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タイトル:公開特許公報(A)_クラスタ−触媒を用いる環状ケトンの反応方法
出願番号:2002258717
年次:2004
IPC分類:7,C07C1/207,B01J27/10,B01J27/132,C07C13/20,C07C13/23,C07C13/28,C07C15/04,C07C37/07,C07C39/04,C07C45/65,C07C49/603,C07B61/00


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千原 貞次 上口 賢 八角 克夫 JP 2004091447 公開特許公報(A) 20040325 2002258717 20020904 クラスタ−触媒を用いる環状ケトンの反応方法 宇部興産株式会社 000000206 千原 貞次 上口 賢 八角 克夫 7 C07C1/207 B01J27/10 B01J27/132 C07C13/20 C07C13/23 C07C13/28 C07C15/04 C07C37/07 C07C39/04 C07C45/65 C07C49/603 C07B61/00 JP C07C1/207 B01J27/10 Z B01J27/132 Z C07C13/20 C07C13/23 C07C13/28 C07C15/04 C07C37/07 C07C39/04 C07C45/65 C07C49/603 C07B61/00 300 4 OL 7 4G069 4H006 4H039 4G069AA03 4G069AA08 4G069BA02B 4G069BA28A 4G069BA28B 4G069BB08B 4G069BC55A 4G069BC55B 4G069BC56A 4G069BC59A 4G069BC59B 4G069BC60A 4G069BD12B 4G069CB07 4G069CB21 4G069CB46 4G069DA05 4G069EA01Y 4G069FA02 4G069FB14 4G069FB57 4H006AA02 4H006AC12 4H006AC13 4H006AC25 4H006BA12 4H006BA14 4H006BA37 4H006BA55 4H006FC52 4H006FE13 4H039CA40 4H039CA41 4H039CA60 4H039CC10 4H039CD10 4H039CF30 【0001】【発明の属する技術分野】金属クラスターからなる触媒を用いた環状ケトンの反応方法に関すものである。【0002】【従来の技術】「クラスター」とは、原子または分子が2〜数百個集まった「有限個」の集団を指す。サイズは、概ね1ナノメートルから数百ナノメートルのものが多い。また、クラスターの種類は、一般に以下の5つに分けることが出来る。(1)金属クラスター、(2)共有結合クラスター、(3)ファンデルワールスクラスター、(4)水素結合クラスター、(5)クラスターイオン原子の数でアボガドロ数程度の集団であるバルクの凝集系(固体、液体)と大きく異なり、クラスターは、原子の数では数百程度の原子集団である。そのため、クラスターの原子の大半は表面、あるいは表面近くにある。【0003】金属クラスターとしては、ハロゲンを配位子とするクラスターハライドなどが知られている。クラスターハライドは、モリブデンなどの金属とハロゲンからなる非分子性ハライドであり、その構造が主には八面体状のクラスター骨格でありこと、熱に強い(600℃以上で調製)、電子的に極めて安定、固体で溶媒に不溶などの特性が知られている(非特許文献1参照)。しかし、触媒としての応用についての研究は、行われていない。【0004】【非特許文献1】H.schafer、外5名、Z.Anorg.Allg.Chem.,353,281(1967)。【0005】【発明が解決しようとする課題】金属クラスタ−からなる触媒を用いた環状ケトン反応方法を提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】本発明は、金属クラスターからなる触媒を用いることを特徴とする環状ケトンの反応方法に関する。【0007】また、本発明は、環状ケトンがシクロヘキサノンであることを特徴とする上記の反応方法に関する。【0008】また、本発明は、金属クラスターからなる触媒が、モリブデン担持クラスターからなることを特徴とする上記の反応方法に関する。【0009】また、本発明は、金属クラスターからなる触媒がニオブ、タンタル、又はタングステン担持クラスターからなることを特徴とする上記の反応方法に関する。【0010】【発明の実施の形態】本発明における金属クラスタ−は、基本骨格構造が3個以上の金属原子からなるものである。金属クラスターとしては、構成分子や架橋分子としてハロゲンを有しているクラスターハライドがある。周期律表第3A金属から7A金属あるいはその化合物のハロゲン化物が挙げられ、特に、非分子性クラスターハライドを形成するものが好ましい。周期律表第3A金属から7A金属の具体例としては、スカンジウム、イットリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ランタノイド、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、レニウム、ユーロピウムおよびこれら化合物などが挙げられる。【0011】ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。中でも、塩素が好ましい。【0012】金属クラスターの種類としては、希土類元素型クラスターハライド、ジルコニウム・ハフニウム型クラスターハライド、ニオブ・タンタル型クラスターハライド、モリブデン・タングステン・レニウム型クラスターハライドなどがある。【0013】具体的には、(Sc7Cl10)n、(ScCl)n、(YCl)n、(Li0.2YCl)nなどがある。【0014】また、(NbCl4)n、(α−NbI4)n、(Nb6Cl14)n、(Nb6Cl16・nH2O)n、(Nb6I11)n、(CeNb6I11)n、(Nb3Cl8)n、(Nb3Br8)n、(Nb3I8)n、(Nb2Se2Br6)n、(Nb2Se2I6)n、(Nb2Te2Br6)n、(Nb2Te2I6)n、(Nb2S4Cl4)n、(Nb2S4Br4)n、(Nb2Se4Cl4)n、(Nb2Se4Br4)n、(Nb3Se5Cl7)n、(Nb3Se5Br7)n、(HNb4Cl11)n、(KNb4Cl11)n、(NaNb4Cl11)n、(RbNb4Cl11)n、(HNb4Br11)n、(LiNb4Br11)n、(KNb4Br11)n、(NaNb4Br11)n、(RbNb4Br11)n、(NbSBr)n、(NbSI)n、(NbSeBr)n、(NbSeI)n、(Nb6HI11)n、(CsNb6HI11)n、(Nb6F15)n、(Nb6Cl14)n、(Nb6Cl14Na4)n、などのニオブ系クラスターがある。【0015】また、(LaCl)n、(GaCl)n、(Ga2Cl3)n、(Ga10C4Cl18)n、(Ta6Cl15)n、(Ta6Cl18Na4)nなどがある。【0016】また、(Zr6Cl12)n、(ZrCl)n、(Zr6HCl12)n、(Zr6BeCl12)n、(Zr6BCl12)n、(Zr6CrCl12)n、(Zr6MnCl12)n、(Zr6FeI14)n、(Zr6CoI14)n、(HZr6CCl14)n、(LiZr6CCl14)n、(KZr6CCl14)n、(NaZr6CCl14)n、(RbZr6CCl14)n、(HZr6CBr14)n、(LiZr6CBr14)n、(KZr6CBr14)n、(NaZr6CBr14)n、(RbZr6CBr14)n、(CsZr6MnCl14)n、(Zr6NCl15)n、(HZr6CCl15)n、(LiZr6CCl15)n、(KZr6CCl15)n、(NaZr6CCl15)n、(RbZr6CCl15)n、(HZr6NCl15)n、(LiZr6NCl15)n、(KZr6NCl15)n、(NaZr6NCl15)n、(RbZr6NCl15)n、(H2Zr6BCl15)n、(Li2Zr6BCl15)n、(K2Zr6BCl15)n、(Na2Zr6BCl15)n、(Rb2Zr6BCl15)n、(H3Zr6BeCl15)n、(Li3Zr6BeCl15)n、(K3Zr6BeCl15)n、(Na3Zr6BeCl15)n、(Rb3Zr6BeCl15)n、(Cs3Zr6BCl16)n、(Cs3Zr6CCl16)n、(Na4Zr6BeCl16)nなどのジルコニウム系クラスターがある。【0017】また、(Tb6Br7)n、(MoCl3)n、(MoSCl)n、(MoSBr)n、(MoSI)n、(Mo2S4Cl6)n、(Mo3S7Cl4)n、(Mo3S7Br4)n、(FeMo4S8)n、(AlMo4S8)n、(RuMo4S8)n、(OsMo4S8)n、(RhMo4S8)n、(TiMo4S8)n、(ZrMo4S8)n、(CrMo4S8)n、(FeMo4Se8)n、(AlMo4Se8)n、(RuMo4Se8)n、(OsMo4Se8)n、(RhMo4Se8)n、(TiMo4Se8)n、(ZrMo4Se8)n、(CrMo4Se8)n、(Mo6Cl12)n、(Mo6S6F2)n、(Mo6S6Cl2)n、(Mo6S6Br2)n、(Mo6S6I2)n、(Mo4Re2Te8)n、(Mo6SCl10)n、(Mo6SBr10)n、(Mo6SI10)n、(Mo6S8)n、(Mo6SeCl10)n、(Mo6SeBr10)n、(Mo6SeI10)n、(HMo6Cl13)n、(LiMo6Cl13)n、(KMo6Cl13)n、(NaMo6Cl13)n、(RbMo6Cl13)nなどのモリブデン系クラスターがある。また、(W3S7Br4)n、(W6Cl12)n、(W6Cl16)n、(W6Cl18)nなどのタングステン系クラスターがある。【0018】また、(β−ReCl4)n、(Re3Cl9)n、(Re3I9)n、(Li4Re6S11)n、(H4Re6S12)n、(Li4Re6S12)n、(K4Re6S12)n、(Na4Re6S12)n、(Rb4Re6S12)n、(H4Re6Se12)n、(Li4Re6Se12)n、(K4Re6Se12)n、(Na4Re6Se12)n、(Rb4Re6Se12)n、(Cs4Re6S13)n、(H4Re6S13)n、(Li4Re6S13)n、(K4Re6S13)n、(Na4Re6S13)n、(Rb4Re6S13)n、(H4Re6Se13)n、(Li4Re6Se13)n、(K4Re6Se13)n、(Na4Re6Se13)n、(Rb4Re6Se13)n、(Re6Se8Cl2)n、(Tl4Re6Se12)n、(Mo2Re4Se8)n、(Re6Se5Cl8)n、(Re6Se6Cl6)n、(Re6S7Br4)n、(Re6Se7Br4)n、(Eu2Re6S11)n、などのレニウム系クラスターがある。【0019】また、(Ta6I14)n、(Ta6Cl15)n、(Ta6Br15)n、(Sc7BF12)n、(Sc7BCl12)n、(Sc7BBr12)n、(Sc7BI12)n、(Sc7CF12)n、(Sc7CCl12)n、(Sc7CBr12)n、(Sc7CI12)n、(Sc7NF12)n、(Sc7NCl12)n、(Sc7NBr12)n、(Sc7NI12)n、(Sc7MnI12)n、(Sc7FeI12)n、(Sc7CoI12)n、(Sc7NiI12)n、(Y7MnI12)n、(Y7FeI12)n、(Y7CoI12)n、(Y7NiI12)n、(Pr7MnI12)n、(Pr7FeI12)n、(Pr7CoI12)n、(Pr7NiI12)n、(Gd7MnI12)n、(Gd7FeI12)n、(Gd7CoI12)n、(Gd7NiI12)nなどがある。【0020】中でも、(Nb6Cl16・nH2O)n、(Nb6Cl14Na4)n、(Ta6Cl18Na4)n、(Mo6Cl12)n、(Mo6S8)n、(W6Cl12)n、(Re3Cl9)n、(Eu2Re6S11)n、(但し、nは2〜100万である。)などが好ましい。【0021】金属クラスターの構造としては、8面体構造、3角形構造などがある。一般的に正8面体構造クラスターの集合体のものが多い。8面体構造としては中心に原子が存在しているものや存在していないものも含まれる。モリブデン系、タングステン系などのクラスター構造として平面架橋構造、層状構造などの特徴を有しているものも挙げられる。【0022】金属クラスターは、担持されていることが好ましい。担体としては、例えば、シリカエアロジル、活性炭、ゼオライト、アルミナ、マグネシア、塩化マグネシウム、シリカ・アルミナなどが挙げられる。金属クラスターの担持量は、担体重量に対し0.1〜20wt%が好ましい。【0023】上記の金属クラスターを触媒として用いることができる触媒反応としては、環状ケトンの脱水反応、脱水素反応、二量化反応が挙げられる。上記の金属クラスターを触媒として用いることができる触媒反応としては、環状ケトンの脱水反応、脱水素反応及び二量化反応から選ばれる反応が2つ以上の反応が同時に進行するものである。例えば、環状ケトンとして、シクロヘキサノンを用いた場合は、ベンゼン、1,3−シクロヘキサジエン、フェノールなどが生成する。【0024】特に、金属クラスターとしてモリブデンクラスターを用いるとは、脱水反応、脱水素反応などがおこりやすい。また、金属クラスターとしてニオブ、タンタル、またはタングステンを用いるとは、二量化反応などがおこりやすい。【0025】環状ケトンとしては、シクロヘキサノン、キノン、シクロプロペノン、シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロブテノン、シクロペンテノン、シクロペンタノン、シクロヘキセノン、シクロヘプテノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサジエノンなどが挙げられる。【0026】上記の反応条件としては、シクロヘキサンなどの反応基質を金属クラスター触媒と接触させる方法が挙げられる。例えば、気相固定床触媒反応などの方法がある。反応温度としては、300〜450℃が好ましい。【0027】【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。以下に本発明の実施例を説明する。【0028】[実施例1](H3O)2[Mo6Cl8Cl6]*6H2O 1.003gとメタノール100gの溶液に、シリカゲル(380m2/g)19.095gを加え、1時間放置した後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固し、担持クラスターを得た。得られた担持クラスターは、150〜200メッシュに篩い分けた物を用いた。内径6mm×長さ30cmの硝子管に上記担持クラスター30mg及びグラスウールを詰め、管状電気炉の中央にセットする。硝子管にヘリウムを10ml/分で流しながら、電気炉を550℃に加熱し、1時間保持する。その後、担持クラスターの上流のヘリウム中にシクロヘキサノン0.05ml/分を注入し、担持クラスターと接触させた。得られた反応生成物は、ドライアイス−メタノールのトラップで捕捉した。捕捉物はガスクロマトグラフにより分析した。反応生成物の捕捉物の分析結果は、回収92重量%であり、回収された捕捉物全体を100重量%としたときの収率は、シクロへキセノンは4.0重量%、フェノール2.2重量%、シクロヘキセン10.8重量%、1,3−シクロヘキサジエン3.2重量%、ベンゼン7.1重量%、二量体の1−フェニル−1−シクロヘキセン0.9重量%、その他の二量体0.2%、残りは未反応のシクロヘキサノンであった。【0029】[実施例2][Nb6Cl12Cl2(H2O)4]・4H2O 1.003gとメタノール100gの溶液に、シリカゲル(380m2/g)19.095gを加え、1時間放置した後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固し、担持クラスターを得た。得られた担持クラスターは、150〜200メッシュに篩い分けた物を用いた。内径6mm×長さ30cmの硝子管に上記担持クラスター30mg及びグラスウールを詰め、管状電気炉の中央にセットする。硝子管にヘリウムを10ml/分で流しながら、電気炉を400℃に加熱し、1時間保持する。その後、担持クラスターの上流のヘリウム中にシクロヘキサノン0.05ml/分を注入し、担持クラスターと接触させた。得られた反応生成物は、ドライアイス−メタノールのトラップで捕捉した。捕捉物はガスクロマトグラフにより分析した。反応生成物の捕捉物の分析結果は、回収された捕捉物全体を100重量%としたときの収率は、シクロへキセノンは0重量%、フェノール1.0重量%、シクロヘキセン4.4重量%、1,3−シクロヘキサジエン3.1重量%、ベンゼン1.0重量%、二量体のフェニルシクロヘキサン62.8%、二量体の1−フェニル−1−シクロヘキセン1.7重量%、その他二量体12.3重量%、残りは未反応のシクロヘキサノンであった。【0030】【発明の効果】本発明によれば、金属クラスターからなる触媒を用いることにより環状ケトンの脱水素、脱水、二量化などの反応を行なうことができる。 金属クラスターからなる触媒を用いることを特徴とする環状ケトンの反応方法。 環状ケトンがシクロヘキサノンであることを特徴とする請求項1に記載の環状ケトンの反応方法。 金属クラスターからなる触媒が、モリブデン担持クラスターからなることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の環状ケトンの反応方法。 金属クラスターからなる触媒が、ニオブ、タンタル又はタングステン担持クラスターからなることを特徴とする請求項1〜2に記載の環状ケトンの反応方法。 【課題】金属クラスタ−からなる触媒を用いた環状ケトン反応方法を提供する。【解決手段】モリブデン、ニオブ、タンタルまたはタングステン担持金属クラスターからなる触媒を用い、環状ケトンを反応させる。環状ケトンがシクロヘキサンである場合、脱水素、脱水、二量化などの反応が行われ、シクロヘキセノン、シクロヘキセン、ベンゼン等が生成する。【選択図】     なし


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