化および死に重要な役割を果たす。特異的抗体またはその天然のリガンドB7−1およびB7−2のいずれかによるT細胞同時刺激因子CD28の連動は、抗原特異的なCD4+T細胞の増殖を増加させ、サイトカインの産生を増大させ、CD8+エフェクターT細胞の成熟を誘導し、そしてT細胞の生存を促進する。しかし、活性化T細胞上のB7−1およびB7−2の相同CTLA−4レセプターを介するシグナル伝達は、T細胞の増殖、インターロイキン(IL)−2産生、および細胞周期の進行を阻害するネガティブなシグナルを伝達すると考えられている。B7−1とB7−2とは、それらのアミノ酸においてたった約20%の相同性を共有するが、これらは、類似の3次構造および同時刺激機能を有する。最近の研究は、このB7−CD28ファミリーの他のメンバーもまた、細胞性免疫応答および体液性免疫応答の調節に関与し得ることを示す。新規メンバーのうちの1つは、誘導性同時刺激因子(ICOS)(CD28様レセプター)である。ヒトICOSに対するF44モノクローナル抗体(mAb)は、最適な用量の抗CD3抗体の存在下で、T細胞増殖を同時刺激し、そして複数のサイトカイン(IL−10、インターフェロン−、およびIL4を含むがIL−2を含まない)の分泌を増加させる。【0137】別の新規B7ファミリーメンバーは、マウスB7h/B7RP−1である。B7h/B7RP−1は、CD28およびCTLA−4に結合せず、そして抗原性シグナルの存在下でT細胞増殖を同時刺激し得ない。B7h/B7RP−1の表面発現は、3T3線維芽細胞株中の腫瘍壊死因子によってアップレギュレートされ、そしてB7h/B7RP−1メッセンジャーRNA(mRNA)の増加もまた、リポポリサッカライド(LPS)に曝された非リンパ組織において観察されることが示された。B7h/B7RP−1は、マウスCRP−1(ヒトICOSのマウスホモログ)についてのリガンドであることが示されている。トランスジェニックマウスにおけるB7RP−1融合タンパク質の発現は、複数のリンパ様器官の過形成を導き、そしてB7h/B7RP−1融合タンパク質でのマウスの処置は、オキサゾリン誘導接触過敏性を増加させた。ヒトB7ファミリーの新規メンバー(B7−H1)が、最近報告された。B7−H1は、IgV様およびIgC様の細胞外ドメインにおいて、B7−1およびB7−2と約20%同一なアミノ酸配列を共有するが、細胞質ドメインにおいては、B7−1およびB7−2とより大きく異なる。それらの間のアミノ酸の同一性が30%未満であるので、B7−H1は、マウスB7h/B7RP−1のヒトホモログではないようである。さらに、B7−HIは、CD28、CTLA−4、およびICOSに結合しない。B7−Hlの表面発現は、大多数の活性化CD14+マクロファージおよび一部の活性化T細胞に検出され得る。【0138】B7−H1は、最適下限の用量の抗−CD3 mAbの存在下で、T細胞応答を同時刺激し、同種異系混合リンパ球応答を増強し、そしてT細胞からのIL−10の分泌を優先的に誘導する。NCBIデータベース中でB7−1、B7−2、およびB7−HlのIg VドメインおよびIg Cドメインと相同性を共有する分子を検索し、続いてクローニングし、そして配列決定することによって、B7−H2(B7ホモログ2)とし称される新規のB7様遺伝子を同定した。B7−1、B7−2、およびB7−Hlに対する全体的構造類似性に加えて、B7−H2は、ICOSに結合し、そしてヒトT細胞の増殖およびサイトカイン産生を同時刺激する。B7−H2タンパク質の細胞表面発現は、単球由来の未成熟樹状細胞において検出される。可溶性B7−H2および免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質(B7−H2Ig)は、活性化T細胞と結合するが、休止T細胞とは結合せず、そしてこの結合は、誘導性同時刺激因子Ig(ICOSIg)によって排除されるが、CTLA4Igによって排除されない。さらに、ICOSIgは、B7−H2遺伝子を用いてトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣細胞を染色する。CD3の最適下の架橋によって、B7−H2IgによるT細胞増殖の同時刺激は、用量依存的であり、そしてインターロイキン(IL)−2の分泌に相関するが、最適なCD3ライゲーションは、IL−10産生を、優先的に刺激する。この結果は、B7−H2がICOS T細胞分子の推定リガンドであることを示す(Blood.2000;96:2808−2813)PMID:11023515,UI:20477846)。【0139】T細胞特異的細胞表面レセプターCD28およびCTLA4は、免疫系の重要な調節因子である。CD28は、効果的な抗原特異的免疫応答に必須のT細胞機能を強力に増強し、そしてCTLA4は、CD28媒介シグナルを相殺し、従って、それが無ければ致命的であるリンパ系の過剰刺激を防ぐ。活性化ヒトT細胞に対するモノクローナル抗体を作製することによって、ICOSと表される「誘導性同時刺激因子」の分子のこのファミリーの別のメンバーが、同定されている。ICOS特異的モノクローナル抗体は、休止ヒト末梢血T細胞と反応しないが、T細胞抗原レセプター複合体の刺激によって活性化されたCD4+Tリンパ球およびCD8+Tリンパ球を染色した。免疫沈降は、ICOS抗原を、55〜60kDの見かけの相対分子量を有するジスルフィド結合した二量体として規定した。SDS−PAGEによるタンパク質精製は、ICOSが、翻訳後修飾においてのみ異なる2つの鎖を有するホモ二量体タンパク質として、細胞表面上で発現されることを示した。2,641塩基対の全長ICOS cDNAを、MOLT−4V Tリンパ芽球cDNAライブラリからクローン化した。ノーザン分析は、活性化ヒトT細胞中に、約2.8kb長の単一のICOS mRNA種を明らかにした。ICOS mRNAのオープンリーディングフレームは、199アミノ酸のタンパク質をコードする。ICOSアミノ酸配列は、CD28およびCTLA4と、各々、24%および17%の同一性を共有する。予想される成熟ICOSは、42位および109位に保存されたシステイン残基によって安定化された、単一の免疫グロブリンV様ドメイン;約23アミノ酸の膜貫通領域;および35アミノ酸の細胞質テイルからなるI型膜貫通分子である。それは、CD28およびCTLA4に対する近い構造的類似性を示す。CD28の141位に配置されたシステイン残基(CTLA4においても見出される)は、明らかに、これらのタンパク質のホモ二量体鎖の間のジスルフィド架橋の形成に関与し、そして、これはまた、ICOSにおいて、136位に見出される。ICOSは、有効性においてCD28と一致し、そして外部抗原に対する全ての基本的なT細胞応答(すなわち増殖、リンホカインの分泌、細胞−細胞相互作用を媒介する分子のアップレギュレーション、およびB細胞による抗体分泌のための効果的な補助)を増強する。構成的に発現されたCD28とは異なり、ICOSは、新たにT細胞表面上で誘導されなくてはならず、そしてインターロイキン−2(IL2)の産生をアップレギュレートしないが、インターロイキン−10(IL10)(B細胞分化因子)の合成を過剰誘導する。インビボで、ICOSは、扁桃のT細胞上で高度に発現され、これらは、T細胞胚中心の先端の明領域(light zone)(末端B細胞の成熟の部位)においてB細胞に密接に会合している。【0140】Icos欠損マウスが作製されており、そしてIcosの不存在が、T細胞の発達を損なわないことが決定されている。しかし、増殖およびIL2産生に関するT細胞活性化は、損なわれた。分化したIcos−/−細胞は、IFNGを産生し得たが、IL4もIL2も産生し得なかった。インビボ免疫はまた、IL2およびIL4の産生の欠損ならびに血清IgG1およびIgEの減少を明らかにした。アレルギーモデルを用いて、IcosがTh2細胞分化には必要とされないが、IL4およびIL13の産生を調節することが見出されている。多発性硬化症の実験的自己免疫脳炎(EAE)モデルを用いて、Icos−/−マウスが、野生型マウス(EAE耐性に関するもの以外の遺伝的バックグラウンドは、等しく有する)と比較して強力に増強された疾患を発症することが見出されている。ノックアウトマウスおよび野生型マウス由来の脾細胞は、検出不可能なレベルのIL4ならびに同様のレベルのILI0およびIFNGを産生したが;しかし、Icos−/−マウス由来細胞は、IL13を産生せず、一方で、野生型マウスは、豊富な量を産生する。ICOSが、IL13の誘導を介して、炎症性疾患に対する保護において重要な負の調節因子の役割を有し得ると結論付けられている。【0141】Icos欠損マウスは、野生型マウスと比較して、同様の基底レベルのIgM、わずかに増加したレベルのIgG3、ならびに減少したレベルのIgG1、IgG2a、およびIgEを有したことが見出されている。免疫されたノックアウトマウスおよび野生型マウスはまた、高度に炎症性の完全フロインドアジュバントの存在下である場合を除いて、同様のレベルのIgM特異的抗体を有するが、IgG1特異的抗体およびIgG2a特異的抗体を減少させそして胚中心の形成を減少させた。IgMからIgGへのクラススイッチングは、CD40の刺激によって、Icos−/−マウスにおいて回復した。【0142】Icos欠損マウス由来の細胞における減少したT細胞増殖が、CD40LG、CD25、およびCD69の発現の顕著な減少と関連していたことが見出されている。B細胞活性化およびT細胞非依存性抗体応答は、Icosノックアウトマウスにおいて損なわれなかった。基底レベルのIgG1のみが、Icos−/−マウスにおいて、有意に減少したことが見出されているが;これらは、免疫後、血清IgG1レベルおよび血清IgG2aレベルが減少し、そしてIgEレベルが、検出不可能であったことと一致した。ELISAアッセイは、このクラススイッチングの減損が、減少したIL4産生と関連するが、IFNG産生と関連しないことを示した。免疫組織化学分析は、胚中心形成もまた、Cd40lgまたはCd28が欠損したマウスにおけるように、Icosノックアウトマウスにおいても減少することを決定した。【0143】本明細書中に開示されるNOV3タンパク質およびNOV3核酸に関するタンパク質類似性情報、発現パターン、細胞局在、およびマップ位置は、それが、免疫グロブリンドメイン含有タンパク質ファミリーに特徴的な重要な構造的機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。したがって、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および潜在的治療適用において、ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断および/または予後マーカーとしての役割を果たすことを含む(ここで、この核酸またはこのタンパク質の存在または量が評価される)。これらはまた、以下のような潜在的な治療適用を含む:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的化抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)に有用な核酸、(v)インビトロおよびインビボで組織再生を促進する薬剤、ならびに(vi)生物学的保護手段。【0144】本発明の核酸およびタンパク質は、種々の疾患および障害の診断および/または処置における適用を有する。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患した患者の処置について効力を有し得る:てんかんを含む脳障害、摂食障害、精神分裂病、ADDおよび癌;心臓疾患;炎症性障害およびクローン病を含む自己免疫疾患、IBD、アレルギー、リウマチ性および変形性関節症、炎症性皮膚障害、アレルギー、血液障害;乾癬、結腸癌、白血病、AIDS;視床障害;代謝障害(糖尿病および肥満を含む);肺疾患(例えば、喘息、気腫、嚢胞性線維症および癌);膵臓障害(膵臓機能不全および膵臓癌を含む);および前立腺障害(前立腺癌を含む)、ならびに他の疾患、障害、および状態。【0145】本発明のB7−H2様タンパク質をコードする新規核酸、またはそのフラグメントは、診断適用において有用である(ここでこの核酸またはタンパク質の存在または量が評価される)。これらの物質は、治療的方法または診断的方法における使用のための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製にさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて当該分野において公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV3タンパク質は、複数の親水性領域を有し、それらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、意図されるNOV3エピトープは、ほぼアミノ酸20〜アミノ酸25である。別の実施形態において、意図されるNOV3エピトープは、ほぼアミノ酸40からアミノ酸42である。他の特定の実施形態において、意図されるNOV3エピトープは、ほぼアミノ酸48〜アミノ酸55、ほぼアミノ酸60〜アミノ酸75、ほぼアミノ酸90〜アミノ酸120、ほぼアミノ酸145〜アミノ酸180、ほぼアミノ酸230〜アミノ酸250およびほぼアミノ酸270〜アミノ酸290である。【0146】(NOV4)NOV4は、2つの新規B7−H1様タンパク質を含む。開示されるタンパク質は、NOV4aおよびNOV4bと名づけられている。【0147】(NOV4a)開示されるNOV4a核酸(CG56110−01と称される)は、新規B7−H1様タンパク質をコードし、4582ヌクレオチド配列(配列番号19)を含み、表4Aに示される。ヌクレオチド10〜12のATGコドンで始まりヌクレオチド887〜889のTAAコドンで終了する、成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームが、同定された。終止コドンから下流および開始コドンから上流の推定非翻訳領域は、表4Aにおいて下線を付してあり、そして開始コドンおよび終止コドンは、太字になっている。【0148】【表4A】第9染色体マップされたNOV4aの核酸配列は、Mus musculus由来のgb:GENBANK−ID:AF317088|acc:AF317088.1 mRNA(Mus musculus B7−H1タンパク質 mRNA、完全cds)に対して873塩基のうち672塩基(76%)が同一である(E = 8.5e−106)。【0149】NOV4aポリペプチド(配列番号20)は290アミノ酸残基長であり、そして表4Bにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。シグナルP、Psortおよび/またはヒドロパシーは、NOV4aがシグナルペプチドを有し、そして0.4600の確かさで原形質膜に局在化されている可能性があると予想する。代替的な実施形態において、NOV4aポリペプチドは、0.1000の確かさで小胞体(膜)に配置されるか、0.1000の確かさで小胞体(内腔)に配置されるか、または0.1000の確かさで細胞の外側に配置される。シグナルPは、アミノ酸位置18と19との間(すなわち、配列LNA−FTのダッシュ)のNOV4aペプチドの可能性のある切断部位を予想する。【0150】【表4B】NOV4aアミノ酸配列は、Mus musculus(マウス)由来の290アミノ酸残基のptnr:TREMBLNEW−ACC:AAG18509タンパク質(PD−1リガンド前駆体)に対して、290アミノ酸残基のうち202(69%)が同一であり、そして290アミノ酸残基のうち236(81%)が類似である(E=3.0e−116)。【0151】NOV4aは、少なくとも以下の組織で発現される:LPS処理した樹状細胞、LPS処理した単球およびマクロファージ、脳、頸部、卵巣、下垂体、胎盤、子宮、器官全体。この情報は、SeqCalling供給源、公共のEST供給源、文献供給源および/またはRACE供給源が挙げられるが、これらに限定されない、本発明に含まれる配列の組織供給源を決定することにより得た。【0152】NOV4aについて見出される可能な小ヌクレオチド多型(SNPs)を表4Cに列挙する。【0153】【表4C】(NOV4b)開示されるNOV4b核酸(CG56110−04として示される)(これはNOV4aのスプライシング改変体である)は、表4Dに示される745ヌクレオチド配列(配列番号21)を含む。ヌクレオチド1〜3のATGコドンで始まりヌクレオチド535〜537のTAGコドンで終了する、成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームが、同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンは、太字で強調されている。推定非翻訳領域は下線を付してあり、そして開始コドンの上流および終止コドンの下流に見出される。【0154】【表4D】第9染色体にマップされるNOV4bの核酸配列は、Homo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:AF233516|acc:AF233516.1 mRNA(Homo sapiensPD−1リガンド前駆体mRNA、完全cds)に対して530塩基のうち530塩基(100%)が同一である(E=2.8e−160)。【0155】NOV4bポリペプチド(配列番号22)は、178アミノ酸残基長であり、そして表4Eにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。シグナルP、Psortおよび/またはヒドロパシーは、NOV4bがシグナルペプチドを有し、そして0.4180の確かさで細胞の外側に局在化されている可能性があると予想する。他の実施形態において、NOV4bは、0.1000の確かさで小胞体(膜)リソソーム(内腔)に配置されるか、または0.1000の確かさでマイクロボディ(ペルオキシソーム)に局在する。NOV4bペプチドについての最も可能性がある切断部位は、アミノ酸位置18と19との間(LNA−FTのダッシュ)である。【0156】【表4E】NOV4bアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の290アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q9NZQ7タンパク質(B7−H1(PD−1リガンド前駆体))に対して、177アミノ酸残基のうち177(100%)が同一であり、そして177アミノ酸残基のうち177(100%)が類似である(E=1.8e−92)。【0157】NOV4bは、少なくとも以下の組織において発現される:哺乳動物組織、子宮。発現情報は、NOV4bの配列の誘導に含まれる配列の組織供給源から得た。【0158】NOV4aおよびNOV4bは、表4Fのアミノ酸アラインメントに示されるように非常に密接に相同である。【0159】【表4F】任意の上記NOV4タンパク質のいずれかに対する相同性は、上に示されるようにそれらが互いに相同である範囲で他のNOV4タンパク質によって共有される。NOV4に対する任意の参照は、他に示されない限り、両方のNOV4タンパク質を一般に示すことが想定される。【0160】NOV4aはまた、表4Gに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対する相同性を有する。【0161】【表4G】これらの配列の相同性は、表4Hに示されるClustalW分析において図示される。【0162】【表4H】表4Iおよび4Jは、NOV4に対するDOMAIN分析結果からのドメインの記載を列挙する。これは、NOV4配列が、これらのドメインを含むことが知られている他のタンパク質の特性と類似した特性を有することを示す。【0163】【表4I】【0164】【表4J】B7−1またはB7−2によるCTLA4の連動は、一方で、増殖およびインターロイキン−2(IL2)産生を阻害し得る。CD28関連分子ICOSに対する抗体は、T細胞増殖を刺激し得、そしてIL10およびIL4の産生を誘導し得る。B7−1ホモログおよびB7−2ホモログについてESTデータベースを検索し、次いで胎盤cDNAライブラリをRT−PCRすることにより、Dongら(1999)は、B7Hl(B7ホモログ−1)をコードするcDNAを得た。配列分析は、この290アミノ酸のI型膜貫通タンパク質(これは、B7−1およびB7−2に対して、各々、20%および15%同一である)が、免疫グロブリンV様ドメインおよび免疫グロブリンC様ドメインならびに30アミノ酸の細胞質テイルを有すると予想した。ノーザンブロット分析は、心臓、骨格筋、胎盤、および肺において、最も豊富に4.1kbおよび7.2kbのB7H1転写物を検出し、胸腺、脾臓、腎臓、および肝臓において、弱い発現でこれらの転写物を検出し、そして脳、結腸、および小腸においては、発現が検出されなかった。蛍光活性化細胞選別(FACS)分析は、単球画分でのB7H1発現、およびT細胞およびB細胞での弱い発現を実証した。活性化は、T細胞および単球の両方での発現を有意に増加させ、B細胞ではより低い程度で発現を増加させた。結合分析は、B7H1と、ICOS、CTLA4、またはCD28との間の相互作用を実証しなかった。B7H1存在下でのT細胞の刺激は、IL2依存性の様式で、増殖ならびにIL10およびγインターフェロン(IFNG)の優先的産生を増加させたが、IL4の優先的産生は増加させなかった。【0165】Freemanら(2000)もまた、B7H1をクローン化した、彼らは、それを、「プログラム細胞死−1(PDCD1またはPD1)リガンド−1」すなわちPDL1と称した。マウスPdl1は、ヒトタンパク質に対して70%同一である。フローサイトメトリー分析およびBIAcore分析PDLIがPDCD1に結合するが、構造的に類似のCTLA4、CD28、またはICOSタンパク質には結合しないことを決定した。RNAブロットハイブリダイゼーションは、PDL1が、IFNGを用いた処理によって単球においてアップレギュレートされ、そして他の活性化因子と共にIFNGで処理することによって樹状細胞およびケラチノサイトにおいてアップレギュレートされることを示した。樹状細胞において、B7−1およびB7−2が、PDL1と平行して、アップレギュレートされた。PDL1の発現はまた、表面のIg架橋により活性化されたB細胞において、アップレギュレートされた。PDL1の存在下でのヒトT細胞およびマウスPdcdl +/+ T細胞の活性化は、恐らくPDCD1上の細胞質免疫レセプターチロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)の存在に起因して、増殖およびサイトカイン分泌の減少を導いた。【0166】PCRおよび体細胞ハイブリッド分析によって、Freemanら(2000)は、第9染色体にPDLIをマッピングした。Scott(2000)は、B7H1配列(GenBank GENBANK AF177937)と第9染色体クローンRP11−574F11(GenBank GENBANK AL162253)との間の配列類似性に基いて、B7HI遺伝子を第9染色体にマッピングした。【0167】Rennertら(1997) Int Immunol 9, 805−13:B7−1(CD80)およびB7−2(CD86)は、抗原提示細胞上で発現される遺伝的および構造的に関連する分子である。これらの両方は、CD28に結合して、Tリンパ球を同時刺激し、増殖およびサイトカイン産生を生じる。CD28およびCTLA−4に結合するB7−1およびB7−2の細胞外部分は、Ig可変(V)ドメイン配列およびIg定常(C)ドメイン配列に関連する。最近の報告は、インビボで生じ、かつ機能が未知であるB7タンパク質のスプライシング改変体形態を記載している。ここで本発明者らは、Ig様細胞外ドメインまたはIgFcテイルに結合された個々のIgVドメインもしくはIgCドメインの両方のうちいずれかを含む可溶性組換え形態のB7−1およびB7−2を記載する。可溶性B7−1およびB7−2は、CD28およびCTLA−4に結合し、そして効果的にTリンパ球を同時刺激して、それらの増殖およびサイトカインの分泌を生じる。さらに、B7−2のIgVドメインは、CD28およびCTLA−4に結合し、これらのレセプターへの結合についてB7−1およびB7−2と競合し、Tリンパ球を同時刺激する。架橋された可溶性B7−2vは、最も可能性のある試験された同時刺激分子であり、そして架橋された可溶性のB7−1タンパク質またはB7−2タンパク質よりも約1/100倍低い濃度で活性であった。トシル活性化ビーズに結合された場合、B7−2vは、複数回のT細胞の増殖を支持し得た。これらのデータは、天然に存在する改変体の記載を補って、T細胞のインビボでの同時刺激が、可溶性形態または短縮形態のB7タンパク質によって調製され得ることを示唆する。【0168】いくつかの最近の研究は、B7ファミリーメンバー様B7RP−I(B7関連タンパク質−1)、B7−1、およびB7−2と、抗原レセプター(例えば、CD28、CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4)およびICOS(誘導性同時刺激分子))との同時刺激相互作用の重要性を実証する。これらのタンパク質相互作用が、正常なT細胞の活性化および増殖、B細胞の刺激および抗体産生、免疫グロブリンクラススイッチング、インターロイキン産生、ならびに胚中心形成のために必須であることが示されてきた。これらの事象が、適切な体液性免疫応答を媒介するのに必須の段階を構成するので、これらの調節は、多くの種類の免疫系障害についての潜在的な治療として作用し得る(Dong,C.,ら、ICOS co−stimulatory receptor is essential for T−cell activation and function. Nature. 409, 97−101 (2001); McAdam, A.J.,ら. ICOS is critical for CD40−mediated antibody class switching. Nature. 409, 102−105 (2001); Taftuiri, A.,ら. ICOS is essential for effective T−helper−cell responses. Nature. 409, 105−109 (2001); Yoshinaga, S.K.,ら. T−cell co−stimulation through B7RP−1 and ICOS. Nature. 402, 827−932 (1999))。【0169】B7ファミリーメンバーであるB7−1およびB7−2は、CD28と相互作用し、そして抗原特異的体液性免疫応答および細胞媒介免疫応答の開始において必須のT細胞同時刺激経路を構成する。ここで本発明者らは、B7−Hlと呼ばれるB7ファミリーの第3のメンバーを記載する。これは、CD28、細胞傷害性Tリンパ球A4またはICOS(誘導性同時刺激因子)に結合しない。B7−H1同時刺激されたT細胞のライゲーションは、ポリクローナル刺激剤および同種異系の抗原に応答し、そして優先的に、インターロイキン−10の産生を刺激した。少量で産生されるが、インターロイキン−2は、B7−H1同時刺激の効果のために必要であった。従って、本発明者らの研究は、細胞媒介免疫応答の負の調節に関与し得るこれまで未知であった同時刺激因子分子を規定する。PMID:10581077,UI:20048154同時刺激は、T細胞活性化に必須である。抗原提示細胞上で、重要な因子が、B7遺伝子の拡張されたファミリーにおいて見出され、この拡張されたファミリーは、cd80、cd86、B7h/B7RP−1およびB7−Hlを含む。cd80およびcd86は、T細胞上でCD28およびCTLA4に結合するタンパク質をコードする。強力なCTLA4−Ig融合タンパク質を用いてこの経路を遮断することは、治療薬剤としての能力を促進することを示す。cd80およびcd86経路は、主に、未処理T細胞上で作用するが、B7h/B7RP−1およびB7−H1は、抗原を受けたリンパ球上でそれらの効果を発揮するようである。PMID:11029388,UI:20485717。【0170】抗原存在下でのB7−1(CD80;OMIM #112203)またはB7−2(CD86;OMIM #601020)によるCD28(OMIM #186760)の連動は、T細胞増殖、サイトカイン産生、エフェクターT細胞の分化、およびBCL−X(OMIM #600039)(T細胞生存のプロモーター)の誘導を促進する。一方、B7−1またはB7−2によるCTLA4(OMIM #123890)の連動は、増殖およびインターロイキン−2(IL2;OMIM #147680)産生を阻害し得る。CD28関連分子ICOS(OMIM #604558)に対する抗体は、T細胞増殖を刺激し得、そしてIL10(OMIM #124092)およびIL4(OMIM #147780)の産生を誘導し得る。B7−1ホモログおよびB7−2ホモログについてESTデータベースを検索し、次いで胎盤cDNAライブラリのRT−PCRを行うことによって、Dongら(1999)は、B7−Hl(B7ホモログ−1)をコードするcDNAを得た。配列分析は、290アミノ酸のI型膜貫通タンパク質(これらは、B7−1およびB7−2に対して各々、20%および15%同一である)は、免疫グロブリンV様ドメインおよび免疫グロブリンC様ドメインならびに30アミノ酸の胞質テイルを有することを予想した。ノーザンブロット分析は、心臓、骨格筋、胎盤、および肺において、最も豊富に4.1kbおよび7.2kbのB7−H1転写物を検出し、胸腺、脾臓、腎臓、および肝臓において、弱い発現でこれらの転写物を検出し、そして脳、結腸、および小腸においては、発現が検出されなかった。蛍光活性化細胞選別(FACS)分析は、単球画分でのB7−H1発現、ならびにT細胞およびB細胞での弱い発現を実証した。活性化は、T細胞および単球の両方での発現を有意に増加させ、B細胞ではより低い程度で発現を増加させた。結合分析は、B7−H1と、ICOS、CTLA4、またはCD28との間の相互作用を実証しなかった。B7−H1存在下でのT細胞の刺激は、IL2依存性の様式で、増殖ならびにIL10およびγインターフェロン(IFNG;OMIM #147570)の優先的産生を増加させたが、IL4の優先的産生は増加させなかった。【0171】本明細書中に開示されるNOV4タンパク質およびNOV4核酸に関するタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、それが、B7ファミリーに特徴的な重要な構造的機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。したがって、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および潜在的治療適用において、ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断および/または予後マーカーの役割を果たすことを含む(ここで、この核酸またはこのタンパク質の存在または量が評価される)。これらはまた、以下のような潜在的な治療適用を含む:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)に有用な核酸、ならびに(v)インビトロおよびインビボで組織再生を促進する組成物、および(vi)生物学的保護手段。【0172】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害ならびに/あるいは他の病理に関連する潜在的な診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患した患者の処置について効力を有する:てんかんを含む脳障害、摂食障害、精神分裂病、ADD、および癌;心臓疾患;炎症性障害およびクローン病を含む自己免疫疾患、IBD、アレルギー、リウマチ様および変形性関節症、炎症性皮膚障害、アレルギー、血液障害;乾癬、結腸癌、白血病、AIDS;視床障害;代謝障害(糖尿病および肥満を含む);肺疾患(例えば、喘息、気腫、嚢胞性線維症および癌);膵臓障害(膵臓機能不全および膵臓癌を含む);および前立腺障害(前立腺癌を含む)、免疫媒介性の病因、T細胞媒介性疾患、多発性硬化症、結腸炎、癌、外傷、再生(インビトロおよびインビボ)、ウイルス感染/細菌感染/寄生生物感染、ならびに他の疾患、障害、および状態など。【0173】これらの物質は、治療方法または診断的方法に使用するための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製にさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、親水性チャートからの予測を用いて当該分野において公知の方法に従って作製される。開示されるNOV4タンパク質は、複数の親水性領域を有し、それらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、意図されるNOV4エピトープは、ほぼアミノ酸40〜アミノ酸45である。別の実施形態において、意図されるNOV4エピトープは、ほぼアミノ酸52からアミノ酸55である。他の特定の実施形態において、意図されるNOV4エピトープは、ほぼアミノ酸60〜アミノ酸68、ほぼアミノ酸70〜アミノ酸90、ほぼアミノ酸110〜アミノ酸112、ほぼアミノ酸130〜アミノ酸140、ほぼアミノ酸142〜アミノ酸145、ほぼアミノ酸150〜アミノ酸155、ほぼアミノ酸157〜アミノ酸160、ほぼアミノ酸175〜アミノ酸190、ほぼアミノ酸220〜アミノ酸240、およびほぼアミノ酸260〜アミノ酸280である。【0174】(NOV5)NOV5は、2つの新規プロスタシン様タンパク質を含む。開示されるタンパク質は、NOV5aおよびNOV5bと呼ばれる。【0175】(NOV5a)開示されるNOV5a核酸(CuraGen登録番号CG56142−01と称される)は、新規プロスタシン様タンパク質をコードし、866ヌクレオチド配列(配列番号23)を含み、表5Aに示される。ヌクレオチド19〜21のATGコドンで始まりヌクレオチド820〜822のTGAコドンで終了する、オープンリーディングフレームが、同定された。終止コドンから下流および開始コドンから上流の推定非翻訳領域は、表2Aにおいて下線を付してあり、そして開始コドンおよび終止コドンは、太字になっている。【0176】【表5A】第16染色体にマップされるNOV5aの核酸配列は、Homo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:AF175522|acc:AFl75522.1 mRNA(Homo sapiens膜貫通トリプターゼmRNA、完全cds)に対して639塩基のうち421塩基(65%)が同一である(E = 1.2e−30)。【0177】NOV5aポリペプチド(配列番号25)は267アミノ酸残基長であり、そして表5Bにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。シグナルP、Psortおよび/またはヒドロパシーは、NOV5aがシグナルペプチドを有し、そして0.6902の確かさで細胞外に局在化されている可能性があると予想する。代替的な実施形態において、NOV5aポリペプチドは、0.1000の確かさで小胞体(膜)に配置されるか、0.1000の確かさで小胞体(内腔)に配置されるか、または0.1000の確かさでリソソーム(内腔)に配置される。シグナルPは、アミノ酸位置18と19との間(すなわち、配列ACG−QPのダッシュ)のNOV5aペプチド可能性のある切断部位を予想する。【0178】【表5B】NOV5aアミノ酸配列は、Rattus norvegicus(ラット)由来342アミノ酸残基のptnr:TREMBLNEW−ACC:AAG32641タンパク質(PROSTASIN)タンパク質に対して、201アミノ酸残基のうち93(46%)が同一であり、そして201アミノ酸残基のうち125(62%)が類似である(E=1.2e−45)NOV5aは、少なくとも以下の組織で発現される:子宮内膜癌組織。この情報は、SeqCalling供給源、公共のEST供給源、文献供給源および/またはRACE供給源が挙げられるが、これらに限定されない、本発明に含まれる配列の組織供給源を決定することにより得た。【0179】NOV5aについて見出される可能な小ヌクレオチド多型(SNP)を表5に列挙する。【0180】【表5C】(NOV5b)開示されるNOV5b核酸(CuraGen CG56142−02として示される)は、新規プロススタチン様タンパク質をコードし、そして表5Dに示される1020ヌクレオチド配列(配列番号25)を含む。ヌクレオチド91〜93のATGコドンで始まりヌクレオチド931〜933のTAAコドンで終了する、成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームが、同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンは、太字で強調されている。推定非翻訳領域は下線を付してあり、そして開始コドンの上流および終止コドンの下流に見出される。【0181】【表5D】第16染色体にマップされるNOV5bの核酸配列は、Homo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HSA306593|acc:AJ306593.1 mRNA(マラプシン(marapsin)(MPN遺伝子)についてのHomo sapiens mRNA)に対して863塩基のうち561塩基(65%)が同一である(E=4.8e−47)。【0182】NOV5bポリペプチド(配列番号:26)は、280アミノ酸残基長であり、そして表5Eにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。シグナルP、Psortおよび/またはヒドロパシーは、NOV5bがシグナルペプチドを有し、そして0.8200の確かさで小胞体(膜)に局在化されている可能性があると予想する。代替的な実施形態において、NOV5bポリペプチドは、0.1900の確かさで原形質膜に配置されるか、0.1000の確かさで小胞体(内腔)に配置されるか、または0.1000の確かさで細胞の外側に配置される。シグナルPは、アミノ酸位置22と23との間(すなわち、配列TQG−RKのダッシュ)のNOV5bペプチドの可能性のある切断部位を予想する。【0183】【表5E】NOV5bアミノ酸配列は、Rattus norvegicus(ラット)由来の342アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q9ES87タンパク質(PROSTATIN)に対して、276アミノ酸残基のうち132(47%)が同一であり、そして276アミノ酸残基のうち172(62%)が類似である(E=6.9e−67)。【0184】NOV5aおよびNOV5bは、表5Fのアミノ酸アラインメントに示されるように、非常に密接に相同である。【0185】【表5F】上記NOV5タンパク質のいずれかに対する相同性は、上に示されるようにそれらが互いに相同である範囲で他のNOV5タンパク質によって共有される。NOV5に対する任意の参照は、他に示されない限り、両方のNOV5タンパク質を一般に示すことが想定される。【0186】NOV5aはまた、表5Gに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対する相同性を有する。【0187】【表5G】これらの配列の相同性は、表5Hに示されるClustalW分析において図示される。【0188】【表5H】本明細書中に開示されるNOV5タンパク質およびNOV5核酸に関するタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、このファミリーに特徴的な重要な構造的機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および潜在的治療適用において、ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカー(ここで、この核酸またはこのタンパク質の存在または量が評価される)ならびに以下のような潜在的な治療適用を役割を果たす:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子切除)に有用な核酸、ならびに(v)インビトロおよびインビボで組織再生を促進する薬剤、および(vi)生物学的保護手段。【0189】本発明の核酸およびタンパク質は、以下の記載される種々の疾患および障害ならびに/あるいは他の病理に関連する潜在的な診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患した患者の処置について効力を有する:心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心臓欠損、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損症、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、癌、外傷、再生(インビボおよびインビトロ)、ウイルス感染/細菌感染/寄生生物感染、心筋症、アテローム硬化症、高血圧、先天性心障害、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損症、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満症、移植、動脈瘤、線維筋性形成異常、発作、貧血、出血障害、副腎脳白質ジストロフィー、先天性副腎過形成、糖尿病、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、膵臓炎、上皮小体機能亢進、上皮小体機能低下、SIDS、子宮内膜症、受胎能、口内乾燥、高カルシウム血症、潰瘍、肝硬変、炎症性腸疾患、憩室性疾患、ヒルシュスプルング病、クローン病、虫垂炎、血友病、凝固能亢進性症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫疾患、アレルギー、免疫欠損、対宿主性移植片病、毛細血管拡張性運動失調、血友病、リンパ水腫、扁桃炎、骨粗鬆症、関節炎、強直性脊椎炎、脊柱側弯症、腱炎、筋ジストロフィー、レッシュ−ナイハン症候群、重症筋無力症、歯科疾患および感染、アルツハイマー病、結節硬化、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性小児麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、毛細血管拡張性運動失調、白質ジストロフィー、行動障害(behavioral disorders)、嗜癖、不安、疼痛、神経保護(neuroprotection)、成長障害および生殖障害(growth and reproductive disorders)、分泌不全、全身性エリテマトーデス、喘息、気腫、ARDS、咽頭炎、喉頭炎、聴覚障害、耳鳴、乾癬、光線性角化症、結節硬化、挫瘡、髪の成長、アロペシア(allopecia)、色素沈着障害、膀胱炎、失禁、腎動脈狭窄、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎疾患、全身性エリテマトーデス、尿細管性アシドーシス、IgAネフロパシー、膀胱尿管逆流、緑内障、失明、および甲状腺機能低下性心室中隔欠損(VSD)、弁障害、結節硬化、強皮症、肥満症、移植ならびに他の疾患、障害および状態など。【0190】本発明のプロスタシン様タンパク質をコードする新規核酸、またはそのフラグメントは、診断適用(ここでこの核酸またはタンパク質の存在または量が評価される)に有用である。これらの物質は、治療方法または診断方法に使用するための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製にさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、親水性チャートからの予測を用いて当該分野において公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV5タンパク質は、複数の親水性領域を有し、それらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、意図されるNOV5エピトープは、ほぼアミノ酸30〜アミノ酸35である。別の実施形態において、意図されるNOV5エピトープは、ほぼアミノ酸40〜アミノ酸45である。他の特定の実施形態において、意図されるNOV5エピトープは、ほぼアミノ酸70〜アミノ酸80、ほぼアミノ酸95〜アミノ酸105、ほぼアミノ酸110〜アミノ酸115、ほぼアミノ酸140〜アミノ酸150、ほぼアミノ酸160〜アミノ酸170、ほぼアミノ酸175〜アミノ酸180、ほぼアミノ酸190〜アミノ酸195、ほぼアミノ酸220〜アミノ酸225、ほぼアミノ酸230〜アミノ酸240、ほぼアミノ酸245〜アミノ酸248、ほぼアミノ酸249〜アミノ酸252、およびほぼアミノ酸260〜アミノ酸262である。【0191】(NOV6)NOV6は、3つの新規リソソーム酸性リパーゼ様タンパク質を含む。開示されるタンパク質は、NOV6aおよびNOV6bと呼ばれる。【0192】(NOV6a)開示されるNOV6a核酸(CuraGen登録番号CG50159−01と称される)は、新規リソソーム酸性リパーゼ様タンパク質をコードし、1267ヌクレオチド配列(配列番号27)を含み、表6Aに示される。ヌクレオチド9〜10のATGコドンで始まりヌクレオチド1127〜1129のTAAコドンで終了する、成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームが、同定された。終止コドンから下流および開始コドンから上流の推定非翻訳領域は、表6Aにおいて下線を付してあり、そして開始コドンおよび終止コドンは、太字になっている。【0193】【表6A】第10染色体にマップされるNOV6aの核酸配列は、Rattus norvegicus由来gb:GENBANK−ID:RNLIP|acc:X02309.1 mRNA(舌リパーゼについてのラットmRNA)に対して820塩基のうち545塩基(66%)が同一である(E=2.5e−71)。【0194】NOV6aポリペプチド(配列番号28)は373アミノ酸残基長であり、そして表6Bにおいて1文字アミノ酸コードを用いて示される。シグナルP、Psortおよび/またはヒドロパシーの結果は、NOV6aがシグナルペプチドを有し、そして0.5500の確かさでリソソーム(内腔)に局在化されている可能性があると予想する。代替的な実施形態において、NOV6aポリペプチドは、0.3700の確かさで細胞外に配置されるか、0.2967の確かさでマイクロボディ(ペルオキシソーム)に配置されるか、または0.1000の確かさで小胞体(膜)に配置される。シグナルPは、アミノ酸位置17と18との間(すなわち、配列LNA−GGのダッシュ)のNOV6aペプチドの可能性のある切断部位を予想する。【0195】【表6B】NOV6aアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の399アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q16529タンパク質(リソソーム酸性リパーゼ前駆体)に対して、297アミノ酸残基のうち152(51%)が同一であり、そして297アミノ酸残基のうち201(67%)が類似である(E=6.2e−108)。【0196】NOV6について見出される可能な小ヌクレオチド多型(SNPs)を表6Cに列挙する。【0197】【表6C】(NOV6b)開示されるNOV6b核酸(CuraGen Acc.No.CG50159−02と称される)は、新規リソソーム酸性リパーゼ様タンパク質をコードし、そして表6Dに示す1267ヌクレオチドの配列(配列番号29)を含む。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド8〜10のATGコドンで始まってヌクレオチド1126〜1128のTAAコドンで終わると同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調する。推定非翻訳領域に下線を付し、そしてこれは、開始コドンの上流および終止コドンの下流に見出される。【0198】【表6D】NOV6bの核酸配列は、第17染色体にマッピングされ、そしてRattus norvegicus由来のgb:GENBANK−ID:RNLIP|acc:X02309.1 mRNA(舌リパーゼについてのラットmRNA)に対して同一な545塩基(820塩基中;66%)を有する(E=2.5e−71)。【0199】NOV6bポリペプチド(配列番号30)は373アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表6Eに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV6bが、シグナルペプチドを有して、0.5500の確実性でリソソーム(内腔)に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV6bポリペプチドは、0.3700の確実性で細胞の外側に、0.2967の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に、または0.1000の確実性で小胞体(膜)に位置する。SignalPは、アミノ酸17位と18位との間にNOV6bペプチドについてありそうな切断部位(すなわち、配列LNA−GGにおけるダッシュ)を推測する。【0200】【表6E】NOV6bのアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の399アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q16529タンパク質(リソソームの酸性リパーゼ前駆体)に対して同一な152アミノ酸残基(297アミノ酸残基中;51%)および類似な201アミノ酸残基(297アミノ酸残基中;67%)を有する(E=6.2e−108)。【0201】(NOV6c)開示されるNOV6c核酸(CuraGen Acc.No.CG50159−04と称される)は、新規リソソーム酸性リパーゼ様タンパク質をコードし、そして表6Fに示す1195ヌクレオチドの配列(配列番号30)を含む。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド8〜10のATGコドンで始まってヌクレオチド1126〜1128のTAAコドンで終わると同定された。オープンリーディングフレームの開始コドンおよび終止コドンを、太字で強調する。推定非翻訳領域に下線を付し、そしてこれは、開始コドンの上流および終止コドンの下流に見出される。【0202】【表6F】NOV6cの核酸配列は、第10染色体にマッピングされ、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:A01046|acc:A01046.1 mRNA(ヒトの胃リパーゼについてのH.sapiens mRNA)に対して同一な557塩基(827塩基中;67%)を有する(E=2.5e−71)。【0203】NOV6cポリペプチド(配列番号30)は349アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表6Gに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV6cが、シグナルペプチドを有して、0.8306の確実性でリソソーム(内腔)に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV6cポリペプチドは、0.3700の確実性で細胞の外側に、0.2944の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に、または0.1000の確実性で小胞体(膜)に位置する。SignalPは、アミノ酸17位と18位との間にNOV6bペプチドについてありそうな切断部位(すなわち、配列LNA−GGにおけるダッシュ)を推測する。【0204】【表6G】NOV6cのアミノ酸配列は、Mus musculus(マウス)由来の395アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q9D798タンパク質(2310051B21RIKタンパク質)に対して同一な143アミノ酸残基(278アミノ酸残基中;51%)および類似な185アミノ酸残基(278アミノ酸残基中;66%)を有する(E=7.2e−99)。【0205】NOV6cは、少なくとも以下の組織において発現される:プールされた哺乳動物組織。発現情報は、NOV6c配列の誘導体化において含まれたこの配列の組織供給源から導かれた。【0206】NOV6a、NOV6bおよびNOV6cは、表6Hにおけるアミノ酸のアラインメントにおいて示されるように、非常に緊密に類似している。【0207】【表6H】上記のNOV6タンパク質のいずれかに対する類似性は、上記に示したようなこれらが互いに類似する範囲で、他のNOV6タンパク質によって共有され得る。NOV6に対する何らかの言及は、そうでないと示されない限り、NOV6タンパク質の両方を一般に言及するとみなされる。【0208】NOV6aはまた、表6Iに列挙したBLASTPデータに示されるようなアミノ酸配列に対して相同性を有する。【0209】【表6I】これらの配列の相同性を、表6Jに示すClustalW分析において図として示す。【0210】【表6J】表6Kは、NOV6に対するドメイン分析の結果からのドメインの説明を列挙する。これは、NOV6配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特異性に類似した特性を有することを示す。【0211】【表6K】LIPBは、体細胞ハイブリッドの研究(Van Congら,1980)によって第16染色体に割り当てられた。リソソーム酸性リパーゼ−A(LIPA)は、おそらく対立遺伝子ウォルマン病およびコレステロールエステル貯蔵病において欠損している酵素である。リパーゼAおよびリパーゼBの異なった反応速度論的特性および物理的特性が、Warnerら(1980)によって規定された。彼らは、LIPSについての天然の基質が未知であること、およびLIPBがリソソームヒドロラーゼであるか明らかでないことを述べた。LIPAは、コレステロールを遊離させることによって、細胞代謝において重要な役割を果たし得る。遊離したコレステロールは、さらなるコレステロール合成を抑制し、そして細胞内でのコレステロールのエステル化を刺激する。リソソーム酸性リパーゼ(LIPAまたはLAL)(さもなければ、酸性コレステリルエステルヒドロラーゼとして公知)は、第10染色体上の遺伝子(LIPA)によってコードされる。【0212】2つの主な疾患(より重篤な乳児発症ウォルマン病およびより軽度の後期発症コレステリルエステル貯蔵病(CESD))は、表面上、LIPA遺伝子の異なる部分における変異によって引き起こされる。Wolmanら(Pediatrics 28:742−757,1961)は、内臓の関与が重要な特徴であり、約3ヶ月齢で死が起こる3つの同胞を記載した。黄色腫変化が、肝臓、副腎、脾臓、リンパ節、骨髄、小腸、肺および胸腺において観察され、そしてわずかな変化が、皮膚、網膜および中枢神経系において見られた。副腎は石灰化した。死は、腸の関与から生じる小腸の吸収不良に起因すると考えられた。親(ペルシャ系ユダヤ人)は、いとこであった。血漿中の脂質は、正常であるか中程度に上昇していた。いくつかの特徴によって、この実体が、高コレステロール血症および高脂血症とは異なることが示唆された(参照のこと)。3つの症例(第一は米国由来)は、Crockerら(Pediatrics 35:627−640,1965)によって報告され、Crockerらは、民族性については何の情報も与えなかった。比較的非特異的な臨床像は、乏しい体重増加、嘔吐、下痢、異常な隆起を伴う増大する肝脾腫大、および2〜4ヶ月齢までの栄養欠損による死亡を含む。ニーマン−ピック病(257200)においてのように、泡沫細胞は、骨髄において見出され、そして空胞のあるリンパ球は末梢血に見出される。副腎のびまん性斑点状カルシウム化は代表的である。播種性泡沫細胞浸潤が、多くの器官のいて見出される。コレステロールの大きな増大が器官において見出される。Konnoら(Tohoku J.Exp.Med.90:375−389,1996)は、3人の罹患同胞を有する日本人家族を報告した。Spiegel−Adolfら(Confin.Neurol.28:399−406,1966)は、アメリカ人家族における3人の罹患同胞を報告した。【0213】PatrickおよびLake(Nature 222:1067−1068,1969)は、罹患者の組織中のリソソームにおいてトリグリセリドおよびコレステロールエステルの進行性蓄積を明らかにもたらす、酸性リパーゼ(コレステリルエステルヒドロラーゼ;EC 3.1.1.13)欠損を実証した。Loughら(Arch.Path.89:103−110,1970)は、カルシウム化副腎が生後5日目に実証されるギリシャ人家系の罹患した乳児を記載した。YoungおよびPatrick(Arch.Dis.Child.45:664−668,1970)は、急性乳児形態においてと同じ生化学的変化および組織学的変化を有するが、発症がより遅く、劇症経過がずっと少ない、症例の経験についてコメントした。彼らの症例の1つは、8歳まで生存して良好であり、このことは、中程度の肝腫以外には臨床的異常がないことを示した。この同じ酵素は、全ての症例において欠損している。それゆえ、彼らは、全体のグループについて用語「酸性リパーゼ不全」を示唆し、ウォルマン病を急性乳児形態についての名称とすることを示唆した。BurtonおよびReed(Am.J.Hum.Genet.33:203−208,1981)は、3人のウォルマン病患者および3人のコレステロールエステル貯蔵病患者の線維芽細胞中の、酸性リパーゼに対する抗体と交叉反応する物質を実証した。CRMの定量は、両方の細胞型における正常なレベルを示した。酵素活性は、ウォルマン病線維芽細胞において約200倍減少し、そしてコレステロールエステル貯蔵病細胞において50倍〜100倍減少した。おそらく、コレステロールエステル貯蔵病は、ウォルマン病に対して対立遺伝子的な障害である(AssmannおよびFredrickson:Acid lipase deficiency(Wolman’s disease and cholesteryl ester storage disease),Stanbury,J.B.;Wyngaarden,J.B.;Fredrickson,D.S.;Goldstein,J.L.;Brown,M.S.;Metabolic Basis of Inherited Disease.New York:McGraw−Hill(出版社)(第5版)1983.803−819頁)が、細胞融合研究のような実験は、発明者の知るところでは、この事実を確立するためには行われていない。ウォルマン病およびコレステリルエスエル貯蔵病の対立遺伝子的性質を支持するのは、可能な遺伝的複合物、すなわち、中間の重篤度の症例の出現である(SchmitzおよびAssmann:Acid lipase deficiency:Wolman disease and cholesteryl ester storage disease.Scriver,C.R.;Beaudet,A.L.;Sly,W.S.;Valle,D.:The Metabolic Basis of Inherited Disease.New York:McGraw−Hill(出版社)(第6版)1989.1623−1644頁)。【0214】ウォルマン病およびコレステリルエスエル貯蔵病の両方において、Chatterjeeら(Clin.Genet.29:360−368,1986)は、尿中に脱落した腎臓の尿細管細胞が、コレステリルエステルおよびトリアシルグリセロールを持っていること、ならびにLIPAがこれらの細胞で欠けていることを実証した。YoshidaおよびKuriyama(Lab.Animal Sci.40:486−489,1990)は、ラットにおけるリソソーム酸性リパーゼ欠損を記載した。Royttaら(Clin.Genet.42:1−7,1992)は、オーランド諸島における罹患した1ヶ月齢の少女の症例(ウォルマン病の最初に公開されたスカンジナビア人例)を報告した。皮膚生検によって、1950年代の間に約3ヶ月齢で死亡したオーランド諸島の2人の同胞において見られた細胞質蓄積と同一の細胞質蓄積が示された。家系学的分析によって、2つの家族が、17世紀の間の同じ制限された地域由来の先祖および共通の先祖を有することが示された。罹患した2人の同胞の親は、小さな島で生まれ、そして「多くの異なる方法で」互いに関連付けられた。Schiffら(Am.J.Med.44:538−546,1968)は、10代の兄弟および姉妹(彼らの肝臓は色がオレンジ色であった)における肝臓におけるコレステロールエステル貯蔵病を記載した。4人のより若い同胞は、より軽度の変化を示した。親は、関連することは知られていなかった。コレステロールエステルおよびトリグリセリドの組織蓄積は、この疾患およびウォルマン病の両方において生じる。化学的異常および酵素的異常は類似する。表現型的発現における顕著な差異は、説明されないが、ハーラー症候群とシャイエ症候群との間、乳児後期型異染性白質萎縮と成人型異染性白質萎縮との間、および古典的形態(A型)のニーマン−ピック病と内臓形態(B型)のニーマン−ピック病との間の差異に匹敵する。これらの各々は、おそらく、一対の対立遺伝子障害である。【0215】ウォルマン病とは対照的に、コレステロールエステル貯蔵病は比較的良性である;しかし、1組の兄弟姉妹において、3人の姉妹は、急性肝不全によって、7歳、9歳および17歳で死亡した(Beaudetら,J.Pediat.90:910−914,1977)。動脈にける中性脂肪およびコレステロールエステルの蓄積は、罹患者をアテローム性動脈硬化に罹患しやすくする。高コレステロール血症は、普通である。大肝腫および肝臓線維症は、食道静脈瘤をもたらし得る。ウォルマン病およびこの障害の両方において欠損している酵素である、リソソーム酸性リパーゼAは、3つの酸性リパーゼアイソザイムのうちの1つである。リパーゼBおよびリパーゼCの役割は未知である。Besleyら(Clin.Genet.26:195−203,1984)は、アイルランドにおいて観察された最初の患者を報告した。次いで、肝腫および骨髄にシーブルー組織球を有する39歳で、この患者は、21歳から、全身の倦怠感および下痢の再発期間に罹っている。Desaiら(Am.J.Med.Genet.26:689−698,1987)は、危険性のある胎児由来の培養羊膜細胞(amniocyte)において欠損したリソソーム酸性リパーゼ活性の実証によって、この障害の出生前診断を行った。17週目の罹患した胎児におけるこの知見は、記載された。大リソソームコレステロールおよび脂質蓄積は、胎児の肝臓細胞、副腎細胞および合胞体層において実証された。特に注目されたのは、胎児副腎における広範囲の壊死の知見であった。副腎の壊死は、これらの患者において後に観察されたカルシウム化に先行し得る。Cagleら(Am.J.Med.Genet.24:711−722,1986)は、CESDを有する患者は、肺高血圧症を発症する危険性があると結論した。このようなことは、18歳で死亡した15歳の患者において認められていた。Di Bisceglieら(Hepatology 11:764−772,1990)は、血清リポタンパク質濃度にも肝臓の組織病理にも、ロバスタチン(コレステロール低化剤)での処置の12ヶ月以上後まで顕著な変化が見られないことを実証し得た。YokoyamaおよびMcCoy(J.Inherit.Metab.Dis.15:291−292,1992)は、組み合わせたコレスチラミンおよびロバスタチン治療を用いて何らかの改善を観察した。Kochら(Cytogenet.Cell Genet.25:174,1979;Somat.Cell Genet.7:345−358,1981)は、リソソーム酸性リパーゼAを、ヒト−チャイニーズハムスター体細胞ハイブリッドによって、第10染色体に割り当てた。GOT1(138180)との密接な一致から判断して、これらの遺伝子座は、10の長腕に共に近接し得る。リパーゼAは、マウスにおいて第19染色体によってコードされる(Kochら,1981)。【0216】可溶性グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(138180)はまた、ヒトにおいて第10q染色体に、そしてマウスにおいて19に存在する。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって、Andersonら(Genomics 15:245−247,1993)は、LIPA遺伝子座を10q23.2−q.23.3にマッピングした。これは、10q26.1での膵臓リパーゼ(246600)についての遺伝子座とは明らかに別個であった。AndersonおよびSando(J.Biol.Chem.266:22479−22484,1991)は、2.6kbのcDNAヌクレオチド配列から推定されたLALのアミノ酸配列が、ヒトの胃リパーゼ(これは、摂取されたトリグリセリドの十二指腸前分解に関与する)のアミノ酸配列と58%同一であることを報告した。Aslanidisら(Genomics 20:329−331,1994)は、各エキソンにハイブリダイズするゲノムEcoRIおよびSacIフラグメントの大きさと一緒に、LIPA遺伝子(これは、10個のエキソンからなる)のエキソン構造をまとめた。推定プロモーター領域のDNA配列が提示された。Andersonら(Proc.Nat.Acad.Sci.91:2718−2722,1994)は、LIPAについての遺伝子を単離して配列決定した。彼らは、これが、ゲノムDNAの36kbにわたって広がっていることを見出した。5−プライム隣接領域はGCリッチであり、そして「ハウスキーピング」遺伝子のプロモーターの特徴を有する。Aslanidisら(Genomics 33:85−93,1996)は、著しくより重篤な経過のウォルマン病が、残りの酵素活性が全くないLALの遺伝欠損によって引き起こされるという証拠を提供した。CESD患者では、エキソン8スプライスドナー部位の−1位でのGからAへのトランジションが、この対立遺伝子から生じるmRNAの97%においてエキソン8のスキップをもたらし、一方、3%が正確にスプライスされて全長LAL酵素となった。【0217】Paganiら(Hum.Molec.Genet.5:1611−1617,1996)は、3人の患者におけるCESDの分子的基礎を記載した。彼らは、LAL cDNAおよびゲノムDNAの配列分析によって変異を同定した。この疾患の直接的原因としての変異の役割は、LAL変異体でトランスフェクトした細胞由来の抽出物のLAL酵素活性を測定することによって確認された。3人のCESD患者は、複合ヘテロ接合体であることが見出された。Paganiら(1996)は、3つの異なるミスセンス変異、2つのスプライシング欠損およびnull対立遺伝子を同定した。Duら(Hum.Molec.Genet.7:1347−1354,1998)は、マウス遺伝子の破壊を標的化することにより生成されたnull変異によるリソソーム酸性リパーゼ欠損のマウスモデルを生成した。ホモ接合体ノックアウトマウスは、Lip1のmRNAも、タンパク質も、酵素活性も生じなかった。このホモ接合性欠損マウスは、メンデル比で生まれ、誕生時は正常なようであり、そして成体への正常な発生に従った。しかし、トリグリセリドおよびコレステリルエステルの大蓄積は、いくつかの器官において生じた。21日目までに、肝臓は、黄色から橙色を表し、そして正常より2倍まで大きくなった。蓄積したコレステリルエステルおよびトリグリセリドは、正常よりも約30倍高かった。ヘテロ接合性マウスは、正常の約50%の酵素活性を有し、そして脂質蓄積を示さなかった。雄性および雌性のホモ接合性欠損マウスは受精能があり、そして交配して子孫を生じ得た。このマウスモデルは、ヒトCESDの表現型モデルであり、そしてヒトのウォルマン病の生化学的および組織病理学的模倣物である。対立遺伝子改変体(選択された例)。0001 コレステリルエステル貯蔵病[LIPA,LEU179PRO]。【0218】CESDに罹患した2人の小児がいる家族において、MaslenおよびIllingworth(m.J.Hum.Genet.53(補遺):A926,1993)は、父から遺伝した対立遺伝子における、アミノ酸254−277に対応する、72bpの欠失、および母から遺伝した対立遺伝子における、179位のロイシンについてのプロリンの置換をもたらす、639位でのTからCへのトランジションについての複合ヘテロ接合性を見出した。0006 ウォルマン病[LIPA,TYR22TER]。ウォルマン病を有する日本人患者においては、Fujiyamaら(Hum.Mutat.8:377−380,1996)は、LIPA遺伝子のtyr22からterへの変異を同定した。この女性患者は、出生時に臍帯ヘルニア形成を有した。生後約30日目に、この患者は、肝脾腫大ならびに下痢および嘔吐の頻繁なエピソードを伴う、腹部膨満を示した。腹部コンピュータ連動断層撮影は、大肝脾腫大およびカルシウム化を伴う副腎の腫脹を明らかにした。貧血および肝不全は、迅速に進行し、そしてこの患者は、114日目に死亡した。これらの患者は、いとこであった。姉は、類似の症状で生後80日目に死亡した。【0219】本明細書中に開示されたNOV6のタンパク質および核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、細胞局在およびマップの位置は、NOV6のリソソーム酸性リパーゼ様タンパク質が、リソソーム酸性リパーゼファミリーに特有の重要な構造的機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。それゆえ、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断および治療適用において、ならびに研究ツールとして有用である。これらとしては、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとして役立つことが挙げられ、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである。これらとしてはまた、以下のような潜在的治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療において有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する薬剤、ならびに(vi)生物学的防御兵器。【0220】本発明の核酸およびタンパク質は、種々の疾患および障害の診断および/または処置において適用を有する。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患している患者の処置に効力を有する:重篤な乳児発症ウォルマン病およびより軽度の後期発症コレステリルエステル貯蔵病(CESD)、肥満、糖尿病、フォンヒッペルリンダウ(VHL)症候群、および膵炎、ならびに他の疾患、障害および状態。本発明のポリドーム(polydom)様タンパク質をコードする新規核酸またはそのフラグメントは、診断適用において有用であり、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである。【0221】これらの物質は、治療方法または診断方法において使用するための、本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV6タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態では、意図されるNOV6エピトープは、約アミノ酸40〜60である。別の実施形態では、意図されるNOV6エピトープは、約アミノ酸70〜80である。他の特定の実施形態では、意図されるNOV6エピトープは、約アミノ酸90〜95、110〜140、150〜152、155〜157、240〜250、270〜280、310〜315および320〜325である。【0222】(NOV7)開示されるNOV7核酸(あるいは、本明細書中でCG56140−01といわれる)は、新規トリプターゼ−4様タンパク質をコードし、そして表7Aに示す1608ヌクレオチドの配列(配列番号33)を含む。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3のATGコドンで始まってヌクレオチド1279〜1281のTGAコドンで終わると同定された。表7Aにおいて推定非翻訳領域に下線を付し、そして開始コドンおよび終止コドンは、太字である。【0223】【表7A】NOV7の核酸配列は、第16染色体にマッピングされ、そしてこの発明は、Homo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:AB031329|acc:AB031329.1 mRNA(好塩基性セリンプロテアーゼについてのHomo sapiens esp−1 mRNA、完全cds)に対して同一な587塩基(853塩基中;68%)を有する(E=5.7e−58)。【0224】NOV7ポリペプチド(配列番号34)は426アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表7Bに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV7が、シグナルペプチドを有して、0.5500の確実性でリソソーム(内腔)に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV7ポリペプチドは、0.3700の確実性で細胞の外側に、0.1900の確実性で原形質膜に、または0.1000の確実性で小胞体(膜)に位置する。SignalPは、アミノ酸19位と20位との間にNOV7ペプチドについてありそうな切断部位(すなわち、配列GLG−KPにおけるダッシュ)を推測する。【0225】【表7B】NOV7のアミノ酸配列は、Mus musculus(マウス)由来の305アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q9JHJ7タンパク質(トリプターゼ4)に対して同一な105アミノ酸残基(199アミノ酸残基中;52%)および類似な140アミノ酸残基(199アミノ酸残基中;70%)を有する(E=6.5e−73)。【0226】NOV7は、少なくとも以下の組織で発現される:膵臓。この情報は、SeqCalling供給源、Public EST供給源、Literature供給源および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明において含まれた配列の組織供給源を決定することによって導かれた。【0227】NOV7はまた、表7Cに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対して相同性を有する。【0228】【表7C】これらの配列の相同性を、表7Dに示すClustalW分析において図として示す。【0229】【表7D】表7Eおよび表7Fは、NOV7に対するドメイン分析の結果からのドメインの説明を記載する。これは、NOV7配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似した特性を有することを示す。【0230】【表7E】【0231】【表7F】ヒトトリプターゼは、構造的に独特でかつ肥満細胞特異的なトリプシン様セリンプロテアーゼである。近年の生物学的調査および免疫学的調査は、トリプターゼを、多数のアレルギー状態および炎症状態(鼻炎、結膜炎および最も顕著な喘息を含む)の病因の媒介因子と推定した。増え続ける一連のデータによってさらに、トリプターゼは、特定の胃腸障害、皮膚障害および心臓血管障害にも推定された。とはいえ、強力および選択的なトリプターゼインヒビターが近年入手可能であるので、重要な治療標的としてもこのプロテアーゼの確認が促進されている。本明細書では、本発明者らは、4つのクラスの選択的トリプターゼインヒビターの設計および効力を記載する。これらの選択的プロテアーゼのうちの、最初の3つの型は、合成物であり、そして4つ目は、天然起源のものである:1)ペプチド性インヒビター(例えば、APC−366)、2)二塩基性インヒビター(すなわち、ペンタミジン様)、3)Zn(2+)媒介インヒビター(すなわち、BABIM様)、および4)ヘパリンアンタゴニスト(例えば、ラクトフェリン)。これらのインヒビターは、アレルギーヒツジの気道および皮膚において試験されている。アレルゲンチャレンジの30分前、ならびに4時間後および24時間後の、各構造クラス由来のトリプターゼインヒビターのエアゾール投与は、用量応答様式で、後期相気管支収縮および気道過反応をなくす。さらに、APC−366の皮内注射は、抗原に対する皮膚応答をブロックする。これらの研究は、喘息およびおそらく他のアレルギー性疾患の処置に関するトリプターゼインヒビターのさらなる研究についての必須の概念証明を提供する。喘息の処置について現在第II相試験にある、第一世代トリプターゼインヒビターAPC−366を用いた臨床研究からの結果は、この疾患におけるトリプターゼの病理学的役割についてのさらなる支持を提供する。Axys Pharmaceuticals,Inc.でのトリプターゼインヒビター設計の領域における顕著な進歩としては、新規な亜鉛媒介セリンプロテアーゼインヒビター技術(本明細書中に記載される)および独特のクラスの極めて強力かつ選択的な二塩基性トリプターゼインヒビターが見出されたことが挙げられる。独立して、4−アミジノフェニルピルビン酸と複合体化した、活性なトリプターゼテトラマーのX線結晶構造が報告されている。これらの知見は、構造的に新規なトリプターゼインヒビターの設計ならびに肥満細胞トリプターゼ媒介障害の処置のための新規な薬物の開発をさらに加速すると予想される。【0232】本明細書中に開示されるNOV7のタンパク質および核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップの位置は、これが、セリンプロテアーゼファミリーに特有の重要な構造的および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。それゆえ、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および治療適用において、ならびに調査ツールとして有用である。これらとしては、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとしての役割(ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである)、ならびに、例えば以下の潜在的治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療において有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御兵器。【0233】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患している患者の処置に効力を有する:糖尿病、フォンヒッペルリンダウ(VHL)症候群、膵炎、肥満、心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、先天性心不全、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄、大動脈弁下部狭窄、心室中隔欠損(VSD)、弁疾患、結節硬化、強皮症、移植、受精能、子宮内膜症、ヒルシュスプルング病、クローン病、虫垂炎、ならびに他の同様の疾患、障害および状態。【0234】本発明の新規なトリプターゼ−4タンパク質をコードする新規な核酸またはそのフラグメントは、診断適用において有用であり、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV7タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態では、意図されるNOV7エピトープは、約アミノ酸10〜15である。別の実施形態では、意図されるNOV7エピトープは、約アミノ酸20〜25である。他の特定の実施形態では、意図されるNOV7エピトープは、約アミノ酸40〜60、70〜80、80〜85、120〜160、180〜200、220〜260、280〜300、340〜360および420〜430である。【0235】(NOV8)開示されるNOV8核酸(CuraGen Acc.No.CG56134−01と称される)は、新規P450様タンパク質をコードし、そして表8Aに示す1539ヌクレオチドの配列(配列番号35)を含む。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3のATGコドンで始まってヌクレオチド1537〜1539のTAAコドンで終わると同定された。開始コドンおよび終止コドンは、表8Aにおいて太字である。【0236】【表8A】NOV8の核酸配列は、第4染色体にマッピングされ、そしてTribolium castaneum由来のgb:GENBANK−ID:AF251548|acc:AF251548.1 mRNA(Tribolium castaneumシトクロムP450モノオキシゲナーゼCYP4Q4(CYP4Q4)mRNA、完全cds)に対して同一な158塩基(252塩基中;62%)を有する(E=1.5e−06)。【0237】NOV8ポリペプチド(配列番号36)は512アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表8Bに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV8が、シグナルペプチドを有して、0.6000の確実性で原形質膜に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV8ポリペプチドは、0.4000の確実性でゴルジ体に、0.3131の確実性でミトコンドリア内膜腔に、または0.3000の確実性で小胞体(膜)に位置する。SignalPは、アミノ酸39位と40位との間にNOV8ペプチドについてありそうな切断部位(すなわち、配列VAS−YAにおけるダッシュ)を推測する。【0238】【表8B】NOV8のアミノ酸配列は、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)由来の535アミノ酸残基のptnr:SWISSNEW−ACC:Q9VA27タンパク質(シトクロムP450 4C3(EC 1.14.−.−)(CYPIVC3))に対して同一な57アミノ酸残基(131アミノ酸残基中;43%)および類似な77アミノ酸残基(131アミノ酸残基中;58%)を有する(E=1.6e−40)。【0239】NOV8は、少なくとも以下の組織において発現される:肝臓、肺。この情報は、SeqCalling供給源、Public EST供給源、Literature供給源および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明において含まれた配列の組織供給源を決定することによって導かれた。【0240】NOV8はまた、表8Cに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対して相同性を有する。【0241】【表8C】これらの配列の相同性を、表8Dに示すClustalW分析において図として示す。【0242】【表8D】P450遺伝子スーパーファミリーは、生物学的に多様なクラスのオキシダーゼ酵素である;このクラスのメンバーは、全ての生物に見出される。P450タンパク質は、ヒトにおいて臨床的および毒物学的に重要である;これらは、薬物および生物異物化合物の代謝、ならびにコレステロール、ステロイドおよび他の脂質の合成において主な酵素である。いくつかのP450遺伝子の誘導はまた、いくつかの型の癌についての危険因子であり得る。この多様な機能は、ヌクレオチド配列およびタンパク質配列の多様性に反映される;現在、100を超えるヒトP450形態が記載されている。対立遺伝子形態の多くのシトクロムP450遺伝子は、定量的に異なる速度の薬物代謝を引き起こすと同定されており、それゆえ、安全かつ有効なヒトの薬学的治療剤の開発を考慮する際に重要である。[E.Tanaka,J Clinical Pharmacy & Therapeutics 24:323−329,1999に概説される]。【0243】本明細書中に開示されるNOV8のタンパク質および核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップの位置は、これが、P450ファミリーに特有の重要な構造的および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。それゆえ、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および治療適用において、ならびに調査ツールとして有用である。これらとしては、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとしての役割(ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである)、ならびに、例えば以下の潜在的治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療において有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物、ならびに(vi)生物学的防御兵器。【0244】本発明のP450様タンパク質をコードする新規な核酸またはそのフラグメントは、診断適用において有用であり、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV8タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態では、意図されるNOV8エピトープは、約アミノ酸20〜25である。別の実施形態では、意図されるNOV8エピトープは、約アミノ酸80〜85である。他の特定の実施形態では、意図されるNOV8エピトープは、約アミノ酸110〜115、140〜145、202〜205、220〜320、330〜335、380〜405、420〜425および490〜500である。【0245】(NOV9)開示されるNOV9核酸(CuraGen Acc.No.CG56207−01と称される)は、新規ミツグミン(mitsugumin)29様タンパク質をコードし、そして表9Aに示す813ヌクレオチドの配列(配列番号37)を含む。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1で始まってヌクレオチド805〜807のTAAコドンで終わると同定された。終止コドンの下流の推定非翻訳領域に表9Aにおいて下線を付し、そして終止コドンは太字である。【0246】【表9A】NOV9の核酸配列は、第3染色体にマッピングされ、そしてOryctolagus cuniculus由来のgb:GENBANK−ID:AB004816|acc:AB004816.1 mRNA(ミツグミン29についてのOryctolagus cuniculus mRNA、完全cds)に対して同一な606塩基(676塩基中;89%)を有する(E=2.0e−116)。【0247】NOV9ポリペプチド(配列番号37)は268アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表9Bに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV9が、シグナルペプチドを有して、0.6000の確実性で原形質膜に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV9ポリペプチドは、0.4000の確実性でゴルジ体に、0.3000の確実性で小胞体(膜)に、または0.3000の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に位置する。SignalPは、アミノ酸50位と51位との間にNOV9ペプチドについてありそうな切断部位(すなわち、配列SCG−SYにおけるダッシュ)を推測する。【0248】【表9B】NOV9のアミノ酸配列は、Oryctolagus cuniculus(ウサギ)由来の264アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:O62646タンパク質(ミツグミン29)に対して同一な223アミノ酸残基(268アミノ酸残基中;83%)および類似な235アミノ酸残基(268アミノ酸残基中;87%)を有する(E=7.9e−115)。【0249】NOV9は、少なくとも以下の組織で発現される:脳、骨格筋、心臓。この情報は、SeqCalling供給源、Public EST供給源、Literature供給源および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明において含まれた配列の組織供給源を決定することによって導かれた。【0250】NOV9についての見出された可能な小さなヌクレオチド多型(SNP)を表9Cに列挙する。【0251】【表9C】NOV9はまた、表9Dに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対して相同性を有する。【0252】【表9D】これらの配列の相同性を、表9Eに示すClustalW分析において図として示す。【0253】【表9E】シナプトフィシンおよびシナプトポーリン(synaptoporin)は、関連する糖タンパク質である;これらは、特定のクラスの小さな神経分泌小胞の主な内在性膜タンパク質であるが、これらはまた、種々の非内分泌細胞においても見出され得る[1,2]。このポリペプチド鎖は、膜を4回貫通し、そしておそらく、イオンまたは溶媒のチャネルとして作用する。【0254】近年、骨格筋中の三つ組連結部に独特のミツグミン29は、シナプトフィシンファミリーの新規メンバーとして同定された;このファミリーのメンバーは、4つの膜貫通セグメントのメンバーであり、そして細胞内小胞に分布する。マウスミツグミン29のcDNAおよびこの遺伝子を含むゲノムDNAは、単離されて分析されている。ミツグミン29位は、エキソン−イントロン構成においてシナプトフィシン遺伝子に密接に関連するマウスの第3染色体F3−H2にマッピングされており、このことは、これらが、分子進化において密接な関連にあることを示す。RNAブロットハイブリダイゼーションおよび免疫ブロット分析によって、ミツグミン29が、骨格筋において豊富に発現され、そして腎臓においてより低いレベルで発現されることが明らかになった。免疫蛍光顕微鏡法によって、ミツグミン29が、腎臓の近位細管細胞および遠位細管細胞の細胞質領域に特異的に存在することが実証された。得られた結果は、ミツグミン29が、骨格筋および腎臓の細管細胞における特化した小胞体系の形成に関与することを示唆し得る。【0255】骨格筋では、興奮−収縮(E−C)カップリングは、陥入した表面膜(すなわち、横行(T型)細管)の分極シグナルの、筋小胞体(SR)からのCa2+放出への変換を必要とする。シグナル伝達は、T型の細管とSRとの間の連結複合体(三つ組連結部と称される)で生じる。この連結複合体は、E−Cカップリングに必須の2つの成分(すなわち、T型の細管電圧センサーとしてのジヒドロピリジンレセプターおよびSR Ca2+放出チャネルとしてのリアノジンレセプター)を含む。しかし、この2つのレセプターの機能的発現は、培養細胞において、シグナル伝達系も、表面膜と細胞内膜との間の連結部も構成しないようであり、このことは、未だ未知のいくつかの分子が両方の機構に関与することを示唆した。さらに、三つ組連結部の形成の分子的基礎は、全体として未知である。それゆえ、この三つ組連結部に局在する成分を調べることが重要である。それゆえ、本発明者らは、骨格筋中の三つ組連結部由来の新規膜貫通タンパク質であるミツグミン29の、モノクローナル抗体を用いた同定およびcDNAクローニングによる一次構造を報告する。このタンパク質は、シナプトフィシンファミリーのメンバーとアミノ酸配列が相同であり、そして特徴的構造特性を共有する。細胞内分布およびタンパク質構造は、ミツグミン29が、T型の細管と連結部のSR膜との連絡に関与することを示唆する。【0256】4つの膜貫通セグメントを有し、そして細胞内膜(シナプス小胞を含む)に基本的に分布する、シナプトフィシンファミリーのメンバーの生理学的役割は、今だに確立されていない。近年、ミツグミン29(MG29)は、骨格筋由来のシナプトフィシンファミリーの新規メンバーと同定された。MG29は、細胞表面横行(T型)細管と筋小体(SR)との間の連結部膜複合体(三つ組連結部と呼ばれる)に発現され、ここで、脱分極シグナルが、SRからのCa(2+)放出へと変換される。この研究において、本発明者らは、ノックアウトマウスを作製することによって、MG29の生物学的機能を調べた。MG29欠損マウスは、正常な健康および生殖を示したが、体重がわずかに減少していた。三つ組連結部の膜の超微細構造異常(すなわち、膨張したT型細管、不規則なSR構造および三つ組連結部の部分的誤形成)が、変異体マウス由来の骨格筋において検出された。変異体の筋肉では、明らかに正常な持続性筋強直緊張が観察され、一方、単収縮緊張はわずかに減少した。さらに、変異体筋肉は、Ca(2+)が存在しない条件下での単収縮緊張のより速い減少を示した。変異体筋肉の形態学的異常および機能的異常は、互いに関連するようであり、そしてMG29が膜構造の微妙な点および骨格筋三つ組連結部における有効な興奮−収縮カップリングの両方に必須であることを示す。本発明者らの結果はさらに、細胞表面と細胞内膜との間の連結部複合体の正確な形成におけるシナプトフィシンファミリーのメンバーとしてのMG29の役割を示す。【0257】本明細書中に開示されるNOV9のタンパク質および核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップの位置は、これが、ミツグミン29ファミリーに特有の重要な構造的および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。それゆえ、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および治療適用において、ならびに調査ツールとして有用である。これらとしては、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとしての役割(ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである)、ならびに例えば以下の潜在的治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療において有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御兵器。【0258】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患している患者の処置に効力を有する:ヴィスコット−オールドリッチ症候群、オールドリッチ症候群、湿疹(eczema)−血小板減少−免疫不全症候群、血小板減少、夜盲、筋萎縮性側索硬化症、バッテン病、セロイド脂褐素症、レット症候群、ピック病(葉萎縮)、心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、先天性心臓欠損、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄、大動脈弁下部狭窄、心室中隔欠損(VSD)、弁疾患、結節硬化、硬皮症、肥満、移植、フォンヒッペルリンダウ(VHL)症候群、アルツハイマー病、発作、結節硬化、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性小児麻痺、癲癇、レッシュ−ノイハン症候群、多発性硬化症、毛細管拡張性運動失調、白質萎縮、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護、ならびに他の同様の疾患、障害および状態。本発明の核酸およびタンパク質は、以下の種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患している患者の処置に効力を有する:糖尿病、フォンヒッペルリンダウ(VHL)症候群、膵炎、肥満、心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、先天性心臓欠損、大動脈狭窄、心房中隔欠損(ASD)、房室(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄、大動脈弁下部狭窄、心室中隔欠損(VSD)、弁疾患、結節硬化、硬皮症、移植、受精能、子宮内膜症、ヒルシュスプルング病、クローン病、虫垂炎、ならびに他の同様の疾患、障害および状態。【0259】本発明のミツグミン29タンパク質をコードする新規な核酸、またはそのフラグメントは、診断適用において有用であり、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである。これらの物質は、治療方法または診断方法において使用するための、本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV9タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態では、意図されるNOV9エピトープは、約アミノ酸20〜25である。別の実施形態では、意図されるNOV9エピトープは、約アミノ酸30〜35である。他の特定の実施形態では、意図されるNOV9エピトープは、約アミノ酸60〜65、75〜105、145〜155、170〜175、180〜185および240〜260である。【0260】(NOV10)開示されるNOV10核酸(CuraGen Acc.No.CG56127−01と称される)は、新規なマイクロモル濃度のカルシウムで活性化される中性プロテアーゼ1様タンパク質をコードし、そして表10Aに示す2542ヌクレオチドの配列(配列番号39)を含む。成熟タンパク質についてのオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド260〜262のATGコドンで始まってヌクレオチド2318〜2320のTAAコドンで終わると同定された。表10Aにおいては、終止コドンの下流の推定非翻訳領域および開始コドンの上流の推定非翻訳領域に下線を付し、そして開始コドンおよび終止コドンは太字である。【0261】【表10A】NOV10の核酸配列は、第2染色体にマッピングされ、そしてBos taurus由来のgb:GENBANK−ID:AF221129|acc:AF221129.1 mRNA(Bos taurusのマイクロモル濃度のカルシウム依存性中性プロテアーゼラージサブユニット(CAPN1)mRNA、完全cds)に対して同一な574塩基(909塩基中;63%)を有する(E=1.4e−31)。【0262】NOV10ポリペプチド(配列番号39)は686アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表10Bに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV10が、0.7480の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV10ポリペプチドは、0.7000の確実性で原形質膜に、0.2000の確実性で小胞体(内腔)に、または0.1000の確実性でミトコンドリア内膜に位置する。【0263】【表10B】NOV10のアミノ酸配列は、Rattus norvegicus(ラット)由来の703アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q64698タンパク質(カルパイン、ラージ(触媒)サブユニット(EC 3.4.22.1.7)(カルシウム活性化中性プロテイナーゼ)(CANP)(胃特異的カルシウム活性化中性プロテアーゼラージサブユニット)(NCL2))に対して同一な194アミノ酸残基(503アミノ酸残基中;38%)および類似な258アミノ酸残基(503アミノ酸残基中;51%)を有する(E=7.2e−80)。【0264】NOV10は、少なくとも以下の組織において発現される:膵臓、結腸、皮膚、肺、胸部、子宮、胎盤、リンパ、白血球搬出、眼および骨髄。この情報は、SeqCalling供給源、Public EST供給源、Literature供給源および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明において含まれた配列の組織供給源を決定することによって導かれた。【0265】NOV10はまた、表10Cに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対して相同性を有する。【0266】【表10C】これらの配列の相同性を、表10Dに示すClustalW分析において図として示す。【0267】【表10D】表10Eおよび表10Fは、NOV10に対するドメイン分析の結果からのドメインの説明を記載する。これは、NOV10配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似した特性を有することを示す。【0268】【表10E】【0269】【表10F】本明細書に記載される推定配列は、カルパインプロテアーゼファミリーに属する。カルパイン(すなわち、カルシウム活性化中性プロテアーゼ)は、非リソソーム性細胞内システインプロテアーゼである(Richardら)。カルパインは、カルシウムによって調節される多くの重要な細胞機能に関与する、細胞内プロテアーゼである。哺乳動物カルパインとしては、2つの遍在性タンパク質CAPN1およびCAPN2、ならびに2つの胃特異的タンパク質、ならびにCAPN3(これは、筋肉特異的である)が挙げられる。これらの遍在性酵素は、共通のスモールサブユニットに会合した別個のラージサブユニットを有するヘテロダイマーからなり、これらの全ては異なる遺伝子によってコードされる。組織特異的ラージサブユニットとスモールサブユニットとの会合は、実証されていない。カルパインのラージサブユニットは、4つのドメインに細分され得る;ドメインIおよびIII(これらの機能は未知のままである)は、既知のタンパク質に相同性を示さない。しかし、前者は、タンパク質分解活性の調節に重要であり得る。ドメインIIは、他のシステインプロテアーゼとの類似性を示し、これらは、それらの活性部位でヒスチジン、システインおよびアスパラギン残基を共有する。ドメインIVは、潜在的カルシウム結合部位である4つのEF−ハンド構造を含む。さらに、既知の相同性を有さない3つの独特の領域(すなわち、NS、IS1およびIS2(後者は、核トランスロケーションシグナルを含む))は、筋肉特異的CAPNタンパク質に存在する。これらの領域は、CAPN3の筋肉特異的機能に重要であり得る(Richardら)。【0270】ヒトカルパイン3遺伝子における欠損が、近位四肢筋肉に主に罹患する遺伝性疾患である、四肢の帯状筋ジストロフィー2A型(LGMD2A)の原因であることが以前に示された。カルパイン3の機能およびLGMD2Aの病態生理学的機構をより良く理解するために、そしてまた、治療研究に適切なモデルを開発するために、本発明者らは、遺伝子標的化によって、capn3欠損マウスを作製した。capn3欠損マウスは、完全に受精能があり、そして生存可能である。異種交配子孫における対立遺伝子の伝達は、メンデルの法則からの統計的に有意な離脱を実証した。capn3欠損マウスは、特定の群の筋肉に影響を与える、軽度の進行性筋ジストロフィーを示す。筋障害の特徴の出現齢は、遺伝的背景によって変動し、このことは、モディファイヤ遺伝子の関与を示唆する。罹患した筋肉は、LGMD2A患者において見られたようなIκBα/核因子κB経路のアポトーシス関連変動を表す。さらに、筋線維のエバンスブルー染色は、カルパイン3欠損に起因する病理学的プロセスが、膜の変化に関連することを明らかにする(Richardら)。【0271】近年、カルパインは、シェーグレン症候群(SS)の発症におけるα−ホドリンタンパク質分解および組織破壊の進行に関与することが示唆された(Hayashiら)。SSは、不充分な分泌に起因して口の渇きおよび眼の乾燥の症状となる、唾液腺および涙腺におけるびまん性リンパ球浸潤によって特徴付けられる自己免疫疾患である。免疫学的因子、遺伝的因子および環境因子の組合せが、唾液腺および涙腺における自己免疫傷害の発症において重要な役割を果たし得ることが仮定されているが、ヒトにおけるSSの疾患の病因についてはほとんど知られていない。120kDaのα−ホドリンは、動物モデルおよびSS患者の両方においてSSの発症における重要な自己抗原であるが、SSにおける組織破壊をもたらすα−ホドリン切断の機構は不明のままである。SSについてのマウスモデルの唾液腺から精製した組織浸潤性CD4+ T細胞は、大きな比率のFasリガンドを保有し、そして唾液腺管は、アポトーシスレセプターFasを保有する。抗Fas抗体誘導性アポトーシス唾液腺細胞は、インビトロで、120kDaのフラグメントへの特異的α−ホドリン切断をもたらす。カルパインとカスパーゼインヒビターペプチドとの組合せとのプレインキュベーションは、120kDaのα−ホドリン切断の阻害の原因であり得る。従って、カルパインおよびカスパーゼを含むアポトーシスプロテアーゼ活性における増大は、SSの発症におけるα−ホドリンタンパク質分解および組織破壊の進行に関与し得る(Hayashiら)。【0272】本明細書に記載される新規配列が、カルパインプロテアーゼに類似した有用な特性および機能を有すると予想される。なぜなら、カルパイン型システインプロテアーゼ(C2ファミリー)ドメインが存在し、そしてカルパインIIIに対する相同性があるからである。【0273】本明細書中に開示されるNOV10のタンパク質および核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップの位置は、これが、システインプロテアーゼファミリーに特有の重要な構造的および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。それゆえ、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的診断適用および治療適用において、ならびに調査ツールとして有用である。これらとしては、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとしての役割(ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである)、ならびに、例えば以下の潜在的治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療において有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御兵器。【0274】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害、ならびに/または他の病理に関与する、潜在的診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患している患者の処置に効力を有する:糖尿病、フォンヒッペルリンダウ(VHL)症候群、膵炎、肥満、高カルシウム血症、潰瘍、子宮内膜症、受精能、血友病、凝固能亢進症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫疾患、アレルギー、免疫不全、移植、移植片対宿主病、乾癬、光線角化症、結節硬化、挫瘡、毛成長/喪失、アロペシア(allopecia)、色素沈着障害、内分泌障害、血友病、リンパ浮腫(lymphaedema)、ならびに他の同様の疾患、障害および状態。【0275】本発明のマイクロモル濃度のカルシウム活性化中性プロテアーゼー1タンパク質をコードする新規核酸またはそのフラグメントは、診断適用において有用であり、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるべきである。これらの物質は、治療方法または診断方法において使用するための、本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるように、疎水性チャートからの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って作製され得る。開示されるNOV10タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々は、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態では、意図されるNOV10エピトープは、約アミノ酸5〜90である。別の実施形態では、意図されるNOV10エピトープは、約アミノ酸105〜110である。他の特定の実施形態では、意図されるNOV10エピトープは、約アミノ酸170〜180、230〜310、370〜400、420〜430、450〜455、460〜465、480〜485、510〜515、570〜580および680〜690である。【0276】(NOV11)開示されるNOV11核酸(CuraGen Acc.No.CG56179−01と称される)は、新規P2X2C様タンパク質をコードし、そして表11Aに示す1422ヌクレオチドの配列(配列番号41)を含む。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3のATG開始コドンで始まってヌクレオチド1420〜1422のTGAコドンで終わると同定された。表11Aにおいて開始コドンおよび終止コドンは、太字である。【0277】【表11A】NOV11の核酸配列は、第1染色体にマッピングされ、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:AF190824|acc:AF190824.1 mRNA(Homo sapiens P2X2Cレセプター(P2X2)mRNA、完全cds)に対して同一な990塩基(991塩基中;99%)を有する(E=3.6e−295)。【0278】NOV11ポリペプチド(配列番号42)は473アミノ酸残基長であり、そしてこれを1文字アミノ酸コードを用いて表11Bに表す。SignalP、Psortおよび/またはハイドロパシーの結果は、NOV11が、シグナルペプチドを有して、0.6577の確実性でミトコンドリア内膜に局在するようであることを推測する。代替の実施形態では、NOV11ポリペプチドは、0.6500の確実性で原形質膜に、0.3556の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に、または0.3000の確実性でゴルジ体に位置する。SignalPは、アミノ酸68位と69位との間にNOV11ペプチドについてありそうな切断部位(すなわち、配列SYQ−ESにおけるダッシュ)を推測する。【0279】【表11B】NOV11のアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の447アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q9UHD6タンパク質(P2X2Cセプター)に対して同一な330アミノ酸残基(330アミノ酸残基中;100%)および類似な330アミノ酸残基(330アミノ酸残基中;100%)を有する(E=8.7e−248)。【0280】NOV11は、少なくとも以下の組織で発現される:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳;脳−海馬、脳−黒質、脳−視床、脳−全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫−Raji、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、骨髄、脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、子宮。この情報は、SeqCalling供給源、Public EST供給源、Literature供給源および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明において含まれた配列の組織供給源を決定することによって導かれた。【0281】NOV11について見出される可能な小さなヌクレオチド多型(SNP)を、表11Cおよび表11Dに列挙する。【0282】【表11C】【0283】【表11D】NOV11はまた、表11Eに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対して相同性を有する。【0284】【表11E】これらの配列の相同性を、表11Fに示すClustalW分析において図として示す。【0285】【表11F】表11Gは、NOV11に対するドメイン分析の結果からのドメインの説明を記載する。これは、NOV11配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似した特性を有することを示す。【0286】【表11G】P2Xレセプターは、細胞外アデノシン5’−トリホスフェート(ATP)によってコントロールされる(gated)膜イオンチャネルであり;ヌクレオチドはまた、7つの膜貫通Gタンパク質結合レセプター(P2Y)のファミリーを活性化する。P2Xレセプターは、哺乳動物細胞上に広範に発現され、これらは3つのグループに広く分化され得る。第1のグループは、ATPおよびそのアナログのαβメチレンATP(αβmeATP)によって、ほとんど等しく十分に活性化され、一方、第2のグループは、αβmeATPによって活性化されない。アゴニストの適用が数秒より長く続く場合、チェネルの開口が細胞透過化処理および細胞溶解の後に続くという事実によって、レセプターの第3のグループ型(P2Zと名付けられる)は、区別される。P2Xレセプターサブユニットをコードする7つのcDNAは、クローン化された。非相同的系において個別に発現される場合、P2X1およびP2X3サブユニットは、ATPまたはαβmeATPによって活性化されたチャネルを形成し;一方、P2X2、P2X4およびP2X5は、ATPによって活性化されたチャネルを形成するが、αβmeATPでは形成しない。P2X6レセプターは迅速に発現せず、そしてP2X7レセプターは、P2Zに対するそれらの特性において密接に対応する。2つのサブユニットが共発現される場合、さらなる表現型が生産され得、これはヘテロ多量体化を示す。電気生理学的な実験で分離する平滑筋および神経は、P2Xレセプターの3つの異なる表現型を示した:(1)迅速な脱感作(最も代表的な平滑筋のβメチレンATP感受性応答);(2)非脱感作(PC12フェオクロモサイトーマ細胞およびラット優性頚部神経節ニューロンに特徴的なα,βメチレンATP非感受性応答);および(3)非脱感作(感覚性ニューロンにおいて観察されるα,βメチレンATP感受性応答)。【0287】これら全てのプリン受容体は、類似のカチオン性および高いCa2+透過性、ならびにスラミン、Cibacron blue、酸化ATP、ピリドキサール−5−リン酸およびピリドキサルリン酸−6−アゾフェニル−2’,4’−ジスルホン酸による遮断に対する感受性を共有する。クローン化P2Xレセプター(ラットの精管およびPC12細胞由来)の2つの形態の非相同的発現は、互いのクローン化レセプターが著しい忠実度でネイティブな応答を再構成し得ることを示す。このような結果は、ホモオリゴマーのチャネルが、平滑筋、PC12細胞およびいくつかのニューロン中でP2Xレセプターの単一サブユニットから形成され得ることを示唆する。ネイティブな細胞中で観察される第3の表現型は、クローン化レセプターのサブユニットの共アセンブリから生じ得る。しかし、共発現研究は、P2Xレセプターのこれら2つの形態が、ヘテロ多量体化しないことを示す。従って、非脱感作、感覚性ニューロンにおいて観察されるα,βメチレンATP感受性応答は、異なるP2Xレセプターを生じるか、または1より多い異なるP2Xプリン受容体のヘテロ多量体化を生じる。【0288】現在公知である7つのP2XレセプターcDNAが存在する。6つのホモマー(P2X1、P2X2、P2X3、P2X4、P2X5、P2X7)および3つのヘテロマー(P2X2/P2X3、P2X4/P2X6、P2X1/P2X5)のP2Xレセプターチャネルは、非相同的発現系において特徴付けられた。ホモマーのP2X1レセプターおよびP2X3レセプターは、それらの迅速な脱感作、αβメチレンATPのアゴニスト作用および2’,3’−O−(2,4,6−トリニトロフェニル)−ATPによるブロックによって容易に区別可能である。P2X2レセプターは、低いpHによるそれらの相乗作用におけるホモマー形態の間で、特有である。ホモマーのP2X4レセプターは、セラミンおよびピリドキサル5−リン酸−6−アゾ−2’,4’−ジスルホン酸による拮抗作用に対してわずかに感受性である。ホモマーのP2X7レセプターは、2’,3’−O−(4−ベンゾイルベンゾイル)−ATPがATPより強力である形態のみである。ヘテロマーのP2X2/P2X3レセプターは、遅い脱感作動力学および低いpHによる相乗作用においてP2X2と共通し、そしてαβメチレンATPによる闘争性、および2’,3’−O−(2,4,6−トリニトロフェニル)−ATPによるブロックについてP2X3に類似する。リガンドコントロールイオンチャネル(ATPに応答性)のP2Xレセプターファミリーの7つのサブタイプは、同定され、ホモ多量体細孔、またはヘテロ多量体細孔を形成する。P2X3レセプターは、後根、三叉神経節および下神経節(特にレクチンIB4を用いて標識された非ペプチド作動性亜集団)中の小二量体侵害受容感覚ニューロンで、主に選択的に発現される。P2X2/3標識はまた、脊髄の内部薄膜IIならびに皮膚および内蔵に対する感覚神経突出中に存在するが、少しのレセプターは、骨格筋中に存在する。P2X3レセプターは、末梢神経損傷後に下方制御され、そしてこれらの発現は、神経膠細胞誘導神経栄養性因子によって調節され得る。感覚神経のP2Xレセプター活性化は、インビボでの疼痛モデル(ラットの後足および膝関節の調製を含む)および炎症性モデルにおいて示されている。CNS中のP2X4および/またはP2X6レセプターはまた、疼痛経路に関するようである。感覚神経上の非侵害受容P2レセプター(これらは、迷走神経の求心性線維および遠心性神経線維に関する反射作用を開始する)は、筋肉内ならびに心臓および肺の感覚器末端に存在する。【0289】本明細書中に開示されるNOV11タンパク質およびNOV11核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV11が、ATP P2Xレセプターファミリーに特徴的な重要な構造機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用および研究ツールとして有用である。これらは、特異的もしくは選択的な、核酸診断マーカーおよび/もしくは核酸予後マーカーまたはタンパク質診断マーカーおよび/もしくはタンパク質予後マーカーとして役立つものが挙げられ、ここで、その核酸もしくはそのタンパク質の存在、またはその核酸もしくはそのタンパク質の量が評価され、そして、以下のような潜在的な治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御兵器。【0290】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関係する潜在的な診断適用および治療適用に有用である。例えば、感覚神経のP2Xレセプター活性化が、インビボでの疼痛モデル(ラットの後足および膝関節の調製を含む)および炎症性モデルにおいて示されているので、本発明の組成物は、疼痛に羅患している患者の処置に対して効果を有し得る。CNS中のP2X4および/またはP2X6レセプターはまた、疼痛経路に関するようである。感覚神経上の非侵害性P2レセプター(これらは、迷走神経の求心性線維および遠心性神経線維に関する反射作用を開始する)は、筋肉内ならびに心臓および肺の感覚器末端に中に存在する(Br J Anaesth 2000 Apr;84(4):476−88)。本発明の組成物はまた、以下に罹患する患者の処置に対して有効性を有する:糖尿病、肥満症、X症候群ならびに他の疾患、障害および状態など。【0291】本発明のP2X2C様タンパク質をコードする新規核酸またはそれらのフラグメントは、診断的用途において有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、本発明の新規な物質に対して免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV11タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る、複数の親水性領域を有する。1つの実施形態では、企図されるNOV11エピトープは、アミノ酸約5〜約10である。別の実施形態では、企図されるNOV11エピトープは、アミノ酸約20〜約25である。他の特定の実施形態では、企図されるNOV11エピトープは、アミノ酸約40〜約50、約70〜約80、約95〜約105、約140〜約148、約195〜約215、約250〜約300、約340〜約360、約370〜約380、約410〜約430および約455〜約465である。【0292】(NOV12)開示されたNOV12核酸(CureGen登録番号CG56132−01と名付けられる)は、新規のDIABLO様タンパク質をコードし、そして表12Aに示される1823ヌクレオチド(SEQ ID NO:43)を含む。オープンリーディングフレームが同定され、これは、ヌクレオチド31〜33においてATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1606〜1608においてTGAコドンで終了する。開始コドンから上流の推定非翻訳領域および終止コドンから下流の推定非翻訳領域は、表12Aにおいて下線が引かれ、そして開始コドンおよび終止コドンは太字である。【0293】【表12A】本発明のNOV12の核酸配列は、Homo sapiens(Homo sapiens cDNA FLJ20081 fis、クローンCOL03242)由来gb:GENBANK−ID:AK000088|acc:AK000088.1 mRNAに対して918塩基中909塩基(99%)の同一性を有する(E=9.3e−198)。【0294】NOV12ポリペプチドは、(SEQ ID NO:43)は、525アミノ酸残基であり、そして表12Bに一文字コードを用いて表される。Signal P、Psortおよび/またはHydropathyの結果は、NOV12が、おそらく0.8500の確実性で小胞体(膜)に局在化されることを予測する。代替の実施形態において、NOV12ポリペプチドはまた、0.4400の確実性で原形質膜に、0.3084の確実性でマイクロボディー(ペルオキシソーム)に、または0.1000の確実性でミトコンドリア内膜に局在化される。【0295】【表12B】NOV12のアミノ酸配列は、Drosophila melanogaster(Fruit fly)由来623アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:Q9NGX7タンパク質(DOMAIN)に対して521アミノ酸残基中225アミノ酸残基(43%)の同一性、そして521アミノ酸残基中324アミノ酸残基(62%)の類似性を有する(E=2.0e−109)。【0296】本発明におけるNOV12は、少なくとも以下の組織で発現される:包皮、視床下部、腎臓、前立腺、網膜、扁桃、胸部、生物全体。この情報は、SeqCalling源、公的なEST源、文献源および/またはRACE源を含む(がそれらに限定されない)本発明に含まれた配列の組織源を決定することによって導き出された。【0297】NOV12はまた、表12Cに列挙されるBLASTPデータにおいて示されるアミノ酸配列と相同性を有する。【0298】【表12C】これらの配列の相同性を、表12Dに示されるClustalW分析において図示する。【0299】【表12D】表12E、表12Fおよび表12Gは、NOV12に対するDOMAIN分析結果からのドメインの詳細を列挙する。これは、NOV12配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似する特性を有することを示す。【0300】【表12E】【0301】【表12F】【0302】【表12G】アポトーシスまたはプログラム化された細胞死は、後生動物の発達およびカスパーゼによって行なわれるホメオスタシスにおいて必須のプロセスである。DIABLOタンパク質(低いpIを直接有するIAP結合タンパク質)は、カスパーゼに対するIAP(アポトーシスタンパク質のインヒビター)の阻害的効果を排除することによってアポトーシスにおける重大な機能を遂行する(1)。このタンパク質はまた、カスパーゼの二次ミトコンドリア誘導化アクチベーターのSmacとして公知である。DIABLO/Smacは、通常ミトコンドリアタンパク質であるが、細胞がアポトーシスを経験する場合、細胞質ゾルに放出される。ミトコンドリアの移入およびそのシグナルペプチドの切断は、アポトーシス活性を増すためにDIABLO/Smacにとって必要である。さらに、DIABLO/Smacの過剰発現は、アポトーシスの刺激薬に対する細胞感受性を増大することを示す(2)。【0303】本発明において記載されたタンパク質は、DIABLO/Smacタンパク質と相同であり、従って、アポトーシスの役割を果たすことが予測される。これは、BTB/POZドメインならびにケルヒ(kelch)モチーフの5コピーを含む。BTB/POZドメインは、ホモマーの二量体化およびある場合にはヘテロマーの二量体化を媒介することを示した(3)。ケルヒは、50残基モチーフであり、これが最初に同定されたDrosophila変異体にちなんで名付けられた(4)。ケルヒ含有タンパク質の公知の機能は、多様である。本発明において記載された遺伝子は、第14染色体にマップし、そしてこれに基づく発現パターンは、多くのヒト疾患(例えば、癌、炎症性疾患/自己免疫疾患、代謝疾患およびCNS障害など)に寄与し得る。さらに、新規DIABLO様タンパク質は、おそらくアポトーシスを調節する機能を果たすので、この遺伝子は、診断ツールまたは予後ツールとして、および遺伝子治療において有用であり得る。【0304】本明細書中に開示されるNOV12タンパク質およびNOV12核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV12が、DIABLOファミリーに特徴的な重要な構造機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用において、および研究ツールとして有用である。これらは、特異的もしくは選択的な、核酸診断マーカーおよび/もしくは核酸予後マーカーまたはタンパク質診断マーカーおよび/もしくはタンパク質予後マーカーとして役立つものが挙げられ、ここで、その核酸もしくはそのタンパク質の存在、またはその核酸もしくはそのタンパク質の量が評価され、そして、これらとしては以下のような潜在的な治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御兵器。【0305】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関係する潜在的な診断適用および治療適用に有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患する患者の処置に対して有効性を有する:癌、外傷、細菌感染およびウイルス感染、再生(インビボおよびインビトロ)、受胎能、糖尿病、自己免疫疾患、腎動脈狭窄症、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、全身性エリテマトーデス、尿細管性アシドーシス、IgA腎症、高カルシウム血症、レッシュ−ナイハン症候群、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、結節硬化症、内分泌障害、アルツハイマー病、発作、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性小児麻痺、てんかん、多発性硬化症、運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護、ならびに他の疾患、障害および状態など。【0306】本発明のDIABLO様タンパク質をコードする新規核酸またはそれらのフラグメントは、診断的用途において有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、新規な物質に対して免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV12タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る、複数の親水性領域を有する。1つの実施形態では、企図されるNOV12エピトープは、アミノ酸約5〜約7である。別の実施形態では、企図されるNOV12エピトープは、アミノ酸約10〜約15である。他の特定の実施形態では、企図されるNOV12エピトープは、アミノ酸約80〜約90、約130〜約135、約140〜約145、約170〜約180、約190〜約192、約198〜約205、約220〜約270、約295〜約320、約340〜約370、約400〜約415、約420〜約470および約490〜約500である。【0307】(NOV13)開示されたNOV13核酸(CureGen登録番号CG56195−01と名付けられる)は、新規のHRPET−1関連タンパク質様タンパク質をコードし、そして表13Aに示される1970ヌクレオチド(SEQ ID NO:45)を含む。【0308】【表13A】NOV13の核酸配列は、第22染色体にマップし、そしてHomo sapiens(Homo sapiens cDNA FLJ13130 fis、クローンNT2RP3002972、HrPET−1のHalocynthia roretzi mRNAに対して弱い類似性)由来gb:GENBANK−ID:AK023192|acc:AK023192.1 mRNAに対して1228塩基中891塩基(72%)の同一性を有する(E=0.0)。【0309】NOV13ポリペプチド(SEQ ID NO:46)は、508アミノ酸残基であり、そして表13Bに一文字コードを用いて表される。Signal P、Psortおよび/またはHydropathyの結果は、NOV13が、おそらく、0.7000の確実性で原形質膜に局在化されると予測される。別の実施形態において、NOV13は、おそらく0.3000の確実性で核に、0.2000の確実性で小胞体(膜)に、または0.1000の確実性でミトコンドリア内膜に局在化される。【0310】【表13B】NOV13のアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)(WUGSC:H_DJ130H16.2PROTEIN)由来438アミノ酸残基のptnr:SPTREMBL−ACC:O76053タンパク質に対して438アミノ酸残基中438アミノ酸残基(100%)の同一性、および438アミノ酸残基中438アミノ酸残基(100%)の類似性を有する。(E=4.3e−242)NOV13は、少なくとも以下の組織で発現される:骨髄、脳、気管支、真皮、表皮、心臓、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、リンパ系組織、乳房。この情報は、SeqCalling源、公的なEST源、文献源および/またはRACE源を含む(がそれらに限定されない)本発明に含まれた配列の組織源を決定することによって導き出された。さらに、密接に関連したHomo sapiens cDNA FLJ13130 fis、クローンNT2RP3002972(Homo sapiens種におけるHrPET−1ホモログのHalicynthia roretzi mRNAに対して弱い類似性)(GENBANK−ID:gb:GENBANK−ID:AK023192|acc:AK023192.1)の発現パターンに起因して、この配列は、以下の組織において発現されることが予測される:精巣、卵巣、結腸、上皮小体、甲状腺、骨、脾臓、胃、頸、副腎、頭−頸。【0311】NOV13はまた、表13Cに列挙されるBLASTPデータにおいて示されるアミノ酸配列と相同性を有する。【0312】【表13C】これらの配列の相同性を、表13Dに示されるClustalW分析において図示する。【0313】【表13D】表13Eおよび表13Fは、NOV13に対するDOMAIN分析結果からのドメインの詳細を列挙する。これは、NOV13配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似する特性を有することを示す。【0314】【表13E】【0315】【表13F】NOV13は、C.elegans、Drosophila、マウスおよびヒトの間で、種を超えて高度に保存される。これは、膜に関連することが予測される。主な配列における高度な保存は、現在未知であるが、重要な生物学的機能を有することを示す。HRPET−1関連タンパク質はまた、植物接着分子と相同性を示し、HRPET−1関連タンパク質がおそらく細胞相互作用および細胞移動に関する細胞接着分子であることを示唆する。【0316】本明細書中に開示されるNOV13タンパク質およびNOV13核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV13が、細胞接着分子ファミリーに特徴的な重要な構造機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的もしくは選択的な、核酸診断マーカーおよび/もしくは核酸予後マーカーまたはタンパク質診断マーカーおよび/もしくはタンパク質予後マーカーとして役立つものが挙げられ、ここで、その核酸もしくはそのタンパク質の存在、またはその核酸もしくはそのタンパク質の量が評価され、そして、これらとしては、以下のような潜在的な治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御兵器。【0317】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関係する潜在的な診断適用および治療適用に有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患する患者の処置に対して有効性を有する:心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、先天性心疾患、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室性(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満症、移植、糖尿病、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、膵臓炎、受胎能、子宮内膜症、口内乾燥症、肝硬変症、血友病、凝固能亢進、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫疾患、アレルギー、免疫欠損、対宿主性移植片病、リンパ水腫、血友病、凝固能亢進、アルツハイマー病、発作、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性小児麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護、全身性エリテマトーデス、喘息、気腫、強皮症、ARDS、乾癬、光線性角化症、挫瘡、毛髪増殖/欠損、allopecia、色素沈着障害、内分泌障害、腎動脈狭窄症、間質性腎炎、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、全身性エリテマトーデス、尿細管性アシドーシス、IgA腎症、レッシュ−ナイハン症候群、ならびに他の疾患、障害および状態など。【0318】本発明のHRPET−1関連タンパク質をコードする新規核酸またはそれらのフラグメントは、診断的用途において有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、新規な物質に対して免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV13タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る、複数の親水性領域を有する。1つの実施形態では、企図されるNOV13エピトープは、アミノ酸約2〜約70である。別の実施形態では、企図されるNOV13エピトープは、アミノ酸約90〜約120である。他の特定の実施形態では、企図されるNOV13エピトープは、アミノ酸約125〜約200、約210〜約215、約220〜約230、約310〜約320、約380〜約390、約390〜約398、約410〜約425、および約480〜約500である。【0319】(NOV14)B7−H2様タンパク質をコードする、開示されたNOV14核酸(CureGen登録番号CG55790−02と名付けられる)は、8270ヌクレオチド(SEQ ID NO:47)を含み、そして表14Aに示される。オープンリーディングフレームが同定され、ヌクレオチド24〜26においてATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1443〜1445においてTAGコドンで終了する。終止コドンから下流の推定非翻訳領域は、表14Aにおいて下線が引かれ、そして開始コドンおよび終止コドンは太字である。【0320】【表14A】NOV14の核酸配列は、第21染色体にマップし、そしてHomo sapiens(Homo sapiens ゲノムDNA、染色体21q、位置97/105)由来gb:GENBANK−ID:AP001753|acc:AP001753.1 mRNAに対して607塩基中480塩基(79%)の同一性を有する(E=1.5e−117)。【0321】NOV14ポリペプチド(SEQ ID NO:48)は、473アミノ酸残基であり、そして表14Bに一文字コードを用いて表される。Signal P、Psortおよび/またはHydropathyの結果は、NOV14がシグナルペプチド含み、そしておそらく0.4600の確実性で原形質膜に局在化されることと予測する。別の実施形態において、NOV14は、0.1000の確実性で小胞体(膜)に、0.1000の確実性で小胞体(内腔)に、または0.1000の確実性で細胞の外側に局在化される。NOV14ペプチドについて最も可能性のある切断部分は、アミノ酸18と19との間(LRA−DT)である。【0322】【表14B】NOV14のアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)(TRANSMEMBRANE PROTEIN B7−H2 ICOS LIGAND)由来302アミノ酸残基のptnr:TREMBLNEW−ACC:AAG01176タンパク質に対して300アミノ酸残基中300アミノ酸残基(100%)の同一性、および300アミノ酸残基中300アミノ酸残基(100%)の類似性を有する。(E=7.3e−160)NOV14は、少なくとも以下の組織で発現される:骨髄、脳、視床、脂肪、扁桃、骨、心臓、腎臓、リンパ系組織、乳腺/胸部、卵巣、膵臓、末梢血、前立腺、視床、扁桃、膀胱、子宮、外陰部、生物全体、垂、気管支、軟骨、心臓、腎臓、肺、リンパ節、胎盤、右小脳、骨格筋、精巣、胸腺。この情報は、SeqCalling源、公的なEST源、文献源および/またはRACE源を含む(がそれらに限定されない)本発明に含まれた配列の組織源を決定することによって導き出された。【0323】可能な小数のヌクレオチド多型(small nucleotide polymorphisms)(SNP)は、表14Cに列挙されるNOV14reを見出した。【0324】【表14C】NOV14はまた、表14Dに列挙されるBLASTPデータ中に示されるアミノ酸配列に相同である。【0325】【表14D】これらの配列の相同性を、表14Eに示されるClustalW分析において図示する。【0326】【表14E】表14Fは、NOV14に対するDOMAIN分析結果からのドメインの詳細を列挙する。これは、NOV14配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似する特性を有することを示す。【0327】【表14F】B7ファミリーのリガンドとそれらのレセプターとの間の同時刺激性相互作用は、T細胞の増殖、分化および死において重大な役割を果たす。特定の抗体またはその天然のリガンドB7−1およびB7−2のいずれかによるT細胞の同時刺激因子(costimulator)CD28の結合は、CD4+T細胞の抗原特異的増殖を増加し、サイトカインの生成を増強し、CD8+エフェクターT細胞の変異を誘導し、そしてT細胞の生存を促進する。しかし、活性化T細胞によるB7−1およびB7−2の相同性CTLA−4レセプターを介するシグナル伝達は、T細胞の増殖、インターロイキン(IL)−2の生成および細胞周期の進行を阻害するネガティブなシグナルを送達すると考えられる。B7−1およびB7−2は、それらのアミノ酸中に約20%の相同性のみを共有するが、これらは、類似の三次構造および同時刺激性機能を有する。【0328】現在の研究は、B7−CD28ファミリーの他のメンバーもまた細胞応答および体液性免疫応答の調節に関与し得ることを示す。新しいメンバーの1つは、誘導性同時刺激因子(ICOS)、CD28様レセプターである。ヒトICOSに対するF44モノクローナル抗体(mAb)は、T細胞増殖を同時刺激し、そしていくつかのサイトカイン(IL−10、インターフェロン−、およびIL−4を含むが、抗CD3抗体の最適用量の存在下ではIL−2は含まない)の分泌を増加する。別の新しいB7ファミリーのメンバーは、マウスB7h/B7RP−1である。B7h/B7RP−1は、CD28およびCTLA−4に結合せず、そして抗原性シグナルの存在下でT細胞増殖を同時刺激し得る。B7h/B7RP−1の表面発現は、3T3線維芽細胞中の腫瘍壊死因子によって上方制御され、そしてB7h/B7RP−1メッセンジャーRNA(mRNA)の増加はまた、リポ多糖類(LPS)に曝露された非リンパ系組織中で観察されることが示された。Yoshinagaおよび研究者らは、B7h/B7RP−1がマウスCRP−1のリガンド、ヒトICOSのマウスホモログであることを示した。トランスジェニックマウスのB7RP−1融合タンパク質の発現は、いくつかのリンパ系器官中の過形成およびオキサゾロン誘導接触過敏を増強するB7h/B7RP−1融合タンパク質を用いてのマウスの処置を導く。【0329】ヒトB7ファミリーの新しいメンバー(B7−H1)は、IgV様細胞外ドメインおよびIgC様細胞外ドメイン中のB7−1およびB7−2と約20%同一アミノ酸配列を共有するが、細胞質ドメイン中のB7−1およびB7−2とはより大いに異なる。B7−H1とマウスB7h/B7RP−1との間のアミノ酸の同一性が30%未満であるので、B7−H1は、マウスB7h/B7RP−1のヒトホモログではなさそうである。さらに、B7−H1はCD28、CTLA−4およびICOSに結合しない。B7−H1の表面発現は、大多数の活性化CD14+マクロファージおよび活性化T細胞の画分中で検出され得る。B7−H1は、抗CD3 mAbの最適用量の存在化でT細胞応答を同時刺激し、同種異系混合リンパ球応答を増強し、そしてT細胞からのIL−10分泌を優先的に誘導する。NCBIデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)中のB7−1、B7−2およびB7−H1のIgVドメインおよびIgCドメインと相同性を共有する分子検索、次いで、その後のクローニングおよび配列決定によって、B7−H2(B7ホモログ2)と名付けられた新しいB7様遺伝子を同定した。B7−1、B7−2およびB7−H1に類似する全体構造に加えて、B7−H2は、ICOSに結合し、そしてヒトT細胞の増殖およびサイトカイン生産を同時刺激する。B7−H2タンパク質の細胞表面発現は、単球由来未成熟樹状細胞中で検出される。可溶性B7−H2および免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質(B7−H2Ig)は、活性化された休止T細胞ではなく活性化T細胞に結合し、そして結合はCTLA4Igではなく誘導性同時刺激因子Ig(ICOSIg)によって抑止される。さらに、ICOSIg株チャイニーズハムスターの卵巣細胞は、B7−H2遺伝子を用いてトランスフェクションした。最適以下のCD3の交差結合によって、B7−H2IgによるT細胞増殖の同時刺激は、用量に依存し、そしてインターロイキン(IL−2)の分泌と関連するが、最適なCD3ライゲーションは、IL−10生産を優先的に刺激する。この結果は、B7−H2が、ICOS T細胞分子の推定リガンドであることを示す(Blood.2000;96:2808−2813)。PMID:11023515、UI:20477846。【0330】T細胞特異的細胞表面レセプターCD28(OMIM #186760)およびCTLA4(OMIM #123890)は、免疫系の重要な制御因子である。CD28は、効果的な抗原特異的免疫応答に必須のこれらのT細胞機能を強力に増強し、そしてCTLA4は、CD28媒介シグナルを平衡させる。従って、リンパ球系の他の致命的な過剰刺激を防ぐ。活性化ヒトT細胞に対するモノクローナル抗体を作製することによって、Hutloffら(1999)は、このファミリーの分子の別のメンバー(「誘導性同時刺激因子」ICOSと記号で表される)を同定した。ICOS特異的モノクローナル抗体は、休止ヒト末梢血T細胞と反応しないが、T細胞抗原レセプター複合体の刺激によって活性化されたCD4+Tリンパ球およびCD8+Tリンパ球を染色した。免疫沈降は、55〜60kDの見かけ上の相対的分子量を有するジスルフィド結合ダイマーとしてICOS抗原を規定した。SDS−PAGEによるタンパク質精製は、ICOSがそれらの翻訳後修飾中においてのみ異なる2つの鎖を有するホモダイマータンパク質として細胞表面上に発現することを示した。2,641塩基対の全長ICOS cDNAを、MOLT−4V Tリンパ芽球cDNAライブラリーからクローン化した。ノーザン分析は、活性化ヒトT細胞中に約2.8kb長の単一ICOS mRNA種を示した。ICOS mRNAのオープンリーディングレームは、199アミノ酸のタンパク質をコードする。このICOSアミノ酸は、CD28およびCTLA4とそれぞれ、24%および17%の相同性を共有する。予測された成熟ICOSは、単一免疫グロブリンV様ドメイン(42位および109位の保存されたシステイン残基によって安定化される);約23アミノ酸の膜貫通領域;および35アミノ酸の細胞質テールからなるI型膜貫通分子である。これは、CD28およびCTLA4に対して密接な構造類似点を示す。CD28の141位に局在するシステイン残基(CTLA4中にもまた見出される)は、これらのタンパク質のホモダイマー鎖間のジスルフィド結合形成におそらく関与し、そしてICOSの136位にもまた見出される。ICOSは、有効性においてCD28に対応し、外来抗原に対する全ての基本的なT細胞応答を増強する(すなわち、増殖およびリンフォカインの分泌、細胞−細胞相互作用を媒介する分子の上方制御およびB細胞による抗体分泌に対する効果的補助)。本質的に発現したCD28とは異なり、ICOSは、T細胞表面上に新規に誘導され、そしてインターロイキンー2(IL2;OMIM#147680)の生産を上方制御しないが、インターロイキン−10(IL10;OMIM#124092)(B細胞分化因子)の合成をさらに誘発する。インビボで、ICOSは、扁桃T細胞上で高度に発現し、この扁桃T細胞は胚中心の先端のライトゾーン(B細胞変異の末端部位)のB細胞に密接に関連する。【0331】Dongら(2001)は、Icos欠損マウスを生成し、Icosの不在がT細胞発達を障害しないことを決定した。しかし、増殖期におけるT細胞活性化およびIL2生産は、障害される。分化したIcos−/−細胞は、IFNG(OMIM#147570)を生産し得るが、IL4(OMIM#147780)もIL2も生産し得ない。インビボでの免疫化はまた、IL2およびIL4生産における欠損ならびに血清IgG1およびIgEにおける減少を示した。アレルギーモデルを使用して、Dongら(2001)は、IcosがTh2細胞分化に必要でないが、IL4およびIL13(OMIM#147683)生産を制御することが見出された。多発性硬化症に対する実験的自己免疫性脳炎(EAE)モデルを使用して、著者らは、発達したIcos−/−マウスが、野生型マウスと比較してEAE耐性に関連する他の遺伝的背景と比較した場合でさえも、疾患をより強く増強したことを見出した。ノックアウトマウスおよび野生型マウス由来の球状赤血球は、検出可能でないレベルのIL4および類似のレベルのIL10およびIFNGを生産した;しかし、Icos−/−マウス由来の細胞は、IL13を生産しなかったが、一方、野生型マウスは大量のIL13を生産した。Dongら(2001)は、ICOSが、炎症性疾患に対する保護においてIL13の誘導を介して、重要なネガティブ制御因子の役割を有し得ると結論付けた。【0332】McAdamら(2001)は、Icos欠損マウスが野生型マウスと比較して、類似の基本レベルのIgM、わずかに増加したIgG3、ならびに減少したIgG1、IgG2aおよびIgEを有することを見出した。免疫化ノックアウトマウスおよび野生型マウス(高炎症性完全Freund’sアジュバントの存在を除く)はまた、類似レベルのIgM特異的抗体を有するが、IgG1特異的抗体およびIgG2a特異的抗体を減少し、そして胚中心形成を減少した。IgMからIgGまでのクラススウィッチングは、CD40(OMIM#109535)の刺激によってIcos−/−マウス中で回復される。【0333】Tafuri(2001)は、Icos欠損マウス由来の細胞中の減少したT細胞増殖は、CD40LG(OMIM#308230)、CD25(IL2RA;OMIM#147730)、およびCD69(OMIM#107273)の発現において顕著な減少に関連することを見出した。B細胞活性化およびT細胞非依存性抗体応答は、Icosノックアウトマウスにおいて損なわれなかった。対照的に、McAdamら(2001)、Tafuriら(2001)の知見は、基底レベルのIgG1のみがIcos−/−マウス中で有意に減少することを見出した;しかし、彼らは、血清IgG1よびIgG2aレベルが減少され、そしてIgEレベルは免疫化後に検出可能ではないことに同意した。ELISAアッセイは、このクラススウィッチング障害がIL4生産に関連するが、IFNG生産には関連しないことを示した。免疫組織化学分析は、胚中心形成がCd401gまたはCd28欠損マウスに存在するので、胚中心形成はまた、Icosノックアウトマウス中で減少することを示した。【0334】本明細書中に開示されるNOV14タンパク質およびNOV14核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV14が、B7免疫グロブリンファミリーに特徴的な重要な構造機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用において、ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的もしくは選択的な、核酸診断マーカーおよび/もしくは核酸予後マーカーまたはタンパク質診断マーカーおよび/もしくはタンパク質予後マーカーとして役立つものが挙げられ、ここで、その核酸もしくはそのタンパク質の存在、またはその核酸もしくはそのタンパク質の量が評価され、そして、これらとしては、以下のような潜在的な治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御兵器。【0335】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関係する潜在的な診断適用および治療適用に有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患する患者の処置に対して有効性を有する:てんかん、摂食障害、精神分裂病、ADD、および癌を含む脳障害;心臓疾患;クローン病、IBD、アレルギー、リウマチおよび変形性関節症、炎症性皮膚障害、アレルギー、血液障害を含む炎症性障害および自己免疫性障害;乾癬結腸癌、白血病AIDS;視床障害;糖尿病および肥満症を含む代謝障害;喘息、気腫、嚢胞性線維症および癌のような肺疾患;膵臓機能不全症および癌を含む膵臓障害;前立腺癌を含む前立腺障害ならびに他の疾患、障害および状態など。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、新規な物質に対して免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。【0336】本発明のB7−H2B様核酸およびB7−H2B様タンパク質またはそれらのフラグメントは、診断的用途において有用であり、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV14タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る、複数の親水性領域を有する。1つの実施形態では、企図されるNOV14エピトープは、アミノ酸約20〜約25である。別の実施形態では、企図されるNOV14エピトープは、アミノ酸約48〜約49である。他の特定の実施形態では、企図されるNOV10エピトープは、アミノ酸約50〜約52、約58〜約75、約100〜約120、約150〜約190、約240〜約260、約290〜約350、約370〜約420、および約440〜約450である。【0337】(NOV15)新規のガラクトシルトランスフェラーゼ様タンパク質をコードする、開示されたNOV15核酸(CuraGen登録番号CG56252−01と名付けられる)は、1302ヌクレオチド(SEQ ID NO:49)を含み、そして表15Aに示される。オープンリーディングフレームが同定され、これはヌクレオチド1〜3においてATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1276〜1278においてTAGコドンで終了する。終止コドンから下流の推定非翻訳領域は、表15Aにおいて下線が引かれ、そして開始コドンおよび終止コドンは太字である。【0338】【表15A】NOV15の核酸配列は、第16染色体にマップし、そしてHomo sapiens(Homo sapiens膜貫通トリプターゼmRNA、完全cds)由来gb:GENBANK−ID:AF175522|acc:AF175522.1 mRNAに対して639塩基中421塩基(65%)の同一性を有する(E=1.9e−33)。【0339】NOV15ポリペプチド(SEQ ID NO:50)は、425アミノ酸残基であり、そして表15Bに一文字コードを用いて表される。Signal P、Psortおよび/またはHydropathyの結果は、NOV15がシグナルペプチド含み、そしておそらく0.7900の確実性で原形質膜に局在化されることを予測する。別の実施形態において、NOV15は、0.6400の確実性でマイクロボディー(ペルオキソーム)に、0.3000の確実性でゴルジ体に、または0.2000の確実性で小胞体(膜)に局在化される。NOV15ポリペプチドに対する最も可能性のある切断部位は、アミノ酸55とアミノ酸56の間(DGA−AP)である。【0340】【表15B】NOV15のアミノ酸配列は、Rattus norvegicus(ラット)(PROSTASIN)由来342アミノ酸残基のptnr:TREMBLNEW−ACC:AAG32641タンパク質に対して201アミノ酸残基中93アミノ酸残基(46%)の同一性、および201アミノ酸残基中125アミノ酸残基(62%)の類似性を有する(E=9.6e−55)。【0341】NOV15は、少なくとも以下の組織で発現される:大細胞癌腫、成体の脳、扁桃、大動脈、垂、動脈、骨髄、脳、軟骨、小脳、頸、表皮、腎臓、肺、リンパ節、リンパ系組織、卵巣、卵管(oviduct)/卵管(uterine tube)/ファローピウス管、下垂体、前立腺、皮膚、小腸、脊髄、脾臓、滑膜(synovium)/滑膜(synovial membrane)、精巣、視床、胸腺、甲状腺、外陰部、生物全体、骨髄。この情報は、SeqCalling源、公的なEST源、文献源および/またはRACE源を含む(がそれらに限定されない)本発明に含まれた配列の組織源を決定することによって導き出された。さらに、この配列は、II型膜貫通タンパク質、完全cds、クローン:Homo sapiens種におけるHP10328ホモログのHomo sapiens mRNAに密接に関連する(GENBANK−ID:gb:GENBANK−ID:AB015630|acc:AB015630.1)の発現パターンに起因して以下の組織において発現されると予測される:類表皮癌腫。【0342】NOV15はまた、表15Cに列挙されるBLASTPデータ中に示されるアミノ酸配列に相同である。【0343】【表15C】これらの配列の相同性を、表15Dに示されるClustalW分析において図示する。【0344】【表15D】表15Eは、NOV15に対するDOMAIN分析結果からのドメインの詳細を列挙する。これは、NOV15配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似する特性を有することを示す。【0345】【表15F】酵素ガラクトシルトランスフェラーゼ(EC2.4.1.38)は、ガラクトースβ−1,4−N−アセチルグルコサミンを生成するための、UDPガラクトースおよびN−アセチルグルコサミンに関する反応を触媒する。ガラクトシルトランスフェラーゼ(ガラクトース−1−ホスフェートウリジルトランスフェラーゼ)にUDP−ガラクトースを提供する酵素は、同じバンドにマップする。ガラクトシルトランスフェラーゼ酵素はまた、ラクトースシンテターゼ(EC2.4.1.22)を形成するために、制御タンパク質のα−ラクトアルブミンとヘテイダイマーを形成し得る。生合成の役割に加えて、ガラクトシルトランスフェラーゼは、細胞内の認識および/または接着において機能し得る場合、原形質膜の成分であり得る。Masriら(1988)は、ガラクトシルトランスフェラーゼ(β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼと呼ばれる)が、主にゴルジ複合体のトランス−槽に局在し、そして膜結合形態および可溶性形態の両方で存在することを報告した。【0346】Appertら(1986)は、精製したタンパク質の配列に基づくプローブを用いてヒト肝臓cDNAライブラリーをスクリーニングすることによってガラクトシルトランスフェラーゼcDNAをクローン化した。部分的cDNAは、推定のN末端膜結合領域を含まなかった。Appertら(1986)によって単離された部分的ガラクトシルトランスフェラーゼcDNAを用いるヒト胎盤cDNAライブラリーのスクリーニングによって、Masriら(1988)は、全長のβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼcDNAをクローン化した。これはN末端膜付着ドメインを有する予測された400アミノ酸タンパク質をコードする。酵素の可溶性形態は、アルギニン77の膜結合形態のタンパク質分解切断に起因するようである。Mengle−Gawら(1991)は、ガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子(GalTaseと呼ばれる)が50kbより多いスパンの6つのエキソンからなることを報告した。ノーザンブロット分析によって、GalTaseは試験された全ての細胞株で4.2kb mRNAとして発現された;細胞株の間での発現レベルにおいて高度の可変性が存在する。Appertら(1986)は、第9染色体にガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子をマップした。Shaperら(1986)は、クローン化ウシcDNAプローブを用いたインサイチュハイブリダイゼーションによって9p13にガラクトシルトランスフェラーゼの構造遺伝子を局在した。投薬効果に基づいて、Furukawaら(1986)は、様々なガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子がマウスの第17染色体に局在し得;トリソミー17胚が二倍体胚よりもほぼ1.5倍高い酵素活性を有することを示唆した。Furukawaら(1986)は、これらのガラクトシルトランスフェラーゼと主要な組織適合性複合体との間の関連性を示唆した。Loら(1998)は、B4GALTガラクトシルトランスフェラーゼファミリーの6つの膜を分析した。ノーザンブロット分析は、これらのホモログに対して、B4GALT1のみがマウスの授乳中の乳腺に発現することを示した。彼らは、B4GALT1ヌルマウスがラクトースを生産し得ないことを述べた。従って、B4GALT1は、哺乳動物の発達の間、ラクトース生合成を増大した(recruited)遺伝子であるようである。【0347】本明細書中に開示されるNOV15タンパク質およびNOV15核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV15が、ガラクトシルトランスフェラーゼファミリーに特徴的な重要な構造機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用において、ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的もしくは選択的な、核酸診断マーカーおよび/もしくは核酸予後マーカーまたはタンパク質診断マーカーおよび/もしくはタンパク質予後マーカーとして役立つものが挙げられ、ここで、その核酸もしくはそのタンパク質の存在、またはその核酸もしくはそのタンパク質の量が評価され、そして、これらとしては、以下のような潜在的な治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御兵器。【0348】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関係する潜在的な診断適用および治療適用に有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患する患者の処置に対して有効性を有する:プロテオデルマタン硫酸、PDSの欠損生合成、デルマタン硫酸プロテオグリカンキシロシルプロテイン4−β−ガラクトシルトランスフェラーゼ欠損の欠損生合成、xgpt欠損ガラクトシルトランスフェラーゼI欠損、エーレルス−ダンロー症候群、心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、先天性心疾患、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室管(A−V)欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満症、移植、子宮内膜症、受胎能、フォン・ヒッペル−リンダウ(VHL)症候群、アルツハイマー病、発作、結節硬化症、高カルシウム血症、パーキンソン病、ハンティングトン病、脳性小児麻痺、てんかん、レッシュ−ナイハン症候群、多発性硬化症、毛細血管拡張性運動失調、白質萎縮症、行動障害、嗜癖、不安、疼痛、神経保護、ならびに他の疾患、障害および状態など。【0349】本発明のガラクトシルトランスフェラーゼ様タンパク質をコードする新規核酸またはそれらのフラグメントは、診断的用途において有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV10タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る、複数の親水性領域を有する。1つの実施形態では、企図されるNOV15エピトープは、アミノ酸約30〜約45である。別の実施形態では、企図されるNOV15エピトープは、アミノ酸約60〜約65である。他の特定の実施形態では、企図されるNOV15エピトープは、アミノ酸約80〜約110、約140〜約145、約155〜約165、約170〜約175、約180〜約183、約190〜約192および約210〜約260である。【0350】(NOV16)新規のリンパ球抗原前駆体様タンパク質をコードする開示されたNOV16核酸(CuraGen登録番号CG56303−01と名付けられる)は、447ヌクレオチド(SEQ ID NO:51)を含み、そして表16Aに示される。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド31〜33においてATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド418〜420においてTGAコドンで終了すると同定された。終止コドンから下流の推定非翻訳領域は、表13Aにおいて下線が引かれ、そして開始コドンおよび終止コドンは太字である。【0351】【表16A】NOV16の核酸配列は、第8染色体にマップし、そしてHomo sapiens(特許WO9635808由来の配列1)由来gb:GENBANK−ID:A58084|acc:A58084 mRNAに対して440塩基中383塩基(87%)の同一性を有する(E=3.6e−67)。【0352】NOV16ポリペプチド(SEQ ID NO:51)は、129アミノ酸残基であり、そして表16Bに一文字コードを用いて表される。Signal P、Psortおよび/またはHydropathyの結果は、NOV16がシグナルペプチド含み、そしておそらく0.9190の確実性で原形質膜に局在化されることを予測する。別の実施形態において、NOV16は、0.2000の確実性でリソソーム(膜)に、0.1000の確実性で小胞体(膜)に、または0.1000の確実性で小胞体(内腔)に局在化される。NOV16に対する最も可能性のある切断部位は、アミノ酸20とアミノ酸21との間(AQA−LD)である。【0353】【表16B】NOV16のアミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)(LYMPHOCYTE ANTIGEN LY−6D PRECURSOR(E48 ANTIGEN)由来128アミノ酸残基のptnr:SWISSNEW−ACC:Q14210タンパク質に対して129アミノ酸残基中100アミノ酸残基(77%)の同一性、および129アミノ酸残基中108アミノ酸残基(83%)の類似性を有する。(E=5.1e−48)NOV16は、少なくとも以下の組織で発現されると予測される:ヒト胸部腺癌。【0354】可能な小数のヌクレオチド多型(SNP)は、表16Cに列挙されるNOV16を見出した。【0355】【表16C】NOV16はまた、表16Dに列挙されるBLASTPデータ中に示されるアミノ酸配列に相同である。【0356】【表16D】これらの配列の相同性を、表16Eに示されるClustalW分析において図示する。【0357】【表16E】表16Fは、NOV16に対するDOMAIN分析結果からのドメインの詳細を列挙する。これは、NOV16配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質の特性と類似する特性を有することを示す。【0358】【表16F】Ly−6A.2分子およびLy−6E.1分子は、相反しそしてMALA−1と同一である。オクチルグルコシド中で可溶化そして電気泳動的に分離されるリンパ球の表面タンパク質のウェスタンブロットによって、Ly−6A.2抗原またはLy−6E.1抗原と同時移動するバンドを検出した。細胞上または免疫アッセイにおいて、これらはLy−6A.2またはLy−6E.1に対する同種異系抗体をブロックした。MALA−1の組織分布はまた、Ly−6A.2またはLy−6E.1と相関した。オクチルグルコシドまたはドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で、これらの抗原は同じ大きさを示した。従って、Ly−6A.2およびLy−6E.1は代替の対立遺伝子を最も生産しそうである。電気泳動分析は、Ly−6A.2、Ly−6B.2、Ly−6D.2およびLy−27.2.Ly−6C.2ならびにLy−28.2に対する類似の大きさおよび電荷が同一であるようであり、そしてLy−6A.2については同じ大きさであるが、電荷および内鎖ジスルフィドの拘束(constraint)において異った。Ly−6D.2およびLy−27.2は、Ly−6A.2分子上の同じまたは異なるエピトープを表し得るので、以前に仮定された、組織分布に基づいて分離可能と考えられる5つのLy−6様抗原は、オクチルグリコシドを含むゲルの電気泳動の移動度によって2つの異なるカテゴリーのうちの1つに割当てられ得る3個以下の別個のタンパク質を表し得る。【0359】競合的結合研究および免疫沈降実験は、Ly−6−結合遺伝子(Ly−6A.2、Ly−6B.2、Ly−6C.2、Ly−6D.2およびThB)によってコードされた少なくとも5つの異なるエピトープを規定する。33kdタンパク質のLy−6C.2およびLy−6D.2は、それぞれ、10%〜20%または90%より高いそれらの独特な胸腺反応よって識別され得る密接な重複エピトープである。同様に、14kd部分に存在するLy−6C.2抗原は、Ly−6B.2抗原と弱く重複する。しかし、Ly−6C.2抗原およびLy−6B.2抗原は、Ly−6A.2およびLy−6D.2と異なる。ThBは、他のいずれの「Ly−6」抗原とも細胞表面で関連しない16〜18kdの抗原である。さらに、Ly−6C.2に作製された独立して誘導された抗体は、Ly−6A.2およびLy−6B.2に対する抗原を検出するので、同一のエピトープを検出する。これらの結果は、これらの各分子の単一抗原性部位の存在を意味する。【0360】これらが認識する抗原およびこれらが実行するエフェクター機能における差異に関わらず、Bリンパ球およびTリンパ球は、応答を開始するために著しく類似したシグナル形質導入成分を使用する。これらの両方は、異なる認識およびシグナル形質導入サブユニットを含むオリゴマーレセプターを使用する。両方の細胞上の抗原レセプター(これらは、一般的な進化した前駆体からおそらく進化した)は、一般的な配列モチーフ(ARAM)を介して、これらの不変鎖の細胞テールにおいて少なくとも2つの異なるPTKのファミリーと相互作用する。補助受容体は、リガンド結合およびシグナル形質導入に影響する事象を介して、これらのレセプター系の両方の感受性を増加するように働くようである。下流のシグナル伝達成分(例えば、ホスホリパーゼC)のチロシンリン酸化の重要な役割は、抗原レセプター制御PTKおよびPTPaseの作用のバランスにおける変化の正味の結果である。リンフォカイン遺伝子発現のような細胞応答を制御する下流エフェクター(カルシニュリンおよびRasを含む)の同定は、将来、リンパ球において原形質膜から核までの複合経路を結合し得ることを期待する。TCR刺激およびBCR刺激のシグナル伝達経路の下流の研究から得られる洞察は、発達細胞および成熟細胞における異物から自己のリンパ球の分化および区別を担う機構の将来の理解に十分に貢献しそうである。【0361】E48抗原(20kDタンパク質の推定ヒトホモログが、ウシ鼻鏡部のデスモソーム調製物に存在し、そして以前にデスモグレイン(desmoglein)III(dg4)と呼ばれた)は、ヒトの扁平上皮細胞癌腫の抗体に基づく治療のための有望な標的抗原である。高い抗体用量処置の効果を予測するために、そして発癌における抗原の可能な生物学的関与を評価するために、発明者らは抗原の分子的な特徴付けを試みた。E48抗原をコードするcDNAクローンは、COS細胞中での発現クローニングによって単離された。配列分析は、クローンが128アミノ酸のオープンリーディングフレームを含み、13,286kDのコアタンパク質をコードすることを示した。データベース検索は、E48抗原がマウスThB抗原(Ly−6抗原ファミリーのメンバー)と高いレベルの配列類似性を有することを示した。ホスホファチジルイノシトール特異的(PI−特異的)ホスホリパーゼ−C処置は、E48抗原が原形質膜に対するグリコシルホスホファチジルイノシトール結合(GPI結合)であることを示した。E48抗原をコードする遺伝子は、単一コピー遺伝子であり、ヒト第8染色体の8q24−qter領域に局在される。遺伝子の発現は、ケラチノサイトおよび扁平上皮腫瘍細胞に制限される。リンパ球直系の細胞上の抗原として本来同定された推定のマウスホモログ(ThB抗原)は、扁平上皮マウスの上皮中で高く発現されることが示された。さらに、ThB発現レベルはケラチノサイト中に存在し、対照的にリンパ球ではマウス株には関連しない。マウスSV40ポリオーマのトランスフェクションは、抗原が細胞−細胞接着におそらく関与することが確認されたE48 cDNAを用いて、マウスNIH/3T3細胞を形質転換した。【0362】Thb遺伝子座は、マウス胸腺細胞およびB細胞で15kDaのホスホファチジルイノシトール結合分子(ThB)の発現を担う。mAbで検出されるようなThbの発現は2つの対立遺伝子を有するB細胞で多型性であり、ThbhおよびThb1はB細胞でのThBの高い発現および低い発現を担う。Thb発現の調節遺伝子座は、Chr 15に対する遺伝子のLy−6クラスターにマップした。本発明者らの研究において、本発明者らは、COS細胞中での発現クローニングを使用して、トランスフェクション後のThbをコードするcDNAクローンを単離した;このcDNA産物は抗ThB抗体と反応するが、Ly−6A.2抗体、Ly−6B.2抗体、Ly−6C.2抗体、またはLy−6D.2抗体とは反応しない。これらのクローンの1つのpThB−Aは、配列決定された702塩基の挿入を含む。翻訳されたアミノ酸配列は、11個のシステイン残基を有し、そして潜在的N結合グリコシル化部位の非存在ではともに、Ly−6分子の構造に類似する。ThB cDNAのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、Ly−6遺伝子およびLy−6関連ヒトCD59のものと比較され、そして明確な相同性を示した。最後に種間の交雑を用いて、構造的なThb遺伝子は、Chr 15にマップされた;従って、構造遺伝子および調節遺伝子の両方が類似の部位にマップする。Ly−6付近の遺伝子的マップ位置および配列類似性は、ThbおよびLy−6が遺伝子の重複による同じ祖先に由来し得ることを示唆する。【0363】本明細書中に開示されるNOV16タンパク質およびNOV16核酸についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV16が、TGFファミリーに特徴的な重要な構造機能および/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用において、ならびに、研究ツールとして有用である。これらは、特異的もしくは選択的な、核酸診断マーカーおよび/もしくは核酸予後マーカーまたはタンパク質診断マーカーおよび/もしくはタンパク質予後マーカーとして役立つものが挙げられ、ここで、その核酸もしくはそのタンパク質の存在、またはその核酸もしくはそのタンパク質の量が評価され、そして、これらとしては、以下のような潜在的な治療適用が挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断抗体、薬物標的抗体/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物(vi)生物学的防御兵器。【0364】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される様々な疾患および障害ならびに/または他の病理に関係する潜在的な診断適用および治療適用に有用である。例えば、本発明の組成物は、以下に罹患する患者の処置に対して有効性を有する:癌、外傷、再生、ウイルス感染/細菌感染/寄生虫感染。【0365】本発明のリンパ球抗原前駆体様タンパク質をコードする新規核酸またはそれらのフラグメントは、診断的用途において有用であり得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法における使用のための、本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節で記載されるような、疎水性チャートからの予測を用いる、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。開示されたNOV16タンパク質は、各々が免疫原として使用され得る、複数の親水性領域を有する。1つの実施形態では、企図されるNOV16エピトープは、アミノ酸約25〜約30である。別の実施形態では、企図されるNOV16エピトープは、アミノ酸約50〜約70である。他の特定の実施形態では、企図されるNOV10エピトープは、アミノ酸約82〜約102である。【0366】(NOV17)新規なペプシノーゲンC様タンパク質をコードする開示されたNOV17核酸(CuraGen Acc.No.CG56307−01とも呼ばれる)は、1270ヌクレオチド(配列番号53)を含み、これを表13Aに示す。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド8〜10においてATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1124〜1126においてTAGコドンで終わることを同定した。終止コドンより下流の推定非翻訳領域を、表17Aにおいて下線で示し、開始コドンおよび終止コドンを、太字で示す。【0367】【表17A】NOV17の核酸配列は、染色体16q21.3−p21.1にマッピングされ、そして本発明は、Homo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:HUMPGCA|acc:J04443.1mRNA(Homo sapiensペプシノーゲンC(PGC)mRNA、完全コード)に対して、1277塩基中1171塩基(91%)の同一性を有する(E=7.0e−228)。【0368】NOV17ポリペプチド(配列番号54)は、372アミノ酸残基であり、そして表17Bに1文字コードを使用して提示される。SignalP、Psort、および/またはHydropathyの結果によって、NOV17が、シグナルペプチドを有し、そして0.8200の確実性で細胞外に局在するようであることが予測される。他の実施形態において、NOV17は、0.2076の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に局在するか、0.1000の確実性で小胞体(膜)に局在するか、または0.1000の確実性で小胞体(管腔)に局在する。NOV17ペプチドについての最も可能性の高い切断部位は、アミノ酸16とアミノ酸17との間(LEA−AV)である。【0369】【表17B】NOV17アミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の388アミノ酸残基ptnr:SWISSPROT−ACC:P20142タンパク質(GASTRICSIN PRECURSOR(EC3.4.23.3))(PEPSINOGEN C)に対して、388アミノ酸残基のうち372アミノ酸残基(95%)の同一性、および388アミノ酸残基のうち372アミノ酸残基(95%)の類似性を有する(図3B)。本発明の配列は、Homo sapiens(ヒト)由来のptnr:SWISSPROT−ACC:P20142タンパク質(GASTRICSIN PRECURSOR(EC3.4.23.3))(PEPSINOGEN C)と比較した場合、16個の内部アミノ酸を欠失している(E=1.1e−197)。【0370】NOV17は、少なくとも以下の組織で発現される:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳、脳−海馬、脳−黒質、脳−視床、脳−全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫−Raji、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、子宮、大動脈、十二指腸、胆嚢、肝臓、肺、肺胸膜、リンパ節、卵巣、末梢血。この情報は、SeqCalling供給源、Public(公的)EST供給源、Literature(文献)供給源、および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明に含まれる配列の組織供給源を決定することによって誘導された。さらに、この配列は、胃粘膜において発現されることが推定される。なぜなら、(GENBANK−ID:gb:GENBANK−ID:HUMPGCA|acc:J04443.1)の発現パターンは、Homo sapiensペプシノーゲンC(PGC)mRNA(Homo sapiens種における完全コードホモログ)に密接に関連するからである。【0371】NOV17はまた、表17Cに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対する相同性を有する。【0372】【表17C】これらの配列の相同性は、表17Dに示されるClustalW分析において図的に示される。【0373】【表17D】表17Eは、NOV17に対するDOMAIN分析の結果からのドメイン内容を列挙する。これは、NOV17配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質に類似の特性を有することを示す。【0374】【表17E】胃アスパラギン酸プロテイナーゼ(ペプシンA、ペプシンB、ガストリクシン/ペプシノーゲンCおよびキモシン)は、チモーゲンとして知られる不活性前駆体として胃粘膜内で合成される。胃チモーゲンは、それぞれプロセグメント(すなわち、活性酵素のN末端にさらなる残基を含み)、これは、不活性形態を安定化し、そして活性部位への基質の侵入を妨げるように作用する。食物の摂取の際に、チモーゲンのそれぞれは、胃の管腔内へ放出され、そして酸性の胃液中で活性酵素への変換を受ける。この活性化反応は、酸性pH値で、プロセグメントと活性酵素部分との間の静電相互作用の崩壊によって開始される。その活性形態へのチモーゲンの変換は、複雑なプロセスであり、このプロセスは、一連のコンフォメーション変化および結合切断工程に関連し、活性部位の露出(unveiling)ならびに最終的には酵素の活性中心からのプロセグメントの除去および解離を導く。この活性化反応の間、プロセグメントおよび活性酵素の両方は、コンフォーメーションにおける変化を受け、そしてプロセグメントのタンパク質分解性の切断が、分子内反応または分子間反応のいずれかによって1つ以上の工程で生じ得る。タンパク質分解の機構における可変性は、プロセグメントの構造に部分的に起因するようである。4つの型の胃チモーゲンの間および同一型のチモーゲンの種間での活性化機構における相違のために、単一の活性化のモデルは、提案され得ない。【0375】ペプシノーゲンは、ペプシン(典型的なアルパラギン酸プロテイナーゼであり、胃腺の主細胞において合成される)の不活性前駆体である。ペプシノーゲンの2つの主要な群、すなわち、ペプシノーゲンA(PGA)およびペプシノーゲンC(PGC)(すなわち、プロガストリクシン)が存在し、そしてそれぞれは、頻繁にアイソチモーゲン(isozymogen)を有する。2つのペプシノーゲンの発現の相対程度は、動物種の間で変動し、さらに、これらの生合成は、ガストリンおよびセクレチンのような生理活性ペプチドによって影響されることが知られている。しかし、ペプシノーゲン生合成の調節機構、従ってペプシノーゲン遺伝子発現は、いまだに明らかでない。従って、このような研究のためにペプシノーゲン遺伝子の一次構造を解明することは根本的に重要であると考えられる。ヒトPGA遺伝子およびヒトPGC遺伝子ならびにラットPGC遺伝子の構成(organization)は、本質的に同一であり;対応するプレペプシノーゲンのアミノ酸配列をコードする各遺伝子は、種々の長さの8つのイントロンによって9つのエキソンに分離されていることが見出された。これらの結果は、これらの遺伝子が、全て共通の祖先の遺伝子に由来することを示す。しかし、ヒトPGA遺伝子の5’隣接領域は、ヒトPGC遺伝子およびラットPGC遺伝子の5’隣接領域との異なり、一方、ヒトPGC遺伝子およびラットPGC遺伝子の5’隣接領域は、互いに類似した。従って、PGA遺伝子およびPGC遺伝子の発現は、幾分異なって調節されることが示唆される。ヒトアスパラギン酸プロテイナーゼ(ペプシノーゲンA、ペプシノーゲンC、カテプシンD、カテプシンEおよびレニン)についての遺伝子の比較分析は、それらのそれぞれのコード配列およびエキソン−イントロン接合部位置に関して高い類似性を明らかにしている。【0376】活性部位アスパルチル基を含有する領域の高い(strong)保存にも関わらず、遺伝的多型は、カテプシンD以外のプロテイナーゼ遺伝子のそれぞれについて同定されてきた。これらの遺伝的多型は、連鎖地図に関する遺伝子の位置決定(localization)および遺伝子コピー数の決定のために有用である。各アスパルチルプロテイナーゼの染色体位置は、体細胞ハイブリッドマッピングパネルの分析、分裂中期染色体調製物に対するインサイチュハイブリダイゼーションおよび多型マーカーを用いる家系連鎖分析を含む、組換えDNAプローブを使用する種々の遺伝子マッピング方法によって決定されてきた。ペプシノーゲンAは、アスパラギン酸プロテイナーゼの中で最も広範な多型を示し、ペプシノーゲンAは、タンパク質電気泳動によってか、またはDNA分析によって検出され得る。それぞれのDNAプローブを用いるサザンブロットハイブリダイゼーションおよびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅は、アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子のコード部分および非コード部分に位置したヌクレオチド差異を明らかにしてきた。これらの多型は、遺伝的に影響された臨床状態におけるそれぞれのプロテイナーゼの潜在的な役割を研究するために使用され得る。分岐したヌクレオチド配列反復のPCR増幅によって検出されるさらに高度な多型マーカーの開発は、特定の臨床疾患(例えば、潰瘍および高血圧症)を有し得るアスパラギン酸プロテイナーゼの遺伝的改変の効果の考証に非常に役立つ。PGC遺伝子多型は、胃潰瘍に関連し、そして胃潰瘍に対する遺伝的疾病素因の無症状マーカーであり得る。ペプシノーゲンA(PGA)およびペプシノーゲンC(PGC)の血清決定は、胃粘膜の炎症および萎縮症を示し得る。身体の胃粘膜は、PGAおよびPGCの両方を生成するが、洞の粘膜は、PGCのみ生成する。従って、主に洞に関する疾患(例えば、H.pylori感染)は、主として、血清PGAよりも血清PGCにおける改変体によって示される。一致して、洞粘膜が、より毒性のcagAポジティブH.pylori株によって感染される場合、これは、重篤な炎症を生じ、血清PGCが有意に増加する。【0377】本明細書中に開示されるNOV17タンパク質およびNOV17核酸に対するタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV17が真核生物のアスパルチルプロテアーゼファミリーの重要な構造的および/または生理学的機能の特徴を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的なまたは選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとして機能すること(ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が評価される)、ならびに以下のような潜在的な治療適用を含む:(i)タンパク質治療、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療的、診断的、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御兵器。【0378】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害ならびに/または他の病理と関係付けられる潜在的な診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、潰瘍、高血圧症(Scand J Clin Lab Invest Suppl 1992;210:111〜9)、胃粘膜炎症および萎縮症、ならびに他の疾患、障害および状態などで苦しむ患者の処置に対して効力を有し得る。PGC遺伝子多型は、胃潰瘍と関連し、そして胃潰瘍に対する遺伝的疾病素因の無症状マーカーであり得る(Nippon Rinsho 1996 Apr;54(4):1149〜54)。ペプシノーゲンA(PGA)およびペプシノーゲンC(PGC)の血清決定は、胃粘膜炎症および萎縮症を示し得る。身体の胃粘膜は、PGAおよびPGCの両方を生成するが、洞の粘膜は、PGCのみ生成する。従って、主に洞に関する疾患(例えば、H.pylori感染)は、主として、血清PGAよりも血清PGCにおける改変体によって示される。一致して、洞粘膜が、より毒性のcagAポジティブH.pylori株によって感染される場合、これは、重篤な炎症を生じ、血清PGCが有意に増加する(Recenti Prog Med 1999 Jun;90(6):342〜6)。【0379】本発明のペプシノーゲンC様タンパク質をコードする新規な核酸、またはそのフラグメントは、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価される場合、診断適用において有用である。これらの材料は、さらに、治療方法または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートからの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って、生成され得る。開示されたNOV10タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々が、免疫原として用いられ得る。1つの実施形態において、企図されるNOV17エピトープは、アミノ酸約30〜約60である。別の実施形態において、企図されるNOV17エピトープは、アミノ酸約110〜約130である。他の特定の実施形態において、企図されるNOV17エピトープは、アミノ酸約160〜約170、約180〜約181、約201〜約202、約204〜約205、約207〜約208、約240〜約252、約290〜約310、約340〜約345または約360〜約365である。【0380】(NOV18)新規なARL様タンパク質をコードする開示されたNOV18核酸(CuraGen Acc.No.CG56294−01とも呼ばれる)は、14859ヌクレオチド(配列番号55)を含み、表18Aに示される。オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3においてATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド14857〜14859においてTAAコドンで終わると同定された。開始コドンおよび終止コドンを、表18Aにおいて太字で示す。【0381】【表18A】NOV18の核酸配列は、染色体12q12−q14にマッピングされ、そしてHomo sapiens由来のgb:GENBANK−ID:AF010404|acc:AF010404.1mRNA(Homo sapiens ALR mRNA、完全コード)に対して、13153塩基中13081塩基(99%)の同一性を有する(E=0.0)。【0382】NOV18ポリペプチド(配列番号56)は、4952アミノ酸残基であり、そして表18Bに1文字コードを使用して提示される。SignalP、Psortおよび/またはHydropathyの結果によって、NOV18が、0.9800の確実性で核に局在するようであることが予測される。他の実施形態において、NOV18は、0.3000の確実性でマイクロボディ(ペルオキシソーム)に局在するか、0.1000の確実性で糸粒体基質腔に局在するか、または0.1000の確実性でリソソーム(lysosomy)(管腔)に局在する。【0383】【表18B】NOV18アミノ酸配列は、Homo sapiens(ヒト)由来の4957アミノ酸残基ptnr:SPTREMBL−ACC:O14987タンパク質(ALR)に対して、4957アミノ酸残基のうち4946アミノ酸残基(99%)の同一性、および4957アミノ酸残基のうち4946アミノ酸残基(99%)の類似性を有する(E=0.0)。【0384】NOV18は、少なくとも以下の組織で発現される:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳、脳−海馬、脳−黒質、脳−視床、脳−全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫−Raji、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、子宮。この情報は、SeqCalling供給源、Public(公的)EST供給源、および/またはRACE供給源を含むがこれらに限定されない、本発明に含まれる配列の組織供給源を決定することによって誘導された。【0385】NOV18はまた、表18Cに列挙されるBLASTPデータに示されるアミノ酸配列に対する相同性を有する。【0386】【表18C】これらの配列の相同性は、表18Dに示されるClustalW分析において図的に示される。【0387】【表18D】表18E、表18F、表18Gおよび表18Hは、NOV18に対するDOMAIN分析の結果からのドメイン内容を列挙する。これは、NOV18配列が、これらのドメインを含むことが公知の他のタンパク質に類似の特性を有することを示す。【0388】【表18E】【0389】【表18F】【0390】【表18G】【0391】【表18H】ALL−1遺伝子は、染色体転座または内部再配列を介したヒト急性白血病に関与する。ALL−1は、Drosophila trithoraxのヒトホモログである。後者(Drosophila trithorax)は、Polycombグループ(Pc−G)遺伝子と一緒に、Drosophilaの身体構造を決定について、それぞれポジティブ調節因子(regulator)およびネガティブ調節因子として作用する、trithoraxグループ(trx−G)遺伝子のメンバーである。ALR(ALL−1関連タンパク質)は、巨大な5262アミノ酸長のタンパク質をコードし、SETドメイン、5つのPHDフィンガー、潜在的なジンクフィンガー、および疎水性残基(大部分はロイシン)によって中断される非常に長い連続したグルタミンを含む。SETモチーフ、PDHフィンガー、ジンクフィンガーおよび2つの他の領域は、ALL−1およびTRXのドメインについて最も類似している。最初の2つのモチーフはまた、他のtrx−Gタンパク質およびPc−Gタンパク質においても見出される。このALR遺伝子は、VDR遺伝子に隣接する染色体バンド12q12−13にマッピングされた。この領域は、癌に関連した重複および転座に関係付けられる。ALR発現の分析は、約18kb長のそのmRNAが、ALL−1のように、肝臓を除いて種々の造血性細胞を含むほとんどの成人組織において発現されることを示した。マウス初期胚に対するホールマウントインサイチュハイブリダイゼーションは、複数の組織における発現を示す。構造および発現パターンの類似性に基づいて、ALRは、ALL−1およびtrxと同様な役割を果たしそうであるが、その標的遺伝子は、未だに同定されていない(Prasadら、1997,Oncogene vol.15:549〜60)。【0392】本明細書中に開示されるNOV18タンパク質およびNOV18核酸に対するタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマップ位置は、NOV18が細胞内ファミリーの重要な構造的および/または生理学的機能の特徴を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用ならびに研究ツールとして有用である。これらは、特異的なまたは選択的な核酸またはタンパク質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとして機能すること(ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が評価される)、ならびに以下のような潜在的な治療適用を含む:(i)タンパク質治療、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療的、診断的、薬物標的/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子切除)、ならびに(v)インビトロおよびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御兵器。【0393】本発明の核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害ならびに/または他の病理と関係付けられる潜在的な診断適用および治療適用において有用である。例えば、本発明の組成物は、癌(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、転座関連白血病)、ならびに他の疾患、障害および状態などで苦しむ患者の処置に対して効力を有する。【0394】本発明のALR様タンパク質をコードする新規な核酸、またはそのフラグメントは、この核酸またはタンパク質の存在または量が評価される場合、診断適用において有用である。これらの材料は、さらに、治療方法または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これらの抗体は、以下の「抗NOVX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートからの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って、生成され得る。開示されたNOV18タンパク質は、複数の親水性領域を有し、これらの各々が、免疫原として用いられ得る。【0395】(NOVX核酸およびNOVXポリペプチド)本発明の1つの局面は、NOVXポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分をコードする単離された核酸分子に関する。NOVXコード核酸(例えば、NOVX mRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用するに十分な核酸フラグメント、およびNOVX核酸分子の増幅および/または変異のためのPCRプライマーとして使用するためのフラグメントもまた本発明に含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチドアナログを用いて生成されたDNAもしくはRNAのアナログ、ならびにこれらの誘導体、フラグメントおよびホモログを含むことが意図される。この核酸分子は、1本鎖または2本鎖であり得るが、好ましくは、2本鎖DNAで構成される。【0396】NOVX核酸は、成熟NOVXポリペプチドをコードし得る。本明細書中で用いられる場合、本発明において開示されるポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態は、天然に存在するポリペプチドまたは前駆体形態もしくはプロタンパク質の産物である。この天然に存在するポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質としては、非限定的な例として、対応する遺伝子によりコードされる全長遺伝子産物が挙げられる。あるいは、これは、本明細書中に記載されるORFによりコードされるポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質として規定され得る。産物の「成熟」形態は、この遺伝子産物が生じる細胞、または宿主細胞内で生じ得る場合に、1以上の自然に起こるプロセシング工程の結果として(再び、非限定的な例として)生じる。「成熟」形態のポリペプチドまたはタンパク質をもたらすこのようなプロセシング工程の例としては、ORFの開始コドンによりコードされるN末端メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドもしくはリーダー配列のタンパク質分解切断が挙げられる。従って、残基1〜Nを有する(ここで、残基1は、N末端メチオニンである)前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟形態は、N末端メチオニンの除去後に残っている残基2〜Nを有する。あるいは、残基1〜N(ここで、残基1〜残基MのN末端シグナル配列が切断される)を有する前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟形態は、残っている残基M+1〜残基Nの残基を有する。さらに、本明細書中で使用される場合、ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態は、タンパク質分解切断事象以外の翻訳後修飾の工程から生じ得る。このようなさらなるプロセスとしては、非限定的な例として、グリコシル化、ミリストイル化またはリン酸化が挙げられる。一般に、成熟ポリペプチドまたはタンパク質は、これらのプロセスの1つのみの操作またはこれらのプロセスのいずれかの組み合わせから生じ得る。【0397】本明細書中で用いられる場合、用語「プローブ」は、特定の用途に依存して、種々の長さ(好ましくは、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、または例えば、ほぼ6,000nt程度の長さ)の核酸配列をいう。プローブは、同一の、類似の、または相補的な核酸配列の検出に用いられる。より長い長さのプローブは、一般に、天然供給源または組換え供給源から得られ、より短い長さのオリゴマープローブより高度に特異的であり、かつよりゆっくりとハイブリダイズする。プローブは、1本鎖または2本鎖であり得、そしてPCR、膜ベースのハイブリダイゼーション技術、またはELISA様技術において特異性を有するように設計され得る。【0398】本明細書中で用いられる場合、用語「単離された」核酸分子は、核酸の天然の供給源に存在する他の核酸分子から分離された核酸分子である。好ましくは、「単離された」核酸は、その核酸が由来する生物のゲノムDNA中の核酸に天然に隣接する配列(すなわち、その核酸の5’末端および3’末端に位置する配列)がない。例えば、種々の実施形態において、この単離されたNOVX核酸分子は、核酸が由来する細胞/組織(例えば、脳、心臓、肝臓、脾臓など)のゲノムDNA中の核酸分子に天然で隣接するヌクレオチド配列の約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kbまたは0.1kb未満を含み得る。さらに、cDNA分子のような「単離された」核酸分子は、組換え技術により生成された場合、他の細胞物質もしくは培養培地を実質的に含まないこともでき、または化学的に合成される場合、化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないこともできる。【0399】本発明の核酸分子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはこの前述のヌクレオチド配列の相補体)は、標準的な分子生物学技術および本明細書中で提供される配列情報を用いて単離され得る。ハイブリダイゼーションプローブとして配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の核酸配列の全部または一部を用いて、NOVX分子は、標準的なハイブリダイゼーション技術およびクローニング技術を用いて単離され得る(例えば、Sambrook,ら(編),MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989;およびAusubel,ら(編),CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley&Sons,New York,NY,1993に記載される)。【0400】本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技術に従って、テンプレートおよび適切なオリゴヌクレオチドプライマーとして、cDNA、mRNA、または代わりにゲノムDNAを用いて増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクターにクローニングされ得、そしてDNA配列分析により特徴付けられ得る。さらに、NOVXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技術により、例えば、自動化DNA合成機を用いて、調製され得る。【0401】本明細書中で用いられる場合、用語「オリゴヌクレオチド」とは、一連の連結されたヌクレオチド残基をいい、このオリゴヌクレオチドは、PCR反応において使用される十分な数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配列またはcDNA配列に基づき得るか、またはこれらの配列から設計され得、そして特定の細胞もしくは組織中の同一の、類似の、または相補的なDNAもしくはRNAを増幅、確認またはこれらの存在を明らかにするために用いられる。オリゴヌクレオチドは、約10nt長、50nt長、または100nt長、好ましくは、約15nt〜30nt長を有する、核酸配列の一部を含む。本発明の1つの実施形態において、100nt長未満の核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55、またはその相補体の少なくとも6つの連続するヌクレオチドをさらに含む。オリゴヌクレオチドは、化学的に合成され得、そしてプローブとしても用いられ得る。【0402】別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に示されるヌクレオチド配列、またはこのヌクレオチド配列の一部(例えば、プローブもしくはプライマーとして用いられ得るフラグメント、またはNOVXポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードするフラグメント)の相補体である核酸分子を含む。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39または41に示されるヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39または41に示されるヌクレオチド配列に十分相補的なものであり、これは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に示されるヌクレオチド配列に対してほとんどまたは全くミスマッチなく水素結合し得、これにより安定な二重鎖を形成する。【0403】本明細書中で用いられる場合、用語「相補的」とは、核酸分子のヌクレオチド単位間のワトソンクリック塩基対形成またはフーグスティーン塩基対形成をいい、そして用語「結合」は、2つのポリペプチドもしくは化合物、または関連するポリペプチドもしくは化合物、またはこれらの組み合わせの間の物理的相互作用または化学的相互作用を意味する。結合としては、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用などが挙げられる。物理的相互作用は、直接的または間接的のいずれかであり得る。間接的相互作用は、別のポリペプチドまたは化合物の効果を介し得るか、またはこの効果に起因し得る。直接的結合とは、別のポリペプチドまたは化合物の効果を介して、またはこの効果に起因して生じない相互作用をいうが、代わりに、他の実質的な化学的中間体がない。【0404】本明細書中に提供されるフラグメントは、少なくとも6個(連続する)核酸の配列または少なくとも4個(連続する)アミノ酸の配列(それぞれ、核酸の場合には、特異的なハイブリダイゼーションを可能にし、またはアミノ酸の場合には、エピトープの特異的な認識を可能にするに十分な長さ)として規定され、そして長くても全長配列未満の何らかの部分である。フラグメントは、選り抜きの核酸配列またはアミノ酸配列の任意の連続する部分に由来し得る。誘導体は、直接的にか、または改変もしくは部分的置換によってかのいずれかでネイティブな化合物から形成される、核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、ネイティブな化合物に類似する(が、同一ではない)構造を有するが、特定の構成要素または側鎖に関してそれとは異なる核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、合成物であり得るか、または進化的に異なる起源に由来し得、そして野生型と比較して、類似の代謝活性または反対の代謝活性を有し得る。ホモログは、異なる種由来の特定の遺伝子の核酸配列またはアミノ酸配列である。【0405】誘導体およびアナログは、以下に記載のように、誘導体またはアナログが、改変された核酸またはアミノ酸を含む場合、全長、または全長以外のものであり得る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体またはアナログとしては、種々の実施形態において、本発明の核酸もしくはタンパク質に、同一の大きさの核酸またはアミノ酸配列にわたって、または整列した配列と比較した場合(この整列は、当該分野で公知であるコンピューター相同性プログラムによって実施される)、少なくとも約70%、80%、または95%の同一性(好ましい同一性は、80〜95%)で実質的に相同であるか、あるいはそのコードする核酸が、ストリンジェントの、中程度にストリンジェントの、または低いストリンジェントの条件下で上記のタンパク質をコードする配列の相補体にハイブリダイズし得る、領域を含む分子が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、New York、NY、1993、および以下を参照のこと。【0406】「相同な核酸配列」もしくは「相同なアミノ酸配列」、またはそれらの改変体とは、上記で考察したように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルにおける相同性によって特徴付けられる配列をいう。相同なヌクレオチド配列は、NOVXポリペプチドのアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォームは、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果として、同一の生物の異なる組織において発現され得る。あるいは、アイソフォームは、異なる遺伝子によってコードされ得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種(脊椎動物が挙げられるが、これに限定されず、従って、例えば、カエル、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよび他の生物が挙げられ得る)のNOVXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同なヌクレオチド配列としてはまた、天然に存在する対立遺伝子改変体および本明細書に記載されるヌクレオチド配列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同なヌクレオチド配列は、ヒトNOVXタンパク質をコードする正確なヌクレオチド配列を含まない。相同な核酸配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の保存的アミノ酸置換(以下を参照のこと)、ならびにNOVXの生物学的活性を保有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOVXタンパク質の種々の生物学的活性は以下に記載されている。【0407】NOVXポリペプチドは、NOVX核酸のオープンリーディングフレーム(「ORF」)によりコードされる。ORFは、ポリペプチドに潜在的に翻訳され得るヌクレオチド配列に対応する。ORFを含む核酸のストレッチは、終止コドンによって途切れない。全タンパク質についてのコード配列を表すORFは、ATG「開始(start)」コドンで始まり、そして3つの「終止(stop)」コドン(すなわち、TAA、TAG、またはTGA)のうちの1つで終結する。本発明の目的のために、ORFは、開始コドン、終止コドンまたはその両方を有するかまたは有さない、コード配列の任意の部分であり得る。bona fide細胞タンパク質のコードのための良好な候補としてみなされるORFについて、最小サイズの必要条件(例えば、50アミノ酸以上のタンパク質をコードするDNAストレッチ)がしばしば設定される。【0408】ヒトNOVX遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、他の細胞型(例えば、他の組織由来)におけるNOVXホモログ、ならびに他の脊椎動物由来のNOVXホモログを同定および/またはクローニングする際の使用のために設計されるプローブおよびプライマーの作製を可能にする。このプローブ/プライマーは、代表的には、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。このオリゴヌクレオチドは、代表的には、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の少なくとも約12個、約25個、約50個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約350個または約400個の連続するセンス鎖ヌクレオチド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の天然に存在する変異体のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。【0409】ヒトNOVXヌクレオチド配列に基づくプローブは、同じか、または相同なタンパク質をコードする転写物またはゲノム配列を検出するために使用され得る。種々の実施形態において、このプローブはさらに、プローブに付着した標識基を含み、例えば、この標識基は放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子であり得る。このようなプローブは、NOVXタンパク質を誤って発現する細胞または組織を同定するための診断試験キットの一部として、例えば、被験体由来の細胞サンプル中のNOVXをコードする核酸のレベルを測定すること(例えば、NOVX mRNAレベルを検出すること)またはゲノムNOVX遺伝子が変異しているかもしくは欠失しているか否かを決定することによって使用され得る。【0410】「NOVXポリペプチドの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」とは、特定の生物学的アッセイにおいて測定した場合に、本発明のポリペプチド(成熟形態を含む)の活性に類似するが、必ずしも同一ではない活性を示す、用量依存性を有するかまたは有さない、ポリペプチドをいう。「NOVXの生物学的に活性な部分」をコードする核酸フラグメントは、NOVXの生物学的活性(NOVXタンパク質の生物学的活性は、以下に記載される)を有するポリペプチドをコードする、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の一部を単離し、NOVXタンパク質のコードされた部分を(例えば、インビトロでの組換え発現によって)発現させ、そしてNOVXのコードされた部分の活性を評価することによって調製され得る。【0411】(NOVXの核酸およびポリペプチドの改変体)本発明はさらに、遺伝コードの縮重に起因して、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に示されるヌクレオチド配列とは異なり、従って、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に示されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質と同じNOVXタンパク質をコードする、核酸分子を包含する。別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。【0412】配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に示されるヒトNOVXヌクレオチド配列に加えて、このNOVXポリペプチドのアミノ酸配列における変化を導くDNA配列多型が、集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得ることが、当業者によって理解される。NOVX遺伝子中のこのような遺伝的多型は、天然の対立遺伝子のバリエーションに起因して、集団内の個体に存在し得る。本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」とは、NOVXタンパク質(好ましくは、脊椎動物のNOVXタンパク質)をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子をいう。このような天然の対立遺伝子のバリエーションは、代表的には、NOVX遺伝子のヌクレオチド配列において1〜5%の変動を生じ得る。天然の対立遺伝子バリエーションの結果であり、かつこのNOVXポリペプチドの機能的活性を変化させない、任意および全てのこのようなヌクレオチドのバリエーションならびに得られるNOVXポリペプチド内のアミノ酸多型は、本発明の範囲内であることが意図される。【0413】さらに、他の種由来のNOVXタンパク質をコードし、従って、ヒトの配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあることが意図される。本発明のNOVXのcDNAの天然の対立遺伝子改変体およびホモログに対応する核酸分子は、本明細書中に開示されるヒトNOVX核酸に対するその相同性に基づいて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標準的なハイブリダイゼーション技術に従って、ハイブリダイゼーションプローブとしてヒトcDNAまたはその一部を用いて単離され得る。【0414】従って、別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6ヌクレオチド長であり、そしてストリンジェントな条件下で配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズする。別の実施形態では、この核酸は、少なくとも10、25、50、100、250、500、750、1000、1500、または2000以上のヌクレオチド長である。なお別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、コード領域にハイブリダイズする。本明細書中で用いられる場合、用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」は、互いに少なくとも60%相同なヌクレオチド配列が代表的には互いにハイブリダイズしたままであるハイブリダイゼーション条件および洗浄条件を記載することを意図する。【0415】ホモログ(すなわち、ヒト以外の種由来のNOVXタンパク質をコードする核酸)または他の関連配列(例えば、パラログ)は、特定のヒト配列の全てまたは一部をプローブとし、核酸ハイブリダイゼーションおよびクローニングに関して当該分野で周知の方法を使用して、低い、中程度の、または高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションによって入手され得る。【0416】本明細書で用いられる場合、語句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、その標的配列にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で異なる。より長い配列は、より短い配列より高い温度で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで、特定の配列の熱融解点(Tm)より約5℃低いように選択される。このTmは、標的配列に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下での)温度である。標的配列は一般に過剰で存在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有されている。代表的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩濃度が約1.0Mナトリウムイオンより低く、代表的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン(またはその他の塩)であり、そして温度が、短いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)については、少なくとも約30℃、そしてより長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチドについては、少なくとも約60℃であるような条件である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような、不安定化剤の添加によって達成され得る。【0417】ストリンジェントな条件は、当業者に公知であり、そしてAusubelら(編),CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6に見出され得る。好ましくは、この条件は、互いに少なくとも約65%、約70%、約75%、約85%、約90%、約95%、約98%または約99%相同な配列が、代表的には互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、6×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02% PVP、0.02% Ficoll、0.02% BSA、および500mg/ml変性サケ精子DNAを含む高塩緩衝液中での65℃でのハイブリダイゼーション、それに続く、0.2×SSC、0.01% BSA中での50℃での1回以上の洗浄である。ストリンジェントな条件下で配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の配列にハイブリダイズする、本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応する。本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」核酸分子とは、天然に存在する(例えば、天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチド配列を有する、RNA分子またはDNA分子をいう。【0418】第2の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列を含む核酸分子、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体に、中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る核酸配列が提供される。中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、6×SSC、5×デンハルト溶液、0.5% SDSおよび100mg/ml変性サケ精子DNA中での55℃でのハイブリダイゼーション、それに続く、1×SSC、0.1% SDS中での37℃での1回以上の洗浄である。用いられ得る中程度のストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である。例えば、Ausubelら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NYおよびKriegler,1990;GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockton Press,NYを参照のこと。【0419】第3の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列を含む核酸分子、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体に、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る核酸が提供される。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、35%ホルムアミド、5×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02% PVP、0.02% Ficoll、0.2% BSA、100mg/mlの変性サケ精子DNA、10%(重量/容量)デキストラン硫酸中での40℃でのハイブリダイゼーション、それに続く、2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTAおよび0.1% SDS中での50℃での1回以上の洗浄である。用いられ得る低ストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である(例えば、種交差(cross−species)ハイブリダイゼーションについて用いられるような条件)。例えば、Ausubelら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NYならびにKriegler,1990,GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockton Press,NY;ShiloおよびWeinberg,1981,Proc Natl Acad Sci USA 78:6789−6792を参照のこと。【0420】(保存的変異)集団中に存在し得る、NOVX配列の天然に存在する対立遺伝子改変体に加えて、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列への変異によって変化が導入され得、それによって、このNOVXタンパク質の機能的能力を変更することなく、コードされるNOVXタンパク質のアミノ酸配列に変化がもたらされ得ることを、当業者はさらに理解する。例えば、「非必須」アミノ酸残基にてアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置換が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56の配列において行われ得る。「非必須」アミノ酸残基は、その生物学的活性を変更することなく、このNOVXタンパク質の野生型配列から変更され得る残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、このような生物学的活性に必要とされる。例えば、本発明のNOVXタンパク質の間で保存されているアミノ酸残基は、特に変更を受け入れ難いと予測される。保存的置換がなされ得るアミノ酸は、当該分野で周知である。【0421】本発明の別の局面は、活性に必須ではないアミノ酸残基における変化を含む、NOVXタンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなNOVXタンパク質は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55とはアミノ酸配列が異なるが、生物学的活性をなお保持する。1つの実施形態では、単離された核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、このタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のアミノ酸配列に少なくとも約45%相同であるアミノ酸配列を含む。好ましくは、この核酸分子によってコードされるタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に対して少なくとも約60%相同であり;より好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に対して少なくとも約70%相同であり;なおより好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に対してして少なくとも約80%相同であり;さらにより好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に対して少なくとも約90%相同であり;そして最も好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に対して少なくとも約95%相同である。【0422】配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のタンパク質に相同なNOVXタンパク質をコードする単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列に1以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失を導入することにより作製され得、その結果、1以上のアミノ酸の置換、付加または欠失が、このコードされるタンパク質に導入される。【0423】変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)によって配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1以上の推定非必須アミノ酸残基にてなされる。「保存的アミノ酸置換」は、そのアミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換される、置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーとしては、以下が挙げられる:塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、NOVXタンパク質中の推定非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態では、変異が、NOVXコード配列の全てまたは一部に沿って(例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)によって)ランダムに導入され得、そして得られる変異体がNOVXの生物学的活性についてスクリーニングされて、活性を維持する変異体を同定し得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の変異誘発後、コードされるタンパク質は、当該分野で公知の任意の組換え技術によって発現され得、そしてこのタンパク質の活性が決定され得る。【0424】アミノ酸ファミリーの関連性はまた、側鎖の相互作用に基づいて決定され得る。置換されるアミノ酸は、完全に保存された「強い」残基または完全に保存された「弱い」残基であり得る。保存されたアミノ酸残基の「強い」群は、以下の群のいずれか1つであり得る:STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW(ここで、一文字アミノ酸コードは、互いに置換され得るアミノ酸によりグループ化されている)。同様に、保存された残基の「弱い」群は、以下のいずれか1つであり得る:CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY(ここで、各群内の文字は、一文字アミノ酸コードを表す)。【0425】1つの実施形態では、変異体NOVXタンパク質は、以下についてアッセイされ得る:(i)他のNOVXタンパク質、他の細胞表面タンパク質、または生物学的に活性なそれらの部分と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力、(ii)変異体NOVXタンパク質とNOVXのリガンドとの間の複合体形成;または(iii)変異体NOVXタンパク質が細胞内標的タンパク質または生物学的に活性なその部分に結合する能力;(例えば、アビジンタンパク質)。【0426】なお別の実施形態において、変異体NOVXタンパク質は、特定の生物学的機能(例えば、インスリン放出の調節)を調節する能力についてアッセイされ得る。【0427】(アンチセンス核酸)本発明の別の局面は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヌクレオチド配列を含む核酸分子またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体にハイブリダイズし得るかまたは相補的である、単離されたアンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。特定の局面では、NOVXコード鎖全体の少なくとも約10、約25、約50、約100、約250もしくは約500ヌクレオチドまたは全体、またはそれらの一部のみに相補的な配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のNOVXタンパク質のフラグメント、ホモログ、誘導体およびアナログをコードする核酸分子、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のNOVX核酸配列に相補的なアンチセンス核酸がさらに提供される。【0428】1つの実施形態では、アンチセンス核酸分子は、NOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用語「コード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含む、ヌクレオチド配列の領域をいう。別の実施形態では、このアンチセンス核酸分子は、NOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスである。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する、アミノ酸に翻訳されない、5’配列および3’配列をいう(すなわち、5’非翻訳領域および3’非翻訳領域ともいわれる)。【0429】本明細書中に開示されるNOVXタンパク質をコードするコード鎖配列を考慮すれば、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickまたはHoogsteenの塩基対形成の規則に従って設計され得る。アンチセンス核酸分子は、NOVX mRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好ましくは、NOVX mRNAのコード領域または非コード領域の一部に対してのみアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NOVX mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45または約50ヌクレオチドの長さであり得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を用いて、化学的合成または酵素連結反応を用いて構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、またはこの分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセンス核酸とセンス核酸との間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるように設計された、種々に改変されたヌクレオチドを用いて、化学的に合成され得る(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが用いられ得る)。【0430】アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン(beta−D−galactosylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン(beta−D−mannosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル(pseudouracil)、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、アンチセンス核酸は、発現ベクターを用いて生物学的に生成され得、このベクター中で、核酸は、アンチセンス方向でサブクローニングされている(すなわち、その挿入された核酸から転写されたRNAは、以下の小節にさらに記載されるように、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向のRNAである)。【0431】本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、またはインサイチュで生成され、その結果、それらは、NOVXタンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、またはそれらに結合し、それによって、(例えば、転写および/または翻訳を阻害することによって)このタンパク質の発現を阻害する。このハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えば、DNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんの主溝における特異的相互作用を介して行われ得る。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化するように改変され得、次いで全身に投与され得る。例えば、全身投与のために、アンチセンス分子は、選択された細胞表面上に発現されたレセプターまたは抗原にそれらが特異的に結合するように、(例えば、そのアンチセンス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に連結することによって)改変され得る。アンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載されるベクターを用いて細胞に送達され得る。十分な核酸分子を達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターまたはpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好ましい。【0432】なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、このハイブリッドでは、通常のβ−ユニットとは対照的に、これらの鎖は、互いに平行に延びる。例えば、Gaultierら,1987,Nucl.Acids Res.15:6625−6641を参照のこと。アンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(例えば、Inoueら,1987,Nucl.Acids Res.15:6131〜6148を参照のこと)またはキメラRNA−DNAアナログ(例えば、Inoueら,1987,FEBS Lett.215:327〜330を参照のこと)を含み得る。【0433】(リボザイムおよびPNA部分)核酸の改変としては、非制限的な例として、改変された塩基、および糖リン酸骨格が改変または誘導体化された核酸が挙げられる。これらの改変は、改変された核酸の化学的安定性を増強するために少なくとも一部で実施され、その結果、それらは、例えば、被験体での治療的適用におけるアンチセンス結合核酸として使用され得る。【0434】1つの実施形態において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザイムは、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子であり、これらは、その一本鎖核酸に対して相補領域を有する。従って、リボザイム(例えば、HaselhoffおよびGerlach 1988.Nature 334:585−591に記載されるようなハンマーヘッド型リボザイム)を使用して、NOVX mRNA転写物を触媒的に切断し、それによって、NOVX mRNAの翻訳を阻害し得る。NOVXをコードする核酸に特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示されるNOVX cDNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55)に基づいて設計され得る。例えば、活性部位のヌクレオチド配列が、NOVXをコードするmRNA内の切断されるヌクレオチド配列に相補的である、テトラヒメナ(Tetrahymena)L−19 IVS RNAの誘導体が構築され得る。例えば、Cechらの米国特許第4,987,071号およびCechらの米国特許第5,116,742号を参照のこと。NOVX mRNAはまた、RNA分子のプールから、特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択するために、使用され得る。例えば、Bartelら、(1993)Science 261:1411〜1418を参照のこと。【0435】あるいは、NOVX遺伝子発現は、NOVX核酸の調節領域(例えば、NOVXのプロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的化し、標的細胞中でNOVX遺伝子の転写を妨害する三重らせん構造を形成することによって阻害され得る。例えば、Helene,1991.Anticancer Drug Des.6:569〜84;Heleneら.1992.Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27−36;Maher,1992.Bioassays 14:807−15を参照のこと。【0436】種々の実施形態において、NOVX核酸は、塩基部分、糖部分またはリン酸骨格で改変されて、例えば、その分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可溶性を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変して、ペプチド核酸を生成し得る。例えば、Hyrupら,1996.Bioorg Med Chem 4:5−23を参照のこと。本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド核酸」すなわち「PNA」とは、デオキシリボースリン酸骨格が偽ペプチド骨格によって置換され、そして4つの天然の核酸塩基のみが保持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の骨格は、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、Hyrupら,1996.前出;Perry−O’Keefeら,1996.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14670−14675において記載されるような標準的固相ペプチド合成プロトコルを用いて行われ得る。【0437】NOVXのPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。例えば、PNAは、(例えば、転写もしくは翻訳の停止を誘導することまたは複製を阻害することによる)遺伝子発現の配列特異的調節のための、アンチセンス剤または抗遺伝子(antigene)剤として使用され得る。NOVXのPNAはまた、例えば、遺伝子における一塩基対変異の分析(例えば、PNA指向性PCRクランピング(clamping))において;他の酵素(例えば、S1ヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合の人工制限酵素として(Hyrupら,1996.前出を参照のこと);またはDNA配列およびハイブリダイゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrupら,1996,前出;Perry−O’Keefeら,1996,前出を参照のこと)使用され得る。【0438】別の実施形態において、NOVXのPNAは、例えば、それらの安定性または細胞性取り込みを増強するために、PNAに親油性基もしくは他のヘルパー基を結合することによってか、PNA−DNAキメラの形成によってか、またはリポソームもしくは当該分野において公知の薬物送達の他の技術の使用によって、改変され得る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組み合わせ得る、NOVXのPNA−DNAキメラが生成され得る。そのようなキメラは、PNA部分が高い結合親和性および特異性を提供しながら、DNA認識酵素(例えば、RNase HおよびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用するのを可能にする。PNA−DNAキメラは、塩基のスタッキング、核酸塩基間の結合数および方向を考慮して選択される適切な長さのリンカーを使用して連結され得る(Hyrupら,1996.前出を参照のこと)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrupら,1996,前出およびFinnら,1996.Nucl Acids Res 24:3357−3363において記載されるように行われ得る。例えば、DNA鎖は、標準的なホスホルアミダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成され得、そして改変されたヌクレオシドアナログ(例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイト)が、PNAとDNAの5’末端との間に使用され得る。例えば、Magら,1989.Nucl Acid Res 17:5973〜5988を参照のこと。次いで、PNAモノマーが段階的様式でカップリングされ、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分子を生成する(例えば、Finnら,1996,前出を参照のこと)。あるいは、5’DNAセグメントおよび3’PNAセグメントを有する、キメラ分子が合成され得る。例えば、Petersenら,1975、Bioorg.Med.Chem.Lett.5:1119〜11124を参照のこと。【0439】他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、以下のような他の付属の基を含み得る:ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するため)、または細胞膜(例えば、Letsingerら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:6553〜6556;Lemaitreら、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.84:648〜652;PCT公開番号WO88/09810を参照のこと)もしくは血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照のこと)を横切る輸送を容易にする因子。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘発切断剤(例えば、Krolら、1988、BioTechniques 6:958〜976を参照のこと)またはインターカレート剤(例えば、Zon,1988、Pharm.Res.5:539〜549を参照のこと)で改変され得る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発切断剤など)に結合され得る。【0440】(NOVXポリペプチド)本発明に従うポリペプチドは、NOVXポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、その配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に提供される。本発明はまた、その任意の残基が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に示される対応する残基から変化され得るが、なおそのNOVXの活性および生理学的機能を維持するタンパク質をコードする、変異体または改変体タンパク質、またはその機能的フラグメントを含む。【0441】一般に、NOVX様機能を保持するNOVX改変体は、その配列中の特定位置の残基が他のアミノ酸により置換されており、そしてさらに、親タンパク質の2つの残基間にさらなる残基を挿入する可能性、および親配列から1つ以上の残基を欠失する可能性を含む、任意の改変体を含む。任意のアミノ酸置換、挿入または欠失が、本発明に包含される。好適な状況では、この置換は、上記で規定されるような保存的置換である。【0442】本発明の1つの局面は、単離されたNOVXタンパク質、およびその生物学的に活性な部分、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに関する。抗NOVX抗体を惹起するための免疫原としての使用のために適切なポリペプチドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態において、ネイティブなNOVXタンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を用いる適切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態において、NOVXタンパク質は、組換えDNA技術によって産生される。組換え発現に代わるものとして、NOVXタンパク質またはNOVXポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を用いて化学合成され得る。【0443】「単離された」または「精製された」ポリペプチドまたはタンパク質あるいはその生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の由来する細胞または組織供給源由来の細胞性物質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成される場合に化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、NOVXタンパク質の調製物を含み、この調製物において、NOVXタンパク質が単離または組換え産生される細胞の細胞性成分から、NOVXタンパク質は分離されている。1つの実施形態において、用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、非NOVXタンパク質(本明細書中において「夾雑タンパク質」とも呼ばれる)を(乾燥重量にて)約30%未満、より好ましくは非NOVXタンパク質を約20%未満、なおより好ましくは非NOVXタンパク質を約10%未満、そして最も好ましくは非NOVXタンパク質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え産生される場合、これらはまた、好ましくは、調製物はまた培養培地を実質的に含まない。すなわち、培養培地は、そのNOVXタンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満を示す。【0444】用語「化学前駆体も他の化学物質も実質的に含まない」は、タンパク質が、そのタンパク質の合成に関与する化学前駆体からも他の化学物質から分離されているNOVXタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態において、用語「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、化学前駆体または非NOVXの化学物質を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは化学前駆体または非NOVX化学物質を約20%未満、なおより好ましくは化学前駆体または非NOVX化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学前駆体または非NOVX化学物質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。【0445】NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長NOVXタンパク質より少ないアミノ酸を含み、そしてNOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を示す、NOVXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に示されるアミノ酸配列)に十分に相同なアミノ酸配列、またはこのようなNOVXタンパク質のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。代表的には、生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10、25、50、100またはそれより多いアミノ酸残基であるポリペプチドであり得る。【0446】さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物学的に活性な部分は、組換え技術によって調製され得、そしてネイティブなNOVXタンパク質の機能的活性のうちの1つ以上について評価され得る。【0447】1つの実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に示されるアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に実質的に相同であり、そして以下に詳細に記載されるように、天然の対立遺伝子バリエーションまたは変異誘発に起因してアミノ酸配列が異なるが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のタンパク質の機能的活性を保持する。従って、別の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のアミノ酸配列に少なくとも約45%相同なアミノ酸配列を含み、そして、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56のNOVXタンパク質の機能的活性を保持するタンパク質である。【0448】(2つ以上の配列間の相同性の決定)2つのアミノ酸配列または2つの核酸の相同性の百分率を決定するために、配列は、至適な比較の目的のために整列される(例えば、ギャップが、第2のアミノ酸配列または核酸配列との最適な整列のために、第1のアミノ酸配列または核酸配列の配列中に導入され得る)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、その分子は、その位置で相同である(すなわち、本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と等価である)。【0449】核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。相同性は、当該分野において公知のコンピュータープログラム(例えば、GCGプログラムパッケージにおいて提供されるGAPソフトウェア)を用いて決定され得る。NeedlemanおよびWunsch,1970 J Mol Biol 48:443〜453を参照のこと。核酸配列比較のための以下の設定(GAP生成ペナルティー、5.0、およびGAP伸長ペナルティー、0.3)を用いてGCG GAPソフトウェアを使用すると、上記で言及される類似の核酸配列のコード領域は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55に示されるDNA配列のCDS(コード)部分と、好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性の程度を示す。【0450】用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列が、特定の比較領域にわたって、残基毎を基準として同一である程度をいう。用語「配列同一性のパーセンテージ」は、以下により算出される:この比較領域にわたって最適に整列された2つの配列を比較すること、両方の配列において同一の核酸塩基(例えば、核酸の場合にはA、T、C、G、U、またはI)が存在する位置の数を決定し、一致した位置の数を導くこと、この一致した位置の数を、比較領域の内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算すること、およびその結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを導くこと。用語「実質的な同一性」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチド配列の特徴を示し、ここでこのポリヌクレオチドは、比較領域にわたり参照配列と比較して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、そして頻繁には90〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。【0451】(キメラタンパク質および融合タンパク質)本発明はまた、NOVXキメラタンパク質またはNOVX融合タンパク質を提供する。本明細書中で使用される場合、NOVX「キメラタンパク質」またはNOVX「融合タンパク質」は、非NOVXポリペプチドに作動可能に連結された、NOVXポリペプチドを含む。「NOVXポリペプチド」は、NOVXタンパク質(配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56)に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、「非NOVXポリペプチド」は、NOVXタンパク質に対して実質的に相同ではないタンパク質(例えば、NOVXタンパク質とは異なり、かつ同一かまたは異なる生物体に由来するタンパク質)に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。NOVX融合タンパク質において、このNOVXポリペプチドは、NOVXタンパク質の全てまたは一部分に対応し得る。1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。なお別の実施形態においてNOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも3つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結された」は、NOVXポリペプチドおよび非NOVXポリペプチドが、インフレームで互いに融合されていることを示すことが意図される。非NOVXポリペプチドは、NOVXポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。【0452】1つの実施形態においては、この融合タンパク質は、GST−NOVX融合タンパク質であり、ここではNOVX配列が、GST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は、組換えNOVXポリペプチドの精製を容易にし得る。【0453】別の実施形態において、この融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含むNOVXタンパク質である。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、NOVXの発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用を介して増加され得る。【0454】なお別の実施形態において、この融合タンパク質は、NOVX−免疫グロブリン融合タンパク質であり、ここで、NOVX配列が、免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーに由来する配列に融合される。本発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、薬学的組成物中に取り込まれ、そして被験体に投与されて、細胞の表面上でNOVXリガントとNOVXタンパク質との間の相互作用を阻害し、それによってインビボのNOVX媒介シグナル伝達を抑制し得る。このNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質を用い、NOVX同族リガンドのバイオアベイラビリティに影響を与え得る。NOVXリガンド/NOVX相互作用の阻害は、増殖障害および分化障害の両方の処置、および細胞生存を調節(例えば、促進または阻害)することに、治療的に有用であり得る。さらに、本発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、被験体中で抗NOVX抗体を産生するための免疫原として用いられ得、NOVXリガンドを精製するために用いられ得、そしてNOVXリガンドとのNOVXの相互作用を阻害する分子を同定するスクリーニングアッセイで用いられ得る。【0455】本発明のNOVXキメラまたはNOVX融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントを、従来の技術に従って、例えば、連結のための平滑末端または付着(stagger)末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じて粘着(cohesive)末端のフィルイン、所望しない連結を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的連結を採用することにより、インフレームで一緒に連結する。別の実施形態では、融合遺伝子を、自動化DNA合成機を含む従来技術により合成し得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増幅を、2つの連続する遺伝子フラグメント間の相補的オーバハングを生じるアンカープライマーを用いて実施し得、このフラグメントは、次いで、キメラ遺伝子配列を生成するためにアニールおよび再増幅され得る(例えば、Ausubelら(編)CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、1992を参照のこと)。さらに、融合成分(例えば、GSTポリペプチド)をすでにコードした多くの発現ベクターが市販されている。NOVXをコードする核酸は、この融合成分がNOVXタンパク質にインフレーム連結されるように、このような発現ベクター中にクローン化され得る。【0456】(NOVXのアゴニストおよびアンタゴニスト)本発明はまた、NOVXアゴニスト(すなわち、模倣物)として、またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして機能するNOVXタンパク質の改変体に関する。NOVXタンパク質の改変体(例えば、NOVXタンパク質の離散した点変異または短縮型)が、変異誘発により生成され得る。NOVXタンパク質のアゴニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質と実質的に同じ生物学的活性、またはその生物学的活性のサブセットを保持し得る。NOVXタンパク質のアンタゴニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質の活性の1つ以上を、例えば、NOVXタンパク質を含む細胞シグナル伝達カスケードの下流または上流メンバーに競合的に結合することにより阻害し得る。従って、特定の生物学的効果が、限られた機能の改変体を用いた処理により惹起され得る。1つの実施形態では、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学活性のサブセットを有する改変体を用いた被験体の処置は、NOVXタンパク質の天然に存在する形態を用いた処置に対して被験体における副作用がさらに少ない。【0457】NOVXアゴニスト(すなわち、模倣物)、またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして機能するNOVXタンパク質の改変体は、NOVXタンパク質アゴニスト活性またはNOVXタンパク質アンタゴニスト活性についてNOVXタンパク質の変異体(例えば短縮型変異体)のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同定され得る。1つの実施形態では、NOVX改変体の多彩なライブラリーは、核酸レベルでのコンビナトリアル変異誘発により生成され、そして多彩な遺伝子ライブラリーによりコードされる。NOVX改変体の多彩なライブラリーは、例えば、潜在的なNOVX配列の縮重セットが、個々のポリペプチドとして、あるいは、その中にNOVX配列のセットを含む(例えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質のセットとして発現可能であるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を、遺伝子配列に酵素的に連結することによって、産生され得る。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なNOVX改変体のライブラリーを産生するために用いられ得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学的合成は、自動化DNA合成機中で実施され得、次いでこの合成遺伝子は、適切な発現ベクター中に連結される。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物において、潜在的なNOVX配列の所望のセットをコードする全ての配列の供給を可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該分野で周知である。例えば、Narang,1983.Tetrahedron 39:3;Itakuraら,1984.Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakuraら,1984.Science 198:1056;Ikeら,1983.Nucl.Acids Res.11:477を参照のこと。【0458】(ポリペプチドライブラリー)さらに、NOVXタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーを用いて、NOVXタンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のためのNOVXフラグメントの多彩な集団を生成し得る。1つの実施形態では、コード配列フラグメントのライブラリーは、NOVXコード配列の二本鎖PCRフラグメントを、1分子あたり約1つのみのニックが生じる条件下で、ヌクレアーゼで処理すること、二本鎖DNAを変性させること、異なるニック産物からのセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにこのDNAを再生すること、S1ヌクレアーゼを用いた処理により再形成された二重鎖から一本鎖部分を除去すること、および得られるフラグメントライブラリーを発現ベクター中に連結することにより生成し得る。この方法によって、NOVXタンパク質の種々のサイズのN末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーが派生し得る。【0459】点変異または短縮化により作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするため、および選択された性質を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーをスクリーニングするための種々の技術が当該分野で公知である。このような技術を、NOVXタンパク質のコンビナトリアル変異誘発により生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適用可能である。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための、ハイスループット分析に適した最も広く用いられる技術は、代表的には、複製可能な発現ベクター中に遺伝子ライブラリーをクローニングすること、得られるベクターのライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、およびこのコンビナトリアル遺伝子を、所望の活性の検出が、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条件下で発現することを含む。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増大する新規技術であるリクルーシブアンサンブル変異誘発(Recursive ensemble mutagenesis)(REM)を、スクリーニングアッセイと組み合わせて用い、NOVX改変体を同定し得る。例えば、ArkinおよびYourvan,1992.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delgraveら,1993.Protein Engineering 6:327−331を参照のこと。【0460】(抗NOVX抗体)NOVXタンパク質、またはNOVXタンパク質のフラグメントに対する抗体もまた本発明に含まれる。用語「抗体」とは、本明細書において用いる場合、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分(すなわち、抗原に特異的に結合(抗原と免疫反応)する抗原結合部位を含む分子)をいう。このような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、およびF(ab’)2フラグメント、ならびにFab発現ライブラリーが挙げられるがこれらに限定されない。一般に、ヒトから得た抗体分子は、この分子に存在する重鎖の性質が互いに異なるクラスであるIgG、IgM、IgA、IgE、およびIgDのいずれかに関する。特定のクラスは、同様にサブクラス(例えば、IgG1、IgG2等)を有する。さらに、ヒトにおいては、軽鎖は、κ鎖またはλ鎖であり得る。抗体に関する本明細書における言及は、ヒト抗体種のこのようなクラス、サブクラス、およびタイプの全てに関する言及を包含する。【0461】本発明の単離されたNOVX関連タンパク質は、抗原またはその一部もしくはフラグメントとして機能することが意図され得、そしてさらに、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体調製のための標準的な技術を用いて、抗原に免疫特異的に結合する抗体を生成するための免疫原として用いられ得る。全長のタンパク質が用いられ得るか、あるいは、本発明は、免疫原としての使用のための抗原の抗原性ペプチドフラグメントを提供する。抗原性ペプチドフラグメントは、全長タンパク質のアミノ酸配列の少なくとも6つのアミノ酸残基を含み、そしてこのペプチドに対して惹起された抗体が、全長タンパク質と、またはこのエピトープを含む任意のフラグメントと特異的な免疫複合体を形成するように、そのエピトープを包含する。好ましくは、この抗原性ペプチドは、少なくとも10アミノ酸残基、または少なくとも15アミノ酸残基、または少なくとも20アミノ酸残基、または少なくとも30アミノ酸残基を含む。抗原性ペプチドに包含される好ましいエピトープは、その表面上に位置するタンパク質の領域である;通常これらは親水性領域である。【0462】本発明の特定の実施形態では、抗原性ペプチドに含まれる少なくとも1つのエピトープは、NOVX関連タンパク質の表面上に位置するNOVX関連タンパク質の領域、例えば、親水性領域である。ヒトNOVX関連タンパク質配列の疎水性分析によって、NOVX関連タンパク質のどの領域が特に親水性であり、従って抗体産生を標的するのに有用な表面残基をコードする可能性が高いかが示される。抗体産生を標的するための手段として、親水性領域および疎水性領域を示すヒドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換を伴うかまたは伴わないかのいずれかである、Kyte DoolittleまたはHopp Woods法を含む、当該分野で周知の任意の方法により生成し得る。例えば、その各々がその全体において本明細書に参考として援用される、HoppおよびWoods、1981、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびDoolittle 1982、J.Mol.Biol.157:105−142を参照のこと。抗原性タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログ内の1つ以上のドメインに対して特異的な抗体もまた、本明細書中で提供される。【0463】本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログ、ホモログもしくはオルソログは、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の産生における免疫原として利用され得る。【0464】当該分野において公知の種々の手順が、本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログ、ホモログもしくはオルソログに対して指向されるポリクロナール抗体またはモノクロナール抗体の産生のために使用され得る(例えば、Antibodies:A Laboratory Manual,HarlowおよびLane,1988,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor、NY(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。これらの抗体のうちのいくつかは、以下で考察される。【0465】(ポリクロナール抗体)ポリクロナール抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ、ヤギ、マウスまたは他の動物)は、ネイティブなタンパク質、その合成改変体、または上記の誘導体を用いる1回以上の注射によって免疫され得る。適切な免疫原性調製物は、例えば、天然に存在する免疫原性タンパク質、免疫原性タンパク質を示す化学的に合成されたポリペプチド、または組換え的に発現される免疫原性タンパク質を含み得る。さらに、このタンパク質は、免役されている哺乳動物において免疫原性であることが知られている第2のタンパク質に結合体化され得る。このような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、および大豆トリプシンインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。この調製物はさらに、アジュバントを含み得る。種々のアジュバントが免疫学的応答を増加させるために使用され、このようなアジュバントとしては、フロイントのアジュバント(完全および不完全)、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、リゾレシチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、ジニトロフェノールなど)、ヒトにおいて使用可能なアジュバント(例えば、Bacille Calmette−GuerinおよびCorynebacterium parvum)または類似の免疫刺激剤が挙げられるが、これらに限定されない。使用され得るアジュバントのさらなる例としては、MPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコリノミコレート)が挙げられる。【0466】免疫原性タンパク質に対して指向されるポリクロナール抗体分子は、哺乳動物から(例えば、血液から)単離され得、そして周知の技術(例えば、プロテインAまたはプロテインGを用いるアフィニティクロマトグラフィー(これは、主に免疫血清のIgG画分を提供する))によってさらに精製され得る。続いて、または代替的に、求められている免疫グロブリンの標的である特定の抗原またはその抗原のエピトープがカラムに固定され、免疫アフィニティクロマトグラフィーによって免疫特異的抗体を精製し得る。免疫グロブリンの精製は、例えば、D.Wilkinson(The Scientist(The Scientist,Inc.,Philadelphia PAより発行)、第14巻、第8号(2000年4月17日)、25〜28頁)によって考察される。【0467】(モノクローナル抗体)本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」(MAb)または「モノクローナル抗体組成物」は、独特の軽鎖遺伝子産物および独特の重鎖遺伝子産物からなる抗体分子の唯一の分子種を含む抗体分子の集団をいう。特に、モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)は、この集団の全ての分子に同一である。従って、MAbは、抗原への独特の結合親和性によって特徴付けられる抗原の特定のエピトープと免疫反応可能な抗原結合部位を含む。【0468】モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ方法(例えば、KohlerおよびMilstein,Nature,256:495(1975)に記載されるような方法)を使用して調製され得る。ハイブリドーマ方法において、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物は、免疫因子で代表的に免疫され、その免疫因子に特異的に結合する抗体を産生するか、または産生し得るリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。【0469】免疫因子としては、代表的に、タンパク質抗原、そのフラグメントまたはその融合タンパク質が挙げられる。一般的には、ヒト起源の細胞が所望される場合に末梢血リンパ球が使用されるか、または、非ヒト哺乳動物供給源が望まれる場合に脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用されるかのいずれかである。次いで、適切な融合因子(例えば、ポリエチレングリコール)を使用して、リンパ球を不死化細胞株に融合し、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE,Academic Press(1986)第59−103頁)。不死化細胞株は、通常、形質転換された哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、1以上の物質(融合されていない不死化細胞の増殖または生存を阻害する)を含む適切な培養培地中で培養され得る。例えば、親の細胞が酵素、ヒポキサンチングアニンンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、そのハイブリドーマのための培養培地は、代表的にヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(「HAT培地」)、それらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を阻害する。【0470】好ましい不死化細胞株は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による安定な高レベルの抗体の発現を支持し、そしてHAT培地のような培地に敏感な細胞株である。より好ましい不死化細胞株はマウス骨髄腫細胞株であり、それらは、例えば、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,CaliforniaおよびAmerican Type Culture Collection,Manassas,Virginiaから得ることが可能である。ヒト骨髄腫およびマウス−ヒト異種骨髄腫(heteromyeloma)細胞株はまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeurら、MONOCLONAL ANTIBODY PRODUCTION TECHNIQUES AND APPLICATION,Marcel Dekker,Inc.,New York,(1987)第51−63頁)。【0471】次いで、ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、抗原に対するモノクローナル抗体の存在についてアッセイされ得る。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって決定されるか、またはインビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA))によって決定される。このような技術およびアッセイは、当該分野で公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard,Anal.Biochem.,107:220(1980)のスキャッチャード分析によって決定され得る。好ましくは、標的抗原に対する高い程度の特異性および高結合親和性を有する抗体が、単離される。【0472】所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、限界希釈手順によって、クローンをサブクローニングし得、そして標準的な方法によって増殖し得る。例えば、この目的のために適切な培養培地としては、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)およびRPMI−1640培地が挙げられる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物内の腹水としてインビボで増殖され得る。【0473】サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリン精製手順(例えば、プロテインAセファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィー)によって、培養培地または腹水から、単離または精製され得る。【0474】モノクローナル抗体はまた、組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,816,567号に記載される方法)によって作製され得る。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され得、そして配列決定され得る。本発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ。一旦単離されると、DNAは、発現ベクターに配置され得、次いでそれらは、宿主細胞(例えば、さもなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しないサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞)にトランスフェクトされ、組換え宿主細胞内でのモノクローナル抗体の合成を得る。このDNAはまた、例えば、相同なマウス配列の代わりにヒト重鎖定常ドメインおよびヒト軽鎖定常ドメインについてのコード配列の置換(米国特許第4,816,567号;Morrison,Nature 368,812−13(1994))によってか、または非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列の全てまたは一部の、免疫グロブリンコード配列への共有結合的な連結によって改変され得る。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常領域の代りに用いられ得るか、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインの代りに用いられ得、キメラの二価抗体を作製する。【0475】(ヒト化抗体)本発明のタンパク質抗原に対する抗体は、さらにヒト化抗体またはヒト抗体を含み得る。これらの抗体は、投与された免疫グロブリンに対するヒトによる免疫応答を引き起こすことなく、ヒトへの投与に適切である。抗体のヒト化形態は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2または抗体の他の抗原結合配列)であり、それらは主にヒト免疫グロブリンの配列から構成され、そして非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含む。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列の代わりにげっ歯類CDRまたはCDR配列を用いることによって、Winterおよび共同研究者の方法(Jonesら、Nature,321:522−525(1986);Riechmannら、Nature,332:323−327(1988);Verhoeyenら、Science,239:1534−1536(1988))に従って達成され得る。(米国特許第5,225,539号もまた参照のこと。)いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はまた、レシピエントの抗体においても、移入されたCDRまたはフレームワーク配列においても見出されない残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、および代表的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含む。これらの内で、全てのまたは実質的に全てのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンの領域に対応し、そして全てまたは実質的に全てのフレームワーク領域はヒト免疫グロブリンコンセンサス配列の領域である。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的には、ヒト免疫グロブリンの免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部を含む(Jonesら、1986;Riechamannら、1988;およびPresta、Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(1992))。【0476】(ヒト抗体)完全ヒト抗体は、CDRを含む軽鎖および重鎖の両方の、本質的に全体配列がヒト遺伝子から生じる抗体分子に関する。このような抗体を、「ヒト抗体」、または「完全ヒト抗体」と本明細書中で呼ぶ。ヒトモノクローナル抗体は、トリオーマ(trioma)技術によって調製され得る;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983 Immunol Today 4:72を参照のこと)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、1985:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,第77−96頁を参照のこと)。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実行において使用され得、そしてヒトハイブリドーマの使用(Coteら、1983.Proc Natl Acad Sci USA 80:2026−2030を参照のこと)によってか、またはインビトロでのエプスタイン−バー−ウイルスを用いたヒトB細胞の形質転換(Coleら、1985:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,第77−96頁を参照のこと)によって産生され得る。【0477】さらに、ヒト抗体はまた、さらなる技術(ファージディスプレイライブラリー(HoogenboomおよびWinter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:581(1991))を含む)を使用して産生され得る。同様に、ヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニック動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が、部分的または完全に不活化されているマウス)に導入することによって、ヒト抗体は作製され得る。チャレンジの際にヒト抗体の産生が観察され、このことは全ての点(遺伝子再配列、アセンブリ、および抗体レパートリーを含む)でヒトにおいて観察されたものに密接に類似する。このアプローチは、例えば、以下に記載される:米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、およびMarksら(Bio/Technology 10、779−783(1992));Lonbergら(Nature 368 856−859(1994));Morrison(Nature 368、812−13(1994));Fishwildら(Nature Biotechnology 14、845−51(1996));Neuberger(Nature Biotechnology 14、826(1996));ならびにLonbergおよびHuszar(Intern.Rev.Immunol.13 65−93(1995))。【0478】ヒト抗体は、抗原によるチャレンジに応答する動物の内因性抗体ではなく完全ヒト抗体を産生するように改変されたトランスジェニック非ヒト動物を使用して、さらに産生され得る。(PCT公開WO94/02602を参照のこと)。非ヒト宿主における重鎖免疫グロブリンおよび軽鎖免疫グロブリンをコードする内因性遺伝子は、無能にされており、そしてヒト重鎖免疫グロブリンおよびヒト軽鎖免疫グロブリンをコードする活性な遺伝子座は、宿主のゲノムに挿入される。例えば、不可欠なヒトDNAセグメントを含む酵母人工染色体を使用して、ヒト遺伝子は組み込まれる。次いで、全ての所望の改変を提供する動物を、完全な改変の相補体よりもより少ない改変の相補体を含む中間トランスジェニック動物を交配することによって子孫として得る。このような非ヒト動物の好ましい実施形態は、マウスであり、PCT公開WO96/33735およびWO96/34096に開示されるようにXenomouseTMと呼ばれる。この動物は、ヒト免疫グロブリンを十分に分泌するB細胞を産生する。目的の免疫原での免疫後の動物から(例えば、ポリクローナル抗体の調製物として)、あるいは動物由来の不死化されたB細胞(例えば、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ)から、抗体を直接得ることが可能である。さらに、ヒト可変領域を有する免疫グロブリンをコードする遺伝子は、抗体を直接得るために回収され、そして発現され得るか、または抗体のアナログ(例えば、単鎖Fv分子)を得るために、さらに改変され得る。【0479】内因性免疫グロブリン重鎖の発現を欠く非ヒト宿主(マウスとして例証される)を作製するための方法の例は、米国特許第5,939,598号に開示される。それは、以下の工程を包含する方法によって得ることが可能である:胚性幹細胞において少なくとも1つの内因性重鎖遺伝子座からこのJセグメント遺伝子を欠失し、この遺伝子座の再構成を防止し、かつ、再構成された免疫グロブリン重鎖遺伝子座の転写物の形成を防止する工程であって、ここでこの欠失は、選択マーカーをコードする遺伝子を含むベクターを標的化することによってもたらされる、工程;ならびにその胚性幹細胞から、その体細胞および生殖細胞が選択可能なマーカーをコードする遺伝子を含む、トランスジェニックマウスを作製する工程。【0480】目的の抗体(例えば、ヒト抗体)を産生する方法は、米国特許第5,916,771号に開示される。それは以下の工程を包含する:重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、培養中の1つの哺乳動物宿主細胞に導入する工程、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、別の哺乳動物宿主細胞に導入する工程、およびハイブリッド細胞を形成するためにそれら2つの細胞を融合する工程。ハイブリッド細胞は、重鎖および軽鎖を含む抗体を発現する。【0481】この手順のさらなる改善において、免疫原上の臨床的に関連するエピトープを同定する方法、および関連するエピトープに高い親和性で免疫特異的に結合する抗体を選択するための関連する方法は、PCT公開WO99/53049に開示される。【0482】(Fabフラグメントおよび単鎖抗体)本発明に従って、本発明の抗原性タンパク質に特異的な単鎖抗体の産生のために技術が適応され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)。さらに、Fab発現ライブラリーの構築のために方法が適応され得(例えば、Huseら、1989 Science 246:1275−1281を参照のこと)、タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログまたはホモログについての所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ効果的な同定を可能にする。タンパク質抗原に対するイディオタイプを含む抗体フラグメントは、以下に挙げられるがこれらに限定されない当該分野で公知の技術によって、産生され得る:(i)抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab’)2フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって産生されたFabフラグメント;(iii)パパインおよび還元剤を用いた抗体分子の処理によって産生されたFabフラグメント、および(iv)Fvフラグメント。【0483】(二重特異的抗体)二重特異的抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体(好ましくはヒトモノクローナル抗体またはヒト化されたモノクローナル抗体)である。この場合において、結合特異性の1つは、本発明の抗原性タンパク質に対してである。第2の結合標的は、任意の他の抗原であり、そして、この第2の結合標的は、有利に、細胞表面タンパク質あるいはレセプターまたはレセプターサブユニットである。【0484】二重特異的抗体を作製する方法は、当該分野で公知である。伝統的には、二重特異的抗体の組換え生成は、2つの免疫グロブリンの重鎖/軽鎖の対の同時発現に基づき、ここで、この2つの重鎖は、異なる特異性を有する(MilsteinおよびCuello、Nature,305:537−539(1983))。免疫グロブリンの重鎖および軽鎖のランダムな組み合わせに起因して、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を作製し、このうち1つのみが正確な二重特異的構造を有する。この正確な分子の精製は、通常アフィニティークロマトグラフィー工程によって達成される。同様の手順は、1993年5月13日公開のWO93/08829、およびTrauneckerら、1991 EMBO J.、10:3655−3659において開示される。【0485】所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインは、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合され得る。この融合物は、好ましくは免疫グロブリン重鎖定常ドメインを有し、少なくともヒンジ、CH2、およびCH3領域の部分を含む。この融合物の少なくとも1つに存在する軽鎖結合のために必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合物および所望される場合、この免疫グロブリンの軽鎖をコードするDNAは、別々の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物体に同時トランスフェクトされる。二重特異的抗体の作製のさらなる詳細は、例えば、Sureshら、Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照のこと。【0486】WO96/27011に記載される別のアプローチに従って、抗体分子の対の間の界面は、組換え細胞培養物から回収されるヘテロダイマーのパーセンテージを最大化するように操作され得る。好ましい界面は、抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法において、第1の抗体分子の界面からの1つ以上の小さなアミノ酸側鎖は、より大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置換される。大きな側鎖と同一または同様のサイズの補完的な「空洞(キャビティ)」は、大きなアミノ酸側鎖を小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはスレオニン)で置換することによって、第2の抗体分子の界面上に生成される。このことは、ホモダイマーのような他の不必要な最終生成物よりも、ヘテロダイマーの収量を増加するための機構を提供する。【0487】二重特異的抗体は、全長抗体または抗体フラグメント(例えば、F(ab’)2二重特異的抗体)として調製され得る。抗体フラグメントから二重特異的抗体を作製するための技術は、文献において記載される。例えば、二重特異的抗体は、化学結合を使用して調製され得る。Brennanら、Science 229:81(1985)は、インタクトな抗体がタンパク分解的に切断されてF(ab’)2フラグメントを作製する手順を記載する。これらのフラグメントは、ビシナルジチオールを安定化し、そして分子間ジスルフィド形成を阻止するために、ジチオール錯化剤亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元される。次いで、この作製されたFab’フラグメントは、チオニトロベンゾエート(TNB)誘導体に変換される。次いで、Fab’−TNB誘導体の1つは、メルカプトエチルアミンでの還元によってFab’−チオールに再変換され、そしてこれは等モル量の他のFab’−TNB誘導体と混合されて二重特異的抗体を形成する。生成された二重特異的抗体は、酵素の選択的固定化のための薬剤として使用され得る。【0488】さらに、Fab’フラグメントは、E.coliから直接回収され得、そして化学的にカップリングされて二重特異的抗体を形成する。Shalabyら、J.Exp.Med.175:217−225(1992)は、完全にヒト化された二重特異的抗体F(ab’)2分子の生成を記載する。各Fab’フラグメントは、E.coliから別々に分泌され、そしてインビトロの指向性化学的カップリングに供され、二重特異的抗体を形成する。このように、形成されたこの二重特異的抗体は、ErbB2レセプターを過剰発現する細胞および正常なヒトT細胞に結合し得、そしてヒト胸部腫瘍標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解活性を誘因し得る。【0489】組換え細胞培養物から直接二重特異的抗体フラグメントを作製し、そして単離するための種々の技術がまた、記載されてきた。例えば、二重特異的抗体は、ロイシンジッパーを使用して産生される。Kostelnyら、J.Immunol.148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質由来のロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に結合された。この抗体ホモダイマーは、ヒンジ領域で還元されてモノマーを形成し、次いで再酸化されて抗体ヘテロダイマーを形成した。この方法はまた、抗体ホモダイマーの産生のために使用され得る。Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)に記載されるこの「ディアボディー(diabody)」技術は、二重特異的抗体フラグメントを作製するための代替的な機構を提供した。このフラグメントは、短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間で対形成できないリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。従って、1つのフラグメントのVHドメインおよびVLドメインは、別のフラグメントの相補的なVLドメインおよびVHドメインと対になるように強制され、これによって2つの抗原結合部位が形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用によって二重特異的抗体フラグメントを作製するための別のストラテジーもまた、報告されてきた。Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと。【0490】2より多くの結合価を有する抗体が企図される。例えば、三重特異的抗体が調製され得る。Tuttら、J.Immunol.147:60(1991)。【0491】例示的な二重特異的抗体は、2つの異なるエピトープに結合し得、このうち少なくとも1つは、本発明のタンパク質抗原に起源を有する。あるいは、免疫グロブリン分子の抗抗原性アームは、T細胞レセプター分子のような白血球上の誘引分子(例えば、CD2、CD3、CD28、またはB7)、あるいはIgGに対するFcレセプター(FcγR)(例えば、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)およびFcγRIII(CD16))と結合するアームと結合し得、細胞性防御機構を、この特定の抗原を発現する細胞に集中させる。二重特異的抗体はまた、特定の抗原を発現する細胞に対して細胞傷害性因子に指向するために使用され得る。これらの抗体は、抗原結合アーム、および細胞傷害性因子または放射性核種キレート剤(例えば、EOTUBE、DPTA、DOTA、またはTETA)に結合するアームを保有する。目的の別の二重特異的抗体は、本明細書中に記載のタンパク質抗原に結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。【0492】(ヘテロ接合体抗体)ヘテロ接合体抗体もまた、本発明の範囲内である。ヘテロ接合体抗体は、2つの共有結合した抗体から構成される。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不必要な細胞に標的化するために(米国特許第4,676,980号)、およびHIV感染の処置のために(WO91/00360;WO92/200373;EP03089)提案されてきた。この抗体は、インビトロで、合成タンパク質化学において公知の方法(架橋剤を含む方法を含む)を使用して調製され得ることが企図される。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応の使用またはチオエーテル結合の形成によって構築され得る。この目的のための適切な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデート、ならびに例えば米国特許第4,676,980号において開示される試薬が挙げられる。【0493】(エフェクター機能の操作)本発明の抗体を、エフェクター機能について、例えば癌の処置における抗体の効力を増大するように改変することが望ましくあり得る。例えば、システイン残基は、Fc領域に導入され得、これによってこの領域における鎖間ジスルフィド結合の形成を可能にする。従って、作製されるこのホモダイマー抗体は、改良されたインターナリゼーションの能力および/または増加した補体媒介細胞死滅、ならびに抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有し得る。Caronら、J.Exp.Med.、176:1191−1195(1992)およびShopes、J.Immunol.148:2918−2922(1992)を参照のこと。増大した抗腫瘍活性を有するホモダイマー抗体はまた、Wolffら、Cancer Research、53:2560−2565(1993)に記載されるヘテロ二官能性架橋剤を使用して調製され得る。あるいは、抗体は操作され得、これは二重のFc領域を有し、そしてこれによって増大した補体溶解およびADCCの能力を有し得る。Stevensonら、Anti−Cancer Drug Design,3:219−230(1989)を参照のこと。【0494】(免疫結合体)本発明はまた、細胞傷害性の因子(例えば、化学療法剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素学的に活性な毒素、あるいはそれらのフラグメント)、または放射性同位体(すなわち、放射性結合体))に結合体化した抗体を含む免疫結合体に関する。【0495】このような免疫結合体の作製において有用な化学療法剤は、上記に記載される。使用され得る酵素学的に活性な毒素およびそれらのフラグメントとしては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、α−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、momordica charantiaインヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、薬用サボンソウ(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、およびトリコテセン(tricothecene)が挙げられる。種々の放射性核種は、放射性結合した抗体の作製のために利用可能である。その例としては、212Bi、131I、131In、90Y、および186Reが挙げられる。【0496】抗体および細胞傷害性因子の結合体は、種々の二官能性タンパク質結合因子(例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(iminothiolane)(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデート HCL)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド(glutareldehyde))、ビスアジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン2,6−ジイソシアネート)、およびビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン))を使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら、Science,238:1098(1987)に記載されるように調製され得る。炭素−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への結合のための例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照のこと。【0497】別の実施形態において、腫瘍の前標的化における利用のために、この抗体は、「レセプター」(例えば、ストレプトアビジン)に結合され得、ここで抗体−レセプター結合体は患者に投与され、続いて除去剤を使用して結合していない結合体が循環から除去され、次いで細胞傷害性因子に次々に結合する「リガンド」(例えば、アビジン)が投与される。【0498】1つの実施形態において、所望の特異性を保有する抗体のスクリーニングのための方法としては、当該分野内で公知の酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)および他の免疫学的に媒介された技術が挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、NOVXタンパク質の特定のドメインに対して特異的である抗体の選択は、このようなドメインを所有しているNOVXタンパク質のフラグメントに結合するハイブリドーマの生成により容易にされる。従って、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログ内の所望のドメインについて特異的である抗体がまた、本明細書において提供される。【0499】抗NOVX抗体は、NOVXタンパク質の局在化および/または定量化に関する当該分野で公知の方法において用いられ得る(例えば、適切な生理学的サンプル中のNOVXタンパク質のレベルを測定する使用のために、診断的方法における使用のために、タンパク質の画像化における使用のために、など)。所定の実施形態において、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログについての抗体(抗体由来の結合ドメインを含む)は、薬理学的に活性な化合物(本明細書中、以降において「治療剤」)として利用される。【0500】抗NOVX抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、標準的技術(例えばアフィニティークロマトグラフィまたは免疫沈降)によって、NOVXポリペプチドを単離するために用いられ得る。抗NOVX抗体は、細胞からの天然のNOVXポリペプチドの精製、および宿主細胞において発現される組換え的に産生されたNOVXポリペプチドの精製を容易にし得る。さらに、抗NOVX抗体が、(例えば、細胞の溶解産物または細胞上清における)NOVXタンパク質を検出するために用いられて、NOVXタンパク質の発現の量およびパターンを評価し得る。抗NOVX抗体は、例えば、所定の治療レジメンの有効性を決定するために、臨床試験の手順の一部として、組織におけるタンパク質レベルをモニターするために診断的に用いられ得る。検出は、抗体を検出可能物質に結合する(すなわち、物理的に連結する)ことにより容易にされ得る。検出可能物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン(dichlorotriazinylamine)フルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられる;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられる;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられる;そして、適切な放射性物質の例としては125I、131I、35Sまたは3Hが挙げられる。【0501】(NOVX組換え発現ベクターおよび宿主細胞)本発明の別の局面は、NOVXタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログをコードする核酸を含む、ベクター、好ましくは、発現ベクターに関する。本明細書において使用する場合、用語「ベクター」は、連結された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。1つの型のベクターは、「プラスミド」である。これはさらなるDNAセグメントが連結され得る環状の二本鎖DNAループをいう。別の型のベクターは、ウイルス性ベクターであり、ここでは、さらなるDNAセグメントが、ウイルスゲノムに連結され得る。特定のベクターは、ベクター(例えば、細菌性の複製起点を有する細菌ベクター、およびエピソーム性哺乳動物ベクター)が導入される宿主細胞中で自律複製し得る。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、そして、これにより宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、それらが作動可能に連結される遺伝子の発現を指示し得る。このようなベクターは、本明細書において「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に用いられる形態のベクターであるので、交換可能に使用され得る。しかし、本発明は、等価の機能を果たす、ウイルス性ベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)のような、このような他の形態の発現ベクターを含むことを意図する。【0502】本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適切な形態の本発明の核酸を含む。これは、組換え発現ベクターが、発現されるべき核酸配列に作動可能に連結されている、発現に用いられる宿主細胞に基づいて選択された1つ以上の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクターにおいて、「作動可能に連結する」とは、目的のヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロの転写/翻訳系において、またはベクターが宿主細胞に導入される場合は、宿主細胞において)ヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で調節配列に連結されることを意味することを意図する。【0503】用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel;GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)に記載されている。調節配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指示する配列、および特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配列の発現を指示する配列(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計が形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなどのような因子に依存し得ることが当業者に理解される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入され得、それにより、本明細書に記載される核酸によってコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチドを含む)(例えば、NOVXタンパク質、NOVXタンパク質の変異形態、融合タンパク質など)を産生し得る。【0504】本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、NOVXタンパク質発現のために設計され得る。例えば、NOVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、Escherichia coli)、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel;GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)にさらに考察されている。あるいは、組換え型発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写および翻訳され得る。【0505】原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを用いて、Escherichia coliにおいて実施される。融合ベクターは、そこにコードされるタンパク質に、通常、組換えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、代表的には、以下の3つの目的のために役立つ:(i)組換えタンパク質の発現を増加させるため;(ii)組換えタンパク質の可溶性を増加させるため;および(iii)アフィニティー精製においてリガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製の際に補助するため。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解性の切断部位が、融合部分と組換えタンパク質との結合部に導入されて、融合タンパク質の精製の後に融合部分から組換えタンパク質を分離することを可能とする。このような酵素、およびその同族(cognate)の認識配列は、第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを標的の組換えタンパク質に融合する、pGEX(Pharmacia Biotech Inc.;SmithおよびJohnson(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,Mass.)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,N.J.)が挙げられる。【0506】適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例には、pTrc(Amrannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が挙げられる。【0507】E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラテジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力を欠損した宿主細菌中でそのタンパク質を発現させることである。例えば、Gottesman,GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のストラテジーは、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先的に利用されるコドンであるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更することである(例えば、Wadaら、1992、Nucl.Acids Res.20:2111−2118を参照のこと)。本発明の核酸配列のこのような変更は、標準的なDNA合成技術によって実行され得る。【0508】別の実施形態において、NOVX発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母Saccharomyces cerivisaeにおける発現のためのベクターの例には、pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO J.6:229−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowitz、(1982)Cell 30:933−943)、pJRY88(Schultzら、(1987)Gene 54:113−123)、pYES2(Invitrogen Corporation,San Diego,Calif.)、およびpicZ(InVitrogen Corp.,San Diego,Calif.)が挙げられる。【0509】あるいは、NOVXは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞中で発現され得る。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でのタンパク質の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(Smithら(1983)Mol.Cell.Biol.3:2156−2165)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers(1989)Virology 170:31−39)が挙げられる。【0510】なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8(Seed(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(Kaufmanら(1987)EMBO J.6:187−195)が挙げられる。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方のために適切な他の発現系については、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を参照のこと。【0511】別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型中で優先的に核酸の発現を指向し得る(例えば、組織特異的調節エレメントを使用して核酸を発現する)。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切な組織特異的なプロモーターの非限定的な例には、アルブミンプロモーター(肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev.1:268−277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(1988)Adv.Immunol.43:235−275)(特に、T細胞レセプターのプロモーター(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO J.8:729−733)および免疫グロブリンのプロモーター(Banerjiら(1983)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(1983)Cell 33:741−748))、ニューロン特異的プロモーター(例えば、神経フィラメントプロモーター;ByrneおよびRuddle(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら(1985)Science 230:912−916)、ならびに乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号および欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発生的に調節されるプロモーターもまた含まれる(例えば、マウスhoxプロモーター(KesselおよびGruss(1990)Science 249:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(CampesおよびTilghman(1989)Genes Dev.3:537−546))。【0512】本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発明のDNA分子を含む、組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分子は、NOVX mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DNA分子の転写によって)を可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される。種々の細胞型においてアンチセンスRNA分子の持続的な発現を指向する、アンチセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結された調節配列(例えば、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハンサー)が選択され得るか、または、アンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または細胞型特異的発現を指示する調節配列が、選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、ここではアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベクターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の考察については、例えば、Weintraubら、「Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis」、Reviews−Trends in Genetics、第1巻(1)1986を参照のこと。【0513】本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能に使用される。このような用語は、特定の被験細胞をいうのみでなく、そのような細胞の子孫または潜在的な子孫をもいうことが理解される。変異または環境の影響のいずれかに起因して、特定の改変はその後の世代において生じ得るので、このような子孫は、実際には、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細書中で使用される場合のこの用語の範囲内に含まれる。【0514】宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、NOVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞)において発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。【0515】ベクターDNAは、従来の形質転換技術またはトランスフェクション技術を介して原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するための当該分野で容認されている種々の技術をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウム共沈または塩化カルシウム共沈、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得る。【0516】安定な哺乳動物細胞のトランスフェクションに関して、使用される発現ベクターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来DNAをそのゲノムに組み込み得ることが知られている。これらの成分を同定および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々の選択マーカーには、薬物(例えば、G418、ハイグロマイシン、およびメトトレキサート)に対する耐性を付与するものが含まれる。選択マーカーをコードする核酸は、NOVXをコードするベクターと同じベクター上で宿主細胞に導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸で安定にトランスフェクトされた細胞は、薬物選択によって同定され得る(例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生存するが、他の細胞は死滅する)。【0517】本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞)は、NOVXタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得る。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、NOVXタンパク質を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(ここに、NOVXタンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を培養する工程を包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または宿主細胞からNOVXタンパク質を単離する工程を包含する。【0518】(トランスジェニックNOVX動物)本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使用され得る。例えば、1つの実施形態において、本発明の宿主細胞は、NOVXタンパク質コード配列が導入された、受精卵母細胞または胚性幹細胞である。次いで、このような宿主細胞は、外因性のNOVX配列がゲノムに導入された非ヒトトランスジェニック動物、または内因性のNOVX配列が変更された相同組換え動物を作製するために使用され得る。このような動物は、NOVXタンパク質の機能および/または活性を研究するため、ならびにNOVXタンパク質活性のモジュレーターを同定および/または評価するために有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物」とは、非ヒト動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットまたはマウスのような齧歯類であり、ここで、その動物の1つ以上の細胞が、導入遺伝子を含む。トランスジェニック動物の他の例としては、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などが挙げられる。導入遺伝子は、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムに組み込まれ、かつ成熟動物のゲノムに残存し、それによって、このトランスジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織においてコードされた遺伝子産物の発現を指示する、外因性のDNAである。本明細書中で使用される場合、「相同組換え動物」とは、非ヒト動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはマウスであり、この動物において、内因性のNOVX遺伝子は、内因性の遺伝子と、その動物の発生の前にその動物の細胞(例えば、その動物の胚細胞)に導入された外因性のDNA分子との間の相同組換えによって変更されている。【0519】本発明のトランスジェニック動物は、NOVXをコードする核酸を、(例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス感染によって)受精卵母細胞の雄性前核に導入すること、およびその卵母細胞を偽妊娠雌性養育動物(foster animal)中で発達させることによって作製され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヒトのNOVX cDNA配列は、非ヒト動物のゲノムに導入遺伝子として導入され得る。あるいは、ヒトのNOVX遺伝子の非ヒトホモログ(例えば、マウスのNOVX遺伝子)は、ヒトのNOVX cDNA(上記にさらに記載された)に対するハイブリダイゼーションに基づいて単離され得、そして導入遺伝子として使用され得る。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた、その導入遺伝子の発現の効率を増大させるために、導入遺伝子中に含まれ得る。組織特異的調節配列は、特定の細胞に対して、NOVXタンパク質の発現を指向させるように、NOVX導入遺伝子に作動可能に連結され得る。胚の操作およびマイクロインジェクションを介するトランスジェニック動物(特に、マウスのような動物)を作製するための方法は、当該分野で慣習的になっており、そして例えば、米国特許第4,736,866号;同第4,870,009号;および同第4,873,191号;ならびにHogan 1986、MANIPULATING THE MOUSE EMBRYO,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記載されている。同様の方法が、他のトランスジェニック動物の作製のために使用される。トランスジェニック創始(founder)動物は、そのゲノムにおけるNOVX導入遺伝子の存在および/またはその動物の組織もしくは細胞中のNOVX mRNAの発現に基づいて同定され得る。次いで、トランスジェニック創始動物は、導入遺伝子を有するさらなる動物を育種するために使用され得る。さらに、NOVXタンパク質をコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物は、さらに、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物に交雑され得る。【0520】相同組換え動物を作製するために、NOVX遺伝子の少なくとも一部を含むベクターを調製する。ここで、この遺伝子には、欠失、付加、または置換が導入され、それによってそのNOVX遺伝子が変更されている(例えば、機能的に破壊されている)。NOVX遺伝子は、ヒト遺伝子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のcDNA)であり得るが、より好ましくは、ヒトのNOVX遺伝子の非ヒトホモログである。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55のヒトのNOVX遺伝子のマウスホモログは、マウスゲノムにおける内因性のNOVX遺伝子を変更するのに適切な相同組換えベクターを構築するために使用され得る。1つの実施形態において、そのベクターは、相同組換えに際して、その内因性のNOVX遺伝子が、機能的に破壊されるように設計される(すなわち、機能的タンパク質をもはやコードしない;「ノックアウト」ベクターともいわれる)。【0521】あるいは、このベクターは、相同組換えに際して、内因性NOVX遺伝子が変異されるか、あるいはさもなければ、変更されるが、なお機能性タンパク質をコードするように、設計され得る(例えば、上流の調節領域が変更され、それによって内因性NOVXタンパク質の発現を変更し得る)。相同組換えベクターにおいて、NOVX遺伝子の変更された部分は、NOVX遺伝子のさらなる核酸によって、その5’末端および3’末端で隣接されることにより、相同組換えが、ベクターによって保有される外因性NOVX遺伝子と胚性幹細胞中の内因性NOVX遺伝子との間で起こることを可能にする。さらなる隣接するNOVX核酸は、内因性遺伝子との首尾よい相同組換えのために十分な長さである。典型的に、数キロベースの隣接DNA(5’末端および3’末端の両方における)が、ベクターに含まれる。例えば、相同組換えベクターの説明について、Thomasら(1987)Cell 51:503を参照のこと。次いで、このベクターは、(例えば、エレクトロポレーションによって)胚性幹細胞株に導入され、そして導入されたNOVX遺伝子が内因性NOVX遺伝子と相同組換えした細胞が、選択される(例えば、Liら(1992)Cell 69:915を参照のこと)。【0522】次いで、選択された細胞が、動物(例えば、マウス)の未分化胚芽細胞へ注入され、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley(1987)のTERATOCARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS:A PRACTICAL APPROACH、Robertson編、IRL、Oxford、113頁〜152頁を参照のこと。次いで、キメラ胚が、適切な偽妊娠雌性養育動物に移植され得、そしてその胚は分娩に到る。相同組換えされたDNAをその生殖細胞中に保有する子孫は、動物を育種するために使用され得、ここでこの動物の全ての細胞は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって、相同組換えされたDNAを含む。相同組換えベクターおよび相同組換え動物を構築するための方法が、さらに以下に記載される;Bradley(1991)Curr.Opin.Biotechnol.2:823−829;PCT国際公開番号:WO90/11354;WO91/01140;WO92/0968;およびWO93/04169。【0523】別の実施形態において、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された系を含むトランスジェニック非ヒト動物が産生され得る。このような系の1つの例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系の説明については、例えば、Laksoら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232−6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の別の例は、Saccharomyces cerevisiaeのFLPリコンビナーゼ系である(O’Gormanら(1991)Science 251:1351−1355を参照のこと)。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用される場合、Creリコンビナーゼおよび選択されたタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を含む動物が必要となる。このような動物は、例えば、2つのトランスジェニック動物(一方は選択されたタンパク質をコードした導入遺伝子を含み、他方はリコンビナーゼをコードした導入遺伝子を含む)を交配することによる「二重の」トランスジェニック動物の構築によって提供され得る。【0524】本明細書中に記載される非ヒトトランスジェニック動物のクローンがまた、Wilmutら(1997)Nature 385:810−813に記載される方法に従って、産生され得る。簡単には、トランスジェニック動物からの細胞(例えば、体細胞)が単離され得、そして増殖サイクル(growth cycle)から出て、G0期に入るように誘導され得る。次いで、静止性細胞が、例えば、電気パルスの使用により、その静止性細胞が単離されたのと同種の動物由来の除核された卵母細胞へ融合され得る。次いで、この再構築された卵母細胞は培養され、これにより、この細胞は桑実胚または未分化胚芽細胞に発達し、次いで、偽妊娠雌性養育動物に移される。この雌性養育動物から産まれた子孫は、その細胞(例えば、その体細胞)が単離された動物のクローンである。【0525】(薬学的組成物)本発明のNOVX核酸分子、NOVXタンパク質、および抗NOVX抗体(本明細書中で、「活性化合物」とも呼ばれる)、ならびにそれらの誘導体、フラグメント、アナログ、およびホモログは、投与に適した薬学的組成物に組み込まれ得る。このような組成物は、典型的に、核酸分子、タンパク質または抗体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合性の、任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤(delaying agent)などを含むことが意図される。適切なキャリアは、Remington’s Pharmaceutical Sciences(当該分野の標準的参考教科書であって、本明細書中に参考として援用される)の最新版に記載される。このようなキャリアまたは希釈剤の好ましい例としては、水、生理食塩水、リンゲル(finger)溶液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。リポソームおよび非水性ビヒクル(例えば、不揮発性油)もまた、使用され得る。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物と不適合である場合を除いて、組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性化合物もまた、組成物へ組み込まれ得る。【0526】本発明の薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように処方される。投与経路の例には、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)投与、経口(例えば、吸入)投与、経皮(すなわち、局所的)投与、経粘膜(transmucosal)投与、および直腸投与が挙げられる。非経口適用、皮内適用または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような、滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような、抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような、抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような、キレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような、張度の調整のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基で調整され得る。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または多用量のバイアル中に封入され得る。【0527】注入用途に適した薬学的組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散物、および滅菌注入可能溶液または分散物の即座の調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与のために、適切なキャリアには、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、無菌でなければならず、そして容易な注入性(syringeability)が存在する程度に流動性であるべきである。これは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。このキャリアは、例えば、以下を含む溶媒または分散媒体であり得る:水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)ならびにそれらの適切な混合物。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用によって、要求される粒子サイズを維持することによって(分散物の場合)および界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール(manitol)、ソルビトール)、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注入可能組成物の吸収期間の延長は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を組成物に含ませることによってもたらされ得る。【0528】滅菌注射可能溶液は、必要量のこの活性化合物(例えば、NOVXタンパク質または抗NOVX抗体)を、適切な溶媒中で、上記で列挙される成分の1つまたは組み合わせと共に組み込み、必要な場合、続いて濾過滅菌することによって調製され得る。一般的に、分散物は、活性化合物を、基本(basic)の分散媒体および上記で列挙される成分からの必要とされる他の成分とを含む滅菌ビヒクル中へ組み込むことによって調製される。滅菌注射可能液剤の調製のための滅菌粉末の場合において、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、予め滅菌濾過されたその溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を得る。【0529】経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤へと圧縮され得る。経口治療投与の目的のために、この活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、そして錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた、うがい薬としての使用のために流体キャリアを使用して調製され得、ここで、この流体キャリア中のこの化合物は、経口的に適用され、そして音を立てられ(swish)、そして吐き出されるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント物質が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などが、任意の以下の成分または同様の性質を有する化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、またはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステロテス(Sterotes));潤滑剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー)。【0530】吸入による投与について、この化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む加圧容器またはディスペンサー、あるいは噴霧器から、エアロゾル噴霧の形態で送達される。【0531】全身的投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または経皮投与について、浸透される障壁に適切な浸透剤が、処方物において使用される。このような浸透剤は、一般的に、当該分野で公知であり、そして、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻噴霧または坐剤の使用によって達成され得る。経皮投与については、この活性化合物は、当該分野で一般的に公知である軟膏剤(ointment)、軟膏(salve)、ゲル、またはクリーム剤へ処方される。【0532】この化合物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドのような従来の坐剤基剤と共に)または貯留(rentention)浣腸の形態で調製され得る。【0533】1つの実施形態において、この活性化合物は、身体からの迅速な排出に対してこの化合物を保護するキャリアを用いて調製され(例えば、制御放出処方物)、これには、移植片およびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような、生分解性の生体適合性ポリマーが使用され得る。このような処方物の調製のための方法は、当業者には明らかである。これらの物質はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に入手され得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を感染させた細胞へ標的化されるリポソームを含む)もまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知の方法に従って調製され得る。【0534】投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で、経口組成物または非経口組成物を処方することが、特に有益である。本明細書で使用される投薬単位形態は、処置される被験体に対する単位投薬量として適切な物理的に個々の単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと関連して所望の治療的効果を生じるように計算された、所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単位形態についての詳細は、この活性化合物の固有の特徴、および達成される特定の治療効果、ならびに個体の処置のためのこのような活性化合物を調合する分野に固有の制限によって決定され、そして、これらに直接依存する。【0535】本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとして使用され得る。遺伝子治療ベクターは、被験体へ、例えば静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)によって、または定位注射(例えば、Chenら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054−3057を参照のこと)によって送達され得る。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、受容可能な希釈剤中の遺伝子治療ベクターを含み得るか、または遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれている徐放性マトリックスを含み得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターが組換え細胞からインタクトで産生され得る(例えば、レトロウイルスベクター)場合、薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1以上の細胞を含み得る。【0536】薬学的組成物は、投与のための使用説明書と共に、容器、包装、またはディスペンサーに含まれ得る。【0537】(スクリーニングおよび検出の方法)本発明の単離された核酸分子は、以下にさらに説明されるように、NOVXタンパク質を(例えば、遺伝子治療適用における宿主細胞中の組換え発現ベクターを介して)発現するため、NOVX mRNA(例えば、生物学的サンプルにおいて)またはNOVX遺伝子における遺伝子損傷を検出するため、ならびにNOVX活性を調節するために使用され得る。さらに、NOVXタンパク質は、NOVXタンパク質の活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニングするために、ならびにNOVXタンパク質の不十分もしくは過剰な産生によって、あるいはNOVX野生型タンパク質と比較して減少した活性もしくは異常な活性を有するNOVXタンパク質形態の産生によって特徴付けられる障害(例えば;糖尿病(インスリン放出を調節する);肥満(脂質を結合および輸送する);肥満に関連した代謝障害、代謝症候群X、ならびに拒食症および慢性疾患および種々の癌に関連する消耗性障害、および感染性疾患(抗菌活性を有する)、および種々の異脂肪血症)を処置するために使用され得る。さらに、本発明の抗NOVX抗体は、NOVXタンパク質を検出および単離するため、ならびにNOVX活性を調節するために使用され得る。なおさらなる局面において、本発明は、正の様式および負の様式の両方での、食欲、栄養の吸収、および代謝基質の処理に影響する方法において用いられ得る。【0538】本発明は、さらに、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される新規の薬剤、および上記で本明細書中で記載されるような処置のためのそれらの使用に関する。【0539】(スクリーニングアッセイ)本発明は、調節因子、すなわち、NOVXタンパク質に結合するか、あるいは例えば、NOVXタンパク質の発現またはNOVXタンパク質の活性に対して刺激効果または阻害効果を有する、候補または試験化合物または薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子または他の薬物)を同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」とも称される)を提供する。本発明はまた、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイにおいて同定された化合物を含む。【0540】1実施形態において、本発明は、NOVXタンパク質もしくはポリペプチド、またはその生物学的に活性な部分の膜結合形態に結合するか、あるいはその膜結合形態の活性を調節する、候補化合物または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、当該分野において公知のコンビナトリアルライブラリー法における多数のアプローチのいずれかを使用して得られ得、これには、以下が挙げられる:生物学的ライブラリー;空間的に位置付け可能な並行固相もしくは溶液相ライブラリー;逆重畳を要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーもしくは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(例えば、Lam(1997)Anticancer Drug Design 12:145を参照のこと)。【0541】本明細書中で使用される場合、「低分子」とは、約5kD未満の分子量、最も好ましくは約4kD未満の分子量を有する組成物をいうように意味される。低分子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣体、炭水化物、脂質または他の有機分子もしくは無機分子であり得る。化学的および/または生物学的混合物(例えば、真菌、細菌または藻類抽出物)のライブラリーは、当該分野で公知であり、そして本発明のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングされ得る。【0542】分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば以下に見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909;Erbら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:11422;Zuckermannら(1994)J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およびGallopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。【0543】化合物のライブラリーは、溶液中で(例えば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412〜421)、あるいはビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor(1993)Nature 364:555〜556)、細菌(Ladner 米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner 米国特許第5,233,409号)、プラスミド(Cullら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865〜1869)またはファージ上(ScottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:6378〜6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.222:301〜310;Ladner、米国特許第5,233,409号)において提示され得る。【0544】1つの実施形態において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここで、膜結合形態のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上に発現する細胞が、試験化合物と接触され、そしてこの試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力が、決定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源または酵母細胞であり得る。この試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力の決定は、例えば、その試験化合物を放射性同位体または酵素標識とカップリングさせて、その結果、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分に対するこの試験化合物の結合が、複合体におけるその標識された化合物を検出することによって決定され得ることによって達成され得る。例えば、試験化合物は、125I、35S、14C、または3Hで直接的または間接的のいずれかで標識され得、そしてその放射性同位体が、放射線放射の直接の計数により、またはシンチレーション計数により、検出され得る。あるいは、試験化合物は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識され得、そしてこの酵素的標識が、適切な基質の生成物への転換を決定することにより、検出され得る。1つの実施形態において、このアッセイは、膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分をその細胞表面上に発現する細胞を、NOVXと結合する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を形成させる工程、このアッセイ混合物に試験化合物を接触させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、既知の化合物と比較して、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包含する。【0545】別の実施形態において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、これは、膜結合形態のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上で発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物が、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物が、NOVXまたはその生物学的に活性な部分の活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合またはこれら標的分子と相互作用する能力を決定することによって、達成され得る。本明細書中において使用する場合には、「標的分子」とは、NOVXタンパク質が自然に結合または相互作用する分子であり、例えば、NOVX相互作用タンパク質を発現する細胞表面上の分子、第二の細胞表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内面と会合する分子、または細胞質分子である。NOVX標的分子は、非NOVX分子あるいは本発明のNOVXタンパク質またはポリペプチドであり得る。1つの実施形態において、NOVX標的分子は、シグナル伝達経路の構成要素であり、これは、細胞膜を通る細胞内への細胞外シグナル(例えば、化合物が膜結合NOVX分子に結合することにより発生するシグナル)の伝達を促進する。その標的は、例えば、触媒活性を有する第二の細胞内タンパク質、または下流シグナル伝達分子とNOVXとの会合を容易にするタンパク質であり得る。【0546】NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、直接的結合を決定するための上記方法の1つにより、達成され得る。1つの実施形態において、NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、その標的分子の活性を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の活性は、その標的の細胞性セカンドメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IP3など)の誘導を検出すること、適切な基質への標的の触媒活性/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー(例えば、ルシフェラーゼ)をコードする核酸に作動可能に連結されたNOVX応答性調節エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答(例えば、細胞生存度、細胞分化、または細胞増殖)を検出することにより、決定され得る。【0547】なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、無細胞(cell−free)アッセイであり、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分と結合する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物の、NOVXタンパク質への結合は、上記のように、直接的または間接的にのいずれかで決定され得る。1つのこのような実施形態において、このアッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXを結合する既知の化合物に接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、既知の化合物と比較して、NOVX、またはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包含する。【0548】なお別の実施形態において、アッセイは、無細胞アッセイであり、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物がNOVXの活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合する能力を、直接的結合の決定のための上記方法の1つによって決定することにより、達成され得る。代替の実施形態において、この試験化合物がNOVXタンパク質の活性を調節する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子をさらに調節する能力を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の適切な基質に対する触媒活性/酵素活性は、上記のように決定され得る。【0549】さらに別の実施形態において、無細胞アッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXタンパク質を結合する既知の化合物に接触させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子と優先的に結合するか、またはその標的分子の活性を優先的に調節する能力を決定する工程を包含する。【0550】本発明の無細胞アッセイは、NOVXタンパク質の、可溶性の形態または膜結合形態の両方の使用に受け入れられる。膜結合形態のNOVXタンパク質を含む無細胞アッセイの場合には、NOVXタンパク質の膜結合形態が溶液中に維持されるように、可溶化剤を利用することが所望され得る。このような可溶化剤の例には、非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)n((Isotridecypoly(ethylene glycol ether)n)、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオール−1−プロパンスルホネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamminiol−1−propane sulfonate)(CHAPS)、または3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオール−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamminiol−2−hydroxy−1−propane sulfonate)(CHAPSO)である。【0551】本発明の上記アッセイ方法の1つより多い実施形態において、NOVXタンパク質またはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両方の非複合形態からの複合形態の分離を促進し、そしてそのアッセイの自動化に適合させることが、所望され得る。NOVXタンパク質への試験化合物の結合、または候補化合物の存在下および非存在下での、NOVXタンパク質の標的分子との相互作用は、これらの反応物を収容するために適切な任意の容器内で、達成され得る。このような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管、およびマイクロ遠心管が挙げられる。1実施形態において、そのタンパク質の一方または両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タンパク質が、提供され得る。例えば、GST−NOVX融合タンパク質またはGST標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、次いでこれらは、試験化合物と合わせられるか、あるいは試験化合物および未吸着標的タンパク質またはNOVXタンパク質のいずれかと合わせられ、そしてこの混合物が、複合体形成を誘導する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートされる。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、例えば上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体がマトリックスから解離され得、そしてNOVXタンパク質の結合レベルまたは活性レベルを、標準的な技術を使用して決定し得る。【0552】タンパク質をマトリックスに固定するための他の技術もまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、NOVXタンパク質、またはその標的分子のいずれかが、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用して、固定され得る。ビオチン化NOVXタンパク質、または標的分子は、当該分野において周知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から調製され得(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、Rockford、Ill.)、そしてストレプトアビジンでコーティングした96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定され得る。あるいは、NOVXタンパク質、または標的分子と反応性であるがNOVXタンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体が、そのプレートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的またはNOVXタンパク質が、抗体の結合によってウェル内に捕捉され得る。このような複合体を検出するための方法としては、GST固定複合体に関して上記で述べた方法に加えて、NOVXタンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、ならびにNOVXタンパク質、または標的分子に関する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。【0553】別の実施形態において、NOVXタンパク質発現のモジュレーターは、細胞を候補化合物と接触させ、そして細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の発現を決定する方法において同定される。候補化合物の存在下でのNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、この比較に基づいて、NOVX mRNAまたはタンパク質発現のモジュレーターとして同定され得る。例えば、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が、候補化合物の非存在下よりもその存在下における方が大きい(すなわち、統計的に有意に大きい)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現の刺激物質として同定される。あるいは、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が、候補化合物の非存在下よりその存在下の方が少ない(統計的に有意に少ない)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現のインヒビターとして同定される。細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、NOVX mRNAまたはタンパク質の検出に関して本明細書中に記載の方法によって決定され得る。【0554】本発明のなお別の局面において、NOVXタンパク質は、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイにおいて「餌(ベイト)(bait)タンパク質」として使用されて(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら(1993)Cell 72:223−232;Maduraら、1993.J.Biol.Chem.268:12046−12054;Bartelら、1993 Biotechniques 14:920−924;Iwabuchiら、1993 Oncogene 8:1693−1696;およびBrent WO94/10300を参照のこと)、NOVXに結合する(「NOVX結合タンパク質」または「NOVX−bp」)か、またはこれと相互作用し、そしてNOVX活性を調節する他のタンパク質を同定し得る。このようなNOVX結合タンパク質はまた、例えば、NOVX経路の上流エレメントまたは下流エレメントとしてNOVXタンパク質によるシグナル伝達に関与する可能性がある。【0555】ツーハイブリッド系は、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる、大部分の転写因子のモジュール的性質に基づく。簡潔には、このアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物においては、NOVXをコードする遺伝子が既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物においては、DNA配列のライブラリー由来の、未同定タンパク質(「餌食(prey)」または「サンプル」)をコードするDNA配列が、既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。「餌」タンパク質および「餌食」タンパク質がインビボで相互作用して、NOVX依存性複合体を形成し得る場合、この転写因子のDNA結合ドメインおよび活性化ドメインは、非常に近くにある。近位にあることにより、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結されたレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写が可能となる。レポーター遺伝子の発現が検出され得、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーが、単離され得、そしてNOVXと相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使用され得る。【0556】本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な因子および本明細書中に記載されるような処置のためのこの因子の使用に関する。【0557】(検出アッセイ)本明細書中で同定されるcDNA配列の一部またはフラグメント(および対応する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用され得る。限定ではなく例として、これらの配列を使用して、(i)染色体上にそれぞれの遺伝子をマッピングし得;従って遺伝病と関連する遺伝子領域を位置決定し得る;(ii)微量の生物学的サンプルから個体を同定し得(組織型決定);そして(iii)生物学的サンプルの法医学的識別を助け得る。これらの適用のいくつかは、以下の節において記載される。【0558】(染色体マッピング)一旦、遺伝子の配列(または配列の一部分)が単離されると、この配列を用いて染色体上に遺伝子の位置をマッピングし得る。このプロセスは、染色体マッピングとよばれる。従って、NOVX配列の一部またはフラグメント、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55、またはそのフラグメントもしくは誘導体を用いて、それぞれ、NOVX遺伝子の位置を染色体上にマッピングし得る。NOVX配列を染色体にマッピングすることは、これらの配列と、疾患と関連する遺伝子とを相関付ける際の重要な第一工程である。【0559】要するに、NOVX遺伝子は、NOVX配列からPCRプライマー(好ましくは、15〜25bpの長さ)を調製することにより染色体にマッピングされ得る。NOVX配列のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおける1つを超えるエキソンにまたがらないプライマーを迅速に選択し得、従って、増幅プロセスを複雑にし得る。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために使用され得る。NOVX配列に対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみが増幅されたフラグメントを生じる。【0560】体細胞ハイブリッドは、異なる哺乳動物由来の体細胞(例えば、ヒト細胞およびマウス細胞)を融合することにより調製される。ヒト細胞およびマウスの細胞のハイブリッドが増殖および分裂するにつれ、それらは、無作為な順序で徐々にヒト染色体を失うが、マウス染色体を維持する。特定の酵素を欠くのでマウス細胞は増殖できないが、ヒト細胞は増殖できる培地を使用することにより、必要な酵素をコードする遺伝子を含む1つのヒト染色体が維持される。種々の培地を使用することによって、ハイブリッド細胞株のパネルが確立され得る。パネルにおける各細胞株は、単一のヒト染色体または少数のヒト染色体いずれかおよびマウス染色体の完全なセットを含み、これにより、個々の遺伝子を特定のヒト染色体に容易にマッピングすることが可能になる(例えば、D’Eustachioら(1983)Science 220:919−924を参照のこと)。ヒト染色体のフラグメントのみを含む体細胞ハイブリッドはまた、転座および欠失を伴うヒト染色体を使用することにより生成され得る。【0561】体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定の配列を割り当てるための迅速な手順である。単一のサーマルサイクラーを用いて一日に3つ以上の配列が割り当てられ得る。NOVX配列を使用して、オリゴヌクレオチドプライマーを設計すると、下位位置決定(sublocalization)は、特定の染色体由来のフラグメントのパネルを用いて達成され得る。【0562】中期染色体スプレッドに対するDNA配列の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)をさらに使用して、一工程で正確な染色体位置を提供し得る。染色体スプレッドは、(紡錘体を破壊する)コルセミドのような化学物質により分裂が中期においてブロックされた細胞を使用して行われ得る。この染色体は、トリプシンで短時間処理され得、次いで、ギムザ染色され得る。薄いバンドおよび濃いバンドのパターンが各染色体で発生し、その結果、この染色体は、個々に同定され得る。FISH技術は、500または600塩基ほどの短さのDNA配列と共に使用され得る。しかし、1,000塩基より大きなクローンは、簡単な検出に十分なシグナル強度で、独特の染色体位置に結合するより高い可能性を有する。好ましくは、1,000塩基、そしてより好ましくは、2,000塩基が妥当な時間量で良好な結果を得るために十分である。この技術の総説については、Vermaら、HUMAN CHROMOSOMES:A MANUAL OF BASIC TECHNIQUES(Pergamon Press,New York 1988)を参照のこと。【0563】染色体マッピングの試薬は、単一の染色体またはその染色体上の単一部位をマークするために個々に使用され得るか、または試薬のパネルは、複数部位および/または複数染色体をマークするために使用され得る。遺伝子の非コード領域に対応する試薬は、実際に、マッピング目的のために好ましい。コード配列は、遺伝子ファミリー内に保存されており、従って、染色体マッピングの間にクロスハイブリダイゼーションの機会が増大する可能性が高い。【0564】一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、その配列の染色体上の物理的位置は、遺伝子マップデータと相関し得る。このようなデータは、例えば、McKusick,MENDELIAN INHERITANCE IN MAN(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを通じてオンラインで入手可能)において見いだされる。次いで、同じ染色体領域にマッピングされる遺伝子と疾患との間の関係は、例えば、Egelandら(1987)Nature,325:783−787に記載される連鎖分析(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝)によって同定され得る。【0565】さらに、NOVX遺伝子と関連する疾患に罹患した個体と、この疾患に罹患していない個体との間のDNA配列における差異が決定され得る。罹患した個体のいくらかまたは全てにおいて変異が認められるが、非罹患個体のいずれにおいても認められない場合、この変異は特定の疾患の原因因子である可能性が高い。罹患個体と非罹患個体の比較は、一般に、染色体における構造的変化(例えば、染色体スプレッドから可視であるか、またはそのDNA配列に基づいたPCRを用いて検出可能な欠失または転座)を最初に探す工程を包含する。最終的に、いくらかの個体に由来する遺伝子の完全な配列決定を行って、変異の存在を確認し、かつ多型に由来する変異を区別し得る。【0566】(組織型決定(tissue typing))本発明のNOVX配列はまた、わずかな生物学的サンプルから個体を識別するために使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制限酵素で消化され、そして同定のための独特のバンドを生成するためにサザンブロット上でプローブされる。本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272,057号に記載の「制限酵素断片長多型」)のためのさらなるDNAマーカーとして有用である。【0567】さらに、本発明の配列を用いて、個体のゲノムの選択された部分について実際の塩基ごとにDNA配列を決定する代替的技術を提供し得る。従って、本明細書中に記載のNOVX配列を用いて、配列の5’末端および3’末端から2つのPCRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを使用して、個体のDNAを増幅し得、引き続いて、配列決定し得る。【0568】この様式で調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、各個体が、対立遺伝子差異に起因するこのようなDNA配列の独特のセットを有するので、独特の個体識別を提供し得る。本発明の配列は、個体由来および組織由来の配列のこのような識別を得るために使用され得る。本発明のNOVX配列は、ヒトゲノムの部分を独特に表す。対立遺伝子変異は、これらの配列のコード領域においてある程度生じ、そして非コード領域においてより大きな程度に生じる。個々のヒト間での対立遺伝子変異は、各500塩基につき約1回の頻度で生じると見積もられる。対立遺伝子変異の多さは、制限酵素断片長多型(RFLP)を含む一ヌクレオチド多型(SNP)に起因する。【0569】本明細書中で記載の配列の各々は、ある程度、標準物質として使用され得、これに対して個体からのDNAが識別の目的で比較され得る。より多くの多型が非コード領域で生じるので、個体を区別するために、それほど多くの配列が必要であるわけではない。非コード配列は、おそらく10〜1,000プライマーのパネルを用いてポジティブな個体識別を不自由なく提供し得る。これらのプライマーは、各々が100塩基の増幅された非コード配列を生じる。推定コード配列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55における配列)が使用される場合、ポジティブな個体識別に関するプライマーのより適切な数は、500〜2,000である。【0570】(予測医療)本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬物ゲノム(pharmacogenomics)および臨床試験のモニタリングが、予後(予測)の目的に使用され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って、本発明の1つの局面は、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)の場合においては、NOVXタンパク質および/または核酸の発現、ならびにNOVXの活性を決定するための診断アッセイに関し、これによって、異常なNOVXの発現または活性に関連して、個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるいは障害を発症するリスクがあるかどうかを決定する。この障害としては、代謝障害、糖尿病、肥満症、感染症、食欲不振、癌関連悪液質、癌、神経変性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、ならびに種々の異常脂肪性浮腫(dyslipidemias)、肥満に関連する代謝障害、X代謝症候群(metabolic syndrome X)、ならびに慢性疾患および種々のガンと関連する消耗障害が挙げられる。本発明はまた、個体が、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性と関連した障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための予後的(または予測的)アッセイを提供する。例えば、NOVX遺伝子における変異が、生物学的サンプルにおいてアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後的または予測的な目的に使用され、これによってNOVXタンパク質、核酸の発現または生物学的活性によって特徴付けられるかまたは関連する障害の発病の前に個体を予防的に処置し得る。【0571】本発明の別の局面は、個体におけるNOVXタンパク質、核酸の発現または活性を決定するための方法を提供し、これによって、その個体についての適切な治療的または予防的試薬(本明細書において「薬物ゲノム」とよばれる)を選択する。薬物ゲノムは、個体の遺伝型(例えば、特定の因子に対して応答する個体の能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいて個体の治療的処置または予防的処置のための因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。【0572】本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるNOVXの発現または活性に対する因子(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。【0573】これらおよび他の因子は、以下の節でさらに詳細に記載される。【0574】(診断アッセイ)生物学的サンプルにおけるNOVXの存在または非存在を検出するための例示的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得る工程、およびその生物学的サンプルをNOVXのタンパク質またはNOVXタンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出し得る化合物もしくは薬剤とを接触させ、その結果、NOVXの存在が、その生物学的サンプルにおいて検出される、工程を包含する。NOVX mRNAもしくはゲノムDNAを検出するための薬剤は、NOVX mRNAもしくはゲノムDNAにハイブリダイズし得る、標識された核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、全長のNOVX核酸(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53および55の核酸)またはそれらの一部(例えば、少なくとも、15、30、50、100、250もしくは500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下でNOVXのmRNAまたはゲノムDNAと特異的にハイブリダイズするに十分である核酸)であり得る。本発明の診断アッセイにおける使用のための他の適切なプローブは本明細書において記載されている。【0575】NOVXタンパク質を検出するための薬剤は、NOVXタンパク質に結合し得る抗体であり、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、ポリクローナルであり得るか、またはより好ましくはモノクローナル抗体であり得る。インタクトな抗体またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2)が使用され得る。用語「標識(された)」とは、プローブまたは抗体に関して、検出可能な物質をそのプローブもしくは抗体にカップリングさせる(すなわち、物理的に連結する)ことによってそのプローブまたは抗体を直接標識すること、ならびに、直接標識された別の試薬との反応性によってそのプローブもしくは抗体を間接的に標識することを包含することが意図される。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようにDNAプローブのビオチンを用いた末端標識が挙げられる。用語「生物学的サンプル」とは、被験体から単離された、組織、細胞および生物学的流体ならびに被験体に存在する組織、細胞および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法を用いて、NOVX mRNA、タンパク質またはゲノムDNAを、生物学的サンプル中で、インビトロおよびインビボで検出し得る。例えば、NOVX mRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。NOVXのタンパク質の検出のためのインビトロ技術としては、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光が挙げられる。NOVXゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼーションが挙げられる。さらに、NOVXタンパク質の検出のためのインビボ技術としては、標識された抗NOVX抗体を被験体に導入することが挙げられる。例えば、この抗体は、放射性マーカーを用いて標識され得る。被験体における放射性マーカーの存在および位置は、標準的な画像化技術によって検出され得る。【0576】1つの実施形態において、この生物学的サンプルは、その試験被験体由来のタンパク質分子を含む。あるいは、その生物学的サンプルは、その試験被験体由来のmRNA分子またはその試験被験体由来のゲノムDNA分子を含み得る。好ましい生物学的サンプルは、被験体から従来の手段によって単離された末梢血白血球サンプルである。【0577】別の実施形態において、本発明の方法はさらに、コントロール被験体からコントロール生物学的サンプルを得る工程、そのコントロールサンプルを、NOVXタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAを検出し得る化合物もしくは薬剤と接触させ、その結果、NOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在をその生物学的サンプルにおいて検出する工程、およびそのコントロールサンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在と、その試験サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在とを比較する工程を包含する。【0578】本発明はまた、生物学的サンプルにおけるNOVXの存在を検出するためのキットを包含する。例えば、このキットは、以下を備え得る:生物学的サンプルにおいてNOVXのタンパク質またはmRNAを検出し得る、標識された化合物もしくは薬剤;そのサンプルにおいてNOVXの量を決定するための手段;およびそのサンプルにおいて、標準と、NOVXの量とを比較するための手段。この化合物または薬剤は、適切な容器内に包装され得る。このキットは、さらに、NOVXのタンパク質または核酸を検出するためにキットを用いるための指示書を備え得る。【0579】(予後アッセイ)本明細書に記載される診断方法をさらに利用して、NOVXの異常発現または異常活性に関連した疾患もしくは障害を有するか、またはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。例えば、本明細書に記載されるアッセイ(例えば、上述の診断アッセイまたは下記のアッセイ)を利用して、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性に関連する障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。あるいは、この予後アッセイを利用して、疾患または障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患もしくは障害を同定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルは、被験体から得られ、そしてNOVXのタンパク質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出され、ここで、NOVXのタンパク質または核酸の存在は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患または障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体についての診断指標である。本明細書において使用される場合「試験サンプル」とは、目的の被験体から得られた生物学的サンプルをいう。例えば、試験サンプルは、生物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、または組織であり得る。【0580】さらに、本明細書に記載される予後アッセイを使用して、被験体に薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子、または他の薬物候補)を投与してNOVXの異常発現または異常活性に関連する疾患または障害を処置し得るか否かを、決定し得る。例えば、このような方法を使用して、被験体が障害のための薬剤で有効に処置され得るか否かを決定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連する障害のための薬剤を用いて、被験体が有効に処置され得るか否かを決定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルが得られ、そしてNOVXのタンパク質または核酸が検出される(例えば、ここで、NOVXのタンパク質または核酸の存在は、この薬剤が投与されてNOVXの異常発現または異常活性に関連する障害が処置され得る被験体についての、診断指標である)。【0581】本発明の方法はまた、NOVX遺伝子における遺伝的損傷を検出し、それによって、その損傷遺伝子を有する被験体が異常な細胞増殖および/または分化によって特徴付けられる障害についての危険性を有するか否かを決定するためにも使用され得る。種々の実施形態において、この方法は、その被験体からの細胞のサンプルにおいて、NOVXタンパク質をコードする遺伝子の統合性に影響を与える少なくとも1つの変更によって特徴付けられる遺伝的損傷の存在または非存在、あるいはNOVX遺伝子の誤発現を検出する工程を包含する。例えば、そのような遺伝的損傷は、以下の少なくとも1つの存在を確認することによって検出され得る:(i)NOVX遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;(ii)NOVX遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;(iii)NOVX遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換、(iv)NOVX遺伝子の染色体再配置;(v)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルにおける変更、(vi)NOVX遺伝子の異常改変(例えば、ゲノムDNAのメチル化パターンの異常改変)、(vii)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在、(viii)NOVXタンパク質の非野生型レベル、(ix)NOVX遺伝子の対立遺伝子の欠失、ならびに(x)NOVXタンパク質の不適切な翻訳後修飾。本明細書において記載されるように、当該分野において、NOVX遺伝子における損傷を検出するために使用され得る、多数の公知のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的サンプルは、従来手段によって被験体から単離された末梢血白血球サンプルである。しかし、有核細胞を含む任意の生物学的サンプルが使用され得、これには、例えば、頬粘膜細胞が挙げられる。【0582】特定の実施形態において、損傷の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、連結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Science 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:360−364を参照のこと)におけるプローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、NOVX遺伝子における点変異を検出するために特に有用であり得る(Abravayaら,1995 Nucl.Acids Res.23:675−682を参照のこと)。この方法は、患者から細胞のサンプルを収集する工程、核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたはその両方)をそのサンプルの細胞から単離する工程、NOVXの遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーとその核酸サンプルとを、NOVX遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような条件下で接触させる工程、ならびに増幅産物の存在もしくは非存在を検出する工程、またはその増幅産物のサイズを検出する工程およびその長さをコントロールサンプルと比較する工程を包含し得る。PCRおよび/またはLCRは、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される技術のいずれかとともに予備的増幅工程として使用されることが望ましくあり得ることが予想される。【0583】代替的な増幅方法としては、以下が挙げられる:当業者に周知な技術を用いた、その増幅された分子の検出の前の、自己維持配列複製(Guatelliら、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878を参照のこと)、転写増幅系(Kwohら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177を参照のこと)、Qβレプリカーゼ(Lizardiら、1988、BioTechnology 6:1197を参照のこと)、または他の任意の核酸増幅方法。これらの検出スキームは、核酸分子が非常に極少数で存在する場合に、そのような核酸分子の検出のために特に有用である。【0584】代替の実施形態において、サンプル細胞からのNOVX遺伝子における変異は、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプルおよびコントロールのDNAが単離され、増幅され(必要に応じて)、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼを用いて消化され、そしてフラグメント長の大きさがゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルDNAとコントロールDNAとの間のフラグメント長の大きさにおける差異は、そのサンプルDNAにおける変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの使用(例えば、米国特許第5,493,531号を参照のこと)を使用して、リボザイム切断部位の発生または喪失によって、特異的な変異の存在についてスコア付けし得る。【0585】他の実施形態において、NOVXにおける遺伝子変異は、サンプル核酸およびコントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)を、数百または数千のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズさせることによって同定され得る。例えば、Croninら(1996)Human Mutation 7:244−255;Kozalら(1996)Nat.Med.2:753−759を参照のこと。例えば、NOVXにおける遺伝子変異は、Croninら(前出)に記載されるように光生成DNAプローブを含む二次元アレイにおいて同定され得る。手短には、プローブの第一ハイブリダイゼーションアレイを用いて、サンプルおよびコントロールにおける長いストレッチのDNAにわたって走査し、連続的に重複するプローブの線形アレイを作成することによって、その配列間の塩基変化を同定し得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程に第二のハイブリダイゼーションアレイが続き、これは、検出される全ての改変体または変異体に相補的な、より小さな特化されたプローブアレイを用いることによる特定の変異の特徴付けを可能にする。各変異アレイは、一方が野生型遺伝子に対して相補的であり、そして他方が変異遺伝子に対して相補である並行プローブセットから構成される。【0586】なお別の実施形態において、当該分野で公知の種々の配列決定反応のいずれかを使用して、NOVX遺伝子を直接配列決定し得、そしてサンプルNOVX配列と対応する野生型(コントロール)配列とを比較することによって、変異を検出し得る。配列決定反応の例としては、MaximおよびGilbert(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560またはSanger(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463によって開発された技術に基づくものが挙げられる。診断アッセイを実施する場合、種々の自動化配列決定手順のいずれかを利用し得ることもまた意図される(例えば、Naeveら(1995)Biotechniques 19:448を参照のこと)。これらには、質量分析法による配列決定法(例えば、PCT国際公開番号WO 94/16101;Cohenら(1996)Adv.Chromatography 36:127−162;およびGriffinら(1993)Appl.Biochem.Biotechnol.38:147−159を参照のこと)が含まれる。【0587】NOVX遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、切断剤からの保護を使用して、RNA/RNAもしくはRNA/DNAのヘテロ二重鎖に基づくミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる。例えば、Myersら(1985)Science 230:1242を参照のこと)。一般に、「ミスマッチ切断」の当該分野の技術は、野生型のNOVX配列を含む(標識された)RNAまたはDNAを、組織サンプルから得られた潜在的な変異体RNAまたはDNAとハイブリダイズさせることによって形成されるヘテロ二重鎖を提供する工程によって始まる。この二本鎖の二重鎖を、二重鎖の一本鎖領域(例えば、そのコントロール鎖とサンプルの鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するもの)を切断する薬剤を用いて処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖を、RNaseを用いて処理し得、そしてDNA/DNAハイブリッドを、そのミスマッチ領域を酵素的に消化することに対して、S1ヌクレアーゼを用いて処理し得る。他の実施形態において、DNA/DNAまたはRNA/DNAのいずれかの二重鎖を、ミスマッチ領域を消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウム、およびピペリジンを用いて処理し得る。そのミスマッチ領域の消化後、次いで、得られた物質を変性ポリアクリルアミドゲル上で、大きさにより分離して、変異の部位を決定する。例えば、Cottonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4397;Saleebaら(1992)Methods Enzymol.217:286−295を参照のこと。1つの実施形態において、コントロールのDNAまたはRNAは、検出のために標識され得る。【0588】なお別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNAにおけるミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ修復」酵素)を、細胞のサンプルから得られたNOVX cDNAにおける点変異を検出およびマッピングするために規定された系において使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeLa細胞からのチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断する。例えば、Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657〜1662を参照のこと。例示的な実施形態に従って、NOVX配列(例えば、野生型NOVX配列)に基づくプローブは、試験細胞由来のcDNAまたは他のDNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素を用いて処理され、そしてその切断産物(もしあれば)は、電気泳動プロトコルなどから検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。【0589】他の実施形態において、電気泳動の移動度における変化は、NOVX遺伝子における変異を同定するために使用される。例えば、一本鎖コンホメーション多型(SSCP)は、変異体と野生型核酸との間の電気泳動の移動度における差異を検出するために使用され得る。例えば、Oritaら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA:86:2766;Cotton(1993)Mutat.Res.285:125〜144;Hayashi(1992)Genet.Anal.Tech.Appl.9:73〜79を参照のこと)。サンプルおよびコントロールNOVX核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性され、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気泳動の移動度において得られる変化は、1つの塩基変化の検出さえも可能にする。DNAフラグメントは、標識され得るか、または標識されたプローブを用いて検出され得る。アッセイの感度は、(DNAよりもむしろ)二次構造が配列中の変化に対してより感受的であるRNAを使用することによって増強され得る。1つの実施形態において、本発明の方法は、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳動の移動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離する。例えば、Keenら(1991)Trends Genet.7:5を参照のこと。【0590】なお別の実施形態において、一定勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミドゲルにおける変異体または野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を使用してアッセイされる。例えば、Myersら(1985)Nature 313:495を参照のこと。DGGEが分析の方法として使用される場合、DNAは、例えば、PCRにより約40bpの高融点GCリッチDNAのGCクランプを付加することによって、完全には変性されないことを確実するように改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールおよびサンプルDNAの移動度における差異を同定するために、変性剤勾配の代わりに使用される。例えば、RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys.Chem.265:12753を参照のこと。【0591】点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、既知の変異が中心的に配置されるように調製され得、次いで、完全なマッチが見出される場合にのみハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAにハイブリダイズされる。例えば、Saikiら(1986)Nature 324:163;Saikiら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci USA 86:6230を参照のこと。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に付着され、そして標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合に、PCR増幅された標的DNAまたは多くの異なる変異にハイブリダイズされる。【0592】あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明と合わせて使用され得る。特異的増幅についてのプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、分子の中心において(その結果、増幅は、差次的ハイブリダイゼーションに依存する);(例えば、Gibbsら(1989)Nucl.Acids Res.17:2437〜2448を参照のこと)か、あるいは適切な条件下でミスマッチが妨げられ得るかまたはポリメラーゼ伸長を減少し得る、1つのプライマーの3’の最末端で、目的の変異を保有し得る(例えば、Prossner(1993)Tibtech.11:238を参照のこと)。さらに、切断に基づく検出を行うために、変異領域に新規な制限部位を導入することは、切断に基づく検出を行うために望ましくあり得る。例えば、Gaspariniら(1992)Mol.Cell Probes 6:1を参照のこと。特定の実施形態において、増幅はまた、増幅用Taqリガーゼを使用して実施され得ることが予測される。例えば、Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189を参照のこと。このような場合において、連結は、5’配列の3’末端に完全なマッチが存在する場合にのみ生じ、増幅の存在または非存在を探索することによって、特定の部位における既知の変異の存在を検出することを可能にする。【0593】本明細書中に記載される方法は、例えば、本明細書中に記載れる少なくとも1つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キットを利用することによって実施され得、これは、例えば、NOVX遺伝子を含む疾患または疾病の症状または家族病歴を示す患者を診断するための臨床的設定において簡便に使用され得る。【0594】さらに、NOVXが発現される任意の細胞型または組織(好ましくは、末梢血白血球)は、本明細書中に記載される予後アッセイにおいて利用され得る。しかし、有核細胞を含む任意の生物学的サンプル(例えば、頬粘膜細胞を含む)が、使用され得る。【0595】(薬理ゲノム学(Pharmacogenomics))NOVX活性(例えば、NOVX遺伝子発現)に対する刺激性または阻害性の影響を有する因子、すなわちモジュレーターは、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定されるように、障害(この障害としては、以下が挙げられる:代謝障害、糖尿病、肥満、感染症、食欲不振、癌関連悪液質、癌、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、および種々の異常脂肪性浮腫(dyslipidemias)、肥満に関連する代謝障害、X代謝症候群(metabolic syndrome X)、および慢性疾患に関連する消耗障害、および種々の癌。)を(予防的または治療的に)処置するために個体に投与され得る。このような処置と合わせて、個体の薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその個体の応答との間の関係についての研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度との間の関係を変更することによって、重篤な毒性または治療の失敗を導き得る。従って、個体の薬理ゲノム学は、個体の遺伝子型の考慮に基づく予防的または治療的処置のために有効な薬剤(例えば、薬物)の選択を許容する。このような薬理ゲノム学は、さらに、適切な投薬量および治療剤レジメンを決定するために使用され得る。従って、NOVXタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、あるいは個体におけるNOVX遺伝子の変異含量が決定されて、それによって個体の治療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。【0596】薬理ゲノム学は、罹患した人おける変更された薬物の性質および異常な作用に起因して、薬物に応答する臨床的に有意な遺伝性変更を扱う。例えば、Eichelbaum、1996、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol,23:983〜985およびLinder、1997、Clin.Chem,43:254〜266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学状態が、区別され得る。薬物が身体に作用する方法を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物作用)、または身体が薬物に作用する方法を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物代謝)。これらの薬理ゲノム学状態は、稀な欠損としてか、または多型としてのいずれかで生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損は、一般的な遺伝性酵素病であり、この主な臨床的合併症は、酸化剤薬物(抗マラリア剤、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの摂食後の溶血である。【0597】例示的な実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続期間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素CYP2D6およびCYP2C19)の遺伝的多型の発見は、幾人かの患者が予期される薬物効果を得ないか、または標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に過大な薬物応答および深刻な毒性を示すことに関しての説明を提供した。これらの多型は、集団において2つの表現型(高い代謝能を持つ人(extensive metabolizer)(EM)および低い代謝能を持つ人(poor metabolizer)(PM))で表現される。PMの有病率は、異なる集団の間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型であり、そしていくらかの変異がPMにおいて同定されており、この全ては機能的CYP2D6の非存在に至る。CYP2D6およびCYP2C19の低い代謝能を持つ人は、彼らが標準的な用量を受ける場合に、かなり頻繁に過大な薬物応答および副作用を経験する。代謝産物が活性な治療的部分である場合、そのCYP2D6形成代謝産物であるモルヒネによって媒介されるコデインの鎮痛効果について実証されるように、PMは治療的応答を示さない。他の極端なものは、標準的な用量に応答しない、いわゆる超迅速な代謝能を持つ人である。最近、超迅速な代謝の基準となる分子は、CYP2D6遺伝子増幅に起因していることが同定されている。【0598】従って、NOVXのタンパク質の活性、NOVXの核酸の発現、あるいは個体におけるNOVXの遺伝子の変異内容を決定して、それによって、その個体の治療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。さらに、薬理ゲノム学の研究を使用して、個体の薬物応答性の表現型の同定に対して薬物代謝酵素をコードする多型対立遺伝子の遺伝子型を適用し得る。この知見は、用量または薬物選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、従って、被験体をNOVXの調節因子(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニングアッセイの1つによって同定される調節因子)を用いて処置する場合に治療的または予防的効率を増強し得る。【0599】(臨床試験中の効果のモニタリング)NOVXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖および/または分化を調節する能力)に対する薬剤(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることは、基本的な薬物スクリーニングだけでなく、臨床試験にも適用され得る。例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイによって決定される、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを増加するため、またはNOVX活性をアップレギュレートする薬剤の効力は、減少したNOVXの遺伝子発現、タンパク質レベル、またはダウンレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床試験においてモニターされ得る。あるいは、スクリーニングアッセイによって決定される、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを減少、またはNOVXの活性をダウンレギュレートする薬剤の効力は、増加したNOVXの遺伝子発現、タンパク質レベル、またはアップレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床試験においてモニターされ得る。このような臨床試験において、NOVXの発現または活性、および好ましくは、例えば、細胞増殖または免疫障害に関与するような他の遺伝子が、「リードアウト(読み出し)(read out)」、すなわち、特定の細胞の免疫応答性のマーカーとして使用され得る。【0600】例えば、NOVXを含む遺伝子(これは、NOVX活性(例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定される)を調節する薬剤(例えば、化合物、薬物または低分子)を用いる処置によって、細胞内で調節される)が同定され得るが、これらに限定されない。従って、細胞性増殖障害に対する薬剤の効果を研究するために、例えば、臨床試験において、細胞が単離され得、そしてRNAが調製され得、そしてNOVXおよびこの障害に関与する他の遺伝子の発現のレベルについて分析され得る。遺伝子発現のレベル(すなわち、遺伝子発現パターン)は、本明細書中に記載されるように、ノーザンブロット分析もしくはRT−PCRによるか、あるいは産生されるタンパク質の量を測定することによるか、本明細書中に記載されるような方法の1つによるか、あるいはNOVXまたは他の遺伝子の活性のレベルを測定することによって、定量され得る。この様式で、この遺伝子発現パターンは、この薬剤に対する細胞の生理学的応答の指標であるマーカーとして作用し得る。従って、この応答状態は、この薬剤を用いる個体の処置の前、および処置の間の種々の時点で、決定され得る。【0601】1つの実施形態において、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、タンパク質、ペプチド、核酸、ペプチド模倣物、低分子、または本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される他の薬物候補物)を用いる、被験体の処置の効力をモニタリングするための方法を提供し、これは、以下の工程を包含する:(i)薬剤の投与の前に、被験体から投与前サンプルを得る工程;(ii)この投与前サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現のレベルを検出する工程;(iii)この被験体から1つ以上の投与後サンプルを得る工程;(iv)この投与後サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを検出する工程;(v)この投与前サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを、この投与後サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルと比較する工程;ならびに(vi)従って、この被験体に対する薬剤の投与を変更する工程。例えば、この薬剤の増加した投与は、検出されるよりも高いレベルにNOVXの発現または活性を増加することが(すなわち、この薬剤の効力を増加すること)望ましくあり得る。あるいは、この薬剤の減少した投与は、検出されるよりも低いレベルにNOVXの発現または活性を減少することが(すなわち、この薬剤の効力を減少すること)望ましくあり得る。【0602】(処置方法)本発明は、異常なNOVXの発現または活性に関連する障害の危険性のある(または感受性)か、またはこの障害を有する被験体を処置する予防的および治療的の両方の方法を提供する。このように関連する疾患または障害としては、例えば、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、先天性心欠損症、大動脈狭窄症、心房中隔欠損症(ASD)、房室(A−V)管欠損症、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄症、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満症、移植、副腎脳白質ジストロフィー、先天性副腎過形成、前立腺癌、新形成;腺癌、リンパ腫、子宮癌、受胎能、血友病、凝固能亢進、特発性血小板減少性紫斑病、免疫不全症、対宿主性移植片病、AIDS、気管支炎ぜん息、クローン病;多発性硬化症、オールブライト遺伝性骨形成異常症の処置、ならびに他の疾患、障害および状態など。【0603】これらの処置方法は、以下により詳細に記載される。【0604】(疾患および障害)(その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)増加したレベルまたは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を拮抗する(すなわち、低減または阻害する)治療剤を用いて処置され得る。活性を拮抗する治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)上記ペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;(ii)上記ペプチドに対する抗体;(iii)上記ペプチドをコードする核酸;(iv)相同組換えによって上記ペプチドの内因性機能を「ノックアウトする」ために利用される、アンチセンス核酸および「機能不全性」である(すなわち、上記ペプチドに対するコード配列のコード配列内の異種挿入に起因する)核酸の投与、(例えば、Capecchi、1989、Science 244:1288〜1292を参照のこと);または(v)上記ペプチドとその結合パートナーとの間の相互作用を変化させる、調節因子(すなわち、インヒビター、アゴニストおよびアンタゴニスト(本発明のさらなるペプチド模倣物または本発明のペプチドに対して特異的な抗体を含む))。【0605】(その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)減少したレベルまたは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を増加させる(すなわち、活性に対するアゴニストである)治療剤を用いて処置され得る。活性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:上記ペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;あるいはバイオアベイラビリティーを増加させるアゴニスト。【0606】増加したレベルまたは減少したレベルは、ペプチドおよび/またはRNAを定量することによって、容易に検出され得る。この定量は、患者の組織サンプルを(例えば、生検組織から)入手し、そしてそのサンプルを、その発現したペプチド(または上記ペプチドのmRNA)のRNAレベルまたはペプチドレベル、構造および/または活性をインビトロでアッセイすることによる。当該分野において周知の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イムノアッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動が後に続く免疫沈降、免疫細胞化学などによる)および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイチュハイブリダイゼーションなど)。【0607】(予防的方法)1つの局面において、本発明は、被験体において異常なNOVXの発現または活性と関連する疾患または状態を、NOVXの発現または少なくとも1つのNOVX活性を調節する薬剤をこの被験体に投与することによって予防するための方法を提供する。異常なNOVXの発現または活性によって引き起こされるかまたはこれらに起因する、疾患にかかる危険がある被験体は、例えば、本明細書中に記載の診断アッセイまたは予後アッセイのいずれか、またはそれらの組み合わせによって、同定され得る。予防薬剤の投与は、疾患または障害が予防されるか、あるいはその進行を遅らせられるように、このNOVX異常の特徴である症状の発現の前に行い得る。このNOVX異常の型に依存して、例えば、NOVXアゴニスト薬剤またはNOVXアンタゴニスト薬剤が、その被験体を処置するために使用され得る。その適切な薬剤は、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイに基づいて決定され得る。本発明の予防方法は、以下の小節において、さらに議論される。【0608】(治療方法)本発明の別の局面は、治療目的のためにNOVXの発現または活性を調節する方法に関する。本発明の調節方法は、細胞を、その細胞に関するNOVXタンパク質活性の活性のうちの1つ以上を調節する薬剤と接触させる工程を包含する。NOVXタンパク質活性を調節する薬剤は、核酸またはタンパク質、NOVXタンパク質の天然に存在する同族リガンド、ペプチド、NOVXペプチド模倣物、または他の低分子のような、本明細書中に記載されるような薬剤であり得る。1つの実施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を刺激する。このような刺激薬剤の例としては、活性なNOVXタンパク質、およびその細胞に導入されたNOVXをコードする核酸分子が挙げられる。別の実施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を阻害する。このような阻害薬剤の例としては、アンチセンスNOVX核酸分子、および抗NOVX抗体が挙げられる。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、その薬剤とともにその細胞を培養することによって)、あるいはインビボで(例えば、被験体にその薬剤を投与することによって)実施され得る。このように、本発明は、NOVXのタンパク質または核酸分子の、異常な発現または異常な活性によって特徴付けられる、疾患または障害に罹患した個体を処置する方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXの発現または活性を調節する(例えば、アップレギュレートまたはダウンレギュレートする)薬剤(例えば、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される薬剤)あるいはそのような薬剤の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実施形態において、この方法は、NOVXのタンパク質または核酸分子を、低減したかまたは異常な、NOVXの発現または活性を補償するための治療として、投与する工程を包含する。【0609】NOVX活性の刺激は、NOVXが異常にダウンレギュレートされている状況、および/またはNOVX活性の増加が有益な効果を有するようである状況において、望ましい。このような状況の1つの例は、被験体が、異常な細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる障害(例えば、癌または免疫関連)を有する場合である。このような状況の別の例は、被験体が妊娠性疾患(例えば、プレクランプシア(preclampsia))を有する場合である。【0610】(治療剤の生物学的効果の決定)本発明の種々の実施形態において、適切なインビトロまたはインビボアッセイを行って、特定の治療剤の効果およびその投与が罹患組織の処置を示すか否かを決定する。【0611】種々の特定の実施形態において、インビトロアッセイが患者の障害に関与する代表的な細胞型で行われ、所定の治療剤がこの細胞型に対して所望の効果を発揮するか否かを決定し得る。治療において使用する化合物は、ヒト被験体において試験する前に適切な動物モデル系において試験され得る。これらの動物モデル系としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギなど。同様に、インビボ試験については、当該分野で公知の任意の動物モデル系が、ヒト被験体に対する投与の前に使用され得る。【0612】(本発明の組成物の予防的用途および治療的用途)本発明のNOVX核酸およびタンパク質は、以下を含むが、これらに限定されない種々の障害に関連する強力な予防的適用および治療的適用に有用である:代謝障害、糖尿病、肥満症、感染症、食欲不振、癌関連癌、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、造血障害、および種々の異常脂肪性浮腫(dyslipidemias)、肥満に関連する代謝障害、X代謝症候群(metabolic syndrome X)、および慢性疾患に関連する消耗疾患、および種々の癌。【0613】例のように、本発明のNOVXタンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり、そしてこのタンパク質は、遺伝子治療を必要とする被験体に投与される場合、有用であり得る。非制限的例示として、本発明の組成物は、代謝障害、糖尿病、肥満、感染症、食欲不振、癌関連悪液質、癌、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、造血障害、および種々の異常脂肪性浮腫(dyslipidemias)に罹患した患者の処置についての効力を有する。【0614】本発明のNOVXタンパク質をコードする新規の核酸、およびNOVXタンパク質の両方、またはそれらのフラグメントは、診断適用に有用で有り得る。ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が評価される。さらなる用途は、抗菌分子(すなわち、いくつかのペプチドは、抗菌特性を有することが見出されている)としての用途である。これらの材料は、治療的または診断的な方法における用途に関する本発明の新規の物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。【0615】本発明は、以下の実施例においてさらに記載され、これらの実施例は、特許請求の範囲中に記載される本明細書の範囲を限定しない。【実施例】【0616】(実施例1:NOVX核酸の同定)ポリペプチドまたはホモログのためのCuraGen Corporation配列ファイルを使用して、TblastNを、GenBankによってか、または、個々の配列センターからダウンロードされたファイルから利用可能なGenomic Daily Filesに対して実施した。エキソンを相同性より予測し、そして、イントロン/エキソンの境界を、標準的な遺伝的役割を使用して決定した。複数のBLAST(例えば、tBlastN、BlastX、およびBlastN)検索、ならびに、ある場合には、GeneScanおよびGrailを使用する類似性決定を用いて、エキソンをさらに選択し、そして、精緻化した。公のデータベースおよび独占のデータベースの両方からの発現された配列をまた、さらなる定義および完全な遺伝子配列が利用可能である場合、追加した。次いで、DNA配列を、明確な不一致に対して手動で補正し、これによって、全長タンパク質をコードする配列を得た。【0617】本発明で同定した新規のNOVX標的配列を、配列を確認するためにエキソン連結プロセスに供した。PCRプライマーを、順方向プライマーについては入手可能な最も上流の配列で、そして逆方向プライマーについては入手可能な最も下流の配列で開始するように設計した。PCRプライマーの配列を、種々のクローンを得るために使用した。それぞれの場合について、固有であるかまたは高度に選択的であるかのいずれかである適切な配列に遭遇するまで、または逆方向プライマーの場合には終止コドンに達するまで、コード配列に向ってそれぞれの末端から内側にウォーキングすることによって、配列を試験した。このようなプライマーを、標的配列の全長のcDNA、DNAの一部(1つ以上のエキソン)またはタンパク質配列についてのインシリコ(in silico)予測に基づいてか、または他の種由来の密接に関連するヒト配列に対する推定エキソンの翻訳された相同性によって、設計した。次いで、これらのプライマーを、以下のヒトcDNAのプールに基づいてPCR増幅において使用した:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳、脳−海馬、脳−黒質、脳−視床、脳−全体、胎児の脳、胎児の腎臓、胎児の肝臓、胎児の肺、心臓、腎臓、リンパ腫−Raji、乳腺、膵臓、脳下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、子宮。通常は、得られたアンプリコンをゲル精製し、クローン化し、そして高い縮重性について配列決定した。エキソンの連結によって導いたPCR産物を、InvitrogenによるpCR2.1ベクター中にクローン化した。得られた細菌クローンは、pCR2.1ベクター中にクローン化した完全なオープンリーディングフレームを包含している挿入物を有する。全てのクローンから得られた配列を、それ自体とともに、CuraGen Corporationのデータベース中の他のフラグメントとともに、そして公のESTとともにまとめた。集合の別の成分とのそれらの同一性の程度が50bpにわたって少なくとも95%である場合には、集合の構成要素としてフラグメントおよびESTを含めた。さらに、配列のトレースを手動で評価し、そして適切である場合には修正を施した。これらの手順によって本明細書中に報告する配列を提供する。【0618】物理的クローン:エキソンを相同性によって推定し、そしてイントロン/エキソンの境界を標準的な遺伝子規則を使用して決定した。エキソンを複数のBLAST(例えば、tBlastN、BlastX、およびBlastN)検索、およびいくつかの場合には、GeneScanおよびGrailを使用する類似性の決定手段によって、さらに選択し、そして精緻化した。利用可能な場合、公のデータベースおよび独自データベースの両方からの発現配列もまた加え、これらの遺伝子配列をさらに定義しそして完全なものとした。次いで、DNA配列を、明らかな不一致について手動で補正し、それによって、全長タンパク質をコードする配列を得た。【0619】(実施例2:NOVX核酸配列中の一ヌクレオチド多型の同定)改変体配列もまた、本出願に含まれる。改変体配列は、一ヌクレオチド多型(SNP)を含み得る。SNPは、いくつかの例においては、SNPを含有しているヌクレオチド配列がcDNAに起源することを示す、「cSNP」と呼ばれる。SNPは、いくつかの様式で生じ得る。例えば、SNPは、多型部位でのあるヌクレオチドの別のヌクレオチドへの置換に起因し得る。このような置換は、トランジションまたはトランスバージョンのいずれかであり得る。SNPはまた、参照対立遺伝子と比較して、ヌクレオチドの欠失またはヌクレオチドの挿入によっても生じ得る。この場合には、多型の部位は、1つの対立遺伝子が、別の対立遺伝子中の特定のヌクレオチドに関してギャップを保有している部位である。遺伝子中に存在しているSNPは、SNPの位置で遺伝子によってコードされるアミノ酸の変化を生じ得る。SNPを含むコドンが遺伝子コードの縮重の結果として同じアミノ酸をコードする場合には、遺伝子内SNPはまた、サイレントでもあり得る。遺伝子の領域の外側に存在しているSNP、または遺伝子内のイントロンに存在しているSNPは、タンパク質のアミノ酸配列には全く変化を生じないが、発現パターンの調節の変更を生じ得る。例としては、一過性発現、生理学的応答の調節、細胞型発現調節、発現の強度、転写されたメッセージの安定性における変更が挙げられる。【0620】エキソン連結プロセスにより生成されたSeqCallingアセンブリを、以下の基準を使用して選択し、そして、伸長させた。開始配列または伸長配列の全てまたは一部に対して98%の同一性を有する領域を有するゲノムクローンを、ヒトゲノムデータベースを問い合わせるために、関連する配列を使用して、BLASTNによって同定した。得られたゲノムクローンを、さらなる解析のために選択した。なぜならば、この同一性は、これらのクローンが、これらのSeqCallingアセンブリについてのゲノム遺伝子座を含むことを示すからである。これらの配列を、推定コード領域、ならびに、既知のDNA配列およびタンパク質配列に対しての類似性について分析した。これらの分析のために使用したプログラムとしては、Grail、Genscan、BLAST、HMMER、FASTA、Hybridおよび他の関連するプログラムが挙げられる。【0621】いくつかのさらなるゲノム領域をまた、同定し得る。なぜならば、選択したSeqCallingアセンブリは、これらの領域に位置付けられたからである。このようなSeqCalling配列は、相同性またはエキソン予測によって定義された領域と重複し得る。これらはまた、このフラグメントの位置が、本来の予測された配列中に含まれている相同性、またはエキソン予測により同定されたゲノム領域の近傍にあるので、含まれ得る。このように同定された配列を、手動で構築し、次いで、CuraGen CorporationのヒトSeqCallingデータベースから得た1つ以上のさらなる配列を使用して、伸長させ得る。包含に適切なSeqCallingフラグメントを、CuraToolsTMプログラムSeqExtendによってか、または分析されたゲノムクローンの適切な領域に位置付けられるSeqCallingフラグメントを同定することによって、同定した。【0622】次いで、上記の手順によって定義された領域を、手動で組込み、そして、明確な不一致(例えば、本来のフラグメント中の読み違えられた塩基からか、または予測されたエキソン接合部と、EST位置と、配列類似性の領域との間の不一致から生じ得る)について補正し、本明細書中で開示した最終の配列を導いた。必要な場合、SeqCallingアセンブリおよびゲノムクローンを同定し、そして分析するためのプロセスを反復し、全長配列を導いた(Alderbornら、Determination of Single Nucleotide Polymorphisms by Real−time Pyrophosphate DNA Sequencing.Genome Research.10(8)1249〜1265、2000)。【0623】(実施例3:種々の細胞および組織におけるクローンの定量的発現分析)種々のクローンの定量的な発現を、種々の正常および病理状態由来の細胞、細胞株および組織由来のRNAサンプルを含有しているマイクロタイタープレートを使用し、実時間定量PCR(RTQ PCR)を使用して評価した。RTQ PCRを、Applied Biosystems ABI PRISM(登録商標)7700またはABI PRISM(登録商標)7900 HT Sequence Detection Systemによって実施した。サンプルの種々の収集物をプレート上に組み立て、そしてパネル1(正常組織および癌細胞株を含む)、パネル2(正常供給源および癌供給源由来の組織から誘導されたサンプルを含む)、パネル3(癌細胞株を含む)、パネル4(正常組織由来の細胞および細胞株ならびに炎症状態に関連する細胞を含む)、パネル5D/5I(代謝疾患に対する重要性を有するヒト組織および細胞株を含む)、AI_包括的_パネル(正常組織および自己炎症疾患由来のサンプルを含む)、パネルCNSD.01(正常脳および疾患性の脳由来のサンプルを含む)、およびCNS_神経変性_パネル(正常脳およびアルツハイマー疾患の脳由来の中枢神経系サンプルを含む)と呼んだ。【0624】全てのサンプル由来のRNAの完全性を、ガイド(2:1〜2.5:1 28s:18s)として28Sおよび18SのリボソームRNA染色強度比を使用する、アガロースゲル電気泳動による目視評価、および分解産物の指標である低分子量RNAの非存在によって、品質を制御する。単一エキソンの長さを横切って増幅するように設計されたプローブおよびプライマーのセットを使用する、逆転写酵素の非存在下で行うRTQ PCR反応によって、サンプルを、ゲノムDNA混入に対して制御する。【0625】最初に、RNAサンプルを、参照核酸(例えば、構成的に発現される遺伝子(例えば、β−アクチンおよびGAPDH))に対して正規化した。正規化したRNA(5μl)をcDNAに変換し、そしてOne Step RT−PCR Master Mix Reagents(Applied Biosystems;カタログ番号4309169)および遺伝子特異的プライマーを使用し、製造業者の説明書に従って、RTQ−PCRによって分析した。【0626】他の場合において、正規化していないRNAサンプルを、製造業者の指示書に従って、Superscript II(Invitrogen Corporation;カタログ番号18064−147)およびランダムヘキサマーを使用して、一本鎖cDNA(sscDNA)に変換した。10μgまでの総RNAを含有する反応を、20μlの容量で行い、そして60分間42℃にてインキュベートした。この反応は、100μlの最終容量において50μgまでの総RNAにまでスケールアップされ得る。次いで、sscDNAサンプルを、製造業者の指示書に従って、1×TaqMan(登録商標)Universal Master mix(Applied Biosystems;カタログ番号4324020)を使用して、以前に記載されたような参照核酸に対して正規化する。【0627】プローブおよびプライマーを、入力として標的配列を使用して、Applied Biosystems Primer Express Softwareパッケージ(Apple ComputerのMacintosh Power PC用バージョンI)または類似のアルゴリズムに従って、それぞれのアッセイについて設計した。デフォルト設定を反応条件について使用し、そして以下のパラメーターを、プライマーの選択の前に設定した:プライマー濃度=250nM、プライマーの融点(Tm)範囲=58〜60℃、プライマーの最適TM=59℃、最大のプライマー差分=2℃、プローブは5’にGを有さず、プローブのTmはプライマーのTmよりも10℃高くなければならず、アンプリコンの大きさは75bpから100bpである。選択したプローブおよびプライマー(下記を参照のこと)を、Synthegen(Houston,TX,USA)によって合成した。プローブを、HPLCによって二重精製して、カップリングされなかった色素を除去し、そしてプローブの5’末端および3’末端に対する、それぞれ、レポーター色素およびクエンチャー色素のカップリングを確認するために、質量スペクトル分析によって評価した。それらの最終濃度は、順方向プライマーおよび逆方向プライマーについては、それぞれ900nMであり、そしてプローブについては、200nMであった。【0628】PCR条件:RNAサンプルを用いて研究する場合、各組織および各細胞株由来の正規化したRNAを、96ウェルまたは384ウェルのいずれかPCRプレート(Applied Biosystems)の各ウェルにスポットした。PCR混液は、単一の遺伝子特異的プローブおよびプライマーセット、または2つの多重化(multiplexed)プローブおよびプライマーセット(標的クローンに特異的なセットおよび標的プローブと多重化する別の遺伝子特異的セット)のいずれかを含有した。PCR反応を、TaqMan(登録商標)One−Step RT−PCR Master Mix(Applied Biosystems、カタログ番号4313803)を使用して、製造業者の指示書に従って設定した。逆転写を、48℃で30分間行い、続いて、以下のような増幅/PCRサイクルを行った:95℃で10分間、次いで、40サイクルの、95℃で15秒間、60℃で1分間。結果を、CT値(所定のサンプルが蛍光の閾値レベルを超えるサイクル)としてlogスケールを使用して記録し、ここで、所定のサンプルと最も低いCT値を有するサンプルとの間でのRNA濃度の差分を、2のΔCT乗として表す。次いで、相対的な発現の割合を、このRNA差分の逆数をとり、そして100を乗算することによって得る。【0629】sscDNAサンプルを用いて研究する場合、正規化したsscDNAを、RNAサンプルについて先に記載したように使用した。1セットまたは2セットのプローブおよびプライマーを含むPCR反応を、1×TaqMan(登録商標)Universal Master mix(Applied Biosystems;カタログ番号4324020)を使用して、製造業者の指示書に従って、先に記載したように設定した。PCR増幅を、以下のように行った:95℃で10分間、次いで、40サイクルの、95℃で15秒間、60℃で1分間。結果を、先に記載したように分析および評価した。【0630】(パネル1、1.1、1.2および1.3D)パネル1、1.1、1.2および1.3Dのプレートは、2つのコントロールウェル(ゲノムDNAコントロールおよび化学コントロール)および種々のサンプル由来のcDNAを含有する94個のウェルを含む。これらのパネルのサンプルは、2つのクラスに分類される:培養細胞株由来のサンプルおよび初代正常細胞由来のサンプル。これらの細胞株は、以下の型の癌に由来する:肺癌、乳癌、黒色種、結腸癌、前立腺癌、CNS癌、扁平上皮癌、卵巣癌、肝臓癌、腎臓癌、胃癌および膵臓癌。これらのパネルにおいて使用される細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(培養細胞株の寄託機関)から広く利用可能であり、ATCCによって推奨される条件を使用して培養された。これらのパネルにおいて見出される正常組織は、1人の成人個体または胎児の全ての主要な器官系由来のサンプルから構成される。これらのサンプルは、以下の器官由来である:成人の骨格筋、胎児の骨格筋、成人の心臓、胎児の心臓、成人の腎臓、胎児の腎臓、成人の肝臓、胎児の肝臓、成人の肺、胎児の肺、脳の種々の領域、脾臓、骨髄、リンパ節、膵臓、唾液腺、下垂体、副腎、脊髄、胸腺、胃、小腸、結腸、膀胱、気管、胸部、卵巣、子宮、胎盤、前立腺、精巣および脂肪。【0631】パネル1、1.1、1.2および1.3Dの結果においては、以下の略号を使用する:ca.=癌腫*=転移によって確立されたmet=転移s cell var=小細胞変異株non−s=non−sm=非小squam=扁平上皮細胞pl.eff=pl effusion=胸水glio=神経膠腫astro=星状細胞腫、およびneuro=神経芽細胞腫。【0632】(一般_スクリーニング_パネル_v1.4(General_screening_panel_v1.4))パネル1.4のプレートは、2つのコントロールウェル(ゲノムDNAコントロールおよび化学コントロール)および種々のサンプル由来のcDNAを含有する94個のウェルを含む。パネル1.4のサンプルは、2つのクラスに分類される:培養細胞株由来のサンプルおよび初代正常細胞由来のサンプル。この細胞株は、以下の型の癌に由来する:肺癌、乳癌、黒色種、結腸癌、前立腺癌、CNS癌、扁平上皮癌、卵巣癌、肝臓癌、腎臓癌、胃癌および膵臓癌。パネル1.4において使用される細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(培養細胞株の寄託機関)から広く利用可能であり、ATCCによって推奨される条件を使用して培養される。パネル1.4において見出された正常組織は、2〜5人の異なる成人個体または胎児の全ての主要な器官系由来のサンプルのプールから構成される。これらのサンプルは、以下の器官由来である:成人の骨格筋、胎児の骨格筋、成人の心臓、胎児の心臓、成人の腎臓、胎児の腎臓、成人の肝臓、胎児の肝臓、成人の肺、胎児の肺、脳の種々の領域、脾臓、骨髄、リンパ節、膵臓、唾液腺、下垂体、副腎、脊髄、胸腺、胃、小腸、結腸、膀胱、気管、胸部、卵巣、子宮、胎盤、前立腺、精巣および脂肪。略語は、パネル1、1.1、1.2および1.3Dについて記載される通りである。【0633】(パネル2Dおよび2.2)パネル2Dおよび2.2のプレートは、一般的には、2つのコントロールのウェルと94個の試験サンプルを含む。これは、National Cancer InstituteのCooperative Human Tissue Network(CHTN)またはNational Disease Research Initiative(NDRI)との緊密に協同して研究している、外科医の作業によって入手したヒト組織から単離したRNAまたはcDNAから構成される。組織は、ヒトの悪性腫瘍に由来し、そして示される場合、多くの悪性組織は、腫瘍にすぐ隣接している非癌性組織から得られる「整合された縁(matched margin)」を有する。これらを、正常隣接組織と呼び、そして以下の結果には「NAT」と記載する。腫瘍組織および「整合された縁」を、2人の別々の病理学者によって評価する(外科の病理学者、およびNDRIまたはCHTNの病理学者によって再度)。この分析は、腫瘍の分化の段階の全体的な組織病理学的評価を提供する。さらに、ほとんどのサンプルは、もともとの外科の病理報告を含む。これは、患者の臨床段階に関する情報を提供する。これらの整合された縁を、外科手術領域の周辺(すなわち、すぐ隣接している)組織(表RRにおいては正常な隣接組織を「NAT」と明示する)から採取する。さらに、RNAおよびcDNAサンプルを、高齢者または突然死の被害者(事故など)について行った検死に由来する種々のヒト組織から得た。これらの組織が疾患を有さないことを確認し、そしてこれを、Clontech(Palo Alto,CA)、Research Genetics、およびInvitrogenのような種々の商業的な供給元から購入した。【0634】(パネル3D)パネル3Dのプレートは、94個のcDNAサンプルおよび2個のコントロールサンプルを含む。詳細には、これらのサンプルのうちの92個は、培養されたヒトの癌細胞株に由来し、2個のサンプルはヒトの初代小脳組織であり、そして2つはコントロールである。ヒトの細胞株は、一般的には、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション)、NCI、またはGerman腫瘍細胞バンクから入手し、そして以下の組織グループに分ける:舌の扁平上皮細胞癌、乳癌、前立腺癌、黒色腫、類表皮癌腫、肉腫、膀胱癌、膵臓癌、腎臓癌、白血病/リンパ腫、卵巣/子宮/子宮頚癌、胃癌、結腸癌、肺癌、およびCNS癌細胞株。さらに、小脳の2つの独立したサンプルが存在する。これらの細胞の全てを、標準的な推奨される条件下で培養し、そして標準的な手順を使用してRNAを抽出した。パネル3Dおよび1.3Dの細胞株は、科学技術文献において使用される最も一般的な細胞株である。【0635】(パネル4D、4Rおよび4.1D)パネル4は、96ウェルプレート(2個のコントロールのウェル、94個の試験サンプル)上にサンプルを含む。これは、炎症状態に関連している種々のヒトの細胞株または組織から単離したRNA(パネル4R)またはcDNA(パネル4D/4.1D)から構成される。結腸および肺(Stratagene,La Jolla,CA)ならびに胸腺および腎臓(Clontech)のようなコントロールの正常組織に由来する総RNAを使用した。肝硬変患者由来の肝臓組織および狼瘡患者由来の腎臓に由来する総RNAを、BioChain(Biochain Institute,Inc.,Hayward,CA)から入手した。クローン病および潰瘍性大腸炎を有すると診断された患者からのRNAの調製のための腸組織を、National Disease Research Interchange(NDRI)(Philadelphia,PA)から入手した。【0636】星状細胞、肺繊維芽細胞、皮膚繊維芽細胞、冠状動脈平滑筋細胞、小気道上皮細胞、気管支上皮細胞、微小血管皮膚内皮細胞、微小血管肺内皮細胞、ヒトの肺大動脈の血管内皮細胞、ヒトの臍帯静脈の血管内皮細胞を、全て、Clonetics(Walkersville,MD)から購入し、そしてCloneticsによってこれらの細胞型に供給される培地中で増殖させた。これらの初代細胞型を、示すように、種々のサイトカインまたはサイトカインの組合せを用いて6時間および/または12〜14時間の間、活性化した。以下のサイトカインを使用した:約1〜5ng/mlのIL−1β、約5〜10ng/mlのTNFα、約20〜50ng/mlのIFNγ、約5〜10ng/mlのIL−4、約5〜10ng/mlのIL−9、約5〜10ng/mlのIL−13。内皮細胞を、時折、0.1%の血清を有するCloneticsによる基底培地中での培養によって種々の時間枯渇させた。【0637】単核細胞を、Ficollを使用して、CuraGen Corporationの従業員の血液から調製した。LAK細胞を、DMEM、5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco/Life Technologies,Rockville,MD)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)、およびインターロイキン2(Interleukin 2)中での4〜6日間の培養によって、これらの細胞から調製した。次いで、細胞を、10〜20ng/mlのPMA、および1〜2μg/mlのイオノマイシン、5〜10ng/mlのIL−12、20〜50ng/mlのIFNγ、および5〜10ng/mlのIL−18のいずれかで、6時間活性化した。いくつかの場合には、単核細胞を、約5μg/mlのPHA(フィトヘマグルチニン)またはPWM(アメリカヤマゴボウ有糸分裂促進物質)を含有する、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中で、4〜5日間培養した。RNAの調製のために、サンプルを24、48、および72時間で採取した。MLR(混合リンパ球反応)サンプルを、2人のドナーから採血し、Ficollを使用して単核細胞の単離し、および単離した単核細胞を、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール(5.5×10−5M)(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中において約2×106個の細胞/mlの最終濃度で1:1にて混合することによって得た。このMLRを培養し、そしてRNAの調製のために1〜7日までの範囲の種々の時点でサンプルを採取した。【0638】単球を、製造業者の説明書に従って、CD14 Miltenyi Beads、+veVS選択カラムおよびVario Magnetを使用して単核細胞から単離した。単球を、DMEM 5%のウシの胎児の血清(FCS)(Hyclone、Logan,UT)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)、50ng/mlのGMCSF、および5ng/mlのIL−4中での5〜7日間の培養によって樹状細胞に分化させた。マクロファージを、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、10mMのHepes(Gibco)、および10%のABヒト血清または約50ng/mlのMCSF中で5〜7日間の単球の培養によって調製した。単球、マクロファージおよび樹状細胞を、100ng/mlのリポポリサッカライド(LPS)で6時間および12〜14時間刺激した。樹状細胞をまた、10μg/mlの抗CD40モノクローナル抗体(Pharmingen)で6時間および12〜14時間刺激した。【0639】CD4リンパ球、CD8リンパ球およびNK細胞をまた、製造業者の説明書に従って、CD4、CD8およびCD56のMiltenyiビーズ、ポジティブVS選択カラム、およびVario Magnetを使用して単核細胞から単離した。CD45RAリンパ球およびCD45RO CD4リンパ球を、CD8、CD56、CD14およびCD19のMiltenyiビーズおよびポジティブ選択を使用して、CD8細胞、CD56細胞、CD14細胞およびCD19細胞の単核細胞を涸渇することによって単離した。次いで、CD45ROビーズを使用してCD45RO CD4リンパ球を単離し、残りの細胞はCD45RA CD4リンパ球であった。CD45RA CD4、CD45RO CD4およびCD8のリンパ球を、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中に入れ、そしてPBS中の0.5μg/mlの抗CD28(Pharmingen)および3μg/mlの抗CD3(OKT3、ATCC)で一晩コーティングしたFalcon 6ウェル組織培養プレート上に、106細胞/mlでプレートした。6時間および24時間後、細胞をRNAの調製のために回収した。慢性的に活性化されたCD8リンパ球を調製するために、本発明者らは、抗CD28および抗CD3でコーティングしたプレート上で4日間、単離したCD8リンパ球を活性化し、次いで細胞を回収して、それらをDMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)、ならびにIL−2中で増殖させた。次いで、再び、増殖したCD8細胞を、プレートに結合させた抗CD3および抗CD28で4日間活性化し、そして先のように拡大させた。RNAを2回目の活性化の6時間および24時間後、ならびに2回目の培養物の拡大の4日後に単離した。単離したNK細胞を、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)、ならびにIL−2中で、RNAを調製する前に4〜6日間培養した。【0640】B細胞を得るために、扁桃をNDRIから獲得した。扁桃を、滅菌した解剖用の鋏で切断し、次いで篩に通過させた。次いで、扁桃体の細胞をスピンダウンし、そしてDMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中に106個の細胞/mlで再懸濁した。細胞を活性化するために、本発明者らは、5μg/mlでPWM、または約10μg/mlで抗CD40(Pharmingen)および5〜10ng/mlでIL−4を使用した。細胞をRNAの調製のために、24、48、および72時間で回収した。【0641】初代Tr1細胞ならびに2代目Th1/Th2細胞およびTr1細胞を調製するために、6ウェルのFalconプレートを、10μg/mlの抗CD28(Pharmingen)および2μg/mlのOKT3(ATCC)で一晩コーティングし、次いでPBSで2回洗浄した。臍帯血CD4リンパ球(Poietic Systems,German Town,MD)を、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、10mMのHepes(Gibco)、およびIL−2(4ng/ml)中で105〜106個の細胞/mlで培養した。IL−12(5ng/ml)および抗IL−4(1μg/ml)を、Th1に指向させるために使用し、一方で、IL−4(5ng/ml)および抗IFNγ(1μg/ml)をTh2に指向させるために使用し、そして5ng/mlのIL−10をTr1に指向させるために使用した。4〜5日後、活性化させたTh1リンパ球、Th2リンパ球およびTr1リンパ球を、DMEM中で1回洗浄し、そしてDMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、10mMのHepes(Gibco)、およびIL−2(1ng/ml)中で4〜7日間増殖させた。この後、活性化させたTh1リンパ球、Th2リンパ球、およびTr1リンパ球を、抗CD28/OKT3および上記のようなサイトカインを用いて、しかしアポトーシスを防ぐために抗CD95L(1μg/ml)を添加して、5日間再刺激した。4〜5日後、Th1リンパ球、Th2リンパ球およびTr1リンパ球を洗浄し、次いで再び、IL−2を用いて4〜7日間増殖させた。活性化させたTh1リンパ球およびTh2リンパ球を最大3回のサイクルまで、この方法で維持した。RNAを、プレートに結合させた抗CD3 mAbおよび抗CD28 mAbでの2回目および3回目の活性化の6時間および24時間後、ならびにインターロイキン2中での2回目および3回目の増殖培養の4日目に、初代および2代目Th1、Th2およびTr1から調製した。【0642】以下の白血球株をATCCから入手した:Ramos、EOL−1、KU−812。EOL細胞を、5×105個の細胞/mlの0.1mMのdbcAMP中での8日間の培養、3日毎の培地の交換、および5×105個の細胞/mlへの細胞濃度の調節によってさらに分化させた。これらの細胞の培養のために、本発明者らは、5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、10mMのHepes(Gibco)を添加した、(ATCCによって推奨されるような)DMEMまたはRPMIを使用した。RNAを、休止細胞または10ng/mlのPMAおよび1μg/mlのイオノマイシンで6時間および14時間活性化した細胞のいずれかから調製した。ケラチノサイト株CCD106および気道上皮腫瘍株NCI−H292もまたATCCから入手した。両方を、DMEM 5%のFCS(Hyclone)、100μMの非必須アミノ酸(Gibco)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco)、5.5×10−5Mのメルカプトエタノール(Gibco)、および10mMのHepes(Gibco)中で培養した。CCD1106細胞を、約5ng/mlのTNFαおよび1ng/mlのIL−1βで6時間および14時間活性化し、一方、NCI−H292細胞を、以下のサイトカインを用いて6時間および14時間活性化した:5ng/mlのIL−4、5ng/mlのIL−9、5ng/mlのIL−13、および25ng/mlのIFNγ。【0643】これらの細胞株および血液細胞について、約107個の細胞/mlをTrizol(Gibco BRL)を使用して溶解させることによってRNAを調製した。簡潔には、1/10容量のブロモクロロプロパン(Molecular Research Corporation)をRNAサンプルに添加し、ボルテックスし、そして室温で10分後、チューブをSorvall SS34ローターで14,000rpmで回転させた。水相を採取し、そして15mlのFalcon Tubeに入れた。等量のイソプロパノールを添加し、そして−20℃で一晩静置した。沈殿させたRNAをSorvall SS34ローター中で9,000rpmで15分間スピンダウンさせ、そして70%のエタノール中で洗浄した。このペレットを300μlのRNAseを含まない水中に再度溶解させ、そして35μlの緩衝液(Promega)、5μlのDTT、7μlのRNAsin、および8μlのDNAseを添加した。チューブを、混入しているゲノムDNAを除去するために37℃で30分間インキュベートし、フェノールクロロホルムで1回抽出し、そして1/10容量の3Mの酢酸ナトリウムおよび2倍容量の100%エタノールで再度沈殿させた。RNAをスピンダウンさせ、そしてRNAseを含まない水中に入れた。RNAを−80℃で保存した。【0644】(AI_包括的パネル_v1.0)AI_包括的パネル_v1.0のプレートは、2個のコントロールのウェルおよび89個の試験サンプルを含む。これは、Backus Hospital and Clinomics(Frederick,MD)から入手した外科的な死後のヒト組織から単離されたcDNAを含む。総RNAを、CuraGenの施設にあるBackus病院からの組織サンプルから抽出した。他の組織由来の総RNAを、Clinomicsから入手した。【0645】滑液、滑膜、骨および軟骨を含む関節組織を、Backus病院で全ての膝または股関節部の置換手術を経験した患者から入手した。組織サンプルは、単離されたRNAが最適な量で、分解されないことを確実にするように液体窒素中で瞬時に冷凍した。変形性関節症および慢性関節リウマチ結合組織のさらなるサンプルが、Clinomicsから入手された。正常なコントロール組織がClinomicsによって供給され、そして外傷犠牲者の死体解剖の間に得られた。【0646】乾癬組織の外科検体および隣接一致組織がClinomicsによって総RNAとして提供された。二人の男性患者および二人の女性患者が、25歳と47歳の間で選択された。この患者は、サンプルが単離された時に薬剤を投与されていない。【0647】潰瘍性大腸炎およびクローン病に罹患した患者由来の罹患した結腸の外科検体および隣接一致組織が、Clinomicsから入手された。41歳〜69歳の三人の女性クローン病患者および3人の男性クローン病患者由来の腸組織が使用された。二人の患者が処方箋を必要とする薬を摂取しなかったが、他の患者はデキサメタゾン、フェノバルビタール、またはタイレノールを摂取した。潰瘍性大腸炎組織は、三人の男性患者および四人の女性患者由来である。その患者のうちの四人は、レブビド(lebvid)を摂取し、二人は、フェノバルビタールを摂取した。【0648】疾患を有さないか、あるいは気腫、ぜん息またはCOPDを有する外傷犠牲者からの死後の肺組織由来の総RNAを、Clinomicsから購入した。気腫患者は、40歳〜70歳の範囲であり、全てが喫煙者であり、この年齢範囲は、タバコ関連肺気腫の患者に焦点を当て、α−1アンチトリプシン欠乏の患者を避けるように選択した。ぜん息患者は、36歳〜75歳の範囲であり、COPDも有し得る患者であることを避けるために喫煙者を除いた。COPD患者は、35歳〜80歳の範囲であり、喫煙者と非喫煙者の両方を含んだ。ほとんどの患者が副腎皮質ステロイド、および気管支拡張薬を摂取していた。【0649】AI_包括的パネル_v1.0パネル中の組織を同定するために使用した標識には、以下の略号を使用した:AI=自己免疫Syn=滑液Normal=見かけ上の疾患なしRep22/Rep20=個々の患者RA=慢性関節リウマチBackus=Backus病院由来OA=変形性関節症(SS)(BA)(MF)=個々の患者Adj=隣接組織Match control=隣接組織−M=男性−F=女性COPD=慢性閉塞性肺疾患。【0650】(パネル5Dおよび5I)パネル5Dおよび5Iのプレートは、代謝病に重点をおいて、2個のコントロールウェルおよびヒト組織から単離された種々のcDNAおよび細胞株を含む。代謝組織は、妊娠糖尿病研究に登録された患者から得られた。細胞は、ヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞の分化における異なる段階の間に得られた。ヒト膵臓島もまた得られた。【0651】妊娠糖尿病研究において、被験体は若く(18歳〜40歳)、慣用的な(選択的な)帝王切開を受ける妊娠糖尿病に罹患しているかまたは罹患していない、その他の点では健常な女性である。胎児の分娩後、外科的切開が修復され/閉じられる時に、産科医は、各外科的レベルの閉鎖の間に、曝露された代謝組織の小さなサンプル(1cc未満)を取り出した。バイオプシー物質を、滅菌生理食塩水でリンスし、ブロットし、そして、組織の除去から5分以内に高速凍結した。次いで、この組織を、液体窒素中で瞬間凍結し、そして、滅菌ネジ蓋管中に個々に保存し、そして、輸送のためにドライアイス上で維持され、そして、CuraGenによって回収された。目的の代謝組織としては、子宮壁(平滑筋)、内臓脂肪、骨格筋(腹直筋)、および皮下脂肪が挙げられる。患者の記述は、以下の通りである:患者2:ラテンアメリカ系糖尿病患者、体重超過、インスリンなし患者7〜9:非糖尿病の白人、肥満(BMI>30)患者10:ラテンアメリカ系糖尿病患者、体重超過、インスリン投与患者11:非糖尿病のアメリカ黒人、体重超過患者12:ラテンアメリカ系糖尿病患者、インスリン投与。【0652】脂肪細胞分化は、Osirus(Clonetics/BioWhittakerの部門)から入手されたドナー前駆体細胞において、2つの複製のみ有したドナー3Uを除いて、三連で誘導された。Cloneticsの科学者は、CuraGenのために、Mark F.Pittengerら、Multilineage Potential of Adult Human Mesenchymal Stem Cell Science 1999年4月2日:143−147において見出される公開されたプロトコルに基づいてヒト間葉幹細胞(HuMSC)を単離し、増殖および分化させた。Cloneticsは、mRNA単離およびds cDNA生成に適切なトリゾール溶解物または凍結ペレットを提供した。各ドナーの一般的な記載は、以下のとおりである:ドナー2および3U:間葉幹細胞、未分化の脂肪ドナー2および3AM:脂肪、分化中の脂肪ドナー2および3AD:脂肪、分化された脂肪。【0653】ヒトの細胞株を、一般的には、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション)、NCI、またはGerman腫瘍細胞バンクから入手し、そして以下の組織グループに分けた:近位曲尿細管、子宮平滑筋、小腸、肝臓HepG2癌細胞、心臓初代基質細胞、および副腎皮質腺種細胞。これらの細胞は、全て標準の推奨条件下において培養され、そしてRNAは、標準の手順を用いて抽出された。全てのサンプルを、一本鎖cDNAを生成するためにCuraGenで処理した。【0654】パネル5Iは、University of Miami School of MedicineにおけるDiabetes Research Instituteから入手した58歳の女性患者由来の膵臓島を追加した、前に記載した全てのサンプルを含む。島組織は、外部供給元において総RNAに処理され、そしてパネル5Iに加えるためにCuraGenに送られた。【0655】5Dおよび5Iのパネル中の組織を同定するために使用された標識では、以下の略号が使用される:GO Adipose=大網脂肪SK=骨格筋UT=子宮PL=胎盤AD=分化した脂肪AM=中程度に分化した脂肪U=未分化の幹細胞(パネルCNSD.01)パネルCNSD.01についてのプレートは、2個のコントロールウェル、およびHarvard Brain Tissue Resource Centerから得られる死後のヒト脳組織から単離されたcDNAから構成される94個の試験サンプルを含む。脳は、死後4時間〜24時間の間に、ドナーの頭蓋冠から除去され、神経解剖学者によって切片化され、−80℃の液体窒素蒸気中で凍結される。全ての脳は、切片化され、神経病理学者によって試験されて、神経病理学に明確に関連する診断を確認される。【0656】疾患の診断を、患者の記録から得る。このパネルは、以下の各診断由来の2つの脳を含む:アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、進行性核上麻痺、抑うつ症、および「正常なコントロール」。これらの各脳の中で、以下の領域が表示される:帯状回、大脳側頭極、淡蒼球(globus palladus)、黒質、ブロードマン野4(初期運動性細片)、ブロードマン野7(頭頂葉皮質)、ブロードマン野9(プレ前頭皮質)、およびブロードマン野17(後頭葉皮質)。全ての脳の領域が全ての場合において示されるわけではなく、例えば、ハンティングトン病は、淡蒼球における神経変性によって部分的に特徴付けられ、従って、この領域を、ハンティングトンと確認されたケースから得ることは不可能である。パーキンソン病も同様に、この領域をより入手困難にする黒質の変性によって、特徴付けられる。正常なコントロールの脳は、神経生理学について試験され、神経変性と一致する任意の病理学がないことが見出された。【0657】CNSパネル中の組織を同定するために使用された標識では、以下の略号が使用される。PSP=進行性核上麻痺Sub Nigra=黒質Glob Palladus=淡蒼球(Globus palladus)Temp Pole=大脳側頭極Cing Gyr=帯状回BA4=ブロードマン野4(パネルCNS_神経変性_V1.0(Panel CNS_Neurodegeneration_V1.0))パネルCNS_神経変性_V1.0についてのプレートは、2個のコントロールウェル、ならびにHarvard Brain Tissue Resource Center(McLean Hospital)およびHuman Brain and Spinal Fluid Resource Center(VA Greater Los Angeles Healthcare System)から得られた、死後のヒト脳組織から単離されたcDNAから構成される47個の試験サンプルを含む。脳は、死後4時間〜24時間の間に、ドナーの頭蓋冠から除去され、神経解剖学者によって切片化され、−80℃の液体窒素蒸気中で凍結される。全ての脳は、切片化され、神経病理学者によって試験され、神経病理学に明確に関連する診断を確認される。【0658】疾患の診断を患者の記録から得る。このパネルは、アルツハイマー病(AD)患者由来の6個の脳、および死の前に痴呆の症候を示さない「正常な(Normal)コントロール」由来の8個の脳を含む。8個の正常なコントロールの脳は、2つのカテゴリーに分けられる:痴呆もアルツハイマー様病理学も有さないコントロール(コントロール)、および痴呆は有さないが重篤なアルツハイマー様病理学の症候を有するコントロール(特に、0〜3のスケールにおけるレベル3として評価される老人斑負荷;0=斑の症候なし、3=重篤なAD老人斑負荷)。これらの各脳の中で、以下の領域が示される:海馬、側頭皮質(ブロードマン野21)、頭頂葉皮質(ブロードマン野7)、および後頭葉皮質(ブロードマン野17)。これらの領域は、ADにおける全てのレベルの神経変性を含むように選択された。海馬は、ADにおける、初期の神経損失および重篤な神経損失の領域であり;側頭皮質は、海馬の後で、ADにおける神経変性を示すことが知られており;頭頂葉皮質は、この疾患の後期段階における中程度の神経死を示し、後頭葉皮質は、ADでは生存し、従って、AD患者において、「コントロール」領域として作用する。全ての脳の領域が、全ての場合において示されるわけではない。【0659】CNS_神経変性_V1.0パネル中の組織を同定するために使用された標識にでは、以下の略号が使用される。AD=アルツハイマー病の脳;患者は、痴呆になり、検死の際にAD様の病理学を示したControl=コントロールの脳;患者は、痴呆にならず、何ら病理学を示さなかったControl(Path)=コントロールの脳;患者は、痴呆にならないが、重篤なAD様の病理学を示したSup Temporal Ctx=上側頭皮質Inf Temporal Ctx=下側頭皮質(A.NOV3(NOV3aおよびNOV3b):B7−H2)NOV3遺伝子(CG55790−03およびCG55790−04)の発現を、表19、20および21に記載される、プライマー−プローブセットAg2589、Ag2621およびAg2915を使用して評価した。RT−PCR実行の結果を、表22、23、24および25に示す。【0660】【表19】【0661】【表20】【0662】【表21】【0663】【表22−1】【0664】【表22−2】【0665】【表23−1】【0666】【表23−2】【0667】【表23−3】【0668】【表23−4】【0669】【表24−1】【0670】【表24−2】【0671】【表25−1】【0672】【表25−2】【0673】【表25−3】(CNS_神経変性_V1.0の要約)Ag2589/Ag2621/Ag2915 同じプローブおよびプライマーのセットを用いた複数の実験の生成する結果は、非常によく一致する。全ての場合において、NOV3a遺伝子の発現は、非痴呆性コントロールと比較する場合、アルツハイマー病患者の側頭皮質で、アップレギュレートされる。この違いは、共変量としてRNAの質および/または量全てを使用して、データがANCOVAを介して分析される場合に、明らかである。この遺伝子のアップレギュレーションは、Ag1845によって検出される改変体において最も明らかである。側頭皮質は、この疾患の中間段階で変性を示す領域である。従って、ADにおいて、死期まで多くのニューロンがすでに失われている海馬および内側嗅皮質とは対照的に、神経変性の現象が、この領域で捕捉されたようである。さらに、神経変性がアルツハイマー病で生じない)後頭皮質において、この遺伝子は、同一の患者においてアップレギュレートされないことが見出される。合わせると、これらのデータは、この遺伝子が少なくともアルツハイマー様神経変性のマーカーであり、神経変性の過程におそらく関与することを示唆する。【0674】さらに、この遺伝子は、B7タンパク質の形態(B7−H2B)であり、このタンパク質は、炎症において役割を果たす。神経炎症は、過去の研究において、抗炎症剤の長期の使用が、アルツハイマーの発病率の減少と関連したという点で、ADに関与している。従って、この遺伝子は、アルツハイマー病、および他の任意の神経炎症状態の処置についての優れた薬物標的を表す。【0675】(パネル1.3Dの要約)Ag2589/Ag2621/Ag2915 同じプローブおよびプライマーのセットを用いた複数の実験は、非常によく一致する結果を生成する。NOV3a遺伝子の最大の発現は、脳、胎児腎臓、および乳癌細胞株において見られる。【0676】CNSパネルにおける発現は、CNSにおけるこの遺伝子の発現を確認する。中枢神経系におけるこの遺伝子の有用性の議論については、パネル、CNS_神経変性を参照して下さい。【0677】成人の骨格筋(CT=33〜35)における発現と比較した場合、より高いレベルの発現がまた、胎児骨格筋(CT=29〜30)において、一貫して見られる。従って、NOV3a遺伝子の発現を使用して、この組織の成人供給源と胎児供給源との間で区別し得る。【0678】NOV3a遺伝子産物はまた、膵臓、副腎、甲状腺、下垂体、成人肝臓および胎児肝臓、成人心臓および胎児心臓、ならびに脂肪で中程度に発現される。代謝性組織におけるその発現プロフィールに基づいて、この遺伝子産物は、肥満および糖尿病を含む代謝性疾患の診断および/または治療において、有用であり得る。【0679】(パネル2.2の要約)Ag2621 NOV3a遺伝子の発現は、正常腎臓縁(CT=29.1)由来のサンプルにおいて最大であるようである。さらに、いくつかの腎臓癌サンプルに関連する実質的な発現が、存在するようである。従って、この遺伝子の発現を使用して、このパネルにおける他のサンプルからこの正常腎臓サンプルを区別し得る。さらに、低分子薬物、タンパク質治療剤または抗体の使用を介する、この遺伝子の治療的調節は、腎臓癌の処置に対して有益であり得る。【0680】(パネル4Dの要約)Ag2589/Ag2621/Ag2915 NOV3a転写物は、活性化EOL細胞、活性化した肺および皮膚の微小血管内皮、活性化ヒト肺動脈内皮細胞、ならびにTNFα活性化ヒト臍静脈内皮細胞で高度に発現される。NOV3aは、B7−H2をコードし、このB7−H2は抗原提示において重要であることが示された。このB7−H2は、ICOSに対するリガンドであり、同時刺激分子を提供する(Ref.1〜2)。従って、NOV3aタンパク質産物を使用して設計されたモノクローナル抗体治療薬は、抗原提示を減少または阻害し得、そしてT細胞が、慢性的に刺激される喘息のような疾患の処置において重要であり得る。【0681】(参考文献)Ling V,Wu PW,Finnerty HF,Bean KM,Spaulding V,Fouser LA,Leonard JP,Hunter SE,Zollner R,Thomas JL,Miyashiro JS,Jacobs KA,Collins M.Cutting edge:identification of GL50,a novel B7−like protein that functionally binds to ICOS receptor.J Immunol 2000 Feb 15;164(4):1653−7分泌タンパク質をコードするマウスcDNAの遺伝的選択によって、B7hと同一の322aaのポリペプチドをコードする、マウスGL50(mGL50)と名づけられるB7様cDNAクローンを単離した。このcDNAのヒトオルソログ(hGL50)の単離は、mGL50と42%の配列同一性を有する309aa残基のコード配列を示した。ノザン分析は、GL50が、リンパ球サンプル、胚卵黄嚢サンプル、および胎児肝臓サンプルを含む多くの組織において存在することを示した。試験されたCD28、CTLA4、およびICOS融合構築物の中で、フローサイトメトリー分析によって、マウスICOS−IgGのみがmGL50細胞トランスフェクト物に結合することが示された。続く表現型決定によって、高レベルのICOSリガンドが脾臓性CD19+B細胞上で染色し、低レベルのICOSリガンドがCD3+T細胞上で染色することが示された。これらの結果は、GL50が、ICOSレセプターに対する特異的なリガンドであることを示し、そしてGL50−ICOS相互作用が、リンパ球の同時刺激において機能することを示唆する。【0682】Wang S,Zhu G,Chapoval AI,Dong H,Tamada K,Ni J,Chen L.Costimulation of T cells by B7−H2,a B7−like molecule that binds ICOS.Blood 2000 Oct 15;96(8):2808−13。【0683】この報告は、B7−H2と称される新たなヒトB7様遺伝子を記載する。B7−H2タンパク質の細胞表面発現は、単球由来未成熟樹状細胞で検出される。可溶性B7−H2と免疫グロブリン(Ig)との融合タンパク質(B7−H2Ig)は、活性化T細胞を結合するが、休止T細胞を結合せず、そしてこの結合は、誘導性の同時刺激因子Ig(ICOSIg)によって阻害されるが、CTLA4Igによっては阻害されない。さらに、ICOSIgは、B7−H2遺伝子でトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣細胞を染色する。CD3の最適下限の架橋によって、B7−H2IgによるT細胞増殖の同時刺激は、用量依存性であり、そしてインターロイキン(IL)−2の分泌と相関するが、最適なCD3連結は、IL−10産生を優先的に刺激する。この結果は、B7−H2がICOS T細胞分子に対する推定のリガンドであることが示す。(Blood.2000;96:2808−2813)PMID:11023515(B.NOV4a:B7−H1)NOV4a遺伝子(CG56110−01)の発現は、表26に記載されるプライマー−プローブセットAg1544を使用して評価された。RTQ−PCR実行の結果は、表27、28、29および30に示される。【0684】【表26】【0685】【表27−1】【0686】【表27−2】【0687】【表28−1】【0688】【表28−2】【0689】【表29】【0690】【表30】(パネル1.2概要):Ag1544 NOV4a遺伝子は、心臓において最も高く発現する(CT=23.4)。この遺伝子はまた、いくつかの他の内分泌/代謝関連組織(副腎、腎臓、肝臓、骨格筋、および小腸を含む)における中程度から高いレベルでの発現を有する。従って、この遺伝子および/または遺伝子産物に対する治療モジュレーターは、内分泌/代謝器官の疾患の処置に有用であり得る。【0691】このNOV4a遺伝子の発現は、海馬、視床および大脳皮質における発現を確認する。中枢神経系におけるこの遺伝子の有用性の議論については、パネル1.3Dを参照して下さい。【0692】さらに、3つの肺癌細胞株に関連する実質的な発現が存在する。従って、このNOV4aの発現は、心臓組織を、このパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤を介するこの遺伝子の治療的調節は、肺癌の処置に有益であり得る。【0693】(パネル1.3D概要):Ag1544 NOV4a遺伝子の発現は、胃癌細胞株(NCI−H87)由来のサンプルにおいて最も高いようである(CT=27.3)。さらに、肺癌細胞株、乳癌細胞株および胎盤組織において見出される(forund)実質的な発現が存在する。従って、この遺伝子の発現は、NCI−H87細胞を、このパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤の使用によるこの遺伝子の治療的調節は、肺癌または乳癌の処置に有益であり得る。【0694】(パネル2D概要):Ag1544 NOV4a遺伝子の発現は、パネル2Dにおける2つの独立した実行によって評価され、これらの実行間に非常に良好な一致を伴った。この2つの実行において、サンプル由来の膀胱癌組織および肺組織に関連する高い発現が存在する。従って、このNOV4a遺伝子の発現は、これらのサンプルとこのパネル中の残りのサンプルとの間を区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤の使用によるこの遺伝子の治療的調節は、膀胱癌または肺癌の処置に有益であり得る。【0695】(パネル4.1D概要):Ag1544 このNOV4a転写物は、LAK細胞において発現され、そしてPMA/イオノマイシンで活性化されたLAK細胞、LPSで処理された樹状細胞、LPSで処理された単球、γインターフェロン処理されたHUVEC細胞ならびにTNFαおよびIL−1βで処理されたケラチノサイトにおいて誘導される。この転写物は、B7−H1のより小さいアイソフォーム、抗原掲示コレセプターをコードする。B7−H1は、T細胞上のPD−1リガンドに結合し、T細胞の活性化およびIL−10の産生をもたらす。抗体、またはB7−H1を用いて設計された他の型の治療剤は、T細胞の活性化をブロックし得、ぜん息、乾癬、IBDおよび関節炎のようなT細胞媒介性の疾患の処置において特に重要である。あるいは、アゴニスト治療剤は、NOV4aタンパク質を用いて設計され得、そしてアジュバンドまたは免疫調節特性を有し得る。【0696】(参考文献)Dong H、Zhu G、Tamada K、Chen L.B7−H1,a third member of the B7 family,co−stimulates T−cell proliferation and interleukin−10 secretion.Nat Med 1999 Dec;5(12):1365−9。【0697】B7ファミリーのメンバーであるB7−1およびB7−2は、CD28と相互作用し、そして抗原特異的な体液性免疫応答および細胞媒介性免疫応答の開始において必須のT細胞の同時刺激経路を構築する。ここで、本発明者らは、B7ファミリーの第3のメンバー(B7−H1と呼ばれる)が、CD28、細胞傷害性Tリンパ球A4またはICOS(誘導性同時刺激因子)を結合しないことを記載する。B7−H1の連結は、ポリクローナル刺激および同種抗原に対するT細胞応答を同時刺激し、そしてインターロイキンー10の産生を優先的に刺激した。インターロイキンー2は、少量しか産生されなかったが、B7−H1同時刺激の効果に必要とされた。従って、本発明者らの研究によって、以前に未知であった、細胞媒介性免疫応答のネガティブな調節に関与し得る同時刺激分子が、規定された。【0698】PMID:10581077(C.NOV4b):NOV4aのスプライシング改変体、B7H1NOV4b遺伝子(CG56110−04)の発現を、表31に記載されるプライマー−プローブセット(Ag5282)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を表32、33および34に示す。【0699】【表31】【0700】【表32】【0701】【表33】【0702】【表34】(CNS_nerodegeneration_v1.0 概要):Ag5282 このNOV4b遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプルにおいて低いかまたは検出できない(CT>35)。(データは示さず)。【0703】(General_screening_panel_v1.5 概要):Ag5282 NOV4b遺伝子の発現は、胃癌細胞株(NCI−H87)由来のサンプルにおいて最も高いようである(CT=31)。該して、パネル1.5の残りのサンプルにおいて、相対的に低い発現が存在する。従って、この遺伝子の発現は、NCI−H87細胞をこのパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得た。【0704】(パネル4.1D 概要):Ag5282 NOV4b転写物は、このパネル中の正常な組織サンプル中では発現しない。この転写物は、LAK細胞中に発現され、そしてPMA/イオノマイシンで活性化されたLAK細胞、LPSで処理された樹状細胞、LPSで処理された単球、γインターフェロン処理されたHUVEC細胞ならびにTNFαおよびIL−1βで処理されたケラチノサイトおいて誘導される。このNOV4b転写物は、B7−H1のより小さいアイソフォーム、抗原掲示コレセプターをコードする。B7−H1は、T細胞上のPD−1リガンドに結合し、そしてT細胞の活性化およびIL−10の産生をもたらす。抗体、またはB7−H1で設計された他の型の治療剤は、T細胞の活性化をブロックし、ぜん息、乾癬、IBDおよび関節炎のようなT細胞媒介性の疾患の処置において特に重要である。あるいは、アゴニスト治療剤は、このタンパク質を用いて設計され得、そしてアジュバンドのような特性を有し得る。【0705】(参考文献):Dong H、Zhu G、Tamada K、Chen L.B7−H1,a third member of the B7 family,co−stimulates T−cell proliferation and interleukin−10 secretion.Nat Med 1999 Dec;5(12):1365−9。【0706】このB7ファミリーのメンバーであるB7−1およびB7−2は、CD28と相互作用し、そして抗原特異的な体液性免疫応答および細胞媒介性免疫応答の開始において必須のT細胞の同時刺激経路を構築する。ここで、本発明者らは、B7ファミリーの第3のメンバー(B7−H1と呼ばれる)が、CD28、細胞傷害性Tリンパ球A4またはICOS(誘導性同時刺激物質)を結合しないことを記載する。B7−H1の連結は、ポリクローナル刺激および同種抗原に対するT細胞応答を同時刺激し、そしてインターロイキンー10の産生を優先的に刺激した。インターロイキンー2は、少量しか産生されなかったが、B7−H1同時刺激の効果に必要とされた。従って、本発明者らの研究によって、以前に未知であった、細胞媒介性免疫応答のネガティブな調節に関与し得る同時刺激分子が、規定された。【0707】PMID:10581077(D.NOV5a):プロスタシンNOV5a遺伝子(CG56142−01)の発現は、表35に記載されるプライマー−プローブセット(Ag2888)を使用して評価された。RTQ−PCR実行の結果を表36、37および38に示す。【0708】【表35】【0709】【表36】【0710】【表37】【0711】【表38】(パネル1.3D概要):Ag2888 NOV5a遺伝子の発現は、パネル1.3Dにおける2つの独立した実行において評価された。この遺伝子の発現は、結腸癌由来のサンプルに対して最も高くそしてほとんど排他的であるようである(CT=31)。従って、このNOV5a遺伝子の発現は、このサンプルをこのパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤の使用によるこの遺伝子の治療的調節は、結腸癌の処置に有益であり得る。【0712】(パネル2D概要):Ag2888 NOV5a遺伝子の発現は、結腸癌由来のサンプルに対して最も高くそしてほとんど排他的であるようである(CT=30)。この発現は、パネル1.3Dにおける発現と一致する。従って、このNOV5a遺伝子の発現は、このサンプルをこのパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤の使用によるこの遺伝子の治療的調節は、結腸癌の処置に有用であり得る。【0713】(パネル3D概要):Ag2888 NOV5a遺伝子の発現は、胃癌細胞株由来のサンプルに対して最も高くそしてほとんど排他的であるようである(CT=34.1)。従って、この遺伝子の発現は、このサンプルをこのパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤の使用によるNOV5a遺伝子の治療的調節は、胃癌の処置に有益であり得る。【0714】(パネル4D概要):Ag2888 NOV5a遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプルにおいて低いかまたは検出できない(CT>35)。(データは示さず)。【0715】(E.NOV5b):プロスタシンNOV5b遺伝子(CG56142−02)の発現を、表39に記載されるプライマー−プローブセット(Ag4095)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を表40、41および42に示す。【0716】【表39】【0717】【表40】【0718】【表41】【0719】【表42】(CNS_nerodegeneration_v1.0 概要):Ag4095 NOV5b遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプルにおいて低いかまたは検出できない(CT>35)。(データは示さず)。【0720】(General_screening_panel_v1.4 概要):Ag4095 NOV5b遺伝子の発現は、結腸癌細胞株由来のサンプルに対して最も高くそしてほとんど排他的であるようである(CT=27)。従って、この遺伝子の発現は、この結腸癌サンプルをこのパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、タンパク質治療剤または抗体の使用によるNOV5b遺伝子の治療的調節は、結腸癌の処置に有益であり得る。【0721】(パネル4.1D概要):Ag4095 NOV5b遺伝子(プロスタシンホモログ)は、休止している好中球においてほとんど排他的に発現される。この発現は、TNF−α+LPSによって活性化された好中球中でほとんどバックグラウンドレベルにまで減少される(CT=34.18)。この発現プロファイルは、NOV5b遺伝子によってコードされるセリンプロテイナーゼホモログが、休止している好中球によって産生されるが、活性化された好中球によっては産生されないことを示唆する。従って、このNOV5b遺伝子産物は、これらの炎症性細胞の活性化を軽減し得、そしてクローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患、ぜん息、気腫、リウマチ様動脈炎、エリテマトーデスまたは乾癬を伴う患者の症状を軽減または除去するためのタンパク質治療剤として有用である。【0722】さらに、低分子のNOV5b遺伝子産物または抗体アンタゴニストのNOV5b遺伝子産物は、AIDSまたは他の免疫欠損を伴う患者における免疫応答を増加するのに効果的であり得る。【0723】(F.NOV6(NOV6a、NOV6bおよびNOV6c)):リソソーマル酸リパーゼ前駆体NOV6a遺伝子およびNOV6b遺伝子(CG50159−01およびCG50159−02)の発現を表43、44、45、46、47および48に記載されるプライマー−プローブセット(Ag1456、Ag2466、Ag2132、Ag2444、Ag1899およびAg2059)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を、表52、53、および54に示す。プローブおよびプライマーセット(Ag2059、Ag2132、Ag2444、Ag2446)は、NOV6b改変体に対応しないことに注意して下さい。表49に記載されるプローブおよびプライマーセット(Ag2919)は、NOV6aに対応しない。NOV6c(CG50159−04)は、プローブおよびプライマーセット(Ag2059およびAg2132)に一致しない。表51および50に記載されるプローブおよびプライマーセット(Ag2131およびAg6048)は、NOV6cに排他的である。これらの排除は、以下に示される発現結果または発現分析を変化しない。【0724】【表43】【0725】【表44】【0726】【表45】【0727】【表46】【0728】【表47】【0729】【表48】【0730】【表49】【0731】【表50】【0732】【表51】【0733】【表52】【0734】【表53】【0735】【表54】【0736】【表55】【0737】【表56】(AI_comprehensive panel_v1.0 概要):Ag1456 NOV6a転写物の最も高い発現は、クローン病または潰瘍性大腸炎に罹患した組織に隣接する正常な結腸組織において見出される(CT=33)。この転写物は、パネル1.2Dおよび2Dにおける正常な結腸においてもまた見出される。このNOV6a転写物は、罹病結腸において下方制御されるようであり、この遺伝子またはそのタンパク質産物の、タンパク質治療剤の使用による発現または機能の治療的調節は、この組織の正常な恒常性を調節し得、そして炎症性腸疾患の処置に有益であり得る。【0738】(CNS_nerodegeneration_v1.0 概要):Ag2446 NOV6a遺伝子の発現は、このこのパネル中の全てのサンプルにおいて低いかまたは検出できない(CT>35)。ampプロットは、この実験においてプローブの不全が存在し得たことを示す。(データは示さず)。【0739】(パネル1.2 概要):Ag1456 NOV6a遺伝子の最も高い発現は、骨髄において検出される(CT=28.9)。さらに、心臓(CT=31.2)と胎児心臓組織(CT=36.2)との間の発現の差異は、このパネルにおいて有意である。従って、NOV6a遺伝子の発現は、骨髄をこのパネル中の他のサンプルと区別するのに使用され得る。さらに、この遺伝子の発現は、成人心臓組織を胎児心臓組織と区別するのに使用され得る。【0740】NOV6a遺伝子はまた、代謝機能を有する多くの組織(心臓、胎児肝臓および成人肝臓、骨格筋ならびに副腎を含む)において発現する。このNOV6a遺伝子によってコードされるタンパク質は、リパーゼホモログであり、そしてこれらの組織中の脂肪の動的な流動に関与し得る。従って、この遺伝子産物またはこれに対して設計された、アゴニストの投与は、リポリーシスを増強し、肥満、および脂肪異栄養症に対する効果的な治療として作用し得る。逆に、この遺伝子産物のアンタゴニストは、悪液質のような貯蔵脂肪の過剰な枯渇を含む状態の処置に有用であり得る。【0741】(パネル1.3D 概要):Ag1456/Ag2132/Ag2444 異なるプローブおよびプライマーのセットを使用する4つの実験のうち3つは、骨髄(CT=33〜34)および肺(CT=32.4)におけるNOV6aの発現を示す。骨髄における高い発現は、パネル1.2に見られるその発現と一致する。従って、NOV6a遺伝子の発現は、骨髄および肺由来のサンプルを、このこのパネル中の他の組織と区別するのに使用され得る。さらに、このNOV6a遺伝子の発現は、成人肺組織と胎児肺組織との間を区別するのに使用され得る。Ag2059/Ag2446 この遺伝子の発現は、パネル1.3D中の全てのサンプルにおいて低いかまたは検出不可能(CT値>35)である(データは示さず)。【0742】(パネル2D 概要):Ag1456 同じプローブおよびプライマー手順を用いる3つの実験は、良好な一致を示す結果を生成し、腫瘍に隣接する正常な肺組織におけるNOV6a遺伝子の最も高い発現を伴う(CT=30〜31)。さらに、このNOV6a遺伝子は、対応する癌組織と比較される場合、3対の正常な肺組織において過剰発現するようである。さらに9つの腎臓癌のうち4つは、これらのそれぞれの正常隣接組織と比較される場合、この遺伝子の過剰発現を示す。従って、このNOV6a遺伝子の発現は、正常な肺組織を悪性の肺組織と、ならびに悪性の腎臓を正常な腎臓と区別するのに使用され得る。さらに、低分子薬物、抗体またはタンパク質治療剤の使用によるこのCG50159−01遺伝子またはその遺伝子産物の発現の治療的調節は、腎臓癌または肺癌の処置に効果的であり得る。【0743】(パネル4D 概要):Ag1456/Ag1899/Ag2059/Ag2132 異なるプローブおよびプライマーセットを用いる複数の実験は、休止している単球におけるNOV6a遺伝子の最も高い発現を示す(CT=29〜32)。この遺伝子は、LPS処理後にこれらの細胞において下方制御されるようであり(CT=32〜34)、そしてマクロファージにおいては、検出可能なレベルで発現しない。このNOV6a遺伝子によってコードされるタンパク質は、酸性リパーゼと相同であり、そしてこれらの細胞の脂肪代謝、分化、および食作用のような活性において役割を果たし得る。従って、このNOV6a遺伝子またはそのタンパク質産物の、タンパク質治療剤の使用による発現または機能の治療的調節は、単球の機能および/または分化を調節し得る。【0744】逆に、抗体または低分子による、この転写物によってコードされる推定タンパク質の発現または活性の調節は、ぜん息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、またはリウマチ様動脈炎のような疾患に見られる単球の蓄積に関連する炎症症状を軽減または予防し得る。その他の2つの実験(144575331および164391568と示される)の結果は、含まれなかったことに注意してください。不良なampプロットは、これらの実験に実験的な困難さが存在したことを示す。【0745】(G.NOV7):トリプターゼ4NOV7遺伝子(CG56140−01)の発現を、表57および58に記載されるプライマー−プローブセット(Ag2886およびAg2887)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を表59および60に示す。【0746】【表57】【0747】【表58】【0748】【表59】【0749】【表60】(CNS_nerodegeneration_v1.0 概要):Ag2886/Ag2887 このNOV7遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプルにおいて低いかまたは検出できない(CT>35)。(データは示さず)。【0750】(パネル1.3D 概要):Ag2886 NOV7遺伝子の発現は、正常な結腸直腸組織に限定される(CT=34.8)。従って、この遺伝子の発現は、このサンプルとこのこのパネル中の他のサンプルとの間、ならびに結腸直腸組織と他の正常組織および悪性組織との間を区別するために使用され得た。プローブおよびプライマーセット(Ag2877)を用いる他の2つの実験は、このこのパネル中の全てのサンプル中で低いかまたは検出不可能なレベル(CT>35)を示した。(データは示さず)。【0751】(パネル2D 概要):Ag2886/Ag2887 NOV7遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプル中で低いかまたは検出不可能(CT>35)である。(データは示さず)。【0752】(パネル3D 概要):Ag2887 NOV7遺伝子の発現は、このパネルの全てのサンプル中で低いかまたは検出不可能(CT>35)である。(データは示さず)。【0753】(パネル4D 概要):Ag2886/Ag2887 NOV7遺伝子の発現は、正常な結腸組織に限定される(CT=34.5)。さらに、この遺伝子の発現は、炎症性腸疾患を有する患者由来のサンプルにおいて検出不可能である。さらに、NOV7転写物の発現は、正常な結腸と罹病結腸との間を区別するのに使用され得る。さらに、このパネルおよびパネル1.3Dにおける結腸直腸組織中のNOV7遺伝子の高度に特異的な発現は、この遺伝子によってコードされるタンパク質の活性の治療的調節が、炎症性腸疾患の処置に有用であり得ることを示唆する。【0754】(H.NOV9):ミツグミン(mitsugumin)29NOV9遺伝子(CG56207−01)の発現を、表61に記載されるプライマー−プローブセット(Ag2284)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を表62および63に示す。【0755】【表61】【0756】【表62】【0757】【表63】(パネル1.3D 概要):Ag2284 このNOV9遺伝子(ミツグミン29ホモログ)は、胎児骨格筋(CT=26.3)および成人骨格筋(CT=26.4)において最も高度に発現される。非常に低いが有意な発現がまた、脂肪、精巣、子宮、卵巣、腎臓、心臓、甲状腺および副腎(CT=31〜33)において検出される。従って、このNOV9遺伝子の発現は、骨格筋を他の組織と区別するのに使用され得た。Nishi Mらは、ミツグミンが、筋肉の適切な機能に必須であることを示している。従って、NOV9遺伝子または遺伝子産物の、代償療法による治療的調節は、筋肉疾患の再生治療として使用され得た。【0758】(参考文献):1.Nishi M.,Komazaki S.,Kurebayashi N.,Ogawa Y.,Noda T.,Iino M.,Takashima H.(1999)Abnormal features in skeletal muscle from mice lacking mitsugumin29.J.Cell Biol.147:1473−1480。【0759】4つの膜貫通セグメントを保有し、シナプス小胞を含む細胞内膜に基本的に分布する、シナプトフィジンファミリーのメンバーの生理学的な役割は、まだ確立されていない。最近、ミツグミン29(MG29)は、骨格筋由来のシナプトフィジンファミリーの新規のメンバーとして同定された。MG29は、細胞表面横行(T)小管と筋小胞体(SR)(三連接合部(triad junction)と呼ばれる)との間の接合膜複合体において発現され、ここで、脱分極シグナルは、SRからのCa(2+)放出に変換される。この研究において、本発明者らは、ノックアウトマウスを作製するとによってMG29の生物学的機能を試験した。このMG−29欠損マウスは、正常な健康状態および再生を示したが、体重はわずかに減少した。三連接合部のまわりの膜の超微細構造異常は、変異筋肉(すなわち、腫大したT細管、不規則なSR構造、および三連接合部の部分的な誤形成)由来の骨格筋において検出された。この変異筋肉において、正常な強縮張力が明らかに観察されたが、単収縮張力は有意に低減された。さらに、この変異筋肉は、Ca(2+)を含まない条件下で単収縮張力のより迅速な減少を示した。この変異筋肉の形態学的な異常および機能的な異常は、互いに関連するようであり、MG29が膜構造の純化および骨格筋三連接合部に結合する効果的な興奮収縮連関の両方に必須であることを示す。さらに、本発明の結果は、細胞表面と細胞内膜との間の接合複合体の正確な形成におけるシナプトフィジンファミリー膜としてのMG29の役割を暗示する。【0760】PMID:10613905(パネル4.1D 概要):Ag2284 パネル中のこのNOV9遺伝子の有意な発現は、主に腎臓において見られる。さらに、相同なミツグミン29遺伝子はまた、腎臓において発現され、そして分泌活性およびおそらく特定化された小胞体系に関与し得ると考えられる(参考文献1)。従って、NOV9遺伝子産物に対して設計された治療薬物は、腎臓機能の調節のために重要であり得る。【0761】(参考文献):1.Shimuta M.,Komazaki S.,Nishi M.,Iino M.,Nakagawara K.,Takeshima H.(1998)Structure and expression of mitsugumin29 gene.FEBS Lett.431:263−267。【0762】最近、骨格筋中の三連接合部特有のミツグミン29が、シナプトフィジンファミリーの新規のメンバーとして同定された;このファミリーのメンバーは、4つの膜貫通セグメントを有しそして細胞内小胞に分布される。この研究において、本発明者らは、マウスミツグミン29cDNAおよびこの遺伝子を含むゲノムDNAを単離しそして分析した。マウス第3染色体、F3−H2にマッピングされたミツグミン29遺伝子は、エキソン−イントロン機構においてのシナプトフィジン遺伝子に密接に関連し、このことは、これらの分子進化における密接な関連を示す。RNAブロットハイブリダイゼーション分析およびイムノブロット分析によって、ミツグミン29が、骨格筋において大量に、そして腎臓においてより低いレベルで発現されることが明らかとなった。免疫蛍光顕微鏡検査法は、ミツグミン29が、腎臓中の近位尿細管細胞および遠位尿細管細胞の細胞質領域において特異的に存在することを示した。得られたこの結果は、ミツグミン29が、骨格筋および腎臓尿細管細胞中の特定化された小胞体系の形成に関与し得ることを示唆し得る。【0763】PMID:9708916(I.NOV10):マイクロモル濃度のカルシウムに活性化された中性のプロテアーゼ1様NOV10遺伝子(CG56127−01)の発現を、表64および65に記載されるプライマー−プローブセット(Ag2885およびAg2882)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を表66、67、68および69に示す。【0764】【表64】【0765】【表65】【0766】【表66】【0767】【表67】【0768】【表68】【0769】【表69】(CNS_神経変性_v1.0要約)Ag2885 NOV10遺伝子の発現は、成体中枢神経系において、低いが有意なレベルで、広範囲に及ぶ。本パネルのこの結果から、この遺伝子は、アルツハイマー病において差示的に発現されそうである。ゆえに、このNOV10プロテアーゼホモログの阻害は、アルツハイマー病の処置に有利であり得る。【0770】(パネル1.3D要約)Ag2882/2885 同一のプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験は、妥当な同意である結果を生じる。NOV10遺伝子の最も高度な発現が、卵巣癌細胞株(OVCAR−5)(CT=33)および気道(CT=30)において見られる。さらに、他の卵巣癌細胞株、乳癌細胞株、結腸組織、小腸組織、胃組織、腎臓組織、肺組織、および乳腺組織中で、かなり発現しそうである。従って、NOV10遺伝子の発現を使用して、パネル中の他のサンプルからOVCAR−5細胞を区別し得る。カルパインの差示的な発現を、様々な癌において観察し、そして、Braunら(以下の参考文献を参照のこと)は、このカルパインが、恐らく、発癌および腫瘍発達において役割を果たすことを示唆する。ゆえに、低分子薬物、抗体治療薬、またはタンパク質治療薬の使用を介するNOV10遺伝子の治療調節は、卵巣癌または乳腺癌の処置において有用であり得る。【0771】(参考文献:)Braun C,Engel M,Seifert M,Theisinger B,Seitz G,Zang KD,Welter C.Expression of calpain I messenger RNA in human renal cell carcinoma:correlation with lymph node metastasis and histological type.Int J Cancer 1999 Feb 19;84(1):6−9。【0772】カルパイン(CANP(カルシウム活性化神経プロテアーゼを表して)とも名付けられる)は、活性にカルシウムイオンを必要とする細胞内細胞質非リソソームシステインエンドペプチダーゼである。カルパインアイソザイムの多くの基質(例えば、転写因子c−Fosおよびc−Jun、腫瘍抑制因子タンパク質p53、プロテインキナーゼC、pp60c−src、ならびに接着分子インテグリン)は、異なるヒト腫瘍の病因に関しており、悪性疾患におけるカルパインの重要な役割を示唆する。本発明者らは、ここで、種々の腫瘍中でのカルパインI遺伝子(CL I)の差示的な発現を報告し、より大きな一連の腎臓細胞癌まで本発明者らの研究を広げる。ノーザンブロット分析を使用して、本発明者らは、一致する健康細胞と比較して、30の腎臓細胞癌におけるカルパインI発現を研究した。腫瘍サンプルを、それらの以下の組織学型に従って分類した:21の明細胞癌、4つの難染性癌、3つの乳癌および2つの膨大細胞。腎臓腫瘍サンプルにおいて、カルパインI遺伝子mRNAは、非常に可変的なレベルで発現され、これは、有意に異なる組織学型に依存した。さらに、より高いカルパインI発現と悪性腫瘍に相互関係があった:明細胞癌サブセット内では、重症の結節状態を有する腫瘍サンプル(N1およびN2)は、領域リンパ節への転移を有さない腫瘍よりも、有意に高いカルパインI発現を示した。本発明者らのデータは、発癌および腫瘍進行におけるカルパインアイソザイムの重要な役割を示唆する。PMID:9988224(パネル2.2要約):Ag2882/2885 同一のプローブおよびプライマーセットを用いた2つの実験は、妥当な合意の結果を導いた。NOV10遺伝子の最も高い発現は、乳癌または正常な胃組織由来のサンプルにおいて見られる(CT=33)。さらに、他の乳癌サンプル、子宮癌サンプルおよび肺癌サンプル中で多く発現すると思われる。従って、NOV10遺伝子の発現を使用して、このパネルにおいて、これらのサンプルと他のサンプルを区別し得る。このカルパインホモログ中の有意な発現レベルは、種々の腫瘍中の差示的なカルパインの発現を示す、公開されたデータ、ならびに、このカルパインが発癌および腫瘍進行において役割を果たすという示唆に従う(参考として、パネル1.3Dを参照のこと)。従って、低分子薬物、抗体治療薬またはタンパク質治療薬の使用を介したNOV10遺伝子の治療調節は、乳癌、肺癌または卵巣癌の処置に有用であり得る。【0773】(パネル4D要約):Ag2882/2885 同一のプローブおよびプライマーセットを用いた2つの実験は、妥当な合意の結果を導いた。NOV10遺伝子の有意な発現は、正常結腸、正常胸腺および正常肺に限定される。NOV10転写産物は、カルシウム活性化神経プロテアーゼ様分子をコードする。分子のこのファミリーは、細胞骨格組織、細胞増殖、細胞移動および止血に関する。従って、NOV10遺伝子産物は、これらの組織の正常なホメオスタシスに重要な役割を果たし得る。さらに、カルパイン1は、NF−κBの活性化を阻害することを示し、そして、局部炎症または全身炎症に関連する状態の処置に有用であり得る(以下の参考文献を参照のこと)。従って、低分子を使用して、NOV10転写産物によってコードされるタンパク質を用いて設計された治療薬は、炎症中の肺、結腸、および胸腺に対する正常機能を維持するか、または回復するのに重要であり得る。【0774】(参考文献):Ruetten H,Thiemermann C.Effect of calpain inhibitor I,an inhibitor of the proteolysis of I kappa B,on thecirculatory failure and multiple organ dysfunction caused by endotoxin in the rat.Br J Pharmacol 1997 Jun;121(4):695−704。【0775】1.著者らは、カルパインインヒビターIの効果を比較した。ここで、このカルパインインヒビターIは、IκBのタンパク質分解(従って、核因子κB(NFκB)の活性化)、および(i)循環障害、(ii)多臓器機能障害および(iii)内毒素性ショックを有する麻酔されたラット中の、一酸化窒素(NO)シンターゼの誘導性アイソフォーム(iNOS)およびシクロ−オキシゲナーゼ(COX−2)の誘導に対するデキサメタゾンのインヒビターである。2.リポ多糖(LPS,E.coli、10mg kg−1、i.v.)の注射は、低血圧およびノルアドレナリンにより誘導される昇圧応答の減少を生じた。この循環障害は、カルパインインヒビターI(10mg kg−1,i.v.、LPSの前に2時間)またはデキサメタゾン(1mg kg−1、i.v.)でLPS−ラットを予備処置することによって、減衰された。3.内毒素(endotoxaemia)はまた、(i)尿素およびクレアチニン(腎臓機能障害)、(ii)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)(肝細胞傷害)、ビリルビンおよびγ−グルタミルトランスフェラーゼ(γGT)(肝臓機能障害)(iii)リパーゼ(膵臓傷害)および(iv)乳酸の血清レベルの上昇を引き起こした。カルパインインヒビターIおよびデキサメタゾンは、肝臓傷害、膵臓傷害、乳酸アシドーシスならびにLPSにより引き起こされる低血糖症を減衰した。デキサメタゾンは、LPSにより引き起こされた腎臓機能傷害を軽減したが、カルパインインヒビターIは軽減しなかった。4.6時間の内毒素血症(endotoxaemia)は、肺および肝臓中のiNOSおよびCOX−2のタンパク質および活性の実質的な増加を生じ、これは、カルパインインヒビターIまたはデキサメタゾンで予備処置したLPS−ラット中で減衰された。5.従って、カルパインインヒビターIおよびデキサメタゾンは、(i)循環障害、(ii)多臓器機能障害(肝臓および膵臓の機能障害/傷害、乳酸アシドーシス、低血糖症)、ならびに(iii)内毒素ショックを有するラットにおけるiNOSおよびCOX−2のタンパク質および活性の誘導を減衰する。著者らは、インビボでのNF−κBの活性化の防止は、循環ショックまたは局部炎症もしくは全身性炎症に関連する障害の治療において有用であり得ることを示唆する。【0776】(PMID:9208136)(J.NOV11:新規なP2X2Cレセプター)NOV11遺伝子(CG56179−01)の発現を、表70中に記載した。プライマー−プローブセットAg3491を使用して評価した。RTQ−PCR実施の結果を、表71および表72中に示した。【0777】【表70】【0778】【表71】【0779】【表72】(一般的_スクリーニング_パネル_v1.4要約:Ag3491)NOV11遺伝子の発現は、乳癌細胞株(MCF−7)由来のサンプル中で最も高い(CT=29.8)と思われる。従って、NOV11遺伝子の発現を使用して、このパネル中の他のサンプルからMCF−7を区別し得る。さらに、低分子薬物、タンパク質治療薬、または抗体の使用を介した、この遺伝子の治療的調節は、乳癌の処置において有利であり得る。【0780】さらに、成体肺における発現と比較した場合、胎児肺に関連するNOV11の実質的な発現がありそうである(CT=30.3)。従って、NOV11遺伝子発現を使用して、成体肺組織から胎児肺組織を区別し得る(CT=35.6)。【0781】代謝的機能を有する組織の中で、NOV11遺伝子は、膵臓で発現される(CT=33)。代謝疾患におけるこの遺伝子の有用性の討論について、パネル5を参照のこと。【0782】NOV11遺伝子はまた、海馬、皮質、視床および扁桃中で低レベルで発現される。NOV11遺伝子は、新規なイオノトロピープリン性レセプターである。これらのレセプターは、神経興奮性伝達において重要な役割を果たす。さらに、現在公知である遺伝連鎖をともなう全ての発作性疾患は、イオンチャネル変異から生じる。従って、NOV11遺伝子は、癲癇、または任意の発作性疾患、ならびに、改変された神経伝達が関連する任意の精神神経疾患(統合失調症、双極性疾患またはうつ病)の処置のための、優れた低分子標的である。【0783】(参考文献)Pankratov Y,Castro E,Miras−Portugal MT,Krishtal O.A purinergic component of the excitatory postsynaptic current mediated by P2X receptors in the CA1 neurons of the rat hippocampus.Eur J Neurosci 1998 Dec;10(12):3898−902。【0784】17日齢〜19日齢のラット由来の海馬薄片のCA1領域中の錐体神経を、パッチクランプ法により研究した。興奮性シナプス電流(EPSC)を、0.2Hz未満の周波数でシェーファー側副を刺激することによって誘発した。20μMの6−シアノ−7−ニトロキノキサリン−2,3−ジオン(CNQX)および100μMの2−アミノ−5−ホスホノバレリアン酸(D−APV)によるグルタミン酸伝達の阻害は、EPSCの低分子成分を阻害されないままにしたことを見出した。この残渣EPSC(rEPSC)の振幅は、−50mVの保持電圧で測定した場合、全EPSCの25+/−11%を含んだ。rEPSCを、選択的なP2ブロッカーであるピリドキサルホスフェート−6−アゾフェニル−2’−4’−ジスルホン酸(PPADS)10μM、ならびに非加水分解性ATPアナログ、ATP−γ−Sおよびα,β−メチレン−ATP、各々50μMおよび20μMとの浴槽インキュベーションによって、ブロックした。rEPSCは、外部Zn2+(10μM)により、劇的に増強された。別の一連の実験において、外因性ATPを、インサイチュでCA1ニューロンに供した。ATPにより誘起された内向き電流は、rEPSCと同一の程度までPPADSによって阻害された。膜電位に依存して、ラットの海馬CA1ニューロンへの興奮性シナプス入力により生成されたEPSCの5分の1〜4分の1は、P2Xレセプターの活性に起因するということを結論付けた。【0785】(パネル5島(islet)要約:Ag3491)NOV11遺伝子の発現は、ヒトランゲルハンス島由来のサンプルに制限される(CT=33)。これは、パネル1.3D中の膵臓において見られる発現と一致する。リガンドを用いたP2レセプターの刺激は、島からのインスリン分泌を増強する。従って、この遺伝子によりコードされるP2レセプターホモログについてのアゴニストは、β細胞分泌欠損を伴う2型糖尿病の全ての型の処置剤であり得る。【0786】(参考文献:)Fernandez−Alvarez J,Hillaire−Buys D,Loubatieres−Mariani MM,Gomis R,Petit P.P2 receptor agonists stimulate insulin release from human pancreatic islets.Pancreas.2001 Jan;22(1):69−71。【0787】アデノシン5’三リン酸(ATP)および/またはアデノシン5’−二リン酸(ADP)に対するP2レセプターを、哺乳動物膵臓β細胞中で特徴付けたが、P2レセプターアゴニストのインスリン分泌効果についてのいかなる証明も、ヒトにおいては今のところ報告されていない。本研究は、P2レセプターアゴニストが脳死器官ドナーから得られたヒト膵臓島におけるインスリン放出を刺激し得るか否かを研究することを目的とした。実験を、異なるグルコース濃度を使用して実施し、そして、インスリンを、ラジオイムノアッセイによって測定した。グルコース濃度(8.3mmol/L)がインスリン放出をわずかに刺激している場合、α,β−メチレンATP(200μmol/L)およびADPβS(50μmol/L)は、同様にインスリン分泌を増幅した:両化合物は、インスリン応答を3倍増加させた。非刺激グルコース濃度(3.0mmol/L)の存在下で、α,β−メチレンATPのみが、インスリン放出の有意な1.4倍の増加を誘導し得、ADPβSは、完全に無効であった。これらの結果は、P2レセプターアゴニストが、ヒト中でインスリン放出を刺激する際に有効であり、P2Yアゴニストの効果は、本質的にグルコース依存であるという証明を与える。【0788】(PMID:11138974)(K.NOV12:DIABLO様)NOV12遺伝子(CG56132−01)の発現を、表73中に記載した。プライマー−プローブセット(Ag2884)を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を、表74、表75および表76に示す。【0789】【表73】【0790】【表74】【0791】【表75】【0792】【表76】(CNS_神経変性_v1.0要約:Ag2884)痴呆でないコントロールと比較した場合、AD患者の死後の脳におけるNOV12遺伝子の発現において、差異は認められなかった。このパネルは、独立した群の患者のCNSにおけるNOV12遺伝子の発現を実証する。中枢神経系におけるこの遺伝子の有用性の討論について、パネル1.3Dを参照のこと。【0793】(パネル1.3D要約:Ag2884)NOV12遺伝子(ダイアブロ(diablo)ホモログ)の発現は、肺癌細胞株(SHP−77)由来のサンプルにおいて最も高いと思われる(CT=30.4)。さらに、他の肺癌細胞株、乳癌細胞株、および卵巣癌細胞株における実質的な発現がある。従って、NOV12遺伝子の発現を使用して、SHP−77細胞とこのパネル中の他のサンプルとを区別し得る。ダイアブロは、カスパーゼを活性化し、そして、アポトーシスを促進する。ミトコンドリア媒介アポトーシスは、動物発達および組織ホメオスタシスにおいて中心的な役割を担い、そして、その改変は、癌を含む様々な悪性疾患を生じる。従って、低分子薬物、タンパク質治療薬、または抗体の使用を介するNOV12遺伝子の治療的調節は、肺癌、乳癌または卵巣癌の処置に有用であり得る。【0794】NOV12遺伝子はまた、試験した全てのCNS領域において低レベルであるが、有意なレベルで発現される。アポトーシスは、アルツハイマー病、外傷性脳傷害、病的疼痛、発作、CNSのウイルス感染、パーキンソン病、ハンティングトン病、および多発性硬化症に関連する。従って、NOV12遺伝子またはそのタンパク質生成物の選択的な閉塞/下方制御は、多くのCNS疾患/臨床状態において、広範な関連および有用性を有し得る。【0795】代謝的機能を有する組織の中で、NOV12遺伝子は、下垂体、胎児心臓、骨格筋、および脂肪において低レベルの発現を有する。ダイアブロタンパク質は、ミトコンドリアカスパーゼを活性化することによってアポトーシスを促進する。従って、NOV12遺伝子の阻害は、下垂体または骨格筋の疾患におけるアポトーシス/組織消耗に対して保護し得る。【0796】(参考文献)Madesh M,Antonsson B,Srinivasula SM,Alnemri ES,Hajnoczky G.Rapid kinetics of tBid−induced cytochrome c and Smac/DIABLO release and mitochondrial depolarization.J Biol Chem.2001 Dec 6[epub ahead of print]Bidの切断は、膜間スペースからサイトゾルへのアポトーシス誘導タンパク質の生じた放出を伴う、ミトコンドリア膜透過を誘導することによって、アポトーシスを促進することが示された。しかし、高度に区分化された膜間スペースからの種々のタンパク質のBid誘導化放出の直接的な可視化、およびミトコンドリアの代謝機構における変化は、理解し難いままである。GFP融合タンパク質を使用し、そして個々の透過したHepG2細胞を免疫染色することで、著者らは、最初に、短縮化Bid(15.5−kDaのC末端フラグメント、tBid)は、全てのミトコンドリアからシトクロムcおよびSmac/DIABLOの迅速かつ本質的に完全な放出を誘起したことを実証した。tBid誘導化シトクロムcおよびSmac/DIABLOの放出および脱分極の速度論の間接的な解決を確立するために、著者らは、透過した細胞において蛍光定量的にミトコンドリア膜電位をモニターし、そして、急速濾過法に供し、ウェスタンブロッティングのためのサイトゾル画分を得た。著者らは、nM以下の用量のtBidが、シトクロムc放出およびミトコンドリア脱分極を誘発するのに十分である一方、全長Bidは、効果が100倍少ないことを見出した。Bcl−xLは、tBID誘導化シトクロムc放出および脱分極を防止した。2.5nMのtBidに応答して、シトクロムc放出は、10秒の遅延後に開始し、迅速な進行を示し、そして、50秒〜70秒で完了した。Smac/DIABLOの放出は、シトクロムc放出と同期化した一方、ミトコンドリア膜電位の減少は、シトクロムc放出より僅かに遅かった。さらに、tBid誘導化シトクロムc放出は、基質組成物の変化に感受性ではないが、tBid誘導化脱分極は、ミトコンドリア外ATP供給の存在下で生じなかった。従って、外部膜のtBID−誘導化透過は、膜間スペースの全てのドメインからのシトクロムcおよびSmac/DIABLOの迅速な放出を可能にする。ミトコンドリア膜電位のtBID−誘導化減少は、シトクロムc放出後に生じ、そして、酸化的代謝の障害を反映する。【0797】(PMID:11741882)Adrain C,Creagh EM,Martin SJ.Apoptosis−associated release of Smac/DIABLO from mitochondria requires active caspases and is blocked by Bcl−2.EMBO J.2001 Dec 3;20(23):6627−36。【0798】Smac/DIABLOは、恐らく、アポトーシス阻害タンパク質のIAPファミリーの1つ以上のメンバーを中和することによって、アポトーシスのいくつかの形態を可能にするミトコンドリアタンパク質である。Smacは、ミトコンドリアに存在し、そして、UV放射またはγ放射によって引き起こされるアポトーシスの間にサイトゾルに入ることが示されている。ここで、著者らは、ミトコンドリアからサイトゾルへのSmac/DIABLO輸送が、細胞傷害性薬物およびDNA損傷によって、ならびにCD95死レセプターのライゲーションによって誘発されることを報告する。種々のプロアポトーシス性の薬剤に応答して、Smac/DIABLOのミトコンドリア流速は、Bcl−2過剰発現細胞中で大いに阻害された。従って、アポトーシス関連ミトコンドリアシトクロムc放出の調節に加えて、Bcl−2はまた、Smac放出を調節し、これは、両方の分子が、同じ経路を介して免れ得ることを示唆する。しかし、細胞ストレス関連ミトコンドリアシトクロムc放出は、ほとんどはカスパーゼに依存せず、同じ刺激への応答におけるSmac/DIABLOの放出は、広域スペクトルのカスパーゼ阻害剤によりブロックされた。これは、ミトコンドリアからのアポトーシス関連シトクロムcおよびSmac/DIABLOの放出が、同じ経路を介して起こらないことを示唆する。むしろ、ミトコンドリアからのSmac/DIABLO流速は、シトクロムc放出の下流で生じるカスパーゼ触媒化事象である。【0799】(PMID:11726499)Huang P,Oliff A.Signaling pathways in apoptosis as potential targets for cancer therapy.Trends Cell Biol 2001 Aug;11(8):343−8。【0800】遺伝的不安定性は、癌の発生ならびに癌細胞が種々の治療薬耐性になる能力に寄与する。これに起因して、細胞増殖抑制性治療ではなく細胞傷害性治療が、この疾患に対して最も有効であり得る。多くのオンコジーンおよび腫瘍抑制因子は、アポトーシスシグナル伝達を妨害するか、または誘導することによって、それらの効果を媒介する。従って、アポトーシス経路は、形質転換されていない細胞と比較して癌細胞において有意に改変され得、そして、これらの差異は、癌薬物の開発のために開拓され得る治療域を表し得る。【0801】(PMID:11489640)(パネル4D要約:Ag2884)NOV12転写産物の発現は、パネル4Dにわたって遍在性であり、イオノマイシンで処置したとき、腎臓で(CT=28.7)、好塩基性細胞株Ku−812およびB細胞リンパ腫細胞株であるRamosで(CT 28.6)で最も高く発現した。初代Th1細胞、および、PWM活性化B細胞(これは、生存を促進すると報告された条件)でも、中程度に発現されるが、CD40Lで処置したB細胞では発現されない。NOV12転写産物の中程度の発現はまた、細胞傷害性がよく実証されているTNF−aで処置した皮膚線維芽細胞および小気道上皮で見出される。NOV12転写産物は、Diablo様タンパク質をコードする。Diabloタンパク質は、アポトーシスの下流エフェクターの活性化のために重要である、前アポトーシス性ミトコンドリアタンパク質である。アポトーシスは、多くの自己免疫疾患および炎症性疾患の病状に関連する。従って、低分子によるNOV12推定タンパク質の発現または活性の調節は、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬、1型糖尿病、エリテマトーデスおよび肺炎症性疾患の処置に有利であり得る。【0802】(L.NOV13:HRPET−1関連タンパク質)NOV13遺伝子(CG56195−01)の発現を、表77に記載されるプライマープローブセットAg2895を用いて評価した。RTQ−PCR実験の結果を、表78、表79、表80および表81に示す。【0803】【表77】【0804】【表78】【0805】【表79】【0806】【表80】【0807】【表81】(CNS_神経変性_v1.0の概要)Ag2895。AD患者の死後の脳におけるNOV13遺伝子の発現を、痴呆ではないコントロールと比較した場合、差異は見い出されない。このパネルは、患者の独立した分のCNSにおけるNOV13遺伝子の発現を実証する。中枢神経系におけるこの遺伝子の有用性の議論については、パネル1.3Dを参照のこと。【0808】(パネル1.3Dの概要)Ag2895。NOV13遺伝子の発現は、卵巣癌細胞株(OVCAR−5)由来のサンプルにおいて最も高いようである(CT=28.5)。このパネルの残りにわたって、全般的に低レベルの発現が存在するようである。従って、この遺伝子の発現は、パネルにおけるサンプルの残りからOVCAR−5細胞を区別するために使用され得る。【0809】この遺伝子はまた、膵臓、副腎、胸腺、下垂体、成人および胎児の心臓、骨格筋および肝臓ならびに脂肪において、有意ではあるがわずかな発現レベルを有する。従って、この新規に同定された遺伝子産物は、代謝性疾患ならびに内分泌性疾患(肥満ならびに1型糖尿病および2型糖尿病を含む)の病原論、診断および/または処置にとって重要であり得る。【0810】この遺伝子は、試験した全てのCNS領域において中程度に発現する。NOV13遺伝子は、細胞接着および/または移動に関わり得る膜結合タンパク質であることが報告されているEPI64(64kdのebp50−pdzインターアクター(interactor))に類似するタンパク質をコードする。CNSにおいて、これらの機能は、通常、軸索/樹状突起の成長および標的化に関連する。従って、この分子は、脊髄または脳の外傷、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病またはハンティングトン病あるいは脊髄小脳性運動失調におけるニューロン死に応答する代償性シナプス形成への指向において使用され得る。【0811】(参考文献)Reczek D,Bretscher A.Identification of EPI64,a TBC/rabGAP domain−containing microvillar protein that binds to the first PDZ domain of EBP50 and E3KARP.J Cell Biol 2001 Apr 2;153(1):191−206。【0812】皮質の足場タンパク質EBP50(ERM−結合リンタンパク質−50)およびE3KARP(NHE3キナーゼA調節タンパク質)は、2つのPDZ(PSD−52/D1gA/ZO−1様)ドメインに続いてCOOH末端配列(活性なERMファミリーメンバーに結合する)を含む。親和性クロマトグラフィーを使用して、本発明者らは、胎盤の微絨毛からEBP50のPDZドメインに結合するポリペプチドを同定した。これらのうちでもとりわけ、64kDおよび/または65kDの異なるリン酸化ポリペプチドであり、これらは、EBP50の第1のPDZドメインに、ならびにE3KARP(本発明者らはEPI64(64kDのEBP50−PDZインターアクター)と呼ぶ)に優先的に結合する。ヒトEPI64遺伝子は、第22染色体上に存在し、ここで、9つのエキソンは、Tre/Bub2/Cdc16(TBC)/rab GTPase作用性タンパク質(GAP)ドメインを含む508残基のタンパク質を特定する。EPI64は、EBP50のPDZドメインに結合するために必要な(なぜなら、DTYLAで終了する変異体はもはや相互作用しないからである)DTYLにおいて終了する。EPI64は、合胞体層および培養した細胞微絨毛において、EBP50およびエズリンと共存し、そして培養細胞におけるこの局在は、DTYLA変異の導入によって回避される。EPI64に加えて、固定したEBP50 PDZドメインは、胎盤微絨毛由来のいくつかのポリペプチド(小胞輸送の調節に関わるナドリン(nadrin)のアイソフォーム、rhoGAPドメイン含有タンパク質を含む)を保持する。ナドリンは、EBP50に直接的に、好ましくは、そのCOOH末端STAL配列を通して結合する。従って、EBP50は、膜タンパク質ならびに膜輸送(traffic)の調節に潜在的に関わる因子に結合するようである。【0813】PMID:11285285(パネル2.2概要)Ag2895。NOV13遺伝子発現は、転移性乳癌由来のサンプルにおいて最も高いようである(CT=30.8)。従って、この遺伝子の発現は、パネル内のサンプルの残りからこの乳癌サンプルを区別するために使用され得る。さらに、NOV13遺伝子の治療的改変(タンパク質治療剤の使用、低分子薬物または抗体の使用による)は、乳癌の処置において有益であり得る。【0814】(パネル4Dの概要)Ag2895。NOV13転写物は、パネル4Dに提示する大部分の細胞において高レベル〜中程度のレベルで発現する。この転写物の最も高い発現は、TNF−aで処置した皮膚線維芽細胞(CT=28.1)、TNF−aおよびIL−1bで処置した小気道上皮および気管支上皮において見い出される。T細胞およびB細胞においてもまた、中程度のレベルで発現する。NOV13転写物は、HRPET−1関連タンパク質(64kdのebp50−pdzインターアクターに類似する)をコードする。このHRPET−1関連タンパク質は、細胞接着および/または移動に関わり得る膜結合タンパク質であることが報告されている(上記の参考文献を参照のこと)。従って、抗体によるこの推定タンパク質の発現および/または活性の調節は、B細胞およびT細胞の機能ならびに局所的な上皮または線維芽細胞とのこれらの細胞の相互作用をブロックし得る。結果として、これは、慢性閉塞性肺炎疾患、喘息、気腫、気管支炎、乾癬、炎症性腸疾患、エリテマトーデスおよび慢性リウマチの症状を減少または排除し得る。【0815】(M.NOV14:B7−H2B)NOV14遺伝子(CG55790−02)の発現をプライマー−プローブセット(Ag1845、Ag2589、Ag2621、Ag2915およびAg210、表82、83、84、85および86に記載される)を用いて評価した。RTQ−PCR試験の結果を表87、88、89、90、91、92および93に示す。【0816】【表82】【0817】【表83】【0818】【表84】【0819】【表85】【0820】【表86】【0821】【表87】【0822】【表88】【0823】【表89】【0824】【表90】【0825】【表91】【0826】【表92】【0827】【表93】(AI_包括的パネル_v1.0の要約:Ag1845)NOV14の転写物は、多くの異なる疾患組織で低いレベルで発現される。対照的に、正常な肺および結合組織は、この転写物を全く発現しないか、または非常に低いレベルでの発現する。NOV14転写物は単球で発現し、そしてマッチしたコントロール組織が最もおそらくこれらの炎症細胞(乾癬、クローン病および潰瘍性大腸炎)を含むので、転写物発現がこれらの部位で検出されることは驚くことではない。NOV14転写物は、B7−H2をコードし、抗原提示において重要であることが示された。これはICOSのリガンドであり、そして同時刺激分子として働く(パネル4を参照のこと)。従って、NOV14転写物で設計された治療物は、抗原提示を減少または阻害し得、そしてT細胞が慢性的に刺激される喘息、IBD、乾癬および関節炎のような疾患の処置において重要であ得る。【0828】(CNS_神経変性_v1.0の要約:Ag1845/Ag2589/Ag2621/Ag2915)2つの異なるプローブおよびプライマーセットを用いての複数の実験は、良好な一致でる。全ての場合において、非痴呆コントロールと比較した場合、NOV14遺伝子の発現は、アルツハイマー病患者の側頭皮質において上方制御される。共変量として全体のRNAの質および/または量を用いてANCOVAを介してデータを分析した場合、この差異は明白である。NOV14の上方制御は、Ag1845によって検出された改変体において最も明らかにされる。側頭皮質は、この疾患の中期の変性を示す領域である。従って、多数のニューロンがADにおける死の時点までにすでに失われている海馬および嗅内皮質と対照的に、神経変性の現象はこの領域で捕らえられたようである。さらに、後頭皮質(神経変性がアルツハイマー病において生じない)において、NOV14遺伝子は、同じ患者で上方制御されることが見出されていない。まとめると、これらのデータは、この遺伝子が少なくともアルツハイマー様神経変性のマーカーであり、神経変性のプロセスにおそらく関与されることを示唆する。【0829】さらに、NOV14遺伝子は、B7タンパク質(B7−H2B)の形態であり炎症において機能する。神経炎症は、ADにおいて、長期の抗炎症剤の用法が遡及研究における減少したアルツハイマー病の発生率と相関される範囲に関係される。従って、この遺伝子はアルツハイマー病および任意の他の神経炎症状態の処置のための優れた薬物標的を表す。【0830】(パネル1の要約:Ag210)NOV14遺伝子の発現は、小脳の正常な脳組織に由来するサンプルにおいて最も高いようである(CT=19.5)。従って、この遺伝子の発現を使用して、パネル中の他の組織から正常な小脳組織を区別し得た。【0831】NOV14遺伝子はまた、膵臓、副腎を含む代謝組織中で広範な発現および高度〜中度の発現を示す。代謝または内分泌学においてB7−H2分子の役割は記載されていないが、その発現に基づいてこの遺伝子産物は、肥満症ならびに1型および2型糖尿病を含む代謝疾患または内分泌疾患の処置のための抗体標的であり得る。【0832】(パネル1.3D要約:Ag1845/Ag2589/Ag2621/Ag2915)2つの異なるプローブおよびプライマーセットを用いた複数の実験は、最良に一致した。NOV14遺伝子の最高の発現は、脳、胎児腎臓および乳癌細胞株で見られる。【0833】CNSパネルにおける発現は、CNSにおけるNOV14遺伝子の発現を確認する。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用性についての討論のために、パネルCNS_神経変性を参照にされたい。【0834】高度なレベルの発現はまた、成体骨格筋における発現(CT=33〜35)と比較した場合、胎児骨格筋において一貫して見られる(CT=29〜30)。従って、NOV14遺伝子の発現を使用して、この組織の成体供給源および胎児供給源の間を区別し得る。【0835】NOV14遺伝子産物はまた、膵臓、副腎、甲状腺、下垂体、成体肝臓および胎児肝臓、成体心臓および胎児心臓、ならびに脂肪において中程度で発現される。代謝組織におけるその発現プロフィールに基づいて、NOV14遺伝子産物は、代謝疾患(肥満および糖尿病を含む)の診断および/または処置において有用であり得る。【0836】(パネル2.2要約:Ag2621)NOV14遺伝子の発現は、正常腎臓縁由来のサンプルにおいて最も高いと思われる(CT=29.1)。さらに、いくつかの腎臓癌サンプルに関連する実質的な発現が存在するようである。従って、NOV14遺伝子の発現を使用して、このパネルにおいて、正常腎臓サンプルと他のものを区別し得る。さらに、低分子薬物、タンパク質治療薬または抗体の使用を介したこの遺伝子の治療的調節は、腎臓癌の処置に有用であり得る。【0837】(パネル2D要約:Ag1845)NOV14遺伝子の発現を、パネル2Dにおいて、実施間で最良の一致を伴う2回の独立した実施において評価した。この遺伝子の発現は、腎臓癌由来のサンプルにおいて最高である(CT=28)。さらに、腎臓組織、膀胱癌および乳癌由来の他のサンプルに関連する実質的な発現が存在する。従って、NOV14遺伝子の発現を使用して、本パネル中で、この腎臓癌サンプルと他のサンプルとを区別し得る。さらに、低分子薬物、タンパク質治療薬、または抗体の使用を介した、この遺伝子の治療的調節は、腎臓癌、乳癌または膀胱癌の処置に有用であり得る。【0838】(パネル4D要約:Ag2589/Ag2621/Ag2915/Ag1845)NOV14転写産物は、活性化EOL細胞、活性化肺微小血管吻合内皮および皮膚微小血管吻合内皮、活性化ヒト肺大動脈内皮細胞、ならびにTNFα活性化ヒト臍静脈内皮細胞において高度に発現される。CG55790−02は、B7−H2をコードし、これは、抗原提示において重要であることが示されている。このB7−H2は、ICOSのためのリガンドであり、そして、同時刺激分子として役立つ(参考文献1〜2)。したがって、CG55790−02タンパク質産物で設計されたモノクローナル抗体治療薬は、抗原提示を減少させ得るか、または阻害し得、そして、T細胞が慢性的に刺激される喘息のような疾患の処置において重要であり得る。【0839】(参考文献:)Ling V,Wu PW,Finnerty HF,Bean KM,Spaulding V,Fouser LA,Leonard JP,Hunter SE,Zollner R,Thomas JL,Miyashiro JS,Jacobs KA,Collins M.Cutting edge:identification of GL50,a novel B7−like protein that functionally binds to ICOS receptor.J Immunol 2000 Feb 15;164(4):1653−7。【0840】分泌されたタンパク質をコードするマウスcDNAの遺伝的選択によって、B7様cDNAクローン(マウスGL50(mGL50)と名付けられる)を単離し、このクローンは、B7hと同一な322アミノ酸のポリペプチドをコードする。このcDNA(hGL50)のヒトオルトログの単離は、mGL50と42%の配列同一性を有する、309アミノ酸残基のコード配列を示した。ノーザン分析は、GL50が、リンパサンプル、胚卵黄嚢サンプルおよび胎児肝臓サンプルを含む多くの組織に存在することを示した。試験されたCD28、CTLA4およびICOS融合構築物のうち、フローサイトメトリー分析は、マウスICOS−IgGのみがmGL50細胞トランスフェクト体に結合することを実証した。続く表現型試験は、脾臓CD19+B細胞で高レベルのICOSリガンド染色を、そして、CD3+T細胞で低レベルの染色を実証した。これらの結果は、GL50が、ICOSレセプターのための特異的なリガンドであることを示し、そして、GL50−ICOS相互作用が、リンパ球共刺激において機能することを示唆する。【0841】Wang S,Zhu G,Chapoval AI,Dong H,Tamada K,Ni J,Chen L.Costimulation of T cells by B7−H2,a B7−like molecule that binds ICOS.Blood 2000 Oct 15;96(8):2808−13。【0842】この報告は、B7−H2と命名された新規なヒトB7様遺伝子を記載する。B7−H2タンパク質の細胞表面の発現を、単球由来の未成熟樹状細胞において検出する。可溶性B7−H2および免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質であるB7−H2Igは、休止T細胞ではなく活性化T細胞に結合し、そして、この結合は、CTLA4Igではなく、誘導型同時刺激因子Ig(ICOSIg)によって排除される。さらに、ICOSIgは、B7−H2遺伝子でトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣細胞を染色する。CD3の最適下限の架橋により、B7−H2IgによるT細胞増殖の同時刺激は、用量依存性であり、そして、インターロイキン(IL)−2の分泌に関連するが、最適なCD3ライゲーションは、IL−10生成を優先的に刺激する。この結果は、B7−H2が、ICOS T細胞分子の推定リガンドであることを示す(Blood.2000;96:2808−2813)PMID:11023515。【0843】(N.NOV15:ガラクトシルトランスフェラーゼ)NOV15遺伝子(CG56252−01)の発現を、表94に記載されるプライマー−プローブセットAg2902を使用して評価した。RTQ−PCR実行の結果を、表95、96および97に示す。【0844】【表94】【0845】【表95】【0846】【表96】【0847】【表97】(CNS_神経変性_v1.0概要):Ag2902 NOV15遺伝子を用いた1つの実験からの結果を含まない。ampプロットは、この実行には実験的困難性があったことを示す。【0848】(パネル1.3D概要):Ag2902 NOV15遺伝子の最も高い発現は、卵巣において見られる(CT=28)。従って、この遺伝子の発現は、正常な卵巣組織のマーカーとして使用され得る。NOV15遺伝子はまた、いくつかの内分泌/代謝関連組織(脂肪、副腎、胃腸管、下垂体、骨格筋および胸腺を含む)において中程度レベル〜高レベルの発現を有する。従って、NOV15遺伝子および/または遺伝子産物を標的化する治療モジュレーターは、これらの組織に罹患する任意の多くの疾患を処置する際に有用であり得る。【0849】有意な発現は、胎児骨格筋においても検出される(CT=29)。興味深いことに、この遺伝子は、成体骨格筋(CT=33.7)と比較した場合、胎児においてずっと高レベルで発現される。この観測は、NOV15遺伝子の発現が、胎児骨格筋と成体骨格筋とを区別するために使用され得ることを示唆する。さらに、胎児骨格筋におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現は、このタンパク質産物が、胎児における筋肉成長または発達を増強し得、そして従って、成体における再生能力において作用し得ることを示唆する。従って、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は、筋肉関連疾患の処置に有用であり得る。より詳細には、NOV15遺伝子によってコードされるタンパク質を用いる、弱い筋肉またはジストロフィー筋肉の処置は、筋肉質量または機能を回復し得る。【0850】種々の脳癌細胞株と関連する実質的な発現もまた存在するようである。さらに、低分子薬物、タンパク質治療または抗体の使用による、NOV15遺伝子の治療的調節は、脳癌の処置において有益であり得る。【0851】さらに、NOV15遺伝子(ガラクトシルトランスフェラーゼホモログ)は、試験されるCNSの全ての領域において、低レベル〜中程度レベルで発現される。ガラクトシルトランスフェラーゼは、軸索髄鞘形成においてある役割を果たす。従って、この遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的調節は、多発性硬化症または任意の脱髄疾患の処置に利点があり得る。【0852】(参考文献):Simons M,Kramer EM,Thiele C,Stoffel W,Trotter J.Assembly of myelin by association of proteolipid protein with cholesterol−and galactosylceramide−rich membrane domains.J Cell Biol 2000 Oct 2;151(1):143−54。【0853】ミエリンは、限定された範囲のタンパク質を含むグリコスフィンゴリピドおよびコレステロールにおいて豊富な専門化された膜である。本発明者らは、稀突起神経膠細胞によりミエリン成分の構築を調査し、そしてこのプロセスにおける脂質−タンパク質相互作用の役割を分析した。プロテオリピドタンパク質(PLP)(主要ミエリンタンパク質)を、ミエリン脂質中に濃縮された、低密度CHAPS不溶性膜画分(CIMF)由来の培養された稀突起神経膠細胞から回収した。小胞体を離れた後であるがゴルジ装置を出る前に、PLPは、CIMFと関連し、これは、ミエリン脂質およびタンパク質成分が、ゴルジ複合体で構築することを示唆する。CIMFにおけるミエリン脂質とPLPとの特定の関連は、光活性化可能コレステロールに効果的に架橋されるが、ホスファチジルコリン(これは、ミエリンおよびCIMFの両方において過小評価される)には効果的に架橋しなかったという知見によって支持された。さらに、稀突起神経膠細胞におけるコレステロールの枯渇またはスフィンゴリピド合成の阻害は、CIMFとPLPの関係を消滅させた。従って、PLPは、脂質−タンパク質相互作用を介して、CIMFによって表されるミエリンラフト(raft)に補充され得る。稀突起神経膠細胞と対照的に、BHK細胞におけるトランスフェクションの後に、PLPは、単離されたCIMFから非存在であり、これは、PLPがラフト会合に関して特定の脂質を必要とすることを示唆する。酵素セラミドガラクトシルトランスフェラーゼを欠損するマウス(これは、主要ミエリングリコスフィンゴリピドを合成し得ない)において、大きな画分のPLPが、もはやラフトに会合しない。コレステロールリッチおよびガラクトシルセラミドリッチな膜ドメイン(ミエリンラフト)の形成は、PLPの分類および稀突起神経膠細胞におけるミエリンの構築について重要であり得る。【0854】(パネル2D 概要):Ag2902 NOV15遺伝子の発現は、乳癌由来のサンプルにおいて最も高いようである(CT=28.1)。他の乳癌、腎臓癌、膀胱癌および卵巣癌と関連する実質的な発現が存在するようである。従って、この遺伝子の発現は、この乳癌サンプルとパネル上のサンプルの残りとを区別するために使用され得る。さらに、低分子薬物、タンパク質治療または抗体の使用による、NOV15遺伝子の治療的調節は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌または腎臓癌の処置において有益であり得る。【0855】(パネル4D 概要):Ag2902 NOV15転写物は、線維芽細胞および粘膜表皮細胞株において高度に発現され、造血細胞株においてかなり低い発現がある。転写物は、ガラクトシルトランスフェラーゼアイソフォームをコードする。この酵素は、ガラクトース β−1,4−N−アセチルグルコサミンの合成のためおよび形質膜(ここで、細胞間認識および/または接着において機能し得る)の成分としての両方で重要であり得る(OMIM 137060)。線維芽細胞および白血球における、タンパク質グリコシル化または細胞内区画を介する往来は、この酵素の活性によって変更され得る。これは、次いで、これらの細胞が、細胞間相互作用において正常な造血に関係するタンパク質を発現する能力を調節し得る。従って、NOV15転写物によってコードされるタンパク質を用いて設計された治療は、喘息、気腫、乾癬、IBD、および関節炎から生じる炎症を減少または阻害し得る。【0856】(O.NOV16:リンパ球抗原前駆体様タンパク質)NOV16遺伝子(CG56303−01)の発現を、表98および99に記載されるように、プライマー−プローブセットAg3798およびAg4119を使用して評価した。【0857】【表98】【0858】【表99】(一般的_スクリーニング_パネル_v1.4 概要):Ag3798 NOV16遺伝子の発現は、このパネルにおいて全てのサンプルで低い/検出不可能である(CT>35)。(データは示さず)。【0859】(パネル4.1D 概要):Ag3798/Ag4119 NOV16遺伝子の発現は、このパネルにおいて全てのサンプルで低い/検出不可能である(CT>35)。(データは示さず)。【0860】(他の実施形態)特定の実施形態が本明細書中で詳細に開示されているが、これは例示の目的のみのための例として行われており、そして添付される特許請求の範囲の範囲に関して限定するようには意図されない。詳細には、種々の置換、変更、および改変が、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲を逸脱することなく本発明に対して行われ得ることが、本発明者らによって企図される。核酸の出発物質、目的のクローン、ライブラリーの型の選択は、本明細書中に記載されている実施形態の知見を考慮すると、当業者にとって慣用的な事項であると考えられる。他の局面、利点、および改変は、添付の特許請求の範囲内にあると考えられる。 単離されたポリペプチドであって、以下:(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態;(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なるが、ただし、該改変体は、該成熟形態のアミノ酸配列と15%以下のアミノ酸残基が異なる、改変体;(c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なるが、ただし、該改変体は、該アミノ酸配列と15%以下のアミノ酸残基が異なる、改変体、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の天然に存在する対立遺伝子改変体のアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。 請求項2に記載のポリペプチドであって、前記対立遺伝子改変体が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、および55からなる群より選択される核酸配列から単一ヌクレオチドが異なる核酸配列の翻訳物であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。 請求項1に記載のポリペプチドであって、前記改変体のアミノ酸配列が、保存的アミノ酸置換を含む、ポリペプチド。 単離された核酸分子であって、該核酸分子が、以下:(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態;(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なるが、ただし、該改変体は、該成熟形態のアミノ酸配列と15%以下のアミノ酸残基が異なる、改変体;(c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列;(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なるが、ただし、該改変体は、該アミノ酸配列と15%以下のアミノ酸残基が異なる、改変体;(e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは該ポリペプチドの改変体の少なくとも一部をコードする核酸フラグメントであって、ここで、該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列と異なるが、ただし、該改変体は、該アミノ酸配列と15%以下のアミノ酸残基が異なる、核酸フラグメント;ならびに(f)(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)の相補体を含む、核酸分子、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含む、核酸分子。 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が天然に存在する対立遺伝子核酸改変体のヌクレオチド配列を含む、核酸分子。 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が天然に存在するポリペプチド改変体のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 請求項5に記載の核酸分子であって、前記核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、および55からなる群より選択される核酸配列と単一ヌクレオチドが異なる、核酸分子。 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が以下:(a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、および55からなる群より選択されるヌクレオチド配列;(b)ヌクレオチド配列であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、および55からなる群より選択されるヌクレオチド配列と1つ以上のヌクレオチドが異なり、ただし、該ヌクレオチドの20%以下が該ヌクレオチド配列と異なる、ヌクレオチド配列;(c)(a)の核酸フラグメント;ならびに(d)(b)の核酸フラグメント、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、および55からなる群より選択されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列の相補体に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、核酸分子。 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が、以下:(a)前記アミノ酸配列をコードするコード配列と1つ以上のヌクレオチド配列が異なるコード配列を含む第1のヌクレオチド配列であって、ただし、該第1のヌクレオチド配列の該コード配列における20%以下のヌクレオチドが該コード配列と異なる、第1のヌクレオチド;(b)該第1のポリヌクレオチドの相補体である単離された第2ポリヌクレオチド;および(c)(a)または(b)の核酸フラグメント、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。 請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。 前記核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項12に記載のベクター。 請求項12に記載のベクターを含む、細胞。 請求項1に記載のポリペプチドに免疫特異的に結合する、抗体。 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載の抗体。 前記抗体がヒト化抗体である、請求項15に記載の抗体。 サンプル中の請求項1に記載のポリペプチドの存在または量を決定するための方法であって、該方法は、以下:(a)該サンプルを提供する工程;(b)該サンプルを、該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体と接触させる工程;および(c)該ポリペプチドに結合する抗体の存在または量を決定して、それによって該サンプル中のポリペプチドの存在または量を決定する工程、を包含する、方法。 サンプル中の請求項5に記載の核酸分子の存在または量を決定するための方法であって、該方法は、以下:(a)該サンプルを提供する工程;(b)該サンプルを該核酸分子に結合するプローブと接触させる工程;および(c)該核酸分子に結合した該プローブの存在または量を決定して、それによって該サンプル中の該核酸分子の存在または量を決定する工程、を包含する、方法。 請求項1に記載のポリペプチドに結合する因子を同定する方法であって、該方法は、以下:(a)該ポリペプチドを該因子と接触させる工程;および(b)該因子が該ポリペプチドに結合するか否かを決定する工程、を包含する、方法。 請求項1に記載のポリペプチドの発現または活性を調節する薬剤を同定するための方法であって、該方法は、以下:(a)該ポリペプチドを発現する細胞を提供する工程;(b)該細胞と該薬剤とを接触させる工程;および(c)該薬剤が、該ポリペプチドの発現または活性を調節するか否かを決定する工程であって、それによって該ポリペプチドの発現または活性における変化は、該薬剤が該ポリペプチドの発現または活性を調節することを示す、工程、を包含する方法。 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節するための方法であって、該方法が、請求項1に記載のポリペプチドを発現する細胞サンプルを、該ポリペプチドの活性を調節するに十分な量で該ポリペプチドに結合する化合物と接触させる工程を包含する、方法。 NOVX関連障害を処置または予防するための方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するに十分な量で請求項1に記載のポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。 前記被験体がヒトである、請求項23に記載の方法。 NOVX関連障害を処置または予防するための方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するに十分な量で請求項5に記載の核酸を投与する工程を包含する、方法。 前記被験体がヒトである、請求項25に記載の方法。 NOVX関連障害を処置または予防するための方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該NOVX関連障害を処置または予防するに十分な量で請求項15に記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。 前記被験体がヒトである、請求項27に記載の方法。 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。 請求項5に記載の核酸分子および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。 請求項15に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。 請求項29に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。 請求項30に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。 請求項31に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む、キット。 ヒト疾患に関連する症候群を処置するための医薬の製造における治療剤の使用であって、該疾患は、NOVX関連障害から選択され、ここで、該治療剤は、NOVXポリペプチド、NOVX核酸、およびNOVX抗体からなる群より選択される、使用。 NOVX関連障害に対する活性もしくは潜伏性または素因のモジュレーターをスクリーニングするための方法であって、該方法が、以下:(a)NOVX関連障害に対する危険性が増加した試験動物に試験化合物を投与する工程であって、ここで、該試験動物は請求項1に記載のポリペプチドを組み換え発現する、工程;(b)工程(a)の化合物を投与する工程の後に、該試験動物における該ポリペプチドの活性を測定する工程;および(c)該試験動物における該タンパク質の活性を、該ポリペプチドが投与されていないコントロール動物における該ポリペプチドの活性と比較する工程であって、ここで、該コントロール動物に対する該試験動物中の該ポリペプチドの活性における変化は、該試験化合物がNOVX関連障害に対する潜伏性のまたは素因のモジュレーターであることを示す、工程、を包含する、方法。 請求項36に記載の方法であって、ここで、前記試験動物が、野生型試験動物に対して増加したレベルで、試験タンパク質導入遺伝子を発現するかまたはプロモーターの制御下で該導入遺伝子を発現する、組換え試験動物であり、ここで、該プロモーターは、該導入遺伝子のネイティブな遺伝子プロモーターではない、方法。 第1の哺乳動物被験体における請求項1に記載のポリペプチドの変化したレベルと関連する疾患の存在または素因を決定するための方法であって、該方法が、以下:(a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該ポリペプチドの発現レベルを測定する工程;および(b)工程(a)の該サンプル中の該ポリペプチドの量を、該疾患を有さないことが既知であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と比較する工程、を包含し、ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該ポリペプチドの発現レベルにおける変化が、該疾患の存在または素因を示す、方法。 第1の哺乳動物被験体における請求項5に記載の核酸分子の変化したレベルと関連する疾患の存在または素因を決定するための方法であって、該方法が、以下:(a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該核酸の量を測定する工程;および(b)工程(a)の該サンプル中の該核酸の量を、該疾患を有さないことが既知であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該核酸の量と比較する工程、を包含し、ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該核酸のレベルにおける変化が、該疾患の存在または素因を示す、方法。 哺乳動物において病理学的状態を処置する方法であって、該方法が、該病理学的状態を緩和するに十分な量でポリペプチドを該哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、および56のうちの少なくとも1つのアミノ酸配列またはそれらの生物学的に活性なフラグメントを含むポリペプチドに少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドである、方法。 哺乳動物の病理学的状態を処置する方法であって、該方法が、該病理学的状態を緩和するに十分な量で請求項15に記載の抗体を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。 新規のポリペプチドをコードする核酸配列が、本明細書中で開示される。これらの核酸配列によりコードされるポリペプチドおよびこのポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体、ならびに上記ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体の誘導体、改変体、変異体、またはフラグメントもまた開示される。本発明はさらに、これらの新規のヒト核酸およびタンパク質のいずれか1つに関与する障害を診断、処置、および予防するための治療方法、診断方法、および研究方法を開示する。本発明はまた、新規のポリペプチドをコードする核酸配列を含むベクター、このようなベクターを含む宿主細胞、抗体ならびにこのポリペプチドおよびポリヌクレオチドを産生するための組換え方法、およびこれらを使用するための方法に関する。