タイトル: | 公開特許公報(A)_角栓溶解剤 |
出願番号: | 2002235213 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,A61K7/00,A61K7/021,A61K7/48,A61K7/50 |
成相昌之 寺内友広 JP 2004075575 公開特許公報(A) 20040311 2002235213 20020812 角栓溶解剤 株式会社ナリス化粧品 591230619 成相昌之 寺内友広 7 A61K7/00 A61K7/021 A61K7/48 A61K7/50 JP A61K7/00 C A61K7/021 A61K7/48 A61K7/50 7 OL 9 4C083 4C083AA082 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB242 4C083AB312 4C083AB442 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC301 4C083AC302 4C083AC352 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC661 4C083AC662 4C083AC741 4C083AC742 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD112 4C083BB21 4C083BB42 4C083BB45 4C083BB48 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC07 4C083CC12 4C083CC23 4C083DD31 4C083EE14 【0001】【産業上の利用分野】【0002】本発明は角栓溶解剤に関し、詳しくは毛穴に形成される角栓の溶解作用に優れた角栓溶解剤に関する。【従来の技術】【0003】皮脂や角栓などの皮膚上の汚れは、皮膚に種々のトラブルを引き起こす。従来、毛穴の汚れを落とすために、界面活性剤を配合した皮膚洗浄料が用いられていた。これは、毛穴に詰まった皮脂を界面活性剤で洗い流すことで毛穴を清浄に保つものである。しかしながら、毛穴に強固に詰まった角栓に対しては十分な効果がなく、洗浄後も角栓が残り、毛穴を押し広げたままの状態となり、結果として毛穴を目立たせている。角栓は、皮脂と共に汚れを含んで角化して毛穴に詰まったものであり、毛穴の目立ちの原因にもなる。【0004】現在、毛穴の目立ちについて悩みを持っている消費者が多数いるが、この原因として、これら角栓の毛穴詰まりも大きな原因であり、これを改善することは毛穴を目立たなくすることに非常に重要である。従来、皮膚上の汚れを除去する目的で、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーを皮膜形成剤として利用した皮膜型パック剤や、特開平5−255041号公報記載の水系樹脂エマルジョンを皮膜形成剤として利用した皮膜型パック剤が使用されてきた。又、特に角栓を除去する目的では、特開平5−97627号公報記載の角栓を良好に除去できる角栓除去剤などが使用されてきた。【0005】しかし、通常の皮膜型パック剤では、角栓の除去には十分な効果が得られず、又、特開平5−97627号公報記載の角栓除去剤では、角栓を除去する効果は高いが、高湿度下では皮膜強度が低くなるため、剥離しにくく、角栓を除去する効果は低下する問題がある。又、ピールオフタイプのパックでは、角栓のみならず健康な皮膚表面の角質も取り除く可能性があり、皮膚トラブルを生じる虞もある。又、角栓を除去する手段は上記のように検討されているが、角質を溶解する手段についてほとんど検討がされていないのが現状である。【0006】【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点からなされたものであり、毛穴の角栓を溶解する作用に優れる角栓溶解剤を提供することを課題とする。【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、有機酸塩、塩基性アミノ酸、脂肪酸塩基性アミノ酸塩、グアニジン、及び炭酸水素ナトリウムが毛穴を閉塞する角栓を溶解する作用に優れることを見出し、更に、鋭意検討した結果、上記成分に加えて、界面活性剤を配合すると、上記効果がより優れたものとなることを知見し、本発明を完成するに至った。【0007】【発明の実施の形態】本発明で用いられる有機酸塩としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酒石酸、ピロリドンカルボン酸、グルコン酸等の有機酸のカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。本発明においては、目的に応じてこれらの有機酸塩の一種又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの中でも特に好ましくは、クエン酸ナトリウムである。本発明における有機酸塩の配合量は特に限定はないが、好ましくは角栓溶解剤全量中に、0.001〜10質量%、更に好ましくは、0.05〜5質量%配合される。【0008】本発明で用いられる塩基性アミノ酸としては、天然、合成のいずれのアミノ酸も使用でき、例えばアルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン等が挙げられるが、好ましいものはアルギニンおよびリジンであり、特に好ましいものはアルギニンである。本発明における塩基性アミノ酸の配合量は、特に限定はないが、好ましくは角栓溶解剤全量中に、0.001〜10質量%、更に好ましくは、0.05〜5質量%配合される。【0009】本発明の脂肪酸塩基性アミノ酸塩は、公知の方法により容易に得ることができる。即ち、塩基性アミノ酸と脂肪酸とを無溶媒下、好ましくは水や有機溶媒等の共存下、室温ないし加熱条件下に中和反応を行う方法などにより得ることができる。塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等が挙げられ、これらは光学活性体、ラセミ体いずれも使用することができる。又、脂肪酸としては、炭素原子数8〜24の飽和もしくは不飽和の直鎖又は分岐鎖のものが用いられる。本発明に用いられる脂肪酸塩基性アミノ酸塩の好ましい具体例を挙げると、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸の各リジン塩、アルギニン塩である。特に好ましいのは脂肪酸アルギニン塩である。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。【0010】本発明における脂肪酸塩基性アミノ酸塩の配合量は特に限定はないが、好ましくは角栓溶解剤全量中に、0.01〜50.0質量%、更に好ましくは、0.1〜30.0質量%配合される。又、本発明の炭酸グアニジンは、公知の方法により得ることができる。本発明における炭酸グアニジンの配合量は特に限定はないが、好ましくは角栓溶解剤全量中に、0.01〜10質量%、更に好ましくは、0.1〜5質量%配合される。【0011】本発明の炭酸水素ナトリウムは、公知の方法により得ることができる。本発明における炭酸水素ナトリウムの配合量は特に限定はないが、好ましくは角栓溶解剤全量中に、0.01〜10質量%、更に好ましくは、0.1〜5質量%配合される。又、本発明の角栓溶解剤は、上記成分に加えてさらに、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、皮膚外用剤、皮膚洗浄料で一般的に用いられる界面活性剤であれば特に制限されず、例えば、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアンモニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸トリエタノールアンモニウムなどの脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルβ―アラニンナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、アシルメチルタウリン、アルキルエタンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのアニオン型界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン型界面活性剤;モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエステル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪族アルキルエーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステルなどのノニオン型界面活性剤;ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられる。【0012】より好ましいのはノニオン型界面活性剤であり、特に好ましいのはテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンである。角栓除去剤と界面活性剤を同時に含有する角栓溶解剤においては、これらが相乗的に作用してより効果を得ることが可能となる。本発明における界面活性剤の配合量は、特に限定はないが、好ましくは角栓溶解剤全量中に、0.01〜50質量%、さらに好ましくは、0.1〜30質量%配合される。【0013】界面活性剤の配合量は、特に限定されず製品に応じて適宜決定されるが好ましくは皮膚洗浄料全量中1〜50質量%である。本発明の皮膚洗浄料には上記必須成分の他、通常、化粧品や医薬品の洗浄料に用いられる成分を配合することができ常法に応じて製造される。かかる成分としては例えば次のようなものが挙げられ、上記必須成分と下記成分の一種又は二種以上とを配合して製造される。アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリルなどの油分。カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。【0014】ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤。ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。その他に、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。【0015】本発明の角栓溶解剤は、化粧品、医薬品、医薬部外品などとして外皮に適用され角栓溶解を目的とするものを意味する。その剤型も水溶液系、乳化系、ゲル系など幅広い形態をとり得る。【0016】【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。又、配合量は特に指定がない限り質量%で示す。実施例で用いた成分について、角栓の溶解性を以下により確認した。(角栓の採取)「ビオレ 鼻パック:(株)花王社製)」を任意に使用し、鼻部より角栓を除去し、ピンセットで丁寧に角栓を摂取した。(角栓溶解性の確認)表1及び表2に示す実施例、及び表3に示す比較例にて、摂取した角栓を実施例記載の水溶液を、処方に添加し、顕微鏡で角栓の様子を観察し、以下の評価点で角栓溶解性について評価を行った。◎:1分間で角栓が溶解し、全体が崩壊する。○:1分間で角栓が溶解し、周囲が崩壊する。△:1分間で角栓の周囲が溶解しやや小さくなる。×:変化なし。【0017】【表1】【0018】【表2】【0019】【表3】【0020】表1、表2、及び表3の結果から明らかな如く、本発明品に係わる有機酸塩、塩基性アミノ酸、脂肪酸塩基性アミノ酸塩、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウムを配合すれば角栓を溶解することが確認できた。更にこれらに界面活性剤を添加することにより更に効果が上がることも確認された。【0021】化粧料の処方例次に、本発明にかかる各植物の各種抽出物を用いて、本発明にかかる化粧料を作製した。なお、配合割合は重量部である。【0022】(1)処方例1(化粧水)〔製法〕前記原料を精製水に加え均一に混合する。【0023】(2)処方例2(化粧用クリーム)〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70℃に保ち水相部とする。一方、油相の原料を混合し、加熱溶解して70℃として油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて予備乳化を行ない、ホモミキサー均一に乳化し、30℃まで冷却し化粧用クリームを得る。【0024】(3)処方例3(化粧用乳液)〔製法〕前記水相の原料を混合し、加熱して70℃に保ち水相部とする。一方、他の原料を混合し、加熱溶解して70℃として油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて乳化し、30℃まで冷却し化粧用乳液を得る。【0025】(4)処方例4(パック剤)〔製法〕水相の原料を混合し、均一にする。さらに他の原料を混合し、均一になるまで攪拌してパック剤を得る。【0026】(5)処方例5(クリーム状ファンデーション)〔製法〕油相の一部と粉体を3本ロールミルにかけ、残りの油相を加え加熱溶解させ、80℃に保つ。次に、加熱溶解した水相を徐々に加えて80℃で乳化し、これを攪拌しながら室温まで冷却して、クリーム状ファンデーションを得る。【0027】(6)処方例6(洗顔料)〔製法〕香料を除く油相を加熱溶解し、70℃に保つ。次に、予めアルカリを溶解してあった精製水を溶解した油相に加える。そして、香料及び有効成分を一部の残存させておいた精製水と混合し加え、撹拌しながら冷却し、洗顔料を得る。【0028】4.化粧料の効果試験例更に、本発明に係る化粧料を用いて、実際に使用した場合の効果について検討を行った。【0029】処方例1のL−アルギニンを含有する化粧水について、毛穴に角栓が詰まった16〜30歳の20名をパネラーとし、1ヶ月間毎日、朝と夜の2回、顔面に塗布してもらい、使用テストを実施した。対照には、L−アルギニンを除いたプラセボ化粧水を同様な方法にて処方したものを用いた。又、評価方法は、下記の基準で、実感面を評価してもらった。結果は表4のごとくで、表中の数値は人数を表す。なお、使用期間中に皮膚の異常を訴えた者はなかった。〔評価基準〕有効:毛穴が目立たなくなった。やや有効:やや毛穴が目立たなくなった。無効:使用前と変化なし。【0030】【表4】【0031】表4に示す通り、本発明に係る角栓溶解剤は、毛穴の目立ちを改善する効果に優れていることが認められる。【0032】【発明の効果】以上、説明したように、本発明の角栓溶解剤は、毛穴を目立たせている毛穴に詰まった角栓を溶解し、毛穴の目立ちを改善する効果を奏するものである。 有機酸塩、塩基性アミノ酸、脂肪酸塩基性アミノ酸塩、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウムから選ばれる一種又は二種以上を配合することを特徴とする角栓溶解剤。 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載の角栓溶解剤。 有機酸塩がクエン酸塩であることを特徴とする請求項1乃至2記載の角栓溶解剤。 塩基性アミノ酸がアルギニンであることを特徴とする請求項1乃至2記載の角栓溶解剤。 脂肪酸塩基性アミノ酸塩が脂肪酸アルギニン塩であることを特徴とする請求項1乃至2記載の角栓溶解剤。 請求項1乃至5記載の角栓溶解剤を配合することを特徴とする皮膚外用剤。 請求項6記載の皮膚外用剤の角栓溶解剤を配合することを特徴とする化粧料。 【課題】毛穴を目立たせている毛穴に詰まった角栓を溶解し、毛穴の目立ちを改善する角栓溶解剤を提供する。【解決の手段】有機酸塩、塩基性アミノ酸及び脂肪酸塩基性アミノ酸塩、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウムから選ばれる一種又は二種以上を配合した角栓溶解剤。【選択図】 なし