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タイトル:特許公報(B2)_阻害効果の中和のための硫酸アンモニウム
出願番号:2002559842
年次:2008
IPC分類:C12N 15/09,C12Q 1/68


特許情報キャッシュ

コルフハーゲ クリスチャン ヴィーリッヒ ラルフ アールミュラー ウーヴェ JP 4139222 特許公報(B2) 20080613 2002559842 20020125 阻害効果の中和のための硫酸アンモニウム キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 599072611 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 コルフハーゲ クリスチャン ヴィーリッヒ ラルフ アールミュラー ウーヴェ US 60/264,508 20010125 US 60/264,488 20010126 20080827 C12N 15/09 20060101AFI20080807BHJP C12Q 1/68 20060101ALN20080807BHJP JPC12N15/00 AC12Q1/68 Z C12Q 1/68 C12N 15/00-15/90 PubMed BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) 特開平09−019299(JP,A) The International journal of biochemistry. 1984, Vol.16, No.7, p.747-756 4 EP2002000763 20020125 WO2002059360 20020801 2004516853 20040610 16 20041110 清水 晋治 【0001】技術分野本発明は、生化学における技術に関し、より詳しくは、リボ核酸精製のための技術に関する。【0002】発明の背景蛋白質、スペルミン、スペルミジン、カチオン系界面活性剤(cationic detergents)、臭化エチジウム、SybrGreen(商標)、アクチノマイシン等のような、多くの分子が、RNAに結合して、その機能および分析を妨げ得ることがよく知られている。ほとんどの阻害物質のRNAへの結合形式は、イオン性、親水性相互作用によって安定化されたイオン性、または、親油性相互作用によって安定化されたイオン性である。多くの場合、分子とRNAリガンドとの相互作用は、非常に強いので、RNAと阻害分子との間の相互作用を少なくするために、非常に厳しい条件(例えば、変性剤、カオトロピック剤、界面活性剤、フェノール等)が必要とされる。厳しい条件であっても、相互作用を止めない場合もある。他の場合には、厳しい条件が、RNAの下流での適用を妨げる。従って、RNAへの阻害分子の相互作用を和らげるが、RNAの機能および分析を妨げない方法が必要とされる。【0003】RNA−リボースのアニオンOH-または2’−OH基のような求核試薬が、触媒および二価カチオンの存在下で、RNAを開裂するために働き得ることも、よく知られている。RNAの開裂は、RNA分子の機能および分析を妨げる。開裂試薬の中和は、しばしば、精製によってのみ可能である。様々な分子の開裂効果(cleavage effects)を阻害する方法が必要とされている。【0004】発明の要約本発明は、RNAを含む環境への、(NH4)2SO4の添加を記載する。最終濃度は、20g/100ml(1.51M)を超えない。その環境への(NH4)2SO4の添加は、RNAへ結合するか、またはRNAを開裂する試薬の阻害効果を中和する。そのような試薬は、カチオン系界面活性剤(例えば、カトリモックス(CATRIMOX)、および臭化セチルトリメチルアンモニウム=CTAB、例えば、ヨーロッパ特許出願 EP 1031626 A1参照)、蛋白質、臭化エチジウム、SybrGreen、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレセイン(putresceine)等)、帯電した多糖類、糖蛋白質、求核試薬、塩基、等を含む。その環境内に(NH4)2SO4が存在すれば、RNAに結合する試薬の阻害性または開裂性は、その環境またはその中に含まれるRNAの機能および分析を妨げない。【0005】図面の簡単な説明図1:逆転写酵素反応中のカチオン系界面活性剤の阻害効果。【0006】図2:カチオン系界面活性剤を含んでいたRNAは、カチオン系界面活性剤によって阻害される。カチオン系界面活性剤によって阻害されるRNAへの(NH4)2SO4の添加は、阻害効果を中和する。【0007】図3:カチオン系界面活性剤なしの純粋なRNAは、RTの効率(RT-performance)の非常に弱い増加のみを示した。【0008】図4:カチオン系界面活性剤なしの古典的な方法によって調製されたか、または、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNAの分析。カチオン系界面活性剤によって調製されたRNAは、閾値サイクル(threshold-cycle)の増加を示した。10mMの(NH4)2SO4溶液による、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNAの溶出、および、65℃での変性は、カチオン系界面活性剤の阻害効果を中和する。各棒グラフ(bar)の閾値サイクルは、6つの独立の値を反映する。【0009】図5:古典的な方法(C)によって調製されたか、または水中での溶出によるか(B)、または5mMの(NH4)2SO4中での溶出により、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNA。アプライド・バイオシステム(Applied Biosystem)のGAPDH PDARを、TaqMan RT-PCRのために使用した。図は、3人の別々の血液ドナーの分析の要約である。【0010】図6:古典的な方法(C)によって調製されたか、または水中での溶出によるか(B)、または5mMの(NH4)2SO4中での溶出により、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNA。アプライド・バイオシステム(Applied Biosystem)のTNFアルファPDARを、TaqMan RT-PCRのために使用した。図は、3人の別々の血液ドナーの分析の要約である。【0011】図7:逆転写酵素反応中のスペルミンの阻害効果。【0012】図8:SybrGreenを含んでいたRNAの逆転写は、スペルミンのRNAへの結合によって阻害される(レーン2)。スペルミンによって阻害されたRNAへの(NH4)2SO4の添加は、阻害効果を中和する(レーン3)。レーン1は、対照として役立つ。【0013】図9:逆転写酵素反応中のSybrGreenの阻害効果。逆転写酵素反応中の最終濃度を示す。cDNA合成を定量するために、PCRを行った。【0014】図10:SybrGreenを含んでいたRNAの逆転写は、SybrGreenのRNAへの結合によって阻害される(レーン2)。スペルミンによって阻害されたRNAへの(NH4)2SO4の添加は、阻害効果を中和する(レーン1)。レーン3は、対照として役立つ。【0015】図11:RNAへの(NH4)2SO4イオンの強固な結合は、RNAバックボーン(backbone)へ結合する臭化エチジウムの減少、および、負に帯電したRNAバックボーンの強い単離を示す電気泳動の移動性の低下によって示される。【0016】図12:(NH4)2SO4の添加による、260nMでのRNAの淡色効果(Hypochromic effect)。【0017】図13:示した異なるpH、および、10mMの(NH4)2SO4、1時間、37℃でのRNAのインキュベーション。【0018】図14:異なる(NH4)2SO4濃度の溶液に溶解したRNAを使用する逆転写酵素の相対活性。【0019】発明の詳細な説明本発明は、RNAを含む環境への(NH4)2SO4の添加に関する。最終濃度は、20g/100ml(1.51M)を超えない。環境への(NH4)2SO4の添加は、RNAに結合するか、またはRNAを開裂する試薬の阻害効果を中和する。そのような試薬は、カチオン系界面活性剤(例えば、カトリモックス(CATRIMOX)、および臭化セチルトリメチルアンモニウム=CTAB、例えば、ヨーロッパ特許出願 EP 1031626 A1参照)、蛋白質、臭化エチジウム、SybrGreen、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレセイン(putresceine)等)、帯電した多糖類、糖蛋白質、求核試薬、塩基、等を含む。その環境内に(NH4)2SO4が存在すれば、RNAに結合する試薬の阻害性または開裂性は、その環境またはその中に含まれるRNAの機能および分析を妨げない。【0020】本発明をより詳細に説明する前に、いくつかの定義を規定する。【0021】定義:リボ核酸(RNA):RNAは、当業者(practitioner)に既知または未知の、何らかの対象のリボ核酸として定義される。RNAは、天然の供給源から単離することができ、または、化学的もしくは酵素的反応において、人工的に合成することもできる。RNAは、修飾されているか、または修飾されていないヌクレオチドを含むこともできる。RNAは、タグされていない(untagged)こともでき、または、既知もしくは未知のタグによってタグされる(tagged)こともできる。【0022】RNAの機能:RNAの機能は、それらに限定されることなく、コード機能(例えば、ゲノムRNA)、酵素的機能(例えば、リボザイム機能)、結合機能(例えば、ハイブリダイジング機能、アプタマー機能等)、鋳型機能、基質機能、構造的機能、センサー機能等を含む、RNAが有し得る、何らかのインビボまたはインビトロの機能として定義される。【0023】RNAの分析:RNAの分析は、分析されるべきRNAの何らかの性質を決定するために、何らかの生物学的分析法、生化学的分析法、生物物理学的分析法、化学的分析法、または物理学的分析法(例えば、質量分析法)によって行われ得る。典型的な性質は、それらに限定されることなく、サイズ、構造、電荷、pH、修飾、量、数、溶解性、安定性、濃度、等を含む。【0024】しばしば使用される生物学的分析法は、ウイルス、ファージ、古細菌、細菌、真菌、植物、動物、および地球外生物のような、何らかの生物におけるインビボ法を含む。【0025】しばしば使用される生化学的分析法は、インビトロ法、例えば、ハイブリダイゼーション、RT−反応、RT-PCR、RT- および RT-PCR を介する(mediated)分析法、配列決定、線形および指数的等温増幅反応(linear and exponential isothermal amplification reactions) (NASBA、TMA、3SR)、リガーゼ・チェーン反応 (LCA)、オリゴヌクレオチド・リガーゼ・アッセイ (OLA), インベーダー(Invader)(商標)、分岐DNA、プライマー伸長アッセイ、保護アッセイ、結合アッセイ、機能アッセイ等を含む。【0026】しばしば使用される化学的、生物物理学的、および物理学的分析法は、何らかのタイプの分光分析、クロマトグラフィー、結晶化、イオン化、光度測定等を含む。【0027】プライマー:RNAの分析に有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、2つ以上のヌクレオチド長の、何らかのオリゴヌクレオチドであることができる。オリゴヌクレオチドプライマーは、ターゲット核酸の領域にハイブリダイズしてターゲット核酸を分析するために、または、相補的な核酸の重合を促進するために、使用される。【0028】逆転写酵素反応(RT−反応):RT−反応(cDNA合成反応)は、オリゴヌクレオチドプライマーに依存するDNA合成反応である。DNAポリメラーゼを使用する、特異的かつ効率的なcDNA合成のための、特異的な開始(primed)反応は、RNA依存性(RNA-directed)および/またはDNA依存性(DNA-directed)DNAポリメラーゼを使用して行われ得る。ここで、cDNA合成は、2つの段階:(a)多くの適用(例えば、RT−PCR、RT−PCRに依存する工程等)に十分な、第一鎖cDNA合成;および、(b)ほとんどのクローニングの目的のために必要とされる、第二鎖合成、を含む。【0029】cDNA合成は、以下の段階を含む:(1)第一鎖cDNA合成のために、オリゴヌクレオチドプライマーP1を、ターゲット核酸の相補的な配列にハイブリダイズさせ、次いで、デオキシリボヌクレオチドおよびRNA依存性、またはDNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、オリゴヌクレオチドプライマーP1を伸長することによって、ターゲット核酸と相補的なDNA第一鎖の合成が行われる。ここで、前記ターゲット核酸は、デオキシリボ核酸(RNA)である;(2)第二鎖cDNA合成のために、DNA第一鎖から、ターゲット核酸を、酵素的、化学的、もしくは熱的に除去し、次いで、DNA第一鎖の相補的な配列に、第二オリゴヌクレオチドプライマーP2をハイブリダイズさせることにより、または、DNA第一鎖のヘアピンループ(hairpin-loop)を用いて、次いで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP2もしくはDNA第一鎖の前記ヘアピンループを、デオキシリボヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼを用いて伸長することによって、DNA第一鎖と相補的なDNA第二鎖の合成を行うことができる。ここで、DNA第二鎖は、DNA第一鎖と相補的である;(3)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1は、その3’−末端に、ターゲット核酸とハイブリダイズする配列を有する;(4)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1は、その3’−末端に、DNA第一鎖とハイブリダイズする配列を有する;(5)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1およびP2は、それらの5’−末端に、別の機能的なハイブリダイズしていない配列を有することができる。【0030】逆転写酵素−ポリメラーゼ−チェーン反応(RT−PCR):RT−PCRにおいて、反応は、2つの部分からなり(bipartite)、RT−反応およびPCRを含む。両反応(RT−反応およびPCR)は、2つの独立した装置において(二段階RT−PCT)、または、1つの装置において(一段階RT−PCR)、連続的に行うことができる。【0031】RT−PCR(一段階ならびに二段階RT−PCR)のために、RT−反応中に、第一鎖cDNA合成のみが行われる。第一鎖cDNAは、通常、以下の段階を含む、PCR中の増幅段階のために使用される:(1)ターゲット核酸の初期変性(2)相補的な配列への、プライマーP2の配列に依存するハイブリダイゼーション(3)デオキシリボヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼを使用する、プライマーP2の伸長、ここで、合成されたDNAは、cDNA第一鎖と相補的である、(4)生成された二本鎖の変性(5)相補的な配列への、プライマーP1およびP2の配列に依存するハイブリダイゼーション(6)デオキシリボヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼを使用する、プライマーP1およびP2の伸長、ここで、合成されたDNA鎖は、cDNA第二および第一鎖と相補的である;(7)および、伸長生成物は、再び、数回繰り返される段階(4)、(5)および(6)のためのターゲットDNAである(8)ここで、前記プライマーP1およびプライマーP2は、第一および第二鎖ターゲット核酸と、(少なくとも一部が)相補的である。【0032】RT−反応の成分は、典型的には、そこから相補的なDNA(cDNA)が転写される、RNA鋳型;ターゲット核酸とハイブリダイズするプライマー;RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を示す核酸ポリメラーゼ;および、核酸合成のために必要とされる適当なヌクレオチド構成要素(nucleotide building blocks)、を含む。【0033】RNA鋳型の少なくとも一部と相補的なDNA分子の合成を可能にするのに十分な温度で、まず混合物をインキュベートする。成分【0034】等温増幅反応等温核酸増幅(指数的):NASBA(核酸配列に基づく増幅(Nucleic Acid Sequence Based Amplification))、3SR(自立的配列複製(Self-Sustained Sequence Replication))、2SR(3SRに類似した自立的配列複製)、TMA(転写を介する増幅(Transcription-mediated Amplification))、および類似の方法のような、インビトロ転写に基づく等温指数的核酸増幅中の使用のための、特異的な開始DNA合成反応は、配列特異的オリゴヌクレオチドプライマー、RNA依存性、および、DNA依存性DNAポリメラーゼ、並びに、DNA依存性RNAポリメラーゼを使用して行われ得る。ここで、前記方法は、以下の段階を含む:(1)ターゲット核酸、第一オリゴヌクレオチド オリゴヌクレオチドプライマーP1、第二の第一オリゴヌクレオチド オリゴヌクレオチドプライマーP2、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼ、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを含む試薬を含む、単一の反応培地を提供すること;(2)増幅サイクルが維持されるような条件を提供すること、ここで、(3)ターゲット核酸の相補的な配列へ、オリゴヌクレオチドプライマーP1をハイブリダイズさせ、次いで、デオキシリボヌクレオチドおよびRNA依存性、またはDNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、オリゴヌクレオチドプライマーP1を伸長することにより、ターゲット核酸と相補的なDNA第一鎖の合成が行われる。ここで、前記ターゲット核酸は、デオキシリボ核酸(RNA)またはリボ核酸(DNA)である;(4)DNA第一鎖から、ターゲット核酸を、酵素的、化学的、または熱的に除去し、次いで、DNA第一鎖の相補的な配列へ、第二オリゴヌクレオチドプライマーP2をハイブリダイズさせ、次いで、デオキシリボヌクレオチドおよびDNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、前記オリゴヌクレオチドプライマーP2を伸長することによって、DNA第一鎖と相補的なDNA第二鎖の合成が行われる。ここで、DNA第二鎖は、DNA第一鎖と相補的である;(5)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1は、その3’−末端に、ターゲット核酸とハイブリダイズする配列を有する(P1);(6)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP2は、その3’−末端に、第一鎖DNAとハイブリダイズする配列を有する;(7)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1またはオリゴヌクレオチドプライマーP1およびオリゴヌクレオチドプライマーP2は、その5’−末端に、DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター配列を有する;(8)DNA依存性RNAポリメラーゼおよびリボヌクレオチドを使用して、オリゴヌクレオチドプライマーP1およびオリゴヌクレオチドプライマーP2の伸長によって(段階3および4)生成された前記DNA鋳型を、インビトロでRNAへ転写すること。【0035】等温核酸増幅(線形)インビトロ転写に基づく等温線形核酸増幅中の使用のための、特異的な開始DNA合成反応は、少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドプライマー、RNA依存性、および、DNA依存性DNAポリメラーゼ、並びに、DNA依存性RNAポリメラーゼを用いて行われ得る。ここで、前記方法は、以下の段階を含む:(1)ターゲット核酸、第一オリゴヌクレオチド オリゴヌクレオチドプライマーP1、第二の第一オリゴヌクレオチド オリゴヌクレオチドプライマーP2、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼ、リボヌクレオチド、およびデオキシリボヌクレオチドを含む試薬を含む、単一の反応培地を提供すること;(2)増幅サイクルが維持されないような条件を提供すること、ここで、(3)オリゴヌクレオチドプライマーP1を、ターゲット核酸の相補的な配列とハイブリダイズさせ、次いで、デオキシリボヌクレオチドおよびRNA依存性、またはDNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、オリゴヌクレオチドプライマーP1を伸長することによって、ターゲット核酸と相補的なDNA第一鎖の合成が行われる。ここで、前記ターゲット核酸は、デオキシリボ核酸(RNA)またはリボ核酸(DNA)である;(4)DNA第一鎖から、ターゲット核酸を、酵素的、化学的、または熱的に除去し、次いで、第二オリゴヌクレオチドプライマーP2を、DNA第一鎖の相補的な配列とハイブリダイズさせることにより、または、DNA第一鎖のヘアピンループを使用し、次いで、デオキシリボヌクレオチドおよびDNA依存性DNAポリメラーゼを使用して、前記オリゴヌクレオチドプライマーP2もしくはDNA第一鎖の前記ヘアピンループを伸長することにより、DNA第一鎖と相補的なDNA第二鎖の合成が行われる。ここで、DNA第二鎖は、DNA第一鎖と相補的である;(5)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1は、その3’−末端に、ターゲット核酸とハイブリダイズする配列を有する(P1);(6)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP2は、その3’−末端に、第一鎖DNAとハイブリダイズする配列を有する;(7)ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーP1またはオリゴヌクレオチドプライマーP1およびオリゴヌクレオチドプライマーP2は、その5’−末端に、DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター配列を有する;(8)DNA依存性RNAポリメラーゼおよびリボヌクレオチドを使用して、オリゴヌクレオチドプライマーP1およびオリゴヌクレオチドプライマーP2の伸長によって(段階3および4)生成された前記DNA鋳型を、インビトロでRNAへ転写すること。【0036】本発明:リボ核酸(RNA)は、生物学的および合成的に合成される物質である。RNAは、情報分子(information molecule)、反応基質、反応触媒、認識要素(recognition element)、構造要素(structural element)等を含む、多くの機能を果たす。しかし、RNA自体、または分析ツールとしてのRNAに関するほとんどの分析方法および機能のためには、RNAの純度が重要である。それは、例えば、RNAと結合する他の分子が、RNA分子の/RNA分子を用いる、分析/機能を妨げ得るか、または、RNA分子の構造を破壊し得ることを意味する。このため、RNAと結合する分子の阻害または破壊機能を排除することが重要である。【0037】更に、RNAの安定な二次構造は、しばしば、機能および分析の質を低下させる。二次構造は、RNA分子の環境に依存する。【0038】本発明は、情報分子、反応基質、反応触媒、認識要素、構造要素等として採取されるべきRNAと結合する分子の阻害または破壊効果を排除するために、溶液中のRNAへの、硫酸アンモニウム(NH4)2SO4の添加を提供する。更に、(NH4)2SO4は、RNAを、反応および分析に、より利用できるようにするために、RNAの二次構造を溶解する。【0039】1つの態様では、本発明は、RNAを含む環境への、(NH4)2SO4の添加に関し、そこでは、好ましい態様では、最終濃度は、20g/100ml(1.51M)を超えない。環境への(NH4)2SO4の添加は、RNAに結合するか、またはRNAを開裂する試薬の阻害効果を中和する。そのような試薬は、カチオン系界面活性剤(例えば、カトリモックス(CATRIMOX)、および臭化セチルトリメチルアンモニウム=CTAB、例えば、ヨーロッパ特許出願 EP 1031626 A1参照)、蛋白質、臭化エチジウム、SybrGreen、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレセイン(putresceine)等)、帯電した多糖類、糖蛋白質、求核試薬、塩基、等を含む。その環境内に(NH4)2SO4が存在すれば、RNAに結合する試薬の阻害性または開裂性は、その環境またはその中に含まれるRNAの機能および分析を妨げない。【0040】【実施例】以下の実施例により、本発明を説明するが、本発明は、それらに限定されるものではない。【0041】実施例1カチオン系界面活性剤を含むRNA試料の阻害効果の中和カチオン系界面活性剤は、RNA試料による反応を阻害し得るRNAの逆転写中に、カチオン系界面活性剤は、最終濃度0.0064%以上において、阻害性を有する。このことを、図1に示す。【0042】実施例2逆転写酵素反応を阻害するRNAへの(NH4)2SO4の添加は、逆転写の効率(performance)を高める鋳型としてRNAを使用する酵素反応は、クローニングおよび発現分析に、非常に重要である。特に、逆転写酵素反応(RT−反応)において、RNAは、機能的および定量的に分析される。逆転写酵素は、RNAと結合するカチオン系界面活性剤を置換することができない。RNAはマスクされ、鋳型としての機能を果たさない。従って、RNAは、定量的に分析され得ない。逆転写酵素ポリメラーゼ・チェーン反応(RT−PCR)中のカチオン系界面活性剤の結合により、非常に弱いシグナル強度のみが得られた。RNAの変性段階(65℃で5分、氷上で急冷(shock cool))は、RNAとカチオン系界面活性剤との複合体を溶解しない。最終濃度5−32mMへの(NH4)2SO4の添加および氷上での急冷を伴う65℃での5分間の試料の変性は、RT−PCRのシグナルを、顕著に高める(図2)。逆転写酵素は、32mM (NH4)2SO4の最終濃度まで、阻害されない。【0043】実験の構成(set-up):カチオン系界面活性剤を含む、ヒト血液RNAを、10μlの水または最終濃度5−64mMの10μlの(NH4)2SO4溶液に溶解した。溶液を、65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。全溶液を、20μlのRT−反応物(RT-reaction)に移した。RT−反応を、37℃で行った。RT−反応が終了した後、2μlのRT−反応物(RT-reaction)を、20μlのPCRに移した。β−アクチン特異的プライマーによって、ヒトβ−アクチン配列の1700bpフラグメントが検出された。【0044】実施例3RNA試料への(NH4)2SO4の添加は、阻害性のRNAによる反応にのみ影響を及ぼし、非阻害性のRNA試料による反応には影響を及ぼさないカチオン系界面活性剤によって阻害されるRNAへの(NH4)2SO4の添加は、逆転写中の効率を、約10倍以上増加させる。対照的に、カチオン系界面活性剤によって阻害されないRNAは、RT−反応の効率の非常に低い増加(1.6倍)のみを示した(図3)。【0045】実験の構成:カチオン系界面活性剤を含むHela細胞からの全RNA(RNA+カチオン系界面活性剤)を、カチオン系界面活性剤を含まないHela細胞からの全RNA(RNA−カチオン系界面活性剤)と比較した。異なる濃度の(NH4)2SO4の存在によって、何倍増加したかを決定するために、RNA(カチオン系界面活性剤あり、および、なし)を、10μlの水または最終濃度5−30mMの(NH4)2SO4溶液10μlに溶解した。溶液を、65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。全溶液を、20μlのRT−反応物(RT-reaction)へ移した。RT−反応を、37℃で行った。合成されたcDNAの量を決定するために、2μlのRT−反応物(RT-reaction)を、20μlのPCRへ移し、β−アクチン特異的プライマーによって、ヒトβ−アクチン配列の1700bpフラグメントを検出した。【0046】実施例4カチオン系界面活性剤を含むRNA試料の阻害効果の中和カチオン系界面活性剤を含むRNAへの(NH4)2SO4の添加は、TaqMan RT−PCRの効率を高めないカチオン系界面活性剤を含むRNAによるTaqMan RT−PCRは、効率が悪い(閾値サイクルがより遅い(later threshold-cycle))。逆転写酵素ポリメラーゼ・チェーン反応(RT−PCR)中のカチオン系界面活性剤の結合により、高い閾値サイクルのみが得られた。最終濃度10mMへの(NH4)2SO4の添加および氷上での急冷を伴う、65℃での5分間の試料の変性は、閾値サイクルを顕著に低下させる(図4)。【0047】実験の構成:ヒト血液RNAを、カチオン系界面活性剤を用いて、または、カチオン系界面活性剤なしの古典的な方法によって、調製した。RNAを、水または10mMの(NH4)2SO4で溶出した。10mMの(NH4)2SO4を含む溶出液を、65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。各溶出液のアリコートを、GAPDHのシングルチューブ(single-tube)TaqMan RT−PCRに移した。反応の成分は、アプライド・バイオシステム(Applied Biosystem)(PDAR GAPDH)によって供給される。【0048】実施例5RNA試料の阻害効果の中和は、長時間(over time)安定であるカチオン系界面活性剤を含むRNAへの(NH4)2SO4の添加は、長時間、TaqMan RT−PCRの効率を高めないカチオン系界面活性剤のRNAへの結合は、長時間(NH4)2SO4を添加することによって中和され得る。長時間(少なくとも3週間)、カチオン系界面活性剤の阻害効果を中和するためには、たった1つの初期変性(65℃で5分、氷上で急冷)が必要である。(NH4)2SO4の存在下では、カチオン系界面活性剤とRNAとの再結合は得られない。【0049】実験の構成:ヒト血液RNAを、カチオン系界面活性剤を用いて(AおよびB)、または、カチオン系界面活性剤なしの古典的な方法によって(C)、調製した。水(BおよびC)または10mMの(NH4)2SO4(A)によって、RNAを溶出した。10mMの(NH4)2SO4を含む溶出液を、最初に65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。各溶出液のアリコートを、GAPDH(図5)またはTNFアルファ(図6)のシングルチューブTaqMan RT−PCRに移した。他のアリコートを、1〜3週間、−20℃で保存した。これらのアリコートを、更なる変性段階なしで、更なるTaqMan RT−PCR分析に移した。それらの値を、古典的な方法によって調製されたRNA(C)によって得られた閾値サイクルに標準化した。【0050】実施例6スペルミンを含むRNA試料の阻害効果の中和スペルミンは、RNA試料による反応を阻害することができるスペルミンは、最終濃度1mMで、逆転写酵素反応中、4倍までの減少を引き起こす(図7)。【0051】実験の構成:0mM(レーン1)、0.125mM(レーン2)、0.25mM(レーン3)、0.5mM(レーン4)および1mM(レーン5)のスペルミンを含む逆転写酵素反応を行った。RT−反応後に生成されたcDNAを定量するために、2μlのRT−反応物を、20μlのPCRに移した。ゲル電気泳動によって、特異的なフラグメントを分析した(図7)。【0052】実施例7逆転写酵素反応を阻害するスペルミンを含むRNAへの(NH4)2SO4の添加は、逆転写の効率を高める逆転写酵素は、RNAに結合するスペルミンを置換することができない。RNAはマスクされ、鋳型として機能しない。従って、RNAは、定量的に分析され得ない。スペルミンのRNAへの結合により、逆転写酵素ポリメラーゼ・チェーン反応(RT−PCR)中、非常に弱いシグナル強度のみが得られた。RNAの変性段階(65℃で5分、氷上で急冷)は、RNAとスペルミンとの複合体を溶解しない。最終濃度5mMへの(NH4)2SO4の添加、および、氷上での急冷を伴う、65℃での5分間の試料の変性は、RT−PCRのシグナルを、顕著に高める(図8)。【0053】実験の構成:5mMのスペルミンを含む全RNAを、2μlの水(レーン2)、または、2μlの5mM(NH4)2SO4溶液(レーン1)に溶解した。レーン3では、スペルミンなしの全RNAを、2μlの5mM(NH4)2SO4溶液に溶解した。溶液を、65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。全溶液を、20μlのRT−反応物(RT-reaction)に移した。RT−反応を、37℃で行った。RT−反応の終了後、2μlのRT−反応物を、20μlのPCRへ移した。ゲル電気泳動によって、特異的フラグメントを分析した。【0054】実施例8SYBRGREENを含むRNA試料の阻害効果の中和SybrGreenは、RNA試料による反応を阻害し得るSybrGreenは、最終濃度100xで、cDNA合成を完全に失わせる(図9)。【0055】実験の構成:0x、0.001x、0.01x、0.1x、1x、10xおよび100xのSybrGreenを含む逆転写酵素反応を行った。RT−反応後に生成されたcDNAを定量するために、2μlのRT−反応物(RT-reaction)を、20μlのPCRへ移した。ゲル電気泳動によって、特異的フラグメントを分析した。【0056】実施例9逆転写酵素反応を阻害するSYBRGREENを含むRNAへの(NH4)2SO4の添加は、逆転写の効率を高める逆転写酵素は、RNAと結合するSybrGreenを置換することができない。RNAは、マスクされ、鋳型として機能しない。従って、RNAは、定量的に分析され得ない。SybrGreenのRNAへの結合により、逆転写酵素ポリメラーゼ・チェーン反応(RT−PCR)中、非常に弱いシグナル強度のみが得られた。RNAの変性段階(65℃で5分、氷上で急冷)は、RNAとSybrGreenとの複合体を溶解しない。最終濃度5mMへの(NH4)2SO4の添加、および、氷上での急冷を伴う、65℃での5分間の試料の変性は、RT−PCRシグナルを、顕著に高める(図10)。【0057】実験の構成:SybrGreenを含む全RNAを、2μlの水(レーン2)または2μlの5mM(NH4)2SO4溶液(レーン1)に溶解した。レーン3では、SybrGreenなしの全RNAを、2μlの5mM(NH4)2SO4溶液に溶解した。溶液を、65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。全溶液を、20μlのRT−反応物(RT-reaction)へ移した。RT−反応を、37℃で行った。RT−反応の終了後、2μlのRT−反応物を、20μlのPCRへ移した。ゲル電気泳動によって、特異的シグナルを分析した。【0058】実施例10RNAバックボーンおよび塩基への(NH4)2SO4イオンの強固な結合RNAバックボーンへの(NH4)2SO4イオンの強固な結合により、競合および電気泳動の移動性の低下が引き起こされる臭化エチジウムは、RNAのバックボーンに結合し、ならびに、二本鎖RNAへ挿入される。変性条件(例えば、変性ゲル電気泳動)下では、一本鎖RNAのみが存在する。次いで、変性条件下で、臭化エチジウムは、イオン性相互作用によって、RNAバックボーンに結合する。臭化エチジウムとRNAとの間の、このイオン性相互作用は、(NH4)2SO4の添加によって競合され得て、このことは、(NH4)2SO4とRNAとの強固な相互作用を示唆する(図11)。この臭化エチジウム置換アッセイは、(NH4)2SO4とRNAとの間の強固な結合を示した。【0059】実験の構成:2.6μgの全RNAを、水に溶解し、または、2.3μgの全RNAを、5mMの(NH4)2SO4へ溶解した。ホルムアルデヒドおよびホルムアミドを含む変性ローディング(loading)バッファーの添加後、試料を65℃で変性させ、図11に示すように、変性ホルムアルデヒドゲル上に載せた。【0060】実施例11(NH4)2SO4の添加により、電気泳動の移動性の遅延(retardation)が起こり、このことは、(NH4)2SO4による、負に帯電したRNAバックボーンの強い単離を示唆する(図12)。淡色効果の測定により、RNAへの(NH4)2SO4の強固な結合、および、その後の電気的単離が更に示される。塩基の複素環は、260nMで光を吸着(吸収)する。淡色効果は、ダブルヘリックスの平行な配列におけるそれらのスタッキングによって可能となる、塩基の電子系間の相互作用によって生じる。複式(duplex)状態からの何らかの減少は、この効果の増加によって、即ち、260nMでの光学濃度の増加によって、直ちに反映される(図12)。【0061】実験の構成:RNA(22μg/ml)を、異なる濃度の(NH4)2SO4に溶解する。図12に示すように、260nMでの光学濃度を測定した。【0062】実施例12RNAへの(NH4)2SO4イオンの強固な結合により、求核試薬を含む環境におけるより良好な安定性がもたらされるRNAへの(NH4)2SO4イオンの強固な結合により、アルカリ性の環境におけるより良好な安定性がもたらされるRNAは、アルカリ性pHの環境において、求核的なOH-イオンによる塩基性加水分解により、迅速に分解する。アルカリ性の環境におけるRNAへの硫酸アンモニウムの添加は、RNAを安定化し、かつ、アルカリ加水分解から、RNAを保護する。【0063】実験の構成:1μgの0.24−9.5kbのRNAラダー(ladder)(LTI)を、異なるpH(8.3−11)で、10 mM (NH4)2SO4、2 mM MgCl2、40 mM NaClおよび50 mM Tris-バッファーを含むバッファー中で、37℃で1時間インキュベートした。変性ゲルローディングバッファーの添加後、試料を、65℃で変性させ、変性ホルムアミドゲル上に載せた。ゲルを、図13に示す。【0064】実施例13(NH4)2SO4中に溶解したRNAの下流分析は、影響を受けない逆転写酵素の活性は、(NH4)2SO4を含むRNA試料による影響を受けない図14に示すように、逆転写酵素は、(NH4)2SO4による影響を受けない。3種の異なる逆転写酵素を、異なる濃度の硫酸アンモニウムを含むか、または含まない活性アッセイにおいて比較した。硫酸アンモニウムなしの逆転写酵素の活性を、1.0とした(図14)。【0065】実験の構成:異なる(NH4)2SO4濃度(0−30mM)の溶液中のHela細胞からの全RNA10μl量を、RT−反応物(RT-reactions)内へスパイクした(spiked)。水中の10μlのRNAと比べた相対活性を決定した。すべてのRNA試料を、65℃で5分間変性させ、氷上で冷却した。結果を、図14に示す。【0066】実施例14その生成物がマイクロアレイのために使用される標識反応のためのRNAへの(NH4)2SO4の添加逆転写酵素は、RNAと強固に結合した阻害物質または二次構造の強固な塩基対と置換することができない。それ故、阻害物質または安定な二次構造の結合は、マイクロアレイによる転写の分析に影響を及ぼし得る。氷上での急冷を伴う、65℃、5分間の5mMの(NH4)2SO4を含む溶液中のRNAの変性段階により、マイクロアレイでのプラスのシグナルの数およびシグナル強度が増加する。【0067】実験の構成:10μgの全RNAを、20μlの5mMの(NH4)2SO4溶液へ溶解し、65℃で5分間変性させた。溶液を、氷上で急冷した。別の実験では、(NH4)2SO4を含む溶液中で、RNAを変性させなかった。両RNAを、標識としてシアニン−5−dCTPを用いて、オムスクリプト(Omnscript)逆転写酵素によって、逆転写させた。QIAquickカラムでの標識されたcDNAの精製後、真空によってcDNA含有溶液の量を減少させた。マイクロアレイによる精製されたcDNAの1/5のハイブリダイゼーションを、一晩、標準的なハイブリダイゼーションバッファー中で行った。マイクロアレイの洗浄のために、標準的な洗浄バッファーを使用した。【0068】結果:標識反応前の(NH4)2SO4含有溶液中でのRNAの変性により、(NH4)2SO4含有溶液中でのRNAの変性なしの標準的な標識工程(A)と比べて、より多くのシグナルが観察でき、かつ、より高いシグナル強度が得られた(B)。【0069】前述から、ここでは、説明のために、本発明の特定の態様を記載したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが、理解されるであろう。【図面の簡単な説明】【図1】逆転写酵素反応中のカチオン系界面活性剤の阻害効果。【図2】カチオン系界面活性剤を含んでいたRNAは、カチオン系界面活性剤によって阻害される。【図3】カチオン系界面活性剤なしの純粋なRNAは、RTの効率の非常に弱い増加のみを示した。【図4】カチオン系界面活性剤なしの古典的な方法によって調製されたか、または、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNAの分析。【図5】古典的な方法(C)によって調製されたか、または水中での溶出によるか(B)、または5mMの(NH4)2SO4中での溶出により、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNA。【図6】古典的な方法(C)によって調製されたか、または水中での溶出によるか(B)、または5mMの(NH4)2SO4中での溶出により、カチオン系界面活性剤によって調製されたRNA。【図7】逆転写酵素反応中のスペルミンの阻害効果。【図8】SybrGreenを含んでいたRNAの逆転写は、スペルミンのRNAへの結合によって阻害される(レーン2)。スペルミンによって阻害されたRNAへの(NH4)2SO4の添加は、阻害効果を中和する(レーン3)。レーン1は、対照として役立つ。【図9】逆転写酵素反応中のSybrGreenの阻害効果。【図10】SybrGreenを含んでいたRNAの逆転写は、SybrGreenのRNAへの結合によって阻害される(レーン2)。スペルミンによって阻害されたRNAへの(NH4)2SO4の添加は、阻害効果を中和する(レーン1)。レーン3は、対照として役立つ。【図11】RNAへの(NH4)2SO4イオンの強固な結合は、RNAバックボーンへ結合する臭化エチジウムの減少、および、負に帯電したRNAバックボーンの強い単離を示す電気泳動の移動性の低下によって示される。【図12】(NH4)2SO4の添加による、260nMでのRNAの淡色効果。【図13】示した異なるpH、および、10mMの(NH4)2SO4、1時間、37℃でのRNAのインキュベーション。【図14】異なる(NH4)2SO4濃度の溶液に溶解したRNAを使用する逆転写酵素の相対活性。【図15】実施例14の結果を示す。 逆転写酵素反応における、RNAに結合する試薬による、天然の供給源から単離された又は人工的に合成されたRNAの阻害効果を中和する方法であって、前記RNA及び前記試薬を含む組成物への硫酸アンモニウムの添加を含む(但し、組成物中の硫酸アンモニウムの最終濃度は、5−64mMである)、前記方法。 組成物が、RNA結合試薬から選択される夾雑物質を更に含む、請求項1の方法。 組成物が、カチオン系界面活性剤を更に含む、請求項1または2の方法。 組成物が、夾雑物質として、臭化エチジウムを更に含む、請求項1−3のいずれか1項の方法。


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