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タイトル:公開特許公報(A)_交流表面光電圧計測装置及びそれを用いた半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法
出願番号:2002213237
年次:2004
IPC分類:7,H01L21/66,G01N27/00,G01R31/302


特許情報キャッシュ

清水 博文 棟方 忠輔 池田 正則 長嶋 直之 JP 2004055935 公開特許公報(A) 20040219 2002213237 20020723 交流表面光電圧計測装置及びそれを用いた半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法 科学技術振興事業団 396020800 清水 守 100089635 清水 博文 棟方 忠輔 池田 正則 長嶋 直之 7 H01L21/66 G01N27/00 G01R31/302 JP H01L21/66 L G01N27/00 Z G01R31/28 L 6 1 OL 13 2G060 2G132 4M106 2G060AA09 2G060AE01 2G060AF03 2G060AF15 2G060EA04 2G060EA06 2G060EA07 2G060EB08 2G060HA02 2G060KA16 2G132AA00 2G132AE02 2G132AE16 2G132AF06 2G132AF07 2G132AF14 2G132AF15 4M106AA01 4M106BA04 4M106CB02 4M106DJ04 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、交流表面光電圧計測装置及びそれを用いた半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、このような技術分野の参考文献としては、以下に開示されるものがあった。〔1〕A.M.Goodman,J.Appl.Phys.32,2550(1961).〔2〕H.C.Gatos and J.Lagowski,J.Vac.Sci.&Technol.10,130(1973).〔3〕R.S.Nakhmanson,Solid−State Electron.,18,617(1975).〔4〕E.Kamieniecki,J.Vac.Sci.&Technol.20,811(1982).〔5〕C.Munakata,S.Nishimatsu,N.Honma and K.Yagi,Jpn.J.Appl.Phys.23,1451(1984).〔6〕C.Munakata and S.Nishimatsu,Jpn.J.Appl.Phys.25,807(1986).〔7〕C.Munakata,Jpn.J.Appl.Phys.27,759(1988).〔8〕W.H.Brattain and J.Bardeen,Bell Syst.Tech.J.32,1(1953).〔9〕W.H.Brattain and C.G.B.Garrett,Bell Syst.Tech.J.35,1019(1956).〔10〕E.Kaminiecki,176th Electrochem.Soc.Fall Meeting,Ext.Abstr.Vol.89−2,p.594,Electrochem.Soc.,Hollywood,FL(1989).〔11〕J.Lagowski,P.Edelman,M.Dexter and W.Henley,Semicond.Sci.Technol.7,A185(1992).〔12〕J.Lagowski,A.M.Kontkiewicz,L.Jastrzebski and P.Edelman,Appl.Phys.Lett.63,2902(1993).〔13〕C.Munakata,Oyo Buturi,53,176(1984)〔in Japanese〕.〔14〕K.Kinameri,C.Munakata and K.Mayama,J.Phys.E.;Sci.Instrum.21,91(1988).〔15〕W.Kern and D.A.Puotinen,RCA Review,31,187(1970).〔16〕R.K.Ilner,The Chemistry of Silica,pp.192,Wiley,New York(1965).〔17〕H.Shimizu and C.Munakata,J.Appl.Phys.73,8336(1993).〔18〕特開平4−042973号(公開日1992.02.13)「酸化性溶液中で金属を含む酸化膜を半導体表面に成長させ電界誘起接合を形成する方法」〔19〕特開平4−048628号(公開日1992.02.18)「半導体に断続した光を照射し発生する交流表面光電圧により表面の不純物濃度を非接触、非破壊で計測する方法」電子・情報・通信産業は現在のわが国を代表する最先端製造業の中心であると同時に、世界の産業を牽引している。この基礎になってきたのは、半導体デバイスの驚異的な技術的進歩によるといっても過言ではない。半導体デバイスを用いた電子機器の小型・軽量化、並びに計算機の大容量化の強いニーズのもとで、シリコン(Si)半導体デバイスの高集積化、高性能化は迅速(約3年に一世代)に進められている。【0003】その性能を確保する鍵を握っている要因の一つは酸化膜等に関わる薄膜形成技術である。Si表面の原子レベルの欠陥や不純物汚染は、酸化膜の形成の際、不良開始点となり酸化膜の絶縁耐性を劣化させるため、デバイスの信頼性に決定的な影響を与える。【0004】その弊害を未然に防ぐためには、プロセス起因欠陥の評価や、酸化工程に伴う不良摘出を非破壊かつその場(in−situ)で行う必要があった。【0005】表面光電圧(surface photovoltage:SPV)(参考文献〔1〕−〔7〕)は、半導体に光子線を照射した際に生じた表面ポテンシャルを意味している。この現象は、最初1953年にブラッテンとバーディーン(参考文献〔8〕)により報告され、1956年に“surface photovoltage”と呼ばれるようになったものであるが(参考文献〔9〕)、この物理現象の半導体装置への応用については長い間省みられずにいた。【0006】1975年Nakhmanson(参考文献〔3〕)が、SiにおけるSPVの周波数(f)依存性から交流(alternate current:ac)SPVを定義した。入射光子線が断続(chopped)されて半導体表面に照射されるとacSPVが発生する。この半導体表面に発生したacSPVは、容量結合により非接触で検出できる。【0007】従来の容量−電圧法では電極の形成を必要としたが、acSPV法では非接触で、かつ短時間(1−5分)のうちにウエハ全面を走査してSPV値を計測し、その分布を得ることができる。さらに、基板のSiの導電性の違いとSPV値より酸化膜中及び界面の電荷の極性を判別できるため、不純物汚染の同定が可能である。【0008】acSPVの応用としては、“Surface Charge Analyzer”(参考文献〔10〕)が実用化されており、酸化膜の電荷や界面トラップ、ドーパント密度を測定できる。しかし、これは雲母(マイカ膜)による数mmサイズの電極が直接サンプルに接触するため非破壊でなく、また、capacitance−voltage(C−V)法と同じ原理で高電界を印加するため微小な物理量を測定するにはふさわしくない。かつ、高い電界が酸化膜にかかり、酸化膜内の物理的情報を変動させてしまう危険性がある。また、価格も数千万円であり予算的に購入が困難である。【0009】他の測定法に“Contamination Monitoring System”(参考文献〔11〕、〔12〕)があり、半導体中の少数キャリヤの寿命計測等に用いられているが、この装置も1億円に近い値段であり、大学の研究室などでは簡便に入手し難く、汎用的に用いられるのが困難である。【0010】【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の光電圧装置としては、表面電荷分析器“SurfaceCharge Analyzer”(参考文献〔10〕)と汚染監視装置“Contamination Monitoring System”(参考文献〔11〕,〔12〕)があるが、前者は電極が試料と接触する上、電圧を印加するための微小な電荷量や界面トラップ密度を決定する上で問題が生じる。【0011】また、後者は少数キャリヤの拡散距離の測定をベースとしていて、表面電位の測定に関する原理に難があるが、定性的な汚染のウエハマッピング等の機能があるので比較的普及している。しかし、以上の装置はいずれも高価(5000万−1億円)で簡単に入手し難いという欠点がある。他に、走査光子顕微鏡(参考文献〔13〕,〔14〕)があるが、光源自体は機械的な移動はせず、光ビームだけが電子的に移動する。この装置は試作のみで実用化されていない。【0012】本発明は、上記状況に鑑みて、デバイスの電気特性に影響する極薄酸化膜の欠陥や酸化膜電荷のふるまいを解明し、SPV信号と高精度化学分析法を並用することによって、汚染した不純物濃度を非破壊で計測することを特徴とし、acSPVの発生と計測装置の部分のみを中心としてSPVの周波数(f)依存性を計測できる、安価で信頼性の高い交流表面光電圧計測装置及びそれを用いた半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法を提供することを目的とする。【0013】【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、〔1〕交流表面光電圧計測装置において、試料台と、この試料台にセットされる半導体基板と、この半導体基板上に所定の空隙を介して配置される交流SPV信号が印加される透明電極を有する電極固定板と、前記半導体基板に照射される断続光の照射手段と、X軸、Y軸の駆動モータを有する前記照射手段の走査機構とを具備することを特徴とする。【0014】〔2〕上記〔1〕記載の交流表面光電圧計測装置において、前記試料台のZ軸方向の位置を調整可能なジャッキを具備し、前記試料台の位置の調整によって前記半導体基板と前記透明電極との空隙をより精密に制御することを特徴とする。【0015】〔3〕上記〔1〕記載の交流表面光電圧計測装置において、前記電極固定板の透明電極は下部に配置され、前記電極固定板を挟んで接地される上部透明電極を具備することを特徴とする。【0016】〔4〕半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法において、上記〔1〕記載の交流表面光電圧計測装置を用いて、光子線発生のための駆動電圧を可変となし、前記交流表面光電圧信号を周波数に対応させて測定することを特徴とする。【0017】〔5〕半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法において、上記〔1〕記載の交流表面光電圧計測装置を用いて測定した、表面光電圧信号と、半導体表面上を高精度化学分析した値を対応させることにより、交流表面光電圧計測に基づいて半導体表面の不純物濃度を定量化することを特徴とする。【0018】〔6〕上記〔5〕記載の半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法において、半導体装置プロセスにおいてその場観察で表面不純物をモニターすることを特徴とする。【0019】【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。【0020】図1は本発明の実施例を示す交流表面光電圧計測装置の構成図であり、図1(a)はその正面図、図1(b)はその上面図である。図2はその交流表面光電圧計測装置の試料付近の拡大図である。【0021】この図において、1はベース、2は基台、3はジャッキ、4は試料台、5は試料としてのSiウエハ(半導体基板)、6は石英からなる電極固定板、7は下部透明電極(ac−SPV信号印加)、8はその電極固定板6に設けられる上部透明電極(接地)、9はマイラ膜、10は断続光(光子線)、11はスタンド、12はY軸方向に移動可能であり、かつX軸方向に光源(発光ダイオード)13を案内する案内アームであり、光源(発光ダイオード)13は、X軸モータ14の駆動によってX軸方向に、かつY軸モータ15の駆動によってY軸方向に、案内アーム12とともに移動可能なように構成されている。【0022】なお、案内アーム12の基部に配置されるX軸モータ14には歯付ベルト14Aが連結されており、案内アーム12の先端部には従動歯車14Bを配置して、歯付ベルト14Aはエンドレスに回動できるようになっており、その歯付ベルト14Aに噛合するように、光源(発光ダイオード)13の本体13Aに貫通穴13Bとその貫通穴13Bに設けられる歯付係合部13Cが設けられている。【0023】また、同様に、スタンド11の一方端に配置されるY軸モータ15には歯付ベルト15Aが連結されており、スタンド11の他方端には従動歯車15Bを配置して、歯付ベルト15Aはエンドレスに回動できるようになっており、その歯付ベルト14Aに噛合する案内アーム12の基部に形成される貫通穴12Aとその貫通穴12Aに臨むように形成される歯付係合部12Bが設けられている。【0024】この交流表面光電圧計測装置は、Siウエハ5に発光ダイオード13より光(光子線)を照射した時に生じる表面電位の変化をSiウエハ5と空隙を介して測定する装置であり、検出される電圧を表面光電圧(SPV)と呼ぶ。【0025】この装置を構成する要素としては、光源としての発光ダイオード13と光(光子線)を断続する機能を備える装置がある。つまり、図1には図示していないが、ファンクション・ジェネレータで発光ダイオード13からの光(光子線)をチョッピングして直流を脈流とする装置を本体の外に具備している。【0026】そして、さらに透明電極8,7を通して発光ダイオード13を用いて微弱(2−4μW)な断続光子線(波長470nm、直径は試料上で約7−8mm)10を半導体としてのSiウエハ5表面に照射し、Siウエハ5表面に発生した表面光電圧を計測する部分とSiウエハ5上を走査する機械的機能を有するものである。【0027】図1(a)に示すように正面から見た場合、X軸方向にX軸モータ14(実際にはX−Yレコーダを用いている)で光源(発光ダイオード)13をペン先に見立てて走査する機構となっている。また、図2に示すように、Siウエハ5をセットした後、試料台の位置を調整可能なジャッキ3で、下部透明電極7とSiウエハ5との間にマイラ膜9を挟んでセットし、下部透明電極7とSiウエハ5との間の空隙を精密に制御できる仕組みになっている。また、図1(b)に示すように、光源13を有する案内アーム12はY軸モータ15を備えており、Y軸方向にも移動できるように構成されている。【0028】このように、本発明は光源に発光ダイオード13を使用し、かつ発光ダイオード13をX−Yレコーダにおけるペン先に見立ててSiウエハ5上を走査し、従来技術とほぼ同じ機能を有するという極めて簡便な装置である。【0029】光源を励起する電流を必要な周波数で変調することにより、容易に光ビーム(光子線)を時間的に断続することができるので、周波数を変化させてSPVを測定することができる。【0030】図3に本発明の交流表面光電圧計測装置によってacSPVを測定した結果を示す。【0031】ここでは、p型Si(100)ウエハを熱酸化(酸化膜の厚さ:200Å)した表面のacSPVの周波数(f)依存性を示す。ウエハの抵抗率は100±10mΩ・cmであった。【0032】この試料の表面は強反転しており、SPVは理論によれば(参考文献〔5〕−〔7〕)1/fに依存して変化しているが(両対数表示で45度の直線に乗っている)、その点で事実との矛盾はなく、また、周波数が低くなると飽和する傾向にある。【0033】これは測定レンジにも関係しており、酸化膜の界面トラップ等によって影響されたSPVを示していると考えられるが、10−104 Hzが有効な測定範囲であるので、本発明ではそれ以外は除外してデータ処理している。【0034】図4はp型Si(100)ウエハを熱酸化して、それぞれ膜厚502Å、1754Å、6010Åの酸化膜を形成した試料におけるacSPVの周波数依存性を示している。各試料におけるacSPV特性は、微小なばらつきはあるもののほぼ重なっていて、酸化膜厚依存性がないと言える。【0035】一般にp型Siウエハ上に酸化膜を形成すると、正の酸化膜電荷(固定酸化膜電荷:Qf )が生じる。これはSi−酸化膜界面から約30A以内の所に存在し、イオン化したSiの一部がウエハ表面で不完全結合(すなわちSi−SiあるいはSi−O結合)をおこし、正の固定化された電荷となったものである(参考文献〔19〕)。acSPV特性に酸化膜厚依存性がないことから、いずれの試料においても酸化膜においてQf が優勢であることを示している。【0036】図5はRCA(NH4 OH:H2 O2 :H2 O=1:1:10)アルカリ溶液(参考文献〔15〕)にAl標準溶液を添加して汚染したn型Si(100)ウエハ表面のacSPVのAl濃度依存性を示したものである。この図において、横軸のAl不純物濃度は、原子吸光法により分析した値である。【0037】acSPVを測定した周波数は2kHzであり、大気では105 min以上放置し、ウエハ表面のacSPVは飽和している(図6にAl標準溶液を添加して汚染したn型Siウエハ表面のacSPVの周波数依存性を示す)。【0038】この結果から、Al濃度が1010−1013atoms/cm2 (1014−1017atoms/m2 )では、acSPVはAlの濃度にほぼ比例していることが分かる。上記のacSPVの実験では、上述したようにAl濃度の測定は半導体レベルの精密な化学分析(原子吸光分析他イオンクロマトグラフィ)によった。このようにacSPVの値を化学分析法で校正しておけば、acSPVの測定値より判明している汚染物質の不純物濃度の定量化が可能である。【0039】図6は図5の基礎となったデータであり、図5と同様にAlを故意に汚染(AlのSi表面濃度は約4.1×1014atoms/cm2 )したn型Si(100)ウエハ表面のacSPV特性の大気放置による変化を示している。【0040】n型SiウエハにおけるacSPVの発生は、形成された自然酸化膜中に負の電荷が存在していることを示す。この負電荷は既に記載した(AlOSi)− ネットワーク形成による負電荷であると考えられ、時間に伴い増加する。大気放置5分では、100Hz以下の低周波領域においてacSPV値は一定であり、この表面は弱反転状態に対応する。【0041】大気放置時間の増加に伴い、低周波領域のacSPV値は増大し、大気放置144時間では、acSPV値は周波数に反比例する特性となった。エリプソメーターによる測定では、RCA処理直後、及び大気放置144時間後の酸化膜厚は、それぞれ17.3Å、及び21.5Åであった。【0042】大気放置によって酸化膜が成長するに伴い、Siウエハ表面が弱反転状態から強反転状態へと変化したことは、酸化膜中の負電荷量が増加したことを示している。表面にあるいは酸化膜中に存在するAlは、放置時間に伴いSiO2 を形成するSiと置換し、(AlOSi)− ネットワークが徐々に増加していくことを示していると考えられる。【0043】FeはAlと同様に3価であり、酸化膜中で同じようなふるまいをすると予想して行ったのが次の実験である。【0044】Fe汚染試料は6インチのn型Si(100)ウエハを用いてRCA液で洗浄後、原子吸光分析用標準液を希釈し、スピンコート法によりSiウエハ表面にFeを均一に塗布したものである。【0045】低濃度では定量的に作成評価限界である汚染濃度2.96×1011atoms/cm2 のサンプルと、比較用に2.87×1012atoms/cm2 と、2.71×1013atoms/cm2 のサンプルを三種類用意した。表面濃度は全反射蛍光分析によって分析した。【0046】図7はFe汚染を施したn型SiウエハにおけるacSPV特性のFe濃度依存性を示す図である。【0047】この図から周波数1kHz以下において、汚染濃度の増大に伴いacSPV値は増大し、遮断周波数fcは低周波側へ変化しているのが分かる。【0048】また、Fe汚染濃度2.71×1013atoms/cm2 のSiウエハでは、低周波領域でもacSPV値の周波数依存性はほぼ45度の線に乗っている。これらの結果は、Fe汚染濃度の増加に伴い、酸化膜中のFeによる誘起電荷の量が増加し、Si表面が強反転していることを示すと考えている。【0049】図8は4価のSiに3価及び5価の不純物を添加した場合、酸化膜の中でブリッジを形成し、電荷を発生するため表面電位が濃度に依存して変化するので、それに対応したacSPVが発生することを示したモデル図である。【0050】以上の結果を総合すれば、本発明では簡便なacSPV装置を提案し、不純物の元素の種類が分かっておれば、図5のAlの場合で示されているように、化学分析と併用することによりウエハ試料の汚染濃度を非破壊で検出可能である。【0051】上記したように構成したので、不純物の原子価の違いにより、酸化膜中で発生する正負の電荷を計測でき、半導体デバイスプロセスにおける汚染計測を行うことができる。【0052】具体的には、光源に発光ダイオード(LED)を用いてレンズにより光(光子線)を絞り、光源をつけたX−YレコーダによりX−Y方向の走査を行うという簡便な構成で、約350万円という安価な装置であり、μVレベルの光電圧測定を非破壊で行うことができる。【0053】また、ノイズのシールドに注意をはらい、特に光源部分からは光(光子線)のみの照射となるようにして電気的ノイズが発生しない工夫を施した。半導体ウエハとジャッキによる密着度にも注意し、初期の目的通りのSPVの周波数(f)依存性を確認できた。【0054】これまでの設計結果では、400mm径のウエハにも応用可能であり、将来の最先端の超微細半導体技術にも対応できる可能性が十分ある。【0055】また、複数の大規模集積回路(ULSI:Ultra Large Scale Integration)チップを一つのチップに作りこむ、システムLSI(システム・オン・チップとも呼ばれる)を作製するSi基板(ウエハ)として期待されているSOI(Silicon on Insulator)ウエハ(絶縁膜をはさんで1μm以下の薄いSi層が形成されている)の評価にも有望であり、大口径化、微細化、新しい基板ウエハの評価に期待できる装置のプロトタイプといえる。【0056】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。【0057】【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。【0058】(A)光源に発光ダイオードを使用し、かつ光源をX−Yレコーダにおけるペン先に見立てて半導体ウエハ上を走査する。従来技術とほぼ同じ機能を有する装置を極めて簡便な構成で、しかも、価格も従来のものに比べると非常に安価(350万)に提供することができる。【0059】特に、SPVの測定はノイズあるいは振動等に強く影響されることになるが、本発明によれば、SPVの変動を抑制できる安定な装置を提供することができる。【0060】(B)また、光源を励起する電流を必要な周波数で変調することにより、容易に光ビーム(光子線)を時間的に断続することができるので、周波数を変化させてSPVを測定できる。【0061】この方法によれば、原理的に、不純物等で汚染された半導体材料の表面電位を決定することができる。Siウエハ基板をp型あるいはn型とすることにより、電荷の極性、つまり、正あるいは負を識別できる。すなわち、この装置を用いて、非破壊でSPVを測定することができ、かつ化学分析を併用することにより、半導体表面の不純物汚染濃度を非破壊で迅速にモニターすることが可能である。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例を示す交流表面光電圧計測装置の構成図である。【図2】本発明の実施例を示す交流表面光電圧計測装置の試料付近の拡大図である。【図3】本発明の交流表面光電圧計測装置によってacSPVを測定した結果を示す図である。【図4】本発明のp型Si(100)ウエハを熱酸化して、それぞれ膜厚502Å、1754Å、6010Åの酸化膜を形成した試料におけるacSPVの周波数依存性を示す図である。【図5】RCA(NH4 OH:H2 O2 :H2 O=1:1:10)アルカリ溶液にAl標準溶液を添加して汚染したn型Si(100)ウエハ表面のacSPVのAl濃度依存性を示した図である。【図6】Al標準溶液を添加して汚染したn型Si(100)ウエハ表面のacSPV特性の大気放置による変化を示す図である。【図7】Fe汚染を施したn型SiウエハにおけるacSPV特性のFe濃度依存性を示す図である。【図8】4価のSiに3価及び5価の不純物を添加した場合のacSPVの発生を示したモデル図である。【符号の説明】1  ベース2  基台3  ジャッキ4  試料台5  試料としてのSiウエハ(半導体基板)6  石英からなる電極固定板7  下部透明電極(ac−SPV信号印加)8  上部透明電極(接地)9  マイラ膜10  断続光(光子線)11  スタンド12  案内アーム12A,13B  貫通穴12B,13C  歯付係合部13  光源(発光ダイオード)13A  光源の本体14  X軸モータ14A,15A  歯付ベルト14B,15B   従動歯車15  Y軸モータ (a)試料台と、(b)該試料台にセットされる半導体基板と、(c)該半導体基板上に所定の空隙を介して配置される交流表面光電圧信号が印加される透明電極を有する電極固定板と、(d)前記半導体基板に照射される断続光の照射手段と、(e)X軸、Y軸の駆動モータを有する前記照射手段の走査機構とを具備することを特徴とする交流表面光電圧計測装置。 請求項1記載の交流表面光電圧計測装置において、前記試料台のZ軸方向の位置を調整可能なジャッキを具備し、前記試料台の位置の調整によって前記半導体基板と前記透明電極との空隙をより精密に制御することを特徴とする交流表面光電圧計測装置。 請求項1記載の交流表面光電圧計測装置において、前記電極固定板の透明電極は下部に配置され、前記電極固定板を挟んで接地される上部透明電極を具備することを特徴とする交流表面光電圧計測装置。 請求項1記載の交流表面光電圧計測装置を用いて、光子線発生のための駆動電圧を可変となし、前記交流表面光電圧信号を周波数に対応させて測定することを特徴とする交流表面光電圧計測方法。 請求項1記載の交流表面光電圧計測装置を用いて測定した、表面光電圧信号と、半導体表面上を高精度化学分析した値を対応させることにより、交流表面光電圧計測に基づいて半導体表面の不純物濃度を定量化することを特徴とする半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法。 請求項5記載の半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法において、半導体装置プロセスにおいてその場観察で表面不純物をモニターすることを特徴とする半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法。 【課題】acSPVの発生と計測装置の部分のみを中心としてSPVの周波数(f)依存性を計測できる安価で信頼性の高い交流表面光電圧計測装置及びそれを用いた半導体表面の非破壊不純物汚染濃度測定方法を提供する。【解決手段】交流表面光電圧計測装置において、試料台4と、この試料台4にセットされるSiウエハ5と、このSiウエハ5上に所定の空隙を介して配置される交流SPV信号が印加される透明電極8を有する電極固定板6と、前記Siウエハ5に照射される断続光(光子線)10の照射手段と、X軸、Y軸の駆動モータを有する前記照射手段の走査機構とを具備する。【選択図】 図1


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