タイトル: | 公開特許公報(A)_白色液状化粧料 |
出願番号: | 2002248083 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,A61K7/02,A61K7/00,A45D34/04 |
小林 雄一 JP 2004083500 公開特許公報(A) 20040318 2002248083 20020828 白色液状化粧料 ぺんてる株式会社 000005511 小林 雄一 7 A61K7/02 A61K7/00 A45D34/04 JP A61K7/02 L A61K7/00 V A45D34/04 510A 3 OL 6 4C083 4C083AA081 4C083AA121 4C083AA122 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC122 4C083AC842 4C083AD021 4C083AD022 4C083AD091 4C083AD092 4C083AD352 4C083BB26 4C083CC11 4C083CC14 4C083DD23 4C083EE01 4C083EE11 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、白色液状化粧料に関し、特に、化粧料内蔵タイプのペン型化粧具用としてペン先より吐出し、皮膚への塗布跡が、隠蔽効果を有し、且つ優れた経時分散安定性を有し、特に、アイライナー、アイシャドウ、マスカラ、アイブロー、皮膚用(疑似タトゥ;Tattoo風描画)等のメイキャップ化粧料に好適に使用できる化粧料内蔵タイプのペン型化粧具用白色液状化粧料に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、化粧料の隠蔽効果を出すために、酸化チタン、酸化亜鉛のような白色顔料やマイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸などの体質顔料、雲母チタンのようなパール顔料、ポリエチレン粉末、ナイロン粉末、ポリメタクリル酸などの球状もしくは多孔質の高分子粉体を使用することが知られている。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかし、白色顔料、体質顔料やパール顔料は比重が大きく、経時的な沈降により分離して、均一な塗布跡が得られない不具合が生じる。化粧料の粘度を高くして経時的な沈降を抑制し得るが、粘度を高くした場合、化粧料内蔵タイプのペン型化粧具に充填しても、化粧料が流路を移動する際の移動抵抗が大きすぎて、化粧料が塗布部に吐出し難くなるという問題があった。【0004】また、ポリエチレン粉末、ナイロン粉末、ポリメタクリル酸などの球状もしくは多孔質の高分子粉体を使用した場合、比重は小さく、経時的沈降は少ないものの屈折率が小さいため塗布跡の隠蔽効果が小さい問題があった。【0005】本発明は、皮膚への塗布跡が隠蔽効果を有し、且つ、優れた経時分散安定性を有する白色液状化粧料を提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、水を内部に含み平均粒径が0.4μm未満のスチレン・アクリル共重合体の中空顔料エマルジョンとから少なくともなる白色液状化粧料を要旨とするものである。【0007】以下、本発明について詳細に説明する。中空顔料エマルジョンは、着色材、隠蔽材として使用され、スチレン・アクリル共重合体粒子の水性分散体であり、粒子は、中空状で、内部に水を含んでいる球体状で、乾燥後、その水は粒子の殻部分を拡散、通過して空気と置換され、空隙を有する構造になる中空樹脂粒子である。本発明のポイントは、粒子の大きさと中空樹脂粒子の形態状態である。平均粒径は、0.4μm未満にし、隠蔽力を有すると共に、経時的に沈降を抑える。又、水性分散体の形で分散されたエマルジョンを使用すると、液状化粧料として分散状態が良く、安定しているが、内部に水を含有しない粉末状の中空樹脂粒子から分散すると、分散安定化することが難しく、経時的に沈降又は浮遊してしまう。具体例を挙げると、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のローペイクウルトラ(平均粒径0.38μm)、日本合成ゴム(株)製のSX8742(F)−03(平均粒径0.3μm)、SX866(B)(平均粒径0.3μm)等が挙げられる。この中空顔料エマルジョンは、1種又は、2種以上混合して使用することでき、その使用量は、白色液状化粧料全量に対して20重量%〜80重量%が好ましい。【0008】アクリル系樹脂エマルジョンは、定着材として使用され、常温で皮膜を形成し、皮膚に対して適度な定着性を有することが必要であり、最低造膜温度は、0〜40℃未満が好ましい。具体例を挙げると、具体例を挙げると、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のプライマルAC−22(アクリル樹脂、最低造膜温度8℃)、同AC−261(アクリル樹脂、最低造膜温度18℃)、同AC−388(アクリル樹脂、最低造膜温度8℃)、同AC−2235(アクリル樹脂、最低造膜温度12℃)、ヘキスト合成(株)製のモビニール700(アクリル共重合樹脂、最低造膜温度5℃)、同727(アクリル共重合樹脂、最低造膜温度25℃)、同DM772(アクリル共重合樹脂、最低造膜温度13℃)、同DM60(スチレンアクリル樹脂、最低造膜温度7℃)、サイデン化学(株)製のEC705(スチレン・アクリル樹脂、最低造膜温度5℃)、YC450(スチレン・アクリル樹脂、最低造膜温度10℃)、日本合成ゴム(株)製のAE315(カルボキシ変性アクリル樹脂、最低造膜温度25℃)、AE373A(カルボキシ変性アクリル樹脂、最低造膜温度30℃)ジョンソン(株)製のジョンクリルJ−775(スチレン・アクリル樹脂、最低造膜温度15℃)、同J−352(スチレン・アクリル樹脂、最低造膜温度10℃)等が挙げられる。その使用量は、白色液状化粧料全量に対して0.1〜5重量%が好ましい。【0009】ワックスエマルジョンは、同じく定着材として使用され、常温で皮膜を形成し、皮膚に対して適度な定着性を付与するものである。ワックスは親油性なので、そのままでは、液状化粧料に混ざらないため、水と混ざるような形態にしたエマルジョンタイプが良い。具体例を挙げると、シンエ−産業(株)製のカルナバワックスエマルジョンWE−100、カルナバワックスエマルジョンWE−1−252、日興ファインプロダクツ社製ワックスエマルジョン、東邦化学工業(株)製のポリエチレン系ワックスエマルジョンとして、ハイテックE−1000、ハイテックE−2000、ハイテックE−103N、ポリプロピレン系ワックスエマルジョンとして、ハイテックE−433N、ハイテックE−5060、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルジョンとして、ポリエム20、ポリエム40J等が挙げられる。その使用量は、白色液状化粧料全重量に対して0.1〜10重量%が好ましい。【0010】定着材として、上記のほかに水溶性高分子があり、液状化粧料の粘度が上がらない程度の範囲で、使用できる。具体例を挙げると、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン等の植物系天然水溶性高分子やキサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸等の微生物系天然水溶性高分子や、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、ペプタイド等の動物系天然水溶性高分子や、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系半合成水溶性高分子や、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン等のデンプン系半合成水溶性高分子や、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等のアルギン酸系半合成水溶性高分子や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体等の合成水溶性高分子が挙げられる。その使用量は、白色液状化粧料全量に対して0.1〜2重量%が好ましい。尚、本明細書において、平均粒径は、レーザー光回折・散乱法を用いて測定されたものである。【0011】上記した成分の他に、必要に応じて、塗布部での乾燥防止又は、保湿剤の助剤として尿素、凍結安定性のため、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール類及びソルビタンを併用しても良い。更に、湿潤剤、分散剤、界面活性剤、レべリング剤、表面調整剤、消泡剤、PH調整剤、防腐・防黴剤を適宜添加することができる。塗布具タイプに使用できる化粧料の粘度は3〜15mPa・Sが好ましい。粘度の測定方法は、B型粘度計を使用する。【0012】本発明の白色液状化粧料は、上記各成分をラボミキサー、ホモミキサー、ダイノーミル、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー等の分散機を使用して分散混合することによって得られる。【0013】【作用】本発明が、何故、皮膚への塗布跡の隠蔽力が高く、且つ経時分散安定性に優れるか次のように推察される。隠蔽力が高いのは、白色液状化粧料中においては中空の粒子の内部には水が含んで状態であるが、皮膚に塗布後の乾燥により水が蒸発して中空の樹脂粒子となる。よって樹脂層と内部の空気とで光散乱が起こり白色を呈する隠蔽効果が生じる。更に、経時分散安定性に優れるのは、中空の樹脂粒子は、白色顔料や体質顔料と比較して比重が小さく、且つ、粒径が小さく、エマルジョン状態に分散しているため白色液状化粧料中において、沈降が少ないと推察される。【0014】【実施例】実施例1ローペイク ウルトラ(スチレン・アクリル共重合体中空顔料エマルジョン、平均粒径0.38μm、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 70重量部カルナバワックスエマルジョンWE―100(シンエー産業(株)製)3重量部プロピレングリコール 2重量部ニューサイドSC(デヒドロ酢酸ナトリウム、防腐防黴剤、(株)タイショーテクノス製) 0.2重量部精製水 24.8重量部上記各成分をラボミキサーにて1時間分散処理して白色液状化粧料を得た。【0015】実施例2SX8742(F)−03(スチレン・アクリル共重合体中空顔料エマルジョン、平均粒径0.3μm、日本合成ゴム(株)製) 65重量部ハイテックE−1000(ポリエチレンワックスエマルジョン、東邦化学工業(株)製) 3重量部グリセリン 2重量部ニューサイドSC(前述) 0.2重量部精製水 29.8重量部上記各成分を実施例1と同様になして白色液状化粧料を得た。【0016】実施例3ローペイク ウルトラ(前述) 68重量部プライマルAC―261(アクリル系樹脂エマルジョン、最低造膜温度18℃、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 3重量部ケルザンAR(1%水溶液)(キサンタンガム、三晶(株)製) 1重量部プロピレングリコール 2重量部ニューサイドSC(前述) 0.2重量部水 25.8重量部上記各成分を実施例1と同様になして白色液状化粧料を得た。【0017】実施例4ローペーク ウルトラ(前述) 63重量部カルナバワックスエマルションWE−1−252(シンエー産業(株)製) 4重量部ニューサイドSC(前述) 0.2重量部精製水 32.8重量部上記各成分を実施例1と同様になして白色液状化粧料を得た。【0018】比較例1実施例1においてローペイク ウルトラ70重量部の代わりにタイペークCR−50(ルチル型酸化チタン、石原産業(株)製)を36.2重量部、ディスコートN−14(スチレン・マレイン酸系分散剤)0.2重量部、精製水36.4重量部用いた他は実施例1と同じ配合で、ダイノーミルで分散し、白色液状化粧料を得た。【0019】比較例2実施例1においてローペイク ウルトラの代わり、ローペイクOP−84J(中空顔料エマルジョン、平均粒径0.55μm、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)を用いた他は、実施例1と同様になして白色液状化粧料を得た。【0020】以上、実施例1〜4、比較例1〜2で得られた白色液状化粧料について、隠蔽効果試験及び経時分散安定性試験を行った。結果を表1に示す。【0021】隠蔽効果試験実施例1〜4、比較例1〜2の白色液状化粧料を塗布具(ChristianDiorSTYLINER ACCENT)に充填した後、塗布具の後端をノックし、化粧料がペン先に吐出させ、手の甲に塗布し、乾燥後の塗布跡に白色を呈する隠蔽効果の有無を目視で確認した。○:はっきりと隠蔽効果がある△:やや隠蔽効果がある×:隠蔽効果がない【0022】経時分散安定性試験実施例1〜4、比較例1〜2の白色液状化粧料をバイアル瓶に高さ5cmまで充填し、常温3ヶ月放置し、沈降状態を目視で確認した。【0023】【表1】【0024】【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の白色液状化粧料は、特に、化粧料内蔵タイプのペン型化粧具用としてペン先より吐出し、皮膚への塗布跡が、隠蔽効果を有し、且つ優れた経時分散安定性を有するアイライナー、アイシャドウ、マスカラ、皮膚用(タトゥ)塗布具等に好適に使用できる化粧料内蔵タイプのペン型化粧具用白色液状化粧料である。 平均粒径が0.4μm未満のスチレン・アクリル共重合体の中空顔料エマルジョンを少なくとも含む白色液状化粧料。 更にアクリル系樹脂エマルジョン又はワックスエマルジョンを含む請求項1に記載の白色液状化粧料。 内部に収容した液を毛細管力を利用して塗布先に供給する、液内蔵タイプの塗布具に使用される請求項1又は請求項2に記載の白色液状化粧料。 【課題】本発明は、化粧料内蔵タイプのペン型化粧具としてペン先より吐出し、皮膚への塗布跡が隠蔽効果を有し、且つ優れた分散安定性を有する白色液状化粧料を提供すること。【解決手段】水を内部に含み平均粒径が0.4μm未満のスチレン・アクリル共重合体の中空顔料エマルジョンを少なくとも含む白色液状化粧料。【選択図】 なし