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タイトル:特許公報(B2)_カルバメートの製造方法およびイソシアネートの製造方法
出願番号:2002375763
年次:2009
IPC分類:C07C 269/04,C07C 263/04,C07C 265/04,C07C 265/14,C07C 271/10,C07C 271/22,C07C 271/32


特許情報キャッシュ

吉田 力 佐々木 祐明 黒岩 巧 平田 文明 JP 4298995 特許公報(B2) 20090424 2002375763 20021226 カルバメートの製造方法およびイソシアネートの製造方法 三井化学ポリウレタン株式会社 501140544 岡本 寛之 100103517 吉田 力 佐々木 祐明 黒岩 巧 平田 文明 JP 2001398911 20011228 20090722 C07C 269/04 20060101AFI20090702BHJP C07C 263/04 20060101ALI20090702BHJP C07C 265/04 20060101ALI20090702BHJP C07C 265/14 20060101ALI20090702BHJP C07C 271/10 20060101ALI20090702BHJP C07C 271/22 20060101ALI20090702BHJP C07C 271/32 20060101ALI20090702BHJP JPC07C269/04C07C263/04C07C265/04C07C265/14C07C271/10C07C271/22C07C271/32 C07C 269/04 C07C 263/04 C07C 265/04 C07C 265/14 C07C 271/10 C07C 271/22 C07C 271/32 特開平06−298717(JP,A) 特開平06−128215(JP,A) 5 2003252846 20030910 13 20050913 (出願人による申告)国等の委託研究成果に係る特許出願(平成12年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの) 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、カルバメートの製造方法、および、そのカルバメートの製造方法によって得られるカルバメートが用いられるイソシアネートの製造方法に関する。【0002】【従来の技術】従来より、アルキルカルバメートは、医薬、農薬などの原料として、また、各種ファインケミカルズの原料として、さらには、アルコール類の分析試剤などとして、広範な用途を有する工業原料として、有用な有機化合物である。【0003】このようなアルキルカルバメートを製造する方法としては、(1)イソシアネートとアルコールとを反応させる方法、(2)クロロぎ酸エステルとアミンとを塩基存在下で反応させる方法、(3)ホスゲンとアルコールおよびアミンを反応させる方法、(4)尿素とアルコールとを反応させる方法、(5)炭酸ジメチルとホルムアミドとを反応させる方法、(6)ジアルキルカーボネートとアミンとを反応させる方法(例えば、特許文献1〜5参照。)など、各種の方法が知られている。【0004】また、このようなアルキルカルバメートは、近年、ホスゲンを用いないイソシアネートの製造原料とすることが種々検討されている。【0005】すなわち、イソシアネートは、イソシアネート基を含む有機化合物であって、ポリウレタンの原料として広く用いられており、工業的には、アミンとホスゲンとの反応により製造されている(ホスゲン法)。しかし、ホスゲンは毒性および腐食性が強く、取り扱いが不便であるため、近年、ホスゲン法に代わる経済的なイソシアネートの製造方法として、アミンをジアルキルカーボネートでカルバメート化した後、得られたカルバメートを、熱分解することによってイソシアネートを製造することが、各種提案されている(例えば、特許文献6〜8参照。)。【0006】【特許文献1】特公昭51−33095号公報【特許文献2】特開昭57−82361号公報【特許文献3】米国特許第4,395,565号明細書【特許文献4】特開昭64−85956号公報【特許文献5】特開平6−128215号公報【特許文献6】特開平7−165696号公報【特許文献7】特開平6−172292号公報【特許文献8】特開平9−249633号公報【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したアルキルカルバメートの製造方法において、上記(1)の方法では、刺激性のあるイソシアネートを原料として取り扱う必要があり煩雑であること、上記(2)の方法では、等モル以上の塩基を用いる必要があること、上記(3)の方法では、ホスゲンの毒性および腐食性が強いこと、および、反応に塩基を用いる必要があること、上記(4)および上記(5)の方法では、高温または高圧で反応を行なう必要があることなど、それぞれ不具合を有している。【0007】また、上記(6)の方法においては、ジアルキルカーボネートとして、ジメチルカーボネートを用いる方法がよく知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。この方法では、ルイス酸触媒、鉛、チタンあるいはジルコニウム系触媒、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラート触媒などの存在下に、ジメチルカーボネートとアミンとを反応させるが、実施例によれば、一般的に反応速度が小さく、また、N−メチル体を副生しやすいため、カルバメートの空時収率の向上が図れないという不具合がある。【0008】一方、例えば、特許文献4には、N−メチル化反応が起こりにくい方法として、アミンとアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラー卜触媒とを、連続または間欠的に添加する方法が記載されている。【0009】しかし、この方法において、カルバメートを高収率で得るためには、アミンに対してアルコラート触媒を多量に用いることが必要で、コストの上昇が不回避となり、また、触媒を中和反応するので、大量の塩が生成し、カルバメートの回収および精製に大きな負荷がかかるなどの不具合を生じる。【0010】さらに、カーボネートを用いる他の方法として、例えば、特許文献5には、アルキルアリールカーボネートと芳香族アミンとからアルキルカルバメートを製造する方法が記載されている。しかし、この方法では、含窒素複素環式化合物を触媒として用いているが、大量の触媒を必要とすること、および収率の向上が図れないという不具合がある。【0011】また、上記したイソシアネートの製造方法では、アミンをジアルキルカーボネートでカルバメート化した後、得られたカルバメートを熱分解している。例えば、特許文献4に実施例が記載されているが、塩基性触媒はカルバメートと一緒に加熱されると、カルバメートをさらに変化させて、目的外の高沸点物に変化させるので、中和工程が不可欠と記載されており、実際、カルバメートの熱分解工程前には、必ずカルバメートに残留している塩基性触媒をリン酸で中和し、過剰に添加したリン酸を水洗、除去している。【0012】本発明は、このような不具合に鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡易な方法により、低コストで、高選択的かつ高収率でカルバメートを得ることができるカルバメートの製造方法、および、そのカルバメートの製造方法によって得られるカルバメートを用いて、工業的に用いられるイソシアネートを製造することができるイソシアネートの製造方法を提供することにある。【0013】【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明のカルバメートの製造方法は、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンおよび芳香脂肪族ジアミンからなる群より選ばれる非芳香族ジアミンと、下記一般式(1)で示されるアルキルアリールカーボネートとを、アルキルアリールカーボネートが、非芳香族ジアミンのアミノ基に対して1.01〜30倍モルとなるように仕込み、それらを無触媒下で反応させることを特徴としている。【0014】R1OCOOR2 (1)(式中、R1はアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいアリール基を示す。)また、本発明のカルバメートの製造方法では、アルキルアリールカーボネートが、メチルフェニルカーボネートであることが好ましい。また、アルキルアリールカーボネートとして、ジアルキルカーボネートとフェノールまたはその誘導体とのエステル交換反応によって得られるアルキルアリールカーボネートを1重量%以上含む粗原料を用いることができる。【0015】 また、非芳香族ジアミンが、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。【0016】さらに、本発明は、上記したカルバメートの製造方法によって、カルバメートを製造する工程と、得られたカルバメートを熱分解してイソシアネートを製造する工程とを備えている、イソシアネートの製造方法をも含んでいる。【0017】【発明の実施の形態】 まず、本発明のカルバメート(カルバミン酸エステル)の製造方法について詳述する。本発明のカルバメートの製造方法は、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンおよび芳香脂肪族ジアミンからなる群より選ばれる非芳香族ジアミンと、下記一般式(1)で示されるアルキルアリールカーボネートとを反応させる。【0018】 R1OCOOR2 (1)(式中、R1はアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいアリール基を示す。) 本発明で用いられる非芳香族ジアミンは、1級または2級のアミノ基を2つ有し、かつ、芳香環に直接結合したアミノ基を有さないアミノ基含有有機化合物であって、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンおよび芳香脂肪族ジアミンから選択される。なお、このようなアミノ基含有有機化合物は、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、スルホン基、カルボニル基、ハロゲン原子などの安定な結合または官能基を、その分子骨格中に含んでいてもよい。【0019】 脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6一ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,2−ビス(アミノエチルチオ)エタンなどが挙げられる。【0020】 また、脂肪族ジアミンには、例えば、ポリオキシプロピレンジアミンなどのアミノ基含有ポリオキシアルキレン化合物やアミノ基含有ポリシロキサン化合物なども含まれる。【0021】 脂環族ジアミンとしては、例えば、ジアミノシクロブタン、イソホロンジアミン(3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロへキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロへキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、水添2,4−トルエンジアミン、水添2,6−トルエンジアミンなどが挙げられる。【0022】 芳香脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンなどが挙げられる。【0023】 これら非芳香族ジアミンのなかでは、工業的に用いられるポリ(ジ)イソシアネートの前駆体となるジアミン、例えば、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンが好ましく用いられる。【0024】 このような非芳香族ジアミンは、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。【0025】本発明で用いられるアルキルアリールカーボネートは、下記一般式(1)で示される。【0026】R1OCOOR2 (1)(式中、R1はアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいアリール基を示す。)上記式(1)中、R1で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜8の直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基、例えば、シクロヘキシル、シクロドデシルなどの炭素数5〜10の脂環式飽和炭化水素基などが挙げられる。【0027】上記式(1)中、R2で示される置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。また、その置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。【0028】このようなアルキルアリールカーボネートとしては、より具体的には、メチルフェニルカーボネートが好ましく用いられる。【0029】なお、上記したアルキルアリールカーボネートは、種々の公知の方法によって容易に製造することができる。すなわち、例えば、特許第1519075号公報に記載されているジアルキルカーボネートとフェノールまたはその誘導体とからエステル交換反応によって製造する方法や、例えば、J.Org.Chem.57,3237(1992)に記載されているクロロ炭酸アリールとアルキルアルコールとから製造する方法などが用いられる。【0030】そして、本発明においては、精製されたアルキルアリールカーボネートを用いなくても、例えば、上記したような製造方法によって得られる反応液をそのまま、または、再結晶や精留などの高度な精製をせずアルキルアリールカーボネートを含んだ粗原料を用いることができる。【0031】すなわち、例えば、アルキルアリールカーボネートを、ジアルキルカーボネートとフェノールまたはその誘導体とから製造する場合には、ジアルキルカーボネートとフェノールまたはその誘導体とのエステル交換反応によって得られるアルキルアリールカーボネートを1重量%以上、好ましくは、10〜100重量%含む粗原料を、この製造方法のアルキルアリールカーボネートとして用いることができる。【0032】なお、上記のごとく、ジアルキルカーボネートとフェノールとの反応により、アルキルフェニルカーボネートが生成することから、例えば、ジアルキルカーボネートとフェノールとの共存下にアミンを加えるか、または、ジアルキルカーボネート、フェノール、アミンを混合することにより、後述する方法により、カルバメートを製造することも考えられる。【0033】 そして、本発明のカルバメートの製造方法では、上記した非芳香族ジアミンと、上記したアルキルアリールカーボネートとを反応させる。非芳香族ジアミンとアルキルアリールカーボネートとの反応は、例えば、反応容器内に、非芳香族ジアミンとアルキルアリールカーボネートとを、次に述べる所定量の割合で仕込み、必要により反応溶媒を加えて、非常に温和な条件下で行なわれる。【0034】 アルキルアリールカーボネートの仕込み量は、非芳香族ジアミンのアミノ基に対して1.01倍モル以上であり、そのため、アルキルアリールカーボネートそのものを、この反応における反応溶媒として用いることもできる。より具体的には、アルキルアリールカーボネートの仕込み量は、非芳香族ジアミンのアミノ基に対して、1.01〜30倍モル、好ましくは1.02〜15倍モル程度である。アルキルアリールカーボネートの仕込み量がこれより多いと、反応後における分離工程あるいは精製工程に多大なエネルギーを消費するので、工業的な生産に不向きとなる。また、アルキルアリールカーボネートの仕込み量がこれより少ないと、反応が進むに従って反応速度が低くなる。【0035】 また、この反応において、反応溶媒は必ずしも必要ではないが、反応溶媒を配合することにより操作性を向上させることができる。このような反応溶媒は、非芳香族ジアミンおよびアルキルアリールカーボネートに対して不活性であるか反応性に乏しいものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、脂肪族アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノールなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、リグロイン、シクロドデカン、デカリン類など)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、メチルナフタレン、クロロナフタレン、ジベンジルトルエン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレン、ビフェニル、ジエチルビフェニル、トリエチルビフェニルなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジドデシルなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、ベンゾニトリルなど)、脂肪族ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタンなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトロ化合物類(例えば、ニトロメタン、ニトロベンゼンなど)、フェノールまたはその誘導体(例えば、フェノール、クレゾールなど)、炭酸エステル類(例えば、炭酸ジメチル,炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジブチルなど)、一般に用いられる熱媒オイル(例えば、新日鐵化学社製サームエス200S、300、600、700、800、900、1000Sや綜研化学社製NeoSK−OIL1300、1400、170、240、330、KSK−OIL260、280など)や、N−メチルピロリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、水などが用いられる。【0036】これら反応溶媒のなかでは、経済性、操作性などを考慮すると、脂肪族アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、フェノール類、炭酸エステル類が好ましく用いられる。また、このような反応溶媒は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。【0037】 また、反応溶媒の使用量は、反応生成物のカルバメートが溶解する程度の量であれば特に制限されるものではないが、工業的には、反応液から反応溶媒を回収する必要があるため、その回収に消費されるエネルギーをできる限り低減し、かつ、使用量が多いと、反応基質濃度が低下して反応速度が遅くなるため、できるだけ少ない方が好ましい。より具体的には、非芳香族ジアミン1重量部に対して、通常、0.01〜50重量部、好ましくは、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。【0038】 また、この反応においては、反応温度は、原料、すなわち、非芳香族ジアミンおよびアルキルアリールカーボネートや、反応溶媒の種類などによって異なるが、例えば、0〜200℃、好ましくは、20〜150℃、さらに好ましくは、30〜100℃の範囲である。また、反応圧力は、常圧、加圧あるいは減圧のいずれの雰囲気下でもよく、特に制限されない。【0039】 また、この反応は、無触媒下で進行する。【0040】 そして、この反応は、上記した条件で、反応容器内おいて、非芳香族ジアミンとアルキルアリールカーボネートとを攪拌あるいは混合すればよい。より具体的には、例えば、アルキルアリールカーボネート中に非芳香族ジアミンを滴下して攪拌すればよい。そうすると、温和な条件下において、高選択的かつ高収率でアルキルカルバメートが生成する。その結果、この反応では、無触媒下で反応させた、反応終了後の反応液には、過剰(未反応)のアルキルアリールカーボネート、反応溶媒、反応生成物である下記一般式(2)で示されるカルバメート、および (R1OCONH)2R3 (2)(式中、R1は、上記式(1)のR1と同意義を、R3は、非芳香族ジアミン残基を示す。)副生物である下記一般式(3)で示されるアリールアルコールが含まれる。【0041】R2−OH (3)(式中、R2は、上記式(1)のR2と同意義を示す。)そして、これら過剰(未反応)のアルキルアリールカーボネート、反応溶媒、アリールアルコールを、蒸留分離するなどして回収することによって、生成したカルバメートを容易に分離することができる。また、この反応では、触媒の分離などの後処理工程を、通常必要とせず、得られたカルバメートは、必要により、洗浄、中和、再結晶、蒸留、昇華またはカラムクロマトグラフィーなどによってさらに精製することができる。【0042】 そのため、このような製造方法によると、簡易な設備により、実質的に非芳香族ジアミンとアルキルアリールカーボネートとを配合するのみで、高選択的かつ高収率でアルキルカルバメートを得ることができ、かつ、煩雑な後処理工程も必要としないので、低コストで効率よくカルバメートを製造することができる。【0043】そして、本発明は、上記したカルバメートの製造方法によって得られたカルバメートを熱分解して、イソシアネートを製造するイソシアネートの製造方法を含んでいる。【0044】 すなわち、このようなイソシアネートの製造方法では、上記したカルバメートの製造方法によって得られたカルバメートを熱分解し、上記した非芳香族ジアミンに対応する下記一般式(4)で示されるイソシアネート、および R3−(NCO)2 (4)(式中、R3は、上記式(2)のR3と同意義を示す。)副生物である下記一般式(5)で示されるアルキルアルコールを生成させる。【0045】R1−OH (5)(式中、R1は、上記式(1)のR1と同意義を示す。)この熱分解は、特に限定されず、例えば、液相法、気相法などの公知の分解法を用いることができる。好ましくは、液相法、より具体的には、この熱分解において副生するアルキルアルコールを系外に分離させる反応蒸留方式により実施することが好ましい。【0046】熱分解温度は、通常、350℃以下であり、好ましくは、80〜350℃、より好ましくは、100〜300℃である。80℃よりも低いと、実用的な反応速度が得られない場合があり、また、350℃を超えると、イソシアネートの重合など、好ましくない副反応を生じる場合がある。また、熱分解反応時の圧力は、上記の熱分解反応温度に対して、生成するアルキルアルコールが気化し得る圧力であることが好ましく、設備面および用役面から実用的には、0.133〜90kPaであることが好ましい。【0047】また、この熱分解に用いられるカルバメートは、精製したものでもよいが、反応終了後にアリールアルコールを回収して分離されたカルバメートの粗原料を用いて、引き続き熱分解してもよい。【0048】さらに、必要により、触媒および不活性溶媒を添加してもよい。これら触媒および不活性溶媒は、それらの種類により異なるが、上記したカルバメート化反応時、反応後の蒸留分離の前後、カルバメートの分離の前後の、いずれかに添加すればよい。【0049】熱分解に用いられる触媒としては、イソシアネートと水酸基とのウレタン化反応に用いられる、Sn、Sb、Fe、Co、Ni、Cu、Cr、Ti、Pb、Mo、Mnなどから選ばれる1種以上の金属単体またはその酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、リン酸塩、有機金属化合物などの金属化合物が用いられる。これらのうち、この熱分解においては、Fe、Sn、Co、Sb、Mnが副生成物を生じにくくする効果を発現するため、好ましく用いられる。【0050】Snの金属触媒としては、例えば、酸化スズ、塩化スズ、臭化スズ、ヨウ化スズ、ギ酸スズ、酢酸スズ、シュウ酸スズ、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、オレイン酸スズ、リン酸スズ、二塩化ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリルオキシジスタノキサンなどが挙げられる。【0051】Fe、Co、Sb、Mnの金属触媒としては、例えば、それらの酢酸塩、安息香酸塩、ナフテン酸塩、アセチルアセトナート塩などが挙げられる。【0052】なお、触媒の使用量は、金属単体またはその化合物として、反応液に対して0.0001〜5重量%の範囲、好ましくは、0.001〜1重量%の範囲である。【0053】また、不活性溶媒は、少なくとも、カルバメートおよびイソシアネートに対して不活性であり、熱分解反応を効率よく行なうには、生成するイソシアネートよりも高沸点であることが望ましい。このような不活性溶媒としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジドデシルなどのエステル類、例えば、ジベンジルトルエン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレン、ビフェニル、ジエチルビフェニル、トリエチルビフェニルなどの熱媒体として常用される芳香族系炭化水素や脂肪族系炭化水素などが挙げられる。不活性溶媒の使用量は、カルバメート1重量部に対して0.001〜100重量部の範囲、好ましくは、0.01〜80重量部、より好ましくは、0.1〜50重量部の範囲である。【0054】また、この熱分解反応は、カルバメート、触媒および不活性溶媒を一括で仕込む回分反応、また、触媒を含む不活性溶媒中に、減圧下でカルバメートを仕込んでいく連続反応のいずれでも実施することができる。【0055】 そして、この熱分解反応では、上記で得られたカルバメートが熱分解されることによって、上記したように、非芳香族ジアミンに対応するイソシアネートを得ることができるので、例えば、ポリウレタンの原料として工業的に用いられるポリイソシアネートを、簡易かつ効率的に製造することができる。【0056】なお、以上、カルバメートの製造方法およびイソシアネートの製造方法について説明したが、本発明の製造方法においては、脱水工程などの前処理工程、中間工程、または、精製工程および回収工程などの後処理工程など、公知の工程を含んでいてもよい。【0057】【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。【0058】実施例1還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、メチルフェニルカーボネート45.6g(0.30mol)とメタノール58.8gとを仕込み、室温で攪拌しながら1,6−ヘキサメチレンジアミン11.6g(0.10mol)を滴下した。その後、50℃で3時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,6−ヘキサメチレンジアミンの転化率は99.5%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンが99.9%の収率で生成していることを確認した。【0059】続いて、この反応液を、キャピラリー、温度計、蒸留管を付けた200mLフラスコに移し、フラスコを減圧下(0.67kPa)加熱し、蒸発分を留去したところ、1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンの粗結晶が、23.2gフラスコ内に残存した。この粗結晶を少量のメタノールに溶解させた後、90gのジエチルエーテルを加えよく混合し、析出した結晶をろ別した。乾燥後の重量は22.6g(単離収率97.7%)であった。【0060】単離した結晶をFT−IR、MSスペクトルおよび1H−NMRで同定した。IRスペクトルでは、N−H伸縮3335cm−1、C=O伸縮1686cm−1、N−H変角1530cm−1が観測された。また、MSスペクトルでは(M+)=232が観測された。また、1H−NMRのスペクトルを下記に示す。【0061】1H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS;ppm)1.35(t,4H)1.50(m,4H)3.15(m,4H)3.70(s,6H)4.65〜4.85(b,2H)実施例2還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、粗メチルフェニルカーボネート(ジメチルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応により合成し単蒸留した反応液であって、ガスクロマトグラフ分析による組成比が、メチルフェニルカーボネート60重量部、フェノール26重量部、炭酸ジメチル9重量部の混合物)76.1g(0.30mol)とメタノール28.5gを仕込み、室温で攪拌しながら1,6−へキサメチレンジアミン11.6g(0.10mol)を滴下した。その後、50℃で4時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,6−ヘキサメチレンジアミンの転化率は99.5%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンが99.9%の収率で生成していることを確認した。【0062】実施例3還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、メチルフェニルカーボネート45.6g(0.30mol)とメタノール63.3gを仕込み、室温で攪拌しながら1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン13.6g(0.10mol)を滴下した。その後、60℃で10時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンの転化率は99.0%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,3−ビス(メトキシカルボニルアミノメチル)ベンゼンが99.7%の収率で生成していることを確認した。【0063】実施例4還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、メチルフェニルカーボネート45.6g(0.30mol)とメタノール68.1gを仕込み、室温で攪拌しながら1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン14.2g(0.10mol)を滴下した。その後、60℃で8時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの転化率は99.0%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,3−ビス(メトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキサンが99.9%の収率で生成していることを確認した。【0064】実施例5還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、メチルフェニルカーボネート82.2g(0.54mol)を仕込み、室温で攪拌しながらイソホロンジアミン17.0g(0.10mol)を滴下した。その後、60℃で6時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、イソホロンジアミンの転化率は99.0%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、イソホロンジメチルカルバメートが99.8%の収率で生成していることを確認した。【0066】 実施例6 還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、メチルフェニルカーボネート80.2g(0.53mol)を仕込み、室温で攪拌しながら1,2−ビス(2−アミノエチルチオ)エタン18.0g(0.10mol)を滴下した。その後、60℃で5時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,2−ビス(2−アミノエチルチオ)エタンの転化率は99.0%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,2−ビス(2−メトキシカルボニルアミノエチルチオ)エタンが99.0%の収率で生成していることを確認した。【0070】比較例1還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量200mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、ジメチルカーボネート54.0g(0.60mol)とメタノール58.8gを仕込み、室温で攪拌しながら1,6−ヘキサメチレンジアミン11.6g(0.10mol)を滴下した。その後、70℃で16時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,6−ヘキサメチレンジアミンの転化率は71.9%であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンの収率は41.6%であった。また、N−メチル体の5.6%の生成が確認された。【0071】 実施例7 冷却管を備えた精留塔、キャピラリーおよび温度計を付けた500mLフラスコを反応器として用いた。冷却器には60℃の温水を流し、受器は冷エタノールで冷却したコールドトラップを通して真空ラインに連結した。フラスコに、実施例1で得られた1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンの反応液を移し、オイルバス内に設置した。フラスコ内を0.67kPaに減圧し、オイルバスを90℃まで昇温させ、未反応のメチルフェニルカーボネート、副生物であるフェノールなどの蒸発分を留去した。【0072】次いで、反応系内を常圧に戻し、フラスコにサームエス1000S(新日鐵化学社製)100g、ジラウリン酸ジブチルスズ0.15gを仕込み、反応系内を窒素置換した後、3.3kPaに減圧し、オイルバスを250℃まで昇温させ1時間反応(分解)させた。反応終了後、受器に集められた反応液(蒸留分)をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート12.5g(74.1%)およびモノイソシアネート4.6g(23.0%)の生成を確認した。【0073】 実施例8 実施例7と同様の方法により、実施例2で得られた1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンの熱分解反応を行ない、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート12.6g(74.9%)およびモノイソシアネート4.4g(22.0%)を得た。【0074】 実施例9 実施例7と同様の方法により、実施例4で得られた1,3−ビス(メトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキサンの熱分解反応を行ない、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン14.2g(73.1%)およびモノイソシアネート4.7g(20.9%)を得た。【0075】比較例2還流冷却器、温度計、窒素吹き込み用ノズル、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた内容量300mLのガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、このフラスコに、1,6−ヘキサメチレンジアミン11.6g(0.10mol)とジメチルカーボネート72.0g(0.80mol)を仕込み、攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液1.5gを30分かけて分割添加した。さらに、70℃で1時間反応させた後、反応液の一部をサンプリングし、1N−塩酸で電位差滴定を行なった。その結果、1,6−ヘキサメチレンジアミンの転化率は99.5%以上であった。また、反応液をガスクロマトグラフで定量分析した結果、1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンが99.5%の収率で生成していることを確認した。【0076】そして、次の方法により、得られた1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンの熱分解を行なった。すなわち、この方法では、まず、冷却管を備えた精留塔、キャピラリーおよび温度計を付けた500mLフラスコを反応器として用いた。冷却器には60℃の温水を流し、受器は冷エタノールで冷却したコールドトラップを通して真空ラインに連結した。フラスコに、上記により得られた1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサンの反応液を移し、オイルバス内に設置した。フラスコ内を0.67kPaに減圧し、オイルバスを90℃まで昇温させ、未反応のジメチルカーボネート、副生物であるメタノールなどの蒸発分を留去した。【0077】次いで、反応系内を常圧に戻し、フラスコにサームエス1000S(新日鐵化学社製)100g、ジラウリン酸ジブチルスズ0.15gを仕込み、反応系内を窒素置換した後、3.3kPaに減圧し、オイルバスを250℃まで昇温させた。このまま1時間保持したが、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの留出はみられなかった。また、このとき、フラスコ内には固形物が発生していた。【0078】【発明の効果】 本発明のカルバメートの製造方法によれば、簡易な設備により、実質的に非芳香族ジアミンとアルキルアリールカーボネートとを配合するのみで、高選択的かつ高収率でアルキルカルバメートを得ることができ、かつ、煩雑な後処理工程も必要としないので、低コストで効率よくカルバメートを製造することができる。また、この製造方法では、アルキルアリールカーボネートとして、アルキルアリールカーボネートを含む粗原料をそのまま用いることもできる。【0079】また、本発明のイソシアネートの製造方法によれば、ポリウレタンの原料として工業的に用いられるポリイソシアネートを、簡易かつ効率的に製造することができる。 脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンおよび芳香脂肪族ジアミンからなる群より選ばれる非芳香族ジアミンと、下記一般式(1)で示されるアルキルアリールカーボネートとを、アルキルアリールカーボネートが、非芳香族ジアミンのアミノ基に対して1.01〜30倍モルとなるように仕込み、それらを無触媒下で反応させることを特徴とする、カルバメートの製造方法。 R1OCOOR2 (1)(式中、R1はアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいアリール基を示す。) アルキルアリールカーボネートが、メチルフェニルカーボネートであることを特徴とする、請求項1に記載のカルバメートの製造方法。 アルキルアリールカーボネートとして、ジアルキルカーボネートとフェノールまたはその誘導体とのエステル交換反応によって得られるアルキルアリールカーボネートを1重量%以上含む粗原料が用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載のカルバメートの製造方法。 非芳香族ジアミンが、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のカルバメートの製造方法。 請求項1〜4のいずれかに記載のカルバメートの製造方法によって、カルバメートを製造する工程と、得られたカルバメートを熱分解してイソシアネートを製造する工程とを備えていることを特徴とする、イソシアネートの製造方法。


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