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タイトル:特許公報(B2)_結晶およびその製造法
出願番号:2002225642
年次:2009
IPC分類:C07D 403/10


特許情報キャッシュ

橋本 秀雄 丸山 秀明 JP 4336084 特許公報(B2) 20090703 2002225642 20020802 結晶およびその製造法 武田薬品工業株式会社 000002934 田中 光雄 100081422 山崎 宏 100084146 元山 忠行 100116311 冨田 憲史 100122301 高橋 秀一 100114041 関口 陽 100106323 橋本 秀雄 丸山 秀明 JP 2001236802 20010803 20090930 C07D 403/10 20060101AFI20090903BHJP JPC07D403/10 C07D 401/00-421/14 A61K 31/33-33/44 CA/REGISTRY(STN) 特開平04−364171(JP,A) 特開平11−043474(JP,A) J.Med.Chem.,1993年,36,2182-2195 Chem.Pharm.Bull.,1999年,47,2,182-186 17 2003113180 20030418 37 20050722 福井 悟 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、テトラヒドロフランを5000ppm以下含有し、さらに実質的にスズ化合物、2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の類縁物質(例、ケトン体、エチルエステル体)および残留有機溶媒(例、ジクロロメタン)などの夾雑物を含有せず、パイロジェンフリーかつ無菌である2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(以下、化合物(I)と略称する場合がある)の結晶の製造法、該製造法により得られる結晶および該結晶を含んでなる医薬組成物等に関する。【0002】【従来の技術】降圧作用を有する化合物(I)またはその塩を製造する方法としては、例えば、EP−A−0881212、EP−A−0459136に記載されている。しかしながら、有機スズ化合物を使用して合成するため、除去困難な有機スズ化合物が化合物(I)中に残存する。EP−A−0881212、EP−A−0459136に記載されている方法では、約2000ppm(原子吸光測定)ものスズ化合物が化合物(I)中に含まれていた。また、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸〔以下、ケトン体と称することもある〕およびエチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート〔以下、エチルエステル体と称することもある〕などの類縁物質は、化合物(I)と物性が類似しているため、除去困難であり、化合物(I)中にはそれらが相当量(合計:約3%)含まれていた。また、化合物(I)は種々溶媒に対する溶解度が非常に低く、このことも、化合物(I)の精製を困難にしている要因の一つであるが、このため従来は、精製において化合物(I)の溶解度が比較的高いジクロロメタン−メタノール混合溶媒を使用していた。その結果、化合物(I)中に毒性の強いジクロロメタンが数100ppm残存していた。このように従来法で製造された化合物(I)中には、相当量のスズ化合物、類縁物質およびジクロロメタンが存在する。しかしながら、これまでは、化合物(I)を原薬として含む製剤品を医薬品として使用せず、化合物(I)から多数の工程を経て(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート〔以下、カンデサルタンシレキセチルと称することもある〕へと誘導し、同化合物を原薬として含む製剤品を医薬品としていたため、多数の工程を経る間に、スズ化合物、ケトン体、エチルエステル体およびジクロロメタン等の夾雑物が除去されており、化合物(I)中のこれら夾雑物の存在はなんら問題ではなかった。しかしながら、化合物(I)を原薬として含む製剤品を医薬品(例えば注射剤)として開発する場合には、スズ化合物、類縁物質およびジクロロメタンの許容量を超えた存在が大きな問題となる。【0003】【発明が解決しようとする課題】従来の製造法では、スズ化合物、類縁物質等の夾雑物を除くために、ジクロロメタン−メタノール混合溶媒を使用して精製を行っていた。しかしながら、化合物(I)を原薬として含む製剤品を医薬品として開発するには、従来法の精製効果は充分とはいえず、精製後も数千ppmのスズ化合物および数%の類縁物質が残存していた。また、精製溶媒にジクロロメタンを使用するため、化合物(I)中にジクロロメタンが数百ppm残存していた。このような許容量を超えたスズ化合物、類縁物質およびジクロロメタンが存在することにより、これまでは化合物(I)を原薬として含む製剤品を医薬品として開発することは困難であった。このため、医薬品として使用可能なスズ化合物、類縁物質およびジクロロメタンの残存量の少ない化合物(I)が得られる製造法が望まれている。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らが、化合物(I)の結晶の製造法を種々検討したところ、化合物(I)またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させて晶出させた場合には、意外にも、通常、除去困難なスズ化合物、化合物(I)の類縁物質(例、ケトン体、エチルエステル体)および残留有機溶媒(例、ジクロロメタン)などの夾雑物が容易に除去でき、さらにこの方法が工業的規模で十分満足できる製造法であること等を初めて見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させて晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法、(2)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩と非プロトン性極性溶媒とを含む溶液または懸濁液から晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法、(2’)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸と非プロトン性極性溶媒とを含む溶液から晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法、(3)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と水および/または有機溶媒を混合することにより晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法、(4)非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒が、非プロトン性極性溶媒および水を含有する混合溶媒である前記(3)記載の製造法、(5)非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒が、非プロトン性極性溶媒および有機溶媒を含有する混合溶媒である前記(3)記載の製造法、(6)非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒が、非プロトン性極性溶媒、水および有機溶媒を含有する混合溶媒である前記(3)記載の製造法、(7)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と有機溶媒を混合することにより晶出させることを特徴とする前記(3)記載の製造法、(8)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と水および有機溶媒を混合することにより晶出させることを特徴とする前記(3)記載の製造法、(9)非プロトン性極性溶媒がテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびヘキサメチルホスホリックトリアミドから選ばれる一種もしくは二種以上の溶媒である前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(10)非プロトン性極性溶媒がテトラヒドロフランである前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(11)約0〜約30℃で晶出させることを特徴とする前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(12)有機溶媒が日米EU医薬品規制整合化国際会議(ICH)ガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒である前記(3)記載の製造法、(13)ICHガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒がケトン類、酢酸エステル類、アルコール類、エーテル類および炭化水素類から選ばれる一種または二種以上の有機溶媒である前記(12)記載の製造法、(14)ICHガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒がアセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、ヘキサンおよびヘプタンから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒である前記(12)記載の製造法、(15)有機溶媒がケトン類またはアルコール類である前記(5)記載の製造法、(16)有機溶媒がアセトンまたはエタノールである前記(5)記載の製造法、(17)水および/または有機溶媒との混合が、2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた溶液または懸濁液に、水および/または有機溶媒を滴下する工程を含有することを特徴とする前記(3)記載の製造法、(18)水および/または有機溶媒との混合が、水および/または有機溶媒に、2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた溶液または懸濁液を滴下する工程を含有することを特徴とする前記(3)記載の製造法、(19)有機溶媒が二種以上の有機溶媒である前記(3)記載の製造法、(20)有機溶媒との混合が、▲1▼アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノールおよびプロパノールから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒(B1)と混合した後に、▲2▼ヘプタン、ヘキサンおよびtert-ブチルメチルエーテルから選ばれる有機溶媒(B2)と混合する工程を含有する前記(3)記載の製造法、(21)有機溶媒が、非プロトン性極性溶媒の1〜10倍量(体積)である前記(3)記載の製造法、(22)水が非プロトン性極性溶媒の0.1〜3倍量(体積)である前記(3)記載の製造法、(23)水と有機溶媒との混合体積比が1:50〜5:1である前記(3)記載の製造法、(24)非プロトン性極性溶媒と水との混合体積比が20:1〜5:1である前記(4)記載の製造法、(25)非プロトン性極性溶媒と有機溶媒との混合体積比が20:1〜5:1である前記(5)記載の製造法、(26)非プロトン性極性溶媒/有機溶媒/水の混合体積比が2〜10/2〜10/1である前記(6)記載の製造法、(27)晶出させた結晶を非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、晶出させる工程を1回もしくは2回以上繰り返すことを特徴とする前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(28)さらに、脱パイロジェン化工程および/または無菌化工程を含む前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(29)晶出させた結晶が実質的にパイロジェンフリーである前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(30)晶出させた結晶が実質的に無菌である前記(1)、(2)、(2’)または(3)記載の製造法、(31)メチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩と式(R)3SnN3(式中、Rは炭素数4ないし18のアルキルを示す)で表される化合物とを反応させ、得られるメチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩を加水分解反応に付し、得られる2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させて晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法、(32)結晶が実質的にスズ化合物を含有しない前記(31)記載の製造法、(33)結晶中のスズ化合物の含有量が1000ppm以下である前記(31)記載の製造法、(34)結晶中のスズ化合物の含有量が10ppm以下である前記(31)記載の製造法、(35)結晶が実質的に2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の類縁物質を含有しない前記(31)記載の製造法、(36)結晶中の2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の類縁物質の含有量が1%以下である前記(31)記載の製造法、(37)結晶が実質的に残留有機溶媒を含有しない前記(31)記載の製造法、(38)結晶中の総残留有機溶媒の含有量が5000ppm以下、かつ、ジクロロメタン残留量が50ppm未満である前記(31)記載の製造法、(39)メチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩と式(R)3SnN3(式中、Rは炭素数4ないし18のアルキルを示す)で表される化合物とを反応させ、得られるメチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩を加水分解反応に付し、得られる2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させて晶出させることにより得られる2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶、(40)テトラヒドロフランを5000ppm以下含有する2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶、(40’)テトラヒドロフランを5000ppm以下含有する前記(39)記載記載の結晶、(41)実質的にスズ化合物を含有しない前記(39)または(40)記載の結晶、(42)スズ化合物の含有量が1000ppm以下である前記(39)または(40)記載の結晶、(43)スズ化合物の含有量が10ppm以下である前記(39)または(40)記載の結晶、(44)実質的に2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の類縁物質を含有しない前記(39)または(40)記載の結晶、(45)2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の類縁物質の含有量が1%以下である前記(39)または(40)記載の結晶、(46)実質的に残留有機溶媒を含有しない前記(39)または(40)記載の結晶、(47)総残留有機溶媒の含有量が5000ppm以下、かつ、ジクロロメタン残留量が50ppm未満である前記(39)または(40)記載の結晶、(48)実質的にパイロジェンフリーである前記(39)または(40)記載の結晶、(49)実質的に無菌である前記(39)または(40)記載の結晶、および(50)前記(39)または(40)記載の結晶を含んでなる医薬組成物などに関する。【0005】上記したとおり、本発明は化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒とを含む溶液または懸濁液(好ましくは溶液)から晶出させることを特徴とする化合物(I)の結晶の製造法を提供する。具体的には、化合物(I)またはその塩を、非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させて(好ましくは溶解させて)晶出させることにより化合物(I)の結晶を製造することができる。(ここで、化合物(I)またはその塩を溶解または懸濁させるのに使用する「非プロトン性極性溶媒」を「非プロトン性極性溶媒(A)」と称する場合がある。)すなわち、化合物(I)またはその塩を、非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒に溶解または懸濁させて、「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液」を得、該溶液または懸濁液から晶出させることにより化合物(I)の結晶を製造することができる。より具体的には、例えば化合物(I)またはその塩を、非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と水および/または有機溶媒を混合し、晶出させることにより化合物(I)またはその塩の結晶を製造することができる。(ここで、「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液」から化合物(I)を晶出させる目的で該溶液または懸濁液と混合して使用される「水」を「水(W2)」、「有機溶媒」を「有機溶媒(B)」と称する場合がある。)【0006】本発明の製造法における化合物(I)は【化1】で表される化合物(一般名:カンデサルタン)である。本発明の製造法に付される該化合物(原料)は、それ自身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよい。このような塩としては、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミン類、アルギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類等)などとの塩、無機酸や有機酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩などが挙げられる。例えば、化合物(I)・2Naの結晶は次のような方法で合成できる。化合物(I)と2当量のNa源(例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム等)を水あるいは有機溶媒(化合物(I)およびNa源を溶解するものであれば何でも良いが、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられる)あるいは水−有機溶媒混合溶媒中で溶解させ、濃縮し、溶媒(例えば、アセトン−水混合溶媒、エタノール−水混合溶媒、メタノール−水、アセトニトリル−水混合溶媒等)を加えることにより、化合物(I)・2Na塩の結晶を合成することができる(元素分析値:Anal Calc. For C24H18N6Na2O3: C59.51, H3.75, N17.35, Found: C59.50, H3.77, N17.33)(原子吸光(Na):計算値9.49%、実測値9.5%)。例えば、化合物(I)・2Naのアモルファスは次のような方法で合成できる。化合物(I)と2当量のNa源(例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム等)を水あるいは有機溶媒(化合物(I)およびNa源を溶解するものであれば何でも良いが、例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール等が挙げられる)あるいは水−有機溶媒混合溶媒中で溶解させ、有機溶媒を濃縮により留去し、ついで凍結乾燥により、化合物(I)・2Na塩のアモルファスを合成することができる。【0007】本発明の結晶の製造法に付される化合物(I)またはその塩は例えばEP−A−0881212、EP−A−0459136に記載の方法またはそれに準じて製造することができる。「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液(好ましくは溶液)」は、上記の自体公知の方法により製造した化合物(I)またはその塩を非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒に溶解または懸濁(好ましくは溶解)させることにより調製することができる。具体的には、メチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、BECと略称する場合がある)またはその塩と式(R)3SnN3〔式中、Rは炭素数4〜18のアルキル(好ましくは、炭素数7〜18のアルキル;より好ましくはオクチル)を示す〕で表される化合物とを反応させ、得られるメチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、METと略称する場合がある)またはその塩を加水分解反応に付し、得られる化合物(I)またはその塩を、非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒に溶解または懸濁させて「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液」(以下、単に「化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液」と称する場合がある)を得ることができる。BECまたはMETの塩としては前記化合物(I)の塩と同様のものが挙げられる。ここで、BECまたはその塩に式(R)3SnN3(式中、Rは炭素数4〜18のアルキルを示す)で表される化合物を反応させてMETまたはその塩を製造する方法については例えばEP−A−0578125に記載の方法に準じて実施することができる。METまたはその塩の加水分解反応は例えば得られたMETまたはその塩を好ましくはアルカリ金属の水酸化物あるいはアルカリ金属のアルコキシドなどのアルカリ水溶液を混合することにより行なわれる。アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属のアルコキシドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドなどが挙げられる。加水分解反応に使用されるアルカリはMETまたはその塩に対し約2〜5当量である。該加水分解反応は約40〜約100℃、好ましくは約50〜約80℃の温度で攪拌下行なわれる。反応時間は約0.5〜約10時間、好ましくは約1〜約5時間である。【0008】上記溶液または懸濁液を調製するのに用いられる化合物(I)またはその塩は、固体(結晶、非晶質)および油状物のいずれでもよく、また、水和物および非水和物のいずれでもよく、単離精製されていなくてもよい。【0009】非プロトン性極性溶媒(A)としては、非プロトン性極性溶媒であれば何でも良いが、例えば、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)もしくはDMSO(ジメチルスルホキシド)、HMPA(ヘキサメチルホスホリックトリアミド)またはこれらの二種以上(好ましくはニ〜三種)の混合溶媒が挙げられる。なかでもTHF、DMFおよびDMSOが好ましく、THFが特に好ましい。「非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒」には、非プロトン性極性溶媒(A)に加え、さらに有機溶媒および/または水を含有していてもよい。(ここで、化合物(I)またはその塩を溶解または懸濁させる目的で非プロトン性極性溶媒(A)とともに混合して用いられる溶媒である「有機溶媒」を「有機溶媒(C)」、「水」を「水(W1)」と称する場合がある。)該有機溶媒(C)としてはケトン類またはアルコール類が好ましい。該ケトン類としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。該アルコール類としては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどの低級アルコール類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールなどのC1−3アルコキシで置換された低級アルコール類:エチレングリコールなどが挙げられる。有機溶媒(C)としては特にアセトンまたはエタノールが好ましい。化合物(I)またはその塩を溶解または懸濁させる目的で使用される溶媒、すなわち「非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒」としては、(1)THF、(2)DMSO、(3)THFと水との混合溶媒、(4)THFとアセトンと水との混合溶媒、(5)THFとエタノールと水との混合溶媒、(6)DMSOとアセトンの混合溶媒などが好ましい。特に(1)THFおよび(2) THFと水との混合溶媒が好ましい。【0010】「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液」を調製するに際し、非プロトン性極性溶媒(A)と水(W1)を用いる場合はそれぞれの混合体積比(非プロトン性極性溶媒(A):水(W1))は20:1〜5:1(好ましくは12:1〜7:1)であるのが好ましい。また、「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液」を調製するに際し、非プロトン性極性溶媒(A)と有機溶媒(C)を用いる場合はそれぞれの混合体積比(非プロトン性極性溶媒(A):有機溶媒(C))は20:1〜1:2(好ましくは10:1〜1:1)であるのが好ましい。さらに、「化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液」を調製するに際し、非プロトン性極性溶媒(A)、有機溶媒(C)および水(W1)の三者を用いる場合はそれぞれの混合体積比(非プロトン性極性溶媒(A)/有機溶媒(C)/水(W1))は2〜10/2〜10/1であるのが好ましい。【0011】晶出させる方法としては、例えば、該溶液または懸濁液を攪拌する方法、該溶液または懸濁液に種晶を加える方法、該溶液または懸濁液の温度を変化させる方法、該溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法、該溶液または懸濁液の液量を減少させる方法、またはこれらの方法の二種以上を組合せる方法などが挙げられる。「溶液または懸濁液を攪拌する方法」としては、例えば化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液を、約0〜約50℃、好ましくは室温以下(約0℃〜約30℃)で、約0.01〜100時間、好ましくは約0.1〜30時間攪拌する方法が挙げられる。目的物は、熱に対して不安定であり、加熱により速やかに分解するが、本発明の方法は特に加熱操作を必要とせず、室温付近で晶出することにより目的の結晶を得ることができるので、工業的製造法として極めて優れている。「溶液または懸濁液に種晶を加える方法」としては、例えば化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液に、化合物(I)またはその塩を種晶として添加する方法が挙げられる。「溶液または懸濁液の温度を変化させる方法」としては、例えば化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液の温度を変化させる、好ましくは冷却(例、液温を5〜100℃下げる)する方法や、加熱(例、液温を5〜100℃上げる)した後に冷却(例、液温を5〜100℃下げる)する方法が挙げられる。「溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法」としては、例えば化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液に、水(W2)および/または有機溶媒(B)(例、エステル類、ケトン類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、アミド類、スルホキシド類、炭化水素類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類、ピリジン類またはこれら二種以上(好ましくはニ〜五種、より好ましくはニ〜三種)の混合物などの日米EU医薬品規制整合化国際会議(ICH)ガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒等;好ましくは、ケトン類、酢酸エステル類、アルコール類、エーテル類および炭化水素類またはこれら二種以上(好ましくはニ〜五種、より好ましくはニ〜三種)の混合物など;特に好ましくはアセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ヘプタンなど)を混合する方法が挙げられる。なかでも、▲1▼水(W2)を混合する方法、または▲2▼有機溶媒(B)を混合する方法が好ましい。一つの態様として有機溶媒(B)は、一種以上(好ましくは二〜五種、より好ましくは二もしくは三種)の有機溶媒の混合溶媒である(ここで、二種以上の該有機溶媒を「有機溶媒(B1)」、「有機溶媒(B2)」などと称する場合がある)。二種以上の有機溶媒を使用する場合、「化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液」に同時に混合してもよいが、複数種の有機溶媒をそれぞれ時間差をおいて混合してもよい。好ましい態様としては例えば▲1▼アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノールおよびプロパノールから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒(B1)を混合した後に、▲2▼ヘプタン、ヘキサンおよびtert-ブチルメチルエーテルから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒(B2)を混合する方法などが挙げられる。さらに、水(W2)と有機溶媒(B)をともに「化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液」に混合する場合は、水(W2)と有機溶媒(B)は、「化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液」に同時に混合してもよいが、それぞれ時間差をおいて混合してもよい。かかる場合において有機溶媒(B)を二種以上(好ましくは二〜五種、より好ましくは二もしくは三種)用いる場合は当該二種以上の有機溶媒(B)を予め混合後した後に水(W2)の混合と同時にもしくは時間差をおいて混合してよく、また当該二種以上の有機溶媒(B)を別々に水(W2)の混合と同時にもしくは時間差をおいて混合してもよい。「化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液」と「水(W2)および/または有機溶媒(B)」を混合する方法としては、自体公知の方法により「化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液」と「水(W2)および/または有機溶媒(B)」を一気に混合、攪拌してもよいが、好ましくは攪拌下、化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液に水(W2)もしくは有機溶媒(B)またはそれらの混液を滴下するか、または好ましくは攪拌下、水(W2)もしくは有機溶媒(B)またはその混液中に化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液を滴下する方法等が挙げられる。かかる「溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法」を実施するに際し、化合物(I)またはその塩を含む溶液または懸濁液に、水(W2)および/または有機溶媒(B)を混合する時の温度は約0〜約50℃、好ましくは室温下(約0℃〜約30℃)である。有機溶媒(B)を使用する際、有機溶媒(B)は非プロトン性極性溶媒(A)の1〜10倍量(体積)、好ましくは1〜5倍量(体積)用いるのが好ましい。また、水(W2)を使用する際、水(W2)は非プロトン性極性溶媒(A)の0.1〜3倍量(体積)、好ましくは0.5〜2倍量(体積)用いるのが好ましい。さらに、水(W2)と有機溶媒(B)とを共に使用する際、それぞれの混合体積比は1:50〜5:1、好ましくは1:25〜3:1である。「溶液または懸濁液の液量を減少させる方法」としては、例えば化合物(I)またはその塩と非プロトン性極性溶媒(A)を含む溶液または懸濁液から溶媒を、留去、蒸発する方法などが挙げられる。【0012】このうち好ましくは、(i)溶液または懸濁液を攪拌する方法、(ii)溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法、(iii)溶液または懸濁液を攪拌する方法および溶液または懸濁液に種晶を加える方法をともに行う方法、(iv)溶液または懸濁液を攪拌する方法および溶液または懸濁液の温度を変化させる方法をともに行う方法、(v)溶液または懸濁液を攪拌する方法および溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法をともに行う方法、(vi)溶液または懸濁液を攪拌する方法および溶液または懸濁液の液量を減少させる方法をともに行う方法、(vii)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の温度を変化させる方法および溶液または懸濁液に種晶を加える方法をともに行う方法、(viii)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法および溶液または懸濁液に種晶を加える方法をともに行う方法、(ix)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の液量を減少させる方法および溶液または懸濁液に種晶を加える方法をともに行う方法、(x)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の温度を変化させる方法および溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法をともに行う方法、(xi)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の温度を変化させる方法、溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法および溶液または懸濁液に種晶を加える方法をともに行う方法、(xii)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の温度を変化させる方法および溶液または懸濁液の液量を減少させる方法をともに行う方法、(xiii)溶液または懸濁液を攪拌する方法、溶液または懸濁液の温度を変化させる方法、溶液または懸濁液の液量を減少させる方法および溶液または懸濁液に種晶を加える方法をともに行う方法である。上記した中でも、(ii)、(v)および(x)の方法が好ましく、(v)の方法がより好ましい。【0013】晶出した結晶は、例えばろ過、遠心分離などの方法によって分取することができる。晶出した結晶はそのまま、あるいは必要に応じ、洗浄または乾燥させ、ついで必要に応じ、さらに1回もしくは2回以上(好ましくは2〜3回)再結晶に付してもよい。具体的には、晶出した結晶を非プロトン性極性溶媒(A)を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、さらに1回もしくは2回以上、上記と同様の方法により晶出させてもよいし、またはエステル類(例、酢酸エチルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数5〜8の炭化水素など)、エーテル類(例、tert-ブチルメチルエーテルなど)、水またはそれらの二種以上(好ましくは二〜三種)の混合溶媒から1回もしくは2回以上再結晶させてもよい。かかる再結晶は、晶出した結晶をエステル類(例、酢酸エチルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数6〜8の炭化水素など)、エーテル類(例、tert-ブチルメチルエーテルなど)、水またはそれらの二種以上(好ましくは二〜三種)の混合溶媒に溶解または懸濁させた後に、上記した該溶液または懸濁液を攪拌する方法、該溶液または懸濁液に種晶を加える方法、該溶液または懸濁液の温度を変化させる方法、該溶液または懸濁液の溶媒組成を変化させる方法、該溶液または懸濁液の液量を減少させる方法、またはこれらの方法の二種以上を組合せる方法など(具体的には上記(i)〜(xiii)に記載の方法)を実施すればよい。【0014】最終的に得られた結晶を例えば注射剤の製造に使用する場合には、本発明の製造法は好ましくはさらに脱パイロジェン化工程および/または無菌化工程を含む。脱パイロジェン化工程とは、限外ろ過器あるいはポジダインなどのフィルターに通液することによりエンドトキシン等のパイロジェンを除去する工程を指す。より具体的に以下に二例を挙げて説明する。▲1▼化合物(I)の結晶を、例えば化合物(I)に対し約1〜約5当量(好ましくは約1.5〜約3当量)の水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液に溶解させ、同溶液を限外ろ過器(旭化成製限外ろ過モジュール、SIP−0013)に通液する。▲2▼(i)化合物(I)の結晶、(ii)THFなどの非プロトン性極性溶媒および(iii)水を混合し溶解させ、同液をポジダインフィルター(ポール製ポジダイン、SLK7002NFZP)に通液する。非プロトン性極性溶媒と水のそれぞれの混合体積比(非プロトン性極性溶媒:水)は20:1〜5:1(好ましくは12:1〜7:1)であるのが好ましい。無菌化工程とは、メンブレンあるいはポジダインなどのフィルターに通液することにより除菌する工程を指す。より具体的に以下に二例を挙げて説明する。▲1▼(i)化合物(I)またはその塩、(ii)THFなどの非プロトン性極性溶媒および(iii)水を混合し溶解させ、同液をメンブレンフィルター(ポール製ウルチポアN66,SLK7002NFP)に通液する。非プロトン性極性溶媒と水のそれぞれの混合体積比(非プロトン性極性溶媒:水)は20:1〜5:1(好ましくは12:1〜7:1)であるのが好ましい。▲2▼(i)化合物(I)またはその塩、(ii)THFなどの非プロトン性極性溶媒および(iii)水を混合し溶解させ、同液をポジダインフィルター(ポール製ポジダインSLK7002NFZP)に通液する。非プロトン性極性溶媒と水のそれぞれの混合体積比(非プロトン性極性溶媒:水)は20:1〜5:1(好ましくは12:1〜7:1)であるのが好ましい。【0015】ろ過、遠心分離などの方法によって分取した目的の結晶を洗浄する方法としては、得られた湿結晶を水、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、ケトン類(例、アセトン等)、エステル類(例、酢酸エチル等)またはそれらの二種以上の混合溶媒に混合した後に、0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間、該混合液を攪拌する方法などが挙げられる。ろ過、遠心分離などの方法によって分取した目的の結晶を乾燥させる方法としては、例えば、減圧乾燥、通気乾燥、加熱乾燥、自然乾燥などが挙げられる。【0016】本発明の製造法により得られる結晶の特徴を下記に記す。(1)THFなどの非プロトン性極性溶媒を5000ppm以下(好ましくは1000ppm以下、より好ましくは720ppm以下)含有する。(2)実質的にスズ化合物(特に有機スズ化合物)を含有しない。ここで、「実質的にスズ化合物を含有しない」とは、結晶中のスズ化合物の含有量が1000ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは10ppm以下であることを意味する。(3)実質的に化合物(I)の類縁物質を含有しない。ここで、「実質的に化合物(I)の類縁物質を含有しない」とは、結晶中の化合物(I)の類縁物質(例、ケトン体、エチルエステル体など)の含有量が1%以下、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下であることを意味する。(4)実質的に残留有機溶媒を含有しない。残留有機溶媒とは化合物(I)またはその塩を製造する工程で使用されるジクロロメタン、メタノール、アセトンなどの溶媒であり、「実質的に残留有機溶媒を含有しない」とは、結晶中の該残留有機溶媒の合計含有量が5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下であり、かつ、ジクロロメタンの残留量は50ppm未満であることを意味する。(5)実質的にパイロジェンフリーである。「実質的にパイロジェンフリー」とは、日本薬局方・一般試験法「エンドトキシン試験法」に準じて試験した場合に、化合物(I)中のエンドトキシン量が1.25EU/mg以下となることを意味する。(6)実質的に無菌である。「実質的に無菌」とは、化合物(I)中の生菌存在量が0個/gであることを意味する。【0017】化合物(I)は下記(A)または(B)の方法によっても精製することができる。(A)化合物(I)またはその塩を、加熱したアルコール類(例、メタノール、エタノール等;好ましくはエタノール)またはその水との混合溶媒に溶解または懸濁させた後に該溶液または懸濁液を冷却することにより目的とする化合物(I)の結晶を製造することができる。該「加熱したアルコール類またはその水との混合溶媒」の温度は約40℃〜約90℃、好ましくは約60℃〜約85℃である。好ましい溶媒はエタノールまたはエタノールと水との混合溶媒である。アルコール類と水との混合溶媒から再結晶化する場合、それぞれの混合体積比(アルコール類:水)は30:1〜3:1、好ましくは15:1〜5:1である。「冷却」は該溶液または懸濁液の温度を約10〜約100℃、好ましくは約50〜約80℃低下させるのが好ましい。かかる再結晶操作は一回もしくは二回以上(好ましくは二〜三回)行なわれる。得られた結晶は好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドなどのアルカリ水溶液による加水分解反応に付される。該加水分解反応に使用されるアルカリは化合物(I)に対し約2ないし5当量である。該加水分解反応は約50〜約100℃、好ましくは約70〜約90℃の温度で攪拌下行なわれる。反応時間は約0.1〜約10時間、好ましくは約1〜約5時間である。該加水分解反応に付した後に、該反応液を約−10〜30℃、好ましくは約0〜10℃に冷却し、所望によりメタノールなどのアルコール類存在下、酸(例、塩酸などの無機酸)を混合(好ましくは滴下)することにより、目的の結晶を得ることができる。晶出した結晶は、例えばろ過、遠心分離などの方法によって分取することができる。晶出した結晶はそのまま、あるいは必要に応じ、洗浄または乾燥させ、ついで必要に応じ、得られた結晶をアルカリ水溶液(例、水酸化ナトリウム水溶液)に溶解または懸濁させ、所望によりメタノールなどのアルコール類存在下、酸(例、塩酸などの無機酸)を混合(好ましくは滴下)し一回もしくは二回以上(好ましくは二〜三回)再結晶化してもよい。最終的に得られた結晶を注射剤の製造に使用する場合には、斯かる製造法において、前記と同様の脱パイロジェン化工程および/または無菌化工程を含んでいるのが好ましい。結晶を洗浄または乾燥させる方法としては、前記と同様の洗浄方法および乾燥方法が挙げられる。【0018】(B)METまたはその塩を再結晶化し、得られたMETまたはその塩の結晶を加水分解反応に付した後に結晶を晶出させることにより目的とする化合物(I)の結晶を製造することができる。上記METまたはその塩の再結晶は、例えばMETまたはその塩を加熱したアセトンなどのケトン類またはその水との混合溶媒に溶解または懸濁させた後に該溶液または懸濁液を冷却することにより行なわれる。該「加熱したケトン類またはその水との混合溶媒」の温度は約40℃〜約80℃、好ましくは約45℃〜約70℃である。好ましい溶媒はアセトンまたはアセトンと水との混合溶媒である。ケトン類と水との混合溶媒から再結晶化する場合、それぞれの混合体積比(ケトン類:水)は30:1〜3:1、好ましくは15:1〜5:1である。「冷却」は該溶液または懸濁液の温度を約30〜約80℃、好ましくは約40〜約70℃低下させるのが好ましい。かかる再結晶操作は一回もしくは二回以上(好ましくは二〜三回)行なわれる。加水分解反応は、例えば得られたMETまたはその塩の結晶を好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドなどのアルカリ水溶液を混合することにより行なわれる。加水分解反応に使用されるアルカリはMETまたはその塩に対し約2〜5当量である。該加水分解反応は約40〜約100℃、好ましくは約55〜約85℃の温度で攪拌下行なわれる。反応時間は約0.1〜約10時間、好ましくは約0.5〜約5時間である。該加水分解反応に付した後に、該反応液を約−10〜約30℃、好ましくは約−5〜約15℃に冷却し、所望によりメタノールなどのアルコール類存在下、酸(例、塩酸などの無機酸)を混合(好ましくは滴下)することにより、目的の結晶を得ることができる。晶出した結晶は、例えばろ過、遠心分離などの方法によって分取することができる。晶出した結晶はそのまま、あるいは必要に応じ、洗浄または乾燥させ、ついで必要に応じ、得られた結晶をアルカリ水溶液(例、水酸化ナトリウム水溶液)に溶解または懸濁させ、所望によりメタノールなどのアルコール類存在下、酸(例、塩酸などの無機酸)を混合(好ましくは滴下)し一回もしくは二回以上(好ましくは二〜三回)再結晶化してもよい。斯かる製造法において、前記と同様の脱パイロジェン化工程および/または無菌化工程を含んでいるのが好ましい。結晶を洗浄または乾燥させる方法としては、前記と同様の洗浄方法および乾燥方法が挙げられる。【0019】前記「エステル類」としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどの酢酸C1−4アルキルエステル、ギ酸エチルなどが挙げられる。前記「ケトン類」としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。前記「フェノール類」としては、例えば、アニソールなどが挙げられる。前記「アルコール類」としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどの低級アルコール類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールなどのC1−3アルコキシで置換された低級アルコール類:エチレングリコールなどが挙げられる。前記「エーテル類」としては、例えば、tert-ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,1−ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシプロパン、2,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。前記「芳香族炭化水素類」としては、例えば、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどが挙げられる。前記「アミド類」としては、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。前記「スルホキシド類」としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。前記「炭化水素類」としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどのC3−10アルカン、好ましくはC6−10アルカンが挙げられる。前記「ニトリル類」としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。前記「ハロゲン化炭化水素類」としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエテン、トリクロロエテンなどのハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で1〜5個置換されていてもよいC1−6アルカンが挙げられる。前記「ピリジン類」としては、例えば、ピリジンなどが挙げられる。【0020】本発明の方法で晶出させた結晶またはその乾燥結晶は、類縁物質、スズ化合物、ジクロロメタンのような毒性の強い溶媒を実質的に含まず、毒性も低く、そのまま、あるいは薬学的に許容される担体と混合して医薬組成物とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して、下記する疾患の予防・治療剤として用いることができる。ここにおいて、薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えばα化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。【0021】防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。着色剤の好適な例としては、例えば水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。甘味剤の好適な例としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。【0022】医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、硝子体内注射剤など)、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、徐放剤等の非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与できる。医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。以下に、製剤の具体的な製造法について詳述する。【0023】例えば、経口剤は、有効成分に、例えば賦形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトールなど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプン,アラビアゴム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤(例、タルク,ステアリン酸マグネシウム,ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティング基剤を用いて自体公知の方法でコーティングすることにより製造される。該コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。【0024】腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。【0025】注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソルベート80,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60など),ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン,プロピルパラベン,ベンジルアルコール,クロロブタノール,フェノールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,グリセリン,D−マンニトール,D−ソルビトール,ブドウ糖など)などと共に水性溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,リンゲル液等)あるいは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,トウモロコシ油などの植物油、プロピレングリコール等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。この際、所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム等)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール等)等の添加物を用いてもよい。【0026】本発明の医薬組成物は、好ましくは徐放性製剤に製剤化される。かかる徐放性製剤としては例えば、〔1〕化合物(I)またはその塩、および生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤、〔2〕生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキシカルボン酸重合体である〔1〕記載の徐放性製剤、〔3〕α−ヒドロキシカルボン酸重合体が乳酸−グリコール酸重合体である〔1〕記載の徐放性製剤、〔4〕乳酸とグリコール酸の組成モル比が100/0〜40/60である〔3〕記載の徐放性製剤、〔5〕重合体の重量平均分子量が3,000〜50,000である〔2〕記載の徐放性製剤、〔6〕注射用である〔1〕記載の徐放性製剤、〔7〕多価金属を含有してなる〔1〕記載の徐放性製剤、〔8〕多価金属が亜鉛である〔7〕記載の徐放性製剤、または〔9〕化合物(I)またはその塩、生体内分解性ポリマーおよび多価金属を含有してなる徐放性製剤が挙げられる。かかる徐放性製剤はEP−A−1058541に記載の方法に準じて製造、使用される。【0027】さらに別の態様の徐放性製剤としては〔1〕化合物(I)またはその塩、水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分および生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤、〔2〕生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキシカルボン酸重合体である〔1〕記載の徐放性製剤、〔3〕α−ヒドロキシカルボン酸重合体が乳酸−グリコール酸重合体である〔2〕記載の徐放性製剤、〔4〕乳酸とグリコール酸の組成モル比が100/0〜40/60である〔3〕記載の徐放性製剤、〔5〕重合体の重量平均分子量が3,000〜50,000である〔2〕記載の徐放性製剤、〔6〕注射用である〔1〕記載の徐放性製剤、〔7〕多価金属が亜鉛である〔1〕記載の徐放性製剤、〔8〕多価金属化合物が酸化亜鉛である〔1〕記載の徐放性製剤、〔9〕さらに多価金属を含有してなる〔1〕記載の徐放性製剤、または〔10〕多価金属が亜鉛である〔9〕記載の徐放性製剤が挙げられる。かかる徐放性製剤はWO 01/60410(PCT/JP01/01191)に記載の方法に準じて製造、使用される。【0028】化合物(I)またはその薬学的に許容される塩の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウス、ラット、ウサギ等)、特に成人(体重50kg)に経口投与する場合、有効成分である化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を通常1回量として約0.001〜500mg、好ましくは0.1〜50mgであり、この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。一方、本発明の医薬組成物を徐放性製剤に製剤化する場合のその投与量は、主薬である化合物(I)の含量、剤形、生理活性化合物放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種々異なるが、生理活性化合物の有効量であればよい。主薬である生理活性化合物の1回当たりの投与量としては、例えば、徐放性製剤が1か月製剤である場合、好ましくは、成人1人当たり約0.01mg〜10mg/kg体重の範囲,さらに好ましくは約0.05mg〜5mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。1回当たりの徐放性製剤の投与量は、成人1人当たり好ましくは、約0.05mg〜50mg/kg体重の範囲、さらに好ましくは約0.1mg〜30mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。投与回数は、数週間に1回、1か月に1回、または数か月(例、3か月、4か月、6か月など)に1回等、化合物(I)またはその塩の含量、剤形、生理活性化合物の放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって適宜選ぶことができる。また、本発明の医薬組成物を徐放性製剤とした場合は、寝たきり、痴呆症、咽喉・食道疾患、消化器疾患、摂食・嚥下障害患者、手術時などの内服薬での治療が困難または不可能な患者にも有利に用いることができる。【0029】生理活性化合物としての化合物(I)またはその塩の対象となる疾患としては、アンギオテンシンII受容体を介して発現する血管の収縮および増殖や臓器障害により、アンギオテンシンIIの存在により、あるいはアンギオテンシンIIが存在すると誘発される因子により、発症または発症が促進する疾患などが挙げられる。このような疾患としては、例えば高血圧症、血圧日内変動異常、心疾患(心肥大、急性心不全およびうっ血性を含む慢性心不全、心筋症、狭心症、心筋炎、不整脈、頻脈、心筋梗塞など)、脳血管障害(無症候性脳血管障害、一過性脳虚血発作、脳卒中、脳血管性痴呆、高血圧性脳症など)、脳浮腫、脳循環障害、脳血管障害の再発および後遺症(神経症候、精神症候、自覚症状、日常生活動作障害など)、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、糖尿病、糖尿病性合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害など)、腎疾患(腎炎、糸球体腎炎、糸球体硬化症、腎不全、血栓性微小血管症、透析の合併症、放射線照射による腎症を含む臓器障害など)、アテローム性を含む動脈硬化症(動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症など)、血管肥厚、インターベンション(経皮的冠動脈形成術、ステント留置、冠動脈内視鏡、血管内超音波、冠注血栓溶解療法など)後の血管肥厚または閉塞および臓器障害、バイパス手術後の血管再閉塞・再狭窄、移植後の赤血球増加症・高血圧・臓器障害・血管肥厚、移植後の拒絶反応、眼疾患(緑内障、高眼圧症など)、血栓症、多臓器不全、内皮機能障害、高血圧性耳鳴り、その他の循環器系疾患(深部静脈血栓症、閉塞性末梢循環障害、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎、虚血性脳循環障害、レイノー病、バージャー病など)、代謝・栄養障害(肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病、耐糖能異常、高尿酸血症、高カリウム血症、高ナトリウム血症など)、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、エイズ脳症など)、中枢神経障害(脳出血および脳梗塞等の障害およびその後遺症・合併症、頭部外傷、脊椎損傷、脳浮腫、知覚機能障害、知覚機能異常、自律神経機能障害、自律神経機能異常、多発性硬化症など)、痴呆症、記憶障害、意識障害、健忘症、不安症状、緊張症状、不快精神状態、精神疾患(うつ病、てんかん、アルコール依存症など)、炎症性疾患(網膜症、腎症、神経障害、大血管障害等の糖尿病性合併症;慢性関節リウマチ、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、骨膜炎等の関節炎;手術・外傷後の炎症;腫脹の緩解;咽頭炎;膀胱炎;肺炎;アトピー性皮膚炎;クローン病、潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患;髄膜炎;炎症性眼疾患;肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、肺結核等の炎症性肺疾患など)、アレルギー疾患(アレルギー性鼻炎、結膜炎、消化管アレルギー、花粉症、アナフィラキシーなど)、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、カリニ肺炎、膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発動脈炎等)、肝臓疾患(慢性を含む肝炎、肝硬変など)、門脈圧亢進症、消化器疾患(胃炎、胃潰瘍、胃癌、胃手術後障害、消化不良、食道潰瘍、膵炎、大腸ポリープ、胆石症、痔疾患など)、血液・造血器疾患(赤血球増加症、血管性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、播種性血管内凝固症候群、多発性骨髄症など)、骨疾患(例、骨折,再骨折,骨粗鬆症,骨軟化症,骨ペーチェット病,硬直性脊髄炎,慢性関節リウマチ,変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の破壊など)、固形腫瘍、腫瘍(悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器(例、胃、腸など)癌など)、癌およびそれに伴う悪液質、癌の転移、内分泌疾患(アジソン病、クッシング症候群、褐色細胞種、原発性アルドステロン症など)、クロイツフェルト−ヤコブ病、泌尿器・男性性器疾患(膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺癌、性感染症など)、婦人科疾患(更年期障害、妊娠中毒、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳腺疾患、性感染症など)、環境・職業性因子による疾患(放射線障害、紫外線・赤外線・レーザー光線による障害、高山病など)、呼吸器疾患(かぜ症候群、肺炎、喘息、肺高血圧症、肺血栓・肺塞栓など)、感染症(サイトメガルウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルス感染症、リケッチア感染症、細菌感染症など)、毒血症(敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシンショック症候群など)、耳鼻咽喉疾患(メヌエル症候群、耳鳴り、味覚障害、めまい、平衡障害、嚥下障害など)、皮膚疾患(ケロイド、血管腫、乾癬など)、透析低血圧、重症筋無力症、慢性疲労症候群などの全身疾患が挙げられる。また、長期的にアンジオテンシンIIの作用を抑制することにより、成人病や老化などに伴うさまざまな疾患の原因となる生体機能および生理作用の障害または異常を改善または亢進を抑制し、これらに起因する疾患または病態の一次および二次予防または進展を抑制できる。このような生体機能および生理作用の障害または異常としては、例えば、脳循環・腎循環自動調節能の障害または異常、循環障害(末梢、脳、微小循環など)、脳血液関門の障害、インスリン感受性の低下、食塩感受性、凝固・線溶系異常、血液・血球成分の性状異常(血小板凝集能亢進、赤血球変形能の異常、白血球粘着能の亢進、血液粘度の上昇など)、増殖因子やサイトカイン(PDGF,VEGF, FGF,インターローキン、TNF-α, MCP-1 など)の産生および作用亢進、炎症系細胞の産生および浸潤亢進、フリーラジカルの産生亢進、脂肪沈着促進、内皮機能障害、内皮、細胞および臓器障害、浮腫、平滑筋などの細胞の形態変化(増殖型などへの形態変化)、血管作動性物質や血栓誘発物質(エンドセリン、トロンボキサンA2 など)の産生および機能亢進、血管などの異常収縮、耐糖能異常、代謝異常(血清脂質異常、血糖異常など)、細胞などの異常増殖、血管新生(粥状動脈硬化巣外膜の異常毛細血管網形成における異常な脈管形成を含む)などが挙げられ、なかでも、種々の疾患に伴う臓器障害(例、脳血管障害およびそれに伴う臓器障害、循環器疾患に伴う臓器障害、糖尿病に伴う臓器障害、インターベーション後の臓器障害など)の一次および二次予防・治療剤として、有利に用いることができる。さらに、門脈圧亢進症予防・治療剤として有利に使用することが可能である。食道静脈瘤破裂は夜間に多発する(Hepatology 1994;19:595-601)ことが知られており、本発明の医薬組成物(好ましくは、徐放性製剤)では、一定の血液中濃度を昼夜問わず維持することが可能なため、経口剤で投与する場合に比較して、投与量・回数の低減が可能であるばかりでなく、血中薬物濃度の変動が少ないことから安定した門脈圧の低下が期待できる。以上の本剤の特長は食道や胃の静脈瘤破裂の予防薬としての有用性を示すものである。また、服用の中断などによる病状の変化が起きないため、治療効果がより明確になることも期待される。さらに、本発明の医薬組成物はHGF(Hepatocyte Growth Factor:肝細胞増殖因子)産生促進に有効であることが期待され、肝再生および肝機脳回復への寄与が期待できる。また、化合物(I)またはその塩の血液中濃度を、昼夜問わず一定に維持することにより、脳梗塞等の脳血管障害の予防・治療効果がより明確になることも期待される。本発明の医薬組成物は通常アンギオテンシンII拮抗剤と併用される利尿降圧剤(経口剤)を併用してもよい。また、その他の脂質低下薬またはコレステロール低下薬、HMG−Co A還元酵素(3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase)阻害薬、インシュリン感受性改善薬、骨疾患治療薬、心筋保護薬、冠動脈疾患治療薬、他の高血圧治療薬、慢性心不全治療薬、糖尿病治療薬、肝臓疾患治療薬、胃・十二指腸潰瘍治療薬治療薬、胆道疾患治療薬、甲状腺機能低下治療薬、ネフローゼ症候群治療薬、慢性腎不全治療薬、婦人科疾患治療薬、泌尿器・男性性器疾患治療薬または感染症治療薬を含む他の医薬成分と共に使用されてもよく、この場合、これらの化合物は経口製剤として投与されてもよく、また必要により直腸製剤として坐薬の形態で投与されてもよい。この場合の可能な組み合わせ成分は、例えばフィブレート類〔例、クロフィブレート、ベンザフィブレート、ジェムフィプロジル等〕,ニコチン酸、その誘導体および類縁体〔例、アシピモックスおよびプロブコール〕,胆汁酸結合樹脂〔例、コレスチラミン、コレスチポール等〕,コレステロール吸収を抑制する化合物〔例、シトステロールやネオマイシン等〕,スクアレンエポキシダーゼ阻害薬〔例、NB−598および類縁化合物等〕が挙げられる。更に別の可能な組み合わせ成分は、オキシドスクアレン−ラノステロールサイクラーゼ、例えばデカリン誘導体、アザデカリン誘導体およびインダン誘導体である。また、以下の各種治療薬との組み合わせも可能である。高血圧治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシックス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイアート)〕,降圧薬〔例、ACE阻害薬、(マレイン酸エナラプリル(レニベース)など)及びCa 拮抗薬(マニジピン、アムロジピンなど)、αまたはβ受容体遮断薬など〕など慢性心不全治療薬:強心薬〔例、強心配糖体(ジゴキシンなど)、β受容体刺激薬(デノパミンおよびドブタミンなどのカテコラミン製剤)およびPDE阻害薬など〕,利尿薬〔例、フロセミド(ラシックス)、スピロノラクトン(アルダクトン)など〕,ACE阻害薬、〔例、マレイン酸エナラプリル(レニベース)など〕、Ca 拮抗薬〔例、アムロジピンなど〕およびβ受容体遮断薬など抗不整脈薬:ジソピラミド、リドカイン、硫酸キニジン、酢酸フレカイニド、塩酸メキシレチン、塩酸アミオダロン、およびβ遮断薬、Ca拮抗薬など骨疾患治療薬:カルシウム製剤(例、炭酸カルシウム等)、カルシトニン製剤、活性型ビタミンD3製剤(例、アルファカルシドール(アルファロールなど)、カルシトリオール(ロカルトロール)等)、性ホルモン類(例、エストロゲン,エストランジオール等)、ホルモン製剤〔例、結合型エストロゲン(プレマリン)など〕、イブリフラボン製剤(オステンなど)、ビタミンK2、ビタミンK2製剤〔例、メナテトレノン(グラケー)など〕、ビスホスホン酸系製剤(エチドロネートなど)、プロスタグランジンE2、フッ素化合物(例、フッ化ナトリウム等)、骨形成タンパク(BMP)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF−β)、インスリン様成長因子−1及び2(IGF−1,−2)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヨーロッパ出願公開EP−A1−376197号公報,EP−A1−460488号公報およびEP−A1−719782号公報記載の化合物(例、(2R.4S)-(-)-N-[4-(diethoxyphosphorylmethyl)phenyl]-1,2,4,5-tetrahydro-4-methyl-7,8-methylenedioxy-5-oxo-3-benzothiepin-2-carboxamide等)など;糖尿病治療薬:アクトス、ロジグリタゾン、キネダック,ベンフィル,ヒューマリン,オイグルコン,グリミクロン,ダオニール,ノボリン,モノタード,インシュリン類,グルコバイ,ジメリン,ラスチノン,バシルコン,デアメリンS,イスジリン類など;肝臓疾患治療薬:グリチルリチン製剤〔例、強力ミノファーゲン等〕、肝水解物、SH化合物〔例、グルタチオン等〕、特殊アミノ酸製剤〔例、アミノレバン等〕、リン脂質〔例、ポリエンホスファチジルコリン等〕、ビタミン類〔例、ビタミンB1,B2,B6,B12,C等〕、副腎皮質ホルモン〔例、デキサメタゾン、ベタメタゾン等〕、インターフェロン〔例、インターフェロンα、β等〕、肝生脳症治療薬〔例、ラクツロース等〕、食道、胃静脈瘤破裂時に用いられる止血剤〔例、バソプレッシン、ソマトスタチン等〕など;胃・十二指腸潰瘍治療薬治療薬:制酸剤〔例、ヒスタミンH2拮抗薬(シメチジン等)、プロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾール等)など〕;胆道疾患治療薬:催胆薬〔例、デヒドロコール酸等〕、排胆剤〔例、硫酸マグネシウム等〕など;甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺(チレオイド),レボチロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロニジンナトリウム(サイロニン、チロミン)など;ネフローゼ症候群治療薬:通常、第一選択として採用されるステロイド療法には、プレドニゾロン(プレドニン),コハク酸プレドニゾロンナトリウム(プレドニン),コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル・メドロール),ベタメタゾン(リンデロン)等が用いられる。又抗凝固療法にはジピリダモール(ベルサンチン),塩酸ジラゼプ(コメリアン)、チクロピジン、クロピドグレル、FXa阻害剤等の抗血小板薬ならびに抗凝固薬が用いられる;HMG−Co A還元酵素阻害薬:セリバスタチン、アトロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、イタバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、(+)−3R,5S−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メタンスルホニルアミノ)ピリミジン−5−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6(E)−ヘプテン酸など;慢性腎不全治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシックス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイアート)〕,降圧薬(例、ACE阻害薬、(マレイン酸エナラプリル(レニベース))及びCa 拮抗薬(マニジピン)、α受容体遮断薬などと組み合わせて、投与する際、好ましくは経口投与で使用し得る。血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬〔例、ヘパリンナトリウム,ヘパリンカルシウム,ワルファリンカルシウム(ワーファリン),血液凝固因子Xa阻害薬ならびに凝固線溶系のバランス是正機能を有する薬剤〕,血栓溶解薬〔例、tPA,ウロキナーゼ〕,抗血小板薬〔例、アスピリン,スルフィンピラゾロ(アンツーラン),ジピリダモール(ペルサンチン),チクロピジン(パナルジン),シロスタゾール(プレタール),GPIIb/IIIa拮抗薬(レオプロ)〕など冠血管拡張薬:ニフェジピン,ジルチアゼム,ニコラジル,唖硝酸剤など心筋保護薬:心臓ATP−K用 開口薬、Na-H交換阻害薬、エンドセリン拮抗薬、ウロテンシン拮抗薬など抗炎症薬:アスピリン、アセトアミノフェン、非ステロイド抗炎症剤〔例、インドメタシンなど〕、ステロイド剤〔例、デキサメタゾンなど〕など抗アレルギー薬:抗ヒスタミン薬〔例、マレイン酸クロルフェニラミンなど〕、刺激療法剤〔例、ブシラミンなど〕、その他塩酸アゼラスチン、セラトロダスト、トラニラスト、オキサトミド、強力ネオミノファーゲンシー、トラネキサム酸、フマル酸ケトチフェンなど抗腫瘍薬:アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質製剤、抗腫瘍性植物成分製剤およびその他の抗腫瘍薬など中枢神経系作用薬:抗不安薬、催眠鎮静薬、麻酔薬、鎮けい薬、自律神経薬、抗パーキンソン薬およびその他の精神神経用薬など婦人科疾患治療薬:[例、更年期障害治療薬(結合型エストロゲン、エストラジオール、エナント酸テストステロン・吉草酸エストラジオールなど)、乳癌治療薬(クエン酸タモキシフェンなど)、子宮内膜症・子宮筋腫治療薬(酢酸リュープロレリン、ダナゾールなど)]など泌尿器・男性性器疾患治療薬:[例、前立腺肥大症治療薬(塩酸タムスロシン、塩酸プラゾシン、酢酸クロルマジノンなど)、前立腺がん(酢酸リュープロレリン、酢酸ゴセレリン、酢酸クロルマジノンなど)]など感染症治療薬:[例、抗生物質製剤(塩酸セファチアム、塩酸セフォゾプラン、アンピシリンなど)、化学療法剤(サルファ剤、合成抗菌剤、抗ウイルス剤など)、生物学的製剤(ワクチン類、免疫グロブリンなどの血液製剤類)など]などその他に抗肥満薬(マジンドールなど)、抗リューマチ薬などさらには、生体由来の各種因子またはその遺伝子導入による治療(例、HGF、VEGF等の血管新生促進因子またはそれらの遺伝子導入による虚血性疾患治療等)などこれらの薬剤と本発明の医薬組成物とを組み合わせて用いる場合、各薬物を一つの組成物(例、徐放性製剤)に配合してもよいが、上記の薬剤を薬理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合して製剤化し、本発明の医薬組成物(例、徐放性製剤)と別々にあるいは同時に投与することができる。薬物を別々に製剤化した場合、別々に製剤化したものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与することができるが、別々に製剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に、同一対象に投与してもよい。【0030】【発明の実施の形態】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。【0031】高速液体クロマトグラフィー条件(A)カラム:Nova−Pac C−18(Waters製)移動相:(A)MeOH/H2O/AcOH(50:50:1)(B)MeOH/H2O/AcOH(90:10:1)グラジエントプログラム:カラムを移動相(A)で平衡にした後、試料溶液を注入する。直ちに、移動相の組成が40分間で(B)になるように、組成を直線的に変化させる。流速:0.8mL/min検出:UV254nm【0032】【実施例】参考例1メチル 2-[[(2'-シアノビフェニル-4-イル)メチルアミノ]−3−ニトロベンゾエイト[MBN]の合成2-(4-メチルフェニル)ベンゾニトリル[MPB] 23g、N−ブロモこはく酸イミド[NBS] 22gおよび2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)47mgをジクロロメタン44mlに懸濁させ、45〜50℃で約5時間攪拌下反応を進行させた。水46mlを加え、分液し、有機層を得た(同操作を合計3回実施)。有機層を濃縮し、アセトニトリル50mlを加えた。再度濃縮し、アセトニトリル50mlを加え、2-(4-ブロモメチルフェニル)ベンゾニトリル[BMB]のアセトニトリル溶液を116g得た(2-(4-ブロモメチルフェニル)ベンゾニトリルの定量値から算出した収率 : 84%)。未反応の2-(4-メチルフェニル)ベンゾニトリル[MPB]およびBMBの類縁化合物である2-(4,4-ジブロモメチルフェニル)ベンゾニトリルが混入する同アセトニトリル溶液に、メチル 2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-ニトロベンゾエイト[BAN] 30.1g、炭酸カリウム40.8gおよびアセトニトリル160mlを加え、約82℃で約5時間攪拌下反応を進行させた。室温まで冷却し、析出結晶をろ去し、ろ液を濃縮し、メチル 2−[N−t−ブトキシカルボニル−N−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[BBN]を得た。同濃縮物をメタノール190gに溶解させ、濃塩酸106gを滴下後、2時間かけて還流温度まで加熱し、さらに還流下で2時間攪拌することにより反応を進行させた。反応液を冷却し、析出した結晶をろ取・乾燥し、メチル 2-[N-(2'-シアノビフェニル-4-イル)メチルアミノ]−3−ニトロベンゾエイト[MBN]を35.1g得た(2-(4-メチルフェニル)ベンゾニトリル[MPB]に対する収率は76.1%)。【0033】参考例2メチル 2−カルボキシ−3−ニトロベンゾアート[MNA]の合成3−ニトロフタル酸[NPA](660kg)、オルトぎ酸トリメチル(400kg)、濃硫酸(115kg)およびメタノール(1180kg)を混合して、 還流下、約15〜20時間加熱(59〜65℃)撹拌した。反応液を冷却後、40℃以下で減圧濃縮した。残留物を30℃以下に冷却し、水(900L)を加え、5℃以下に冷却した。析出した結晶を遠心分離器で分離し、水洗後、50℃で約50時間乾燥して、メチル 2−カルボキシ−3−ニトロベンゾアート[MNA](666.8kg、94.7%)を得た。融点 166〜168℃1H−NMR(200MHz,CDCl3)δ:4.03(3H,s),7.74(1H,t),8.39(1H,dd),8.42(1H,dd)【0034】参考例3メチル 2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ニトロベンゾアート[BAN]の合成参考例2で得たメチル 2−カルボキシ−3−ニトロベンゾアート[MNA](164kg)をジメチルホルムアミド[DMF](242kg)に溶解し、ジフェニルホスホリルアジド[DPPA](204kg)を室温で添加し、20〜35℃に保ちながら、トリエチルアミン(87kg)を滴下した。20〜30℃で約3時間撹拌した後、反応液にt−ブチルアルコール(930kg)を加えた。3〜5時間掛けて、85〜90℃まで昇温し、還流下(85〜90℃)、1〜2時間撹拌した。反応液を冷却後、濃縮して酢酸エチル(1400L)に溶解した。15%塩酸(160L)と水(1890L)の混合液、水(660L)、5%重曹水(1100kg)、水(660L)で順次洗浄し、有機層を減圧濃縮した。メタノール(300kg)を添加して、減圧濃縮した。残留物に、晶種(15kg)とメタノール(450kg)を添加し、50〜60℃に加熱して、溶解した。5℃まで冷却した後、結晶を分離し、冷メタノール(100L)で洗浄後、乾燥して、メチル 2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ニトロベンゾアート[BAN](187.0kg、86.7%)を得た。母液と洗液を減圧濃縮した後、冷却し、析出した結晶を遠心分離し、冷メタノールで洗浄後、乾燥して、BAN第2結晶を得た。1H−NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.50(9H,s),3.96(3H,s),7.23(1H,t),8.10(1H,dd),8.17(1H,dd)IR(KBr)cm−1:3360,1730,1705,1580,1520,1490,1440,1365,1355,1310,1270,1240,1150,870,835,770,725,705【0035】参考例4(1)4−(2−ブロモメチルフェニル)ベンゾニトリル[BMB]の合成2−(4−メチルフェニル)ベンゾニトリル[MPB](271kg)、N−ブロモこはく酸イミド[NBS](256kg)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[ABN−V](543kg)および塩化メチレン(680kg)を45〜50℃還流下で撹拌し、HPLCで4−(2−ブロモメチルフェニル)ベンゾニトリル[BMB]の面積百分率が82%以上になるまで(約2〜5時間)反応を進行させた。反応液を38〜42℃に冷却した後、塩化メチレン(250kg)を加えた。水(540L)を加え、分液し、得られた水層を塩化メチレン50kgで抽出し、有機層を合わせる操作を合計3回繰り返した。塩化メチレン層を、常圧下(内温:約46℃)で約700L(MPBの約2.5倍容量)にまで濃縮した。アセトニトリル(約640kg)を添加して、内温を45〜55℃(望ましくは45〜50℃)に保ちながら、減圧下(約200〜450mmHg)で約1100Lにまで濃縮した後、アセトニトリル(約480kg)を添加して、内温を45〜55℃(望ましくは45〜50℃)に保ちながら、減圧下(約200〜450mmHg)で約500Lにまで濃縮した。残留物にアセトニトリル(約480kg)を添加して、液量を約1100Lとし、2−(4−ブロモメチルフェニル)ベンゾニトリル[BMB]、未反応の2−(4−メチルフェニル)ベンゾニトリル[MPB]およびBMBの類縁化合物である2−(4,4−ジブロモメチルフェニル)ベンゾニトリルを含有するアセトニトリル溶液を得た。【0036】参考例4(2)メチル 2−[N−t−ブトキシカルボニル−N−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[BBN]の合成参考例3で得たメチル 2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ニトロベンゾアート[BAN](354kg)、参考例4(1)で得た4−(2−ブロモメチルフェニル)ベンゾニトリル[BMB]のアセトニトリル溶液および無水炭酸カリウム(475kg)をアセトニトリル(1600kg)に加えて、還流下、約5時間加熱(80〜85℃)した。反応液を冷却後、不溶物を分離し、アセトニトリル(320kg)で洗浄した。ろ過した洗液を減圧濃縮して、メチル 2−[N−t−ブトキシカルボニル−N−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[BBN]の濃縮物を得た。【0037】参考例4(3)メチル 2−[[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[MBN]の合成参考例4(2)で得られた濃縮物(メチル 2−[N−t−ブトキシカルボニル−N−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[BBN])とメタノール(3200L)を混合し、35%濃塩酸(1050L)を30℃以下で約4時間掛けて添加した。混合物を10℃/時以下の昇温速度で還流温度(67〜69℃)まで加熱し、還流下約1.5時間撹拌した。反応液を冷却後、メタノール(800L)を加え、3〜10℃で約1時間撹拌した。析出した結晶を分離し、メタノール洗浄後、乾燥して、メチル 2−[[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[MBN](407kg;MPBに対する収率は75%)を得た。融点 140〜141℃1H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δ:3.84(3H,s),4.26(2H,m),6.86(1H,t),7.46(2H,d),7.54−7.65(4H,m),7.79(1H,d),7.95(1H,dd),8.05−8.11(2H,m),8.67(1H,t)【0038】参考例5メチル 3−アミノ−2−[[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]ベンゾアート[MBA]の合成参考例4(3)で得たメチル 2−[[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]−3−ニトロベンゾアート[MBN](400kg)およびテトラヒドロフラン[THF](1080kg)を混合し、MBN溶液を撹拌した。錫(400kg)および35%塩酸(1322kg)を混合し、25〜30℃で約5時間撹拌し、約3時間掛けて約80℃まで加温した後、約80℃で約8時間撹拌して得られた塩化第一錫溶液を、15〜25℃、5〜8時間でMBN溶液に滴下し、15〜25℃、2〜5時間で還元反応を行った。反応終了後、24%苛性ソーダ(約2000L)とフレーク苛性ソーダ(約177kg)でpH12に調整し、有機層を分離した後、飽和重曹水(950L)で2回、飽和食塩水(840L)で3回洗浄した。有機層を3μのフィルターでろ過した後、溶媒を留去した。残留物を酢酸エチル(540kg)に溶解した後、再濃縮して、メチル 3−アミノ−2−[[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]ベンゾアート[MBA]の濃縮物を得た。【0039】参考例6テトラエチルオルトカルボナート[TEC]の合成窒素雰囲気下、NaOEt(530kg)をエタノール(1810kg)に溶解し、約60℃に加熱した。クロロピクリン(264kg)を滴下し、57〜64℃に保ちながら約2時間で滴下した。35〜45℃に冷却し、15.8%食塩水(8670kg)と19.2%食塩水(1040kg)とで順次洗浄し、不溶物を遠心沈降させた後、減圧蒸留(88℃、70mmHg)して、テトラエチルオルトカルボナート[TEC](180kg、58.3%)を得た。【0040】参考例7メチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラート[BEC]の合成参考例5で得たメチル 3−アミノ−2−N−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノベンゾアート[MBA]の濃縮物、参考例6で得たテトラエチルオルトカルボナート[TEC](397kg)および酢酸(62kg)を混合し、還流下、約1〜2時間加熱(78〜82℃)した。反応液を冷却後、メタノール(1680L)、24%苛性ソーダ溶液(65L)および水(2030L)を加え、60〜30℃で2時間撹拌し、pH5〜7に調整した。5℃以下に冷却した後、析出した結晶を分離し、冷水(2500L)、冷酢酸エチル(500L)で洗浄して、第1結晶を得た。母液および洗浄液を減圧濃縮し、5℃以下に冷却した後、析出した結晶を分離し、冷酢酸エチル(20L)で洗浄して、第2結晶を得た。第1および第2結晶を合わせて、酢酸エチル(4890L)に還流下溶解し、約70℃で晶種を加え、5℃まで冷却した後、結晶を分離して、冷酢酸エチル(200L)で洗浄後、結晶を乾燥して、メチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラート[BEC](361kg、84.8%)を得た。融点 168.5〜169.5℃1H−NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.42(3H,t),3.71(3H,s),4.63(2H,q),5.59(2H,s),7.09(2H,d),7.20(1H,t),7.45−7.59(5H,m),7.69−7.80(2H,m),7.92(1H,dd)IR(KBr)cm−1:2225,1725,1550,1480,1430,1280,1250,1040,760,750【0041】参考例8トリオクチル錫アジド[TOTA]の合成アジ化ナトリウム(160kg)を純水(505L)に溶解し、3〜10℃に冷却した。トリオクチル錫クロリド[TOTC](847kg)を1〜3時間で滴下し、5〜10℃で約2時間撹拌した。反応液を塩化メチレン(1822kg、次いで546kg)で抽出した。塩化メチレン層を純水(50L)と10%食塩水(440L)を混合した液で洗浄し、塩化メチレン層を減圧濃縮して、トリオクチル錫アジド[TOTA]を得た。【0042】参考例9メチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート[MET]の合成参考例7で得たメチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラート[BEC](228kg)、参考例8で得たトリオクチル錫アジド[TOTA]の濃縮物およびトルエン(1148L)を、還流下約40時間加熱(115〜120℃)した。反応液を冷却した後、減圧濃縮した。残さにエタノール(764kg)および亜硝酸ソーダ水溶液(135kg/460L)を添加した後、濃塩酸(約224kg)でpH4.5〜5.5に調整した。酢酸エチル(735L)を加え、濃塩酸(約100L)でpH0.5〜1.5に調整した。ヘキサン(1005L)を添加し、4%水酸化ナトリウム水溶液でpH3.5±0.5に調整した後、10℃以下に冷却し、1時間撹拌した。結晶を分離し、酢酸エチル(106L)とヘキサン(310L)の混合液、次いでヘキサン(410L)で洗浄し、湿MET(396.6kg)を得た。【0043】参考例102−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の合成参考例9で得た湿MET(369.6kg)に苛性ソーダ水溶液(73kg/826L)を加え、68〜72℃で1〜2時間撹拌し、反応液を冷却後、塩化メチレン(486kg)で2回、トルエン(366L)で1回洗浄した。水層にメタノール(1437L)を加え、濃塩酸(約35L)でpH7.0±0.5に調整した。活性炭(11kg)を加え、約30分間撹拌した後、活性炭をろ去し、溶液が白濁するまで濃塩酸(約20L)を加え、25±5℃で約1時間撹拌した。水(487L)を加え、濃塩酸(約85L)でpH3.5±0.3に調整した。24〜30℃で約30分間撹拌した後、水(687L)を加え、10℃以下に冷却し、約1時間撹拌した。結晶を分離し、水(412L)、次いでアセトン(427L)で洗浄後、粉砕し、乾燥して、2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(200kg、82.0%)を得た。融点 183〜185℃1H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δ:1.38(3H,t),4.58(2H,q),5.63(2H,s),6.97(4H,q),7.17(1H,t),7.47−7.68(6H,m)IR(KBr)cm−1:1710,1550,1480,1430,1280,1240,1040,760【0044】実施例12−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(87.5mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.5g(収率90%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.08%およびエチルエステル体は0.06%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは3780ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0045】実施例22−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(100mL)を加えた。約20時間撹拌後、ヘプタン(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−ヘプタン(アセトン:へプタン=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.9g(収率78%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.09%およびエチルエステル体は0.05%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは190ppm、アセトンは340ppmおよびヘプタンは定量限界以下であった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0046】実施例32−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液をポジダインフィルターに通液した。ポジダインフィルターをアセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(80mL)を加えた。約20時間撹拌後、ヘプタン(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−ヘプタン(アセトン:へプタン=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.9g(収率78%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.08%およびエチルエステル体は0.05%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは150ppm、アセトンは300ppmおよびヘプタンは定量限界以下であった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。該結晶中のエンドトキシンおよび菌を調査したところ、エンドトキシンおよび菌は存在しなかった。【0047】参考例112−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(350g,0.79mol)、約70℃のエタノール(11.2L)および70℃の精製水(1.12L)を混合し、約75℃で約30分間撹拌した。約10℃まで徐冷した。結晶を分離し、エタノール(580mL)で洗浄した。得られた湿結晶、約70℃のエタノール(8.980L)および70℃の精製水(898mL)を混合し、約75℃で溶解させた。約10℃まで徐冷した。結晶を分離し、エタノール(580mL)で洗浄した。水酸化ナトリウム(81.7g)および精製水(933mL)を混合した溶液に、得られた湿結晶を加えた。約80℃で約2.5時間撹拌した。約10℃まで冷却し、メタノール(1.75L)を加えた。10℃以下で濃塩酸を滴下し、pHを約7.5に調整した。活性炭(11.7g)を加えて、同温度で約10分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、精製水(60mL)で洗浄した。10℃以下でろ洗液に濃塩酸を滴下し、pHを約6に調整した。精製水(540mL)を加えて、10℃以下で約1時間撹拌した。10℃以下で濃塩酸を滴下し、pHを約3.5に調整した。精製水(770mL)を加えて、結晶を分離し、精製水(3L)で洗浄した。水酸化ナトリウム(53g)および精製水(667mL)を混合した溶液に、得られた湿結晶を加えた。溶解後、精製水(667mL)を加えた。限外ろ過し、精製水(270mL)で洗浄した。ろ洗液にメタノール(3.9L)を加えた。10℃以下で濃塩酸を滴下し、pHを約3.5に調整した。蒸留水(2L)を加えて、10℃以下で約45分間撹拌した。結晶を分離し、蒸留水(3.9L)および10℃以下に冷却したアセトン(1.2L)で順次洗浄した。乾燥し、化合物(I)を230g(収率66%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.3%およびエチルエステル体は0.1%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0048】参考例12メチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(3kg,6.60mol)、アセトン(67L)および精製水(6.7L)を混合する。55〜60℃で溶解するまでアセトン−水(アセトン:水=10:1)を加えた。活性炭(150g)を加えて、同温度で約10分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン−精製水(アセトン:精製水=10:1)(3L)で洗浄した。約10℃まで徐冷し、約2時間撹拌した。結晶を分離し、アセトン−精製水(アセトン:精製水=10:1)(6L)で洗浄した。得られた湿結晶、アセトン(37L)および精製水(3.7L)を混合した。55〜60℃で溶解するまでアセトン−精製水(アセトン:精製水=10:1)を加えた。約10℃まで徐冷し、約2時間撹拌した。結晶を分離し、アセトン−精製水(アセトン:精製水=10:1)(10L)で洗浄した。乾燥後、水酸化ナトリウム(540g)および精製水(6750mL)を混合した溶液に、得られた結晶を加えた。65〜75℃で約2時間反応した。20〜30℃でメタノール(1350mL)を加えた。0〜10℃で濃塩酸を滴下し、pHを約7.5に調整した。活性炭(94.5g)を加えて、同温度で約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、メタノール−精製水(メタノール:精製水=2:1)(2025mL)で洗浄した。0〜10℃で濃塩酸を滴下し、pHを約3.5に調整した。精製水(11.5L)を加え、0〜10℃で約45分間撹拌した。結晶を分離し、精製水(1350mL)で洗浄した。水酸化ナトリウム(263.3g)および精製水(3375mL)を混合した溶液に、得られた湿結晶を加えた。溶解後、精製水(3375mL)を加えた。限外ろ過し、精製水(1350mL)で洗浄した。ろ洗液にメタノール(20.3L)を加えた。0〜10℃で濃塩酸を滴下し、pHを約3.5に調整した。蒸留水(10.1L)を加え、0〜10℃で約45分間撹拌した。結晶を分離し、蒸留水(20.3L)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を1215g(収率41.9%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.22%およびエチルエステル体は0.06%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0049】実施例42−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(87.5mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。得られた湿結晶および水(50mL)を混合した。約30分間撹拌した。結晶を分離し、水(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.4g(収率88%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.12%およびエチルエステル体は0.13%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0050】実施例52−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(87.5mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。得られた湿結晶およびエタノール(50mL)を混合した。約30分間撹拌した。結晶を分離し、エタノール(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(収率80%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.12%およびエチルエステル体は0.11%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0051】実施例62−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(87.5mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。得られた湿結晶およびアセトン(50mL)を混合した。約30分間撹拌した。結晶を分離し、アセトン(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(収率80%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.11%およびエチルエステル体は0.12%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0052】実施例72−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(87.5mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。得られた湿結晶および酢酸エチル(50mL)を混合した。約30分間撹拌した。結晶を分離し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(収率80%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.11%およびエチルエステル体は0.12%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0053】実施例82−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(87.5mL)を約10分間で滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.2g(収率84%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.05%およびエチルエステル体は0.13%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0054】実施例92−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−水(THF:水=9:1)(10mL)で洗浄した。水(87.5mL)にろ洗液を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、THF−水(THF:水=2:3)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.4g(収率88%)得た。結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.23%およびエチルエステル体は0.13%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0055】実施例102−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、DMSO(7mL)およびアセトン(63mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、DMSO−アセトン(DMSO:アセトン=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(80mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−水(アセトン:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.5g(収率90%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.29%およびエチルエステル体は0.10%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0056】実施例112−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、DMSO(7mL)およびアセトン(63mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、DMSO−アセトン(DMSO:アセトン=9:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(34mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−水(アセトン:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(収率80%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.25%およびエチルエステル体は0.11%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0057】実施例122−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(63mL)、アセトン(63mL)および水(14mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−アセトン(THF:アセトン=1:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(70mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−水(アセトン:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.0g(収率60%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.06%およびエチルエステル体は0.09%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは940ppmおよびアセトンは460ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0058】実施例132−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(90mL)、エタノール(90mL)および水(20mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、THF−エタノール(THF:エタノール=1:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液に水(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、エタノール−水(エタノール:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.3g(収率66%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.04%およびエチルエステル体は0.07%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは1000ppmおよびエタノールは570ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0059】実施例142−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、エタノール(10mL)で洗浄した。ろ洗液にエタノール(98mL)を加え、水(102mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、エタノール−水(エタノール:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.8g(収率76%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.17%およびエチルエステル体は0.10%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは1330ppmおよびエタノールは460ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0060】実施例152−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)およびDMSO(20mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン−THF(アセトン:THF=5:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン−THF(アセトン:THF=5:1)(60mL)を加え、水(60mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−水(アセトン:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.4g(収率88%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.16%およびエチルエステル体は0.15%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0061】実施例162−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)およびDMSO(20mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、エタノール−THF(エタノール:THF=5:1)(10mL)で洗浄した。ろ洗液にエタノール−THF(エタノール:THF=5:1)(60mL)を加え、水(60mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、エタノール−水(エタノール:水=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.4g(収率88%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.19%およびエチルエステル体は0.11%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0062】実施例172−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(10mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(98mL)を滴下した。約3時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を1.7g(収率34%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.05%およびエチルエステル体は0.06%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは160ppmおよびアセトンは110ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0063】実施例182−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(10mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(98mL)を滴下した。約20時間撹拌後、−15〜−20℃で約3時間撹拌した。結晶を分離し、アセトン(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を2.5g(収率50%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.08%およびエチルエステル体は0.06%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは220ppmおよびアセトンは230ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0064】実施例192−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(100mL)を加えた。約2時間撹拌後、ヘプタン(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−ヘプタン(アセトン:へプタン=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.8g(収率76%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.24%およびエチルエステル体は0.05%であった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0065】実施例202−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(100mL)を加えた。約2時間撹拌後、tert-ブチルメチルエーテル(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−tert-ブチルメチルエーテル(アセトン:tert-ブチルメチルエーテル=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を2.9g(収率58%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.10%およびエチルエステル体は0.05%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは590ppm、アセトンは440ppmおよびtert-ブチルメチルエーテルは180ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0066】実施例212−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(100mL)を加えた。約20時間撹拌後、tert-ブチルメチルエーテル(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−tert-ブチルメチルエーテル(アセトン:tert-ブチルメチルエーテル=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を2.9g(収率58%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.06%およびエチルエステル体は0.06%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは120ppm、アセトンは200ppmおよびtert-ブチルメチルエーテルは定量限界以下であった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0067】実施例222−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、tert-ブチルメチルエーテル(20mL)で洗浄した。ろ洗液にtert-ブチルメチルエーテル(100mL)を加えた。約20時間撹拌後、結晶を分離し、tert-ブチルメチルエーテル(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.1g(収率82%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.08%およびエチルエステル体は0.10%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは2340ppmおよびtert-ブチルメチルエーテルは990ppmであった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。【0068】実施例232−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、tert-ブチルメチルエーテル(20mL)で洗浄した。ろ洗液にtert-ブチルメチルエーテル(20mL)を加えた。約20時間撹拌後、tert-ブチルメチルエーテル(80mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、tert-ブチルメチルエーテル(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)3.6g(72%)を得た。【0069】実施例242−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、ヘプタン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にヘプタン(20mL)を加えた。約20時間撹拌後、ヘプタン(80mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、ヘプタン(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(80%)得た。【0070】実施例252−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、メタノール(20mL)で洗浄した。ろ洗液にメタノール(40mL)を加えた。約20時間撹拌後、結晶を分離し、メタノール(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.8g(76%)得た。【0071】実施例262−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。ろ洗液に酢酸エチル(40mL)を加えた。約20時間撹拌後、結晶を分離し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.2g(64%)得る。【0072】実施例272−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。ろ洗液をポジダインフィルターに通液した。ポジダインフィルターを酢酸エチル(20mL)で洗浄した。ろ洗液に酢酸エチル(20mL)を加えた。約20時間撹拌後、結晶を分離し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.6g(72%)得る。【0073】実施例282−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、1−プロパノール(20mL)で洗浄した。ろ洗液に1−プロパノール(100mL)を加えた。約20時間撹拌後、結晶を分離し、1−プロパノール(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.8g(76%)得る。【0074】実施例292−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、2−プロパノール(20mL)で洗浄した。ろ洗液に2−プロパノール(40mL)を加えた。約20時間撹拌後、結晶を分離し、2−プロパノール(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を3.2g(64%)得た。【0075】実施例302−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。ろ洗液に酢酸エチル(40mL)を加えた。約20時間撹拌後、ヘプタン(60mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、酢酸エチル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(80%)得た。【0076】実施例312−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)、THF(54mL)および水(6mL)を混合し、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。ろ洗液をポジダインフィルターに通液した。ポジダインフィルターを酢酸エチル(20mL)で洗浄した。ろ洗液に酢酸エチル(20mL)を加えた。約20時間撹拌後、ヘプタン(60mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、酢酸エチル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(80%)得た。【0077】実施例322−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(5.0g,0.011mol)を1N水酸化ナトリウム(24mL,0.024mol)に溶解させた。同溶液を限外ろ過した。ろ液にメタノール(50mL)を加え、氷冷下、濃塩酸を加え、pHを約3に調整した。結晶をろ取し、水(100mL)で洗浄した。同結晶にTHF(54mL)を加え、溶解させた。活性炭(0.15g)を加えて、約30分間撹拌した。活性炭をろ過により除去し、アセトン(20mL)で洗浄した。ろ洗液にアセトン(100mL)を加えた。約20時間撹拌後、ヘプタン(100mL)を滴下した。約1時間撹拌後、結晶を分離し、アセトン−ヘプタン(アセトン:へプタン=1:1)(20mL)で洗浄した。乾燥し、化合物(I)を4.0g(収率80%)得た。該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質として、ケトン体は0.07%およびエチルエステル体は0.04%であった。該結晶をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、結晶中の残留溶媒として、THFは170ppm、アセトンは320ppmおよびヘプタンは定量限界以下であった。また、その他の残留溶媒は検出されなかった。該結晶を原子吸光分析法にて分析した結果、結晶中のSn含量は定量限界(0.6ppm)以下であった。該結晶中のエンドトキシンを調査したところ、エンドトキシンは存在しなかった。【0078】【発明の効果】本発明の製造法によれば、化合物(I)もしくはその塩に含まれる除去困難なスズ化合物、化合物(I)の類縁物質(例、ケトン体、エチルエステル体)および残留有機溶媒(例、ジクロロメタン)などの夾雑物を容易に除去でき、また、化合物(I)またはその塩の結晶を高収率かつ簡便な方法で、効率よく工業的大量規模で製造することができる。 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩とテトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドから選ばれる一種もしくは二種の非プロトン性極性溶媒とを含む溶液または懸濁液から晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法。 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸とテトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドから選ばれる一種もしくは二種の非プロトン性極性溶媒とを含む溶液から晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法。 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、テトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドから選ばれる一種もしくは二種の非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と水および/または有機溶媒を混合することにより晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法。 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、テトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドから選ばれる一種もしくは二種の非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と有機溶媒を混合することにより晶出させることを特徴とする請求項3記載の製造法。 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、テトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドから選ばれる一種もしくは二種の非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、該溶液または懸濁液と水および有機溶媒を混合することにより晶出させることを特徴とする請求項3記載の製造法。 非プロトン性極性溶媒がテトラヒドロフランである請求項1、2または3記載の製造法。 0〜30℃で晶出させることを特徴とする請求項1、2または3記載の製造法。 有機溶媒が日米EU医薬品規制整合化国際会議(ICH)ガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒である請求項3記載の製造法。 ICHガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒がケトン類、酢酸エステル類、アルコール類、エーテル類および炭化水素類から選ばれる一種または二種以上の有機溶媒である請求項8記載の製造法。 ICHガイドラインのクラス2または3に記載されている溶媒がアセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、tert-ブチルメチルエーテル、ヘキサンおよびヘプタンから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒である請求項8記載の製造法。 有機溶媒が二種以上の有機溶媒である請求項3記載の製造法。 有機溶媒との混合が、(i)アセトン、酢酸エチル、メタノールエタノールおよびプロパノールから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒(B1)と混合した後に、(ii)ヘプタン、ヘキサンおよびtert-ブチルメチルエーテルから選ばれる有機溶媒(B2)と混合する工程を含有する請求項3記載の製造法。 有機溶媒が、非プロトン性極性溶媒の1〜10倍量(体積)である請求項3記載の製造法。 水が非プロトン性極性溶媒の0.1〜3倍量(体積)である請求項3記載の製造法。 水と有機溶媒との混合体積比が1:50〜5:1である請求項3記載の製造法。 晶出させた結晶を非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させた後に、晶出させる工程を1回もしくは2回以上繰り返すことを特徴とする請求項1、2または3記載の製造法。 メチル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩と式(R)3SnN3(式中、Rは炭素数4ないし18のアルキルを示す)で表される化合物とを反応させ、得られるメチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩を加水分解反応に付し、得られる2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩を、テトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドから選ばれる一種もしくは二種の非プロトン性極性溶媒を含有する溶媒に溶解または懸濁させて晶出させることを特徴とする2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸の結晶の製造法。


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