生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査方法
出願番号:2002204308
年次:2004
IPC分類:7,C12Q1/04


特許情報キャッシュ

後藤 慶一 JP 2004041104 公開特許公報(A) 20040212 2002204308 20020712 高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査方法 三井農林株式会社 303044712 清水 善▲廣▼ 100087745 阿部 伸一 100098545 辻田 幸史 100106611 後藤 慶一 7 C12Q1/04 JP C12Q1/04 6 OL 8 4B063 4B063QA01 4B063QA18 4B063QQ06 4B063QQ16 4B063QR69 4B063QS24 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、果汁入り飲食品をはじめとする各種飲食品やその原材料についての高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無を迅速かつ簡便に検査する方法に関する。【0002】【従来の技術】1984年に透明アップルジュースの大規模な微生物汚染事故がドイツで発生し、この原因となった細菌が高温性好酸性芽胞形成細菌、即ち、アリサイクロバチルス(Alicyclobacillus)属細菌の一つであるアリサイクロバチルス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)(以下、A.acidoterrestrisと記載する)であることが判明して以来、グアイアコールやハロフェノールなどの悪臭を生成するこの細菌が果汁飲料の変敗を起こす細菌として問題視されている。また、果汁飲料には、A.acidoterrestrisの他にも、これと同じ高温性好酸性芽胞形成細菌であるアリサイクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)(以下、A.acidocaldariusと記載する)およびアリサイクロバチルス・ゲノミック・スピーシーズ1(Alicyclobacillus genomic species 1)(以下、Alicyclobacillus genomic species 1と記載する)が混入することが多数報告されている。果汁飲料から分離された高温性好酸性芽胞形成細菌には、上記の細菌の他にも、アリサイクロバチルス・アシディフィラス(Alicyclobacillus acidiphilus)やアリサイクロバチルス・ハーバリウス(Alicyclobacillus herbarius)などがあるが、その報告例は各1例のみであることから、これらの細菌が果汁飲料に混入することは極めて稀であると考えられている。以上の点から、果汁飲料やその原料となる原果汁が高温性好酸性芽胞形成細菌に汚染されている場合、そこに混入している細菌は、A.acidoterrestris、A.acidocaldariusおよびAlicyclobacillus genomic species 1の少なくとも1種であると判定するのが一般的である。【0003】例えば、果汁飲料や原果汁のような酸性溶液中では細菌は増殖しにくいことから、古くは果汁飲料の製造工程における殺菌手段としては、カビや酵母や一般的な細菌を殺菌対象にしたパストル殺菌(90℃程度の加熱殺菌)で充分であるとされてきた。しかし、高温性好酸性芽胞形成細菌はこのような殺菌条件下でも生き延びることができるので、原果汁などにA.acidoterrestrisが混入していたり、果汁飲料の製造工程のいずれかの段階でA.acidoterrestrisが混入してしまったりした場合には上記のような汚染事故を招くことになる。従って、果汁飲料についてのA.acidoterrestrisによる汚染事故を未然に防ぐためには高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無を検査する方法の確立が重要である。【0004】【発明が解決しようとする課題】従来、このような検査は、例えば、原果汁の受け入れ検査や果汁飲料の品質検査として、微生物操作に関する事項についてある程度の知識を有する者が5〜10日あるいはそれ以上の日数をかけて行っていた。そのため、果汁飲料の製造に要する時間がそれだけ長くなり、出荷が遅くなるといった問題や検査結果として検査対象が高温性好酸性芽胞形成細菌に汚染されている場合に迅速に対応できないといった問題があった。従って、果汁飲料や原果汁についての高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無の検査を1日でも早く、また、誰もが簡単に行うことができる方法が待望されている。このことは、果汁飲料や原果汁に限って論じられることではなく、高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の可能性があり、特にA.acidoterrestrisが混入して増殖する恐れのあるあらゆる飲食品やその原材料についても同様である。そこで本発明は、果汁入り飲食品をはじめとする各種飲食品やその原材料についての高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無を迅速かつ簡便に検査する方法を提供することを目的とする。【0005】【課題を解決するための手段】上記の点に鑑みて本発明者が鋭意検討を行った結果、A.acidoterrestrisの至適増殖温度域と、A.acidocaldariusおよびAlicyclobacillus genomic species 1の至適増殖温度域との間には差異があることから、この差異を利用することにより、果汁入り飲食品をはじめとする各種飲食品やその原材料についての高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無、特にA.acidoterrestrisの混入の有無を迅速かつ簡便に検査できることを見出した。【0006】本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、本発明の高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査方法は、請求項1記載の通り、飲食品またはその原材料が高温性好酸性芽胞形成細菌に汚染されているか否かを検査するに際し、検査対象から液状検体を調製し、調製した液状検体を、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固化成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地複数枚に塗抹し、40〜50℃の範囲内の温度と60〜70℃の範囲内の温度の2種類の温度で同時に14〜24時間培養した後、40〜50℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況と60〜70℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況を目視比較することで高温性好酸性芽胞形成細菌の混入の有無と種類の鑑別を行うことを特徴とする。また、本発明の別の高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査方法は、請求項2記載の通り、飲食品またはその原材料から採取された高温性好酸性芽胞形成細菌の菌株を、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固化成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地複数枚に添加し、40〜50℃の範囲内の温度と60〜70℃の範囲内の温度の2種類の温度で同時に14〜24時間培養した後、40〜50℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況と60〜70℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況を目視比較することで高温性好酸性芽胞形成細菌の種類の鑑別を行うことを特徴とする。また、請求項3記載の検査方法は、請求項1または2記載の検査方法において、検査対象が酸性飲食品またはその原材料であることを特徴とする。また、請求項4記載の検査方法は、請求項3記載の検査方法において、検査対象が果汁入り飲食品または原果汁であることを特徴とする。また、請求項5記載の検査方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の検査方法において、鑑別対象となる高温性好酸性芽胞形成細菌がA.acidoterrestrisであることを特徴とする。また、請求項6記載の検査方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の検査方法において、18〜20時間培養することを特徴とする。【0007】【発明の実施の形態】本発明における高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査対象は、高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の可能性があるあらゆる飲食品やその原材料である。飲食品としては、例えば、酸性飲食品が挙げられる。ここで酸性飲食品とはpH5.5以下の食品および飲料を意味する。酸性飲食品の代表例としては、果汁入り飲食品が挙げられる。ここで果汁入り飲食品とは果汁が最終濃度として0.01重量%以上含まれる食品および飲料を意味し、100%果汁飲料を含む果汁入り清涼飲料、果汁入りのゼリーやヨーグルトやガムや飴などが例示される。果汁入り飲食品の原材料としては、原果汁が挙げられるが、これは、例えば、果実から搾取した果汁またはその水分を除去して濃縮したものであり、濃縮果汁還元して使用されたりするものである。代表的に例示される果汁としては、オレンジ果汁、アップル果汁、グレープフルーツ果汁、グレープ果汁、パイン果汁、レモン果汁、ピーチ果汁、ベリー果汁、マンゴ果汁などが挙げられる。酸性飲食品としては、果汁入り飲食品の他にも、炭酸飲料、果実飲料、酸性紅茶飲料、スポーツ飲料、トマトジュースや人参ジュースなどの各種野菜ジュース、栄養ドリンク、乳性飲料、ヨーグルト、果肉入りゼリー、リキュール、ジャム、マーマレード、ドレッシングなどが挙げられる。酸性飲食品の原材料としては、果実や野菜の他にも、糖類(ブドウ糖や果糖などの単糖類、砂糖や麦芽糖などの二糖類、果糖・ブドウ糖液糖、デキストリン、各種オリゴ糖、蜂蜜、糖アルコールなど)、酸味料、着色料、香料、増粘多糖類、ゲル化剤、脱脂粉乳、加糖乳糖、乳酸菌飲料、発酵乳、ビタミン類などが挙げられる。また、穀類、いも及びでんぷん類、豆類、種実類、茶類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類、菓子類、し好飲料類、調味料及び香辛料類、調味加工食品などの飲食品や、これら飲食品の中で原材料を使用して製造されるものにおける当該原材料が本発明における高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査対象となる。【0008】本発明の検査方法においては、まず、後述する寒天培地に塗抹するための液状検体を検査対象となる飲食品やその原材料から調製する。果汁飲料や原果汁などのように検査対象自体が液状のものは、それ自体を検体としてもよいし、検査対象を水に懸濁希釈したり溶解希釈したりしてなるものを検体としてもよい。検査対象が液状のものでない場合は、例えば、検査対象を細かく砕いて水に懸濁したり、ホモジナイザーを使用してホモジネートを調製したりし、これらから得られる上清を検体とすればよい。検査対象が糖度の高いもの、例えば、糖度が40〜60°Brix程度の原果汁や糖類である場合、検査対象を水に懸濁希釈したり溶解希釈したりして糖度が18°Brix以下の検体を調製することが望ましい。高温性好酸性芽胞形成細菌は、糖度が高い環境下においては増殖しないか増殖してもその速度が極めて遅い。従って、糖度が18°Brixを超えた検体の場合、検体に高温性好酸性芽胞形成細菌が混入していても、これを培養したところで菌コロニーが充分に生育せず、結果として混入の事実を的確に把握できない恐れがあるからである。また、検査対象が酸性アルコール入り飲料や果実酒や果汁入りアルコール飲料などのようなアルコール度の高いものである場合、検査対象を水に懸濁希釈したり溶解希釈したりしてアルコール度が6%以下の検体を調製することが望ましい。高温性好酸性芽胞形成細菌は、アルコール度が高い環境下においては増殖しないか増殖してもその速度が極めて遅い。従って、アルコール度が6%を超えた検体の場合、検体に高温性好酸性芽胞形成細菌が混入していても、これを培養したところで菌コロニーが充分に生育せず、結果として混入の事実を的確に把握できない恐れがあるからである。なお、検体を調製する際に使用する水は滅菌水であることが望ましい。【0009】本発明の検査方法においては、液状検体に高温性好酸性芽胞形成細菌が混入している場合、当該高温性好酸性芽胞形成細菌を培養するために、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固形成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地を使用し、この寒天培地に液状検体を画線接種するなどして塗抹する。この寒天培地は、特開平8−140697号公報に記載されている公知のものであり、例えば、果汁飲料や原果汁に混入することが知られている3種類の高温性好酸性芽胞形成細菌、即ち、A.acidoterrestris、A.acidocaldarius、およびAlicyclobacillus genomic species 1のすべてを各々の至適増殖温度域で良好に増殖せしめるという優れた特性を有する。この寒天培地の具体例としては、イーストエキストラクト(Difco社製)2.0g/L、スターチ(Difco社製)2.0g/L、D−グルコース1.0g/Lからなる成分組成を有し、硫酸を用いてpH3.7に調整してから高圧蒸気滅菌したものに、高圧蒸気滅菌した寒天を最終濃度が1.5%になるように添加し、よく混合して平板にしたものが挙げられる(このようにして調製された寒天培地をYSG寒天培地という)。【0010】なお、液状検体を上記の寒天培地に塗抹する前に、高温性好酸性芽胞形成細菌の発芽を誘導して増殖を促すことを目的として液状検体に対して70〜80℃で5〜25分間の加熱処理を行ってもよい。【0011】高温性好酸性芽胞形成細菌の培養時間は14〜24時間とする。この時間範囲において、A.acidoterrestrisは、40〜50℃では盛んに増殖して菌コロニーが生育するが、60〜70℃では増殖しないか増殖してもその速度が極めて遅いため菌コロニーの良好な生育は認められない。一方、A.acidocaldariusおよびAlicyclobacillus genomic species 1は、40〜50℃では増殖しないか増殖してもその速度が極めて遅いため菌コロニーの良好な生育は認められないが、60〜70℃では盛んに増殖して菌コロニーが生育する。本発明においては、この現象を利用して、40〜50℃での菌コロニー生育状況と60〜70℃での菌コロニー生育状況、望ましくは、43〜47℃での菌コロニー生育状況と63〜67℃での菌コロニー生育状況を目視比較し、高温性好酸性芽胞形成細菌の混入の有無と種類の鑑別を行う。【0012】高温性好酸性芽胞形成細菌の培養時間が14時間未満であると、検体に高温性好酸性芽胞形成細菌が混入していたとしても、培養時間が短すぎることにより菌コロニーが充分に生育しないことがある一方、培養時間が24時間を超えると、培養時間が24時間以下の場合には増殖しないか増殖してもその速度が極めて遅い温度域であっても増殖が進行することがあり、いずれの場合であっても結果として的確な細菌の種類の鑑別が困難になる。なお、培養時間は18〜20時間とすることが望ましく、18時間とすることがより望ましい。【0013】ある検体について、40〜50℃で菌コロニーが生育した場合には、その検体にはA.acidoterrestrisが混入していたと判定することができる。その検体について、60〜70℃で菌コロニーが生育しなかった場合、その検体にはA.acidoterrestrisのみが混入していたことになり、60〜70℃で菌コロニーが生育した場合、A.acidoterrestrisの他にも、A.acidocaldariusおよび/またはAlicyclobacillus genomic species 1が混入していたことになる。従って、ある検体について、40〜50℃で菌コロニーが生育した場合には、60〜70℃での菌コロニーの生育状況がいかなるものであっても、その検体には微生物汚染事故を起こす恐れのあるA.acidoterrestrisが混入していることになる。よって、本発明によれば、A.acidoterrestris、A.acidocaldarius、およびAlicyclobacillus genomic species 1の3種類の高温性好酸性芽胞形成細菌の中からA.acidoterrestrisの鑑別を行うことができる。【0014】なお、本発明によれば、メンブランフィルタなどの微生物捕捉用フィルタに検査対象から調製した液状検体をろ過し、液状検体に高温性好酸性芽胞形成細菌が混入していた場合にはフィルタ上に高温性好酸性芽胞形成細菌を捕捉し、捕捉した高温性好酸性芽胞形成細菌を、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固化成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地を使用して3日間程度培養することで菌株を採取し、当該菌株を前記の寒天培地と同じ寒天培地複数枚に添加し、40〜50℃の範囲内の温度と60〜70℃の範囲内の温度の2種類の温度で同時に14〜24時間培養した後、40〜50℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況と60〜70℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況を目視比較することで高温性好酸性芽胞形成細菌の種類の鑑別を行うことにより、高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無を迅速かつ簡便に検査することもできる。【0015】【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載の限定して解釈されるものではない。【0016】実験1:A.acidoterrestris、A.acidocaldarius、およびAlicyclobacillus genomic species 1のそれぞれについて表1に記載した菌株を準備し、各菌株をYSG寒天培地に画線接種し、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃の各温度条件で同時に培養した。18時間経過後、菌コロニーの生育状況を目視確認した。その結果を表1に示す。【0017】【表1】【0018】表1において、+は生育良好、−は生育なし、w−は極微弱に生育、wは微弱に生育、w+はマイクロコロニーを意味する。表1から明らかなように、A.acidoterrestrisは、45℃±5℃で菌コロニーの生育が確認できたが、60℃以上では確認できなかった。一方、A.acidocaldariusおよびAlicyclobacillus genomic species 1は、45℃±5℃で菌株コロニーの生育が微弱であるか生育が確認できなかったが、60℃以上では確認できた。以上の結果から、45℃での培養による菌コロニーの生育状況と65℃での培養による菌コロニーの生育状況を目視比較することで、A.acidoterrestris、A.acidocaldarius、およびAlicyclobacillus genomic species 1の3種類の高温性好酸性芽胞形成細菌の中からA.acidoterrestrisの鑑別を行うことができることがわかった。【0019】実験2:果汁飲料として市販のオレンジジュース(糖度:約10°Brix)に、A.acidoterrestris菌株としてPB1を添加したサンプルA、A.acidocaldarius菌株として3Bを添加したサンプルB、Alicyclobacillus genomic species 1菌株としてDSM11983を添加したサンプルCを調製し、各サンプルをそのまま液状検体としてYSG寒天培地2枚にそれぞれ画線接種し、一方を45℃で、他方を65℃で同時に18時間培養した。18時間経過後、菌コロニーの生育状況を確認した結果、サンプルAについては、45℃での培養で菌コロニーの生育が確認されたが、65℃での培養では確認されなかった。一方、サンプルBとサンプルCについては、45℃での培養では菌コロニーの生育が確認されなかったが、65℃での培養では確認された。以上の結果から、45℃での培養による菌コロニーの生育状況と65℃での培養による菌コロニーの生育状況を目視比較することで、A.acidoterrestris、A.acidocaldarius、およびAlicyclobacillus genomic species 1の3種類の高温性好酸性芽胞形成細菌の中からA.acidoterrestrisの鑑別を行うことができることがわかった。【0020】【発明の効果】本発明によれば、果汁入り飲食品をはじめとする各種飲食品やその原材料についての高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無を迅速かつ簡便に検査する方法が提供される。 飲食品またはその原材料が高温性好酸性芽胞形成細菌に汚染されているか否かを検査するに際し、検査対象から液状検体を調製し、調製した液状検体を、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固化成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地複数枚に塗抹し、40〜50℃の範囲内の温度と60〜70℃の範囲内の温度の2種類の温度で同時に14〜24時間培養した後、40〜50℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況と60〜70℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況を目視比較することで高温性好酸性芽胞形成細菌の混入の有無と種類の鑑別を行うことを特徴とする高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査方法。 飲食品またはその原材料から採取された高温性好酸性芽胞形成細菌の菌株を、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固化成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地複数枚に添加し、40〜50℃の範囲内の温度と60〜70℃の範囲内の温度の2種類の温度で同時に14〜24時間培養した後、40〜50℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況と60〜70℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況を目視比較することで高温性好酸性芽胞形成細菌の種類の鑑別を行うことを特徴とする高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の検査方法。 検査対象が酸性飲食品またはその原材料であることを特徴とする請求項1または2記載の検査方法。 検査対象が果汁入り飲食品または原果汁であることを特徴とする請求項3記載の検査方法。 鑑別対象となる高温性好酸性芽胞形成細菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の検査方法。 18〜20時間培養することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の検査方法。 【課題】果汁入り飲食品をはじめとする各種飲食品やその原材料についての高温性好酸性芽胞形成細菌汚染の有無を迅速かつ簡便に検査する方法を提供すること。【解決手段】飲食品またはその原材料が高温性好酸性芽胞形成細菌に汚染されているか否かを検査するに際し、検査対象から液状検体を調製し、調製した液状検体を、資化成分の組成が実質的に酵母エキス、澱粉、グルコースからなり、固化成分として寒天を含むpH3〜5に調整した寒天培地複数枚に塗抹し、40〜50℃の範囲内の温度と60〜70℃の範囲内の温度の2種類の温度で同時に14〜24時間培養した後、40〜50℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況と60〜70℃の範囲内の温度での菌コロニー生育状況を目視比較することで高温性好酸性芽胞形成細菌の混入の有無と種類の鑑別を行うことを特徴とする。【選択図】 なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る