生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_外用鎮痒剤
出願番号:2002235397
年次:2004
IPC分類:7,A61K31/375,A61K7/00,A61K7/48,A61P17/00,C07D307/62


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三木 徳太郎 西川 洋史 杉山 理 JP 2004075579 公開特許公報(A) 20040311 2002235397 20020813 外用鎮痒剤 株式会社日本ハイポックス 000152952 三木 徳太郎 西川 洋史 杉山 理 7 A61K31/375 A61K7/00 A61K7/48 A61P17/00 C07D307/62 JP A61K31/375 A61K7/00 H A61K7/00 W A61K7/48 A61P17/00 C07D307/62 2 OL 8 4C037 4C083 4C086 4C037LA03 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC302 4C083AC352 4C083AD352 4C083AD641 4C083AD642 4C083CC01 4C083CC05 4C083DD12 4C083DD23 4C083EE13 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA18 4C086MA01 4C086MA63 4C086NA14 4C086ZA89 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、外用鎮痒剤に関し、さらに詳しくはアトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、接触性皮膚炎、虫刺されなどに伴う局所性の皮膚掻痒症に有効な外用鎮痒剤に関する。【0002】【従来の技術】近年、アトピー性皮膚炎などの皮膚の痒みを伴う疾患が増加してきた。これらの疾患の増加の原因としてディーゼルエンジンからの排気ガスに含まれる窒素酸化物の増加などの大気汚染や、年間を通してのエアコンの使用、過度の清潔志向に基づく様々な生活様式の変化が挙げられている。痒みを伴う疾患にはアトピー性皮膚炎のほか、蕁麻疹、接触性皮膚炎などの皮膚疾患だけでなく、肝障害、腎障害などの内臓疾患でも皮膚の痒みを伴う場合があり、症状としての痒みの原因はきわめて多彩である。痒みを惹起する物質としては、ヒスタミン、キニン類、プロスタグランディン、ロイコトリエン、種々のプロテアーゼ類、リンホカインなど数多くの物質が知られている。そのうちヒスタミンは最も古くから掻痒惹起物質として認知されており、その他の惹起物質も多くの場合、一部は肥満細胞に作用してヒスタミンが遊離されることにより二次的に痒みが発現すると考えられている。したがって、これまで痒みの治療には抗ヒスタミン剤が多く用いられてきたが、副作用として眠気などの中枢抑制作用があり、また効果の面でも十分であるとは言いがたい。【0003】一方、炎症性の疾患に対してはインドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカムなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤が繁用されているが、痒みを伴う皮膚炎に対する効果はほとんどない。また、ステロイド剤については優れた抗炎症効果により、アトピー性皮膚炎に対する外用剤としては第一選択薬として用いられているが痒みそのものに対する効果は低く、また、連用による副作用も問題になっている。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情のもとでアトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、接触性皮膚炎、虫刺されなどに伴う局所性の皮膚掻痒症に有効で、なおかつ抗炎症作用を有し、安全な外用鎮痒剤を提供することを目的とする。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好ましい性質を有する外用鎮痒剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、L−アスコルビン酸誘導体を有効成分として含有する薬剤が優れた鎮痒作用を有することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。【0006】すなわち、本発明は、化1(式中、Rは炭素数1〜22のアルキル基である)で表されるL−アスコルビン酸誘導体を含有する事を特徴とする外用鎮痒剤を提供するものである。【0007】【発明の実施の形態】上記化1のL−アスコルビン酸誘導体は一般に抗酸化作用を有し、発癌抑制作用、癌転移防止作用、美白作用などが認められている公知のアスコルビン酸誘導体である。また、WO91/03471号公報には脂質過酸化反応に対する阻害活性に基づく臓器障害抑制作用が、さらに、WO00/09121号公報には肩こり、筋肉痛、関節痛などに対する消炎鎮痛作用が挙げられており、安全性、安定性、経皮吸収性に優れることが示されている。【0008】上記化1におけるRで示される炭素数1〜22のアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。【0009】この化1で表されるL−アスコルビン酸誘導体は、例えば特開平8−134055号公報記載の公知の方法などによって容易に製造することができる。【0010】本発明の外用鎮痒剤においては前記化1で表されるL−アスコルビン酸誘導体を1種用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良いが、特に、効果および安定性などの点からRがエチル基であるL−3−O−エチルアスコルビン酸が好適である。【0011】本発明の外用鎮痒剤におけるL−アスコルビン酸誘導体の含有量は、該組成物の形態に応じて適宜選定されるが、一般には組成物の全量に対して0.001〜50.0重量%の範囲で選ばれる。この量が0.001重量%未満では鎮痒効果が得られ難く、50.0重量%を越えると増加分に応じた効果の向上が認められないため好ましくない。鎮痒効果および経済性を考慮すると、L−アスコルビン酸誘導体の含有量は0.05〜10.0重量%の範囲が好ましい。【0012】本発明の外用鎮痒剤の剤型は、化粧料、医薬部外品、医薬品等の外皮に用いられるものであれば、その剤型に規定されることなく使用できる。すなわち、水溶液系ローション剤、可溶化系ローション剤、懸濁系ローション剤、水−油分離型ローション剤、乳液、パック、パスタ、パップ、スティック、軟膏、硬膏、リニメント剤およびテープ等の幅広い形態をとり得る。【0013】本発明の鎮痒剤には有効成分であるL−アスコルビン酸誘導体のほか、化粧品、医薬部外品、医薬品に用いられる他の成分を必要に応じて本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することが出来る。例えば、二酸化チタン、マイカ、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、クリルヒドロキシアルミニウム、カラミン、タルク、シリコーン、ナイロン、セルロース等の粉末成分、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、菜種油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ油、椰子油、スクワラン、牛脂、豚脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ、ラノリン、シリコーン油、フッソ油、流動パラフィン、セシレン、ワセリン、ポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル、エチルヘキサン酸グリセリン、エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、エチルヘキサン酸セチル、モノオレイン酸グリセリル等の油分、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、乳酸、尿素、ヒアルロン酸、NMF(天然保湿因子)、ピロリドンカルボン酸、セラミド等の保湿剤、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト、ラポナイト等の増粘剤、エタノール等の有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸、フェルラ酸、エデト酸等の抗酸化剤、安息香酸、サリチル酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ヘキサクロロフェン等の抗菌防腐剤、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸等のα−ヒドロキシ酸およびその塩類の皮膚栄養成分として利用される低級有機酸、アラニン、アルギニン、グルタミン、システイン、セリン、ヒスチジン等のアミノ酸類、アデニン、グアニン、ウラシル等の核酸類、パルミチン酸レチノールあるいはビタミンAおよびその他の誘導体、β−カロチンおよびその誘導体、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB6およびその誘導体、ビタミンB12およびその誘導体、ナイアシン類およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体、γ−オリザノールおよびその誘導体、ビタミンDおよびその誘導体、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、パントテニルアルコール等のビタミン類、アスコルビン酸および本発明の範囲に規定していないその他の誘導体(アスコルビン酸リン酸エステルおよびその塩、アスコルビン酸グリコシド、アスコルビン酸高級脂肪酸エステル等)、アラントイン、グリチルレチン酸およびその誘導体、コウジ酸およびその誘導体、グラブリジンおよびその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトロール、チモール、イノシトール、パンテニルエチルエーテル、サポニン類(サイコサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等)、ローヤルゼリー、エチニルエストラジオール、セファランチン、プラセンタエキス、感光素、トラネキサム酸、アズレンおよびその誘導体、およびユビキノン類の皮膚栄養成分及び皮膚薬用成分、サンザシ、アイビー、マロニエ、ウイキョウ、オレンジ、レモン、アボガド、キウイ、モモ、キュウリ、ナス、トマト、ニンジン、ユキノシタ、ヘチマ、セージ、タイム、ミント、バーチ、トウヒ、トウキ、ユリ、ヨモギ、カミツレ、イチゴ、ブドウ、パインナップル、リンゴ、アシタバ、バナナ、コンブ、ワカメ、アルゲコロイド、アルニカ、レタス、キャベツ、グレープフルーツ、マンゴ、パパイヤ、ライチ等の植物を原料とした製造方法に限定されない圧搾物およびその乾燥物あるいは水、アルコール、水性アルコール等で抽出した固形、半固形および液状の本発明の範囲に規定していない植物の抽出物、キチン・キトサン、乳タンパク、シルク、トサカ抽出物等の動物由来物を原料とした製造方法に限定されない圧搾物、乾燥物、粉砕物、抽出物および分解物、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、スルホコハク酸ジオクチルエステル、高級アルコールリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤、グリセリン高級脂肪酸エステル、ソルビタン高級脂肪酸エステル(SpanTM)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル(TweenTM)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ラクトフェリン、エデト酸およびその誘導体あるいはそれらの塩等の金属封鎖剤、および香料等を各々任意の割合で配合することが出来る。【0014】【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。【0015】【実施例1】製法 a)〜h)までを混合し、均一に溶解する。【0016】【実施例2】製法 a)およびg)をエタノールd)に溶解し、残りを加え精製水h)に溶解する。得られたゲル基剤を支持体である不織布に伸展させシート状パップを得る。【0017】【実施例3】製法 油性成分(A)を70℃に加熱混合する。水溶性成分(B)を混合し溶解させた後、70℃に加熱し、(A)成分を混和してホモミキサーにて乳化させる。室温にまで冷却して容器に充填し、クリームを得る。【0018】【試験例1】10匹のICR系雌マウス(日本クレア)の背部皮膚を剃毛し、実施例1の水溶液系ローション剤50μLを5匹のマウスに塗布した。塗布30分後にCompound48/80(Sigma)10μgを剃毛部に皮内投与し、皮内投与直後から15分間の掻破行動の発現回数を観察記録した。実施例1のローション剤処方から3−O−エチルアスコルビン酸のみを配合しないローションを作成して比較例1とし、実施例1のローションを塗した群と同様に5匹のマウスに塗布し、以下同様に処置した。【0019】試験の結果を表1に示す。【表1】掻破行動発現回数測定結果【0020】表に示したとおり、実施例1は比較例に比べ明らかに掻破行動が抑制されており、実施例1の鎮痒効果が確認された。【0021】【発明の効果】以上詳述したように、本発明により優れた鎮痒効果を示す外用鎮痒剤を提供することが出来た。 一般式(式中Rは、炭素数1〜22のアルキル基である。)で表されるL−アスコルビン酸誘導体を含有することを特徴とする外用鎮痒剤。 化1におけるRがエチル基である3−O−エチルアスコルビン酸を含有することを特徴とする外用鎮痒剤。 【課題】アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、接触性皮膚炎、虫刺されなどに伴う局所性の皮膚掻痒症に有効で、なおかつ抗炎症作用を有し、安全な外用鎮痒剤を提供する。【解決手段】アルキル基の炭素数が1〜22のL−3−O−アルキルアスコルビン酸を有効成分として含有する事を特徴とする外用鎮痒剤である。


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