生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法
出願番号:2002263674
年次:2004
IPC分類:7,C07C263/20,C07C265/12


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城野 孝喜 矢口 仁史 JP 2004099523 公開特許公報(A) 20040402 2002263674 20020910 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法 日本ポリウレタン工業株式会社 000230135 城野 孝喜 矢口 仁史 7 C07C263/20 C07C265/12 JP C07C263/20 C07C265/12 1 OL 6 4H006 4H006AA02 4H006AD30 4H006BC51 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法に関する。【0002】【従来の技術】ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIと略記する)は極めて反応性に富む化合物であり、ポリウレタンフォーム、エラストマー、接着剤、塗料、シーリング剤等広範囲な分野で使用されている。ポリメリックMDIの工業的な製造方法は、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとの縮合により得られるポリアミン混合物を、溶媒の存在下ホスゲンと反応させ(以下ホスゲン化と略記する)、更には、生成物からジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記する)を減圧蒸留により分離し、更に必要に応じてMDI含有量や粘度を調整するという方法が一般的である。このホスゲン化を経て製造されるため、酸分及び加水分解性塩素(以下HCと略記する)等の不純物を有することになり、この不純物が多いとイソシアネート基の反応性が低下することが知られている。【0003】【発明が解決しようとする課題】酸分及びHCを低減するために数多くの方法が提案されている。工業的に最も有利な方法は、減圧高温下での加熱処理による方法である。しかし、ポリメリックMDIは、この高温下での処理やMDI分離時の加熱によって着色し、またこのポリメリックMDIを用いたポリウレタン樹脂の着色原因にもなるため。このことから、着色が少なく、また酸分やHCの少ないポリメリックMDIが求められている。【0004】ポリメリックMDIの色相改善について、様々な方法が提案されている。例えば特許文献1では、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応時において、生成したポリアミンを循環させることで、ポリアミン混合物の着色を低下させ、ひいてはポリメリックMDIの着色を低下させる方法が提案されている。特許文献2では、生成したポリメリックMDIを炭素数8以上脂肪族炭化水素を用いて、180℃以上で抽出してタール分を除去する方法が提案されている。しかし、前者の方法では、HCの原因となる2級アミンの生成量が増大しやすく、ひいてはポリメリックMDIの反応性が低下しやすい。後者では新たに抽出溶媒やタール分の処理という問題が発生する。【0005】【特許文献1】特開昭63−227609号公報【特許文献2】特開昭60−58955号公報【0006】【発明を解決するための手段】本発明者等は、工業的に経済的かつ簡単な方法でポリメリックMDIの着色を減少させるべく鋭意検討した結果、驚くべきことに着色したポリメリックMDIにテトラアルコキシシラン系化合物を加えて加熱処理すると脱色し、非常に色相の優れたポリメリックMDIとなること、及び着色の少ないポリメリックMDIに対して同様な処理を施すと、着色の進行が極めて少ないことを見出し本発明に至った。【0007】すなわち本発明は、テトラアルコキシシランをポリメリックMDIに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメリックMDIの着色を低減する方法である。【0008】【発明の実施の手段】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に使用されるポリメリックMDIは、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとの縮合により得られるポリアミン混合物を、溶媒の存在下でホスゲン化を行って得られる、重合度の異なるポリイソシアネート混合物である。更には、必要に応じて、ホスゲン化生成物からMDIを減圧蒸留により分離し、更に必要に応じてMDI含有量や粘度を調整したものである。このポリメリックMDIの組成は原料であるポリアミン混合物の組成あるいは蒸留によって抜き出されるMDI量等によって異なるが、本発明はいかなる組成のポリメリックMDIにも利用できる。代表的な組成を示すと、極微量の2,2′−MDI、0.1〜40質量%の2,4′−MDI、10〜80質量%の4,4′−MDI、20〜70質量%のベンゼン環が3個以上の高分子同族体(以下、3核体以上のP−MDIと略記)が挙げられる。【0009】本発明に用いられるテトラアルコキシシランは、アルコキシル基が1種からであっても複数種から成り立つものであってもよい。好ましいアルコキシル基は、炭素数が1〜4であり、特にエトキシ基が好ましい。市販品としては、コルコート製のエチルシリケート28P等が挙げられる。【0010】なお、テトラアルコキシシランのオリゴマーでは、着色低減の効果が小さいばかりか、沈殿発生の原因になる場合があるので好ましくない。【0011】テトラアルコキシシラン及び/又はそのオリゴマーの添加量については、ポリメリックMDIに対して0.001質量%未満では、脱色の度合いが小さく、10質量%を超えると不溶解物を生成しやすくなる。本発明では、0.005〜5質量%が好ましい。【0012】処理温度は30〜220℃であり、高温になるほど処理時間は短くなる。過剰の加熱処理は着色の原因になるおそれがあるので、30〜100℃の温度が好ましい。更に好ましくは30〜80℃で2〜3日の処理条件である。【0013】本発明の方法は、着色したポリメリックMDIを脱色するだけでなく、着色の小さいポリメリックMDIに上記の処理を施すと着色の進行が極めて少ないポリメリックMDIが得られることが分かった。【0014】【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されるものではない。なお「%」は全て「質量%」を意味する。【0015】実施例1200mlのガラス瓶に、ポリメリックMDI−1を100g入れ、そこへ、テトラメチルシリケートを1g添加し、良く振った後、80℃のオーブンに3日間入れて、室温に冷却してから液の状態を観察した。着色の程度はL*値で判定した。結果を表1に示す。【0016】実施例2〜11、比較例1〜7実施例1で使用したポリメリックMDI−1を用いて、添加剤の種類・量を振って添加し、加熱後の液の状態を観察した。着色の程度はL*値で判定した。結果を表1〜3に示す。【0017】【表1】【0018】【表2】【0019】【表3】【0020】実施例1〜11、比較例1〜7、表1〜3においてテトラエチルシリケートオリゴマー:テトラエチルシリケートの加水分解重縮合物、平均重合度=5MeOH:メタノールL−5340:シリコン整泡剤(ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックポリマー、日本ユニカー製)SZ−1642:シリコン整泡剤(ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックポリマー、日本ユニカー製)ポリメリックMDI−1の品質NCO含量=31.0%25℃での粘度=175mPa・s2,2′−MDI=痕跡2,4′−MDI=1%4,4′−MDI=39%3核体以上のP−MDI=60%酸度=0.014%HC=0.072%L*=36L*の測定方法JIS Z8729に準拠、スガ試験機製多光源分光測色計MSC−IS−2B型、d=5mmセル使用、サンプル量4〜5ml、液温25℃、環境温度25℃にて測定。【0021】実施例12200mlのガラス瓶に、ポリメリックMDI−2を100g入れ、そこへ、テトラエチルシリケートを1g添加し、良く振った後、80℃のオーブンに3日間入れた後、一旦室温に冷却した。その後40℃のオーブンにいれて、経時変化を観察した。結果を表4に示す。【0022】比較例8テトラエチルシリケートを用いない以外は実施例12と同様にして試験した。結果を表3に示す。【0023】【表4】【0024】実施例11、比較例7、表4においてポリメリックMDI−2の品質NCO含量=31.0%25℃での粘度=165mPa・s2,2′−MDI=痕跡2,4′−MDI=1%4,4′−MDI=40%3核体以上のP−MDI=59%酸度=0.010%HC=0.057%L*=74【0025】【発明の効果】本発明は、工業的に経済的かつ簡単な方法で、酸分やHC等の不純物が少ないポリメリックMDIの着色を減少させることができ、工業的に大量に製造されるポリメリックMDIの製造方法の一工程として有利な方法である。 テトラアルコキシシランを、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法。 【課題】反応性が良好である、酸分や加水分解性塩素等の不純物が少ないポリメリックMDIであって、着色したものを脱色して非常に色相の優れた、及び着色の進行が極めて少ない、ポリメリックMDIを工業的に経済的かつ簡単な方法で提供する。【解決手段】テトラアルコキシシランをポリメリックMDIに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメリックMDIの着色を低減する方法により解決する。【選択図】 なし


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特許公報(B2)_ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法
出願番号:2002263674
年次:2009
IPC分類:C07C 263/20,C07C 265/12


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城野 孝喜 矢口 仁史 JP 4247735 特許公報(B2) 20090123 2002263674 20020910 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法 日本ポリウレタン工業株式会社 000230135 城野 孝喜 矢口 仁史 20090402 C07C 263/20 20060101AFI20090312BHJP C07C 265/12 20060101ALI20090312BHJP JPC07C263/20C07C265/12 C07C 263/20 C07C 265/12 特開平05−194353(JP,A) 特開平05−117220(JP,A) 特開平11−116545(JP,A) 特開昭59−172450(JP,A) 特開平08−291129(JP,A) 特開平06−041044(JP,A) 1 2004099523 20040402 7 20050907 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法に関する。【0002】【従来の技術】ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIと略記する)は極めて反応性に富む化合物であり、ポリウレタンフォーム、エラストマー、接着剤、塗料、シーリング剤等広範囲な分野で使用されている。ポリメリックMDIの工業的な製造方法は、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとの縮合により得られるポリアミン混合物を、溶媒の存在下ホスゲンと反応させ(以下ホスゲン化と略記する)、更には、生成物からジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記する)を減圧蒸留により分離し、更に必要に応じてMDI含有量や粘度を調整するという方法が一般的である。このホスゲン化を経て製造されるため、酸分及び加水分解性塩素(以下HCと略記する)等の不純物を有することになり、この不純物が多いとイソシアネート基の反応性が低下することが知られている。【0003】【発明が解決しようとする課題】酸分及びHCを低減するために数多くの方法が提案されている。工業的に最も有利な方法は、減圧高温下での加熱処理による方法である。しかし、ポリメリックMDIは、この高温下での処理やMDI分離時の加熱によって着色し、またこのポリメリックMDIを用いたポリウレタン樹脂の着色原因にもなるため。このことから、着色が少なく、また酸分やHCの少ないポリメリックMDIが求められている。【0004】ポリメリックMDIの色相改善について、様々な方法が提案されている。例えば特許文献1では、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応時において、生成したポリアミンを循環させることで、ポリアミン混合物の着色を低下させ、ひいてはポリメリックMDIの着色を低下させる方法が提案されている。特許文献2では、生成したポリメリックMDIを炭素数8以上脂肪族炭化水素を用いて、180℃以上で抽出してタール分を除去する方法が提案されている。しかし、前者の方法では、HCの原因となる2級アミンの生成量が増大しやすく、ひいてはポリメリックMDIの反応性が低下しやすい。後者では新たに抽出溶媒やタール分の処理という問題が発生する。【0005】【特許文献1】特開昭63−227609号公報【特許文献2】特開昭60−58955号公報【0006】【発明を解決するための手段】本発明者等は、工業的に経済的かつ簡単な方法でポリメリックMDIの着色を減少させるべく鋭意検討した結果、驚くべきことに着色したポリメリックMDIにテトラアルコキシシラン系化合物を加えて加熱処理すると脱色し、非常に色相の優れたポリメリックMDIとなること、及び着色の少ないポリメリックMDIに対して同様な処理を施すと、着色の進行が極めて少ないことを見出し本発明に至った。【0007】すなわち本発明は、テトラアルコキシシランをポリメリックMDIに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメリックMDIの着色を低減する方法である。【0008】【発明の実施の手段】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に使用されるポリメリックMDIは、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとの縮合により得られるポリアミン混合物を、溶媒の存在下でホスゲン化を行って得られる、重合度の異なるポリイソシアネート混合物である。更には、必要に応じて、ホスゲン化生成物からMDIを減圧蒸留により分離し、更に必要に応じてMDI含有量や粘度を調整したものである。このポリメリックMDIの組成は原料であるポリアミン混合物の組成あるいは蒸留によって抜き出されるMDI量等によって異なるが、本発明はいかなる組成のポリメリックMDIにも利用できる。代表的な組成を示すと、極微量の2,2′−MDI、0.1〜40質量%の2,4′−MDI、10〜80質量%の4,4′−MDI、20〜70質量%のベンゼン環が3個以上の高分子同族体(以下、3核体以上のP−MDIと略記)が挙げられる。【0009】本発明に用いられるテトラアルコキシシランは、アルコキシル基が1種からであっても複数種から成り立つものであってもよい。好ましいアルコキシル基は、炭素数が1〜4であり、特にエトキシ基が好ましい。市販品としては、コルコート製のエチルシリケート28P等が挙げられる。【0010】なお、テトラアルコキシシランのオリゴマーでは、着色低減の効果が小さいばかりか、沈殿発生の原因になる場合があるので好ましくない。【0011】テトラアルコキシシラン及び/又はそのオリゴマーの添加量については、ポリメリックMDIに対して0.001質量%未満では、脱色の度合いが小さく、10質量%を超えると不溶解物を生成しやすくなる。本発明では、0.005〜5質量%が好ましい。【0012】処理温度は30〜220℃であり、高温になるほど処理時間は短くなる。過剰の加熱処理は着色の原因になるおそれがあるので、30〜100℃の温度が好ましい。更に好ましくは30〜80℃で2〜3日の処理条件である。【0013】本発明の方法は、着色したポリメリックMDIを脱色するだけでなく、着色の小さいポリメリックMDIに上記の処理を施すと着色の進行が極めて少ないポリメリックMDIが得られることが分かった。【0014】【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されるものではない。なお「%」は全て「質量%」を意味する。【0015】実施例1200mlのガラス瓶に、ポリメリックMDI−1を100g入れ、そこへ、テトラメチルシリケートを1g添加し、良く振った後、80℃のオーブンに3日間入れて、室温に冷却してから液の状態を観察した。着色の程度はL*値で判定した。結果を表1に示す。【0016】実施例2〜11、比較例1〜7実施例1で使用したポリメリックMDI−1を用いて、添加剤の種類・量を振って添加し、加熱後の液の状態を観察した。着色の程度はL*値で判定した。結果を表1〜3に示す。【0017】【表1】【0018】【表2】【0019】【表3】【0020】実施例1〜11、比較例1〜7、表1〜3においてテトラエチルシリケートオリゴマー:テトラエチルシリケートの加水分解重縮合物、平均重合度=5MeOH:メタノールL−5340:シリコン整泡剤(ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックポリマー、日本ユニカー製)SZ−1642:シリコン整泡剤(ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックポリマー、日本ユニカー製)ポリメリックMDI−1の品質NCO含量=31.0%25℃での粘度=175mPa・s2,2′−MDI=痕跡2,4′−MDI=1%4,4′−MDI=39%3核体以上のP−MDI=60%酸度=0.014%HC=0.072%L*=36L*の測定方法JIS Z8729に準拠、スガ試験機製多光源分光測色計MSC−IS−2B型、d=5mmセル使用、サンプル量4〜5ml、液温25℃、環境温度25℃にて測定。【0021】実施例12200mlのガラス瓶に、ポリメリックMDI−2を100g入れ、そこへ、テトラエチルシリケートを1g添加し、良く振った後、80℃のオーブンに3日間入れた後、一旦室温に冷却した。その後40℃のオーブンにいれて、経時変化を観察した。結果を表4に示す。【0022】比較例8テトラエチルシリケートを用いない以外は実施例12と同様にして試験した。結果を表3に示す。【0023】【表4】【0024】実施例11、比較例7、表4においてポリメリックMDI−2の品質NCO含量=31.0%25℃での粘度=165mPa・s2,2′−MDI=痕跡2,4′−MDI=1%4,4′−MDI=40%3核体以上のP−MDI=59%酸度=0.010%HC=0.057%L*=74【0025】【発明の効果】本発明は、工業的に経済的かつ簡単な方法で、酸分やHC等の不純物が少ないポリメリックMDIの着色を減少させることができ、工業的に大量に製造されるポリメリックMDIの製造方法の一工程として有利な方法である。 テトラアルコキシシランを、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法。


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