生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_天然および合成HCAのバイオアベイラブルな組成物
出願番号:2002519605
年次:2008
IPC分類:A61K 31/191,A61K 31/122,A61P 3/04


特許情報キャッシュ

マジェード ムハムド バドマエフ ウラジミール JP 4205943 特許公報(B2) 20081024 2002519605 20010817 天然および合成HCAのバイオアベイラブルな組成物 サビンサ コーポレーション 501394413 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 平山 孝二 100114007 マジェード ムハムド バドマエフ ウラジミール US 60/225,821 20000817 20090107 A61K 31/191 20060101AFI20081211BHJP A61K 31/122 20060101ALI20081211BHJP A61P 3/04 20060101ALI20081211BHJP JPA61K31/191A61K31/122A61P3/04 A61K 31/191 A61K 31/122 A61P 3/04 REGISTRY(STN) CAplus(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN) BIOSIS(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特開平10−265397(JP,A) 特開平11−001431(JP,A) 特開2000−044468(JP,A) 特開2000−189123(JP,A) 特開2000−178295(JP,A) 米国特許第05536516(US,A) 特開平09−176004(JP,A) 特開平09−291039(JP,A) 国際公開第98/017671(WO,A1) 特開平10−121044(JP,A) KRISHNAMURTHY, N., et al.,Chemical Constituents of Kokam Fruit Rind,JOURNAL OF FOOD SCIENCE AND THECHNOLOGY,1982年,19,pp. 97-100 1 US2001041748 20010817 WO2002014477 20020221 2004506657 20040304 16 20030813 早乙女 智美 【0001】本出願は、2000年8月17日出願の仮出願第60/225821号に対して、35U.S.C.§1.119(e)により優先権を主張するものである。【0002】【発明の背景】ヒドロキシクエン酸は、2つの不斉中心を有するα−ヒドロキシ三塩基酸(1,2−ジヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)であり、したがって2対のジアステレオ異性体または4つの異なる異性体を形成する:(−)ヒドロキシクエン酸(I)、(+)ヒドロキシクエン酸(II)、(−)アロ−ヒドロキシクエン酸(III)、および(+)アロ−ヒドロキシクエン酸(IV)(1〜2)。【0003】この(−)ヒドロキシクエン酸(HCA)異性体は、ガルシニアカンボジア果実(Clusiaceae科)の皮に見出される(1〜2)。この異性体は、in vitroで、その天然基質クエン酸塩ならびにヒドロキシクエン酸の他の立体異性体に比べて精製酵素に対してはるかに高い親和性を示し、ATPクエン酸リアーゼの強力な線状競合阻害剤であることが示されている(1〜2)。【0004】ATPクエン酸リアーゼは、クエン酸のアセチルCoAおよびオキサロ酢酸へのミトコンドリア外開裂を触媒し、脂肪酸の生合成を促進するクエン酸開裂酵素として生物学的に重要である。(−)HCAによるクエン酸リアーゼの可逆的阻害は、脂肪酸合成および脂質生成の減少につながる可能性がある。これらの作用は、実験動物に(−)ヒドロキシクエン酸を経口、静脈内、または腹腔内投与することによって、in vivoで測定および実証されている(3)。【0005】給食時間前に(−)HCAを経口で与えたとき、(−)HCAを与えられた動物は未処理の対照に比べて、より少ない食物を消費し、脂肪酸およびコレステロールの肝合成は著しく減少した(3〜4)。(−)HCAを与えたラットの実験では、累積食物摂取量の減少なしに体重減少を示したので、観察された食物摂取量の減少は、(−)HCAが促進する体重減少の要因の1つに過ぎない可能性がある(5)。可能な(−)HCAによる体重減少の機構には、その性質が依然として定かではないエネルギー消費要素が含まれる可能性があると思われる(5)。【0006】(−)HCA処理動物におけるこのエネルギー消費、脂質生成減少、および食物摂取量の減少の機構が、体重および全体脂肪量の減少をもたらす可能性がある(6)。【0007】(−)HCAの体重低減化合物としての可能性は1970年代から認識されていたが、この化合物を用いた臨床研究はわずかしか行われていない(7〜12)。HCA介在の過剰体脂肪の防止を検討するこれらの少数の研究は、おそらく標的細胞のサイトゾルにおいてHCAが十分にバイオアベイラブルでないために、矛盾する結果となっている。【0008】HCAの臨床研究の1つでは、議論の余地のある高繊維食が用いられた。高繊維食は多くの栄養素および微量栄養素の吸収を減じることが知られているので、HCAと組み合わせて高繊維食を使用することによって、HCAの胃腸吸収が減じる可能性がある。細胞内酵素、アデノシン三リン酸(ATP)クエン酸リアーゼの阻害におけるHCAの報告されている有効性は、標的細胞内部のHCAの存在に完全に依存しているので、この問題はHCAにとって重大なものとなる。【0009】発明者等は、米国特許において、HCA化合物のバイオアベイラビリティに関する重要な問題を検討している。第5783603号特許は、ATPクエン酸リアーゼの競合阻害のために、HCAの生体膜を越える移送を促進し、より多くのHCAをサイトゾルに有効に送達するHCAカリウム塩の独特な構造を生じる製造方法を記載した。【0010】また、‘603号特許は著しく改善されたバイオアベイラビリティを有するHCA化合物に関するが、そのバイオアベイラビリティは依然として比較的効率が不足であった。たとえば、肝細胞で行われたin vitroの研究は、5mMの細胞外カリウムHCAがATPクエン酸リアーゼを阻害できたことを示している。【0011】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ATPクエン酸リアーゼを有効に阻害するためには、わずか0.5mMのカリウムHCAが実際にサイトゾル内で必要とされる。したがって、サイトゾル内で1/10濃度の量を得るために、標的細胞の外側では10倍過剰量のカリウムHCAが必要となる。HCAのバイオアベイラビリティが比較的に不良であるというこの発見は、前臨床実験において確認されており(14)、HCAのバイオアベイラビリティおよび有効性をさらに改善させる必要があることを示している。【0012】【課題を解決するための手段】ガルシノールは、HCAと同様にガルシニア種の果皮から単離され、抗酸化性、および化学的保護性を示す(15)。1つの実験において、ガルシノール食(0.01%および0.05%)を与えたラットは、対照動物に比べて、アゾキシメタン(AOM)誘発結腸異常腺窩巣(ACF)の発生が著しく減じることを示した。ガルシノールを与えることによって、肝臓グルタチオンS−トランスフェラーゼ、キノンレダクターゼの活性が著しく上昇し、O2およびNO発生、ならびにiNOSおよびCOX−2タンパク質の発現が抑制された。これらの発見は、ガルシノールの可能な化学的予防機構を示している。【0013】ガルシノールおよびイソガルシノールは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性について評価された(16)。これらの化合物は、3.1〜12.5マイクログラム/mlで最小阻止濃度、すなわち抗生物質、バンコマイシンとほぼ等しい最小阻止濃度を示した。【0014】1981年にKrishnamurthy等(17)は、ガルシニアインディカからの、ガルシノール、およびその無色異性体、イソガルシノールの単離を報告した。それらの構造は、化学的データおよびスペクトルデータに基づいて提示された。ガルシノール、C38H50O6、m.p.122(o)は、ガルシニアインディカの果皮のヘキサン抽出物から黄色針晶として晶出された(1.5パーセント)。ガルシノールのUVスペクトルは、1,3−ジケトン系が3,4−ジヒドロキシベンゾイル部分に共役していることを示した。このトリメチルエーテルのIRスペクトルは、飽和カルボニル基(1727cm−1)、および2つのoe,β−不飽和カルボニル基(1668、および1642cm−1)の存在を示した。【0015】イソガルシノールは、抽出物のカラムクロマトグラフィによって単離された。その同一性は、混融点、ならびにUV、IR、およびPMRスペクトルの比較によって確かめられた。イソガルシノールのIRスペクトルは、飽和カルボニル基(1715cm−1)、アロイル基(1670cm−1)、およびoe,β−不飽和カルボニル基(1635cm−1)の存在を示した。【0016】Rao等(18)は、ガルシニアカンボジアの木のラテックスから、カンボジン(33H5506)、m.p.242〜244を単離することを報告した。その構造は、UV、IR、およびNMP研究によって確認された。UV:231〜234、275〜278、および305〜313、IR(Kbr法):1720(飽和カルボニル)、1680、および1642cm−1(不飽和カルボニルおよび二重結合)。カンボジンに加えて、Rao等はさらにカンボジノールの単離を報告し、その構造をカンボジンに関連づけた。【0017】1982年に、N.Krishnamurthy等(19)は、Kokam(ガルシニアインディカ)の新鮮な赤く熟した果実から、アントシアニン色素を単離した。皮部分を果実の残部から分離し、1パーセントのHClを含有するメタノールを用いて、ブレンダ内で3回浸解した。抽出物を合わせ、濾過し、真空中30℃で濃縮した。Kokam色素抽出物のペーパークロマトグラフィは、2本の帯を示した。遅く移動する帯をB1、もう一方をB2と称した。全アントシアニン濃度は、乾燥重量ベースで2.4パーセントであると推定され、B1とB2に比は1:4であった。【0018】アントシアニンB1は、化学的および分光器的研究によって、シアニジン(cynidine)−3−グルコシドと同定された。この化合物は加水分解で、シアニジン(cyaniding)、およびグルコースを生じた。このグルコシドのUVスペクトルの極大(527nm)は、塩化アンモニウムによって567nmにシフトし、シアニジン(cyaniding)の3’−および4’−ヒドロキシル基がフリーであることを示した。この構造は、クワの実から得られたシアニジン(cyaniding)−3−グルコシドの試料との直接比較によって確認された。【0019】アントシアニンB2は、シアニジン(cyaniding)−3−サンブビオシドと同定された。このアントシアニンは、完全加水分解で、シアニジン(cyaniding)、グルコース、およびキシロースを生じた。スペクトルデータは、B2がシアニジン(cyaniding)の3置換グルコシドであることを示した。過酸化水素加水分解はこの色素から二糖を除き、さらなる酸加水分解でグルコース、およびキシロースを生じた。この構造は、ローゼリソウから単離されたシアニジン(cyaniding)−3−サンブビオシドの試料との直接比較によって確認された。【0020】本発明は、HCAと、ガルシノール(ポリイソプレニル化ベンゾフェノン)および/またはアントシアニン化合物を含むガルシニア種植物から得られた天然化合物とを組み合わせることによって、HCAだけでなく、ガルシノールおよび/またはアントシアニンの生物活性が増強されるという予期しない発見に基づいている。【0021】本発明は、ガルシノールおよびアントシアニンのいずれか1つ、または両方と組み合わせたヒドロキシクエン酸(HCA)を含み、細胞のサイトゾルコンパートメントにおいてHCAのバイオアベイラビリティを高める効果を有する組成物に関する。【0022】本発明の他の目的は、動物対象、好ましくはヒトにおける体重減少治療として、ガルシノールおよびアントシアニンのいずれか1つ、または両方と組み合わせたHCAを含む本発明の組成物を使用することを含む。ネズミおよびヒトの研究で観察されたこの組成物に関する治療効果には、全体重およびボディマス指数の減少、体脂肪の減少、除脂肪体重および体水分量の増加、および知覚食欲レベルの低下が含まれる。この化合物の組み合わせは、いずれか単独の化合物に比べて、高いクエン酸リアーゼ阻害特性を発揮することが示される。【0023】ガルシノールはさらに、単独で、動物腫瘍モデルにおいて化学的予防特性を有することが示される。生物活性には、これに限定されるものではないが、食欲抑制、細胞質クエン酸リアーゼの阻害、脂肪異化の増強、および抗酸化活性の上昇に関する活性が含まれる。【0024】ヒドロキシクエン酸(HCA)は、(−)ヒドロキシクエン酸(I)、(+)ヒドロキシクエン酸(II)、(−)アロ−ヒドロキシクエン酸(III)、および(+)アロ−ヒドロキシクエン酸(IV)を含む、α−ヒドロキシ三塩基酸(1,2−ジヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)である。【0025】ガルシノールは、ガルシニア種由来のポリイソプレニル化ベンゾフェノン(PPB)である。ガルシノールはよく知られた抗酸化剤(すなわち、乳化ガルシノールはDLα−トコフェロールと同程度にスーパーオキシドアニオンを抑制した)、抗発癌物質であり、さらに抗微生物特性を有する。【0026】アントシアニンは、フラベノイド(flavenoid)化合物の一種であり、植物ポリフェノールに広く分布している。食事性アントシアニン色素が、いくつかのヒトの疾患において予防的および治療的役割を有するという考慮すべき証拠がある。アントシアニンのこれらの望ましい特性に関する化学的根拠は、アントシアニンの抗酸化能、生体分子を損なうフリーラジカルを捕捉およびトラップする能力に関連すると考えられる。【0027】ガルシノールとHCAとの組み合わせは、サイトゾルにおけるHCAのバイオアベイラビリティを高め、さらに同じ組み合わせが、ガルシノールの抗酸化特性を高める。本発明の化合物に関するこの生物学的特性の相互増強は、「生物作用増幅」または「アンプリバイオ(Amplibio)」と呼ばれる。【0028】アンプリバイオは、いずれか1つの化合物が他の化合物の生物作用を促進するのに役立ち、その結果として両方の生物活性が増強される機構を指す。【0029】多くの生物系においては、2種以上の成分の相互作用は、相互作用、拮抗作用、相乗作用、またはアンプリバイオと呼ばれる相乗作用の明白な形態をもたらさない可能性がある。相乗作用を示すすべての化合物が、アンプリバイオ作用を示すわけではない。たとえば、リポ酸はビタミンE、C両方を再循環させ、それらを体に対してよりバイオアベイラブルにするので、αリポ酸をビタミンEおよび/またはCと組み合わせることには利点がある。しかしながら、両方のビタミンは、リポ酸の作用を増強、あるいは改善することがない。これに反して、ポリ不飽和脂肪酸を脂溶性ビタミンと組み合わせることによって得られた結果は、アンプリバイオ効果を実証する。ビタミンEは酸化を防ぐことによって脂肪酸を保存し、同時に脂肪酸はビタミンEの吸収を高める。アンプリバイオ効果の他の例は、補助栄養素を、生体によって内因的に生産される化合物と組み合わせるときに観察される。クルクミノイドは、体内のグルタチオンレベルを高めることが知られており、これはグルタチオン−フリーラジカル反応においてグルタチオン使用の速度を調節することによって起こる。上昇したグルタチオンは、その結果として体内でのクルクミノイドのアベイラビリティを高める。【0030】本発明のアンプリバイオ作用は、以下の機構を含むことができる。【0031】・ガルシノール/アントシアニンの抗酸化作用(HCAにより増強)が細胞を囲む負の電荷を中和して、細胞へのHCAの移送および取込みを促進すること。・ガルシノール/アントシアニンが細胞膜の流動性に影響を及ぼして、細胞へのHCAの移送および取込みを促進すること。・ガルシノール/アントシアニンがHCAと相乗作用を示して、クエン酸リアーゼを阻害し、それによりHCAのそのような阻害に対する閾値を低下させること。【0032】したがって、HCAのガルシノール/アントシアニンとの相互作用によってHCA活性の増強がもたらされることが示され、同様にHCAによってガルシノールおよびアントシアニンの生物学的ポテンシャルが高められることが認められる。本発明の3種化合物間の質的および量的相互作用は、これまで述べられていない。【0033】HCA、ガルシノール、およびアントシアニン化合物を抽出および精製する方法は、当技術分野でよく知られている。【0034】本発明はさらに、ガルシニア種の果実から抽出されたPPB、アントシアニン、およびHCAを含む組成物を調製する方法を含み、その方法は以下を含む。【0035】(a)ガルシニアの新鮮な果実を、8から15部のC1からC6アルコール(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)を用いて、密閉反応器内で、抽出が完了するまで還流および循環させることによって抽出すること。(b)抽出物を消費された材料から濾過すること。(c)抽出物を、540から600mm/Hgの減圧下で、1/4〜1/6の容量に濃縮すること。(d)濃縮物を、−5から5℃で、約20から30時間冷却し、沈殿物をNutscheフィルタで濾過すること。(e)粗ガルシノール(アッセイ16〜20%)を含む固体残留物(収率2.5から4%)を得ること。(f)粗ガルシノール抽出物を、石油エーテル、ヘキサン、またはトルエンなどの炭化水素溶媒(3から8部)に溶解し、アセトニトリルなどの高極性、非混和性溶媒(2から4部、3から5回)を用いて抽出/分配すること。(g)極性溶媒層を1/4〜1/6の容量に分離、濃縮し、−5から8℃で、12から16時間冷却すること。(h)残留物を、極性溶媒を用いて濾過、洗浄して、黄色ガルシノールを得ること(収率=0.8から1.5%、アッセイ55から70%)。(i)ステップc)の抽出物に、HCA含量(約20から25%)を基に算出したモル当量の量のアルカリ(水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム)を添加すること。(j)混合物を攪拌しながら、80から95℃で、2.5から5時間加熱して、黄色PPB(ガルシノール)を得ること。(k)沈殿物(HCAのナトリウムまたはカリウム塩)を、Nutscheフィルタを用いて濾過し、冷アルコールで洗浄すること。(l)沈殿物を、3から5部の水に溶解すること。(m)この水溶液にモル当量の量の塩化カルシウムを添加し、攪拌しながら、80から95℃で、4から6時間加熱すること。(n)沈殿物を減圧下、50から75℃で、濾過、乾燥し、白色HCAカルシウムを得ること(収率=25から35%)。(o)ステップ(j)で得た黄色PPB(ガルシノール)粉末とステップ(n)で得たHCAカルシウムとを、1:10の比で混合し、最低で55%のHCAカルシウム、および最低で5%のPPB(ガルシノール)を含有する組成物を生じること。(p)任意選択で、HCAカルシウムまたは他の任意のHCA塩を、プロアントシアニジンが最低0.5%の有効な比率で、PPBおよびプロアントシアニジンと混合すること。【0036】本発明のPPB組成物は、以下のように得ることもできる。【0037】(a)トルエンおよび5%メタノールを用いて、懸濁液からガルシニア消費果実を抽出し、20%PPB(ガルシノール15%、カンボジン5%)を有するペーストを得る。(b)ペーストをアップグレードし、50%のガルシノール、母液に入る約10〜15%のカンボジンを含む組成物を得て、50%ガルシノールをさらに1度の結晶化によってさらにアップグレードして、収率90%のガルシノール、および35%のカンボジンを生じる。(c)90%ガルシノール組成物を100℃に加熱して、約80%proofのカンボジンに転化し、残部はガルシノールとなる。(d)ステップ(c)の生成物を、等しい比率で90%ガルシノールの一部と混合し、42〜45%proofの85%〜90%PPB組成物を得る。(e)カンボジンおよびガルシノールがほぼ等しい比率の90%PPBを含む最終組成物を得て、残部はポリイソプレニル化キサントンと呼ばれる環化生成物となる。【0038】「バイオアベイラビリティ」という用語は、体重減少化合物の有効な機構を増強する任意の手段として定義される。類推によって、体内でのカルシウムのバイオアベイラビリティは最終的に骨量の増加によって測定され、つまり骨において補助カルシウムの取込みに役立つ任意の機構はカルシウムのバイオアベイラビリティを高めることになる。【0039】「有効量」という用語は、たとえば適切なレベルのサイトゾルクエン酸リアーゼを生成するために送達されたHCA、ガルシノール、またはアントシアニンに相当する、化合物の十分な量を意味する。【0040】本発明の第1の目的は、サイトゾル内で治療的に有効量のHCAを得て、それによってクエン酸リアーゼを減少または阻害する必要のある対象を治療するために、HCAのバイオアベイラビリティが劇的に高められる治療方法を提供することである。このHCA活性の増強は、これに限定されるものではないが、ガルシノール、およびアントシアニンを含む化合物の共投与によって達成される。【0041】本発明の他の目的は、フォルスコリンの効果(米国特許第5804596号)が、ガルシノール、および任意選択でアントシアニンの存在によって劇的に高められる体重減少治療の方法を提供することである。フォルスコリンの量は‘596号特許に教示されているものと同じであり、ガルシノールおよびアントシアニンの量は、本明細書においてHCAと共に使用するために教示したものと同じである。【0042】より詳細には、体重減少および食欲抑制に有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。体重減少に有効な量のHCA、およびアントシアニンは、それぞれ1日3回500mg、10mgであり、より好ましくは、アントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。体重減少および食欲抑制に有効な量のHCA、ガルシノール、およびアントシアニンは、それぞれ500mg、25mg、および10mgであり、より好ましくは、ガルシノール、およびアントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。【0043】クエン酸リアーゼを阻害する有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。クエン酸リアーゼを阻害する有効な量のHCA、およびアントシアニンは、それぞれ1日3回500mg、10mgであり、より好ましくは、アントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。クエン酸リアーゼを阻害する有効な量のHCA、ガルシノール、およびアントシアニンは、それぞれ500mg、25mg、および10mgであり、より好ましくは、ガルシノール、およびアントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。【0044】脂肪異化および除脂肪体重を増加する有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。脂肪異化および除脂肪体重を増加する有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。脂肪異化および除脂肪体重を増加する有効な量のHCA、ガルシノール、およびアントシアニンは、それぞれ500mg、25mg、および10mgであり、より好ましくは、ガルシノール、およびアントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。【0045】【発明の実施の形態】HCAおよびガルシノールの組み合わせによる治療的体重減少効果、および化学的予防剤としてのガルシノールの役割を、以下の実施例によって説明する。【0046】実施例1ガルシノールおよびHCAを、2系統のマウス、SKH−1およびCF−1それぞれに投与することによって、対照の食事を与えられている動物、およびガルシノールまたはHCAを単独で与えられている動物グループに比べて、全体重および腹部脂肪増量が著しく減少した。さらに、ガルシノールの食事による投与によって、対照の食事、あるいはHCAまたはガルシノールを単独で含有する食事を与えられた動物に比べて、CF−1マウスにおいて、結腸異常腺窩形成(ACは前癌性状態と考えられる)が著しく減少した。興味深いことに、ガルシノールに加えてHCAを与えた動物は、対照、ガルシノール、およびHCAグループに比べて、食物および水の消費量が高かったにもかかわらず、ガルシノールおよびHCAの組み合わせによる体重増加防止効果が得られた。【0047】表1は、SKH−1マウスにおいて、ガルシノール(GAR)、ヒドロキシクエン酸(HCA)、ガルシノールおよびヒドロキシクエン酸の組み合わせを経口投与したときの体重、食物消費量、液体消費量に対する効果をしめすものである。【0048】【表1】【0049】表2は、CF−1マウスにおいて、ガルシノール(GAR)、ヒドロキシクエン酸(HCA)を10週経口投与したときの、アゾキシメタン(AOM)誘発結腸異常腺窩(AC)形成、および腹部の脂肪蓄積に対する効果を示すものである。【0050】【表2】【0051】これらのデータは、体重、体組成、および体代謝速度の調節を含む、ガルシノールのHCA補助剤としての幅広い生物機構を示している。【0052】実施例2化学的予防剤としてのガルシノールの役割は、CF−1マウスを局所的に炎症および腫瘍促進剤TPAで処理した実験において確認された。【0053】表3は、TPA誘発耳水腫に関するガルシノール(GAR)の効果を示すものである。この実施例は、雌のCF−1マウスを、ガルシノールを含む、または含まないTPAを耳の皮膚に塗布して局所的に処理した。5時間後、マウスを殺し、耳のパンチを秤量した。データは平均±標準誤差で表す。これらのデータは、化学的予防剤としてのガルシノールの生物機構を示している。【0054】【表3】【0055】実施例3(ガルシノールおよびHCAの体重減少ポテンシャルに関する臨床研究)HCAのカルシウム塩500mg、およびガルシノール25mgからなる組み合わせ(NC)を、HCAカルシウム塩500mgを含有する処方(C)と比較して、二重盲検、12週の臨床試験で評価した。この試験は、46人の体重超過女性の志願者に対して行なった(BMI25超)。参加者は、活性含有処方、またはプラシーボ処方のカプセル1つを、1日3回、食事の半時間前に摂取するように指示された。各参加者には、それまでの毎日の運動および食習慣を維持することを求めた。さらに、試験前および試験中に、質問票に基づいて身体活性をモニターした。参加者を、基準、および2、4、6、8、10、12週で評価した。診察ごとに以下の臨床上の要素を評価した。全体重、生体電気インピーダンス法による体組成、自己評価による食欲およびエネルギーレベル、脈拍数、および血圧である。12週の試験中、NCグループでは、基準値およびCグループの値に比べて、体重、および脂肪量の平均値が著しく減少したが、一方で除脂肪体重、および全体水分は著しく増加した。食欲レベルは、Cグループに比べてNCグループで著しく低く、エネルギーレベルは、基準に比べて両方の試験グループで等しく上昇した。この試験の経過中に、自覚的または他覚的副作用は報告されなかった。脈拍数、収縮期血圧、および拡張期血圧は、試験の間を通じて同じレベルに維持された。【0056】NCは統計的に、全体重およびボディマス指数の減少、体脂肪の減少、除脂肪体重および体水分含量の増加、ならびに食欲知覚レベルの低下において、Cに比べてより有効である。対象のエネルギーレベルは、両グループにおいて療法によって増強されず、NCおよびCは自覚的副作用、および他覚的副作用を生じなかった。【0057】【発明の効果】動物研究および臨床研究を合わせたデータから、本発明がHCA単独の体重減少治療に比べてより有効であり、さらに本発明の組成物は脂肪減少に加えて、除脂肪体重を改善し、体組成の改善をもたらすことが示される。過剰な脂肪組織を落としながら、除脂肪体重を維持または向上させることは、疾病管理センターによって提唱されてきたが、除脂肪体重は最近、心血管の健康および総体的な健康の独立した決定的な予測因子として認知されているので重要である。動物実験モデルにおけるガルシノールの化学予防的作用もまた、その化合物が有する体組成を改善する役割に関連している可能性がある。【0058】参考文献1. Sullivan AC, Singth M, Srere PA, Glusker JP. Reactivity and Inhibitor Potential of Hydroxycitrate Isomers with Citrate Synthase, Citrate Lyase, and ATP Citrate Lyase. J Biol Chem. 1977; 252(21): 7583-7590.2. Majeed M, Rosen R, McCarthy M, Conte AA, Patil D, Butrym E. Citrin A Revolutionary Herbal Approach to Weight Management. New Editions Publishing. Burlingame, CA. 1994.3. Sullivan AC, Hamilton JG, Miller ON, Wheatley. Inhibition of lipogenesis in rat liver by (-)-hydroxycitrate. Arch Biochem Biophys. 1972; 150: 183-190.4. Sullivan AC, Triscari J, Hamilton JG, Miller ON. Effect of (-)-Hydroxycitrate upon the Accumulation of Lipid in the Rat: I. Lipogenesis. Lipids. 1973; 9(2): 121-128.5. Vasselli JR, Shane E, Boozer CN, Heymsfield SB. Garcinia Cambogia Extract Inhibits Body Weight Gain Via Increased Energy Expenditure (EE) In rats. FASEB J. 998; 12 (part1): A506.6. Sullivan AC, Triscari J, Hamilton JG, Miller ON. Effect of (-)-Hydroxycitrate upon the Accumulation of Lipid in the Rat: II. Appetite. Lipids. 1973; 9(2): 121-128.7. Conte A.A. A Non-Prescription Alternative in Weight Reduction Therapy. The Bariatrician. 1993: 17-19.8. Conte A.A. The effects of (-)-Hydroxycitrate And Chromium (GTF) On Obesity. J Amer Coll Nutr. 1994 (October); 13(5): 535 [Abstract 60].9. Katts GR, Pullin D, Parker LK, Keith PL, Keith S. Reduction Of Body Fat As A Function Of Taking A Dietary Supplement Containing Garcinia Cambodia Extract, Chromium Picolinate And L-Carnitine - A Double Blind Placebo Controlled Study. Abstract/Poster presented at a symposium on obesity organized by the Mexican Sociedad Medical del Sureste para el Estudio de la Obesidad, March 4, 1995, Merida, Yucatan, Mexico.10. Badmaev V, Majeed M. Open Field, Physician Controlled, Clinical Evaluation Of Botanical Weight Loss Formula Citrin(r). Nutracon 1995: Nutraceuticals, Dietary Supplements And Functional Foods. 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J Food Sci and Tech. 1982; 97: 19.【図面の簡単な説明】【図1】 体重減少を経験した対象のパーセントの傾向線を示す図である。【図2】 体重減少を経験した試験対象の平均パーセントを示す図である。【図3】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの体重減少パーセントを示す図である。【図4】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの体重減少パーセントを示す図である。【図5】 連続試験間隔でのCおよびNCグループの体重減少平均(ポンド)を示す図である。【図6】 2度の試験時間間隔での、CおよびNCグループのボディマス指数(BMI)変化の平均パーセントを示す図である。【図7】 2度の試験時間間隔での、CおよびNCグループのボディマス指数(BMI)変化のパーセントを示す図である。【図8】 Cグループ対象の体重変化パーセントを示す図である。【図9】 NCグループ対象の体重変化パーセントを示す図である。【図10】 NCグループ対象の除脂肪体重(LBM)変化パーセントを示す図である。【図11】 Cグループ対象の除脂肪体重(LBM)変化パーセントを示す図である。【図12】 NCグループ対象の脂肪減少パーセントを示す図である。【図13】 Cグループ対象の水分変化パーセントを示す図である。【図14】 NCグループ対象の水分変化パーセントを示す図である。【図15】 連続時間間隔でのCおよびNCグループの自己評価食欲レベルを示す図である。【図16】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの自己評価エネルギーレベルを示す図である。【図17】 連続時間間隔でのCおよびNCグループの脈拍数を示す図である。【図18】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの収縮期血圧を示す図である。【図19】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの拡張期血圧を示す図である。 ヒドロキシクエン酸又はその塩およびガルシノールを含有する食欲抑制用組成物。


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特許公報(B2)_天然および合成HCAのバイオアベイラブルな組成物

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_天然および合成HCAのバイオアベイラブルな組成物
出願番号:2002519605
年次:2009
IPC分類:A61K 31/191,A61K 31/122,A61P 3/04


特許情報キャッシュ

マジェード ムハムド バドマエフ ウラジミール JP 4205943 特許公報(B2) 20081024 2002519605 20010817 天然および合成HCAのバイオアベイラブルな組成物 サビンサ コーポレーション 501394413 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 平山 孝二 100114007 マジェード ムハムド バドマエフ ウラジミール US 60/225,821 20000817 20090107 A61K 31/191 20060101AFI20081211BHJP A61K 31/122 20060101ALI20081211BHJP A61P 3/04 20060101ALI20081211BHJP JPA61K31/191A61K31/122A61P3/04 A61K 31/191 A61K 31/122 A61P 3/04 REGISTRY(STN) CAplus(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN) BIOSIS(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特開平10−265397(JP,A) 特開平11−001431(JP,A) 特開2000−044468(JP,A) 特開2000−189123(JP,A) 特開2000−178295(JP,A) 米国特許第05536516(US,A) 特開平09−176004(JP,A) 特開平09−291039(JP,A) 国際公開第98/017671(WO,A1) 特開平10−121044(JP,A) KRISHNAMURTHY, N., et al.,Chemical Constituents of Kokam Fruit Rind,JOURNAL OF FOOD SCIENCE AND THECHNOLOGY,1982年,19,pp. 97-100 1 US2001041748 20010817 WO2002014477 20020221 2004506657 20040304 16 20030813 早乙女 智美 【0001】本出願は、2000年8月17日出願の仮出願第60/225821号に対して、35U.S.C.§1.119(e)により優先権を主張するものである。【0002】【発明の背景】ヒドロキシクエン酸は、2つの不斉中心を有するα−ヒドロキシ三塩基酸(1,2−ジヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)であり、したがって2対のジアステレオ異性体または4つの異なる異性体を形成する:(−)ヒドロキシクエン酸(I)、(+)ヒドロキシクエン酸(II)、(−)アロ−ヒドロキシクエン酸(III)、および(+)アロ−ヒドロキシクエン酸(IV)(1〜2)。【0003】この(−)ヒドロキシクエン酸(HCA)異性体は、ガルシニアカンボジア果実(Clusiaceae科)の皮に見出される(1〜2)。この異性体は、in vitroで、その天然基質クエン酸塩ならびにヒドロキシクエン酸の他の立体異性体に比べて精製酵素に対してはるかに高い親和性を示し、ATPクエン酸リアーゼの強力な線状競合阻害剤であることが示されている(1〜2)。【0004】ATPクエン酸リアーゼは、クエン酸のアセチルCoAおよびオキサロ酢酸へのミトコンドリア外開裂を触媒し、脂肪酸の生合成を促進するクエン酸開裂酵素として生物学的に重要である。(−)HCAによるクエン酸リアーゼの可逆的阻害は、脂肪酸合成および脂質生成の減少につながる可能性がある。これらの作用は、実験動物に(−)ヒドロキシクエン酸を経口、静脈内、または腹腔内投与することによって、in vivoで測定および実証されている(3)。【0005】給食時間前に(−)HCAを経口で与えたとき、(−)HCAを与えられた動物は未処理の対照に比べて、より少ない食物を消費し、脂肪酸およびコレステロールの肝合成は著しく減少した(3〜4)。(−)HCAを与えたラットの実験では、累積食物摂取量の減少なしに体重減少を示したので、観察された食物摂取量の減少は、(−)HCAが促進する体重減少の要因の1つに過ぎない可能性がある(5)。可能な(−)HCAによる体重減少の機構には、その性質が依然として定かではないエネルギー消費要素が含まれる可能性があると思われる(5)。【0006】(−)HCA処理動物におけるこのエネルギー消費、脂質生成減少、および食物摂取量の減少の機構が、体重および全体脂肪量の減少をもたらす可能性がある(6)。【0007】(−)HCAの体重低減化合物としての可能性は1970年代から認識されていたが、この化合物を用いた臨床研究はわずかしか行われていない(7〜12)。HCA介在の過剰体脂肪の防止を検討するこれらの少数の研究は、おそらく標的細胞のサイトゾルにおいてHCAが十分にバイオアベイラブルでないために、矛盾する結果となっている。【0008】HCAの臨床研究の1つでは、議論の余地のある高繊維食が用いられた。高繊維食は多くの栄養素および微量栄養素の吸収を減じることが知られているので、HCAと組み合わせて高繊維食を使用することによって、HCAの胃腸吸収が減じる可能性がある。細胞内酵素、アデノシン三リン酸(ATP)クエン酸リアーゼの阻害におけるHCAの報告されている有効性は、標的細胞内部のHCAの存在に完全に依存しているので、この問題はHCAにとって重大なものとなる。【0009】発明者等は、米国特許において、HCA化合物のバイオアベイラビリティに関する重要な問題を検討している。第5783603号特許は、ATPクエン酸リアーゼの競合阻害のために、HCAの生体膜を越える移送を促進し、より多くのHCAをサイトゾルに有効に送達するHCAカリウム塩の独特な構造を生じる製造方法を記載した。【0010】また、‘603号特許は著しく改善されたバイオアベイラビリティを有するHCA化合物に関するが、そのバイオアベイラビリティは依然として比較的効率が不足であった。たとえば、肝細胞で行われたin vitroの研究は、5mMの細胞外カリウムHCAがATPクエン酸リアーゼを阻害できたことを示している。【0011】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ATPクエン酸リアーゼを有効に阻害するためには、わずか0.5mMのカリウムHCAが実際にサイトゾル内で必要とされる。したがって、サイトゾル内で1/10濃度の量を得るために、標的細胞の外側では10倍過剰量のカリウムHCAが必要となる。HCAのバイオアベイラビリティが比較的に不良であるというこの発見は、前臨床実験において確認されており(14)、HCAのバイオアベイラビリティおよび有効性をさらに改善させる必要があることを示している。【0012】【課題を解決するための手段】ガルシノールは、HCAと同様にガルシニア種の果皮から単離され、抗酸化性、および化学的保護性を示す(15)。1つの実験において、ガルシノール食(0.01%および0.05%)を与えたラットは、対照動物に比べて、アゾキシメタン(AOM)誘発結腸異常腺窩巣(ACF)の発生が著しく減じることを示した。ガルシノールを与えることによって、肝臓グルタチオンS−トランスフェラーゼ、キノンレダクターゼの活性が著しく上昇し、O2およびNO発生、ならびにiNOSおよびCOX−2タンパク質の発現が抑制された。これらの発見は、ガルシノールの可能な化学的予防機構を示している。【0013】ガルシノールおよびイソガルシノールは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性について評価された(16)。これらの化合物は、3.1〜12.5マイクログラム/mlで最小阻止濃度、すなわち抗生物質、バンコマイシンとほぼ等しい最小阻止濃度を示した。【0014】1981年にKrishnamurthy等(17)は、ガルシニアインディカからの、ガルシノール、およびその無色異性体、イソガルシノールの単離を報告した。それらの構造は、化学的データおよびスペクトルデータに基づいて提示された。ガルシノール、C38H50O6、m.p.122(o)は、ガルシニアインディカの果皮のヘキサン抽出物から黄色針晶として晶出された(1.5パーセント)。ガルシノールのUVスペクトルは、1,3−ジケトン系が3,4−ジヒドロキシベンゾイル部分に共役していることを示した。このトリメチルエーテルのIRスペクトルは、飽和カルボニル基(1727cm−1)、および2つのoe,β−不飽和カルボニル基(1668、および1642cm−1)の存在を示した。【0015】イソガルシノールは、抽出物のカラムクロマトグラフィによって単離された。その同一性は、混融点、ならびにUV、IR、およびPMRスペクトルの比較によって確かめられた。イソガルシノールのIRスペクトルは、飽和カルボニル基(1715cm−1)、アロイル基(1670cm−1)、およびoe,β−不飽和カルボニル基(1635cm−1)の存在を示した。【0016】Rao等(18)は、ガルシニアカンボジアの木のラテックスから、カンボジン(33H5506)、m.p.242〜244を単離することを報告した。その構造は、UV、IR、およびNMP研究によって確認された。UV:231〜234、275〜278、および305〜313、IR(Kbr法):1720(飽和カルボニル)、1680、および1642cm−1(不飽和カルボニルおよび二重結合)。カンボジンに加えて、Rao等はさらにカンボジノールの単離を報告し、その構造をカンボジンに関連づけた。【0017】1982年に、N.Krishnamurthy等(19)は、Kokam(ガルシニアインディカ)の新鮮な赤く熟した果実から、アントシアニン色素を単離した。皮部分を果実の残部から分離し、1パーセントのHClを含有するメタノールを用いて、ブレンダ内で3回浸解した。抽出物を合わせ、濾過し、真空中30℃で濃縮した。Kokam色素抽出物のペーパークロマトグラフィは、2本の帯を示した。遅く移動する帯をB1、もう一方をB2と称した。全アントシアニン濃度は、乾燥重量ベースで2.4パーセントであると推定され、B1とB2に比は1:4であった。【0018】アントシアニンB1は、化学的および分光器的研究によって、シアニジン(cynidine)−3−グルコシドと同定された。この化合物は加水分解で、シアニジン(cyaniding)、およびグルコースを生じた。このグルコシドのUVスペクトルの極大(527nm)は、塩化アンモニウムによって567nmにシフトし、シアニジン(cyaniding)の3’−および4’−ヒドロキシル基がフリーであることを示した。この構造は、クワの実から得られたシアニジン(cyaniding)−3−グルコシドの試料との直接比較によって確認された。【0019】アントシアニンB2は、シアニジン(cyaniding)−3−サンブビオシドと同定された。このアントシアニンは、完全加水分解で、シアニジン(cyaniding)、グルコース、およびキシロースを生じた。スペクトルデータは、B2がシアニジン(cyaniding)の3置換グルコシドであることを示した。過酸化水素加水分解はこの色素から二糖を除き、さらなる酸加水分解でグルコース、およびキシロースを生じた。この構造は、ローゼリソウから単離されたシアニジン(cyaniding)−3−サンブビオシドの試料との直接比較によって確認された。【0020】本発明は、HCAと、ガルシノール(ポリイソプレニル化ベンゾフェノン)および/またはアントシアニン化合物を含むガルシニア種植物から得られた天然化合物とを組み合わせることによって、HCAだけでなく、ガルシノールおよび/またはアントシアニンの生物活性が増強されるという予期しない発見に基づいている。【0021】本発明は、ガルシノールおよびアントシアニンのいずれか1つ、または両方と組み合わせたヒドロキシクエン酸(HCA)を含み、細胞のサイトゾルコンパートメントにおいてHCAのバイオアベイラビリティを高める効果を有する組成物に関する。【0022】本発明の他の目的は、動物対象、好ましくはヒトにおける体重減少治療として、ガルシノールおよびアントシアニンのいずれか1つ、または両方と組み合わせたHCAを含む本発明の組成物を使用することを含む。ネズミおよびヒトの研究で観察されたこの組成物に関する治療効果には、全体重およびボディマス指数の減少、体脂肪の減少、除脂肪体重および体水分量の増加、および知覚食欲レベルの低下が含まれる。この化合物の組み合わせは、いずれか単独の化合物に比べて、高いクエン酸リアーゼ阻害特性を発揮することが示される。【0023】ガルシノールはさらに、単独で、動物腫瘍モデルにおいて化学的予防特性を有することが示される。生物活性には、これに限定されるものではないが、食欲抑制、細胞質クエン酸リアーゼの阻害、脂肪異化の増強、および抗酸化活性の上昇に関する活性が含まれる。【0024】ヒドロキシクエン酸(HCA)は、(−)ヒドロキシクエン酸(I)、(+)ヒドロキシクエン酸(II)、(−)アロ−ヒドロキシクエン酸(III)、および(+)アロ−ヒドロキシクエン酸(IV)を含む、α−ヒドロキシ三塩基酸(1,2−ジヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)である。【0025】ガルシノールは、ガルシニア種由来のポリイソプレニル化ベンゾフェノン(PPB)である。ガルシノールはよく知られた抗酸化剤(すなわち、乳化ガルシノールはDLα−トコフェロールと同程度にスーパーオキシドアニオンを抑制した)、抗発癌物質であり、さらに抗微生物特性を有する。【0026】アントシアニンは、フラベノイド(flavenoid)化合物の一種であり、植物ポリフェノールに広く分布している。食事性アントシアニン色素が、いくつかのヒトの疾患において予防的および治療的役割を有するという考慮すべき証拠がある。アントシアニンのこれらの望ましい特性に関する化学的根拠は、アントシアニンの抗酸化能、生体分子を損なうフリーラジカルを捕捉およびトラップする能力に関連すると考えられる。【0027】ガルシノールとHCAとの組み合わせは、サイトゾルにおけるHCAのバイオアベイラビリティを高め、さらに同じ組み合わせが、ガルシノールの抗酸化特性を高める。本発明の化合物に関するこの生物学的特性の相互増強は、「生物作用増幅」または「アンプリバイオ(Amplibio)」と呼ばれる。【0028】アンプリバイオは、いずれか1つの化合物が他の化合物の生物作用を促進するのに役立ち、その結果として両方の生物活性が増強される機構を指す。【0029】多くの生物系においては、2種以上の成分の相互作用は、相互作用、拮抗作用、相乗作用、またはアンプリバイオと呼ばれる相乗作用の明白な形態をもたらさない可能性がある。相乗作用を示すすべての化合物が、アンプリバイオ作用を示すわけではない。たとえば、リポ酸はビタミンE、C両方を再循環させ、それらを体に対してよりバイオアベイラブルにするので、αリポ酸をビタミンEおよび/またはCと組み合わせることには利点がある。しかしながら、両方のビタミンは、リポ酸の作用を増強、あるいは改善することがない。これに反して、ポリ不飽和脂肪酸を脂溶性ビタミンと組み合わせることによって得られた結果は、アンプリバイオ効果を実証する。ビタミンEは酸化を防ぐことによって脂肪酸を保存し、同時に脂肪酸はビタミンEの吸収を高める。アンプリバイオ効果の他の例は、補助栄養素を、生体によって内因的に生産される化合物と組み合わせるときに観察される。クルクミノイドは、体内のグルタチオンレベルを高めることが知られており、これはグルタチオン−フリーラジカル反応においてグルタチオン使用の速度を調節することによって起こる。上昇したグルタチオンは、その結果として体内でのクルクミノイドのアベイラビリティを高める。【0030】本発明のアンプリバイオ作用は、以下の機構を含むことができる。【0031】・ガルシノール/アントシアニンの抗酸化作用(HCAにより増強)が細胞を囲む負の電荷を中和して、細胞へのHCAの移送および取込みを促進すること。・ガルシノール/アントシアニンが細胞膜の流動性に影響を及ぼして、細胞へのHCAの移送および取込みを促進すること。・ガルシノール/アントシアニンがHCAと相乗作用を示して、クエン酸リアーゼを阻害し、それによりHCAのそのような阻害に対する閾値を低下させること。【0032】したがって、HCAのガルシノール/アントシアニンとの相互作用によってHCA活性の増強がもたらされることが示され、同様にHCAによってガルシノールおよびアントシアニンの生物学的ポテンシャルが高められることが認められる。本発明の3種化合物間の質的および量的相互作用は、これまで述べられていない。【0033】HCA、ガルシノール、およびアントシアニン化合物を抽出および精製する方法は、当技術分野でよく知られている。【0034】本発明はさらに、ガルシニア種の果実から抽出されたPPB、アントシアニン、およびHCAを含む組成物を調製する方法を含み、その方法は以下を含む。【0035】(a)ガルシニアの新鮮な果実を、8から15部のC1からC6アルコール(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)を用いて、密閉反応器内で、抽出が完了するまで還流および循環させることによって抽出すること。(b)抽出物を消費された材料から濾過すること。(c)抽出物を、540から600mm/Hgの減圧下で、1/4〜1/6の容量に濃縮すること。(d)濃縮物を、−5から5℃で、約20から30時間冷却し、沈殿物をNutscheフィルタで濾過すること。(e)粗ガルシノール(アッセイ16〜20%)を含む固体残留物(収率2.5から4%)を得ること。(f)粗ガルシノール抽出物を、石油エーテル、ヘキサン、またはトルエンなどの炭化水素溶媒(3から8部)に溶解し、アセトニトリルなどの高極性、非混和性溶媒(2から4部、3から5回)を用いて抽出/分配すること。(g)極性溶媒層を1/4〜1/6の容量に分離、濃縮し、−5から8℃で、12から16時間冷却すること。(h)残留物を、極性溶媒を用いて濾過、洗浄して、黄色ガルシノールを得ること(収率=0.8から1.5%、アッセイ55から70%)。(i)ステップc)の抽出物に、HCA含量(約20から25%)を基に算出したモル当量の量のアルカリ(水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム)を添加すること。(j)混合物を攪拌しながら、80から95℃で、2.5から5時間加熱して、黄色PPB(ガルシノール)を得ること。(k)沈殿物(HCAのナトリウムまたはカリウム塩)を、Nutscheフィルタを用いて濾過し、冷アルコールで洗浄すること。(l)沈殿物を、3から5部の水に溶解すること。(m)この水溶液にモル当量の量の塩化カルシウムを添加し、攪拌しながら、80から95℃で、4から6時間加熱すること。(n)沈殿物を減圧下、50から75℃で、濾過、乾燥し、白色HCAカルシウムを得ること(収率=25から35%)。(o)ステップ(j)で得た黄色PPB(ガルシノール)粉末とステップ(n)で得たHCAカルシウムとを、1:10の比で混合し、最低で55%のHCAカルシウム、および最低で5%のPPB(ガルシノール)を含有する組成物を生じること。(p)任意選択で、HCAカルシウムまたは他の任意のHCA塩を、プロアントシアニジンが最低0.5%の有効な比率で、PPBおよびプロアントシアニジンと混合すること。【0036】本発明のPPB組成物は、以下のように得ることもできる。【0037】(a)トルエンおよび5%メタノールを用いて、懸濁液からガルシニア消費果実を抽出し、20%PPB(ガルシノール15%、カンボジン5%)を有するペーストを得る。(b)ペーストをアップグレードし、50%のガルシノール、母液に入る約10〜15%のカンボジンを含む組成物を得て、50%ガルシノールをさらに1度の結晶化によってさらにアップグレードして、収率90%のガルシノール、および35%のカンボジンを生じる。(c)90%ガルシノール組成物を100℃に加熱して、約80%proofのカンボジンに転化し、残部はガルシノールとなる。(d)ステップ(c)の生成物を、等しい比率で90%ガルシノールの一部と混合し、42〜45%proofの85%〜90%PPB組成物を得る。(e)カンボジンおよびガルシノールがほぼ等しい比率の90%PPBを含む最終組成物を得て、残部はポリイソプレニル化キサントンと呼ばれる環化生成物となる。【0038】「バイオアベイラビリティ」という用語は、体重減少化合物の有効な機構を増強する任意の手段として定義される。類推によって、体内でのカルシウムのバイオアベイラビリティは最終的に骨量の増加によって測定され、つまり骨において補助カルシウムの取込みに役立つ任意の機構はカルシウムのバイオアベイラビリティを高めることになる。【0039】「有効量」という用語は、たとえば適切なレベルのサイトゾルクエン酸リアーゼを生成するために送達されたHCA、ガルシノール、またはアントシアニンに相当する、化合物の十分な量を意味する。【0040】本発明の第1の目的は、サイトゾル内で治療的に有効量のHCAを得て、それによってクエン酸リアーゼを減少または阻害する必要のある対象を治療するために、HCAのバイオアベイラビリティが劇的に高められる治療方法を提供することである。このHCA活性の増強は、これに限定されるものではないが、ガルシノール、およびアントシアニンを含む化合物の共投与によって達成される。【0041】本発明の他の目的は、フォルスコリンの効果(米国特許第5804596号)が、ガルシノール、および任意選択でアントシアニンの存在によって劇的に高められる体重減少治療の方法を提供することである。フォルスコリンの量は‘596号特許に教示されているものと同じであり、ガルシノールおよびアントシアニンの量は、本明細書においてHCAと共に使用するために教示したものと同じである。【0042】より詳細には、体重減少および食欲抑制に有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。体重減少に有効な量のHCA、およびアントシアニンは、それぞれ1日3回500mg、10mgであり、より好ましくは、アントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。体重減少および食欲抑制に有効な量のHCA、ガルシノール、およびアントシアニンは、それぞれ500mg、25mg、および10mgであり、より好ましくは、ガルシノール、およびアントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。【0043】クエン酸リアーゼを阻害する有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。クエン酸リアーゼを阻害する有効な量のHCA、およびアントシアニンは、それぞれ1日3回500mg、10mgであり、より好ましくは、アントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。クエン酸リアーゼを阻害する有効な量のHCA、ガルシノール、およびアントシアニンは、それぞれ500mg、25mg、および10mgであり、より好ましくは、ガルシノール、およびアントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。【0044】脂肪異化および除脂肪体重を増加する有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。脂肪異化および除脂肪体重を増加する有効な量のHCA、およびガルシノールは、それぞれ1日3回500mg、25mgであり、より好ましくは、ガルシノールの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。脂肪異化および除脂肪体重を増加する有効な量のHCA、ガルシノール、およびアントシアニンは、それぞれ500mg、25mg、および10mgであり、より好ましくは、ガルシノール、およびアントシアニンの投与量は、HCA、またはジテルペンフォルスコリン(米国特許第5804596号)のような他の体重減少化合物の0.01%から10%の範囲であることができる。【0045】【発明の実施の形態】HCAおよびガルシノールの組み合わせによる治療的体重減少効果、および化学的予防剤としてのガルシノールの役割を、以下の実施例によって説明する。【0046】実施例1ガルシノールおよびHCAを、2系統のマウス、SKH−1およびCF−1それぞれに投与することによって、対照の食事を与えられている動物、およびガルシノールまたはHCAを単独で与えられている動物グループに比べて、全体重および腹部脂肪増量が著しく減少した。さらに、ガルシノールの食事による投与によって、対照の食事、あるいはHCAまたはガルシノールを単独で含有する食事を与えられた動物に比べて、CF−1マウスにおいて、結腸異常腺窩形成(ACは前癌性状態と考えられる)が著しく減少した。興味深いことに、ガルシノールに加えてHCAを与えた動物は、対照、ガルシノール、およびHCAグループに比べて、食物および水の消費量が高かったにもかかわらず、ガルシノールおよびHCAの組み合わせによる体重増加防止効果が得られた。【0047】表1は、SKH−1マウスにおいて、ガルシノール(GAR)、ヒドロキシクエン酸(HCA)、ガルシノールおよびヒドロキシクエン酸の組み合わせを経口投与したときの体重、食物消費量、液体消費量に対する効果をしめすものである。【0048】【表1】【0049】表2は、CF−1マウスにおいて、ガルシノール(GAR)、ヒドロキシクエン酸(HCA)を10週経口投与したときの、アゾキシメタン(AOM)誘発結腸異常腺窩(AC)形成、および腹部の脂肪蓄積に対する効果を示すものである。【0050】【表2】【0051】これらのデータは、体重、体組成、および体代謝速度の調節を含む、ガルシノールのHCA補助剤としての幅広い生物機構を示している。【0052】実施例2化学的予防剤としてのガルシノールの役割は、CF−1マウスを局所的に炎症および腫瘍促進剤TPAで処理した実験において確認された。【0053】表3は、TPA誘発耳水腫に関するガルシノール(GAR)の効果を示すものである。この実施例は、雌のCF−1マウスを、ガルシノールを含む、または含まないTPAを耳の皮膚に塗布して局所的に処理した。5時間後、マウスを殺し、耳のパンチを秤量した。データは平均±標準誤差で表す。これらのデータは、化学的予防剤としてのガルシノールの生物機構を示している。【0054】【表3】【0055】実施例3(ガルシノールおよびHCAの体重減少ポテンシャルに関する臨床研究)HCAのカルシウム塩500mg、およびガルシノール25mgからなる組み合わせ(NC)を、HCAカルシウム塩500mgを含有する処方(C)と比較して、二重盲検、12週の臨床試験で評価した。この試験は、46人の体重超過女性の志願者に対して行なった(BMI25超)。参加者は、活性含有処方、またはプラシーボ処方のカプセル1つを、1日3回、食事の半時間前に摂取するように指示された。各参加者には、それまでの毎日の運動および食習慣を維持することを求めた。さらに、試験前および試験中に、質問票に基づいて身体活性をモニターした。参加者を、基準、および2、4、6、8、10、12週で評価した。診察ごとに以下の臨床上の要素を評価した。全体重、生体電気インピーダンス法による体組成、自己評価による食欲およびエネルギーレベル、脈拍数、および血圧である。12週の試験中、NCグループでは、基準値およびCグループの値に比べて、体重、および脂肪量の平均値が著しく減少したが、一方で除脂肪体重、および全体水分は著しく増加した。食欲レベルは、Cグループに比べてNCグループで著しく低く、エネルギーレベルは、基準に比べて両方の試験グループで等しく上昇した。この試験の経過中に、自覚的または他覚的副作用は報告されなかった。脈拍数、収縮期血圧、および拡張期血圧は、試験の間を通じて同じレベルに維持された。【0056】NCは統計的に、全体重およびボディマス指数の減少、体脂肪の減少、除脂肪体重および体水分含量の増加、ならびに食欲知覚レベルの低下において、Cに比べてより有効である。対象のエネルギーレベルは、両グループにおいて療法によって増強されず、NCおよびCは自覚的副作用、および他覚的副作用を生じなかった。【0057】【発明の効果】動物研究および臨床研究を合わせたデータから、本発明がHCA単独の体重減少治療に比べてより有効であり、さらに本発明の組成物は脂肪減少に加えて、除脂肪体重を改善し、体組成の改善をもたらすことが示される。過剰な脂肪組織を落としながら、除脂肪体重を維持または向上させることは、疾病管理センターによって提唱されてきたが、除脂肪体重は最近、心血管の健康および総体的な健康の独立した決定的な予測因子として認知されているので重要である。動物実験モデルにおけるガルシノールの化学予防的作用もまた、その化合物が有する体組成を改善する役割に関連している可能性がある。【0058】参考文献1. Sullivan AC, Singth M, Srere PA, Glusker JP. Reactivity and Inhibitor Potential of Hydroxycitrate Isomers with Citrate Synthase, Citrate Lyase, and ATP Citrate Lyase. J Biol Chem. 1977; 252(21): 7583-7590.2. Majeed M, Rosen R, McCarthy M, Conte AA, Patil D, Butrym E. Citrin A Revolutionary Herbal Approach to Weight Management. New Editions Publishing. Burlingame, CA. 1994.3. Sullivan AC, Hamilton JG, Miller ON, Wheatley. Inhibition of lipogenesis in rat liver by (-)-hydroxycitrate. Arch Biochem Biophys. 1972; 150: 183-190.4. Sullivan AC, Triscari J, Hamilton JG, Miller ON. Effect of (-)-Hydroxycitrate upon the Accumulation of Lipid in the Rat: I. Lipogenesis. Lipids. 1973; 9(2): 121-128.5. Vasselli JR, Shane E, Boozer CN, Heymsfield SB. Garcinia Cambogia Extract Inhibits Body Weight Gain Via Increased Energy Expenditure (EE) In rats. FASEB J. 998; 12 (part1): A506.6. Sullivan AC, Triscari J, Hamilton JG, Miller ON. Effect of (-)-Hydroxycitrate upon the Accumulation of Lipid in the Rat: II. Appetite. Lipids. 1973; 9(2): 121-128.7. Conte A.A. A Non-Prescription Alternative in Weight Reduction Therapy. The Bariatrician. 1993: 17-19.8. Conte A.A. The effects of (-)-Hydroxycitrate And Chromium (GTF) On Obesity. J Amer Coll Nutr. 1994 (October); 13(5): 535 [Abstract 60].9. Katts GR, Pullin D, Parker LK, Keith PL, Keith S. Reduction Of Body Fat As A Function Of Taking A Dietary Supplement Containing Garcinia Cambodia Extract, Chromium Picolinate And L-Carnitine - A Double Blind Placebo Controlled Study. Abstract/Poster presented at a symposium on obesity organized by the Mexican Sociedad Medical del Sureste para el Estudio de la Obesidad, March 4, 1995, Merida, Yucatan, Mexico.10. Badmaev V, Majeed M. Open Field, Physician Controlled, Clinical Evaluation Of Botanical Weight Loss Formula Citrin(r). Nutracon 1995: Nutraceuticals, Dietary Supplements And Functional Foods. 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J Food Sci and Tech. 1982; 97: 19.【図面の簡単な説明】【図1】 体重減少を経験した対象のパーセントの傾向線を示す図である。【図2】 体重減少を経験した試験対象の平均パーセントを示す図である。【図3】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの体重減少パーセントを示す図である。【図4】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの体重減少パーセントを示す図である。【図5】 連続試験間隔でのCおよびNCグループの体重減少平均(ポンド)を示す図である。【図6】 2度の試験時間間隔での、CおよびNCグループのボディマス指数(BMI)変化の平均パーセントを示す図である。【図7】 2度の試験時間間隔での、CおよびNCグループのボディマス指数(BMI)変化のパーセントを示す図である。【図8】 Cグループ対象の体重変化パーセントを示す図である。【図9】 NCグループ対象の体重変化パーセントを示す図である。【図10】 NCグループ対象の除脂肪体重(LBM)変化パーセントを示す図である。【図11】 Cグループ対象の除脂肪体重(LBM)変化パーセントを示す図である。【図12】 NCグループ対象の脂肪減少パーセントを示す図である。【図13】 Cグループ対象の水分変化パーセントを示す図である。【図14】 NCグループ対象の水分変化パーセントを示す図である。【図15】 連続時間間隔でのCおよびNCグループの自己評価食欲レベルを示す図である。【図16】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの自己評価エネルギーレベルを示す図である。【図17】 連続時間間隔でのCおよびNCグループの脈拍数を示す図である。【図18】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの収縮期血圧を示す図である。【図19】 連続試験時間間隔でのCおよびNCグループの拡張期血圧を示す図である。 ヒドロキシクエン酸又はその塩およびガルシノールを含有する食欲抑制用組成物。


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