タイトル: | 公開特許公報(A)_皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法 |
出願番号: | 2002262340 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,A61B5/00,G01N21/64 |
平尾 直靖 JP 2004097430 公開特許公報(A) 20040402 2002262340 20020909 皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法 株式会社資生堂 000001959 伊東 忠彦 100070150 平尾 直靖 7 A61B5/00 G01N21/64 JP A61B5/00 M G01N21/64 Z 3 1 OL 9 2G043 2G043AA01 2G043BA15 2G043BA16 2G043CA05 2G043EA01 2G043FA05 2G043FA06 2G043GA08 2G043GB21 2G043HA01 2G043KA03 2G043KA05 2G043LA03 2G043NA01 2G043NA11 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚表面の皮脂の評価方法に関する。【0002】【従来の技術】ヒトの皮膚表面には、皮脂線から皮脂が分泌される。皮脂は、皮膚からの水分の蒸散を抑制し、皮膚に滑らかさを与える重要な成分であるといわれてきた。【0003】ところが、近年の研究によれば、紫外線が過度に皮膚に照射されると、フリーラジカルや活性酸素を生じ、これらの物質が皮脂を酸化し、過酸化脂質を生成するメカニズムが明らかとなり、脂質が皮膚障害の原因となりうることが指摘されている。【0004】そして、遊離脂肪酸、トリグリセライド等から構成される皮脂の脂質の中でも、遊離脂肪酸が多いほど、皮膚からの水分の蒸散量(経皮水分損失:TEWL)が多くなり、角層のバリア機能を阻害することが報告されている(例えば非特許文献1参照。)。【0005】また、遊離脂肪酸の中でも特に不飽和脂肪酸が問題であるとの報告もなされている(例えば非特許文献2参照。)。【0006】さらに、化粧崩れに関して、過剰な皮脂が化粧崩れの原因であることはいわば常識であるが、皮脂中の成分のうち、特に遊離不飽和脂肪酸が化粧崩れを起こす主要因であるとの報告も近年なされている(非特許文献3)。【0007】このため、皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸の挙動を知ることは、皮膚の過酸化脂質の程度、言い換えれば老化の程度、角層のバリア機能の破壊の程度、言い換えれば肌荒れの程度、あるいは化粧崩れの起き易さ等の美容上の重要な障害要因を評価する上で有用である。【0008】ところで、皮膚表面の皮脂の遊離脂肪酸の挙動を知るには、一般的には、皮膚から分離した皮膚試料について化学分析や機器分析する方法に拠っているのが現状である。【0009】例えば、赤外分光法による皮脂組成の測定結果が報告されており、この場合、アルミホイルを皮膚に圧着させて転写した皮脂試料等を分析して、皮脂量を測定し(例えば特許文献1参照。)、さらには、皮脂の主要成分であるトリグリセライド、遊離脂肪酸、スクアレン、ワックスエステルを定量している(例えば非特許文献4、特許文献2参照。)。【0010】しかしながら、上記のように、従来の方法は、いずれもヒトから分離した試料を測定対象とするものであり(ex vivo状態での測定)、例えば、化粧品販売店の店頭において美容カンセリングの一環として行うのに用いる方法としては必ずしも適当ではない。【0011】このため、簡易かつ正確に、in vivo状態で皮脂量を測定する方法として、皮膚表面に紫外線を照射し、発生する励起蛍光の発光量を電気信号として検出し、検量線から皮脂量を測定する方法が提案されている(例えば特許文献3参照。)。【0012】【特許文献1】特開平2−220630号公報【特許文献2】特開平5−60686号公報【特許文献3】特開平3−123533号公報【非特許文献1】矢羽田ら 日本香粧品科学会 第21回学術大会論文集,1996p.50)【非特許文献2】丸山ら JSCCJ. 2001 35(2), 133−140【非特許文献3】野村ら JSCCJ. 1999 33(3), 254−266【非特許文献4】見城ら J. Soc. Cosmet. Japan Vol.31,No.2 1997【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許文献3記載の方法は、上述のように、測定部位の皮脂量を求めるものであり、皮脂中の遊離不飽和脂肪酸量を測定するものではない。【0013】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する方法を提供することを目的とする。【0014】【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、皮膚の表面に紫外線を照射したときの皮膚表面の発光状態と皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率との間に有意な関係があることを見出し、本発明に至った。【0015】本発明に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法は、複数の予備被験者の皮膚表面の観察対象部位に紫外線を照射し、発色を呈した該観察対象部位を撮像して画像を得るとともに、複数の予備被験者の皮膚表面の該観察対象部位の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を所定の手段により評価し、該画像と該評価の結果を対応付けする予備工程と、被験者の皮膚表面の観察対象部位に紫外線を照射し、発色を呈した該観察対象部位を撮像して画像を得、前記予備工程で得た対応付けの情報に基づいて該被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する評価工程とを有することを特徴とする。【0016】ここで、皮膚の表面に照射する光は、外光を実質的に遮断した状態で照射する紫外線であることが好ましいが、紫外線とともに可視光線等の紫外領域以外の波長の光を含むものであってもよい。また、皮脂は、言い換えれば全脂質であり、前記したようにトリグリセリド、スクワレン、ワックスエステル等の成分とともに遊離脂肪酸を成分として含むものである。したがって、皮脂の遊離不飽和脂肪酸率とは、全脂質中の遊離不飽和脂肪酸の含有率をいう。遊離脂肪酸中、遊離飽和脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸等があり、遊離不飽和脂肪酸としては、ペルミトレイン酸、オレイン酸等がある。また、所定の評価手段とは、遊離不飽和脂肪酸を含む全脂質を定量する化学分析等の既存の手法をいう。また、画像と評価の結果を対応付けは、画像中の発光部分の面積を測定して定量的なデータを得、この定量的なデータと評価の結果と定量的に対応付けすること、すなわち、相関データを得ることが好ましいが、これに限らず、例えば、遊離不飽和脂肪酸率の異なる代表的な画像を選定して、これらを限度見本として用いる方法であってもよい。前者の場合は、被験者についても画像中の発光部分の面積を測定して定量的なデータを得、相関データに基づいて遊離不飽和脂肪酸率を数値で評価し、後者の場合は、被験者の画像と、限度見本としての画像とを対比して遊離不飽和脂肪酸率を複数のレベルで評価する。紫外線は、好適には近紫外線を用いる。【0017】これにより、被験者の皮膚を直接対象として、簡易かつ迅速に、皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価することができる。【0018】この場合、前記予備工程において、前記画像を画像処理して定量化データを得て該評価の結果との相関データを求め、前記評価工程において、前記画像を画像処理して定量化データを得、該相関データに基づいて前記被験者の皮膚表面の遊離不飽和脂肪酸率を定量的に評価すると、画像処理により得られる、より定量的なデータに基づいて、より好適に皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価することができる。【0019】また、この場合、紫外線源としてのブラックライトを備えたマイクロスコープを用いて撮像すると、簡易な装置を用いた簡易な方法で皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価することができ、例えば、化粧品販売の店頭で化粧品カウンセリング等を行うときや化粧品開発を行うときのツールとして好適である。【0020】【発明の実施の形態】本発明に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。【0021】まず、本実施の形態例に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法を行うために用いる装置(以下、単に装置という。)について、図1および図2を参照して説明する。【0022】装置10は、図1に示すように、照明部12と、画像取得部14と、記録部16と、解析部18と、出力部19と、制御部20とを有する。【0023】照明部12および画像取得部14を備えた装置として、例えば図2に示すマイクロスコープを用いることができる。【0024】マイクロスコープ22は、先端部側を観察筒体部24とし、この観察筒体部24に対して所要角度だけ屈曲された基端部側を把持筒体部26とした筐体28を有する。【0025】観察筒体部24は、軸方向中心部に設定された光軸A上の先端に開口部30を形成する。開口部30は、8.0mm×6.2mmの寸法の撮像領域を得るのに十分な大きさに形成される。観察筒体部24の内部には、環状に形成されたブラックライト蛍光管(以下、これを単にブラックライトということがある。)32と、反射板34とを周設する。ブラックライト32は、ピーク波長として352nm、360nm、365nm、368nmの近紫外線を切り換え使用可能であるが、このうち、好適には、368nmのピーク波長を用いる。なお、ブラックライト蛍光管32に変えて、ブラックライトLEDを複数個、環状に配置してもよい。【0026】観察筒体部24の光軸A上には、拡大光学系36およびカラーCCD素子38を内装した観察鏡筒40が設けられる。また、ブラックライト32とともに環状の白色光蛍光管あるいは白色光LEDが設けられる。【0027】なお、図2中、参照符号41はカラーCCD28から出力される画像信号をモニタに表示させるためのCCU(中央制御装置)であり、参照符号42はブラックライト32の駆動電源となるインバータ部を示す。【0028】上記のように構成したマイクロスコープ22は、観察部位表面Bを開口部30に密着させた状態でブラックライト32から近紫外線を照射することにより、外光が遮断された暗室状態で、近紫外線を観察部位表面Bに照射することができる。【0029】観察部位表面Bからの反射光は、拡大されたカラー画像の信号として、出力され、前記記録部16に送られる。なお、必要に応じて、ブラックライト32をOFFにし、白色光蛍光管等をONすると、可視光線のみで観察部位表面Bを観察することができる。【0030】記録部16は、ハードディスク等の記録素子である。記録部16には、画像取得部14からの原画像や解析部18からの処理画像等の各画像データが記録されるとともに、予め準備された画像データ中の発光部分の面積と遊離不飽和脂肪酸率の測定値との相関データが記録される。なお、相関データに変えて、遊離不飽和脂肪酸率既知の複数の画像データを限度見本として記録しておいてもよい。【0031】解析部18は、例えばパソコンである。解析部18では、記録部に記録した画像データについて2値化処理等の画像処理を行った上で数値解析(数値処理)を行う。また、解析部18では、新たな画像データについて、記録部16の相関データに基づいて、遊離不飽和脂肪酸率を算出する。【0032】出力部19は、例えばCRTディスプレイあるいはプリンタである。出力部19は、記録部16に貯蔵された原画像、解析部18にて解析後に記録部16に記録された二値化画像等の解析処理後の画像、遊離不飽和脂肪酸率を算出するための相関データあるいは限度見本画像を、適宜組み合わせて表示することができる。また、出力部19は、解析部18にて画像データから得られた遊離不飽和脂肪酸率を、数値表あるいはグラフ等の形で提示することができる。【0033】また、観察対象から原画像を取得する際には、オンラインで画像情報を出力部19に表示することができる。この際に、以前に取得した画像を同時に提示することにより、同一部位の測定を行う際の同一部位を特定を行うことができる。【0034】制御部20は、CPUを含み、上記の各部を制御する。なお、制御部20では、観察対象である被験者の氏名、年齢等の属性データ、計測日時、計測部位等を入力することができ、これらのデータを原画像データと対応させて記録部16に貯蔵させ、出力部19より提示することができる。また、解析部18で解析した後の二値化画像データについても、同様に、属性データ等と対応させ、記録部16に貯蔵させ、出力部19より提示することができる。【0035】上記のように構成される装置10を用いた本実施の形態例に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法について以下に説明する。【0036】まず、本発明者が得た、皮膚の表面に紫外線を照射したときの皮膚表面の発光状態と皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率との関係についての知見について、図3および図4を参照して説明する。【0037】20代および30代の56人の女性を被験者とし、洗顔後60分間恒温恒湿の室内で待機させた後、以下の手順で測定、評価した。【0038】各被験者の頬の皮膚表面の観察対象部位に近紫外線を照射し、発色を呈した観察対象部位を撮像した。得られる多数の画像のうち、発色状態の異なる代表的な4つの画像(4人の被験者の画像)を選定した。選定した4つの画像を図3に示す。なお、図3の各画像は、撮像領域として、8.0mm×6.2mmの寸法となっている。各画像は、発光状態を、図中、輝点として明瞭に把握することが可能であり、図3(a)の画像では発光点が全くなく、図3(b)の画像では発光点が殆どなく、図3(c)の画像では発光点が若干あり、図3(d)の画像では発光点がはっきりある。なお、カラー撮像では、発光部分は、イエロー乃至オレンジレッドの発色を呈する画像として得られる。【0039】つぎに、上記の各被験者について、上記の頬の皮膚表面の観察部位に対応した部位から、従来例で説明した転写法により皮脂を採取し、皮脂中の全遊離脂肪酸中の遊離不飽和脂肪酸の比率をガスクロマトグラフィを用いて測定して遊離不飽和脂肪酸率データを得た。【0040】そして、56人の各被験者について得られた画像を、数人の研究者の目視により、図3(a)〜(d)の画像の類型に当てはめて分類し、横軸に上記した4つの画像の類型をとり、縦軸に遊離不飽和脂肪酸率((遊離)不飽和脂肪酸量/総脂質量)とって、整理した結果を図4を示す。【0041】図4より、発光状態の程度を示す画像の類型と遊離不飽和脂肪酸率との間に、F検定によって危険率1%以下で有意な群の主効果があることがわかる。【0042】上記の知見に基づいた、本実施の形態例に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法について具体的に説明する。【0043】まず、複数の予備被験者の皮膚表面の観察対象部位に紫外線を照射し、発色を呈した観察対象部位を撮像して画像を得るとともに、複数の予備被験者の皮膚表面の観察対象部位の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を所定の手段により評価し、画像と評価の結果を対応付けする(予備工程)。【0044】すなわち、皮膚表面の観察対象部位、例えば、顔面の所定の部位に照明部12により光を照射し、蛍光発光したむ皮膚表面を画像取得部14により撮像して画像データを得る。一方、化学分析等の手法を用いて各画像に対応する皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率データを得、解析部18で処理して得た両者の対応データを記録部16に記録する。【0045】この場合、例えば、図4の画像の類型と皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率データとの対応データを相関データとしてそのまま用いることができる。但し、その場合は、より好ましくは、画像の類型を例えば16分類等に増やして用いる。【0046】また、さらに好ましくは、複数の予備被験者の画像データから、解析部18において、発光部分の面積(面積率)を算出し、この発光部分の面積(面積率)と皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率データとの相関データを用いる。【0047】これらの場合において、撮像した原画像を解析部18において2値化等の画像処理を行った上で、処理画像について、例えば発光部分の面積(面積率)を算出する等して用いると、さらに好ましい。【0048】以上の準備工程(予備工程)を経て、つぎに、評価対象の被験者の皮膚表面の観察対象部位に紫外線を照射し、発色を呈した観察対象部位を撮像して画像を得、予備工程で得た対応付けの情報に基づいて被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する(評価工程)。【0049】すなわち、被験者の皮膚表面の観察対象部位、例えば、顔面の所定の部位に照明部12により光を照射し、蛍光発光した皮膚表面を画像取得部14により撮像して画像データを得る。そして、この画像データに基づき、記録部16の対応データを参照して、被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を算出し、評価する。【0050】この場合、画像データの取り扱いは、上記の予備工程におけるものと対応させる。すなわち、予備工程において画像の類型を採用する場合は、ここでも発光状態を示す画像(原画像)をそのまま用い、あるいは、画像処理した処理画像を用い、予備工程で得た対応付けの情報に基づいて被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する。一方、予備工程において発光部分の面積(面積比)データを採用する場合は、ここでも発光部分の面積(面積比)データを算出して用い、予備工程で得た対応付けの情報に基づいて被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する。【0051】以上説明した本実施の形態例に係る皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸評価方法によれば、被験者の皮膚を直接対象として、簡易かつ迅速に、皮膚表面の遊離不飽和脂肪酸を評価することができる。また、これにより、皮膚の過酸化脂質の程度、言い換えれば老化の程度、角層のバリア機能の破壊の程度、言い換えれば肌荒れの程度、あるいは化粧崩れの起き易さ等の美容上の重要な障害要因を評価することができる。【0052】また、本実施の形態例に係る皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸評価方法によれば、簡易な装置を用いた簡易な方法で皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸を評価することができ、例えば、化粧品販売の店頭で化粧品のカウンセリング等を行うときや、化粧品開発を行うときのツールとして好適である。【0053】なお、本発明の評価方法において、遊離不飽和脂肪酸率に変えて遊離不飽和脂肪酸量(測定試料中の遊離不飽和脂肪酸含有量)そのものを把握し、評価してもよい。また、本発明の評価方法は、遊離不飽和脂肪酸以外の皮脂成分の評価にも適用可能であり、言い換えれば、皮脂組成の測定に適用することができる。【0054】【発明の効果】本発明に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法によれば、複数の予備被験者の皮膚表面の観察対象部位に、外光を実質的に遮断した状態で紫外線を照射し、発色を呈した観察対象部位を撮像して画像を得るとともに、複数の予備被験者の皮膚表面の観察対象部位の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を所定の手段により評価し、画像と該評価の結果を対応付けする予備工程と、被験者の皮膚表面の観察対象部位に、外光を実質的に遮断した状態で紫外線を照射し、発色を呈した観察対象部位を撮像して画像を得、予備工程で得た対応付けの情報に基づいて被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する評価工程とを有するため、被験者の皮膚を直接対象として、簡易かつ迅速に、皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価することができる。【0055】また、本発明に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法によれば、紫外線源としてブラックライトを用い、マイクロスコープを介してカメラで撮像するため、簡易な装置を用いた簡易な方法で皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価することができ、例えば、化粧品販売の店頭で化粧品カウンセリング等を行うときや化粧品開発を行うときのツールとして好適である。【図面の簡単な説明】【図1】本実施の形態例に係る皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法において使用する装置の概略構成を示すブロック図である。【図2】図1の装置の照明部を構成するマイクロスコープの概略構成を示す図である。【図3】図1の装置により撮像した画像であり、発光部分が観察できないものからはっきりと観察できるものまでの発光状態の異なる4つの画像を(a)〜(d)に示す。【図4】多数の被験者の画像類型と皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率との関係を示すグラフ図である。【符号の説明】10 装置12 照明部14 画像取得部16 記録部18 解析部19 出力部20 制御部22 マイクロスコープ32 ブラックライト36 拡大光学系38 カラーCCD素子 複数の予備被験者の皮膚表面の観察対象部位に、紫外線を照射し、発色を呈した該観察対象部位を撮像して画像を得るとともに、複数の予備被験者の皮膚表面の該観察対象部位の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を所定の手段により評価し、該画像と該評価の結果を対応付けする予備工程と、被験者の皮膚表面の観察対象部位に紫外線を照射し、発色を呈した該観察対象部位を撮像して画像を得、前記予備工程で得た対応付けの情報に基づいて該被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する評価工程とを有することを特徴とする皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法。 前記予備工程において、前記画像を画像処理して定量化データを得て該評価の結果との相関データを求め、前記評価工程において、前記画像を画像処理して定量化データを得、該相関データに基づいて前記被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を定量的に評価することを特徴とする請求項1記載の皮脂の遊離不飽和脂肪率酸評価方法。 紫外線源としてのブラックライトを備えたマイクロスコープを用いて撮像することを特徴とする請求項1または2に記載の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率評価方法。 【課題】皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する方法を提供する。【解決手段】複数の予備被験者について、頬の所定の部位に照明部12により近紫外光を照射し、蛍光発光した部分を含む皮膚表面を画像取得部14により撮像して画像データを得る。一方、採取した皮膚表面試料についてガスクロ分析により各画像に対応する皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率データを得、解析部18で処理して得た両者の対応データを記録部16に記録する。つぎに、評価対象の被験者について画像を得、記録部16に記録した対応付けの情報に基づいて被験者の皮膚表面の皮脂の遊離不飽和脂肪酸率を評価する。【選択図】 図1