タイトル: | 特許公報(B2)_非経口投与用のドロネダロン医薬組成物 |
出願番号: | 2002549234 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/343,A61K 9/08,A61K 47/24,A61K 47/40,A61P 9/06 |
ブール−リアグ−セヴ,フレデリク ブリウル、ティエリ JP 4399161 特許公報(B2) 20091030 2002549234 20011210 非経口投与用のドロネダロン医薬組成物 サノフィ−アベンティス 399050909 野河 信太郎 100065248 ブール−リアグ−セヴ,フレデリク ブリウル、ティエリ FR 00/16071 20001211 20100113 A61K 31/343 20060101AFI20091217BHJP A61K 9/08 20060101ALI20091217BHJP A61K 47/24 20060101ALI20091217BHJP A61K 47/40 20060101ALI20091217BHJP A61P 9/06 20060101ALI20091217BHJP JPA61K31/343A61K9/08A61K47/24A61K47/40A61P9/06 A61K31/33-33/44 A61K 9/00- 9/72 A61K47/00-47/48 特開平04−316554(JP,A) 国際公開第98/058643(WO,A1) 特開昭57−004914(JP,A) 17 FR2001003903 20011210 WO2002047660 20020620 2004528277 20040916 10 20040614 鈴木 智雄 【0001】この発明は、一般に活性成分として、ベンゾイルベンゾフラン誘導体からなる新規な医薬組成物に関する。特に、この発明は、活性成分として、2-ブチル-3-(4-[[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]]ベンゾイル)-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン(これはドロネダロンとしても知られている)またはその医薬的に許容される塩、好ましくはその塩酸塩からなる非経口投与用医薬組成物に関する。【0002】この(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン誘導体とその医薬的に許容される塩は、その治療的適用とともに、ヨーロッパ特許第0471609号に開示されている。この化合物は、心血管領域で、特に抗不整脈剤として特に有利なことが示されている。【0003】塩酸塩の形態のドロネダロンは、水性媒体中で限られた溶解性を示し、室温において、pH=4.85で0.5 mg/mlである。pH 1.5〜5の範囲で、その溶解性は実質的に一定で、5.5より大きなpH値で実質的にごくわずかになる。しかし、ドロネダロン塩酸塩の溶解性は、リン酸モノナトリウム緩衝液(NaH2PO4)の存在下で増加する。すなわち、室温で、1.5〜5のpH範囲で2 mg/mlから2.25 mg/mlに変化し、pH=5.5で突然実質的に0に減少する。【0004】しかしながら、リン酸緩衝液の存在下に、ドロネダロン塩酸塩1.065 mg/mlを含む水性製剤を用いる、数日にわたるラットで行ったテストは、この塩酸塩を欠く同じ製剤に比較して、この組成物の局所許容性が悪いことを示した。その上、ドロネダロンは、水性溶液中で、表面張力の顕著な低下を導く、強力なイオン界面活性特性を有する。その上、この界面活性の性質は、リン酸緩衝が非存在下であると同様に存在下でも強いことが証明され、水性溶液においてドロネダロン分子の自己凝集に部分的な原因として維持され得る。事実、溶液中の超分子構成は、先端と末端に位置し、積層中に堆積したダイマーの形成による。これらのダイマーを注射で投与すると細胞膜の破裂をもたらし、結果として注射部位の炎症が現れる。一般に、これらのドロネダロンの界面活性特性は、それらが存在する組成物の乏しい許容性の原因であるとみなし得る。【0005】米国特許第4727064号には、シクロデキストリン誘導体、特にヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水溶液が、医薬活性成分の溶解性を増加でき、これらのシクロデキストリン誘導体の溶液が、局所刺激を生じないことが報告されている。しかしながら、医薬活性成分も含むβ−シクロデキストリン誘導体のそのような溶液の、局所許容性の主題については、そこには何の指摘も見られない。【0006】本発明との関連で、水性ドロネダロン製剤中、例えばその塩酸塩の形態中に存在し、非経口的に投与されたとき、この活性成分の許容性を改善するだろうとの仮説が立てられた。この観点から、シクロデキストリン誘導体、この場合ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの存在下、ドロネダロン塩酸塩1.065 mg/mlからなる水性製剤を用いる、数日にわたるラットで、テストを行った。しかしながら、そのような組成物の投与は、注射部位における顕著な不耐性を示し、一方ドロネダロン塩酸塩の欠ける同一の製剤は、よく許容されることが証明された。【0007】したがって、ドロネダロンが好ましくは塩酸塩のような医薬的に許容される塩の一つの形態にあって、治療的用途のために十分に濃縮され、かつ上記の欠点がない両方である注射できるドロネダロン製剤についての探索は、疑いの余地のない興味のあることである。実際に、今回、驚くべきことにこの発明により、特にドロネダロンがその塩酸塩の形態にあり、濃縮され、それらが投与されたときに受容できる許容性の両方を有する、入手可能なドロネダロン水溶液を有することが可能であることが見出された。【0008】事実、β−シクロデキストリン誘導体が、適当な緩衝媒体と組合せて用いられるときに、ドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の溶解性を増大でき、かつその自己凝集を防止できることを実証することができる。したがって、この発明は:・ 活性成分として、ドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の1つ、・ 組成物のpHを3〜5に維持できる生理学的に許容される緩衝液、・ 生理学的に許容される水溶性β−シクロデキストリン誘導体からなる非経口用医薬組成物に関する。【0009】この記載に続いて及び請求項において、特に示さない限り、この発明の組成物を形成する各種成分、すなわち、活性成分、緩衝媒体、β−デキストリン誘導体または他の付加成分のパーセントは、すべて最終組成物について重量割合、すなわち、重量%で示す。好ましくは、医薬的に許容される塩の一つの形態にあるドロネダロン、例えば塩酸塩は、この発明の組成物中に、0.01%〜4%の割合で、例えば0.1%〜0.8%の割合で存在する。しかしながら、好ましい組成物は、ドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の1つを0.4%〜0.8%含む。【0010】一般に、緩衝液は、活性成分を溶解し、かつ組成物のpHを3〜5に維持する両方ができる生理学的に許容される水性溶液から選択される。かくして、この発明で使用できる緩衝溶液は、例えば次の:・ 酢酸/酢酸アルカリ金属、・ ギ酸/ギ酸アルカリ金属、・ コハク酸/コハク酸アルカリ金属、・ クエン酸/クエン酸アルカリ金属、・ 酒石酸/酒石酸アルカリ金属、・ 乳酸/乳酸アルカリ金属、・ マレイン酸/マレイン酸アルカリ金属、・ メタンスルホン酸/メタンスルホン酸アルカリ金属、・ リン酸モノアルカリ金属、から選択される緩衝系からなり、この上記の塩の各々におけるアルカリ金属は、例えばナトリウムまたはカリウムである水溶液である。【0011】緩衝液として、リン酸モノアルカリ金属(monoalkalimetal phosphate)、例えばリン酸モノナトリウムまたはリン酸モノカリウムの使用が、好ましくは挙げられる。この緩衝液は、組成物のpHを4.5に維持でき、この値のpHの増加は、ドロネダロン、特にその塩酸塩の水溶性を激しく減少させる。【0012】大抵の場合において、緩衝液のイオン強度は、0.005モル〜0.5モルの間であり、好ましくは0.01〜0.2モル、例えば0.05〜0.15モルの間である。0.5モルを越えると、この発明の組成物の安定性を防げ、製剤を高浸透性にする媒体中の塩濃度の危険があり、一方0.005モルより低い濃度では、緩衝効果が存在しなくなる。 例示をすると、リン酸モノアルカリ金属塩、例えばリン酸モノナトリウムまたはリン酸モノカリウムの0.05〜0.15モル緩衝液を挙げることができる。【0013】水溶性β−シクロデキストリン誘導体に関して、このタイプの生理学的に許容される化合物から選択され、この誘導体は一般にβ−シクロデキストリンそれ自体より、より水溶性である。その上、β−シクロデキストリンは、その低い水溶性、かつその毒性の理由で使用できないことが分った。この発明の組成物に使用できるβ−シクロデキストリン誘導体の例としては、β−シクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体、ジメチル−β−シクロデキストリン、トリメチル−β−シクロデキストリンと、これらの混合物を挙げることができる。しかしながら、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを使用するのが好ましい。【0014】一般に、β−シクロデキストリン誘導体は、非経口組成物に、0.5%〜50%、好ましくは1%〜10%、例えば5%の割合で、かつドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の1つの重量の5〜20倍、好ましくはこの重量の10〜15倍、特にこの重量の12〜13倍の割合で組込まれる。上で示したように、上記のβ−シクロデキストリン誘導体は、この発明の組成物中において、適当な緩衝液、例えばリン酸緩衝液と組合せて使用すると、特にドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の水溶性を増大することができる。たとえば、ドロネダロン塩酸塩の場合に、100ミリモル リン酸緩衝液とヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン5%の存在下、これらの条件下で、約6.5 mg/mlまで増大できる。【0015】その上、これらのβ−シクロデキストリン誘導体、特にヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、ドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩を、この活性成分のカプセル化コンプレックスを形成することにより、分子の自己会合を防止できることが分った。その後、この分子カプセル化コンプレックスは、それをそのまま保持して、細胞膜を通過でき、したがって、適当な緩衝液またはβ−シクロデキストリン誘導体の何れかの組成物で示された局所の不耐性の問題を解消できることが分った。この発明の組成物は、必要により、1以上の付加的な成分、特に、殺菌剤のような防腐剤または保護剤、またはマンニトールのような組成物の等張性を維持できる化合物を含むことができる。このように形成されたこの発明の組成物は、高い安定性で特徴付けられ、持続する型で保存し、かつ注射による投与で効果的に使用できる両方を可能にしている。【0016】この発明の医薬組成物は、適当な緩衝液系、可溶なβ−シクロデキストリン誘導体と任意の付加的な賦形剤で形成した水性媒体を、50〜60℃、好ましくは55℃の温度に加熱し、次いでこの温度で、そこへ活性成分を加えることにより簡便に得ることができる。【0017】この発明による組成物の特徴と利点は、実施例を用いて与えた組成物から始まる、以下の記述で明らかになる。【0018】I.動物での局所許容性ドロネダロン塩酸塩またはプラセボとして対応する賦形剤を含む各種の水性組成物の局所許容性を評価する目的でテストを行った。この目的で、下記の1つの水性組成物の用量を、5匹の雄ラットのバッチに、静脈ルートで5日間毎日投与した。注射は、尾静脈、好ましくは遠部位、次いで中部位、最後に近部位に行った。次に動物を第8日に屠殺し、尾を可能な顕微鏡検査の目的のため除去した。次の結果が得られた:a)ドロネダロン塩基の0.1%からなる組成物・ 投与用量:5ml/kg、すなわち5ml/kg/日・ テストした組成物【0019】【表1】【0020】これらの成分を、1mlの用量を作るのに十分な水の量を加える。組成物A,B,EとFは、pH4.5で、組成物CとDはpH4.5〜6.5の間である。1)組成物A(またはβ−シクロデキストリン誘導体とリン酸緩衝液からなる組成物)局所の臨床的兆候は記録されなかった。この製剤の局所許容性は非常に良好と認めることができる。2)組成物B,DとF(またはプラセボ組成物)局所の臨床的兆候は記録されなかった。3)組成物C(またはβ−シクロデキストリン誘導体を含有し、リン酸緩衝液のない組成物)【0021】1回注射後に、全動物の尾は、局所的赤色斑を奏し、硬く感じた。2回注射後、次の注射は、困難であると分り、尾の中区域を次いで近区域(基底)に行わなければならなかった。尾の状態により、続いて注射を行うことがそれ以上できなかった。従って、2匹の動物は、3回の注射のみが可能であり、その他の2匹は4回の注射のみ、1匹のみが5日間処置することができた。5日目に、4匹の動物の尾は黒くなった(恐らく壊死)。この組成物の局所の不耐性は、きびしいとみなされる。【0022】4)組成物E(またはリン酸緩衝液を含有し、β−シクロデキストリン誘導体を含まない組成物)1回ないし3回の注射後、動物の尾は、全長にわたり局所の赤色斑を奏した。4日目に、2匹の動物は、中区域(遠区域ではない)に注射せざるを得なかった。5日目に、尾の状態が悪い技術的な困難性により4匹の動物の処置を止め、全動物の尾は硬かった。この製剤の局所不耐性は、顕著とみなされる。【0023】結論として、これらの結果を組合せると、ドロネダロン塩酸塩を含む組成物の中で、緩衝液とβ−シクロデキストリン誘導体の両者を含む製剤のみが、満足すべき局所許容性を示した。b)ドロネダロン塩基の0.4%含有組成物・ 投与用量:2ml/kg、すなわち2 mg/kg/日・ テスト組成物【0024】【表2】【0025】これらの成分を、1mlの容量にするのに十分な水の量に添加する。4つの組成物は、pH4.5を有する。1)組成物GとI(またはβ−シクロデキストリン誘導体とリン酸緩衝液を含む組成物)局所的な臨床上の兆候は記録されなかった。2)組成物HとJ(またはプラセボ組成物)局所的な臨床上の兆候は記録されなかった。これらの製剤の局所許容性は非常に良好で等しいと見なされる。これらの結果は再び組成物が適当な緩衝液とβ−シクロデキストリン誘導体の両方を含むときに、ドロネダロン塩酸塩の組成物についてすぐれた局所許容性を示した。【0026】II.ヒトでの局所許容性2つのドロネダロン塩酸塩製剤、1つはβ−シクロデキストリン誘導体を含まずリン酸緩衝液を含み、この場合組成物Eと、他はこれら2つの化合物を含む、すなわち次表のものとの局所許容性を評価する目的で比較テストを行った。【0027】【表3】【0028】これらの成分を、1ml容量を作るのに十分な水の量に添加する。A) 第1シリーズのテストで、28人の健全男性被験者を4対象の7グループに分け、用いた。・ 各グループの3人の被験者に、肘前静脈に灌注で組成物Eを、ドロネダロン塩基の5,10,20または40 mgに相当するドロネダロン塩酸塩の用量で30分を要し、またはドロネダロン塩基の40,60または80 mgに相当するドロネダロン塩酸塩の用量で60分を要し投与し、各グループの1対象に、灌注でプラセボを投与した。【0029】この組成物Eは、各テストで、活性成分の濃度が0.333 mg/mlになるように5%デキストロース液で希釈した後に用いた。結果として、灌注用量と1分当りの投与速度は、テストした各用量で変化した。これらの灌注に続いて、この投与を30分間した2人の被験者は、静脈炎を示し、これは消失したが、8日後でもなお静脈の硬化が残る。同様に、これらの投与を60分間受けた3人の被験者は、化学誘因の静脈炎を示した。これは消失したが、8日後でもなお静脈の硬化があった。プラセボを投与された被験者の何れも灌注部位での反応を示さなかった。【0030】B) 第2のシリーズのテストでは、32人の健全男性被験者を5グループに分けて用いた。・ 2つのグループの3人の被験者は、組成物Kを肘前静脈に灌注で投与され、ドロネダロン塩基の10または20 mgに相当するドロネダロン塩酸塩の用量で60分を要し、各グループの1被験者は、灌注によってプラセボを投与される。・ 3つのグループの6人の被験者は、組成物Kを肘前静脈に灌注で投与され、ドロネダロン塩基の40,60または80 mgに相当するドロネダロン塩酸塩の用量で3分を要し、各グループの2人の被験者は灌注でプラセボを投与された。この組成物Kは5%デキストロース液で希釈して用いられた。加えて、灌注容量は120mlに、投与速度は4ml/分に設定された。【0031】結果的に、ドロネダロン塩酸塩の濃度は、灌注液体中、投与される活性成分の用量に従い増加し、10 mgの用量で0.083 mg/mlから80 mgの用量で0.666 mg/mlに変化する。この灌注に続いて、静脈炎または化学的誘因静脈炎がテストされた何れの用量でも記録されないことから、組成物Eより、局所許容性が良好とみられた。組成物Eと比較して、組成物Kで記録された結果は、灌注の期間が短く(組成物Eの60分の代りに30分)と投与された灌注の濃度が高いことから40,60と80 mgの用量で特に著しい。【0032】事実、80 mgの用量で、灌注した組成物K中のドロネダロン塩酸塩の濃度は、組成物Eの場合の0.333 mg/mlの代りに0.666 mg/mlであった。これらの結果から、ヒトに関して、ドロネダロン塩酸塩、適当な緩衝液とβ−誘導体を含有する組成物は、緩衝液を欠く類似の組成物に比較して非常に良好な許容性があることを確認するものである。【0033】次の非限定的な実施例は発明を説明するものである。実施例1ドロネダロン塩酸塩の注射用組成物次の処方に対応する注射可能な医薬組成物:ドロネダロン塩酸塩(ドロネダロン塩基の4 mg相当) 4.26 mgヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 50.00 mgリン酸モノナトリウム・2水和物 15.60 mgマンニトール 8.00 mg水(注射用) 1mlに十分な量が下記の方法を用いて調製される。【0034】50 mgのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、15.6 mgのリン酸モノナトリウム・2水和物と8 mgのマンニトールを注射液の全体の水の75%に溶解し、磁気撹拌下に、4.26 mgのドロネダロン塩酸塩を加える。磁気撹拌を30分続け、次いで注射液の水で最終用量の100%にする。ドロネダロン塩酸塩溶液を0.22mmの多孔度の膜を介して濾過し、溶液の澄明性、pH、重量モル浸透圧濃度を調べる。次の結果が得られた。濃度:1.1NTU(比濁法濁度単位)pH:4.5重量モル浸透圧濃度:311mosmol/kgこのようにして得られた溶液は澄明で等張性である。オートクレーブ中、121℃で35分間保たせることができる。このものは5℃、25℃、40℃で6ヶ月安定であり、5%グルコースおよび0.9%塩化ナトリウム液中に希釈できる。【0035】実施例2〜4実施例1にあるように、同じ方法に従って、次の組成物を調製した。実施例2:ドロネダロン塩酸塩(ドロネダロン塩基4 mgに相当) 4.26 mgヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 50.00 mg無水リン酸モノナトリウム 12.00 mgマンニトール 8.00 mg水(注射用) 1mlに十分な量【0036】実施例3:ドロネダロン塩酸塩(ドロネダロン塩基1 mgに相当) 1.065 mgヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 50.00 mg無水リン酸モノナトリウム 12.00 mgマンニトール 8.00 mg水(注射用) 1mlに十分な量【0037】実施例4:ドロネダロン塩酸塩(ドロネダロン塩基4 mgに相当) 4.26 mgβ−シクロデキストリンのメチル化誘導体 50.00 mgマンニトール 8.00 mg水(注射用) 1mlに十分な量【0038】実施例5ドロネダロン塩酸塩の注射投与用の投与量単位実施例1で作ったドロネダロン塩酸塩組成物1mlを含む全用量3mlのガラスバイヤルをオートクレーブ中121℃で35分間滅菌した。次いでドロネダロン塩基0.4%と当量のドロネダロン塩酸塩の4.26 mgを含む投薬単位を構成するように、無菌条件下で密閉する。 ・ 活性成分としてのドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の1つ、・ 組成物のpHを3〜5に維持できる生理学的に許容される緩衝液、・ ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体、ジメチル−β−シクロデキストリン、トリメチル−β−シクロデキストリン、およびこれらの混合物から選択される生理学的に許容される水溶性β−シクロデキストリン誘導体を含み、水溶性β−シクロデキストリン誘導体がドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の重量の5〜20倍の割合で存在することを特徴とする、注射用医薬組成物。 活性成分を0.01%〜4%含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。 活性成分を0.4%〜0.8%含むことを特徴とする請求項2に記載の医薬組成物。 緩衝液が、次の:・ 酢酸/酢酸アルカリ金属、・ ギ酸/ギ酸アルカリ金属、・ コハク酸/コハク酸アルカリ金属、・ クエン酸/クエン酸アルカリ金属、・ 酒石酸/酒石酸アルカリ金属、・ 乳酸/乳酸アルカリ金属、・ マレイン酸/マレイン酸アルカリ金属、・ メタンスルホン酸/メタンスルホン酸アルカリ金属、・ リン酸モノアルカリ金属、から選択される緩衝系からなる水溶液であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬組成物。 緩衝系がリン酸モノアルカリ金属であることを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。 リン酸モノアルカリ金属緩衝液がpH4.5を維持することを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。 緩衝液のイオン強度が、0.005モル/L〜0.5モル/Lの間であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬組成物。 緩衝液のイオン強度が、0.01モル/L〜0.2モル/Lの間であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。 緩衝液のイオン強度が、0.05モル/L〜0.15モル/Lの間であることを特徴とする、請求項7または8に記載の医薬組成物。 緩衝液が、リン酸モノアルカリ金属の0.05〜0.15モル水溶液であることを特徴とする、請求項1〜9に記載の医薬組成物。 アルカリ金属がナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする、請求項4、5、6または10に記載の医薬組成物。 水溶性β−シクロデキストリン誘導体が、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の医薬組成物。 水溶性β−シクロデキストリン誘導体が、0.5〜50%の割合で存在することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の医薬組成物。 水溶性β−シクロデキストリン誘導体が、ドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の重量の12〜13倍の割合で存在することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の医薬組成物。 防腐剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬組成物。 等張性を維持することを可能にする化合物を追加的に含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の医薬組成物。 活性成分がドロネダロン 塩酸塩であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一つに記載の医薬組成物。