タイトル: | 特許公報(B2)_脂漏性皮膚炎の処置方法 |
出願番号: | 2002506679 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 31/7048,A61K 9/10,A61K 47/10,A61K 47/20,A61K 47/46,A61P 17/08 |
パークス,エル.ディーン JP 3802485 特許公報(B2) 20060512 2002506679 20010627 脂漏性皮膚炎の処置方法 パークス,エル.ディーン 502119163 石田 敬 100077517 鶴田 準一 100092624 福本 積 100087871 西山 雅也 100082898 樋口 外治 100081330 パークス,エル.ディーン US 09/605,747 20000629 20060726 A61K 31/7048 20060101AFI20060706BHJP A61K 9/10 20060101ALI20060706BHJP A61K 47/10 20060101ALI20060706BHJP A61K 47/20 20060101ALI20060706BHJP A61K 47/46 20060101ALI20060706BHJP A61P 17/08 20060101ALI20060706BHJP JPA61K31/7048A61K9/10A61K47/10A61K47/20A61K47/46A61P17/08 A61K 31/7048 A61P 17/00-17/16 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) 国際公開第98/52518(WO,A1) 米国特許第5952372(US,A) 特開平11−79930(JP,A) 特開平11−60481(JP,A) 米国特許第4569935(US,A) 北村和子等,湿疹の診療,臨床免疫,1988年,Vol.20, Suppl.13,pages 469-484 比留間政太郎,抗真菌剤による脂漏性皮膚炎の治療,医学のあゆみ,1995年,Vol.173, No.13,pages 1026-1027 渡辺晋一,脂漏性皮膚炎発症におけるMalassezia furfurの役割,医学のあゆみ,1996年,Vol.177, No.12,pages 796-797 5 US2001041159 20010627 WO2002002056 20020110 2004501939 20040122 4 20060207 伊藤 幸司 【0001】本発明の背景脂漏性湿疹及び脂漏症としても知られる脂漏性皮膚炎は、頭皮、眉、鼻唇のしわ(nasolabial crease)、唇、耳、胸骨周辺、腋窩、乳腺下のひだ、へそ、腿の付け根、及び臀筋のしわ(gluteul crease)を含む身体の多くの部分に影響を及ぼし得る、皮膚の慢性表在性疾患である。前記疾患は多くの形状、サイズ及び表面の構成を特徴とし、そしてしばしば皮様で黄色っぽく、そしてそう痒を伴う。これは更に沈静化と悪化を特徴とする。【0002】脂漏性皮膚炎のイテロオジー(iteology)、病原論及び組織学は解明されていない。しかしながら、それは乾癬に近い臨床的類似点を有しており、そして多くの研究者が、乾癬が広範で、かつあまり定義されていない症状であるにもかかわらず、両者の症状が関連性の病因学を共有していると考えている。乾癬は典型的に、そう痒が無いこと、そして脂漏性の症状の処置に用いられてきた化合物、例えば硫化セレン及びプブリソン酸(pvrithonate)亜鉛によるその耐性処置において異なる。【0003】複数の研究者が脂漏性皮膚炎を亜鉛欠乏に原因があるとし、一方で他のものはその病因を微生物によると考えている。更に他のものは、症状が思春期前にあらわれないので、ホルモンの影響が存在していると考えている。更に特異的な菌類、すなわち親油性の、多形性菌類が様々な形態の脂漏性皮膚炎に重要であると仮定されている。酵母、一般的なその様な菌類の形態が、その様な皮膚炎の少なくとも原因であるという議論は、それ自体説得力のあるものである。【0004】脂漏性皮膚炎が亜鉛欠乏にあるという見解を反映する従来技術は、Remedy For Dermatitisという題目の、Akiko等に対する米国特許第5,997,852号(1999)に表されており、一方、起源が微生物にあると脂漏性皮膚炎をみなし、それにより抗生物質を用いたその処置を主張する説は、Topical Treatment of Psoriasis With Imidazole Artisbioticsという題目の、Rosenberg等に対する米国特許第4,905,935号(ITOO)に表されている。Rosenberg等は、病原性乾癬を病原性脂漏性皮膚炎と同一視している。前記症状のこの観点において、ポリマイシンB−ヒドロコルチゾン、すなわちコルチゾン混入型抗生物質を局所用液体として用いることも一般的である。【0005】本発明は、脂漏性皮膚炎を本質的に菌類によるものとみなし、そして最も広範な種類の微生物の中でも端に位置している微生物によって起こされるとする説に由来している。それは、細菌よりも大きいが、ヒトには見えない生物である。これらは今のところ、局所的なイベルメクチンによる処置に影響を受けやすいが、又はそれに反応しやすい検出されていない微生物を含む。【0006】本発明の要約本発明は脂漏性皮膚炎の処置方法を構成しており、これはローション又はクリームのいずれかの形態での、ローションの場合には水中に約750μg/ml(mcg/ml)の濃度の治療的に有効な量のイベルメクチンを含んで成り、そしてクリームとして使用される場合には医薬として許容される担体も有する混合物を適用することから成る。その様なローション又はクリームは夜に7日間適用され、そして次に1ヶ月に1〜4回維持のために使用される。【0007】従って、本発明の目的は脂漏性皮膚炎の処置のための治療的局所療法を提供することである。【0008】別の目的には、結果として実質的に永続的な救済を可能にするその様な皮膚炎の処置のための安全かつ有効な方法を提供することがある。【0009】本発明の上述の、そして更に他の目的及び利点は本発明の詳細な説明及び本明細書に添付された特許請求の範囲から明らかとなるだろう。【0010】本発明の詳細な説明13−デオキシアグリコンとして知られる、より大きな化学的な系統群の一部である、イベルメクチンの進歩性のある局所的使用は、歴史的にMerck & Co.,Inc.,Rahway,New Jerseyの製品である。それは、歴史的に動物における内部寄生虫性の症状の処置のための獣医学的適用において使用されてきた。しかしながら、特に第三世界及び熱帯地方からの、複数の医学的論文は、ヒトの内部寄生虫性の症状、例えばハエ蛆症及び回旋糸状虫症の体内処置におけるイベルメクチンの局所的使用を示唆してきた。しかしながら、これらの症状は、脂漏性皮膚炎、又は更に詳しくは任意な既知の乾癬との病因学的又は組織学的関連性が知られていない。更に、本発明者に知られている刊行物に、これまで任意な形態の皮膚炎の処置における局所的なイベルメクチンの使用を示唆するものはなかった。【0011】本発明は、水中で溶解される場合、少なくとも750 mcg/mlの濃度を有するローションを形成するのに十分な、一般にペーストとしてMerckから入手可能な、治療的に有効な量のイベルメクチンの使用を伴う。あるいは、クリームのイベルメクチンが医薬として許容される担体、例えばプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、キサンタン(zanthan)ガム、又はこれらの組み合わせをこれと組み合わせて形成され得る。【0012】前記ローション又はクリームは、続いて7日間毎日適用され、そしてその後前記症状の再発を予防するために冒された領域に対して1ヶ月に1〜4回適用される。【0013】作用機構については、皮膚に対するイベルメクチンの効果が、主にヒトの皮膚のほぼ全ての濾胞に存在する脂腺に関するものであり、そして菌類による攻撃に対して影響を受けやすいと考えられている。従って、その点で脂漏性皮膚炎の菌理論及びホルモン障害理論が扱われている。また、イベルメクチンのそれらに対する適用において証明された、皮膚に対する緩和効果により、脂漏性皮膚炎を原因とする感情的ストレス及び関連性の発汗の増大に関する病因学の理論も扱われている。従って、イベルメクチンの鎮静効果及び減感効果が運動性の不安定性を抑え、その結果前記症状と関連する毛細血管のストレスを軽減すると考えられている。【0014】フロリダ州のオーモンドビーチでの実施における約100人の患者に対する約7年の実験的試験期により、上文の方法の結果が脂漏性皮膚炎の他のしぶとい症状の処置において安全であり、かつ著しく有効であることが明らかとなった。更に、前記患者がイベルメクチンの使用の適正な方法に従った場合、前記症状の再発は見られなかった。また、従来技術の薬物療法、特に局所的抗生物質に関連する副作用、例えばアレルギー性の炎症又は熱感は現れなかった。従って、上述のイベルメクチンローション及びクリームの使用において、抗生物質、例えばエリスロマイシン、テトラサイクリン、及びイミダゾール、例えばケタンゾールを用いた場合に時折見られる様な、患者に由来するいずれの自己免疫応答にも遭遇しなかった。従って、脂漏性皮膚炎に共通する病因学を有する乾癬の種類の処置において追加の価値を有し得る脂漏性皮膚炎の処置の、有効かつ、ほぼ一般的に安全な方法が発見されたと思われる。【0015】本発明の好ましい態様を示し、そして記載したが、本発明が、本明細書に具体的に示し、そして記載したもの以外にも具現化されることがあり、そして前記態様において、若干の変更が、特許請求の範囲に記載の本発明の潜在的な考え又は原理から逸脱することなく、前記部分の型及び処置において行われ得ることが分かる。 脂漏性皮膚炎を処置するための局所適用のための医薬組成物の製造のための治療的に有効量のイベルメクチンの使用。 前記イベルメクチンが医薬として許容される担体中に存在する、請求項1に記載の使用。 前記イベルメクチンが少なくとも750 mcg/mlの濃度で存在する、請求項2に記載の使用。 医薬として許容される担体中に存在する前記イベルメクチンがローション又はクリームの形態で存在する、請求項2に記載の使用。 前記の医薬として許容される担体が、水、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、キサンタンガム、及びこれらの組み合わせを含んで成る、請求項4に記載の使用。