生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ホルモン関連疾病の処置のための、花粉抽出物を含む組成物
出願番号:2002522917
年次:2012
IPC分類:A61K 36/899,A61P 9/00,A61P 13/00,A61P 15/00,A61P 15/12,A61P 19/02,A61P 21/00,A61P 25/00,A61P 25/06,A61P 29/00


特許情報キャッシュ

ウィンター カジ ヘドマン クリスター カーネルード ラース JP 4896354 特許公報(B2) 20120106 2002522917 20010831 ホルモン関連疾病の処置のための、花粉抽出物を含む組成物 ナツミン ファルマ エイビー 503083948 林 孝吉 100060575 ウィンター カジ ヘドマン クリスター カーネルード ラース SE 0003092-4 20000901 20120314 A61K 36/899 20060101AFI20120223BHJP A61P 9/00 20060101ALI20120223BHJP A61P 13/00 20060101ALI20120223BHJP A61P 15/00 20060101ALI20120223BHJP A61P 15/12 20060101ALI20120223BHJP A61P 19/02 20060101ALI20120223BHJP A61P 21/00 20060101ALI20120223BHJP A61P 25/00 20060101ALI20120223BHJP A61P 25/06 20060101ALI20120223BHJP A61P 29/00 20060101ALI20120223BHJP JPA61K35/78 UA61P9/00A61P13/00A61P15/00A61P15/12A61P19/02A61P21/00A61P25/00A61P25/06A61P29/00 A61K 36/899 CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特許第2970957(JP,B2) 奥田拓男編,天然薬物事典,株式会社廣川書店,1986年 4月15日,第1刷,第339頁,左欄下 豊嶋あつし 他,Cernitin Pollen Extractの2分画Cernitin T-60,Cernitin GBXのぼうこう収縮および抗炎症作用における相乗作用の検討,東邦医学会雑誌,1988年,Vol.35,No.1,Page.89-103 5 SE2001001851 20010831 WO2002017944 20020307 2004507510 20040311 7 20070718 鶴見 秀紀 【0001】(発明の分野)本発明は、第一の態様において、活性成分として、花粉および任意にめしべの水溶性および/または脂溶性細胞質ゾル抽出物を含む組成物を投与することによる、閉経前後の年齢の女性における、正常ホルモン変化に関連する疾病の処置のための方法に関する。【0002】本発明は、他の態様において、閉経前後の年齢の女性における、正常ホルモン変化に関連する疾病の処置のための薬剤を製造するための、活性成分として、花粉および任意にめしべの水溶性および/または脂溶性細胞質ゾルを含む組成物の使用に関する。【0003】(発明の背景)50歳付近の年齢での、女性性ホルモンの産出の低下によって引き起こされる閉経により、多くの女性において、のぼせ、発汗発作、筋肉および関節痛、睡眠障害、情動不安、神経質、気分変動、頭痛、動悸(心拍数の増加)、粘膜乾燥および性交中の痛み、ストレス性失禁、尿頻度、通過水の処理の間の前立腺および尿道の痛み/被刺激性のような尿障害のような疾病が引き起こされる。これらのすべての疾病は、年齢に関連したホルモン変化を反映しており、従来はエストロゲンなどのような女性性ホルモンの投与によって効果的に緩和されてきたのみである。【0004】5人の女性のうち4人が、少なくとも1年間、憂慮すべき更年期障害を持ち、25%の女性が、5年間以上更年期障害を持つ。すべての女性のうち半分が、重症の疾患を持ち、五百万人のうち、閉経の問題が害がその生活を乱すような人生期間を送っている女性は常に約200,000人いる。【0005】ここ数年、上述した疾病の処置のために異なった治療選択肢が、効果的であると提案されてきた。しかしながら、その主要な疾病において、一定の効果を示したものはない。試されてきている薬理学的処置には、ホルモン処置ならびに、たとえばビタミンおよびミネラル補充物、天然産物などの食品改善が含まれる。処置に使用される化合物の多くは、副作用のために制限されている。したがって、一定の効果を持った、安全な化合物に対する必要性がいまだに残っている。【0006】花粉種子抽出物、ロイヤルゼリーおよびビタミンEと組み合わせた、混合花粉およびめしべの抽出物を含む組成物が、閉経前症候群(PMS)の処置のために、ナツミン ファーマAB(Natumin Pharma AB、Kungsangsvagen 27,561 56 Huskvarna、Sweden)より販売されている。【0007】(発明の要約)本発明者らは、すでにPMSに関連する疾病を緩和するための治療薬としてのみ公知である、本活性組成物の投与によって、閉経前後の女性の通常の生活を脅かす疾病に対して、副作用なく、驚くべき、そして予期せぬ緩和が導かれることを発見した。【0008】すなわち、本発明者らは、活性成分として、任意にロイヤルゼリーおよびビタミンEとの組み合わせでの、花粉および任意にめしべの水溶性および/または脂溶性細胞質ゲル抽出物を含む組成物を投与することによって得られる、閉経前後の年齢の女性における正常ホルモン変動に関連した疾病における予期しない有益な効果を発見した。【0009】本発明はこの発見に基づいている。【0010】本発明は、閉経前後の年齢の女性における、正常ホルモン変動に関連する疾病の処置のための薬剤を製造するための、ロイヤルゼリーおよびビタミンEと任意に組み合わせた、花粉および任意にめしべの、水溶性および/または脂溶性細胞質ゾル抽出物を活性成分として含む組成物を提供する。【0011】特に、本発明の化合物は、のぼせ、発汗発作、動悸、筋肉痛、頭痛、水分処理の不調、ストレス性失禁、情動不安、膣および粘膜乾燥、関節痛、水分保持、被刺激性および気分変動などのような疾病に対して効果がある。【0012】本発明の意図および好ましい実施形態は、付随する請求項で定義されたようなものである。【0013】(発明の詳細な記述)花粉および任意にめしべの水溶性および/または脂溶性細胞質ゾル抽出物には、本明細書で以下に特定したような、花粉種子(GC FEM)の抽出物と組み合わせた、花粉およびめしべ(PI82)の抽出物が好ましくは含まれる。両型の抽出物は、製薬会社である、アレルゴンAB(Allergon AB)、Valingevagen 309、S−262 92 Angelholm、Swedenより購入可能である。【0014】PI82およびGC FEM抽出物の製造のために使用する花粉およびめしべは、主としてイネ科植物(Poaceae)に属する植物より選択され、回収される。処理の間、花粉に関しては、その外側細胞壁を開き、除去すること、ならびにアレルギー花粉反応のリスクを最小化することが試みられる。【0015】PI82は、スパーオキシド ジムスターゼ(SOD)ミミックが豊富な、細胞質ゾル花粉−めしべ抽出物である。PI82の供給源は、新鮮に回収された花粉種子およびめしべである。花粉およびめしべは、非常に特定の条件下で反応させる。この反応において、受精の工程が、花粉とめしべの間で開始され、抽出物はその産物を含むことになる。本反応で得られた基質はSODミミック、フラボノイド類、タンニン類、およびポリフェノール類である。インビトロ研究により、抽出物が、高いスーパーオキシドジスムターゼ活性を有し、フリーラジカルの形成を抑制することが示された。二重盲検患者調査によって、PI82が、フリーラジカルのマイナスの影響より体を保護することが示された。さらに、PI82は、赤血球機能を改善し、したがって、異なる組織への酸素浸潤を改善する。【0016】GC FEMは、花粉からの水溶性細胞質ゾル抽出物である。花粉の細胞質成分には、上述した基質に加えて、多量の炭水化物およびタンパク質が含まれる。さらに、カロテノイド類およびエストロゲン基質のトレースが発見されている。GC FEMには天然のバイオフラボノイド類、ビタミン類、酵素およびトレース要素が含まれる。【0017】ロイヤルゼリーは、働きバチの唾液腺内での、種々の植物物質の処理の産物である。パントテン酸(別名ビタミンB5)、さらにビタミン類およびステロール類を豊富に含む。凍結乾燥形態で、好ましくは少なくとも1:3の比まで乾燥によって濃縮されて、組成物の中に含まれるのが好ましい。ロイヤルゼリーは、ABモントイル(AB Montoil、Box 24150、S−104 51 Stockholm、Sweden)より購入可能である。【0018】ビタミンEの供給源として、F.ホフマン−La ロッシュ社(F.Hoffmann−La Roche Ltd.、CH−4070 Basel、Switzerland)からの乾燥ビタミンE 50%、SD型が好ましく使用される。好ましくはdl−α−トコフェノールが使用されるが、他の型もまた可能である。【0019】さらに、薬理学科学の当業者に周知の、希釈剤、流動促進剤、潤滑剤、崩壊剤、香料および着色料のような一般的な薬物処理化合物が含まれうる。【0020】活性成分は、錠剤、粉末、顆粒およびチンキ剤のような任意の形態の処方に含まれうる。これらはまた、例えば機能性食品として、異なる源の食物内に含まれる。必要としている女性への投与は、一日1〜8回、一日1〜6回、または一日1〜4回など、一日に数回行われうる。【0021】一日投与量には、60〜960mgのPI82、18〜288mgのGC FEM、および任意に2〜48mgのロイヤルゼリーが含まれうる。ビタミンEが、5〜80mgの量で含まれうる。【0022】好ましくは、一日投与量には、60〜480mgのPI82、20〜140mgのGC FEM、および任意に2〜30mgのロイヤルゼリーが含まれ得、および任意に5〜60mg/日のビタミンEが含まれうる。【0023】さらに好ましくは、一日投与量には、60〜360mgのPI82、20〜80mgのGC FEM、および任意に2〜15mgのロイヤルゼリーが含まれ得、および任意に10〜40mgのビタミンEが含まれうる。【0024】最も好ましくは、一日投与量には、240mgのPI82、72mgのGC FEM、および任意に12mgのロイヤルゼリーが含まれ得、および任意に20mgのビタミンEが含まれうる。【0025】特に記述されない限り、本明細書で引用されるロイヤルゼリーの総量は、冷凍乾燥、すなわち凍結乾燥されたロイヤルゼリーを意味していることに注意すべきである。冷凍乾燥前のロイヤルゼリーの重量は、同量の水のおかげで、およそ、少なくとも3倍以上である。【0026】さらに、本明細書で引用されるビタミンEの総量は、特に表記がない限り、d−α−トコフェロールの総量を意味することに注意すべきである。【0027】活性成分を含む治療薬は、少なくとも1ヶ月間、好ましくは少なくとも2ヶ月間、毎日必要な女性に投与されるべきである。【0028】他の賦形剤も、薬理学科学の当業者に周知の量で含まれうる。【0029】作用の様式は、現在存在する科学的知識では未知である。製品には、それぞれが理論的に関与する効果を持つ、3つの異なる天然成分が含まれる。これらの組み合わせが、観察された効果の理由となる可能性がある。含有物PI82とGC FEMは、フラボノイド類、タンニン類およびポリフェノール類のようなSODミミックを含んでいる。これらのSODミミックは、フリーラジカルの形成に影響を与え、ストレス条件下で見られる浮腫を含む体液の再分配に関与する因子である可能性がある。酸素灌流の改善もまた、関与する効果であり得る。【0030】ビタミンEが、活性成分として、または抗酸化剤および安定剤として、本組成物に添加される。閉経前後の女性の性ホルモンパターンの正常変動に関連する疾病における効果の試験【0031】試験様式平均年齢50.8歳(範囲46〜55歳)の10人の女性を、本開示試行のために募集した。すべての女性が、更年期障害を患っていることが診断されていた。月経は、5人の女性で終了しており、5人に関しては異常であった。どの女性も、ホルモン治療を受けていなかった。【0032】それぞれの女性に、120.0mgのPI82、36.0mgのGC FEM、6.0mgのロイヤルゼリー、および10.0mgのdl−α−トコフェノール酢酸の量の活性成分を含む錠剤を1つ、一日2回、朝夕に与えた。本処置は、脈拍、または収縮期または拡張期血圧に影響を与えなかった。【0033】調査した疾病は、月経のぼせ、発汗傾向、動悸、睡眠障害、めまい、筋肉痛、頭痛、水透過困難(頻尿)、ストレス性失禁、情動不安、膣および粘膜乾燥、関節痛、水保持(浮腫)、被刺激性、および気分の変動であり、そのすべてが閉経前後の女性の正常性ホルモンパターンにおける変動に関連する。【0034】疾病の評価は、10−cmVAS(視覚的アナログ尺度)で実施した。低い値が好ましい結果を表す。すべての統計学的計算は、特に表記がない限り、符号付き対のウイルコクソン検定である。活性組成物の、異なる更年期障害に対する影響を表している結果を表1にまとめた。【0035】【表1】【0036】#=ボーダーライン有意*=p<0.05**=p<0.02***=p<0.01のぼせ:2ヶ月後有意(p<0.02)発汗傾向:2ヶ月後有意(p<0.05)動悸:50%以上の減少(ボーダーライン有意)筋肉痛:1ヶ月後有意(p<0.02)、および2ヶ月後ボーダーライン頭痛:1および2ヶ月後非常に有意(p<0.01)ストレス性失禁および/または頻尿:約60%の減少、ボーダーライン有意情動不安:1および2ヶ月後有意(p<0.05およびp<0.02)膣または粘膜乾燥および/または性交時の痛み:1および2ヶ月後有意(p<0.01およびp<0.01)>50%減少関節痛:2ヶ月後有意(p<0.02)気分:有意ではないが、約40%の好ましい変化が観察された。浮腫/水分保持:50%以上の減少、1および2ヶ月後有意(p<0.05およびp<0.02)エネルギー欠失:明らかに増加、1および2ヶ月後有意(p<0.05およびp<0.01)被刺激性:50%までの減少(p<0.01およびp<0.05)睡眠障害では、効果の傾向を示したが、有意ではなかった。気分変動:2ヶ月後ボーダーライン有意過敏症:1および2ヶ月後有意に良化(p<0.05およびp<0.02)すべてのVASスコアを共通の「全般的幸福スコア(over wel−being score)」に加えた場合、明らかに陽性の効果が10人中8人の参加者で見られ、ただ2人のみが未変化であった。したがって、改善は有意であった(p<0.02)。【0037】処置によって利点があったかどうかをすべての10人の参加者に直接質問したところ、6人がはっきりと「はい」と答え、4人が「分からない」と答えた(p<0.05、カイ検定)。【0038】(実施例)以下に本発明にしたがって使用した錠剤の実施例を示す。活性成分:PI82(花粉−めしべ抽出物) 120.0mgGC FEM(花粉抽出物) 36.0mg副成分:ロイヤルゼリー(凍結乾燥) 6.0mgビタミンE 50% 20.0mg他の成分:微晶質性セルロース 87.0mgリン酸二カルシウム 87.0mgステアリン酸マグネシウム 4.0mg非コーティング錠剤重量 360.0mgコーティング:Shellac およそ 2.64mgTalc およそ 0.36mg総重量 およそ 363.0mg 活性成分として、イネ科(Poacease)に属する植物から得られる花粉の水溶性および/または脂溶性細胞質ゾル抽出物、および、 イネ科(Poacease)に属する植物から得られる花粉により受精しためしべの水溶性および/または脂溶性細胞質ゾル抽出物を含む組成物であって、 閉経前後の年齢の女性における、女性ホルモンの低下に起因するのぼせ、発汗発作、動悸、筋肉痛、頭痛、頻尿、ストレス性失禁、情動不安、膣および粘膜乾燥、関節痛、浮腫および気分変動から選択される疾病の処置に使用される組成物。 上記組成物が更にビタミンEを含む、請求項1に記載の組成物。 上記組成物が更にロイヤルゼリーを含む、請求項1または2に記載の組成物。 上記抽出物が、SODのミミック、フラボノイド類、タンニン類、ポリフェノール類、カロテノイド類、エストロゲン基質のトレース類、天然バイオフラボノイド類、ビタミン類、酵素およびトレース要素から選択される基質(類)を含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の組成物。 上記薬剤の一日投与量は、一回投与、多数回投与、または一日1〜8回投与される請求項1〜4のいずれか一つに記載の組成物。


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